JP7377720B2 - 複合膜およびその製造方法 - Google Patents
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Description
特に、イオン通過性能に優れるなど様々な産業用途に使用可能な複合膜を実現できるよう、複合膜構成樹脂の質量が繊維集合体の質量よりも多い複合膜を調製することがあるが、当該複合膜を調製するためには、繊維集合体へ多量の溶液を付与する必要があった。このとき、繊維集合体は20質量%よりも多くの溶媒を含むことがあり、上述した製造方法を採用した場合、次の問題が顕著に発生するものであった。
つまり、前記溶液を繊維集合体へ付与すると、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶液に溶解して繊維形状を維持して存在できないという問題が発生することがあった。また、仮に付与時にポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶液に溶解しなかったとしても、溶液が付与された繊維集合体から溶媒を除去するため、加熱処理を施すことで溶媒を揮発させた時に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶液に溶解して繊維形状を維持して存在できないという問題が発生した。
そのため、様々な産業用途に活用し得る複合膜を提供することが困難なものであった。
(1)前記複合膜構成樹脂と前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体とを用意する工程、
(2)前記複合膜構成樹脂ならびに前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を、共に溶解可能な溶媒を用意する工程、
(3)前記溶媒に前記複合膜構成樹脂が溶解した溶液を調製する工程、
(4)前記溶液を前記繊維集合体へ付与する工程、ただし、前記溶液の温度は、前記溶液に前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶解する下限温度未満である、
(5)前記溶媒が揮発可能な温度以上前記下限温度未満の温度で加熱処理を施し、前記溶液が付与された前記繊維集合体から前記溶媒を揮発させる工程、
を備える、複合膜の製造方法。」である。
複合膜構成樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体、前記複合膜構成樹脂ならびに前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を共に溶解可能な溶媒を用意する。そして、前記溶媒に前記複合膜構成樹脂が溶解した溶液を調製する。その後、前記溶液を前記繊維集合体へ付与した後、加熱処理を施し、前記溶液が付与された前記繊維集合体から前記溶媒を揮発させて複合膜を製造する方法において、本発明は以下の特徴を有している。
本発明にかかる複合膜の製造方法では、溶液を繊維集合体へ付与する工程において、溶液の温度を、溶液にポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶解する下限温度未満に調整することを第一の特徴とする。本第一の特徴によって、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶液に溶解するという問題の発生を防止して、溶液を繊維集合体へ付与できる。
更に、本発明にかかる複合膜の製造方法では、溶液が付与された繊維集合体から溶液を構成する溶媒を揮発させる加熱処理の工程において、溶媒が揮発可能な温度以上前記下限温度未満の温度で加熱処理を施すことを第二の特徴とする。本第二の特徴によって、加熱処理中にポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶液に溶解するという問題の発生を防止できる。
そして、溶媒が揮発可能な温度以上に加熱処理を施しているため、溶液が付与された繊維集合体から溶媒を揮発させ除去できるため、含まれる溶媒を20質量%以下にして、上述した複合膜を製造できる。
なお、本発明で説明する各種測定は特に記載のない限り、大気圧下のもと測定を行った。また、25℃温度条件下で測定を行った。そして、本発明で説明する各種測定結果は特に記載のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、当該値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、少数第一位までが求める値である場合、測定によって少数第二位まで値を求め、得られた少数第二位の値を四捨五入することで少数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。
P=[1-M/(T×d)]×100
ここで、Mは繊維集合体の目付(単位:g/m2)、Tは繊維集合体の厚さ(単位:μm)、dは繊維集合体を構成する各種有機樹脂の平均密度(単位:g/cm3)を、それぞれ意味する。
(1)複合膜を構成するPVDF繊維を用意し、その質量(Mb1)を計量する。
(2)測定対象となる溶媒を、PVDF繊維の質量(Mb1)の100倍質量(100Mb1)用意する。
(3)25℃~130℃までの温度に調整した前記溶媒(質量:100Mb1)中に、前記PVDF繊維(質量:Mb1)を浸漬する。なお、前記PVDF繊維を構成する有機樹脂(PVDFなど)の分解温度は130℃よりも高い温度である。
