JP2022061471A - 空気清浄装置及びこれを用いた空気清浄システム - Google Patents

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陽司 森
Yoji Mori
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Abstract

【課題】空気流の拡散が抑制され、捕集作用に優れた安定した空気流を吹き出すことができる吹出型の空気清浄装置などを提供する。【解決手段】空気清浄装置101は、空洞部を内蔵し衝立状に起立可能な気密構造のケーシング1と、ケーシング1の正面上方に設けられた通気部材4と、ケーシング1外の空気を空洞内に導入するためケーシング1の背面の下方に設けられた吸気口及び送風手段(ターボファン)と、吸気口に配置されたプレフィルタと、空洞部内において通気部材4に対向する領域に通気部材4と距離を隔てて配置されたメインフィルタ(HEPAフィルタ)と、を備え、通気部材4の水平断面形状がケーシング1の正面側から背面側に向かって凹んだ鈍角V字状をなしている。【選択図】図1

Description

本発明は、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散を防止するため室内の空気を吸い込んで清浄化する機能や、吸い込んだ空気を清浄化して室内へ吹き出す機能を備えた空気清浄装置及びこれを用いた空気清浄システムに関する。
室内の空気を吸い込んで清浄化する機能や、吸い込んだ空気を清浄化して室内へ吹き出す機能を備えた空気清浄装置については、従来、様々な形状、機能を有するものが開発、提案されているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された「超薄型空気清浄ユニット」がある。
特許文献1に記載された「超薄型空気清浄ユニット」は、偏平な箱状をなし内部が空胴となっているケーシングの一方の偏平面に吹出口を開口し、該吹出口にメインフィルターを設けたフィルターユニットと、上記ケーシングと同様に偏平な箱状をなし内部が空胴となっているケーシングの一方の偏平面に吸込口を開口し、該吸込口にプレフィルターを設けると共にその背後のケーシング内部に送風機を設けたファンユニットとからなり、上記フィルターユニットとファンユニットとは、各1つの端面に、該各端面同士を接合した状態でそれらのケーシング内部を相互に連通させる連通口を開口すると共に、上記接合状態においてフィルターユニットとファンユニットを着脱可能な連結手段によって連結し一体としたことを特徴とするものである。
特開2000-342921号公報
特許文献1に記載された「超薄型空気清浄ユニット」は吹出口から吹き出す空気流が直接、使用者に当たるので、飛沫拡散を防止するために吹き出し風速を増大させると、長時間に亘って空気流を受け続ける使用者に不快感を与えることがある。
また、「超薄型空気清浄ユニット」は、吹出口から吹き出した空気流は拡散しながら流動するので、空気流が不安定となり、捕集効果が低下することがある。
そこで、本発明が解決しようとする第一の課題は、空気流の拡散が抑制され、捕集作用に優れた安定した空気流を吹き出すことができる吹出型の空気清浄装置を提供することにあり、
第二の課題は、飛沫などの拡散を抑制しながら安定した状態で空気を吸い込むことができる吸込型の空気清浄装置を提供することにあり、
第三の課題は、安定した空気流を発生させ、優れた捕集効果を発揮する空気清浄システムを提供することにある。
本発明に係る第一の空気清浄装置(吹出型の空気清浄装置)は、
空洞部を内蔵し衝立状に起立可能な気密構造のケーシングと、前記ケーシングの正面上方に設けられた通気部材と、前記ケーシング外の空気を前記空洞内に導入するため前記ケーシングの背面若しくは正面の下方に設けられた吸気口及び送風手段と、前記吸気口に配置されたプレフィルタと、前記空洞部内において前記通気部材に対向する領域に前記通気部材と距離を隔てて配置されたメインフィルタと、を備え、
前記通気部材の水平断面形状が前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなし、
前記送風手段により前記吸気口を経由して前記空洞部内に導入した前記ケーシング外の空気を前記メインフィルタ並びに前記通気部材を通して前記ケーシング外へ吹き出すことを特徴とする。
このような構成とすれば、吹出面である通気部材の水平断面形状が空洞部に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなしていることにより、通気部材から吹き出す空気流が通気部材の左右から中央に向かって接近するように吹き出すので、空気流の拡散が抑制され、使用者の周囲により安定した清浄な空気流を形成することができる。
次に、本発明に係る第二の空気清浄装置(吸込型の空気清浄装置)は、
空洞部を内蔵し衝立状に起立可能な気密構造のケーシングと、前記ケーシングの正面上方に設けられた通気部材と、前記通気部材を通して前記ケーシング外の空気を前記空洞部内へ導入するため前記ケーシングの背面若しくは正面の下方に設けられた排気口及び送風手段と、前記空洞部内において前記通気部材に対向する領域に前記通気部材と距離を隔てて配置されたメインフィルタと、前記通気部材と前記メインフィルタとの間に配置されたプレフィルタと、を備え、
前記通気部材の水平断面形状が前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなし、
前記送風手段により前記通気部材、前記プレフィルタ並びに前記メインフィルタを通して前記空洞部内へ導入した前記ケーシング外の空気を前記排気口を通して前記ケーシング外へ排出することを特徴とする。
このような構成とすれば、吸込面である通気部材の水平断面形状が空洞部に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなしていることにより、吸込型の空気清浄装置の正面に使用者が居る場合、吸込面となる通気部材を使用者により接近させることができ、捕集効果が向上する。
