JP7365831B2 - 電解質膜用支持体 - Google Patents
電解質膜用支持体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7365831B2 JP7365831B2 JP2019169560A JP2019169560A JP7365831B2 JP 7365831 B2 JP7365831 B2 JP 7365831B2 JP 2019169560 A JP2019169560 A JP 2019169560A JP 2019169560 A JP2019169560 A JP 2019169560A JP 7365831 B2 JP7365831 B2 JP 7365831B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrolyte membrane
- fibers
- fiber
- pvdf
- fiber aggregate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Description
このような電解質膜用支持体として、例えば、特表2019-517111号公報(特許文献1)や特開2017-050163号公報(特許文献2)あるいは特開2013-062240号公報(特許文献3)などにも開示されているように、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体を備える電解質膜用支持体が検討されてきた。
検討の結果、当該電解質膜は、燃料電池に組み込み使用するなど湿潤した際に膨潤して意図せず寸法変化し易いという問題を有していた。
更に、取り扱い時や燃料電池の製造過程中に外力を受け伸張し、その後、外力から開放されると収縮するが、元の形状まで戻らないことがあるという問題を有していた。同様に、燃料電池に組み込み使用するなど湿潤すると膨潤(伸張)し、その後、乾燥すると収縮するが、元の形状まで戻らないことがあるという問題を有していた。
特にこれらの問題は、薄い電解質膜であるときに顕著に発生する傾向があった。
具体的には、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の分子量が38万よりも高いときに、そして、繊維集合体における前記値の最低値が5.8より大きいときに、取扱い性や燃料電池の製造効率に優れ、燃料電池の性能低下が防止された電解質膜を実現可能な、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体を備える電解質膜用支持体を提供できることを見出した。
なお、本発明で説明する各種測定は特に記載のない限り、常圧のもと25℃温度条件下で測定を行った。また、本発明で説明する各種測定結果は特に記載のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、当該値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、少数第一位までが求める値である場合、測定によって少数第二位まで値を求め、得られた少数第二位の値を四捨五入することで少数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。
本発明でいうポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維とは、直鎖構造中に-(CH2CF2)n-構造を備える樹脂であるポリフッ化ビニリデン系樹脂を含有した繊維を指す。なお、当該構造が連続して構成されている樹脂(ホモポリマー)であっても、他の構造と共重合してなる体樹脂であってもよい。以降、ポリフッ化ビニリデン系樹脂をPVDF、ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維をPVDF繊維と称することがある。
当該分子量は38万よりも高いのであれば適宜調整でき、分子量が57万以上のPVDFを採用することができ、分子量が75万以上のPVDFを採用することができる。
なお、本発明にかかるPVDF繊維は、分子量が38万よりも高いPVDFを含んでいるのであれば、分子量が38万以下のPVDFを含んでいてもよい。しかし、上述した効果が発揮され易いように、PVDF繊維を構成するPVDFは、分子量が38万よりも高いPVDFのみであるのが好ましい。
本発明でいう分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーに基づき測定した値である。なお、カタログや論文などに採用するPVDFの分子量が記載されている場合には、その分子量を当該PVDFの分子量とすることができる。
また、繊維集合体は機能材(例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、イットリア安定化ジルコニア粒子、アルミナ粒子、金属有機構造体(MOF)、各種ポリマー粒子)を含んでいても良い。繊維集合体の構成繊維中に含有されていても、構成繊維同士の間(繊維集合体の空隙中)に存在する態様であっても良い。
他の繊維の繊維長も、本発明の効果が発揮されるよう適宜調整するが、0.1mm以上であることができ、0.5mm以上であることができ、1mm以上であることができる。ステープルファイバーであっても、連続長を有する繊維であってもよい。
特に、厚さが薄く構成繊維が均一に分散し均一な孔径を有する繊維集合体を調製可能であることから、直接紡糸法により調製された繊維集合体であるのが好ましい。
一方、空隙が多過ぎると強度に劣る恐れがあるため、空隙率は99%以下であるのが好ましく、95%以下であるのがより好ましく、90%以下であるのが更に好ましい。
この「空隙率」は次の式により得られる値をいう。
