JP7379479B2 - トリフェニルホスフィン及びトリフェニルホスファイトの付加物、並びに第一級アルコールの臭素化のためのそれらの使用 - Google Patents

トリフェニルホスフィン及びトリフェニルホスファイトの付加物、並びに第一級アルコールの臭素化のためのそれらの使用 Download PDF

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Description

本発明は、一般式(I)TPPTPOP(1-X)(式中、TPPはトリフェニルホスフィンであり、TPOPはトリフェニルホスファイトであり、xは0.05から0.9の実数である)の新規付加物の使用に関する。これらの新規付加物は、第一級アルコールの臭素化に、特に、シクロプロピルメタノール若しくはシクロブチルメタノール等の3個又は4個の炭素原子を有するひずんだ環(strained ring)を含有する第一級アルコールの臭素化に有用である。
より詳細には、これらの付加物は、工業設備の高い生産性を可能にする合成条件下で、高純度の臭素化化合物を得るための方法、特に、シクロプロピルメタノール1a及びシクロブチルメタノール1bから、それぞれ高純度のブロモメチルシクロプロパン(2a)及びブロモメチルシクロブタン(2b)を得るための方法において有利に使用される。
Figure 0007379479000001
シクロプロピル及びシクロブチルのひずんだ環の高い反応性により、当業者にとって、有効成分の調製のための最終工程においてこれらの中間体を使用することがしばしば好ましい。結果として、ブロモメチルシクロプロパン(BMCP)分子及びブロモメチルシクロブタン(BMCB)分子の純度は、それが有効成分の不純物プロファイルに直接的に影響を与えるため、不可欠である。最も制御することが困難である不純物は、BMCPでは4-ブロモブタ-1-エン及びブロモシクロブタンであり、BMCBでは5-ブロモペンタ-1-エン及びブロモシクロペンタンであり、これらは目的の分子に非常に近い沸点を有する。したがって、合成条件によって蒸留の前にこれらの不純物を制御することが不可欠である。
近年、2つの特許文献がBMCPの生成方法を開示している。仏国特許第3010997号には、ジメチルホルムアミドで希釈されたトリフェニルホスファイト、ジブロミド、続いてカルビノールを、この順で含む方法が記載されている。発明者らは、複合体を通過することにより低いレベルの不純物及び優れた生産性を有するBMCPの生成が可能になることを言及している。
トリフェニルホスファイトは、TPOPとも表され、以下の式(II)に相当する:
Figure 0007379479000002
仏国特許第3016166号において出願人は、従来異なる条件(温度、希釈)下で使用されていたものと同じ反応物を含むが、非常に低いレベルの不純物を有するBMCPをもたらす方法を記載している。この方法の場合、反応中間体は、第一級又は第二級アルコールの臭素化を選択的にもたらすことで知られるホスホニウム塩である(O.Castro、Organic Reactions、29巻、William G Sauben&al.、1983年、Organic Reactions、John Wiley&Sons社による出版、4~25ページを参照)。
これらの特許出願より前の文献の中では、米国特許第61913001号が本質的に類似した方法を記載しているが、トリフェニルホスファイトがトリフェニルホスフィンに置き換えられ、全ての反応物が反応器の中に同時に導入されるという点で異なる。この方法は、著しく過剰なジブロミンを用いることで、超高純度のBMCPをもたらす。
トリフェニルホスフィンは、TPPとも表され、以下の式(III)に相当する:
Figure 0007379479000003
しかし、製薬業界でのニーズの進化により、仕様はますます厳しくなっている。したがって、有効成分の製造業者らは、BMCPで許容されている、4-ブロモブタ-1-エンの総質量に対して0.5質量%から、総質量に対して0.2質量%という新たな制限を設定している。
米国特許第61913001号には、これらの仕様レベルを達成するための方法が記載されているが、これはトリフェニルホスフィンとジブロミンの間に形成される付加物の選択性がトリフェニルホスファイトとジブロミンの間に形成される付加物の反応性より優れていることを反映している。しかしながら、この米国特許第61913001号の方法は、トリフェニルホスフィンのDMFへの不十分な溶解性のため、生産性が低い。このような問題は、仏国特許第3016166号の3番目の実施例において示されている。
仏国特許第3010997号 仏国特許第3016166号 米国特許第61913001号
