JP7382611B1 - エタノール除去方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、保育器1の概略斜視図である。保育器1は、患児Xを収容する収容室101と、収容室101を載置する載置台102とを含む。収容室101内には、ベッド11、ベッドの前後に配置された衝立部12が配置されている。ベッド11の表面11aは、患児が置かれる載置面である。ベッド11は、載置台102上に設けられたベッドステージ13に設置されている。ベッドステージ13は、ベッド11を上下方向または上下左右方向に動かすことが可能である。衝立部12は、ベッド11の表面11aから所定の高さおよび所定の幅を有する透明な樹脂で形成されている。
図2は、エタノール除去装置110の概略正面図である。図3は、図2のAA線矢視断面図である。
図12は、本実施形態に係るエタノール除去方法の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態に係るエタノール除去方法は、患児を収容するために内部の温度および湿度が調節可能な収容室101を備えた保育器内に設置され、収容室101内に収容された患児に対するエタノールによる医療行為に伴い気化したエタノールを収容室101から除去する。
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図4は、エタノール除去装置210の本概略正面図である。エタノール除去装置210は、前記実施形態1で説明したエタノール除去装置110と同じ筐体111を有し、エタノール除去装置110と異なるガイド部212を有している。
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図5は、エタノール除去装置110Aの概略正面図である。図6は、図5のAA線矢視断面図である。
図7は、エタノール除去装置110Aの使用例を説明する概略断面図である。エタノール除去装置110Aは、基本的に図5および図6に示すように、ガイド部112および筐体111をベッド11の表面11aに載置した状態で基本的に使用する。
前記実施形態1,2,3のエタノール除去装置110、210、110Aは、電源のオン・オフにより内部の吸引部115内のファンの駆動および停止を行うようになっている。この電源は、電池(1次電池、充電池等)であってもよく、外部電源であってもよく、また、外部電源と充電池との組み合わせであってもよい。エタノール除去装置の使用の都度保育器内に設置する場合には、電源は電池が好ましく、エタノール除去装置を常時保育器内に設置する場合には、電源は外部電源が好ましい。通常、収容室101内で患児Xに対して処置を行う際に、処置者(医師または看護師)によって電源をオンすることで、吸引部115のファンを駆動させる。また、エタノール除去装置110、210、110Aにおける吸引力は、吸引部115内のファンの回転数によって調整することができるので、除去するエタノールの濃度に応じてファンの回転数を変えることで、適切にエタノールの吸引および除去を行うことができる。
前記実施形態1では、収容室101に処置用の開口部101aが2個設けられている例について説明したが、開口部101aの数については少なくとも2個であればよく、3個以上であってもよい。
前記実施形態1では、エタノール除去装置110の駆動制御を、各装置に設けられた操作部の操作によって行う例について説明したが、保育器1が備える操作パネル102aの操作によって行われるようにしてもよい。
前記実施形態1では、図1に示すように、保育器1は、収容室101のベッド11の上部側で、循環部410による保育器1内の空気の循環、供給部420からの保育器1内への空気の供給、排出部430からの保育器1外への空気の排出を行っている。つまり、図1に示す保育器1における主な空気の循環は、収容室101のベッド11の上部側で行われる。このため、収容室101のベッド11上の患児Xに空気の流れは、保育器1内の温度変化に影響を与える可能性がある。そこで、収容室101のベッド11上の患児Xに空気の流れによる温度変化の影響を少なくするために、例えば図8に示す保育器2のように、収容室101のベッド11の下部側で、空気の保育器2内での循環、空気の保育器2内への供給、および空気の保育器2外の排出を行うようにすることが好ましい。なお、保育器2内から保育器2外への空気の排出方向については、保育器2内の空気の循環方向を阻害しない方向(例えば循環方向と同じ方向)に排出するのが好ましい。
前記実施形態1では、エタノール除去装置110に設けられた吸気部111cが筐体111の前面111aの長手方向に並列して設けられている例について説明したが、これに限定されるものではなく、空気を取り込むことができれば、どこに設けられてもよく、また、どのような構造であってもよい。また、前記実施形態1では、エタノール除去装置110に設けられた排気部111dが筐体111の後面111bに設けられている例について説明したが、これに限定されるものではなく、空気を排気できれば、どこに設けられてもよく、また、どのような構造であってもよい。さらに、エタノール除去装置110に設けられたガイド部112は、空気を吸気部111cに導くことができればどのような構造であってもよい。