P=[1-M/(T×d)]×100
ここで、Mは繊維集合体の目付(単位:g/m2)、Tは繊維集合体の厚さ(単位:μm)、dは繊維集合体を構成する各種有機樹脂の平均密度(単位:g/cm3)を、それぞれ意味する。
(1)測定対象から長方形の試料(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):15mm)を採取した。このとき、測定対象の生産方向が判明している場合には、当該生産方向と長辺方向が平行を成すようにして、試料を採取した。
(2)引張り試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロン(登録商標)、TM-111-100)を使用し、チャック間の初期つかみ間隔100mm、引張り速度50mm/min.の条件で、試料に破断が生じるまで長辺方向へ引張った。試料が破断するまでに測定される最大応力を、強度(N/15mm)とした。
(3)同様に合計10枚の試料について各々強度を求め、得られた値の平均値を、測定対象における試料の長辺方向と平行を成す方向(MD方向)の強度(N/15mm)とした。
(4)前記試料の長辺方向と平行を成す方向に対し、短辺方向が平行を成すようにして測定対象から新たに長方形の試料(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):15mm)を採取した。
(5)前述した(4)の工程で採取した試料を(2)~(3)の工程へ供することで、測定対象における試料の長辺方向と平行を成す方向(CD方向)の強度(N/15mm)を求めた。
(1)測定対象から長方形の試料(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):15mm)を採取した。このとき、測定対象の生産方向が判明している場合には、当該生産方向と長辺方向が平行を成すようにして、試料を採取した。
(2)引張り試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロン(登録商標)、TM-111-100)を使用し、チャック間の初期つかみ間隔100mm、引張り速度50mm/min.の条件で、試料に破断が生じるまで長辺方向へ引張った。
(3)この時、次の式から得られる値を「伸度」とした。
L={(D-100)/100}×100
ここで、Lは伸度(単位:%/15mm)、Dは試料が破断した時のつかみ間隔の長さ(単位:mm)をそれぞれ意味する。このようにして、測定対象における試料の長辺方向と平行を成す方向(MD方向)の伸度(単位:%/15mm)を測定した。
(4)前記試料の長辺方向と平行を成す方向に対し、短辺方向が平行を成すようにして測定対象から新たに長方形の試料(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):15mm)を採取した。
(5)前述した(4)の工程で採取した試料を(2)~(3)の工程へ供することで、測定対象における試料の長辺方向と平行を成す方向(CD方向)の伸度(単位:%/15mm)を測定した。
電解質膜の伸長し易さは主として電解質膜用支持体に影響を受け、また、伸張した電解質膜の収縮し易さは主として電解質膜を構成する樹脂に影響を受ける。しかし、電解質膜が伸長する際に電解質膜用支持体に破損が発生した場合、具体的には、電解質膜用支持体が備えている繊維集合体に破断や構成繊維の切断が発生した場合、当該破損の発生によって電解質膜は元の形状まで戻らなくなる。
つまり、元の形状まで収縮し得る電解質膜であるか否かは、電解質膜用支持体が破損することなく伸張できる性質を有するか否かに左右される。
本願出願人は、破損することなく伸張できる性質を有する電解質膜用支持体であるか否かは、電解質膜用支持体が備えている繊維集合体の伸度の高低のみでは評価できないことを見出した。そして、電解質膜用支持体が備えている繊維集合体の伸度をその目付(繊維集合体における、その物性に寄与している諸構成物の総量を意味すると考えられる)で除し算出される値を指標とすることで、繊維集合体の破損することなく伸張できる能力、つまり、当該繊維集合体を備える電解質膜用支持体の破損することなく伸張できる能力を、正確に評価できることを見出した。
そして、当該値の最低値が5.8より大きい繊維集合体を備える電解質膜用支持体によって、伸張後に元の形状まで戻る電解質膜を提供できることを見出したものである。
本発明にかかる電解質膜用支持体の製造方法は適宜選択することができるが、一例として、
(1)分子量が38万よりも高いPVDFを溶媒に溶解させてなる紡糸液、あるいは、分子量が38万よりも高いPVDFを溶媒に分散させてなる紡糸液を用意する工程、
(2)紡糸液を細径化することで紡糸し、得られた繊維を捕集して繊維ウェブを調製する工程、
(3)繊維ウェブから紡糸液を構成する溶媒あるいは分散媒を除去する工程、
を備える繊維集合体の製造方法を用いることができる。
溶媒あるいは分散媒の種類は適宜選択するものであるが、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、ギ酸、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどを挙げることができる。なお、溶媒あるいは分散媒は一種類であっても、複数種類混合してなる混合溶媒あるいは混合分散媒であってもよい。
紡糸液中に含まれるPVDFの質量(固形分質量)は、求める繊維集合体を調製できるよう適宜調整するが、1~50質量%であることができ、5~40質量%であることができ、10~35質量%であることができる。
また、紡糸液中に機能材を含んでいても良い。紡糸液中に含まれる機能材の質量(固形分質量)は、求める繊維集合体を調製できるよう、適宜選択するが、0.1~30質量%であることができ、0.5~20質量%であることができ、1~15質量%であることができる。