O.Castro、Organic Reactions、29巻、William G Sauben&al.、1983年、Organic Reactions、John Wiley&Sons社による出版
さらに、ますます国際競争にさらされる分野においては、反応の生産性を高めることは、市場シェアを維持するために不可欠な利点である。
驚くべきことに、本出願人は、ジブロミンを用いた臭素化プロセスでの、一般式TPPTPOP(1-X)(式中、xは0.05から0.9の間に含まれる実数である)の付加物の使用は、TPPの単独での使用又はTPOPの単独での使用と比べて、より高い収率及び生産性の向上をもたらすことを発見した。
ひずんだ環の反応性は特に扱いが難しいため、臭素化プロセスにおけるこれらの付加物の使用は、全ての第一級アルコールの臭素化に適用され得ることが容易に理解されるだろう。
第1の実施形態によると、本発明は一般式(I)付加物に関する:
TPPTPOP(1-X) (I)
式中、
- TPPはトリフェニルホスフィンを指し;
- TPOPはトリフェニルホスファイトを指し;及び
- xは0.05から0.9の間に含まれる実数である。
本発明は、xが0.05から0.5、とりわけ0.1から0.5の間に含まれる、第一の実施形態による付加物にも関する。
第3の実施形態によると、本発明は、xモル部のトリフェニルホスフィン及び(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトを、20℃から50℃の間に含まれる温度Txで混合する、実施形態1又は2による付加物の調製方法にも関する。
第4の実施形態によると、本発明は、Txが25℃に等しく、xが0.5未満である、実施形態3による調製方法にも関する。
第5の実施形態において、本発明は、第一級アルコールのための液体臭素化剤としての、実施形態1若しくは2による付加物の、又は実施形態3若しくは4による方法により得られた付加物の、使用に関する。
第6の実施形態において、本発明は、第一級アルコールは、3個又は4個の炭素原子を有する炭化水素環を含み、特に、第一級アルコールは、シクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールである、実施形態5による使用にも関する。
第7の実施形態によると、本発明は、以下の工程を含む、第一級アルコールの臭素化による臭素化化合物の調製方法にも関する。
1.(a)1モル当量の本発明による付加物(I)又は本発明による方法により得られた付加物及び(b)1から3倍量の極性溶媒を混合する工程;続いて
2.ジブロミンを添加する工程:
2.1 工程1)で得られた溶液を0℃から12℃の間に含まれる温度まで攪拌しながら冷却する工程;続いて
2.2 反応媒体の温度を12℃未満に維持しながら、工程2.1)の後に得られた冷却された溶液に、1.05から1.25モル当量のジブロミンを添加する工程;次に
3.第一級アルコールを添加する工程:
3.1 工程2.2)の後に、反応媒体の温度を0℃から-15℃の間に含まれる値まで下げる工程;
3.2 工程3.1)の後に得られた冷却された反応媒体に、0.95から1モル当量の第一級アルコールを添加する工程;続いて
4.臭素化化合物(A)を回収する工程。
第8の実施形態において、本発明の別の主題は、極性溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルグリコールエーテル、ジクロロエタン、アセトニトリル、及びこれらの混合物の中から選択される、実施形態7による方法を提供することである。
第9の実施形態によると、本発明は、工程2.2)の間、反応媒体が0℃から12℃の間に含まれる温度で維持される、実施形態7又は8による方法にも関する。
第10の実施形態において、本発明は、工程3.2)の間、反応媒体が0℃から-15℃の間に含まれる、有利には0℃から-5℃の間に含まれる温度で維持される、実施形態7から9のいずれか一つによる方法にも関する。
第11の実施形態によると、本発明は、第一級アルコールが、3個又は4個の炭素原子を有する炭化水素環を含む、実施形態7から10のいずれか一つによる方法に関する。
第12の実施形態によると、本発明は、第一級アルコールがシクロプロピルカルビノールである、実施形態7から11のいずれか一つによる方法にも関する。
第13の実施形態によると、本発明はさらに、第一級アルコールがシクロブチルカルビノールである、実施形態7から11のいずれか一つによる方法に関する。
第14の実施形態によると、本発明は、回収された臭素化化合物が、全質量に対して0.2質量%未満の、4-ブロモブタ-1-エン及びブロモシクロブタンの中から選択される不純物を含む、実施形態12による方法に関する。
