JP2024033095A - 固体電解質粒子用支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】意図した量(例えば、多量)の固体電解質粒子を保持できるシート状の繊維集合体を備える、固体電解質粒子用支持体を提供する。【解決手段】厚さ方向へ圧力を受けた際に、面方向へ伸張して面方向寸法が大きく変化し易い物性を有しているシート状の繊維集合体、具体的には、厚さ方向へ0.5MPa以上20MPa以下の圧力を作用させた際の面方向寸法変化率が0.2%よりも大きいシート状の繊維集合体を採用することによって、意図した量(例えば、多量)の固体電解質粒子を保持できるシート状の繊維集合体を備える、固体電解質粒子用支持体を提供できる。【選択図】 なし

Description

本発明は、固体電解質粒子を保持できるシート状の繊維集合体を備える、固体電解質粒子用支持体に関する。
近年、電解質に固体電解質を用いた電池(以降、固体電池と称することがある)の開発が求められている。固体電池は、陽極と陰極間のイオン伝導を、硫化物系の固体電解質や酸化物系の固体電解質などの固体電解質が担う電池であって、一般的には固体電解質の粒子(以降、固体電解質粒子と称することがある)を固めて層状あるいは膜状にした電解質が利用されている。
このような固体電池では、剛性に富むことでその製造工程でのハンドリング性が向上するよう、また、使用中に固体電解質粒子が脱落することを防止して固体電池の性能が意図せず低下するのを防止できるよう、不織布などシート状の繊維集合体の表面と空隙中にも固体電解質粒子を保持させてなる固体電解質複合膜を使用することが検討されている。
一例として、特開2015-153460(特許文献1)には、不織布など多孔性基材の主面から粒子状の無機固体電解質材料をプレスし押し込むことで、多孔性基材の空隙中に粒子状の無機固体電解質材料を充填して製造した、固体電解質シートが開示されている。
特開2015-153460
本願出願人は、特許文献1に開示されているような、従来技術にかかる固体電解質複合膜、および、当該固体電解質複合膜を製造可能なシート状の繊維集合体を備える固体電解質粒子用支持体について検討を行った。
しかし、特許文献1が開示するようにして、固体電解質粒子用支持体(例えば、不織布のみで構成された固体電解質粒子用支持体)の空隙中に固体電解質粒子を充填することで保持させて、固体電解質複合膜を調製したところ、調製した固体電解質複合膜は意図した量(例えば、多量)の固体電解質粒子を備えていないことがあった。具体的には、実施例で調製した固体電解質粒子用支持体のように、平均繊維径が0.4μmより大きく10μm未満であって、60%以上の大きい空隙率を有している固体電解質粒子用支持体を用いたからといって、必ず意図した量(例えば、多量)の固体電解質粒子を備えた固体電解質複合膜を実現できるものではなかった。
そして、意図した量の固体電解質粒子を備えていない(例えば、少量の固体電解質粒子しか備えていない)固体電解質複合膜を用いて調製される固体電池は、固体電解質複合膜を通過するイオン量が少ないことで、電気出力が低下するものであると考えられた。
また、シート状の繊維集合体の空隙中に、意図した量の固体電解質粒子が保持された固体電解質複合膜を調製できないという上述の問題は、例えシート状の繊維集合体の主面から押し込もうとする固体電解質粒子の量を増量した場合であっても、解決できないものであった。
第一の本発明は、
「シート状の繊維集合体を備える、固体電解質粒子用支持体であって、
前記シート状の繊維集合体の平均繊維径は、0.4μmより大きく10μm未満であって、
前記シート状の繊維集合体の空隙率は、60%以上100%未満であって、
前記シート状の繊維集合体は、厚さ方向へ0.5MPa以上20MPa以下の圧力を作用させた際の面方向寸法変化率が0.2%よりも大きく3.0%未満である、
固体電解質粒子用支持体。」
であり、第二の本発明は、
「前記シート状の繊維集合体を構成する繊維が、ビカット軟化温度が150℃以下の樹脂を含む、
請求項1記載の固体電解質粒子支持体。」
であり、第三の本発明は、
「前記シート状の繊維集合体を構成する繊維が、水分率が0.5%以下の樹脂を含む、
請求項1記載の固体電解質粒子支持体。」
であり、第四の本発明は、
「前記シート状の繊維集合体の厚さが、10μm以上200μm以下である、
請求項1記載の固体電解質粒子支持体。」
である。
本願出願人は検討を続けた結果、本発明にかかる物性を有するシート状の繊維集合体を備える固体電解質粒子用支持体は、意図した量の粒子(例えば、多量の固体電解質粒子など)を空隙中に保持可能であることを見出した。
本発明が上述した問題を解決できる理由は、完全には明らかにできていないが、以下の効果が発揮されているためだと考えられる。