紡糸液の温度や粘度は求める繊維集合体を調製できるよう、適宜選択する。紡糸液の温度は5~40℃であることができ、10~35℃であることができ、15~30℃であることができる。また、紡糸液の粘度は0.05~8Pa・sであることができ、0.1~6Pa・sであることができ、0.2~5Pa・sであることができる。なお、この「粘度」は粘度測定装置を用い、温度25℃で測定したシェアレート100s-1時の値をいう。
紡糸液を細径化することで紡糸する方法は、求める繊維集合体を調製できるよう適宜選択するが、例えば、直接紡糸法(特に、静電紡糸法)を採用できる。静電紡糸法を採用する場合、紡糸液に電圧を付与すると共に、該紡糸液の吐出部分と離間させ設けた金属板などの対抗電極へ該電圧と反対の電圧を付与することで、紡糸液を対抗電極へ向け飛翔させ細径化させる。そして、細径化した紡糸液を捕集体へ捕集することで、捕集体上に繊維ウェブを形成する。なお、上述した金属板などの対抗電極を捕集体としてもよい。
繊維ウェブ中に含まれている溶媒あるいは分散媒を除去する方法は適宜選択できるが、一例として、繊維ウェブを加熱処理へ供する方法を採用できる。なお、加熱装置の種類は適宜選択でき、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する装置、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機、赤外線を照射し加熱できる装置などを用いた方法を採用できる。加熱装置による加熱温度は適宜選択するが、残留している溶媒あるいは分散媒を揮発させ除去可能であると共に、構成繊維などの構成成分が意図せず分解や変性しない温度であるように適宜調整する。
なお、繊維ウェブの構成繊維中に接着成分や架橋可能な樹脂が存在する場合は、加熱処理へ供することで接着成分による繊維接着を行っても、当該架橋可能な樹脂を架橋させても良い。
また、別の多孔体、フィルム、発泡体などの他の構成部材を繊維集合体に積層し、当該積層体を電解質膜用支持体として使用してもよい。
なお、膜構成樹脂として用途に合わせ周知の樹脂を採用できる。特に、燃料電池用電解質膜を調製する場合には、燃料電池用電解質膜の膜構成樹脂として使用可能であることが知られている(例えば、特開2004-119223などに開示されている)パーフルオロカーボンスルホン酸系樹脂、スルホン化芳香族炭化水素系樹脂、アルキルスルホン化芳香族炭化水素系樹脂や、特開2018-018684や特開2017-195087などに開示されている無機-有機複合系樹脂などを採用するのが好ましい。
膜構成樹脂の溶液あるいは分散液が付与された電解質膜用支持体から、溶媒あるいは分散媒を除去する方法は適宜選択できるが、一例として、加熱処理へ供する方法を採用できる。なお、加熱装置の種類は上述した加熱装置から適宜選択できる。
分子量が75万のPVDFをジメチルホルムアミド(沸点:153℃)に溶解させ、紡糸液A(固形分濃度:14%、粘度:3Pa・s)を調製した。
分子量が38万のPVDFをジメチルホルムアミド(沸点:153℃)に溶解させ、紡糸液B(固形分濃度:20%、粘度:6Pa・s)を調製した。
分子量が57万のPVDFをジメチルホルムアミド(沸点:153℃)に溶解させ、紡糸液C(固形分濃度:16%、粘度:4Pa・s)を調製した。
・金属製ノズル(紡糸液吐出部分)における、紡糸液吐出部分の形状:内径0.44mmの円形状
・金属製ノズルの先端と、繊維捕集体(金属板)との距離:4cm
・紡糸液へ印加した電圧:8kV
・金属製ノズルから吐出された紡糸液:1g/時間
・静電紡糸環境の雰囲気:温度25℃、湿度35%RH
紡糸液Aを、上述した(静電紡糸装置と静電紡糸条件)に基づき静電紡糸装置を用いて細径化することで紡糸した。そして、得られた繊維を捕集体である金属板の表面上に捕集して、繊維ウェブを調製した。
その後、調製した繊維ウェブを、表面温度を160℃に調整した加熱ロールと10分間接触させ、繊維ウェブから溶媒を除去して不織布を調製した。
更に、塗布装置(スリット厚さ:400μm)を用いて、不織布へナフィオン樹脂分散液(登録商標、固形分濃度:20質量%)を塗布した。この状態のまま加熱温度を80℃に調整したオーブンへ1時間供することで、ナフィオン樹脂中に電解質膜用支持体として不織布を備えてなる電解質膜を調製した。
金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を10cmに変更したこと、そして、加熱ロールの表面温度を180℃に変更したこと以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を5cmに変更したこと以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を7cmに変更したこと、また紡糸液の総吐出量が異なること以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
紡糸液Aの替わりに紡糸液Bを用いたこと、また金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を10cmに変更したこと、そして、紡糸液の総吐出量が異なること以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を10cmに変更したこと、そして、紡糸液の総吐出量が異なること以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を10cmに変更したこと、また湿度を45%に変更したこと、そして、紡糸液の総吐出量が異なること以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を10cmに変更したこと、そして、紡糸液の総吐出量が異なること以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