第15の実施形態によると、本発明は、一般式(II)の付加物も提供する:
TPPTPOP(1-X)Br2(p) (II)
式中、
- TPPはトリフェニルホスフィンを指し;
- TPOPはトリフェニルホスファイトを指し;及び
- xは0.05から0.9の間に含まれる実数であり;
- pは1又は2に等しい。
最後に、本発明の第16の実施形態は、第一級アルコール、特にシクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールの臭素化のための、実施形態15による付加物の使用に関する。
本明細書において、別段の指示が無い限り、全ての百分率(%)は質量%である。
本明細書において、別段の指示が無い限り、圧力は大気圧である。
本明細書において、「周囲温度」とは、15℃から40℃、好ましくは20℃から30℃の間に含まれる温度、とりわけ約25℃を意味する。
さらに、「aからbの間」という表現により示された任意の区間値は、aからbの値の範囲(すなわち、厳密な上限又は下限(strict limits)のa及びbを含む)を表す。
本発明において、式(I)の「付加物」は、xモル部のトリフェニルホスフィン及び(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトの添加(addition)によって生じる付加生成物を示す。特に、式(I)の「付加物」は、20℃から50℃の間に含まれる温度Txでの、(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトに、xモル部のトリフェニルホスフィンを加えることによって生じる付加生成物を示す。より詳細には、本発明による付加物は、xモル部のトリフェニルホスフィン及び(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトからなる混合物である。この付加物を表す混合物は、第一級アルコール、特にシクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールの臭素化の方法において、使用可能であり、液体試薬又は液状剤として用いられる。
本発明の別の主題は、特に第一級アルコールの臭素化剤として使用可能な、ジブロミンと式(I)の付加物、TPOP(1-X)TPPを反応させることにより得られる付加物である。
本明細書において当量で表されている量は、使用された第一級アルコール、特にシクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールに対するモル当量に相当する。
本発明は、主題として、一般式(I)の付加物を有する:
TPPTPOP(1-X) (I)
式中、
- TPPはトリフェニルホスフィンを指し;
- TPOPはトリフェニルホスファイトを指し;及び
- xは0.05から0.9の間に含まれる実数である。
TPPは前述で記載した式(III)に相当し、TPOPは前述で記載した式(II)に相当する。
有利には、xは0.05から0.5の間、とりわけ0.2から0.5の間に含まれる。
有利には、xは、厳密に0.5未満である。
一般式(I)の付加物は、有利には-20℃から50℃の間に含まれる温度で液体であり、工業的合成での使用に好適である。
一般式TPPTPOP(1-X)の付加物は、xモル部のトリフェニルホスフィン及び(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトを混合することにより得られる。特に、一般式TPPTPOP(1-X)の付加物は、xモル部のトリフェニルホスフィンを、(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトの中に混合することにより得られる。粘性のために、この混合は有利には20℃から50℃の間、より有利には25℃から50℃の間に含まれる温度Txで行われる。
好ましくは、0.2から0.5モル部のトリフェニルホスフィン及び0.8から0.5モル部のトリフェニルホスファイトが用いられ得る。
言い換えると、本発明は主題として、xモル部のトリフェニルホスフィン及び(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトを混合することにより得られる、一般式(I)の付加物を有する:
TPPTPOP(1-X) (I)
式中、
- TPPはトリフェニルホスフィンを指し;
- TPOPはトリフェニルホスファイトを指し;及び
- xは0.05から0.9の間に含まれる実数である。
詳細には、周囲温度(約20から25℃)及び大気圧(約760mmHg)において、トリフェニルホスフィンは固体であり、トリフェニルホスファイトは液体であるという事実を考慮すると、本発明による一般式(I)の付加物は、(1-x)モル部のトリフェニルホスファイト中にxモル部のトリフェニルホスフィンを可溶化することにより得られる。
トリフェニルホスフィンは固体であるため(及び反応媒体に溶解しにくいため)、生産性の損失が起こり得る。この溶解性と混和性の違いは、優れた選択性を得るために低い温度が用いられるという事実により、さらに大きくなる。したがって、トリフェニルホスファイトは、溶媒(周囲温度において液体)及び臭素化における試薬としての役割を果たす。実際に、この可溶化の際にトリフェニルホスフィンがトリフェニルホスファイト(triphenyl phospate)により溶媒和されることから、本発明による付加物(I)は溶媒和付加物(solvation adduct)を表していると考えることができる。
したがって、トリフェニルホスファイト中へのトリフェニルホスフィンの付加は、一般式トリフェニルホスフィン(X)-トリフェニルホスファイト(1-X)(TPPTPOP(1-X)とも表される)の付加物の形成をもたらす。
付加物のモル質量Mは、式:M=x*262+(1-x)*310g/molにより計算される。
出願人は、この付加物(I)の構造に関して仮説を設定するつもりはないが、この付加物は一旦ジブロミンと接触すると、ジブロミンとTPP(x=1)、又はジブロミンとTPOP(x=0)を用いて得られる反応性とは異なる反応性を有し得る、以下のタイプの構造を与えることを推測している。
Figure 0007379479000004
反応性の違いが発見されたことにより、純粋な生成物であるTPP又はTPOPに対する本発明による付加物の挙動(behavior)を予測することは、当業者にとって自明ではないことが明らかになった。
本発明の別の主題は、一般式(II)の付加物を提供することである:
一般式(II)の付加物:
TPPTPOP(1-X)Br2(p) (II)
式中、
- TPPはトリフェニルホスフィンを指し;
- TPOPはトリフェニルホスファイトを指し;及び
- xは0.05から0.9の間に含まれる実数であり;
- pは1又は2に等しい。
式(II)によるこの付加物は、任意選択で1から3倍量の極性溶媒で希釈された、1モル当量の式(I)の付加物と、pモル当量のBrを混合することにより得られ得る。
極性溶媒は、有利には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルグリコールエーテル、ジクロロエタン、アセトニトリル、及びこれらの混合物の中から選択される。
本発明はさらに、第一級アルコール、特にシクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールの臭素化のための、一般式(II)の付加物の使用に関する。
驚くべきことに、この付加物(I)は優れた還元剤(reducer)であり、特に第一級アルコール、特に、シクロプロピルカルビノール又はシクロブチルカルビノール等の3個又は4個の炭素原子を有する炭化水素環を含む第一級アルコールの臭素化に適していることが発見された。この付加物(I)によって、TPP単独又はTPOP単独と比較して、より高い収率及びより向上した生産性を有することが可能になる。
本発明は、主題として、本発明による付加物(I)、又は付加物(II)を調製する方法も有し、ここで、20℃から50℃の間に含まれる温度Txにおいて、xモル部のトリフェニルホスフィン及び(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトが混合される。特に、xモル部のトリフェニルホスフィンが、(1-x)モル部のトリフェニルホスファイト中に、20℃から50℃の間に含まれる温度Txにおいて、添加される。
この付加物の形成のための混合物の温度Txは、粘度の問題を有することなく混合がなされるように選択される。したがって、xが厳密に0.5未満である式(I)の化合物をもたらす、0.5モル部超のトリフェニルホスフィンを有するために、25℃または25℃未満の温度を使用することができる。
式(II)による付加物は、任意選択で1から3倍量の極性溶媒で希釈された、前述のようにして得られた1モル当量の式(I)の付加物と、pモル当量のBrを混合することにより得られ得る。本発明は、第一級アルコールの臭素化のための、液状剤又は液体試薬としての、このようにして得られた付加物(I)又は付加物(II)の使用にも関する。