本発明にかかるシート状の繊維集合体は、平均繊維径が0.4μmより大きく10μm未満であって、60%以上の大きい空隙率を有している。そのため、本発明にかかるシート状の繊維集合体を備える固体電解質粒子用支持体は、構成繊維同士の間隔が成す空隙中に、多量の固体電解質粒子など意図した量の固体電解質粒子を保持可能である。なお、シート状の繊維集合体の空隙率は必然的に100%未満である。
そして、本発明にかかる物性を有するシート状の繊維集合体は、その厚さ方向へ圧力を受けた際に、面方向へ伸張して面方向寸法が大きく変化し易い物性を有している。具体的には、厚さ方向へ0.5MPa以上20MPa以下の圧力を作用させた際の面方向寸法変化率が0.2%よりも大きい。
そのため、本発明にかかるシート状の繊維集合体の主面から粒子を押し込む際に、シート状の繊維集合体は、その厚さ方向へ圧力を受けると共にシート状の繊維集合体を構成する繊維同士が動き、構成繊維同士の間隔が広がることで、面方向へ伸張して面方向寸法が大きくなる。その結果、本発明にかかるシート状の繊維集合体は、主面から粒子を押し込む際に、構成繊維同士の間隔が広がり空隙中に粒子が入り込み易い状態に変形できる物性を有するものである。
一方、本願出願人は、厚さ方向へ圧力を受けた際に面方向寸法が過剰に大きくなるシート状の繊維集合体は、剛性に劣ることを見出した。具体的には、厚さ方向へ0.5MPa以上20MPa以下の圧力を作用させた際の面方向寸法変化率が3.0%以上のシート状の繊維集合体は、主面から粒子を押し込む際に亀裂断が生じるなど剛性に劣り、シート状の繊維集合体の空隙中に意図した量の固体電解質粒子を保持できないことを見出した。そのため、当該面方向寸法変化率が3.0%未満のシート状の繊維集合体であることによって、空隙中に意図した量の固体電解質粒子を保持可能である。
また、本発明にかかるシート状の繊維集合体を構成する繊維が、ビカット軟化温度が150℃以下の樹脂を含むことによって、シート状の繊維集合体を構成する繊維が柔軟で変形し易い。その結果、当該発明にかかるシート状の繊維集合体は、更に、主面から粒子を押し込む際に、構成繊維同士の間隔が成す空隙中に粒子が入り込み易い状態に変形できる物性を有する。その結果、空隙中に意図した量の固体電解質粒子を保持可能である。
加えて、シート状の繊維集合体を構成する繊維がビカット軟化温度が150℃以下の樹脂を含むことによって繊維が柔軟で変形し易く、それによって、固体電池の製造工程や固体電池の使用中など圧力が作用した場合に、繊維表面に存在する固体電解質粒子が繊維にめり込み易い。その結果、繊維表面に存在する固体電解質粒子同士の距離が近くなり、固体電解質粒子間の抵抗が低く電池内抵抗の低い優れた電池特性を有する固体電池(例えば、硫化物系固体電解質電池)を実現できる。
更に、本発明にかかるシート状の繊維集合体を構成する繊維が、水分率が0.5%以下の樹脂を含む場合には、このようなシート状の繊維集合体を備えた固体電解質粒子用支持体によって、電池内に存在する水分が少ないことで優れた電池特性を有する固体電池(例えば、硫化物系固体電解質電池)を実現できる。
そして、本発明にかかるシート状の繊維集合体の厚さが10μm以上200μm以下であると、ハンドリング性に優れるなど剛性に富む態様でシート状の繊維集合体を提供できると共に、厚さ方向の抵抗が低い固体電解質複合膜を実現し易い。
本願発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。なお、本願発明で説明する各種測定は特に記載のない限り、大気圧下のもと測定を行った。また、25℃温度条件下で測定を行った。そして、本願発明で説明する各種測定結果は特に記載のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、当該値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、小数第一位までが求める値である場合、測定によって小数第二位まで値を求め、得られた小数第二位の値を四捨五入することで小数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。
そして、以下に記載する各上限値ならびに各下限値は、所望により任意に組み合わせることで採用可能な数値範囲を定めることができる。
本発明にかかるシート状の繊維集合体とは、主面と当該主面に対向し存在するもう一方の主面、および、主面と垂直を成す方向(厚さ方向)の長さとなる厚みを有する、シート形状の繊維集合体を指し、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などを含む。特に、シート状の繊維集合体が繊維ウェブや不織布であると、厚さ方向へ圧力を受けた際に主面と平行を成す面方向へ伸張して、面方向寸法が大きくなり易い。そして、面方向寸法が大きくなることに併せ、シート状の繊維集合体を構成する繊維が動き易いことで、意図した量の粒子(例えば、多量の固体電解質粒子など)を保持可能なシート状の繊維集合体を実現でき好ましい。