紡糸液Aの替わりに紡糸液Cを用いたこと、また金属製ノズルの先端と繊維捕集体(金属板)との距離を10cmに変更したこと、そして、紡糸液の総吐出量が異なること以外は、比較例1と同様にして不織布を調製した。
また、調製した不織布を用いたこと以外は比較例1と同様にして、電解質膜を調製した。
なお、電解質膜の強度(単位:N/5mm)と伸度(単位:%/5mm)は、調製した電解質膜から長方形の試料(長辺:200mm、短辺(長辺と垂直をなす):5mm)を採取し、採取した試料を上述した(強度の測定方法)と(伸度の測定方法)へ供することで求めた。
また、調製した電解質膜の「寸法変化率」ならびに「延伸永久歪伸度」は、以下の方法で測定ならびに評価した。
(1)電解質膜から長方形の試料(MD方向:40mm、CD方向:30mm)を採取し、25℃、25%RH雰囲気に1日放置した。
(2)試料を80℃に調整した純水中に、30分間浸漬した。
(3)純水から試料を取り出した後、浸漬後の試料のMD方向及びCD方向の長さを測定した。
(4)測定値を次の式へ代入し、算出した値を絶対値で評価することでMD方向およびCD方向の各寸法変化率(単位:%)を算出した。
MD方向の寸法変化率(単位:%)=|{(L1-L0)/L0}|×100
L1:MD方向の浸漬後の長さ(mm)、L0:MD方向の浸漬前の長さ(mm)
CD方向の寸法変化率(単位:%)=|{(L3-L2)/L2}|×100
L3:CD方向の浸漬後の長さ(mm)、L2:CD方向の浸漬前の長さ(mm)
そして、算出したMD方向およびCD方向の各寸法変化率の平均値を求め、寸法変化率(単位:%)とした。
なお本測定は、電解質膜が膨潤した際に発生する寸法変化の程度を評価したものであり、測定値が小さいほど寸法変化し難い電解質膜であることを意味する。
(1)電解質膜から長方形の試料(MD方向:80mm、CD方向:40mm)を採取した。なお、電解質膜のMD方向と電解質膜を構成している電解質膜用支持体のMD方向が平行をなすようにした。
(2)手動延伸機(チャック間の初期つかみ間隔:50mm)を使用し、試料をMD方向へ5mm延伸した。
(3)その後、手動延伸機のチャックを開放して電解質膜を取り外し、電解質膜における延伸した方向の長さ(L4)を、マイクロノギスを用いて測定した。
(4)測定値を次の式へ代入し、算出した値を延伸永久歪伸度(単位:%)とした。
延伸永久歪伸度(単位:%)={(L4-80)/50}×100
なお、延伸永久歪伸度が0.0%でない電解質膜は、伸張後に元の形状まで戻ることができなかった電解質膜であることを意味する。そのため、当該電解質膜を用いて調製した燃料電池では、電解質膜の強度やガスバリア性や耐久性などが低下することに起因して、発電性能の低下が発生する恐れがあると考えられた。
本測定において破断が発生した電解質膜であった場合には、表1の延伸永久歪伸度(%)欄に「破断」と記載した。
また、比較例1~3と、比較例4および実施例とを比較した結果から、電解質膜用支持体を構成する繊維集合体における目付(単位:g/m2)あたりの伸度(単位:%/15mm)の最低値が5.8より大きいことによって、伸張後に元の形状まで戻ることができる(延伸永久歪伸度が0.0%である)電解質膜を提供できることが判明した。
なお、本発明に係る電解質膜用支持体は、電解質膜を構成するという用途以外にも、様々な産業用途(例えば、水処理膜などの液体分離膜や気体分離膜、水など液体の電気分解を行う際に用いる分離膜、医療用材料、イオン交換膜や透析膜、燃料電池の高分子電解質膜などといった様々な産業用途に使用可能な複合膜の支持体として、あるいは、キャパシタや一次/二次電池などの電気化学素子用セパレータ、プリプレグ、気体フィルタや液体フィルタなど)に使用できる。
また、本発明に係る電解質膜用支持体に粒子を担持させた構造体は、電解質膜以外にも、様々な産業用途(例えば、水処理膜などの液体分離膜や気体分離膜、医療用材料、イオン交換膜や透析膜、燃料電池の高分子電解質膜などといった様々な産業用途に使用可能な複合膜として、あるいは、キャパシタや一次/二次電池などの電気化学素子用セパレータ、プリプレグ、気体フィルタ膜や液体フィルタ膜など)に使用できる。
Claims (1)
- ポリフッ化ビニリデン系樹脂繊維を含んだ繊維集合体を備える電解質膜用支持体であって、
前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂の分子量は57万以上であり、
前記繊維集合体における目付(単位:g/m2)あたりの伸度(単位:%/15mm)の最低値が10.0以上である、
電解質膜用支持体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019169560A JP7365831B2 (ja) | 2019-09-18 | 2019-09-18 | 電解質膜用支持体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019169560A JP7365831B2 (ja) | 2019-09-18 | 2019-09-18 | 電解質膜用支持体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021048033A JP2021048033A (ja) | 2021-03-25 |
JP7365831B2 true JP7365831B2 (ja) | 2023-10-20 |
Family