前記空気清浄装置においては、前記メインフィルタとして、前記空洞部内に所定間隔を隔てて複数のフィルタユニットを左右対称に配置することが望ましい。
このような構成とすれば、吹出型の空気清浄装置の場合、通気部材とフィルタユニットとの間に各フィルタユニットを通過した空気流が流動する空間を設けることにより、通気部材から吹き出す空気流は各フィルタユニットを通過した気流が主となり、それ以外の領域からの空気流は、主気流より低速で低風量の副気流となる。そして、水平断面形状が空洞部に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなす通気部材の左右両端側から主気流が吹き出すことで、吹き出し空気流を受ける使用者の両側を包むエアカーテンが形成されるので、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散防止に効果がある。
また、通気部材から吹き出す空気流は、使用者が居る内側を遅く、外側を速くすることができ、直接使用者に当たり難くなるので、使用者が感じる不快感を低減することができる。また、左右両端側の吹き出し速度(風速)を高めることもできるので、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散防止の効果が向上する。
また、吹出型及び吸込型の空気清浄装置において、各フィルタユニットが小型化されることにより、フィルタの剛性が高まり、フィルタの目詰まりに起因する風圧による撓みが減少し、単一のフィルタに比べ最終圧損が大きくなるので、フィルタ寿命を延ばすことができる。また、フィルタユニットが小型化、軽量化されることにより、着脱作業を容易化することができる。さらに、通気部材の面積が大きい場合であっても、規格サイズの汎用フィルタユニットを複数配置することによって対応可能となるので、専用サイズの大型フィルタを使用せずに済み、フィルタコストの低減、短納期化を図ることができる。
前記空気清浄装置においては、複数の前記フィルタユニットの水平断面の長手方向が、前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ鈍角V字状線の一部をなすように、若しくは、前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ凹状曲線の接線と平行をなすように複数の前記フィルタユニットを配置することができる。
このような構成とすれば、吹出型の空気清浄装置においては、水平断面形状が空洞部に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなす通気部材によって得られる前述の効果(吹き出し空気流を受ける使用者の両側を包むエアカーテンが形成され、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散を防止する効果)をさらに高めることができる。また、吸込型の空気清浄装置においては、捕集効果をさらに向上させることができる。
前記空気清浄装置においては、左右対称に配置された複数のフィルタユニットと個別に連通する複数の送風手段と、前記送風手段を個別に制御する制御手段を設けることができる。
このような構成とすれば、左右対称に配置された複数のフィルタユニットへ供給される空気流の流速や流量を個別に制御したり、複数のフィルタユニットを経由して吸い込む空気流の流速や流量を個別に制御したりすることができるので、使用者の要望や使用条件に的確に応じた条件で使用することができる。また、左右から吹き出す主気流の流速に交互に強弱をつけるゆらぎ制御を行い、使用者の左右を通過する主気流に差を設ければ、使用者の周辺の空気の滞留が減少し、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散防止及び回収をより効果的に行うことができる。
前記空気清浄装置においては、前記ケーシングの正面側から前記空洞部に向かって凹んだ鈍角V字状をなす前記通気部材の水平断面の角度若しくは曲線状をなす前記通気部材の水平断面の曲率を変更可能とすることができる。
このような構成とすれば、空気清浄装置の設置場所の自由度が向上し、気流形成の自由度も向上する。
前記空気清浄装置においては、前記メインフィルタが、HEPAフィルタであることが望ましい。
このような構成とすれば、通気部材から吹き出す空気中や通気部材を経由して吸い込まれる空気中に含まれる微小な粉塵、ゴミ、塵埃などを取り除き、清浄化する機能を高めることができ、脱臭効果も得ることができる。
前記空気清浄装置においては、前記ケーシング若しくは前記通気部材に、細菌やウィルスを不活性化する手段、滅菌する手段若しくは殺菌する手段の少なくとも1以上を設けることができる。
このような構成とすれば、不活性化する手段、滅菌する手段若しくは殺菌する手段により、空気中に含まれる細菌やウィルスなどを不活性化したり、滅菌したり、殺菌したりする効果を得ることができる。なお、細菌やウィルスなどを不活性化する手段、滅菌する手段若しくは殺菌する手段としては、例えば、イオン発生器、オゾン発生器などを採用することができる。
次に、本発明に係る空気清浄システムは、前記第一の空気清浄装置(吹出型の空気清浄装置)と前記第二の空気清浄装置(吸込型の空気清浄装置)とをそれぞれの前記通気部材の少なくとも一部が対向するように配置したことを特徴とする。
このような構成とすれば、使用者の不快感を低減しつつ、吹出型の空気清浄装置から吸込型の空気清浄装置に向かう気流を安定させることができるので、気流が拡散せず、捕集効果が向上する。また、吸込型の空気清浄装置の左右外側に渦流が発生するので、捕集効果が向上する。
本発明により、
空気流の拡散が抑制され、捕集作用に優れた安定した空気流を吹き出すことができる第一の空気清浄装置(吹出型の空気清浄装置)、
飛沫などの拡散を抑制しながら安定した状態で空気を吸い込むことができる第二の空気清浄装置(吸込型の空気清浄装置)、並びに、
安定した空気流を発生させ、優れた捕集効果を発揮し、使用者の不快感を低減することができる空気清浄システムを提供することができる。