前記実施形態1では、第1除去部114をカートリッジ型で、筐体111から着脱可能である例について説明した。同様に、第2除去部116もカートリッジ型であることが好ましい。この場合、カートリッジ型の第2除去部116は、第1除去部114と同様に、筐体111の上面から着脱可能にする。このように、第1除去部114、第2除去部116の何れもカートリッジ型であれば、筐体111からの着脱も容易であるので、各除去部における吸着材の交換が容易である。
前記実施形態1では、第1除去部114、吸引部115を流れる空気の方向がファンの回転軸方向と直交する方向であるため、吸引部に115に用いるファンはシロッコファンを用いていたが、これに限定されるものではい。例えば、第1除去部114、吸引部115を流れる空気の方向がファンの回転軸方向と同じ方向であれば、吸引部115に用いるファンとして軸流ファンを用いる。このように、第1除去部114、吸引部115の配置位置に応じて他の形式のファンを用いてもよい。また、吸引部115で用いるファンの数についても2個に限定されるものではなく、1個または3個以上であってもよい。さらに、ファンの種類や数は、必要とされる風量やバッテリー、消費電力を考慮して適宜決定すればよい。
前記実施形態1では、ガイド部112の載置部112aは、筐体111と一体に形成された例について説明したが、筐体111と別体で形成され、筐体111と接続可能に形成されてもよい。載置部112aを筐体111と別体とする場合、大きさや形状の異なる載置部112aを用意することができ、設置環境に応じたエタノール除去装置110を提供することができる。また、載置部112aの形状および大きさに関しては特に限定されるものではない。
前記実施形態1では、壁部112bが2つの例について説明したが、壁部112bは、吸気部111cに対向する部分を除いて形成されていればよいので、2つに限定されず、1つであってもよい。すなわち、ガイド部112は、壁部112bを少なくとも1つ有していればよい。
前記実施形態2では、ガイド部212の第1壁部212bおよび第2壁部212cの形状は、前記実施形態1のガイド部112に設けられた壁部112bと同じ形状であるとしているが、この形状に限定されるものではない。例えば、吸気部111cへの空気の導入のし易さを考慮した場合、第1壁部212bは、筐体111の前面111a側の高さと、前面111aから最も遠ざかった位置での高さとを同じにしてもよい。また、載置部212a上での処置のし易さを考慮した場合、第1壁部212bおよび第2壁部212cの高さは、できるだけ低い形状にしてもよい。
前記実施形態1、2のエタノール除去装置110および210では、通常、ガイド部112および筐体111、ガイド部212および筐体111をベッド11の表面11aに載置した状態で使用するが、これに限定されるものはでない。例えば、エタノール除去装置110のガイド部112およびエタノール除去装置210のガイド部212の先端をベッド11の表面11aに接触させて、当該表面11aから所定の角度θ(0≦<θ<90°)に傾けた状態を保持して、載置部112aおよび載置部212aに載置されたエタノールの発生源(例えば酒精綿)から発生するエタノールを含む空気を吸気部111cに導くようにしてもよい。
前記実施形態3では、図6に示すように、酒精綿Yを直接ベッド11上に載置していたが、これに限定されるものではなく、トレイ(図示せず)に載せて、当該トレイをベッド11上に載置するようにして、ガイド部112によってエタノールを含む空気を吸気部111cに導くようにしてもよい。
前記実施形態3では、壁部112bを2つ形成した例について説明したが、壁部112bは吸気部111cに対向する部分を除いて形成されていればよいので、2つに限定されず、1つであってもよい。すなわち、ガイド部112は、酒精綿Yが載置されたベッド11の表面の所定の範囲Zを囲む壁部112bを少なくとも1つ有していればよい。
前記実施形態3では、エタノール除去装置110Aの使用例として、図7に示すように、エタノール除去装置110Aを、ガイド部112の壁部112bの先端をベッド11の表面11aに接触させて、当該表面11aから所定の角度θ(0≦<θ<90°)に傾けた状態で使用する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エタノール除去装置110Aのガイド部112には壁部112bのみが形成されているので、壁部112bの先端をベッド11の表面11aに接触させて、エタノール除去装置110をベッド11の表面11aから所定の角度θ(90°<θ≦180°)に傾けた状態で使用してもよい。つまり、エタノール除去装置110Aは、ベッド11の表面11aに対して垂直でない方向から吸気部111cに導くように使用してもよい。