ID=74878661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019169560A Active JP7365831B2 (ja) | 2019-09-18 | 2019-09-18 | 電解質膜用支持体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7365831B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008007884A (ja) | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Toray Ind Inc | 農業用不織布 |
JP2008201005A (ja) | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Toho Tenax Co Ltd | 炭素繊維シート及びその製造方法 |
JP2009245639A (ja) | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Asahi Glass Co Ltd | 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 |
-
2019
- 2019-09-18 JP JP2019169560A patent/JP7365831B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008007884A (ja) | 2006-06-29 | 2008-01-17 | Toray Ind Inc | 農業用不織布 |
JP2008201005A (ja) | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Toho Tenax Co Ltd | 炭素繊維シート及びその製造方法 |
JP2009245639A (ja) | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Asahi Glass Co Ltd | 固体高分子形燃料電池用電解質膜、その製造方法及び固体高分子形燃料電池用膜電極接合体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021048033A (ja) | 2021-03-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101374434B1 (ko) | 개선된 나노섬유 세퍼레이터를 포함하는 전기화학 이중층커패시터 | |
KR101256968B1 (ko) | 이차전지 분리막용 pet 부직포 및 이를 포함하는 이차전지용 분리막 | |
EP2064379B1 (en) | Improved nanowebs | |
KR101777076B1 (ko) | 높은 용융 온도 미세다공성 리튬-이온 2차 전지 세퍼레이터 및 제조방법 및 용도 | |
JP5955177B2 (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂が付与された多孔シートの製造方法 | |
CN115506081A (zh) | 瞬时可润湿的聚合物纤维片 | |
WO2015083546A1 (ja) | 電気化学素子用複合膜 | |
JP7365831B2 (ja) | 電解質膜用支持体 | |
JP7377720B2 (ja) | 複合膜およびその製造方法 | |
JP5912464B2 (ja) | 塗工成分が担持された多孔シートの製造方法および製造装置 | |
JP2011210680A (ja) | 電池用セパレータ | |
JP7313130B2 (ja) | 繊維シートおよび複合膜 | |
JP7296741B2 (ja) | 不織布、および、該不織布を支持体として備える複合膜 | |
JP2019077964A (ja) | 繊維シート及び繊維シートの製造方法 | |
JP7406939B2 (ja) | 固体電解質膜用支持体 | |
JP7313114B2 (ja) | 複合膜 | |
JP5944808B2 (ja) | 親和性多孔シート | |
JP7107770B2 (ja) | 構造体 | |
JP7498603B2 (ja) | 導電性シート | |
JP7323353B2 (ja) | 繊維集合体とその製造方法、および、前記繊維集合体を備えた複合体 | |
JP2020084379A (ja) | 繊維シートおよび複合膜 | |
JP2023056336A (ja) | 繊維積層体および分離膜複合体 | |
JP7365885B2 (ja) | 繊維シートおよびその製造方法 | |
JP2023177489A (ja) | 不織布とその製造方法、および、固体電解質シート | |
JP2022095310A (ja) | フィルタ用基材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230419 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230425 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230926 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20231010 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7365831 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |