JP7379831B2 - 液体容器 - Google Patents

Description

本開示は、液体容器に関する。

液体容器には、複数の部材が溶着されることによって、液体を収容する液体収容室が内部に形成されるものがある。例えば、下記の特許文献１に開示されている液体容器では、筒状の樹脂部材であるスリーブ部の両端に、液体を流出させるための開口部を有する樹脂部材がレーザー溶着によって接合されることによって内部に液体収容室が形成されている。

特開２０１５－６６７５０号公報

特許文献１の技術のように、レーザー溶着によって複数の部材を溶着する場合、互いに溶着される２つの部材のうち、一方がレーザーを透過し、他方がレーザーを吸収する材料によって構成する必要がある。そのため、液体容器を構成する材料の選択の自由度が制限されてしまうが、特許文献１では、レーザー溶着以外の接合技術については考慮されていない。

複数の部材が接合されて液体収容室が形成される液体容器においては、レーザー溶着に限らず、種々の接合技術によって、そうした複数の部材同士を容易に接合できる構造を有していることが望ましい。

本開示の技術の一形態は、液体容器として提供される。
［形態１］液体容器であって、液体が収容される液体収容室と、前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第１側壁部と、前記第１側壁部の一方の第１端部に囲まれている第１開口と、前記第１側壁部の他方の第２端部に囲まれている第２開口と、を有する第１部材と、前記液体を流出させる流出口を有し、前記第１開口に取り付けられる液体出口部材と、前記第１部材に接合され、前記液体収容室を前記第２開口側から封止する第２部材と、を備え、前記第１部材は、さらに、前記第１側壁部の外周を囲む筒状の第１部材側外周壁部を有し、前記第１側壁部と前記第１部材側外周壁部とは離間して形成されており、前記第１部材側外周壁部は、該第１部材側外周壁部における前記第２部材側の端部が前記第１部材の中心軸方向に見たとき径方向外方に突出する突出部を有し、前記第２部材は、前記第１部材の前記第２開口と対向する底壁部と、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって水密に接する外周面を有する第２側壁部と、を有し、前記底壁部は、前記第２側壁部の外周の位置から前記第２側壁部の径方向外方に延び出て、前記突出部と接する延出部と、を有し、前記第１部材と前記第２部材との接合部は、前記突出部と前記延出部とが、溶着、熱カシメ、接着から選ばれた接合方法により接合された接合部であり、前記第１部材の中心軸方向に見たときに、前記液体収容室における前記第１側壁部と前記第２側壁部の境界に囲まれた領域よりも径方向において外側に位置し、且つ、前記接合部は前記境界と前記径方向において離間する。
［形態２］液体容器であって、液体が収容される液体収容室と、前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第１側壁部と、前記第１側壁部の一方の端部に囲まれている第１開口と、前記第１側壁部の他方の端部に囲まれている第２開口と、を有する第１部材と、前記液体を流出させる流出口を有し、前記第１開口に取り付けられる液体出口部材と、前記第１部材に接合され、前記液体収容室を前記第２開口側から封止する第２部材と、を備え、前記第１部材と前記第２部材との接合部は、前記第１部材の中心軸方向に見たときに、前記液体収容室における前記第１部材と前記第２部材の境界に囲まれた領域の外側に形成されており、前記第２部材は、前記第１部材の前記第２開口に対向する底壁部と、前記底壁部から前記第１部材側へと延び出て前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第２側壁部と、を有し、前記第２側壁部は、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、前記第１部材は、さらに、前記第１側壁部の外周を囲む筒状の第１部材側外周壁部を有し、前記接合部は、前記第１部材側外周壁部の前記第２部材側の端部と前記第２部材とが接合された部位であり、前記第１部材側外周壁部の前記第２部材側の端部には、前記第１部材側外周壁部の径方向外方に突出している突出部が設けられ、前記底壁部は、前記第２側壁部の外周から、前記第２側壁部の径方向外方に延び出て、前記突出部と接する延出部を有し、前記接合部は、前記突出部と前記延出部とが、溶着、熱カシメ、接着から選ばれた接合方法により接合された部位であり、前記第２側壁部の軸方向長さは、前記第１側壁部の軸方向長さよりも長く、前記第２側壁部と前記第１側壁部とが全周に亘って接する部位は、前記液体収容室において前記液体出口部材寄りに位置する。
［形態３］液体容器であって、液体が収容される液体収容室と、前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第１側壁部と、前記第１側壁部の一方の第１端部に囲まれている第１開口と、前記第１側壁部の他方の第２端部に囲まれている第２開口と、を有する第１部材と、前記液体を流出させる流出口を有し、前記第１開口に取り付けられる液体出口部材と、前記第１部材に接続され、前記液体収容室を前記第２開口側から封止する第２部材と、を備え、前記第１部材は、前記第１側壁部の径方向外側に第１部材側外周壁部を有し、前記第２部材は、前記第２開口と対向する底壁部と、前記第２開口に挿入され前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接する第２側壁部と、を有し、前記第２部材は、さらに、前記底壁部から径方向外方および前記第１部材側に延び出て、前記第１側壁部の外周を囲んでいる筒状の第２部材側外周壁部を有し、前記第１部材と前記第２部材との接続部は、前記第２部材側外周壁部の内周面と前記第１部材側外周壁部の外周面とが互いに対向しあう部位に設けられたネジ部によって構成され、前記接続部は、前記第１部材の中心軸方向に見たときに、前記液体収容室における前記第１部材と前記第２部材の境界に囲まれた領域の径方向外側に位置し、且つ、前記底壁部を下方に向けた状態において、前記第２部材側外周壁部の上端は前記境界より上方に位置する。

液体消費装置の構成を示す概略斜視図。 インク供給ユニットを示す概略斜視図。 インク供給ユニットを示す概略平面図。 インクタンクの側面側を示す概略部分断面図。 インクタンクの正面側を示す概略部分断面図。 第１実施形態の液体容器の概略斜視図。 第１実施形態の液体容器の概略側面図。 キャップが取り外された液体容器を示す概略斜視図。 第１実施形態の液体容器の概略断面図。 液体出口部材の内部から弁部材を取り出した状態を示す概略分解斜視図。 インクタンクへのインクの補充工程を示す第１の一部破断側面図。 インクタンクへのインクの補充工程を示す第２の一部破断側面図。 第１部材と第２部材との接合部の周縁部位を抜き出して示す概略断面図。 第２実施形態の液体容器の概略斜視図。 第２実施形態の液体容器の概略側面図。 第２実施形態の液体容器の概略断面図。 第３実施形態の液体容器の概略斜視図。 第３実施形態の液体容器の概略側面図。 第３実施形態の液体容器の概略断面図。 第１部材と第２部材との接合部の周縁部位を抜き出して示す概略断面図。 第４実施形態の液体容器の概略斜視図。 第４実施形態の液体容器の概略側面図。 第４実施形態の液体容器の概略断面図。 第１部材と第２部材との接合部の周縁部位を抜き出して示す概略断面図。 第５実施形態の液体容器の概略断面図。 第６実施形態の液体容器の概略斜視図。 第６実施形態の液体容器の概略側面図。 第６実施形態の液体容器の概略断面図。 第７実施形態の液体容器の概略断面図。 第８実施形態の液体容器の概略斜視図。 第８実施形態の液体容器の概略側面図。 第８実施形態の液体容器の概略断面図。 第９実施形態の液体容器の概略斜視図。 第９実施形態の液体容器の概略側面図。 第９実施形態の液体容器の概略断面図。 第１０実施形態の液体容器の概略斜視図。 第１０実施形態の液体容器の概略側面図。 第１０実施形態の液体容器の概略断面図。 第１１実施形態の液体容器の概略斜視図。 第１１実施形態の液体容器の概略側面図。 第１１実施形態の液体容器の概略断面図。

１．第１実施形態：
１－１．液体消費システム：
図１は、第１実施形態における液体容器１００を備える液体消費システム１０の一例を示す概略図である。この液体消費システム１０は、液体容器１００に加えて、液体を消費する液体消費装置２１を備える。液体消費システム１０では、ユーザーによって、液体容器１００の液体が液体消費装置２１に補充される。以下では、まず、図１～５を参照して、液体消費装置２１の構成を説明し、図６～１３を参照して、第１実施形態の液体容器１００を説明する。

１－２．液体消費装置：
図１には、液体消費装置２１の構成が概略斜視図によって模式的に示されている。図１では、液体消費装置２１は、筐体２２内の構成を透視した状態で簡略的に図示してある。また、図１には、互いに直交するＸ方向、Ｙ方向、および、Ｚ方向を、水平面に配置された液体消費装置２１に対応させて図示してある。Ｘ方向およびＹ方向は、水平方向に平行な方向であり、Ｚ方向は、鉛直方向に平行な方向である。Ｘ方向は、液体消費装置２１の左右方向に一致する。Ｘ方向のうち、＋Ｘ方向は、液体消費装置２１の正面側に正対したときの右方向であり、－Ｘ方向は左方向である。Ｙ方向は、液体消費装置２１の前後方向に一致する。Ｙ方向のうち、＋Ｙ方向は前方向であり、－Ｙ方向は後方向である。Ｚ方向は、液体消費装置２１の上下方向に一致する。Ｚ方向のうち、＋Ｚ方向は上方向であり、－Ｚ方向は下方向である。後に参照する各図に図示されているＸ方向、Ｙ方向、および、Ｚ方向は、図１に対応している。