本発明の第一の実施形態である吹出型の空気清浄装置を示す一部省略斜視図である。 図1に示す空気清浄装置の一部省略右側面図である。 図1に示す空気清浄装置の一部省略背面図である。 図1に示す空気清浄装置の一部省略平面図である。 図1中のA-A線における一部省略垂直断面図である。 図1中のB-B線における一部省略水平断面図である。 本発明の第二実施形態である吸込型の空気清浄装置を示す一部省略正面図である。 図7に示す空気清浄装置の一部省略背面図である。 図7に示す空気清浄装置の一部省略右側面図である。 図7に示す空気清浄装置の一部省略平面図である。 図7中のC-C線における一部省略垂直断面図である。 本発明の実施形態である空気清浄システムを示す模式図である。 図12に示す空気清浄システムにおける気流の状態を模式的に示す一部省略平面図である。 本発明のその他の実施形態である吸込型の空気清浄装置を示す一部省略垂直断面図である。 (a)は図14に示す空気清浄装置の使用例を示す模式側面図であり、(b)は前記使用例を示す模式平面図である。 本発明のその他の実施形態である吹出型の空気清浄装置を示す一部省略垂直断面図である。 図16に示す空気清浄装置の使用例を示す模式図である。 本発明のその他の実施形態である吹出型の空気清浄装置を示す平面図である。 図18に示す空気清浄装置の一部省略水平断面図である。 本発明のその他の実施形態である吹出型の空気清浄装置を示す一部省略背面図である。 本発明のその他の実施形態である空気清浄システムにおける気流の状態を模式的に示す一部省略平面図である。 本発明のその他の実施形態である吹出型の空気清浄装置を示す一部省略斜視図である。 図22中のE-E線における一部省略水平断面図である。 その他の実施形態である吹出型の空気清浄装置を示す一部省略正面側斜視図である。 図24に示す空気清浄装置の一部省略背面側斜視図である。 図24に示す空気清浄装置の一部省略正面図である。 図24に示す空気清浄装置の一部省略右側面図である。 図26中のG-G線における一部省略垂直断面図である。 図26中のH-H線における一部省略水平断面図である。 その他の実施形態である吸込型の空気清浄装置を示す一部省略垂直断面図である。 その他の実施形態である空気清浄装置の転倒防止具を示す一部省略斜視図である。
以下、図1~図31に基づいて、本発明の実施形態である空気清浄装置101,102,103,104,105,106,107,108,109並びに空気清浄システムについて説明する。
初めに、図1~図6に基づいて、本発明の第一の実施形態である吹出型の空気清浄装置101について説明する。図1~図6に示すように、空気清浄装置101は、正面視形状が縦長の長方形状をなすケーシング1と、ケーシング1の下面の左右部分に設けられた一対の支持脚2,2と、支持脚2,2の下面に取り付けられた複数のキャスタ3と、を備えている。ケーシング1は空洞部Vを内蔵し、支持脚2及びキャスタ3により、所定の設置面上(例えば、床面F上)に衝立状に起立可能である。
ケーシング1の正面の上方部分には、空洞部Vと連通し、気体が通過可能な多数の通気孔4aを有する通気部材4が配置されている。通気部材4は、ケーシング1の正面の上半分程度の領域に着脱可能に取り付けられた額縁状のフレーム部材5の内周側にパンチングメタルを配置することによって形成されているが、これに限定するものではない。
図5に示すように、ケーシング1外の空気を空洞部V内に導入するため、ケーシング1の背面の下方に吸気口6が設けられ、吸気口6の内側のケーシング1内に送風手段(ターボファン7)が配置されている。吸気口6の外面側(ケーシング1の背面側)にはプレフィルタ8が着脱可能に取り付けられている。プレフィルタ8は限定しないが、後述するメインフィルタ9(HEPAフィルタ)より目が粗いフィルタ、例えば、サランネットフィルタ、不織布フィルタなどが好適である。
図6に示すように、ケーシング1の空洞部V内において通気部材4に対向する領域には、通気部材4と距離(隙間d)を隔てて複数のメインフィルタ9,9(HEPAフィルタ)が配置されている。メインフィルタ9,9はそれぞれ独立した平板状のフィルタユニットであり、個別に着脱可能である。複数のメインフィルタ(フィルタユニット)9,9は、空胴部V内に所定間隔を隔てて左右対称に配置されている。具体的には、ケーシング1のサイズが幅900mm×高さ1400mmであるのに対して、メインフィルタ9のサイズは幅305mm×高さ610mmであり、このサイズの2個のメインフィルタ9,9を左右方向に180mmの間隔を隔てて配置している。
図6に示すように、通気部材4の水平断面形状は、ケーシング1の正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ鈍角V字状をなしている。本実施形態において、鈍角V字状部分の成す角度Rは170度に設定している。これより角度Rが大きいと吹き出した空気流が拡散する。また角度Rが小さいと使用者に主気流が直接当たりやすくなる。また、通気部材4の水平断面の角度(鈍角V字状部分の成す角度R)を変更可能な構造とすることもでき、このような構造とすれば、空気清浄装置101の設置場所の自由度が向上し、気流形成の自由度も向上する。
また、図5,図6に示すように、ケーシング1内の空洞部Vに仕切部材10が配置されている。平板状の仕切部材10は、空洞部Vの内部の左右方向の中央に垂直方向に配置され、メインフィルタ(フィルタユニット)9,9の背面側に位置する空洞部Vが仕切部材10によって左右に区画されている。
図5,図6に示すように、空気清浄装置101において、送風手段であるターボファン7を稼動させると、ケーシング1外の空気が、プレフィルタ8及び吸気口6を通過してケーシング1内に吸い込まれ、吸い込まれた空気は、図6に示すように、仕切部材10により左右に区画された空洞部V,Vを経由してそれぞれメインフィルタ9,9の背面側に均一に分配され、メインフィルタ9,9を通過して清浄化され、隙間d並びに通気部材4の通気孔4aを通過して、通気部材4の正面側から室内に向かって吹き出される。
このように、吹出型の空気清浄装置101は、送風手段(ターボファン7)により、プレフィルタ8及び吸気口を経由してケーシング1内に導入したケーシング1外の空気をメインフィルタ9を通すことによって清浄化した後、通気部材4を通してケーシング1外へ吹き出す機能を有している。