前記実施形態3では、エタノール除去装置110Aが備える除去部として、第1除去部114の1つの除去部の例について説明したが、これに限定されるものではなく、除去部は2つ以上であってもよい。
前記実施形態3では、前記実施形態1と同様に、第1除去部114、吸引部115を流れる空気の方向がファンの回転軸方向と直交する方向であるため、吸引部に115に用いるファンはシロッコファンを用いていたが、これに限定されるものではい。例えば、第1除去部114、吸引部115を流れる空気の方向がファンの回転軸方向と同じ方向であれば、吸引部115に用いるファンとして軸流ファンを用いる。このように、吸引部115に用いるファンは、第1除去部114、吸引部115の配置位置に応じて他の形式のファンを用いてもよい。また、吸引部115で用いるファンの数は2個に限定されるものではなく、1個または3個以上であってもよい。さらに、ファンの種類や数は、必要とされる風量やバッテリー、消費電力を考慮して適宜決定すればよい。
前記実施形態1~3では、エタノール除去装置110、210および110Aが備える除去部として、第1除去部114の1つの除去部の例について説明したが、これに限定されるものではなく、除去部は2つ以上であってもよい。
第2除去部116によってエタノールが吸着された空気は、筐体111の後面111bに設けられた排気部111dから排気される。
前記実施形態1~3の第1除去部114において使用する吸着材として、破砕状の活性炭を用いる例について説明したが、これに限定されず、シート状の活性炭やペレット状の活性済等の他の吸着材を使用してもよい。
前記実施形態1~3のエタノール除去装置110、210および110Aでは、電源のオン・オフによって駆動制御を行っていたが、これに限定されるものではない。例えば、収容室101内にエタノールの濃度を検知する濃度センサを設置し、濃度センサの検知信号に基づき、エタノール除去装置110および210の駆動制御を行うようにしてもよい。例えば、濃度センサの検知信号が示すエタノールの濃度が、所定濃度以上になったときに、エタノール除去装置110、210および110Aのファンの駆動を開始させ、所定濃度よりも下がれば、エタノール除去装置110、210および110Aのファンの駆動を停止させるようにしてもよい。さらに、エタノール除去装置110、210および110Aが駆動している間、濃度センサの検知信号が示すエタノールの濃度が所定濃度よりもさらに上昇したことを示せば、吸引部115内のファンの回転数を上げるようにして、吸引力を上げて収容室101内のエタノールをより積極的に吸引するようにしてもよい。これにより、迅速にエタノールを吸引して除去することができる。
前記実施形態1~3のエタノール除去装置110、210および110Aでは、第1除去部114と吸引部115との間には、ガスセンサ117を設け、第1除去部114から排出される空気に含まれるエタノール濃度を検出する例について説明したが、図9および図10に示すように、第1除去部114に加えて、第2除去部116を備えた場合であっても、ガスセンサ117をそれぞれの除去部の排気側に設けてもよい。
本変形例では、図11に示すように、第1開口部114bの上から下に向かって延設された第1遮蔽部材121が、第1開口部114bの一部を塞ぐようになっている。また、第2開口部114cの下から上に向かって延設された第2遮蔽部材122が、第2開口部114cの一部を塞ぐようになっている。第1遮蔽部材121は、第1開口部114bの上側3分の2程度塞ぎ、第2遮蔽部材122は、第2開口部114cの下側3分の2程度塞いでいる。この場合、図11に示すように、吸気部111cから入った空気は、第1除去部114の第1開口部114bの下側から入り、第2開口部114cの上側から出て、そのまま吸引部115によって吸引される。つまり、第1除去部114内に取り込まれた空気は、ペレット状の活性炭114aの下から上に向かって流れるようになるため、ペレット状の活性炭114aのほぼ全域に空気を行き渡らせた後、第1除去部114から排気される。なお、第1遮蔽部材121および第2遮蔽部材122の設け方は、図11に示す例に限定されない。例えば、第1遮蔽部材121を第1開口部114bの下から上に向かって形成し、第2遮蔽部材122を第2開口部114cの上から下に向かって形成してもよく、第1遮蔽部材121および第2遮蔽部材122のどちらかのみが設けられるようにしてもよい。この場合、第1除去部114内に取り込まれた空気は、ペレット状の活性炭114aの上から下に向かって流れ、ペレット状の活性炭114aのほぼ全域に行き渡る。なお、第1遮蔽部材121および第2遮蔽部材122の長さ、換言すると第1開口部114bおよび第2開口部114cをどの程度塞ぐのかは、上述した内容に限定されず、吸着部の吸着性能や空気の流量などを考慮して適宜設定すればよい。
前記実施形態1~3では、エタノール除去装置110、210および110Aの電源のオン・オフは、各装置が備える操作部の電源ボタンを操作することで行う例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エタノール除去装置110、210および110Aは、傾斜センサが設けられ、傾斜センサによる検知信号に基づき吸引部115のファンの駆動制御することが考えられる。この場合、エタノール除去装置110、210および110Aは、主電源をオンにした状態で、傾斜センサの検知信号が地面に対する傾斜角度が0°±5°であることを示していれば、使用状態であると判断し、吸引部115のファンを駆動させてエタノールの吸着動作を実行する。一方、エタノール除去装置110、210および110Aは、主電源をオンにした状態で、傾斜センサの検知信号が地面に対する傾斜角度が60°±20°であることを示していれば、停止状態であると判断し、吸引部115のファンを停止させてエタノールの吸着動作を停止する。つまり、エタノール除去装置110、210および110Aは、主電源がオンされていても、使用状態か停止状態かを把握してから、吸引部115のファンの駆動を制御するようになっているので、装置の作動忘れおよび停止忘れを防止することができる。なお、傾斜センサによって、使用状態であると判断するための角度、および停止状態であると判断するための角度は、上述した数値に限定されず、適宜設定すればよい。
前記実施形態1~3では、エタノール除去装置110、210および110Aは、吸気側に風速を検出するセンサ(以下、風速センサと称する)を設けてもよい。この場合、エタノール除去装置110、210および110Aにおける制御部は、風速センサによって検出された風速に応じて、吸引部115のファンを回転させるモータの駆動を制御する。制御部は、例えば、風速センサが所定範囲内の風速を検知すれば、吸引部115のファンの回転数を一定に保つようにモータを制御する。制御部は、例えば、風速センサが所定範囲を超えて一定の風速よりも速い風速であると検知すれば、吸引部115のファンの回転数を下げるようにモータを制御し、一定の風速よりも遅い風速であると検知すれば、吸引部115のファンの回転数を上げるようにモータを制御する。これにより、エタノール除去装置110、210および110Aは、特に、吸引部115のファンを回転させるモータが過剰に作動することで、保育器1(2)内の環境に影響することを防ぐことができる。このように、エタノール除去装置110、210および110Aは、風速センサを備えることで、吸気側の風速を常に監視することが可能となる。この結果、エタノール除去装置110、210および110Aは、自身に対して、適量の空気を吸引させることが可能となる。
本開示の一側面に係るエタノール除去装置は、患児を収容するために内部の温度および湿度が調節可能な収容室を備えた保育器内に設置され、前記収容室内に収容された患児に対するエタノールによる医療行為にともない気化したエタノールを前記収容室から除去するエタノール除去装置であって、吸気部から前記収容室内の空気を吸引する吸引部と、前記空気に含まれるエタノールを除去する除去部と、前記除去部によってエタノールが除去された空気を排気する排気部と、前記吸気部に前記空気を導くガイド部と、を備えている。
前面、111b 後面、111c 吸気部、111d 排気部、112 ガイド部、112a 載置部、112b 壁部、114 第1除去部、115 吸引部、116 第2除去部、210 エタノール除去装置、212 ガイド部、212a 載置部、212b
第1壁部(壁部)、212c 第2壁部(壁部)、X 患児(処置対象)
Claims (2)
- 患児を収容するために内部の温度および湿度が調節可能な収容室を備えた保育器内に設けられた除去手段、吸気手段、吸引手段および排気手段によって、前記収容室内に収容された患児の周囲の気化したエタノールを除去するエタノール除去方法であって、
前記収容室内の空気を、前記除去手段に吸引する前記吸気手段に導くガイドステップと、
前記吸気手段から前記収容室内の空気を前記吸引手段によって吸引する吸引ステップと、
吸引された空気に含まれるエタノールを前記除去手段によって除去する除去ステップと、
エタノールが除去された空気を前記排気手段によって排気する排気ステップと、を含む、エタノール除去方法。 - 前記排気手段による空気の排気方向は、前記吸気手段が設けられる方向とは異なる方向である、請求項1に記載のエタノール除去方法。
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HSIEH Shizuka et al.、Neonatal ethanol exposure from ethanol-based hand sanitisers in isolettes、FETAL & NEONATAL an edition of Archives of Disease in Childhood、英国、Royal College of Paediatrics and Child Health、2018.01.発行、Volume 103、Issue 1、F55-F58 |
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