液体消費装置２１は、媒体に対して、液体の一例であるインクを吐出することによって、媒体に画像等の記録を行うインクジェット式のプリンターである。液体消費装置２１は、左右方向を長手方向とする直方体形状の筐体２２を備えている。筐体２２内における後方寄りの下部には、左右方向を長手方向とする支持台２３が、その上面が左右方向に沿うように設置されている。媒体の一例である用紙Ｐは、この支持台２３の上面に支持されつつ、搬送方向である前方に向けて搬送される。筐体２２内における支持台２３の上方位置には、左右方向に沿って延びるガイド軸２４が架設され、そのガイド軸２４にはインクを吐出する記録ヘッド２５を下面側に備えたキャリッジ２６が支持されている。キャリッジ２６は、左右方向に貫通する支持孔２７にガイド軸２４が挿通されている。キャリッジ２６は、ガイド軸２４に対して左右方向への往復移動が可能である。

筐体２２内においてガイド軸２４の両端の近傍にあたる位置には、駆動プーリー２８と従動プーリー２９とがそれぞれ回転可能に支持されている。駆動プーリー２８にはキャリッジモーター３０の出力軸が連結されるとともに、駆動プーリー２８と従動プーリー２９との間には一部がキャリッジ２６に連結された無端状のタイミングベルト３１が巻き掛けられている。キャリッジモーター３０の駆動によりキャリッジ２６がタイミングベルト３１を介してガイド軸２４にガイドされつつ用紙Ｐに対する走査方向となる左右方向に沿って往復移動するときに、支持台２３上を前方に搬送される用紙Ｐに対してキャリッジ２６の下面側の記録ヘッド２５から用紙Ｐに対してインクが吐出される。

筐体２２の前面側において支持台２３の前方側となる位置には、インクの吐出による記録が行われた用紙Ｐを前方側に排出する矩形の排出口３２が開口している。排出口３２には、筐体２２内から排出される用紙Ｐを支持可能な矩形板状の排出トレイ３３が設けられている。排出トレイ３３は、前方へ引き出すことが可能である。排出口３２内において、排出トレイ３３の下側には、積層された複数枚の用紙Ｐを収容可能な給紙カセット３４が装着されている。給紙カセット３４は、前後方向に着脱可能である。

筐体２２における前面には、排出口３２よりも左右方向の端部側に、開閉扉３５が設けられている。図１では、開閉扉３５は、筐体２２における前面の右端部側に設けられている。開閉扉３５は、前面と上面が矩形状で右側面が直角三角形状を有しており、その下端に設けられた左右方向に沿った回転軸３６を中心として前後方向に回動することによって開閉する。この開閉扉３５の前面には、矩形状の透明部材からなる窓部３７が形成されており、ユーザーは開閉扉３５を閉じた状態で、筐体２２の内部を視認できる。

液体消費装置２１の筐体２２内において、開閉扉３５の後方には、記録ヘッド２５に対してインクを供給するインク供給ユニット４０が収容されている。インク供給ユニット４０は、複数のインクタンク４１～４５を含む。本実施形態では、インク供給ユニット４０は、５つのインクタンク４１～４５を含む。インク供給ユニット４０は、各インクタンク４１～４５が一体的に取り扱い可能とされた構造体である。ユーザーによる液体容器１００からのインクの補充は、各インクタンク４１～４５に対して行われる。

図２は、インク供給ユニット４０を示す概略斜視図である。図３は、インク供給ユニット４０を示す概略平面図である。インク供給ユニット４０は、５つのインクタンク４１～４５と、各インクタンク４１～４５の後面側から延び出ている５つのインク供給チューブ４６と、各インクタンク４１～４５に装着され、液体容器１００の接続を媒介するインク補給用のアダプター４７とを備える。各インクタンク４１～４５は、左右方向における寸法が最も小さい矩形状の箱体として構成されている。各インクタンク４１～４５は、インク供給チューブ４６を介して、図１に示すキャリッジ２６に保持されている記録ヘッド２５に接続されている。

各インクタンク４１～４５には、上方における前方側の部位に、アダプター４７を取り付けるための矩形状に切り欠かれた段差部４８が形成されている。インク供給ユニット４０では、各インクタンク４１～４５は、左右方向に配列された状態で、直方体形状のアダプター４７が取り付けられることによって連結されて一体化される。後述するように、インクの補充の際には、液体容器１００は、アダプター４７に勘合的に接続される。

なお、アダプター４７は、インクタンク４１～４５を覆う筐体２２の一部を構成するものであってもよいし、インクタンク４１～４５と一体的に形成されていてもよい。また、アダプター４７は、各インクタンク４１～４５を連結する機能を有していなくてもよく、分割されて各インクタンク４１～４５のそれぞれに一つずつ装着されていてもよい。

図４および図５はそれぞれ、図３に示す４－４切断および５－５切断におけるインクタンク４１～４５の切断面を部分的に含む概略部分断面図である。図４は、インクタンク４１～４５の側面側を示しており、図５は、インクタンク４１～４５の正面側を示している。

各インクタンク４１～４５は、その内部にインクＩＫを貯留可能なインク貯留室４９を有している。各インクタンク４１～４５には異なる色インクが貯留される。例えば、右端に位置するインクタンク４１には、ブラックインクが貯留され、その左側に並ぶ他の各インクタンク４２～４５にはブラック以外のカラー、例えば、シアン、マゼンタ、イエローなどのインクが貯留される。

インクタンク４１～４５の前壁部には、インク貯留室４９内のインクＩＫの液面を、筐体２２の前面の窓部３７を介して利用者に視認可能とする視認部５０が設けられている。視認部５０は、例えば、透明樹脂によって構成される。視認部５０には、インク貯留室４９内に貯留されるインクＩＫの液面の上限の目安を示す上限マーク５１と下限の目安を示す下限マーク５２とが記されている。上限マーク５１が示す目安は、例えば、インクをインク受入部５３から溢れさせずに注入可能なインク量の目安である。下限マーク５２が示す目安は、例えば、ユーザーにインクの補給を促す目安である。

図４に示すように、インクタンク４１～４５において段差部４８の水平部分の上側には外部からインク貯留室４９内へのインクの流入を可能とするインク受入部５３が設けられている。インク受入部５３は、鉛直上方に延びる針状のインクポート５６を備える。インクポート５６の内部には、インク貯留室４９の内部と外部とを連通する並列な２つの流路５４，５５が設けられている。図３に示すように、第１の流路５４は、第２の流路５５の後方側に設けられている。第１と第２の流路５４の開口断面は、１つの円を、中心から放射状に延びる壁部によって２つの扇形に区画した形状を有している。第１の流路５４は、第２の流路５５の後方に設けられており、第２の流路５５より、その流路断面積が大きく形成されている。また、図４に示すように、第１の流路５４は、第２の流路５５よりも、その先端開口の高さが低く形成されている。インク貯留室４９内の後方寄り下部には、インク貯留室４９内のインクＩＫの残量を検出するための残量センサー５７が設けられている。残量センサー５７は省略されてもよい。

図４に示すように、アダプター４７には、その上面５８から下面５９まで上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔は、図２及び図３に示すように、略円形状の開口断面を有する円形孔部６０の前後に略矩形状の開口断面を有する一対の矩形孔部６１を連結させた開口形状を有する。図２～５に示すように、インク供給ユニット４０では、各インクタンク４１～４５が有するインク受入部５３のインクポート５６は、円形孔部６０の中央に配置される。後述するように、インクタンク４１～４５に、インクが補充される際には、液体容器１００の液体出口部材１１０の一部が円形孔部６０および矩形孔部６１に嵌合する。なお、アダプター４７の上面５８には、円形孔部６０および矩形孔部６１の周縁に対応するインクタンク４１～４５が収容している色インクと同じ色が目印として塗布されていてもよい。

第１実施形態では、矩形孔部６１内には、各インクタンク４１～４５ごとに異なる位置に、矩形孔部６１の内側側面から突出する識別用凸部６２が設けられている。後述するように、各インクタンク４１～４５に適合する色インクを収容している液体容器１００の液体出口部材１１０には、識別用凸部６２が嵌合可能な嵌合溝部１１６が設けられている。適合しない色インクを収容している液体容器１００の液体出口部材１１０の嵌合溝部１１６には、識別用凸部６２が嵌合できないため、液体容器１００の液体出口部材１１０がアダプター４７の矩形孔部６１に嵌まることが阻止される。なお、図２～５に示されているように、インクタンク４２，４５の上方に設けられている一対の矩形孔部６１では、識別用凸部６２が円形孔部６０の中心を対称点として点対称に設けられている。この理由については後述する。

１－３．液体容器の構成：
図６～１３を参照して、第１実施形態における液体容器１００の構成を説明する。図６は、液体容器１００を示す概略斜視図であり、図７は、液体容器１００の側面を平面視したときの概略側面図である。図６および図７には、液体容器１００にキャップ１３０が取り付けられた状態が図示されている。図８は、液体容器１００からキャップ１３０が取り外された状態を示す概略斜視図である。図９は、図７に示す中心軸ＣＸ上の９－９切断における液体容器１００の概略断面図である。各図には、液体容器１００の中心軸ＣＸを一点鎖線で図示してある。なお、以下では、中心軸ＣＸに平行な沿った方向を「中心軸方向」と呼ぶ。

液体容器１００は、液体を収容する内部空間である液体収容室１０１を有している。第１実施形態では、液体容器１００が収容する液体は、上述した液体消費装置２１のインクタンク４１～４５に補充されるインクである。液体容器１００は、中空の容器本体１０２と、容器本体１０２に取り付けられている液体出口部材１１０と、液体出口部材１１０に着脱可能に取り付けられるキャップ１３０とを備えている。