シート状の繊維集合体の構成繊維は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン)、スチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の樹脂を用いて構成できる。特に、耐薬品性などに富み化学的にも物性的にも安定な特性を有することで、固体電解質粒子用支持体に好適なシート状の繊維集合体を実現できることから、シート状の繊維集合体はポリプロピレンを含む繊維を構成繊維として含んでいるのが好ましく、構成繊維がポリプロピレン繊維のみであるシート状の繊維集合体であるのが、より好ましい。
なお、これらの樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。
また、本発明にかかるシート状の繊維集合体を構成する繊維は、ビカット軟化温度が150℃以下の樹脂を含むのが好ましい。シート状の繊維集合体を構成する繊維が柔軟で変形し易い結果、当該発明にかかるシート状の繊維集合体は、更に、主面から粒子を押し込む際に、構成繊維同士の間隔が成す空隙中に粒子が入り込み易い状態に変形できる物性を有することができる。
加えて、シート状の繊維集合体を構成する繊維がビカット軟化温度が150℃以下の樹脂を含むことによって繊維が柔軟で変形し易く、それによって、固体電池の製造工程や固体電池の使用中など圧力が作用した場合に、繊維表面に存在する固体電解質粒子が繊維にめり込み易い。その結果、繊維表面に存在する固体電解質粒子同士の距離が近くなり、固体電解質粒子間の抵抗が低く電池内抵抗の低い優れた電池特性を有する固体電池(例えば、硫化物系固体電解質電池)を実現できる。
本発明においてビカット軟化温度(VST)とは、JIS K7206(2016)に従いA50法で測定した値を指す。
樹脂のビカット軟化温度は適宜調整できるが、150℃以下であるのが好ましく、140℃以下であるのが好ましく、120℃以下であるのが好ましく、100℃以下であるのが好ましい。
また、より構成繊維同士の間隔が成す空隙中に粒子が入り込み易い状態に変形できる物性を有するシート状の繊維集合体を提供できるよう、シート状の繊維集合体の構成繊維は、少なくともその繊維表面はビカット軟化温度が150℃以下の樹脂で構成されているのが好ましく、ビカット軟化温度が150℃以下の樹脂のみで構成されているのがより好ましい。ビカット軟化温度が150℃以下の樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイドなどを採用できる。
水分率が0.5%以下の樹脂を含んだ構成繊維からなるシート状の繊維集合体であって、当該シート状の繊維集合体を備えた固体電解質粒子用支持体を用いた固体電池では、電池内に存在する水分を少なくできる。水分は電気化学反応を妨げる原因や、硫化物系固体電解質と反応して硫化水素ガスを発生する原因となり得ることから、このようなシート状の繊維集合体を備えた固体電解質粒子用支持体によって、優れた電池特性を有する固体電池(例えば、硫化物系固体電解質電池)を実現できる。前述した樹脂の水分率は少ない方が好ましく、0.4%以下であるのが好ましく、0.3%以下であるのが好ましく、0.2%以下であるのが好ましく、0.1%以下であるのが好ましく、理想的には0%である。水分率が0.5%以下の樹脂として、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイドなどを採用できる。
なお、上述の効果が効果的に発揮されるよう、シート状の繊維集合体の構成繊維は、水分率が0.5%以下の樹脂のみで構成されているのがより好ましい。ここでいう水分率とは、シート状の繊維集合体を構成する繊維に含まれている樹脂を試料として、JIS K0113:2005「電位差・電流・電量カールフィッシャー滴定方法通則」に記載のカールフィッシャー滴定方法へ供し得られた測定値である。
構成繊維は、一種類の樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
構成繊維の平均繊維径や繊維長は特に限定するものではなく、適宜調整できる。