(4)上述した工程(3)において、25℃~130℃までの温度範囲内いずれかの温度の前記溶媒に前記PVDF繊維が完全に溶解した場合、前記PVDF繊維は当該溶媒に溶解すると判断する。
(5)複合膜を構成する複合膜構成樹脂をペレット状あるいはフィルム状の態様で用意し、その質量(Mb2)を計量する。
(6)測定対象となる溶媒を、前記複合膜構成樹脂の質量(Mb2)の100倍質量(100Mb2)用意する。
(7)25℃~130℃までの温度に調整した前記溶媒(質量:100Mb2)中に、前記複合膜構成樹脂(質量:Mb2)を浸漬する。なお、前記複合膜構成樹脂の分解温度は130℃よりも高い温度である。
(8)上述した工程(7)において、25℃~130℃までの温度範囲内いずれかの温度の前記溶媒に前記複合膜構成樹脂が完全に溶解した場合、前記複合膜構成樹脂は当該溶媒に溶解すると判断する。
(9)上述した両測定の結果、測定対象となる溶媒がPVDF繊維および複合膜構成樹脂を共に溶解した場合、測定対象の溶媒はPVDF繊維と複合膜構成樹脂を共に溶解する溶媒(同一の溶媒)であると判断する。
(1)測定対象となる複合膜を用意し、その質量(Mb3)を計量する。
(2)事前加熱した後の複合膜を150℃雰囲気下に3時間曝し、加熱する。
(3)加熱した後の複合膜の、質量(Ma1)を計量する。
(4)次の式に基づいて、質量減少率(Mr、単位:質量%)を算出する。
Mr=100×(Mb3-Ma1)/Mb3
(5)上述した工程(4)において算出された質量減少率(Mr)を、複合膜に含まれる溶媒の含有率(単位:質量%)とする。なお、上述した工程(2)において複合膜中のPVDF繊維が繊維形状を維持して存在できなかった場合、本測定へ供した複合膜に含まれる溶媒の含有率(単位:質量%)は、20質量%よりも多いと判断する。
・PVDF繊維を含み製造されたものである複合膜においては、当該複合膜の主面ならびに断面を撮影した電子顕微鏡写真をもとに判断できる。つまり、当該写真に当該PVDF繊維が認められた場合には、当該複合膜中のPVDF繊維が繊維形状を維持して存在していると判断できる。そして、電子顕微鏡写真に当該PVDF繊維が認められなかった場合には、当該複合膜中のPVDF繊維が繊維形状を維持して存在していないと判断できる。
・PVDF繊維を含み製造されたものであるか否か不明である複合膜においては、次の方法で判断できる。当該複合膜の主面ならびに断面を撮影した電子顕微鏡写真に繊維形状を有するものが認められなかった場合には、当該複合膜中のPVDF繊維が繊維形状を維持して存在していないと判断できる。そして、当該写真に繊維形状を有するものが認められた場合には、溶媒で複合膜構成樹脂を除去するなどして当該複合膜から繊維形状を有するもののみを抽出もしくは取り出し、NMR、FT-IR、EDXなどの分析装置を用いて当該繊維形状を有するものがPVDFを含有するものであるか否か判断する。そして、当該繊維形状を有するものがPVDFを含有するものであった場合、当該複合膜中のPVDF繊維が繊維形状を維持して存在していると判断できる。
(1)前記複合膜構成樹脂と前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体とを用意する工程、
(2)前記複合膜構成樹脂ならびに前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を、共に溶解可能な溶媒を用意する工程、
(3)前記溶媒に前記複合膜構成樹脂が溶解した溶液を調製する工程、
(4)前記溶液を前記繊維集合体へ付与する工程、ただし、前記溶液の温度は、前記溶液に前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶解する下限温度未満である、
(5)前記溶媒が揮発可能な温度以上前記下限温度未満の温度で加熱処理を施し、前記溶液が付与された前記繊維集合体から前記溶媒を揮発させる工程、
を備える、複合膜の製造方法を用いることができる。
複合膜構成樹脂を溶媒に溶解させて溶液を調製するが、溶液の質量に占める複合膜構成樹脂の固形分濃度は適宜調整できる。しかし、後述する工程(4)および/または工程(5)において、繊維集合体に影響を与え難いよう、溶液の質量に占める溶媒の濃度は少ないのが好ましい。この観点から、溶液の質量に占める複合膜構成樹脂の固形分濃度は、複合膜構成樹脂が溶媒に飽和して溶解した時の濃度(飽和溶解質量%と称することがある、単位:質量%)~飽和溶解質量%よりも30質量%低い濃度までの範囲であるのが好ましく、飽和溶解質量%~飽和溶解質量%よりも20質量%低い濃度までの範囲であるのがより好ましい。
繊維集合体へ付与する溶液の温度は、前記溶液に前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶解する下限温度よりも低い温度とする。本発明でいう、「前記溶液に前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶解する下限温度」とは、以下の方法で判断された温度である。
(1)複合膜を構成するPVDF繊維(あるいはPVDF繊維を含んだ繊維集合体)を用意する。そして、フィルムの主面上にPVDF繊維(あるいはPVDF繊維を含んだ繊維集合体)を積層する。
(2)複合膜の製造に使用する溶液を用意する。そして、表面が平滑なガラス板の主面上に積層されたPVDF繊維(あるいはPVDF繊維を含んだ繊維集合体)に、キャスト厚さがPVDF繊維(あるいはPVDF繊維を含んだ繊維集合体)の厚さの10倍となるように、ダイコーターを用いて当該溶液を付与する。
(3)当該溶液を付与されたPVDF繊維(あるいはPVDF繊維を含んだ繊維集合体)を、前記ガラス板ごと、加熱温度が25℃~130℃の範囲の温度となるように調整したオーブンへ供し30分間加熱する。