以下、液体容器１００において、中心軸方向における液体出口部材１１０が設けられている側を「先端側」と呼び、その反対側を「後端側」とも呼ぶ。液体容器１００は、後端側端部が平坦に構成されており、先端側を上方に向け、後端側を下方に向けた姿勢で水平面に載置可能に構成されている。

１－３－１．容器本体：
図６～図８に示すように、容器本体１０２は、円柱状の外観形状を有する中空部材によって構成される。容器本体１０２は、例えば、ポリプロピレン（ＰＰ）やポリエチレンテフタレート（ＰＥＴ）など樹脂材料によって作製される。容器本体１０２は、第１部材１５０と第２部材１６０とを中心軸方向に組み付けて接合することによって作製される。第１部材１５０と第２部材１６０の詳細な構成と、第１部材１５０と第２部材１６０の接合方法については後述する。

１－３－２．液体出口部材：
図８を参照する。液体出口部材１１０は、いわゆるスパウトとして機能する部材であり、液体容器１００の先端側の端部に取り付けられている。液体出口部材１１０は、筒状の部材であり、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンテフタレートなどの樹脂材料の射出成形によって作製される。

液体出口部材１１０は、先端側に、液体収容室１０１に連通する管状の管路部１１１を有する。第１実施形態では、管路部１１１は、中心軸ＣＸに沿った円筒状の形状を有している。管路部１１１は、先端側の端部に、液体収容室１０１に収容されている液体を流出させるための開口である流出口１１２を有する。第１実施形態では、流出口１１２の中心は、液体容器１００の中心軸ＣＸ上にある。また、管路部１１１は、図３に示すアダプター４７の円形孔部６０に嵌まる径を有している。

管路部１１１の先端側の端面には、溝部１１３が、流出口１１２の外周に沿って形成されている。溝部１１３を有していることにより、インクタンク４１～４５へのインクの補充後に、流出口１１２の周縁に付着したインクを管路部１１１の側面に垂れる前に、溝部１１３に流れ込ませて貯留させることができる。よって、流出口１１２の周縁に付着したインクが、管路部１１１の側面にインクが垂れることが抑制される。

管路部１１１の外周側面には、管路部１１１の径方向に突出し、管路部１１１の外周に沿って形成された環状凸部１１４が設けられている。環状凸部１１４によって、流出口１１２から管路部１１１の側面にこぼれた液体が管路部１１１の側面を伝って後端側へと垂れていくのを堰き止めることができる。なお、本明細書において、管状または筒状の部材における「径方向」とは、当該管状または筒状の部材の中心軸に直交する方向を意味する。

液体出口部材１１０は、さらに、管路部１１１の径方向における両側に一対の嵌合部１１５を有している。一対の嵌合部１１５はそれぞれ、図２～４に示すアダプター４７の対応する矩形孔部６１に嵌まるように構成されている。第１実施形態では、嵌合部１１５は、管路部１１１に沿った矩形柱状の部位として形成されている。嵌合部１１５の側面には、嵌合溝部１１６が管路部１１１に沿って設けられている。嵌合溝部１１６は、図２～４に示す矩形孔部６１内に設けられた識別用凸部６２が嵌合するように構成されている。なお、一対の嵌合部１１５は省略されてもよい。

液体出口部材１１０は、さらに、管路部１１１および嵌合部１１５の側面に、径方向に延び出ている位置決め部１１８を有している。位置決め部１１８は、先端側に向き、径方向に沿った上面を有する。後述するように、液体容器１００がアダプター４７に接続されるときには、位置決め部１１８の上面が、円形孔部６０および矩形孔部６１の周縁においてアダプター４７の上面５８に当接する。これにより、インクタンク４１～４５へインクを補充する際の液体容器１００の位置決めがなされる。

図９および図１０を参照する。図１０は、液体出口部材１１０を容器本体１０２から取り外し、液体出口部材１１０の内部から弁部材１２０を取り出した状態を示す概略分解斜視図である。弁部材１２０は、液体出口部材１１０の流出口１１２を開閉可能に封止する部材である。第１実施形態では、弁部材１２０は、いわゆるスリット弁として構成される。弁部材１２０は、本体がシリコン膜などの弾性部材によって構成されており、厚み方向に弾性変形することによって開閉するスリット１２１が中央に設けられている。弁部材１２０は、図１０において矢印で示すように後端側から液体出口部材１１０に内部に挿入され、図９に示すように管路部１１１の先端に、流出口１１２を封止するように取り付けられる。弁部材１２０は、位置決め部１１８よりも先端側に固定されている。

図８および図９を参照する。液体出口部材１１０は、位置決め部１１８よりも後端側に、液体出口部材１１０を容器本体１０２に固定するための接続部１２５を有している。接続部１２５は、管路部１１１よりも径が大きい筒状の部位として構成されている。接続部１２５の内周面には、容器本体１０２の外周に設けられている雄ネジ部１０３に螺合する雌ネジ部１２７が設けられている。接続部１２５の外周面には、キャップ１３０を液体容器１００に着脱可能な状態で固定するための雄ネジ部１２９が設けられている。

１－３－３．キャップ：
図６～９を参照する。キャップ１３０は、先端側の端部が閉塞され、一方が開口している円筒状の部材によって構成される。キャップ１３０は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンテフタレート等の樹脂材料の射出成形によって作製される。キャップ１３０は、液体出口部材１１０を内部に収納する状態で、液体容器１００の先端側に取り付けられる。キャップ１３０の内周面には、上述した液体出口部材１１０の接続部１２５に設けられた雄ネジ部１２９に螺合する雌ネジ部１３１が設けられている。図９に示すように、キャップ１３０の内壁面には、液体出口部材１１０の流出口１１２と対向する位置に、流出口１１２を水密に閉塞する閉塞部１３３が設けられている。「水密」は、液密と言い換えてもよい。キャップ１３０が取り付けられることにより、液体出口部材１１０が保護されるとともに、流出口１１２からのインクの漏洩が抑制される。

１－３－４．インクタンクへのインクの補充：
図１１および図１２を参照して、液体容器１００からインクタンク４１～４５にインクを補充する工程を説明する。図１１は、アダプター４７に液体容器１００が接続される前の状態を模式的に示す一部破断側面図である。図１２は、アダプター４７に液体容器１００が接続された後の状態を模式的に示す一部破断側面図である。インクタンク４１～４５へのインクの補充は、例えば、ユーザーが、インクＩＫの液面が下限マーク５２以下にあることを、視認部５０を通じて確認したときに行われる。

図１１を参照する。まず、液体容器１００が、先端側を下側にし、後端側を上側にして、中心軸ＣＸがＺ軸方向に一致する姿勢にされる。また、液体容器１００は、液体出口部材１１０の一対の嵌合部１１５が、インクタンク４１～４５の前後方向に並ぶ向きにされる。なお、アダプター４７への接続前には、弁部材１２０のスリット１２１が閉じられた閉弁状態であるため、液体容器１００の先端を重力方向に向けられても、流出口１１２からのインクの流出は弁部材１２０によって抑制される。

次に、インクタンク４１～４５のインクポート５６の上方に液体容器１００の流出口１１２を位置させて、液体容器１００を下方に移動させる。これによって、図１２に示すように、液体出口部材１１０の管路部１１１が、アダプター４７の円形孔部６０に嵌まり、液体出口部材１１０の各嵌合部１１５が、アダプター４７の対応する矩形孔部６１に嵌まる。なお、このとき、液体容器１００が、適合していない色インクのインクタンク４１～４５に接続されようとしているときには、矩形孔部６１に設けられた識別用凸部６２が嵌合部１１５に設けられた嵌合溝部１１６に嵌合できない。そのため、液体容器１００が、適合していない色インクのインクタンク４１～４５に間違って接続されることが抑制される。

ここで、上述したように、インク供給ユニット４０は、識別用凸部６２が円形孔部６０の中心を対称点とする点対称な位置に設けられている一対の矩形孔部６１を含んでいる。一対の矩形孔部６１がこうした構成を有していることにより、適合する液体出口部材１１０の一対の嵌合部１１５のいずれが前方側にされても、識別用凸部６２が各嵌合部１１５の嵌合溝部１１６に嵌合できる。よって、一対の嵌合部１１５の前後方向における向きに関わらず、適合するインクを収容している液体容器１００を接続することができるため、ユーザーの利便性が高められる。

液体出口部材１１０がアダプター４７の円形孔部６０および矩形孔部６１に嵌まるときには、円形孔部６０の中央にあるインクポート５６が、弁部材１２０のスリット１２１から流出口１１２内に＋Ｚ方向に挿入される。このとき、インクポート５６における第２の流路５５の方が、第１の流路５４よりも先端開口の高さが高いため、先に流出口１１２内に挿入され、液体収容室１０１のインクが、第２の流路５５へと流入し始める。続いて、第１の流路５４の先端開口が流出口１１２内に挿入されると、インクタンク４１～４５のインク貯留室４９の大気が第１の流路５４を通じて液体収容室１０１へと流入する。このように、インクポート５６の第２の流路５５は液体流路として機能し、第１の流路５４は大気流路として機能する。これによって、その後に、ユーザーが何らの操作を行わなくても、液体容器１００のインクとインク貯留室４９内の大気とが交換されて、インク貯留室４９にインクが補充される。

なお、液体出口部材１１０が傾いた姿勢で流出口１１２にインクポート５６が挿入されて、第１の流路５４の先端開口が第２の流路５５の先端開口より先に流出口１１２内に挿入された場合には、第１の流路５４にインクが流れ、第２の流路５５に大気が流れる。そのため、液体容器１００では、第２の流路５５が大気流路として機能し、第１の流路５４が液体流路として機能する場合もある。