平均繊維径は0.4μmより大きく10μm未満であればよく、0.5~9μmであることができ、0.8~7μmであることができ、1~5μmであることができる。本発明でいう「平均繊維径」は、測定対象物の断面などを撮影した2000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、50点の繊維における各繊維径の算術平均値をいう。また、繊維径が細過ぎて測定が困難である場合には、2000倍よりも高い倍率の電子顕微鏡写真をもとに測定できる。なお、繊維の断面形状が中実の円形ではない場合には、当該繊維の断面における断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなすことができる。
繊維長は、メルトブロー不織布や静電紡糸不織布を構成する繊維のような特定長を有していないものであってもよい。あるいは、特定長を有する(0.1~120mmあることができ、0.5~100mmあることができ、1~80mmあることができる)ステープル繊維であってもよい。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
繊維ウェブは、例えば、上述の繊維をカード装置やエアレイ装置などへ供することで繊維を絡み合わせる乾式法、繊維を分散媒に分散させシート状に抄き繊維を絡み合わせる湿式法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009-287138号公報に開示の方法)など)を用いて繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集する方法、などによって調製できる。
また、上述の方法を用いて調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製してもよい。構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウェブを加熱処理へ供するなどしてバインダあるいは接着繊維(例えば、全溶融型や一部溶融型の接着繊維)によって構成繊維同士を接着一体化あるいは溶融一体化させる方法などを挙げることができる。加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている樹脂を加熱する方法などを用いることができる。
しかし、厚さ方向へ圧力を受けると面方向へ伸張して面方向寸法が大きくなり易い(構成繊維同士の間隔が広がり易い)ことで、意図した量の粒子を保持可能なシート状の繊維集合体を実現できるよう、全溶融型や一部溶融型の接着繊維によって構成繊維同士が接着一体化しているシート状の繊維集合体や、バインダによって構成繊維同士が接着一体化しているシート状の繊維集合体でないのが好ましい。
なお、直接紡糸法を用いて紡糸した繊維を捕集することによって、厚さ方向へ圧力を受けると面方向へ伸張して面方向寸法が大きくなり易い(構成繊維同士の間隔が広がり易い)ことで、意図した量の粒子を保持可能なシート状の繊維集合体を実現できる、シート状の繊維集合体を製造できる。
本発明にかかるシート状の繊維集合体は、60%以上の空隙率を有している。そのため、本発明にかかるシート状の繊維集合体を備える固体電解質粒子用支持体は、構成繊維同士の間隔が成す空隙中に、少量から多量の固体電解質粒子など意図した量の固体電解質粒子を保持可能である。
より構成繊維同士の間隔が成す空隙中に、少量から多量の固体電解質粒子など意図した量の固体電解質粒子を保持可能となるように、シート状の繊維集合体の空隙率は65%以上であるのが好ましく、70%以上であるのが好ましく、75%以上であるのが好ましく、80%以上であるのが好ましく、85%以上であるのが好ましい。一方、シート状の繊維集合体が有する空隙率は100%未満であって、剛性に劣るシート状の繊維集合体となるのを防止できるよう、99%以下であるのが好ましく、95%以下であるのがより好ましく、90%以下であるのが更に好ましい。この「空隙率(P)」(単位:%)は次の式から得られる値をいう。
P=100-(Fr1+Fr2+・・+Frn)
ここで、Frnはシート状の繊維集合体を構成するn成分の充填率(単位:%)を示し、次の式から得られる値をいう。
Frn={(M×Prn)/(T×SGn)}×100
ここで、Mはシート状の繊維集合体の目付(単位:g/cm)、Tはシート状の繊維集合体の厚さ(単位:cm)、Prnはシート状の繊維集合体におけるn成分の存在質量比率、SGnはn成分の比重(単位:g/cm)をそれぞれ意味する。
本発明にかかるシート状の繊維集合体は、厚さ方向へ0.5MPa以上20MPa以下の圧力を作用させた際の面方向寸法変化率が0.2%よりも大きく3.0%未満であることを特徴としている。
なお、当該面方向寸法変化率は、以下のようにして求めることができる。
(厚さ方向へ0.5MPa以上20MPa以下の圧力を作用させた際の面方向寸法変化率の求め方)
1.測定対象となるシート状の繊維集合体から、試料(一辺10cmの正方形)を採取する。各辺の長さをデジタルノギスで測定して、測定値の平均値(A0a)を求める。