極性溶媒は、有利には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルグリコールエーテル、ジクロロエタン、アセトニトリル、及びこれらの混合物の中から選択される。
有利には、式(I)又は式(II)において、xは0.05から0.8の間、より詳細には0.05から0.5の間、とりわけ0.1から0.5の間、より特に0.2から0.5の間に含まれ得る。周囲温度でのトリフェニルホスフィンの溶解性を考慮すると、xは有利には、0.05から0.4の間、とりわけ0.05から0.4の間、より特に0.1から0.4の間に含まれ得ることが言及されている。実際、周囲温度において0.4を超えると、溶解性の課題に直面することがある。特に好ましい様態において、xは0.05から0.3の間、とりわけ0.1から0.3の間、より特に0.2から0.3の間に含まれる。
xの値に対するこのような範囲は、残留する第一級アルコールを最小限に抑え、臭素化された最終生成物の量を最大化し、4-ブロモ-1-ブテン及びブロモシクロブタン等の不純物を非常に低い(さらには検出不能な)値に制限する。
本発明は、また、本発明による付加物(I)若しくは付加物(II)、又は液状剤若しくは液体試薬としての本発明による方法により得られた付加物の、第一級アルコールの臭素化のための使用を主題として有する。
第一級アルコールは、有利には、3個又は4個の炭素原子を有する炭化水素環を含み、特に、第一級アルコールはシクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールである。
したがって、本発明はまた、以下の工程を含む、第一級アルコールの臭素化による臭素化化合物(A)の調製方法を主題として有する:
1.(a)1モル当量の本発明による付加物(I)又は本発明による方法により得られた付加物及び(b)1から3倍量の極性溶媒を混合する工程;続いて
2.ジブロミンを添加する工程:
2.1 工程1)で得られた溶液を0℃から12℃の間に含まれる温度まで攪拌しながら冷却する工程;続いて
2.2 反応媒体の温度を12℃未満に維持しながら、工程2.1)の後に得られた冷却された溶液に、1.05から1.25モル当量のジブロミンを添加する工程;次に
3.第一級アルコールを添加する工程:
3.1 工程2.2)の後に、反応媒体の温度を0℃から-15℃の間に含まれる値まで下げる工程;
3.2 工程3.1)の後に得られた冷却された反応媒体に、0.95から1モル当量の第一級アルコールを添加する工程;続いて
4.臭素化化合物(A)を回収する工程。
第一の工程において、1当量の付加物(I)が極性溶媒中に混合される。希釈液の体積は、付加物(I)に対して1から3倍量の間に含まれる。その後にアルコールを添加することを考慮して、溶媒の添加により反応媒体を希釈することができる。付加物(II)のみを得る場合、前述で説明されたように前述の溶媒は任意である。
極性溶媒は、有利には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルグリコールエーテル、ジクロロエタン、アセトニトリル、及びこれらの混合物の中から選択される。
工程1)は、有利には、周囲温度で実行される。
本方法の第二の工程において、付加物(I)を含む溶液にジブロミンが添加され、有利には極性溶媒で希釈され、付加物(II)の形成を可能にする。
この第二の工程は、ジブロミンを添加する前に、はじめに冷却の工程2.1)を含み、その後ジブロミンが添加される(工程2.2))。
この工程2.2)の間、反応媒体の温度は有利には0℃から12℃の間で維持される。したがって、ジブロミンは有利にはゆっくりと、すなわち、反応媒体の温度が12℃を超えないような速度で、添加される。
有利には、工程2.2)の後、すなわちジブロミンの添加が完了した後、及び工程3)の前に、反応媒体は付加物(I)が見えなくなるまで攪拌される。反応は瞬時に行われ、式TPOP(1-x)TPPの付加物(I)の、式TPOP(1-x)TPPBrの付加物(II)への変換は定量的である。
第三の工程において、第一級アルコールが添加される。
この第三の工程は、第一級アルコールを添加する前に、はじめに冷却の工程3.1)を含み、その後第一級アルコールが添加される(工程3.2))。
工程3.1)の間、反応媒体の温度は、0℃から-15℃の間、有利には0℃から-5℃の間に含まれる値まで下げられる。
その次に、工程3.2)の間、シクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノール等の第一級アルコールが反応媒体に添加される。この工程3.2)の間、反応媒体の温度は有利には0℃から-15℃の間、有利には0℃から-5℃の間に含まれる目標値で維持される。したがって、第一級アルコールは有利にはゆっくりと、すなわち反応媒体の温度が目標値で維持されるような速度で、添加される。
その後、有利にはステップ3.2)の目標値に相当する温度で、第一級アルコールが完全に消費されるまで反応媒体の撹拌を維持する。その後、有利には反応媒体を周囲温度にする。
工程4)の間、例えば仏国特許第3016166号に記載されている工程に従って、臭素化化合物(A)を回収する。
したがって、例えば、周囲温度にした化合物(A)を含有する反応媒体を、当業者に知られる方法による蒸留に供する。例えば、この蒸留は減圧下での加熱によってなされ得る。1mbarから10mbarの間に含まれる圧力、より詳細には約5mbarの圧力において、蒸留の温度は、50から70℃の間に含まれ得、より詳細には約65℃であり得る。蒸留後、臭素化化合物(A)を含有するフラクションが洗浄され、続いて乾燥され得る。
臭素化化合物(A)は、当業者に知られる任意の好適な方法によって、例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム溶液等のpH8の緩衝液を用いて、洗浄され得る。
一旦洗浄された臭素化化合物(A)は、当業者に知られる方法で乾燥材を用いて乾燥され得る。乾燥材は、例えば、シリカゲル、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ゼオライト、塩化リチウム、又は臭化リチウムの中から選択され得る。
本方法は、95%超の、詳細には97%超の、より詳細には98%超の純度のレベルを有する臭素化化合物(A)を提供するという利点を有する。このような純度のレベルは、高純度が要求される活性医薬成分の最終合成段階における臭素化化合物(A)の使用に関して特に有利である。特に、BMCPに関して、4-ブロモブタ-1-エン及びブロモシクロブタンの中から選択される不純物のレベルは、0.2%未満である。
本発明による方法により得られた収率は、初期の第一級アルコールに対して80%超であり、これは工業的状況において非常に有利であり、特に予想外である。
この方法の目的は、非常に低いレベルの不純物を達成することであり、BMCPに関して、米国特許第61913001号のように4-ブロモブタ-1-エン及びブロモシクロブタンの中から選択された不純物が0.2%未満でありながら、初期の第一級アルコールに対して80%超の収率を有することである。さらに、TPPTPOP(1-X)により、仏国特許第3016166号又は仏国特許第3010997号による方法と同等の反応体積でより多くの第一級アルコールを反応させることができるという利点を得ることができる。例えば、x=0.4の場合、同じ反応器で変換された生成物の8%の増加が得られ、x=0.2の場合、同じ反応器で変換された生成物の4%の増加が得られる。したがって、非常に生産的であって非常に選択的な方法が得られ、このことは当業者にとって少しも明らかではなかった。
本発明による方法及びこれらの利点は、以下の実施例によって、より良く理解され得る。
原材料は、Sigma Aldrich社で入手した原材料である。
分析方法は、HP 5890 Series II装置でのガスクロマトグラフィー(GC)による分析で構成されている。クロマトグラフィーのカラムは、Optima deltaの6.30m、0.25mm、0.25μmカラムである。
オーブンは以下の温度プロファイルを有する:初期温度 40℃、初期時間 5分。グラジエント 5°/分;最終温度 125℃。持続時間 15分。
インジェクターの温度は250℃であり、検出器温度は280℃であり、注入量は1μLであり、圧力は6psiである。試料濃度は、テトラヒドロフラン(THF)中で75g/Lである。
反応を20Lの二重壁ガラス(double-walled glass)の反応器内で行い、蒸留は10個の理論上のプラトーを有するガラスカラムにより行う。
<実施例1:付加物(I)TPPTPOP(1-x)の調製>
以下の表による温度Txにおいて、(1-x)モル部のトリフェニルホスファイト中の量xのトリフェニルホスフィンを、窒素下で、撹拌機を備えた清潔で乾燥した反応器の中に入れる。
Figure 0007379479000005
均一化の後、必要な場合、混合物を室温にする。混合液は、後で用いるために液体状態で保管され得る。
TPPがTPOPにより可溶化されるという事実は、付加物を特徴づける各種の分子の間の弱い相互作用の特徴である。
<実施例2:BMCPの生成のためのTPP0.2TPOP(0.8)の付加物の使用>
4.63kgのDMF(1.1当量)、次に4.53kgの付加物(15.1mol)を、20Lの反応器の中に連続的に導入する。続いて2.74kg(17mol)のジブロミンを、12℃未満の温度を維持しながら導入する。攪拌速度を反応媒体の流動性によって設定する。反応後、懸濁液中に黄色い個体を有する非常に粘度が高い(thick)媒体が得られる。
次に二重壁を-12℃に設定し、1.054kg(14.6mol)のシクロプロピルメタノールを-5℃の温度を超えないように導入する。添加の終了時に、温度を周囲温度にゆっくり戻す。次に、蒸留のために二重壁を64℃に設定する。この蒸留は、13mbarの圧力で、カラムのトップで24から30℃で第一のフラクションを、次に30から40℃で第二のフラクションを回収することにより行われる(部分還流)。2つのフラクションF1(1.77kg)及びF2(340g)を回収する。炭酸水で洗浄し、続いてCaClによって乾燥させた後、2つのフラクションから82%の収率を有する、相対GC純度98.9%のBMCP(質量1.664kg、12.05mol)が得られる。測定されたブロモブテンの量は0.09%であり、ブロモシクロブタンの量は0.10%である。
<比較例1:仏国特許第3016166号による方法>
4.63kgのDMF(5.1当量)、次に4.53kgのトリフェニルホスファイトを、撹拌機を備えた清潔で乾燥した反応器の中に、窒素下で、連続的に入れる。次に2.34kgのジブロミンを、12℃未満の温度を維持しながら導入する。攪拌速度を反応媒体の流動性によって設定する。反応後、懸濁液中に黄色い個体を有する非常に粘度が高い(thick)媒体が得られる。
次に二重壁を-12℃に設定し、0.96kgのシクロプロピルメタノールを-5℃の温度を超えないように導入する。添加の終了時に、温度を周囲温度にゆっくり戻す。次に、蒸留のために二重壁を64℃に設定する。この蒸留は、13mbarの圧力で、カラムのトップで24から30℃で第一のフラクションを、次に30から40℃で第二のフラクションを回収することにより行われる(部分還流)。2つのフラクションF1(1.38kg)及びF2(293g)を回収する。炭酸水で洗浄し、続いてCaClによって乾燥させた後、2つのフラクションから73%の収率を有する、相対GC純度98.7%の最終生成物2a(質量1.316kg)が得られる。
実施例2及び比較例1の比較は、収率が9%高く、原材料投入率(committed raw material rate)が4%高いことを示し、これは使用可能な反応器1リットルあたりの生産量を65.8g/Lから83.2g/Lに増加させることに寄与する。
<実施例3:付加物(I)とジブロミンの特異的反応性の特徴>
本発明による付加物(I)に対する、純粋なTPP又はTPOPの挙動の違いを実証するために、以下の実験を行った。
試験A:0.5mLの無水重水素化DMF、次に40mgのTPP0.5TPOP0.5を、NMRチューブ中に加えた。チューブを0℃に冷却し、続いて11mgのジブロミンを加えた。続いてリンNMRを実行したところ、シグナルがブロードであるため(15から19ppm)観察された化学シフトを定めることが困難であった。
試験B:1mLの無水重水素化DMF、次に40mgのTPPを、NMRチューブ中に加えた。チューブを0℃に冷却し、続いて11mgのジブロミンを加えた。続いてリンNMRを実行した。観察された化学シフトは-16ppmであった。
試験C:0.5mLの無水重水素化DMF、次に40mgのTPOPを、NMRチューブ中に加えた。チューブを0℃に冷却し、続いて11mgのジブロミンを加えた。続いてリンNMRを実行した。観察された化学シフトは-18ppmであった。
これら3つの実験は、ジブロミンとの反応により、TPP0.5TPOP0.5付加物は、純粋なTPOP又は純粋なTPPにより得られるものとは異なる付加物をもたらすことを示す。
この実験は、混合したTPPBr-TPOPBr化合物が相互作用し、溶液中で混合種を形成することを示しており、純粋なTPP又はTPOP種に対する付加物(I)の異なる反応性が説明できる。
<実施例4>
実施例1の実験条件を繰り返すことにより、Xの様々な値に従って収率及び不純物を評価する。
Xが0.4を超える場合、トリフェニルホスファイト中のトリフェニルホスフィンの混合物は、周囲温度において溶解が困難であることを示す。周囲温度のままであることが望ましいため、X=0.4の値を、本試験の限度とする。X=0は先行技術による方法を表す。実験室での試験は、以下の結果をもたらす。
Figure 0007379479000006
生成されたブロモシクロプロパンの量は同程度だが、トリフェニルホスフィンが加えられると変換率が少し低下し、これは同等の変換率において純度がより高いことを意味する。さらに、トリフェニルホスフィンの量が多い場合において、4-ブロモブタ-1-エン及びブロモシクロブタンの不純物は存在しない。

Claims (19)

  1. 一般式(I)の付加物:
    TPPTPOP(1-X) (I)
    (式中、
    - TPPはトリフェニルホスフィンを指し;
    - TPOPはトリフェニルホスファイトを指し;及び
    - xは0.05から0.9の間に含まれる実数である)。
  2. xは0.05から0.5の間に含まれる、請求項1に記載の付加物。
  3. xモル部のトリフェニルホスフィン及び(1-x)モル部のトリフェニルホスファイトを、20℃から50℃の間に含まれる温度Txで混合する、請求項1又は2に記載の付加物の調製方法。
  4. Txが、25℃であり、xが0.05から0.5の間に含まれる、請求項3に記載の調製方法。
  5. 第一級アルコールのための液体臭素化剤としての、請求項1若しくは2に記載の付加物の、使用。
  6. 前記第一級アルコールは、3個又は4個の炭素原子を有する炭化水素環を含む、請求項5に記載の使用。
  7. 前記第一級アルコールは、シクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールである、請求項6に記載の使用。
  8. 1.(a)1モル当量の請求項1若しくは2に記載の付加物(I)及び(b)1から3倍量の極性溶媒を混合する工程;続いて
    2.ジブロミンを添加する工程:
    2.1 工程1)で得られた溶液を0℃から12℃の間に含まれる温度まで攪拌しながら冷却する工程;続いて
    2.2 反応媒体の温度を12℃未満に維持しながら、工程2.1)の後に得られた冷却された前記溶液に、1.05から1.25モル当量のジブロミンを添加する工程;次に
    3.第一級アルコールを添加する工程:
    3.1 工程2.2)の後に、前記反応媒体の温度を0℃から-15℃の間に含まれる値まで下げる工程;
    3.2 工程3.1)の後に得られた冷却された前記反応媒体に、0.95から1モル当量の第一級アルコールを添加する工程;続いて
    4.臭素化化合物(A)を回収する工程;
    を含む、第一級アルコールの臭素化による臭素化化合物(A)の調製方法。
  9. 前記極性溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルグリコールエーテル、ジクロロエタン、アセトニトリル、及びこれらの混合物の中から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 工程2.2)の間、前記反応媒体は0℃から12℃の間に含まれる温度で維持される、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 工程3.2)の間、前記反応媒体は0℃から-15℃の間に含まれる温度で維持される、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程3.2)の間、前記反応媒体は0℃から-5℃の間に含まれる温度で維持される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第一級アルコールは、3個又は4個の炭素原子を有する炭化水素環を含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第一級アルコールはシクロプロピルカルビノールである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第一級アルコールはシクロブチルカルビノールである、請求項13に記載の方法。
  16. 工程4)で回収された前記臭素化化合物(A)は、全質量に対して0.2質量%未満の、4-ブロモブタ-1-エン及びブロモシクロブタンの中から選択される不純物を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 一般式(II)の付加物:
    TPPTPOP(1-X)Br2(p) (II)
    (式中、
    - TPPはトリフェニルホスフィンを指し;
    - TPOPはトリフェニルホスファイトを指し;及び
    - xは0.05から0.9の間に含まれる実数であり;
    - pは1又は2に等しい)。
  18. 第一級アルコールの臭素化のための、請求項17に記載の付加物の使用。
  19. 前記第一級アルコールがシクロプロピルメタノール又はシクロブチルメタノールである、請求項18に記載の使用。
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