１－３－５．容器本体を構成する第１部材および第２部材：
図９を参照して、容器本体１０２を構成する第１部材１５０と第２部材１６０の構成を説明する。第１部材１５０は、中心軸ＣＸ周りに液体収容室１０１を囲む筒状の側壁部１５１を有する。第１実施形態では、側壁部１５１は円筒状である。第１部材１５０の側壁部１５１の中心軸は、液体容器１００の中心軸ＣＸと一致する。第１部材１５０は、射出成形によって作製される。

第１部材１５０は、側壁部１５１の先端側の端部に囲まれている第１開口１５２と、側壁部１５１の後端側の端部に囲まれている第２開口１５３とを有する。第１開口１５２には、液体出口部材１１０が取り付けられる。より具体的には、第１開口１５２には、液体出口部材１１０の接続部１２５内において突出している管路部１１１の後端側端部が嵌められる。

第１実施形態では、第１部材１５０は、先端部に、液体出口部材１１０を取り付けるための先端縮径部１５４を有している。先端縮径部１５４は、側壁部１５１の一部によって構成され、第１部材１５０における先端縮径部１５４より後端側の部位よりも縮径している部位である。第１開口１５２は、先端縮径部１５４の先端部において開口しており、上述した雄ネジ部１０３は、先端縮径部１５４の外周側面に設けられている。先端縮径部１５４は、液体出口部材１１０が取り付けられたときに、液体出口部材１１０の接続部１２５によって被覆される。

第１実施形態では、第２部材１６０は、平板状の部材によって構成される。第２部材１６０は、円盤状の部材によって構成される。第２部材１６０は、射出成形によって作製される。第２部材１６０は、第１部材１５０の後端側に接合され、液体収容室１０１を第２開口１５３側から封止する。第１実施形態では、第２部材１６０は、第１部材１５０の第２開口１５３を閉塞するように接合され、容器本体１０２の底壁部１６２を構成する。

図１３は、図９から第１部材１５０と第２部材１６０との接合部１７０の周縁部位を抜き出して示す概略断面図である。第１実施形態では、第１部材１５０は、第２開口１５３の周縁に周縁凸部１５５を有している。周縁凸部１５５は、第２開口１５３の周縁に設けられ、側壁部１５１から第１部材１５０の径方向外方に延び出ている。第２部材１６０の外周縁部１６１は、周縁凸部１５５に中心軸方向において面するように形成されている。

第１実施形態では、第１部材１５０と第２部材１６０との接合部１７０は、第１部材１５０の周縁凸部１５５と第２部材１６０の外周縁部１６１とが溶着された部位として構成されている。周縁凸部１５５と第２部材１６０の外周縁部１６１とは、液体収容室１０１にある第１部材１５０と第２部材１６０の境界ＢＲに沿って第１側壁部１５１の全周にわたって溶着されている。

第１実施形態の液体容器１００によれば、接合部１７０は、中心軸方向に見たときに、第１部材１５０と第２部材１６０の境界ＢＲによって囲まれる領域の外側に形成されている。接合部１７０がこうした部位に設けられていれば、接合に用いられる器具や装置によるアクセスが容易になるため、第１部材１５０と第２部材１６０との接合が容易化される。よって、第１部材１５０と第２部材１６０の接合に、適切な種々の接合技術を適用することが可能になり、第１部材１５０と第２部材１６０とで画定される液体収容室１０１の封止性を容易に高めることができる。溶着の方法としては、例えば、熱溶着を採用することができる。溶着の方法は特に限定されることはなく、例えば、レーザー溶着が採用されてもよいし、超音波溶着が採用されてもよい。また、溶剤を用いた溶剤接着が採用されてもよい。

上記のような部位に接合部１７０が設けられ、第１部材１５０と第２部材１６０との接合が容易化されていれば、第１部材と第２部材とで画定される液体収容室の封止性を容易に高めることができる。また、上記のような部位に接合部１７０が設けられていれば、溶着対象である周縁凸部１５５と外周縁部１６１に対し、それらが互いに対向しあう中心軸方向に荷重をかけて密着させた状態で溶着をおこなうことができる。そのため、第１部材１５０と第２部材１６０の接合により、第１部材１５０の第２開口１５３をより水密に封止された状態にすることができる。よって、第１部材１５０と第２部材１６０の境界からの液体の漏洩を抑制することができる。

なお、第１実施形態の液体容器１００であれば、上述したように、種々の溶着方法によって第１部材１５０と第２部材１６０とを接合することができる。第１部材１５０と第２部材１６０の接合に、レーザー溶着を採用してもよいが、その場合には、第１部材１５０と第２部材１６０のうちの一方を、レーザーを透過できる材料とし、他方を、レーザーを吸収できる材料とすることになる。これに対して、レーザー溶着以外の溶着方法を採用すれば、レーザー溶着を採用した場合のように、第１部材１５０と第２部材１６０の材料が制限されることが抑制される。つまり、第１部材１５０と第２部材１６０の材料の選択に制約がなくなり、その分だけ、設計の自由度が高まる。

第１実施形態の液体容器１００によれば、射出成形によって別々に作製された第１部材１５０と第２部材１６０とを接合することによって、内部に液体収容室１０１を有する容器本体１０２が形成される。こうした構成であれば、液体収容室１０１を内部に有する一体的な容器本体をブロー成形によって作製する場合よりも、製造時間を短縮することができ、高い生産性を実現することができる。よって、生産コストの低減が可能である。

２．第２実施形態：
図１４は、第２実施形態における液体容器１００Ａの構成を示す概略斜視図である。図１５は、液体容器１００Ａの側面を平面視したときの概略側面図である。図１６は、図１５に示す中心軸ＣＸ上の１６－１６切断における液体容器１００Ａの概略断面図である。第２実施形態の液体容器１００Ａの構成は、以下に説明する点以外は第１実施形態で説明した液体容器１００の構成とほぼ同じである。なお、第２実施形態では、便宜上、第１部材１５０の側壁部１５１を「第１側壁部１５１」と呼び、周縁凸部１５５を「第１周縁凸部１５５」と呼ぶ。

図１６に示すように、第２実施形態では、第１部材１５０の第２開口１５３は、先端縮径部１５４の後端側端部において開口している。また、図１４～１６に示すように、第１周縁凸部１５５は先端縮径部１５４の後端に形成されている。

図１６に示すように、第２部材１６０は、第１部材１５０の第２開口１５３に対向する底壁部１６２と、底壁部１６２から第１部材１５０側へと延び出て液体収容室１０１の一部を囲む筒状の第２側壁部１６３と、を有する。図１４に示すように、第２実施形態では、第２側壁部１６３は円筒状を有している。第２側壁部１６３の中心軸は、液体容器１００Ａの中心軸ＣＸと一致する。図１４～１６に示すように、第２側壁部１６３の先端側の端部には、径方向外方に延び出ている第２周縁凸部１６４が、第２側壁部１６３の全周にわたって形成されている。図１６に示すように、第２周縁凸部１６４の先端側の面は、第１周縁凸部１５５の後端側の面と中心軸方向において面するように形成されている。液体容器１００Ａでは、第１部材１５０と第２部材１６０とは、第１周縁凸部１５５と第２周縁凸部１６４とが互いに溶着された接合部１７０において接合されている。

第２実施形態の液体容器１００Ａでは、図１６に示すように、接合部１７０は、中心軸方向に見たときに、液体収容室１０１にある第１部材１５０と第２部材１６０の境界ＢＲに囲まれた領域の外側に形成される。よって、前述した第１実施形態の液体容器１００との場合と同様に、第１部材１５０と第２部材１６０との接合が容易化されている。第２実施形態の液体容器１００Ａによれば、第２部材１６０の内部にも液体収容室１０１を構成する内部空間を設けることができる。また、容器本体１０２における底壁部の外周縁以外の部位に接合部１７０を設けることができる。その他に、第２実施形態の液体容器１００Ａによれば、第１実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

３．第３実施形態：
図１７は、第３実施形態における液体容器１００Ｂの構成を示す概略斜視図である。図１８は、液体容器１００Ｂの側面を平面視したときの概略側面図である。図１９Ａは、図１８に示す中心軸ＣＸ上の１９－１９切断における液体容器１００Ｂの概略断面図である。図１９Ｂは、図１９Ａから第１部材１５０と第２部材１６０との接合部１７０の周縁部位を抜き出して示す概略断面図である。第３実施形態の液体容器１００Ｂの構成は、以下に説明する点以外は第１実施形態で説明した液体容器１００の構成とほぼ同じである。なお、第３実施形態では、便宜上、第１部材１５０の側壁部１５１を「第１側壁部１５１」と呼ぶ。

第３実施形態では、第１部材１５０は、第１側壁部１５１の後端側端部に周縁凸部１５５を有していない。また、第３実施形態では、第２部材１６０は、第１部材１５０の第２開口１５３に対向する底壁部１６２と、底壁部１６２の先端側の面から第１部材１５０の方に延び出ており、液体収容室１０１の一部を囲む筒状の第２側壁部１６３Ｂと、を有する。第２実施形態では、第２側壁部１６３Ｂは円筒状を有している。第２側壁部１６３Ｂの中心軸は、液体容器１００Ｂの中心軸ＣＸと一致する。

第３実施形態では、第２側壁部１６３Ｂは、第１部材１５０の第２開口１５３内に挿入されている。第２側壁部１６３Ｂの外周面は、第１部材１５０の内周面に、全周にわたって水密に接触している。第２側壁部１６３Ｂは、第１部材１５０の後端側部位にのみ接する程度の高さを有していればよい。

図１９Ａ及び図１９Ｂに示すように、第３実施形態では、第２部材１６０の底壁部１６２は、第２側壁部１６３Ｂの径方向外方に延び出ている延出部１６５を有している。延出部１６５の先端側の面は、第１部材１５０における第１側壁部１５１の後端側の端面１５１ｔと、全周にわたって中心軸方向において面するように形成されている。液体容器１００Ｂでは、第１部材１５０と第２部材１６０とを接合する接合部１７０は、第１側壁部１５１の後端側の端面１５１ｔと第２部材１６０の延出部１６５とを溶着した部位として構成されている。

第３実施形態の液体容器１００Ｂでは、図１９Ｂに示すように、接合部１７０は、中心軸方向に見たときに、液体収容室１０１にある第１部材１５０と第２部材１６０の境界ＢＲに囲まれた領域の外側に形成される。よって、前述した第１実施形態の液体容器１００の場合と同様に、第１部材１５０と第２部材１６０との接合が容易化されている。また、接合部１７０が第１側壁部１５１から径方向外方に突出した部位に形成されておらず、ユーザーが液体容器１００Ｂを把持するときに、接合部１７０の形成部位が邪魔になることが抑制されている。

第３実施形態の液体容器１００Ｂによれば、第２部材１６０の第２側壁部１６３Ｂの外周面と第１部材１５０の第１側壁部１５１の内周面とが面接触して水密に接していることによりシールラインが形成されている。液体容器１００Ｂでは、液体収容室１０１の第２開口１５３側が、そのシールラインと接合部１７０とで２重にシールされており、液体収容室１０１からの液体の漏洩がさらに抑制される。なお、第２側壁部１６３Ｂの外周面と第１側壁部１５１の内周面とが面接触している部位は、レーザー溶着によって溶着されてもよい。このようにすれば、第１部材１５０と第２部材１６０との接合強度がさらに高められるとともに、第１部材１５０の第２開口１５３のシール性がさらに高められる。その他に、第３実施形態の液体容器１００Ｂによれば、上記の第１実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

４．第４実施形態：
図２０は、第４実施形態における液体容器１００Ｃの構成を示す概略斜視図である。図２１は、液体容器１００Ｃの側面を平面視したときの概略側面図である。図２２Ａは、図２１に示す中心軸ＣＸ上の２２－２２切断における液体容器１００Ｃの概略断面図である。図２２Ｂは、図２２Ａから第１部材１５０と第２部材１６０との接合部１７０の周縁部位を抜き出して示す概略断面図である。第４実施形態の液体容器１００Ｃの構成は、以下に説明する点以外は第３実施形態で説明した液体容器１００Ｂの構成とほぼ同じである。

図２２Ａに示すように、第４実施形態では、第１部材１５０は、第１側壁部１５１の外側に第１部材側外周壁部１５８を有している。図２０、図２１、図２２Ａに示すように、第１部材側外周壁部１５８は、第１側壁部１５１の外周を囲む筒状の形状を有している。第１部材側外周壁部１５８は、四角状の断面を有する角筒状に構成されている。第１部材側外周壁部１５８の先端側の端部は、中心軸ＣＸの方に曲がって、先端縮径部１５４の後端に連結されている。第１部材側外周壁部１５８は、後述する第２部材１６０の延出部１６５に接する位置まで、中心軸方向に延び出ている。第１部材側外周壁部１５８の後端側の端部には、第１部材側外周壁部１５８の径方向外方に突出している突出部１５８ｅが設けられている。第４実施形態では、突出部１５８ｅは、第１部材側外周壁部１５８の全周にわたって形成されており、四角状の外周形状を有している。他の実施形態では、突出部１５８ｅは、第１部材側外周壁部１５８の外周の一部にのみ設けられていてもよい。

図２０に示すように、第４実施形態では、第２部材１６０が有する底壁部１６２の外周は四角形状を有している。図２０、図２１、図２２Ａ、及び、図２２Ｂに示すように、第４実施形態では、底壁部１６２の延出部１６５は、第１部材側外周壁部１５８に設けられた突出部１５８ｅの後端側の面に中心軸方向において面するように形成される。図２２Ａ、及び、図２２Ｂを参照する。第２側壁部１６３Ｂは、第３実施形態で説明したのと同様に、第２開口１５３に挿入され、その外周面が、第１側壁部１５１の内周面に全周にわたって水密に接している。

図２２Ｂを参照する。第４実施形態では、第１部材１５０と第２部材１６０とを接合する接合部１７０は、第１部材側外周壁部１５８の後端側端部に設けられた突出部１５８ｅと第２部材１６０の底壁部１６２が溶着された部位として構成されている。接合部１７０は、中心軸方向に見たときに、液体収容室１０１にある第１部材１５０と第２部材１６０の境界ＢＲより外側に位置している。よって、第４実施形態の液体容器１００Ｃにおいても、上記の各実施形態と同様に、第１部材１５０と第２部材１６０との接合が容易化されている。

第４実施形態の液体容器１００Ｃによれば、第１側壁部１５１の内周面と第２側壁部１６３Ｂの外周面との面接触によって形成されているシールラインと接合部１７０とで、液体収容室１０１の第２開口１５３側が２重にシールされている。また、第４実施形態では、第１側壁部１５１の内周面と第２側壁部１６３Ｂの外周面との間に形成されているシールラインと接合部１７０とが径方向に離間して形成されている。この構造により、液体収容室１０１の液体の漏洩が、第３実施形態の構成よりも、さらに抑制されている。

第４実施形態の液体容器１００Ｃによれば、第１側壁部１５１が第１部材側外周壁部１５８に覆われているため、第１側壁部１５１の破損が抑制される。よって、第１側壁部１５１の破損による液体収容室１０１からの液体の漏洩が抑制される。その他に、第４実施形態の液体容器１００Ｃによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

５．第５実施形態：
図２３は、中心軸ＣＸを含む切断面における第５実施形態の液体容器１００Ｄの概略断面図である。第５実施形態の液体容器１００Ｄの構成は、中心軸方向における第１側壁部１５１の寸法が短くなっている点と、それに合わせて、中心軸方向における第２側壁部１６３Ｂの寸法が長くなっている点以外は、第４実施形態の液体容器１００Ｃの構成とほぼ同じである。液体容器１００Ｄでは、第１側壁部１５１の後端側端部および第２側壁部１６３Ｂの先端側端部が、容器本体１０２の後端側端部よりも先端縮径部１５４の後端側端部に寄った位置にある。液体容器１００Ｄでは、第２開口１５３と接合部１７０との間の距離が、第４実施形態の液体容器１００Ｃよりも長くなっている。そのため、第２開口１５３における第１部材１５０と第２部材１６０との境界ＢＲを通じて液体収容室１０１の液体が漏洩したとしても、その漏洩した液体が接合部１７０を通じて容器本体１０２の外部へと漏洩することが、第４実施形態の場合よりも抑制される。その他に、第５実施形態の液体容器１００Ｄによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

６．第６実施形態：
図２４は、第６実施形態における液体容器１００Ｅの構成を示す概略斜視図である。図２５は、液体容器１００Ｅの側面を平面視したときの概略側面図である。図２６は、図２５に示す中心軸ＣＸ上の２６－２６切断における液体容器１００Ｅの概略断面図である。第６実施形態の液体容器１００Ｅの構成は、以下に説明する点以外は第５実施形態で説明した液体容器１００Ｄの構成とほぼ同じである。

図２６に示すように、第６実施形態の第１部材１５０には、第１部材側外周壁部１５８が設けられていない。第６実施形態の第１部材１５０には、第１実施形態や第２実施形態で説明したのと同様な周縁凸部１５５が第２開口１５３の周縁に設けられている。図２４に示すように、周縁凸部１５５は、以下に説明する第２部材１６０の第２部材側外周壁部１６６および突出縁部１６６ｅの形状に合わせて四角状の外周形状を有している。

図２６に示すように、第２部材１６０は、第２側壁部１６３Ｂの外側に、第２部材側外周壁部１６６を有している。第２部材側外周壁部１６６は、底壁部１６２の外周端から第１部材１５０の第２開口１５３の位置まで、第１部材１５０側に中心軸方向に延び出ている。図２４、図２５、及び、図２６に示すように、第２部材側外周壁部１６６は、第２側壁部１６３Ｂの外周を囲む筒状の形状を有している。図２４に示すように、第６実施形態では、第２部材側外周壁部１６６は、四角状の断面を有しており、角筒状に構成されている。

図２４、図２５、及び、図２６に示すように、第２部材側外周壁部１６６の第１部材１５０側の端部には、第２部材側外周壁部１６６の径方向外方に突出している突出縁部１６６ｅが設けられている。第６実施形態では、突出縁部１６６ｅは、第２部材側外周壁部１６６の全周にわたって形成されており、四角状の外周形状を有している。突出縁部１６６ｅの先端側の面は、第１部材１５０が有する周縁凸部１５５の後端側の面と中心軸方向に面する。なお、他の実施形態では、突出縁部１６６ｅは、第２部材側外周壁部１６６の外周の一部にのみ設けられていてもよい。

図２６を参照する。第６実施形態の液体容器１００Ｅでは、第１部材１５０と第２部材１６０とを接合する接合部１７０は、第１部材１５０の周縁凸部１５５と第２部材１６０の第２部材側外周壁部１６６に設けられている突出縁部１６６ｅとを溶着した部位として構成されている。接合部１７０は、中心軸方向に見たときに、液体収容室１０１にある第１部材１５０と第２部材１６０の境界ＢＲに囲まれた領域の外側に位置している。よって、第６実施形態の液体容器１００Ｅにおいても、上記の各実施形態と同様に、第１部材１５０と第２部材１６０との接合が容易化されている。

第６実施形態においても、第２部材１６０の第２側壁部１６３Ｂは、第５実施形態の液体容器１００Ｄと同様に、第１部材１５０の第２開口１５３に挿入され、その外周面が、第１側壁部１５１の内周面に全周にわたって水密に接している。そのため、液体容器１００Ｅにおいても、第１部材１５０の第２開口１５３は、第１側壁部１５１の内周面と第２側壁部１６３Ｂの外周面との面接触によって形成されているシールラインと、溶着によって形成されている接合部１７０とで２重にシールされている。

第６実施形態の液体容器１００Ｅによれば、第２側壁部１６３Ｂが第２部材側外周壁部１６６によって覆われているため、第２側壁部１６３Ｂの破損が抑制される。よって、第２側壁部１６３Ｂの破損による液体収容室１０１からの液体の漏洩が抑制される。その他に、第６実施形態の液体容器１００Ｅによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

７．第７実施形態：
図２７は、中心軸ＣＸを含む切断面における第７実施形態の液体容器１００Ｆの概略断面図である。第７実施形態の液体容器１００Ｆの構成は、以下に説明する点以外は、第６実施形態の液体容器１００Ｅの構成とほぼ同じである。第７実施形態の液体容器１００Ｆでは、周縁凸部１５５の位置を変えることなく、第１側壁部１５１を中心軸方向に第２部材１６０の底壁部１６２まで延長してある。また、延長された第１側壁部１５１の後端側端部の位置に合わせて、中心軸方向における第２側壁部１６３Ｂの長さが短くされている。第７実施形態の液体容器１００Ｆによれば、第１側壁部１５１が第２部材側外周壁部１６６によって覆われているため、第１側壁部１５１の破損が抑制される。また、第２開口１５３と接合部１７０との間の距離が、第６実施形態の液体容器１００Ｅよりも長くなっている。そのため、第２開口１５３における第１部材１５０と第２部材１６０との境界ＢＲを通じて液体収容室１０１の液体が漏洩したとしても、その漏洩した液体が接合部１７０を通じて容器本体１０２の外部にまで漏洩することが、第６実施形態の場合よりも抑制される。その他に、第７実施形態の液体容器１００Ｆによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

８．第８実施形態：
図２８は、第８実施形態における液体容器１００Ｇの構成を示す概略斜視図である。図２９は、液体容器１００Ｇの側面を平面視したときの概略側面図である。図３０は、図２９に示す中心軸ＣＸ上の３０－３０切断における液体容器１００Ｇの概略断面図である。第８実施形態の液体容器１００Ｇの構成は、溶着による接合部１７０に代えて、熱カシメによる接合部１７１によって第１部材１５０と第２部材１６０とが接合されている点以外は、図２０～２２Ｂに示す第４実施形態の液体容器１００Ｃの構成とほぼ同じである。

図３０に示すように、接合部１７１は、第１部材側外周壁部１５８の突出部１５８ｅと延出部１６５とを熱カシメによって接合する熱カシメ部１７１ｃによって構成されている。図２８に示すように、接合部１７１では、複数の熱カシメ部１７１ｃが、第１部材側外周壁部１５８の外周に沿って配列されている。第８実施形態では、熱カシメ部１７１ｃは４つ設けられており、第１部材側外周壁部１５８の角外周辺の中央あたりに１つずつ設けられている。

図３０に示すように、熱カシメ部１７１ｃは、突出部１５８ｅから中心軸方向に突出している柱状部位１７１ｐと、延出部１６５を貫通し、柱状部位１７１ｐが挿通されている貫通孔１７１ｈと、によって構成される。柱状部位１７１ｐの後端側端部は、貫通孔１７１ｈから延出部１６５の後端側に突出した位置において、径方向に広がって貫通孔１７１ｈの周縁部に係合している。

第８実施形態の液体容器１００Ｇによれば、熱カシメによる接合部１７１によって、突出部１５８ｅと延出部１６５とが第１部材側外周壁部１５８の全周にわたって溶着される場合よりも、簡易に第１部材１５０と第２部材１６０とを接合することができる。また、第８実施形態の液体容器１００Ｇによれば、図３０に示すように、第４実施形態の液体容器１００Ｃと同様に、第１側壁部１５１の内周面と第２側壁部１６３Ｂの外周面との面接触によって、第２開口１５３が封止されている。そのため、液体収容室１０１の液体が、第１部材１５０と第２部材１６０との間の境界ＢＲから漏洩してしまうことを抑制することができる。その他に、第８実施形態の液体容器１００Ｇによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

９．第９実施形態：
図３１は、第９実施形態における液体容器１００Ｈの構成を示す概略斜視図である。図３２は、液体容器１００Ｈの側面を平面視したときの概略側面図である。図３３は、図３２に示す中心軸ＣＸ上の３３－３３切断における液体容器１００Ｇの概略断面図である。第９実施形態の液体容器１００Ｈの構成は、第６実施形態の液体容器１００Ｅに、溶着による接合部１７０の代わりに、図２４～２６に示す第８実施形態で説明した熱カシメによる接合部１７１を適用したものに相当する。第９実施形態の液体容器１００Ｈでは、第１部材１５０の周縁凸部１５５と第２部材１６０の突出縁部１６６ｅとが複数の箇所に設けられている熱カシメ部１７１ｃによって接合されている。第９実施形態の液体容器１００Ｈによれば、第８実施形態の液体容器１００Ｇと同様に、第１部材１５０と第２部材１６０とを熱カシメによって簡易に接合できる。また、図３３に示すように、第１側壁部１５１の内周面と第２側壁部１６３Ｂの外周面との面接触によって第２開口１５３が水密に封止されるため、液体収容室１０１からの液体の漏洩を抑制できる。その他に、第９実施形態の液体容器１００Ｈによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

１０．第１０実施形態：
図３４は、第１０実施形態における液体容器１００Ｉの構成を示す概略斜視図である。図３５は、液体容器１００Ｉの側面を平面視したときの概略側面図である。図３６は、図３５に示す中心軸ＣＸ上の３６－３６切断における液体容器１００Ｉの概略断面図である。第１０実施形態の液体容器１００Ｉの構成は、以下に説明する点以外は、図１７～１９Ｂに示す第３実施形態の液体容器１００Ｂの構成とほぼ同じである。

第１０実施形態の液体容器１００Ｉでは、第１部材１５０と第２部材１６０との接合部は、溶着による接合部１７０に代えて、以下に説明するネジ部１７２によって構成されている。図３６に示すように、液体容器１００Ｉの第２部材１６０は、底壁部１６２の外周縁に、第１部材１５０側に向かって中心軸方向に延び出ている第２部材側外周壁部１６６Ｉが設けられている。図３４～３６に示すように、第２部材側外周壁部１６６Ｉは、筒状に構成されており、第１側壁部１５１の外周を囲んでいる。第１０実施形態では、第２部材側外周壁部１６６Ｉは、円筒状に構成されており、第１側壁部１５１の後端側端部を囲んでいる。図３６に示すように、ネジ部１７２は、第２部材側外周壁部１６６Ｉの内周面と第１側壁部１５１の外周面とが互いに対向し合う部位に設けられている。第２部材側外周壁部１６６Ｉの内周面には、雌ネジ部１７２ａが設けられており、第１側壁部１５１の外周面には、雌ネジ部１７２ａが螺合する雄ネジ部１７２ｂが設けられている。

第１０実施形態の液体容器１００Ｉによれば、ネジ部１７２により、簡易に第１部材１５０と第２部材１６０とを接合することができる。また、第１０実施形態の液体容器１００Ｉでは、図３６に示すように、第３実施形態の液体容器１００Ｂと同様に、第２側壁部１６３Ｂの外周面と第１側壁部１５１の内周面との面接触によりシールラインが形成されている。これによって、第１部材１５０の第２開口１５３が、そのシールラインとその外側のネジ部１７２とによって２重にシールされるため、液体収容室１０１からの液体の漏洩を、より効果的に抑制することができる。また、第１０実施形態の液体容器１００Ｉによれば、第２部材側外周壁部１６６Ｉによって、第２側壁部１６３Ｂの外周面と第１側壁部１５１の内周面との間に形成されているシールラインを保護できる。その他に、第１０実施形態の液体容器１００Ｉによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

１１．第１１実施形態：
図３７は、第１１実施形態における液体容器１００Ｊの構成を示す概略斜視図である。図３８は、液体容器１００Ｊの側面を平面視したときの概略側面図である。図３９は、図３８に示す中心軸ＣＸ上の３９－３９切断における液体容器１００Ｊの概略断面図である。第１１実施形態の液体容器１００Ｊの構成は、以下に説明する点以外は、図２０～２２Ｂに示す第４実施形態の液体容器１００Ｃの構成とほぼ同じである。

第１１実施形態の液体容器１００Ｊは、第４実施形態の液体容器１００Ｃに、溶着による接合部１７０に代えて、第１０実施形態で説明したネジ部１７２を、第１部材１５０と第２部材１６０の接合部として適用したものに相当する。図３７～３９に示すように、第１１実施形態では、第１部材側外周壁部１５８は円筒状に構成され、底壁部１６２は円状の外周形状を有している。図３９に示すように、第１部材側外周壁部１５８の後端側端部には、第４実施形態で説明した突出部１５８ｅは設けられていない。図３７～３９に示すように、第２部材１６０の底壁部１６２の外周縁には、第１０実施形態で説明したのと同様な第２部材側外周壁部１６６Ｉが設けられている。第２部材側外周壁部１６６Ｉは、第１部材側外周壁部１５８の後端側端部を囲んでいる。ネジ部１７２は、第２部材側外周壁部１６６Ｉの内周面と第１部材側外周壁部１５８の外周面の互いに対向し合う部位に設けられている。第２部材側外周壁部１６６Ｉの内周面には、雌ネジ部１７２ａが設けられており、第１部材側外周壁部１５８の外周面には、雌ネジ部１７２ａが螺合する雄ネジ部１７２ｂが設けられている。