2.前記試料における、前記主面と垂直を成す厚さ方向へ、25℃の試験雰囲気下において0.5MPaの圧力を、60秒間作用させる。
3.作用させている圧力を解放してから試料を25℃まで放冷した後の試料が有する各辺の長さを、それぞれデジタルノギスで測定し、測定値の平均値(A1)を求める。
4.以上のようにして求めたA1の値を、以下の式に算入することで、25℃0.5MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)を求める。
25℃0.5MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)=100×{(A1-A0a)/A0a}
5.測定対象となるシート状の繊維集合体から、別の試料(一辺10cmの正方形)を採取する。各辺の長さをデジタルノギスで測定して、測定値の平均値(A0b)を求める。
6.別途採取した試料(一辺10cmの正方形)における、前記主面と垂直を成す厚さ方向へ、25℃の試験雰囲気下において10MPaの圧力を、60秒間作用させる。
7.作用させている圧力を解放してから試料を25℃まで放冷した後の試料が有する各辺の長さを、それぞれデジタルノギスで測定し、測定値の平均値(A2)を求める。
8.以上のようにして求めたA2の値を、以下の式に算入することで、25℃10MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)を求める。
25℃10MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)=100×{(A2-A0b)/A0b}
9.測定対象となるシート状の繊維集合体から、別の試料(一辺10cmの正方形)を採取する。各辺の長さをデジタルノギスで測定して、測定値の平均値(A0c)を求める。
10.別途採取した試料(一辺10cmの正方形)における、前記主面と垂直を成す厚さ方向へ、25℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を、60秒間作用させる。
11作用させている圧力を解放してから試料を25℃まで放冷した後の試料が有する各辺の長さを、それぞれデジタルノギスで測定し、測定値の平均値(A3)を求める。
12.以上のようにして求めたA3の値を、以下の式に算入することで、25℃20MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)を求める。
25℃20MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)=100×{(A3-A0c)/A0c}
なお、上述した測定の工程2と工程6および工程10における試験雰囲気は、固体電解質粒子用支持体の空隙中に固体電解質粒子を保持させ固体電解質複合膜を調製する際の雰囲気を再現しようとするものである。具体的には、室温雰囲気(25℃)下で固体電解質複合膜を調製する状況を再現しようとするものである。
また、25℃雰囲気下において、0.5MPaの圧力を作用させた場合が、シート状の繊維集合体の面方向寸法が変化し難いものであり、10MPaの圧力を作用させた場合が、よりシート状の繊維集合体の面方向寸法が変化し易いものであり、20MPaの圧力を作用させた場合が、更にシート状の繊維集合体の面方向寸法が変化し易いものである。
そのため、25℃雰囲気下で0.5MPaの圧力を作用させた場合、25℃雰囲気下で10MPaの圧力を作用させた場合、および、20MPaの圧力を作用させた場合のいずれにおいても、シート状の繊維集合体が本発明の規定を満足する面方向寸法変化率を有する場合には、多様なプレス圧の条件(プレス時の加圧範囲:0.5MPa~10MPa~20MPa)下においても、空隙中に意図した量の固体電解質粒子を保持可能な、シート状の繊維集合体を備えた固体電解質粒子用支持体であることを意味する。
面方向寸法変化率が大きいシート状の繊維集合体であるほど、主面から粒子を押し込む際に、構成繊維同士の間隔が成す空隙中に粒子が入り込み易い状態に変形できる物性を有する。そのため、シート状の繊維集合体の面方向寸法変化率は0.2%よりも大きく、0.3%以上であるのが好ましく、0.4%以上であるのが好ましい。
一方、面方向寸法変化率が過剰に大きいシート状の繊維集合体は、主面から粒子を押し込む際に亀裂が生じるなど剛性に劣り、シート状の繊維集合体の空隙中に、意図した量の固体電解質粒子を保持できない。より剛性に優れることで空隙中に意図した量の固体電解質粒子を保持可能な、シート状の繊維集合体を備えた固体電解質粒子用支持体を提供できるよう、シート状の繊維集合体の面方向寸法変化率は3.0%未満であって、2.5%以下であるのが好ましく、2.0%以下であるのが好ましく、1.5%以下であるのが好ましく、1.3%以下であるのが好ましく、1.0%以下であるのが好ましい。