(4)上述した工程(3)を経た当該溶液を付与されたPVDF繊維(あるいはPVDF繊維を含んだ繊維集合体)、あるいは、上述した工程(3)を経て調製された複合膜を確認する。そして、上述した工程(3)を経た後に前記PVDF繊維が繊維形状を維持して存在していなかった、その温度のうち最も低い温度を、「前記溶液に前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶解する下限温度」と判断する。なお、25℃~130℃の加熱温度いずれにおいてもPVDF繊維が溶解した場合、当該溶液は本発明にかかる構成を満足できない溶液であると判断する。
前記溶媒が揮発可能な温度以上前記下限温度未満の温度で加熱処理を施し、繊維集合体の空隙中に含まれている溶媒を揮発させる。ここでいう「溶媒が揮発可能な温度」とは、以下の方法で判断された温度である。
(1)PVDF繊維を含んだ繊維集合体を用意し、その質量(Mb4)を計量する。そして、表面が平滑なガラス板の主面上にPVDF繊維を含んだ繊維集合体を積層する。
(2)複合膜の製造に使用する溶液を用意する。そして、当該ガラス板の主面上に積層されたPVDF繊維を含んだ繊維集合体へ、キャスト厚さがPVDF繊維を含んだ繊維集合体の厚さの10倍となるように、ダイコーターを用いて当該溶液を付与する。
(3)当該溶液を付与されたPVDF繊維(あるいはPVDF繊維を含んだ繊維集合体)を、当該ガラス板ごと、加熱温度が25℃~130℃の範囲の温度となるように調整したオーブンへ供し30分間加熱する。なお、PVDFおよび溶液中に含まれている複合膜構成樹脂の融点あるいは分解温度は130℃よりも高い温度である。
(4)加熱した後の溶液が付与されたPVDF繊維を含んだ繊維集合体の、質量(Ma2)を計量する。
(5)次の式に基づいて、質量減少率(Mr、単位:%)を算出する。
Mr=100×(Mb4-Ma2)/Mb4
(6)上述した工程(5)において算出された質量減少率(Mr)が20質量%以上であった加熱温度のうち、最も低い温度を溶液に含まれている「溶媒が揮発可能な温度」と判断する。なお、揮発した溶媒を捕集し、ガスクロマトグラフィー質量分析装置などの各種測定装置を用いることで、溶液に含まれていた溶媒の種類を判断できる。
従来技術にかかる複合膜の製造方法では、PVDF繊維と複合膜構成樹脂が共に同一の溶媒に溶解するため、繊維集合体へ多量の溶液を付与するという製造方法を採用すると、
・溶液の付与時にPVDF繊維が溶液に溶解して繊維形状を維持して存在できないという問題、ならびに、
・溶液が付与された繊維集合体から溶媒を除去するため、加熱処理を施すことで溶媒を揮発させた時に、PVDF繊維が溶液に溶解して繊維形状を維持して存在できないという問題、
が発生するものであった。
また、別の多孔体、フィルム、発泡体、電極材料、ガスや液体の拡散体などの他の構成部材を積層し使用してもよい。
分子量が75万のPVDFをジメチルホルムアミド(沸点:153℃)に溶解させ、紡糸液(固形分濃度:14質量%、粘度:3Pa・s)を調製した。
紡糸液を以下の紡糸条件へ供することで静電紡糸し、繊維ウェブを調製した。
・金属製ノズル(紡糸液吐出部分)における、紡糸液吐出部分の形状:内径0.44mmの円形状
・金属製ノズルの先端と、繊維捕集体(金属板)との距離:10cm
・紡糸液へ印加した電圧:15kV
・金属製ノズルから吐出された紡糸液:1g/時間
・静電紡糸環境の雰囲気:温度25℃、湿度35%RH
そして、調製した繊維ウェブを、表面温度を160℃に調整した加熱ロールと接触させ、繊維ウェブから溶媒を除去してPVDF繊維のみで構成された不織布(目付:3g/m2、厚さ:11μm、空隙率:85%、平均繊維径:450nm、以降、PVDF不織布と称することがある)を調製した。
複合膜構成樹脂として、スルホン化ポリエーテルスルホン樹脂(以降、SPESと称することがある)を用意した。また、PVDF繊維とSPESを共に溶解する同一の溶媒として、N-メチル-2-ピロリドン(沸点:202℃、以降、NMPと称することがある)を用意した。
なお、PVDF繊維は40℃以上のNMPに溶解するものであった。また、SPESは25℃以上のNMPに溶解するものであった。
SPESをNMPに溶解させて溶液を調製した。なお、溶解させるSPESの固形分濃度を20質量%、30質量%、40質量%に調整した各溶液を調製した。
なお、PVDF繊維は、80℃以下の各溶液のいずれにも溶解しないものであった。つまり、調製した各溶液における「PVDF繊維が溶解する下限温度」は、いずれも、80℃よりも高い温度であった。そして、130℃の各溶液のいずれにもPVDF繊維は溶解した。
また、調製した各溶液における「溶媒が揮発可能な温度」は40℃であった。そのため、40℃以上の温度(例えば、80℃)で加熱処理を施すことにより、溶液が付与された繊維集合体からNMPを揮発させ除去できるものであった。
SPESの固形分濃度が20質量%のNMP溶液(25℃)を、ダイコーターを用いてPVDF不織布へ付与した。
加熱温度を80℃に調整したオーブンへ30分間供することで、当該溶液が付与されたPVDF不織布からNMPを揮発させ、複合膜(目付:23g/m2、厚さ:12μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:16質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
SPESの固形分濃度が30質量%のNMP溶液(25℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、複合膜(目付:33g/m2、厚さ:18μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:14質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
SPESの固形分濃度が40質量%のNMP溶液(25℃)を用いたこと、また、ダイコーターによるNMP溶液を塗布する際のスリット厚さを調整したこと以外は、実施例1と同様にして、複合膜(目付:40g/m2、厚さ:22μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:12質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
オーブンによる加熱温度を130℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合膜(目付:目付:19g/m2、厚さ:13μm、複合膜に含まれるNMP:4質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜では、SPES中にPVDF不織布が存在していないものであった。
オーブンによる加熱温度を130℃に変更したこと以外は、実施例2と同様にして複合膜(目付:28g/m2、厚さ:19μm、複合膜に含まれるNMP:3質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜では、SPES中にPVDF不織布が存在していないものであった。
オーブンによる加熱温度を130℃に変更したこと以外は、実施例3と同様にして複合膜(目付:35g/m2、厚さ:22μm、複合膜に含まれるNMP:3質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜では、SPES中にPVDF不織布が存在していないものであった。
ダイコーターによるNMP溶液を塗布する際のスリット厚さを調整したこと以外は、実施例2と同様にして、複合膜(目付:48g/m2、厚さ:31μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:20質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
実施例1で調製した複合膜を、加熱温度を130℃に調整したオーブンへ1時間供することでNMPを更に揮発させ、複合膜(目付:19g/m2、厚さ:12μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:1質量%以下)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
実施例2で調製した複合膜を、加熱温度を130℃に調整したオーブンへ1時間供することでNMPを更に揮発させ、複合膜(目付:28g/m2、厚さ:18μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:1質量%以下)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
実施例3で調製した複合膜を、加熱温度を130℃に調整したオーブンへ1時間供することでNMPを更に揮発させ、複合膜(目付:35g/m2、厚さ:22μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:1質量%以下)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
実施例4で調製した複合膜を、加熱温度を130℃に調整したオーブンへ1時間供することでNMPを更に揮発させ、複合膜(目付:48g/m2、厚さ:31μm、複合膜に含まれるPVDF繊維を含んだ繊維集合体の目付:3g/m2、複合膜に含まれるNMP:2質量%)を調製した。
このようにして調製した複合膜は、SPES中にPVDF不織布が繊維形状を維持し、存在してなるものであった。
Claims (2)
- 複合膜構成樹脂中に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体が存在している、複合膜であって、
前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維と前記複合膜構成樹脂は共に、同一の溶媒に溶解するものであり、
複合膜に含まれる溶媒が20質量%以下である、
複合膜。
- 複合膜構成樹脂中に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体が存在している、複合膜の製造方法であって、
(1)前記複合膜構成樹脂と前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体とを用意する工程、
(2)前記複合膜構成樹脂ならびに前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を、共に溶解可能な溶媒を用意する工程、
(3)前記溶媒に前記複合膜構成樹脂が溶解した溶液を調製する工程、
(4)前記溶液を前記繊維集合体へ付与する工程、ただし、前記溶液の温度は、前記溶液に前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維が溶解する下限温度未満である、
(5)前記溶媒が揮発可能な温度以上前記下限温度未満の温度で加熱処理を施し、前記溶液が付与された前記繊維集合体から前記溶媒を揮発させる工程、
を備える、複合膜の製造方法。
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