第１１実施形態の液体容器１００Ｊによれば、ネジ部１７２により、簡易に第１部材１５０と第２部材１６０とを接合することができる。その他に、第１１実施形態の液体容器１００Ｊによれば、上記の各実施形態で説明したのと同様な種々の作用効果を奏することができる。

１２．他の実施形態：
上記の各実施形態で説明した種々の構成は、例えば、以下のように改変することが可能である。以下に説明する他の実施形態はいずれも、上記の各実施形態と同様に、本開示の技術を実施するための形態の一例として位置づけられる。

・他の実施形態１：
液体容器１００，１００Ａ～１００Ｊの形状は、上記の各実施形態で説明したものから適宜改変されてもよい。例えば、容器本体１０２は、円柱状や四角柱状の外観形状には限定されない。容器本体１０２は、例えば、先端側から後端側に向かって断面積が増大する形状を有していてもよい。また、第１側壁部１５１や、第２側壁部１６３，１６３Ｂ、第１部材側外周壁部１５８、第２部材側外周壁部１６６は、筒状の形状を有していればよく、楕円状の断面形状や多角形状の断面形状を有していてもよい。

・他の実施形態２：
液体出口部材１１０の構成は、上記の各実施形態で説明したものに限定されない。例えば、液体出口部材１１０は、弁部材１２０を有していなくてもよい。また、液体出口部材１１０は、第１開口１５２に取り付けられるチューブ状の部材によって構成されてもよい。

・他の実施形態３：
上記の各実施形態の構成は適宜組み合わせることも可能である。例えば、第１実施形態の液体容器１００に、接合部１７０の代わりに熱カシメによる接合部１７１が適用されてもよい。ただし、この場合には、第１部材１５０と第２部材１６０の境界にシール部が設けられることが望ましい。また、第５実施形態の液体容器１００Ｄや第７実施形態の液体容器１００Ｆに、接合部１７０の代わりに熱カシメによる接合部１７１が適用されてもよい。

１３．形態例：
本開示の技術は、上述の各実施形態や実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態によって実現することができる。例えば、本開示の技術は以下の形態として実現可能である。以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する上記の各実施形態中の技術的特徴は、本開示の技術が達成すべき課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の技術が奏すべき効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中において必須であると説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

（１）第１の形態は、液体容器として提供される。この形態の液体容器は、液体が収容される液体収容室と、前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第１側壁部と、前記第１側壁部の一方の端部に囲まれている第１開口と、前記第１側壁部の他方の端部に囲まれている第２開口と、を有する第１部材と、前記液体を流出させる流出口を有し、前記第１開口に取り付けられる液体出口部材と、前記第１部材に接合され、前記液体収容室を前記第２開口側から封止する第２部材と、を備える。前記第１部材と前記第２部材との接合部は、前記第１部材の中心軸方向に見たときに、前記液体収容室における前記第１部材と前記第２部材の境界に囲まれた領域の外側に形成されている。
この形態の液体容器によれば、接合に用いられる器材や装置によるアクセスが容易な位置に接合部が設けられるため、第１部材と第２部材との接合に、適切な種々の接合技術を適用することが可能になる。また、第１部材と第２部材との接合が容易化され、第１部材と第２部材とで画定される液体収容室の封止性を容易に高めることができる。

（２）上記形態の液体容器において、前記第２部材は、前記第１部材の前記第２開口に対向する底壁部と、前記底壁部から前記第１部材側へと延び出て前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第２側壁部と、を有してよい。
この形態の液体容器によれば、第１部材の第１側壁部と第２部材の第２側壁部および底壁部とで液体収容室を容易に画定することができる。

（３）上記形態の液体容器において、前記第１部材は、前記第２開口の周縁に設けられ、前記第１側壁部から前記第１部材の径方向外方に延び出ている周縁凸部を有し、前記接合部は、前記周縁凸部と前記第２部材とが接合された部位であってよい。
この形態の液体容器によれば、接合部が形成される周縁凸部が径方向に延び出ているため、第１部材と第２部材との溶着がさらに容易化される。

（４）上記形態の液体容器において、前記第２側壁部は、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、前記底壁部は、前記第２側壁部の径方向外方に延び出て、前記第２開口を囲む前記第１側壁部の端面と全周にわたって面する延出部を有し、前記接合部は、前記延出部と前記第１側壁部の端面とが接合された部位であってよい。
この形態の液体容器によれば、第１部材に対する底壁部の溶着が容易化される。

（５）上記形態の液体容器において、前記第２側壁部は、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、前記第１部材は、さらに、前記第１側壁部の外周を囲む筒状の第１部材側外周壁部を有し、前記接合部は、前記第１部材側外周壁部の前記第２部材側の端部と前記第２部材とが接合された部位であってよい。
この形態の液体容器によれば、第２側壁部の外周面と第１側壁部の内周面との接触によって液体収容室の封止性を高めることができる。また、第１部材側外周壁部によって、第１側壁部および第２側壁部を保護することができる。さらに、第１部材側外周壁部の端部において第１部材と第２部材とを容易に接合することができる。

（６）上記形態の液体容器において、前記第１部材側外周壁部の前記第２部材側の端部には、前記第１部材側外周壁部の径方向外方に突出している突出部が設けられ、前記底壁部は、前記第２側壁部の外周から、前記第２側壁部の径方向に延び出て、前記突出部と接する延出部を有し、前記接合部は、前記突出部と前記延出部とが接合された部位であってよい。
この形態の液体容器によれば、接合部が形成される第１部材側外周壁部の突出部と第２側壁部の延出部とが径方向に突出しているため、第１部材と第２部材との接合が、さらに容易化される。

（７）上記形態の液体容器において、前記接合部は、前記突出部と前記延出部とを熱カシメにより接合する熱カシメ部によって構成されてよい。
この形態の液体容器によれば、第１部材と第２部材とを熱カシメによって簡易に接合することができる。

（８）上記形態の液体容器において、前記第２側壁部は、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、前記第１部材は、前記第１側壁部から前記第１部材の径方向外方に延び出て、前記第１側壁部を囲んでいる周縁凸部を有し、前記第２部材は、さらに、前記底壁部から前記第１部材側に延び出て、前記第２側壁部の外周を囲む筒状の第２部材側外周壁部を有し、前記接合部は、前記第２部材側外周壁部の前記第１部材側の端部と前記周縁凸部とが接合された部位であってよい。
この形態の液体容器によれば、第２側壁部の外周面と第１側壁部の内周面との接触によって液体収容室の封止性を高めることができる。また、第２部材側外周壁部によって、第１側壁部および第２側壁部を保護することができる。さらに、第２部材側外周壁部の端部において第１部材と第２部材とを容易に接合することができる。

（９）上記形態の液体容器において、前記第２部材側外周壁部の前記第１部材側の端部には、前記第２部材側外周壁部の径方向外方に突出し、前記第１部材の前記周縁凸部に面する突出縁部が設けられ、前記接合部は、前記突出縁部と前記周縁凸部とが接合された部位であってよい。
この形態の液体容器によれば、接合部が形成される第１部材の周縁凸部と第２部材側外周壁部の突出縁部とが径方向に突出しているため、第１部材と第２部材の接合が、さらに容易化される。

（１０）上記形態の液体容器において、前記接合部は、前記突出縁部と前記周縁凸部とを熱カシメにより接合する熱カシメ部によって構成されてよい。
この形態の液体容器によれば、第１部材と第２部材とを熱カシメによって簡易に接合することができる。

（１１）上記形態の液体容器において、前記第２側壁部は、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、前記第２部材は、さらに、前記底壁部から前記第１部材側に延び出て、前記第１側壁部の外周を囲んでいる筒状の第２部材側外周壁部を有し、前記接合部は、前記第２部材側外周壁部の内周面と前記第１側壁部の外周面とが互いに対向しあう部位に設けられたネジ部によって構成されてよい。
この形態の液体容器によれば、ネジ構造によって第１部材と第２部材とを容易に接合することができる。また、第２側壁部の外周面と第１側壁部の内周面との接触によって液体収容室の封止性を高めることができる。

（１２）上記形態の液体容器において、 前記第２側壁部は、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、前記第１部材は、さらに、前記第１側壁部の外周を囲み、前記第２部材の方に延び出ている筒状の第１部材側外周壁部を有し、前記第２部材は、さらに、前記底壁部から前記第１部材側に延び出て、第１部材側外周壁部の外周を囲んでいる筒状の第２部材側外周壁部を有し、前記接合部は、第２部材側外周壁部の内周面と第１部材側外周壁部の外周面とが互いに対向しあう部位に設けられたネジ部によって構成されてよい。
この形態の液体容器によれば、ネジ構造によって第１部材と第２部材とを容易に接合することができる。また、第２側壁部の外周面と第１側壁部の内周面との接触によって液体収容室の封止性を高めることができる。さらに、第１部材側外周壁部によって、第１側壁部を保護することができる。

１４．その他：
本開示の技術は、液体容器以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体容器の製造方法、液体容器の構造、液体消費システム、液体補充システム、液体消費装置に対する液体の補充方法等の形態で実現することもできる。

また、本開示における液体容器の構成は、インク以外の他の液体を消費する任意の液体噴射装置に用いられる液体容器にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体噴射装置に用いられる液体容器に適用すること可能である。
（１）ファクシミリ装置等の画像記録装置。
（２）液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置。
（３）有機ＥＬ（Electro Luminescence）ディスプレイや、面発光ディスプレイ（Field Emission Display、ＦＥＤ）等の電極形成に用いられる電極材噴射装置。
（４）バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置。
（５）精密ピペットとしての試料噴射装置。
（６）潤滑油の噴射装置。
（７）樹脂液の噴射装置。
（８）時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置。
（９）光通信素子等に用いられる微小半球レンズ（光学レンズ）などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置。
（１０）基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体噴射装置。
（１１）他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体噴射装置。

なお、本開示の液体容器が収容する液体は、物質が液相であるときの状態の材料であればよい。よって、本開示における「液体」には、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属（金属融液）のような液状態の材料も含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども含む。その他に、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、「インク」とは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。

１０…液体消費システム、２１…液体消費装置、２２…筐体、２３…支持台、２４…ガイド軸、２５…記録ヘッド、２６…キャリッジ、２７…支持孔、２８…駆動プーリー、２９…従動プーリー、３０…キャリッジモーター、３１…タイミングベルト、３２…排出口、３３…排出トレイ、３４…給紙カセット、３５…開閉扉、３６…回転軸、３７…窓部、４０…インク供給ユニット、４１～４５…インクタンク、４６…インク供給チューブ、４７…アダプター、４８…段差部、４９…インク貯留室、５０…視認部、５１…上限マーク、５２…下限マーク、５３…インク受入部、５４…第１の流路、５５…第２の流路、５６…インクポート、５７…残量センサー、５８…上面、５９…下面、６０…円形孔部、６１…矩形孔部、６２…識別用凸部、１００…液体容器、１００Ａ…液体容器、１００Ｂ…液体容器、１００Ｃ…液体容器、１００Ｄ…液体容器、１００Ｅ…液体容器、１００Ｆ…液体容器、１００Ｇ…液体容器、１００Ｈ…液体容器、１００Ｉ…液体容器、１００Ｊ…液体容器、１０１…液体収容室、１０２…容器本体、１０３…雄ネジ部、１１０…液体出口部材、１１１…管路部、１１２…流出口、１１３…溝部、１１４…環状凸部、１１５…嵌合部、１１６…嵌合溝部、１１８…位置決め部、１２０…弁部材、１２１…スリット、１２５…接続部、１２７…雌ネジ部、１２９…雄ネジ部、１３０…キャップ、１３１…雌ネジ部、１３３…閉塞部、１５０…第１部材、１５１…側壁部／第１側壁部、１５１ｔ…端面、１５２…第１開口、１５３…第２開口、１５４…先端縮径部、１５５…周縁凸部／第１周縁凸部、１５８…第１部材側外周壁部、１５８ｅ…突出部、１６０…第２部材、１６１…外周縁部、１６２…底壁部、１６３…第２側壁部、１６３Ｂ…第２側壁部、１６４…第２周縁凸部、１６５…延出部、１６６…第２部材側外周壁部、１６６Ｉ…第２部材側外周壁部、１６６ｅ…突出縁部、１７０…接合部、１７１…接合部、１７１ｃ…熱カシメ部、１７１ｈ…貫通孔、１７１ｐ…柱状部位、１７２…ネジ部、１７２ａ…雌ネジ部、１７２ｂ…雄ネジ部、ＢＲ…境界、ＣＸ…中心軸、ＩＫ…インク、Ｐ…用紙

Claims (6)

1. 液体容器であって、
   液体が収容される液体収容室と、
   前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第１側壁部と、前記第１側壁部の一方の第１端部に囲まれている第１開口と、前記第１側壁部の他方の第２端部に囲まれている第２開口と、を有する第１部材と、
   前記液体を流出させる流出口を有し、前記第１開口に取り付けられる液体出口部材と、
   前記第１部材に接合され、前記液体収容室を前記第２開口側から封止する第２部材と、
   を備え、
   前記第１部材は、さらに、前記第１側壁部の外周を囲む筒状の第１部材側外周壁部を有し、前記第１側壁部と前記第１部材側外周壁部とは離間して形成されており、
   前記第１部材側外周壁部は、該第１部材側外周壁部における前記第２部材側の端部が前記第１部材の中心軸方向に見たとき径方向外方に突出する突出部を有し、
   前記第２部材は、前記第１部材の前記第２開口と対向する底壁部と、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって水密に接する外周面を有する第２側壁部と、を有し、
   前記底壁部は、前記第２側壁部の外周の位置から前記第２側壁部の径方向外方に延び出て、前記突出部と接する延出部と、を有し、
   前記第１部材と前記第２部材との接合部は、前記突出部と前記延出部とが、溶着、熱カシメ、接着から選ばれた接合方法により接合された接合部であり、前記第１部材の中心軸方向に見たときに、前記液体収容室における前記第１側壁部と前記第２側壁部の境界に囲まれた領域よりも径方向において外側に位置し、且つ、前記接合部は前記境界と前記径方向において離間する、
   液体容器。
2. 液体容器であって、
   液体が収容される液体収容室と、
   前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第１側壁部と、前記第１側壁部の一方の端部に囲まれている第１開口と、前記第１側壁部の他方の端部に囲まれている第２開口と、を有する第１部材と、
   前記液体を流出させる流出口を有し、前記第１開口に取り付けられる液体出口部材と、
   前記第１部材に接合され、前記液体収容室を前記第２開口側から封止する第２部材と、
   を備え、
   前記第１部材と前記第２部材との接合部は、前記第１部材の中心軸方向に見たときに、前記液体収容室における前記第１部材と前記第２部材の境界に囲まれた領域の外側に形成されており、
   前記第２部材は、前記第１部材の前記第２開口に対向する底壁部と、前記底壁部から前記第１部材側へと延び出て前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第２側壁部と、を有し、
   前記第２側壁部は、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、
   前記第１部材は、さらに、前記第１側壁部の外周を囲む筒状の第１部材側外周壁部を有し、
   前記接合部は、前記第１部材側外周壁部の前記第２部材側の端部と前記第２部材とが接合された部位であり、
   前記第１部材側外周壁部の前記第２部材側の端部には、前記第１部材側外周壁部の径方向外方に突出している突出部が設けられ、
   前記底壁部は、前記第２側壁部の外周から、前記第２側壁部の径方向外方に延び出て、前記突出部と接する延出部を有し、
   前記接合部は、前記突出部と前記延出部とが、溶着、熱カシメ、接着から選ばれた接合方法により接合された部位であり、
   前記第２側壁部の軸方向長さは、前記第１側壁部の軸方向長さよりも長く、前記第２側壁部と前記第１側壁部とが全周に亘って接する部位は、前記液体収容室において前記液体出口部材寄りに位置する、液体収容容器。
3. 請求項２記載の液体容器であって、
   前記第２側壁部は、前記第２開口に挿入され、前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接しており、
   前記第１部材は、前記第１側壁部から前記第１部材の径方向外方に延び出て、前記第１側壁部を囲んでいる周縁凸部を有し、
   前記第２部材は、さらに、前記底壁部から前記第１部材側に延び出て、前記第２側壁部の外周を囲む筒状の第２部材側外周壁部を有し、
   前記接合部は、前記第２部材側外周壁部の前記第１部材側の端部と前記周縁凸部とが接合された部位である、液体容器。
4. 請求項３記載の液体容器であって、
   前記第２部材側外周壁部の前記第１部材側の端部には、前記第２部材側外周壁部の径方向外方に突出し、前記第１部材の前記周縁凸部に面する突出縁部が設けられ、
   前記接合部は、前記突出縁部と前記周縁凸部とが接合された部位である、液体容器。
5. 請求項４記載の液体容器であって、
   前記接合部は、前記突出縁部と前記周縁凸部とを熱カシメにより接合する熱カシメ部によって構成されている、液体容器。
6. 液体容器であって、
   液体が収容される液体収容室と、
   前記液体収容室の少なくとも一部を囲む筒状の第１側壁部と、前記第１側壁部の一方の第１端部に囲まれている第１開口と、前記第１側壁部の他方の第２端部に囲まれている第２開口と、を有する第１部材と、
   前記液体を流出させる流出口を有し、前記第１開口に取り付けられる液体出口部材と、
   前記第１部材に接続され、前記液体収容室を前記第２開口側から封止する第２部材と、
   を備え、
   前記第１部材は、前記第１側壁部の径方向外側に第１部材側外周壁部を有し、
   前記第２部材は、前記第２開口と対向する底壁部と、前記第２開口に挿入され前記第１側壁部の内周面に全周にわたって接する第２側壁部と、を有し、
   前記第２部材は、さらに、前記底壁部から径方向外方および前記第１部材側に延び出て、前記第１側壁部の外周を囲んでいる筒状の第２部材側外周壁部を有し、
   前記第１部材と前記第２部材との接続部は、前記第２部材側外周壁部の内周面と前記第１部材側外周壁部の外周面とが互いに対向しあう部位に設けられたネジ部によって構成され、
   前記接続部は、前記第１部材の中心軸方向に見たときに、前記液体収容室における前記第１部材と前記第２部材の境界に囲まれた領域の径方向外側に位置し、且つ、前記底壁部を下方に向けた状態において、前記第２部材側外周壁部の上端は前記境界より上方に位置する、液体容器。

Images