空気清浄装置101においては、図6に示すように、吹出面である通気部材4の水平断面形状が空洞部Vに向かって凹んだ鈍角V字状をなしていることにより、図4中の矢線で示すように、通気部材4から吹き出す空気流が通気部材4の左右から中央に向かって接近するように吹き出すので、空気流の拡散が抑制され、安定した空気流となり、優れた捕集効果を得ることができる。
空気清浄装置101においては、メインフィルタとして、空胴部V内に所定間隔を隔てて複数のメインフィルタ(フィルタユニット)9,9を左右対称に配置しているので、各メインフィルタ(フィルタユニット)9,9が小型化されることにより、フィルタの剛性が高まり、風圧による撓みが減少し、単一のフィルタに比べ最終圧損が大きくなるので、フィルタ寿命を延ばすことができる。
また、メインフィルタ(フィルタユニット)9,9が小型化、軽量化されることにより、着脱作業を容易化することができ、通気部材4の面積が大きい場合であっても、規格サイズの汎用フィルタユニット(HEPAフィルタ)を複数配置することによって対応可能となるので、専用サイズの大型フィルタを使用せずに済み、フィルタコストの低減、短納期化を図ることができる。
図6に示すように、空気清浄装置101においては、平板状をした複数のメインフィルタ(フィルタユニット)9,9を、それぞれのメインフィルタ(フィルタユニット)9の水平断面の長手方向が、ケーシング1の正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ鈍角V字状線の一部をなすように配置している。
なお、複数のメインフィルタ(フィルタユニット)9,9の水平断面の長手方向が、ケーシング1の正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ凹状曲線の接線と平行をなすように複数のメインフィルタ(フィルタユニット)9,9を配置することもできる。
また、空気清浄装置101においては、空洞部V内を流通する空気をメインフィルタ9,9に導く気流誘導ガイドを空洞部V内に設けることもできる。気流誘導ガイドを設ければそうすれば、送風手段(ターボファン7)から送風された空気流が気流誘導ガイドによって整流されてメインフィルタ9,9に供給されるので、吹き出し空気流が均一化され、吹き出し空気流の安定性が向上する。また、空洞部V内の圧力損失が低減されるので、送風手段(ターボファン7)への負荷を軽減することができる。
次に、図7~図11に基づいて、本発明の第二実施形態である吸込型の空気清浄装置102について説明する。なお、空気清浄装置102を構成する部分において、前述した空気清浄装置101を構成する部分と共通する部分については、図1~図6中の符号と同符号を付して説明を省略する。
図7~図11に示すように、空気清浄装置102は、空洞部Vを内蔵し衝立状に起立可能な気密構造のケーシング1と、ケーシング1の正面上方に設けられた通気部材4と、通気部材4の通気孔4aを通してケーシング1外の空気を空洞部V内へ導入するためケーシング1の背面の下方に設けられた排気口11及び送風手段(ターボファン7)と、空洞部V内において通気部材4に対向する領域に通気部材4と距離を隔てて配置されたメインフィルタ9(HEPAフィルタ)と、通気部材4とメインフィルタ9(HEPAフィルタ)との間に配置されたプレフィルタ8と、を備えている。排気口11の外面(ケーシング1の背面)には、多数の通気孔12aを有する排気部材12が付設されている。
図7,図11中に示す通気部材4の水平断面形状は、図6中に示す通気部材4と同様、ケーシング1の正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ鈍角V字状をなしている。また、図示していないが、メインフィルタ9,9の水平断面の長手方向は、図6中に示すメインフィルタ9,9と同様、ケーシング1の正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ鈍角V字状線の一部をなすように、複数のメインフィルタ9,9が配置されている。
図11に示すように、空気清浄装置102において、ターボファン7を稼動させると、ケーシング1外の空気が、通気部材4、プレフィルタ8及びメインフィルタ9を通過して、ケーシング1内のメインフィルタ9の背面側の空洞部Vに吸い込まれる。メインフィルタ9を通過して清浄化された空気は、仕切部材10により左右に区画された空洞部V,Vを下降して、ターボファン7に吸い込まれ、排気口11及び排気部材12の通気孔12aを通過してケーシング1の背面側から室内に向かって吹き出される。
このように、吸込型の空気清浄装置102は、送風手段(ターボファン7)により通気部材4、プレフィルタ8並びにメインフィルタ9(HEPAフィルタ)を通してケーシング1外の空気を空洞部V内へ導入し、メインフィルタ9を通すことによって清浄化した空気を排気口11並びに排気部材12を通してケーシング1外へ排出する機能を有している。
空気清浄装置102においては、前述したように、吸込面である通気部材4(図7参照)の水平断面形状が空洞部Vに向かって凹んだ鈍角V字状をなしているので、空気清浄装置102の正面側に座った使用者に対して吸込面となる通気部材4をより接近させることが可能となり、捕集効果が向上する。
次に、図12,図13に基づいて、図1に示す吹出型の空気清浄装置101並びに図7に示す吸込型の空気清浄装置102を対向配置して形成した空気清浄システムについて説明する。
図12は空気清浄システムを病院の診察室内に設置した事例を示している。この空気清浄システムにおいては、吹出型の空気清浄装置101と吸込型の空気清浄装置102が、所定距離を隔てて、それぞれの通気部材4,4が全面的に対向するように配置され、空気清浄装置101,102の間の領域において、当該空気清浄システムの使用者である医師Dが患者Pを診察している状態を示している。空気清浄装置101は診察室内の空気を吸気口6からケーシング1内に吸い込み、HEPAフィルタ9で清浄化した空気を医師Dに向かって吹き出している。空気清浄装置102は医師D並びに患者Pの周辺を経由して移動してきた空気をケーシング1内に吸い込み、HEPAフィルタ9で清浄化した空気を排気口11から排出している。
図12に示すように、吹出型の空気清浄装置101並びに吸込型の空気清浄装置102を所定距離隔てて対向配置し、それぞれの送風手段(ターボファン7)を稼働させることにより、図13に示すように、空気清浄装置101の正面の通気部材4から吹き出され、医師D並びに患者Pの周辺を流動し、空気清浄装置102の正面の通気部材4から吸い込まれる空気流が形成される。
空気清浄装置101においては、図6に示すように、メインフィルタとして、空洞部V内に所定間隔を隔てて複数のHEPAフィルタ(フィルタユニット)9,9を左右対称に配置し、通気部材4とHEPAフィルタ(フィルタユニット)9,9との間にHEPAフィルタ9,9を通過した空気流が流動する空間(隙間d)を設けているので、通気部材4から吹き出す空気流は各HEPAフィルタ9,9を通過した気流が主となり、それ以外の領域(通気部材4の左右方向の中央部分)から吹き出す空気流は、主気流より低速で低風量の副気流となる。そして、水平断面形状が空洞部Vに向かって凹んだ鈍角V字状をなす通気部材4の左右両端側から主気流が吹き出すことにより、吹き出し空気流を受ける医師D並びに患者Pの両側を包むエアカーテンが形成されるので、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散防止及び回収に効果がある。
また、空気清浄装置101の通気部材4から吹き出す空気流の流速は、医師Dが居る内側を遅く、外側を速くすることができ、こうすることにより、空気流が直接、医師Dに当たり難くなるので、医師Dが感じる不快感を低減することができる。また、空気清浄装置101の通気部材4の左右両端側の吹き出し速度(流速)を高めることもできるので、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散防止及び回収の効果が向上する。さらに、図5,図6に示すように、通気部材4とHEPAフィルタ9との間に隙間dを設けたことにより、前述したように、通気部材4の左右方向の中央部分から低風速で吹き出す副気流が発生するため、吹出面である通気部材4の中央部分の空気の滞留を防止することができる。
図12に示すように、空気清浄装置101の通気部材4から吹き出され、医師D並びに患者Pの周辺を通過して空気清浄装置102の正面に到達した空気流は、空気清浄装置102の通気部材4を通過してケーシング1内に吸い込まれ、HEPAフィルタ9によって清浄化された後、排気口11から診察室内に向かって吹き出されるので、診察室内の空気は正常な状態に保たれる。従って、診察室内における空気感染防止と診察室内の空気清浄化に最大限の効果を発揮し、医師Dなどの医療従事者への感染防止効果を期待することができる。
また、空気清浄装置102の吸込面である通気部材4の水平断面形状が空洞部に向かって凹んだ鈍角V字状をなしていることにより、空気清浄装置101の通気部材4から吹き出され、対向配置された空気清浄装置102の吸込面に衝突する空気流が、通気部材4の左右外側に散逸することを抑制することができる。
図13に示すように、吹出型の空気清浄装置101から吸込型の空気清浄装置102へ向かう空気流が安定することによって空気流の誘引作用が増大するので、吸込型の空気清浄装置102の吸込面である通気部材4の左右外側に散逸した空気流が渦流を形成し、空気清浄装置102の通気部材4に吸い込まれる。
次に、図14~図21に基づいて、本発明のその他の実施形態である空気清浄装置103,104,105,106について説明する。なお、空気清浄装置103,104,105,106を構成する部分において、前述した空気清浄装置101,102を構成する部分と共通する部分については、図1~図12中に示す符号と同符号を付して説明を省略する。
次に、図14に示す吸込型の空気清浄装置103においては、ケーシング1の正面上方に配置された通気部材4から吸い込まれたケーシング1外の空気は、プレフィルタ8並びにHEPAフィルタ9を通過することによって清浄化された後、ケーシング1の正面下方に設けられた排気口11からケーシング1外へ排出される。
空気清浄装置103の使い方は限定しないが、例えば、図15(a)に示すように、病院の待合室で待機する使用者(患者P)の近傍に空気清浄装置103を配置すれば、患者Pからの飛沫による感染を防止するとともに、待合室内の空気の清浄化を行うことができる。図15(b)に示すように、空気清浄装置103においては、吸込面である通気部材4の水平断面形状が空洞部V(図14参照)に向かって凹んだ鈍角V字状をなしているので、空気清浄装置103の正面側に座った使用者(患者P)に対し、吸込面となる通気部材4をより接近させることができ、捕集効果が向上する。
次に、図16に示す吹出型の空気清浄装置104においては、ケーシング1の正面下方に設けられたプレフィルタ8並びに吸気口6を経由して空洞部V内へ吸い込まれたケーシング1外の空気は、HEPAフィルタ9を通過することによって清浄化された後、ケーシング1の正面上方に配置された通気部材4からケーシング1外へ排出される。
空気清浄装置104の使い方は限定しないが、例えば、図17に示すように、調剤室内の作業台Tで調剤作業などを行う使用者(作業者W)の近傍に空気清浄装置104を配置すれば、調剤作業時に作業対象物への塵埃や雑菌の混入を防止する簡易クリーンベンチとして使用できるほか、調剤室内の空気の清浄化を行うことができる。
次に、図18に示す吹出型の空気清浄装置105においては、図19に示すように、通気部材14の水平断面形状は、ケーシング1の正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ曲線状をなしている。本実施形態では、ケーシング1のサイズ(幅900mm×高さ1400mm)に対して曲率半径を2500mmに設定している。これにより、図18,図19中の矢線で示すように、通気部材14から吹き出す空気流が通気部材14の左右から中央に向かって接近するように吹き出すので、空気流の拡散が抑制され、安定した空気流となり、優れた捕集効果を得ることができる。また、使用者に主気流が直接当たり難くなり、使用者の不快感を低減することができる。
なお、ケーシング1の正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ曲線状をなす通気部材14の水平断面の曲率は変更可能とすることも可能であり、このような構成とすれば、空気清浄装置105の設置場所の自由度が向上し、気流形成の自由度も向上する。
次に、図20に示す吹出型の空気清浄装置106においては、ケーシング1の背面下方の左右部分にそれぞれ吸気口6,6が開設され、ケーシング1の吸気口6,6の内側部分にそれぞれ送風手段(図示せず)が配置されている。空気清浄装置106の場合、図5,6に示す仕切部材10に相当する仕切部材(図示せず)をケーシング1の下縁部分まで延設することにより空洞部を左右に区画し、左右の空洞部V,Vにそれぞれ送風手段が配置されている。また、複数の前記送風手段を個別に制御する制御手段(図示せず)が設けられている。その他の部分の構造、機能は図1に示す空気清浄装置101と同等である。
空気清浄装置106において、複数の送風手段によりプレフィルタ8及び吸気口6を経由してケーシング1内に吸い込まれたケーシング1外の空気は、図6に示す仕切部材10に相当する、ケーシング1の下縁部分まで延長された仕切部材(図示せず)によって左右に区画された二つの空洞部V,Vを上昇して左右対称に配置された二つのHEPAフィルタ9,9の背面側に供給され、HEPAフィルタ9,9を個別に通過して通気部材4からケーシング1外へ吹き出される。
従って、複数の前記送風手段を個別に制御する制御手段を用いて、左右対称に配置された複数のHEPAフィルタ9,9へ供給される空気流の流速や流量を個別に制御することができるので、使用者の要望や使用条件に的確に応じた条件で使用することができる。
図21は図20に示す空気清浄装置106並びに図7に示す空気清浄装置102を対向配置して形成した空気清浄システムを示している。図21に示すように空気清浄装置106の複数の前記送風手段を個別に制御することにより、空気清浄装置106の通気部材4の左右から吹き出す主気流の流速に交互に強弱をつけるゆらぎ制御を行い、使用者である医師Dの左右を通過する主気流に差を設ければ、医師D並びに患者Pの周辺の空気の滞留が減少し、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散防止及び回収を効果的に行うことができる。
なお、空気清浄装置106は単独でも使用可能であり、通気部材4の左右から吹き出す主気流の流速に交互に強弱をつけるゆらぎ制御を行い、使用者である医師Dや患者Pの左右を通過する主気流に差を設ければ、医師Dや患者Pの周辺における空気の滞留が減少し、ウィルスや細菌、塵埃などの飛散防止を効果的に行うことができる。
図示していないが、吸込型の空気清浄装置において、ケーシング1の背面下方の左右部分にそれぞれ排気口6,6を開設し、通気部材4から複数のHEPAフィルタ9,9を経由して吸い込む空気流の流速や流量を独立制御する構成とすれば、使用者の要望や使用条件に的確に応じた条件で使用することが可能となる。
次に、図22,図23に基づいて、その他の実施形態である吹出型の空気清浄装置107について説明する。図22,図23に示す空気清浄装置107を構成する部分において、図1,図6に示す空気清浄装置101と共通する部分については図1,図6中の符号と同符号を付して説明を省略する。
図22,図23に示すように、空気清浄装置107においては、通気部材4の左右方向の中央部に垂直方向に直列して開設された複数の放出孔13の背面側にそれぞれイオン発生器15が配置されている。イオン発生器15は、プラズマ放電により活性酸素を発生させ、(+)プラスイオンと(-)マイナスイオンを生成し、空気中に放出する機能を有する。吹出型の空気清浄装置101の場合、通気部材4から吹き出す気流にイオン発生器15で発生したイオンを含ませることにより、空気中に浮遊する細菌やウィルスなどを不活性化させることができる。なお、細菌やウィルスなどを不活性化する手段、滅菌する手段若しくは殺菌する手段としては、イオン発生器15以外に、例えば、オゾン発生器などを採用することもできる。
なお、図22,図23に示す空気清浄装置107に設けられている放出孔13及びイオン発生器15を空気清浄装置102に設けることも可能である。吸込型の空気清浄装置102に放出孔13及びイオン発生器15を設ければ、細菌やウィルスを不活性化、死滅させた状態で捕集することができ、感染防止の観点からも安全性が向上する。なお、細菌やウィルスなどを不活性化する手段、滅菌する手段若しくは殺菌する手段としては、空気清浄装置102においても、イオン発生器15以外に、例えば、オゾン発生器などを採用することができる。
また、図12に示す空気清浄システムにおいて、空気清浄装置101の代わりに図22,図23に示す空気清浄装置107を配置するとともに、空気清浄装置102に放出孔13及びイオン発生器15を設ければ、吹出型の空気清浄装置107からの吹出気流によりウィルス、細菌などを死滅または不活性化させた状態で、対向配置された吸込型の空気清浄装置102において確実に捕集することができるので、クリーン度が向上するだけでなく、不活性化、死滅した状態でウィルスなどを捕集することができ、感染防止の観点からも安全性が向上する。
次に、図24~図29並びに図30に基づいて、その他の実施形態である吹出型の空気清浄装置108並びに吸込型の空気清浄装置109について説明する。なお、空気清浄装置108,109を構成する部分において、前述した空気清浄装置101,102を構成する部分と共通する部分については、図1~図11中の符号と同符号を付して説明を省略する。
図24~図29に示すように、吹出型の空気清浄装置108は、正面視形状が縦長の長方形状をなすケーシング1と、ケーシング1の下面の左右部分に設けられた一対の支持脚2,2と、支持脚2,2の下面に取り付けられた複数のキャスタ3と、を備えている。
ケーシング1の正面の上方部分には、空洞部Vと連通し、気体が通過可能な多数の通気孔(図示せず)を有する通気部材4が配置され、ケーシング1の正面の通気部材4の下方部分には、表面が平面状の正面パネル17が配置されている。図29に示すように、通気部材4の水平断面形状は1ケーシングの正面側から背面側(空洞部V内)に向かって凹んだ凹曲線状をなしている。
通気部材4は、ケーシング1の正面の上半分程度の領域に着脱可能に取り付けられた額縁状のフレーム部材5の内周側にパンチングメタルを配置することによって形成されているが、これに限定するものではない。図24,図26,図28に示すように、通気部材4の上縁部4b並びに下縁部4cとフレーム部材5との間はそれぞれ略弓形状の閉塞部材16a,16bで塞がれている。閉塞部材16aは通気部材4の上縁部4bに向かって下り勾配をなし、閉塞部材16bは通気部材4の下縁部4cに向かって上り勾配をなしている。
閉塞部材16a,16bを設けたことにより、通気部材4の中央部の面積が狭まるので、吹出型の場合、通気部材4を通過した気流は中央部よりも両端部側の風量が増加する。このため通気部材4から吹出した気流は、さらに拡散が抑制され、使用者の周囲により安定した清浄空気流を形成できるほか、(使用者と周囲環境との間での)エアカーテン効果が増大する。また、吸込型の場合も同様に、通気部材4の両端部側の風量が増加するので、安定した清浄空気流が形成され、前述したエアカーテン効果が増大する。
また、閉塞部材16aに下り勾配を設け,16bに上り勾配を設けることにより、通気部材4の中央部面積を狭める際の圧力損失上昇を抑制することができるだけでなく、空気清浄装置108の意匠性が向上する。
図28,図29に示すように、ケーシング1の空洞部V内において、通気部材4に対向する領域には、通気部材4と距離(隙間d)を隔てて複数のメインフィルタ9,9(HEPAフィルタ)が配置されている。メインフィルタ9,9はそれぞれ独立した平板状のフィルタユニットであり、個別に着脱可能である。複数のメインフィルタ(フィルタユニット)9,9は、空胴部V内に所定間隔を隔てて左右対称に配置されている。
図29に示すように、複数のフィルタユニット9,9の水平断面の長手方向が、ケーシング1の正面側から空洞部V内に向かって凹んだ凹状曲線(通気部材4の水平断面を含む凹状曲線)の接線Lと平行をなすように、複数のフィルタユニット9,9が配置されている。
図28に示すように、ケーシング1外の空気を空洞部V内に導入するため、ケーシング1の背面の下方に吸気口6が設けられ、吸気口6の内側のケーシング1内に送風手段(ターボファン7)が配置されている。吸気口6の外面側(ケーシング1の背面側)にはプレフィルタ8が着脱可能に取り付けられている。
図28,図29に示すように、空気清浄装置108において、ターボファン7を稼動させると、ケーシング1外の空気が、プレフィルタ8及び吸気口6を通過してケーシング1内に吸い込まれ、吸い込まれた空気は、仕切部材10により左右に区画された空洞部V,Vを経由してそれぞれメインフィルタ9,9の背面側に均一に分配され、メインフィルタ9,9を通過して清浄化され、隙間d並びに通気部材4の通気孔(図示せず)を通過して、通気部材4の正面側から室内に向かって吹き出される。
次に、図30に示す吸込型の空気清浄装置109は、これを構成するターボファン7の送風方向が、図29に示す吹出型の空気清浄装置108を構成するターボファン7の送風方向と反対方向(180度逆方向)をなすようにターボファン7が配置されている。また、通気部材4とメインフィルタ9との間にプレフィルタ(図示せず)が配置されている。空気清浄装置109におけるその他の部分の構成は図29に示す空気清浄装置108と同様である。
図30に示すように、空気清浄装置109において、ターボファン7を稼動させると、ケーシング1外の空気が、通気部材4、プレフィルタ(図示せず)及びメインフィルタ9を通過して、ケーシング1内のメインフィルタ9の背面側の空洞部Vに吸い込まれる。メインフィルタ9を通過して清浄化された空気は、仕切部材10により左右に区画された空洞部V,Vを下降して、ターボファン7に吸い込まれ、排気口11を通過してケーシング1の背面側から室内に向かって吹き出される。
このように、吸込型の空気清浄装置109は、送風手段(ターボファン7)により通気部材4、プレフィルタ(図示せず)並びにメインフィルタ9(HEPAフィルタ)を通してケーシング1外の空気を空洞部V内へ導入し、メインフィルタ9を通すことによって清浄化した空気を排気口11を通してケーシング1外へ排出する機能を有している。
次に、図30,図31に基づいて、空気清浄装置109の支持脚2の部分に着脱可能に装着する転倒防止器具20について説明する。図31に示すように、転倒防止器具20は、床面F(図30参照)上に載置するベースプレート21と、ベースプレート21の上面21aに固着された係合部材22と、を備えている。ベースプレート21は長方形の平板材で形成され、係合部材22は横断面がコ字状をなすチャンネル材で形成されている。
係合部材22を形成する一対の平面部22a,22bのうちの一方の平面部22aがベースプレート21の上面21aに固着され、他方の平面部22bは平面部22aの上方にて平面部22aと略平行をなしている。平面部22a,22bの対向面間の距離はキャスタ3の車輪3bの外径より大である。
平面部22bには、平面視形状がU字状をなす一対のスリット22c,22cが開設されている。スリット22c,22cの幅はそれぞれキャスタ3の支軸3aの外径より大である。スリット22c,22cの間隔は、キャスタ3,3の支軸3a,3aの配置間隔と同等である。
平面部22aにおいてスリット22c,22cの直下に位置する部分にはそれぞれ凹状部22d,22dが設けられている。凹状部22dは、キャスタ3の車輪3bの下面部近傍が嵌入可能なサイズに形成されている。
図31に示すように、転倒防止器具20をその係合部材22の開口面側を、空気清浄装置109の右側面側の支持脚2の外側から支持脚2に向けた姿勢で支持脚2に近づけていき、ベースプレート21の長辺部分を、キャスタ3,3の車輪3b,3bと床面F(図30参照)との間に差し込み、転倒防止器具20全体を支持脚2に向かって押圧すると、車輪3b,3bが回転しながらベースプレート21の上面21aに乗り上がり、係合部材22の平面部22a上を回転移動していく。これと並行して、支持脚3a,3aがそれぞれスリット22c,22cの開口部から奥部に向かって進入していき、車輪3b,3bの下面部近傍が凹状部22d,22dに嵌り込んだ時点で、転倒防止器具20の装着が完了する。このとき、車輪3b,3bは係合部材22の平面部22a,22bの間に位置している。なお、図示していないが、空気清浄装置109の左側の支持脚2に対しても、同様の手順で転倒防止器具20を装着することができる。
空気清浄装置109の左右両側の支持脚2,2に対してそれぞれ転倒防止器具20,20を装着すると、キャスタ3は支軸3aを中心に回転できず、車輪3bも回転できない状態に保持されるので、空気清浄装置109の転倒を防止することができる。一方、図31に示した手順と逆の手順を取れば、支持脚2から転倒防止器具20を離脱させることができる。
図31は、空気清浄装置109の支持脚2に対して転倒防止器具20を装着する状態を示しているが、これに限定するものではないので、転倒防止器具20は、図1~図30に示すその他の空気清浄装置101,102,103,104,105,106,107,108に対しても着脱可能に装着して使用することができる。
なお、図1~図31に基づいて説明した空気清浄装置101,102,103,104,105,106,107,108,109並びに空気清浄システムは何れも本発明に係る空気清浄装置並びに空気清浄システムを例示するものであり、本発明に係る空気清浄装置並びに空気清浄システムは、前述した空気清浄装置101,102,103,104,105,106,107,108,109並びに空気清浄システムに限定されない。
本発明に係る空気清浄装置並びに空気清浄システムは、室内の空気を清浄化したり、室内の空気を清浄な状態に維持したりすることを必要とする様々な産業分野において広く利用することができる。
1 ケーシング
2 支持脚
3 キャスタ
3a 支軸
3b 車輪
4,14 通気部材
4a,12a 通気孔
4b 上縁部
4c 下縁部
5 フレーム部材
6 吸気口
7 ターボファン(送風手段)
8 プレフィルタ
9 メインフィルタ(HEPAフィルタ、フィルタユニット)
10 仕切部材
11 排気口
12 排気部材
13 放出孔
15 イオン発生器
16a,16b 閉塞部材
17 正面パネル
20 転倒防止器具
21 ベースプレート
21a 上面
22 係合部材
22a,22b 平面部
22c スリット
22d 凹状部
101,104,105,106,107,108 吹出型の空気清浄装置
102,103,109 吸込型の空気清浄装置
d 隙間
D 医師
F 床面
L 接線
P 患者
T 作業台
R 鈍角V字状部分の成す角度
W 使用者

Claims (9)

  1. 空洞部を内蔵し衝立状に起立可能な気密構造のケーシングと、前記ケーシングの正面上方に設けられた通気部材と、前記ケーシング外の空気を前記空洞内に導入するため前記ケーシングの背面若しくは正面の下方に設けられた吸気口及び送風手段と、前記吸気口に配置されたプレフィルタと、前記空洞部内において前記通気部材に対向する領域に前記通気部材と距離を隔てて配置されたメインフィルタと、を備え、
    前記通気部材の水平断面形状が前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなし、
    前記送風手段により前記吸気口を経由して前記空洞部内に導入した前記ケーシング外の空気を前記メインフィルタ並びに前記通気部材を通して前記ケーシング外へ吹き出すことを特徴とする空気清浄装置。
  2. 空洞部を内蔵し衝立状に起立可能な気密構造のケーシングと、前記ケーシングの正面上方に設けられた通気部材と、前記通気部材を通して前記ケーシング外の空気を前記空洞部内へ導入するため前記ケーシングの背面若しくは正面の下方に設けられた排気口及び送風手段と、前記空洞部内において前記通気部材に対向する領域に前記通気部材と距離を隔てて配置されたメインフィルタと、前記通気部材と前記メインフィルタとの間に配置されたプレフィルタと、を備え、
    前記通気部材の水平断面形状が前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ鈍角V字状若しくは凹曲線状をなし、
    前記送風手段により前記通気部材、前記プレフィルタ並びに前記メインフィルタを通して前記空洞部内へ導入した前記ケーシング外の空気を前記排気口を通して前記ケーシング外へ排出することを特徴とする空気清浄装置。
  3. 前記メインフィルタとして、前記空洞部内に所定間隔を隔てて複数のフィルタユニットを左右対称に配置した請求項1または2記載の空気清浄装置。
  4. 複数の前記フィルタユニットの水平断面の長手方向が、前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ鈍角V字状線の一部をなすように、若しくは、前記ケーシングの正面側から前記空洞部内に向かって凹んだ凹状曲線の接線と平行をなすように、複数の前記フィルタユニットを配置した請求項3記載の空気清浄装置。
  5. 左右対称に配置された複数のフィルタユニットと個別に連通する複数の送風手段と、前記送風手段を個別に制御する制御手段を設けた請求項3または4記載の空気清浄装置。
  6. 前記ケーシングの正面側から前記空洞部に向かって凹んだ鈍角V字状をなす前記通気部材の水平断面の角度若しくは凹んだ曲線状をなす前記通気部材の水平断面の曲率が変更可能である請求項1~5の何れかの項に記載の空気清浄装置。
  7. 前記メインフィルタが、HEPAフィルタである請求項1~6の何れかの項に記載の空気清浄装置。
  8. 前記ケーシング若しくは前記通気部材に、細菌やウィルスを不活性化する手段、滅菌させる手段若しくは殺菌する手段のうちの1以上を設けた請求項1~7の何れかの項に記載の空気清浄装置。
  9. 請求項1,3~8の何れかの項に記載の空気清浄装置と請求項2~8の何れかの項に記載の空気清浄装置とをそれぞれの前記通気部材同士の少なくとも一部が対向するように配置したことを特徴とする空気清浄システム。
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