更に、本発明にかかるシート状の繊維集合体は、70℃雰囲気下において厚さ方向へ20MPaの圧力を作用させた際の面方向寸法変化率が3.2%未満(より好ましくは、2.5%以下)であるのが好ましい。
(70℃雰囲気下において厚さ方向へ20MPaの圧力を作用させた際の面方向寸法変化率の求め方)
1´.測定対象となるシート状の繊維集合体から、試料(一辺10cmの正方形)を採取する。各辺の長さをデジタルノギスで測定して、測定値の平均値(A0d)を求める。
2´.採取した試料(一辺10cmの正方形)における、前記主面と垂直を成す厚さ方向へ、70℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を、60秒間作用させる。
3´.作用させている圧力を解放してから試料を25℃まで放冷した後の試料が有する各辺の長さをそれぞれデジタルノギスで測定し、測定値の平均値(A4)を求める。
4´.以上のようにして求めたA4の値を、以下の式に算入することで、70℃20MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)を求める。
70℃20MPa加圧後の面方向寸法変化率(単位:%)=100×{(A4-A0d)/A0d}
上述した測定の工程2´における試験雰囲気は、固体電解質粒子用支持体の空隙中に固体電解質粒子を保持させ固体電解質複合膜を、好適に調製する際の雰囲気を再現しようとするものである。また、70℃雰囲気下において20MPaの圧力を作用させた場合、前述した条件(25℃雰囲気下で0.5MPa~20MPaの圧力を作用させる条件)よりも、よりシート状の繊維集合体の面方向寸法が変化し易いものである。そのため、70℃雰囲気下で20MPaの圧力を作用させた場合において、面方向寸法変化率が3.2%未満であるシート状の繊維集合体は、多様なプレス条件(プレス時の温度範囲:25℃~70℃、プレス時の加圧範囲:0.5MPa~20MPa)下においても、剛性に優れ空隙中に意図した量の固体電解質粒子を保持可能な、シート状の繊維集合体を備えた固体電解質粒子用支持体であることを意味する。
そのため、プレス時の温度:70℃、プレス時の加圧範囲:20MPaにおける、シート状の繊維集合体の面方向寸法変化率は、0.2%(より好ましくは、0.3%以上)よりも大きく3.2%未満(より好ましくは、2.5%以下)であるのが好ましい。
シート状の繊維集合体の、他の諸構成(例えば、目付や厚み)は、特に限定されるべきものではなく適宜調整する。
目付は、例えば、0.5~100g/mであることができ、1~50g/mであることができ、2~20g/mであることができる。特に、目付が10g/m以下であると抵抗が低い固体電解質複合膜を実現し易く好ましい。
厚さは、例えば、5~200μm以下であるのが好ましく、6~180μm以下であるのがより好ましく、8~150μm以下であるのが更に好ましい。特に、ハンドリング性に優れるなど剛性に富む態様でシート状の繊維集合体を提供できるよう、シート状の繊維集合体の厚さは、10μm以上200μm以下であるのが好ましい。この「厚さ」は、JIS B7502:1994に規定されている外側マイクロメータ―(測定可能厚さ:0~25mm)を用いて測定した値をいう。
シート状の繊維集合体の平均孔径は、3~300μmであることができ、5~250μmであることができ、10~200μmであることができる。なお、「平均孔径」はポロメータ〔Polometer,コールター(Coulter)社製〕を用いてバブルポイント法により測定される値をいう。なお、シート状の繊維集合体の平均孔径は、保持しようとする固体電解質粒子の平均粒子径以上の大きさとなるよう適宜調整するのが望ましい。
シート状の繊維集合体をカレンダー装置などの、厚さや表面の平滑性といった諸物性を調整する工程へ供しても良い。また、使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工されていても良い。
本発明にかかるシート状の繊維集合体は、単体で固体電解質粒子用支持体として使用できる。あるいは、シート状の繊維集合体に、別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材が積層されている固体電解質粒子用支持体であってもよい。
本発明にかかる固体電解質粒子用支持体が備えるシート状の繊維集合体の空隙中に、固体電解質粒子を保持させることで、空隙中に意図した量の固体電解質粒子が保持されてなる固体電解質複合膜、更には、より多量の固体電解質粒子が保持されてなる固体電解質複合膜を提供できる。固体電解質複合膜に保持されている、固体電解質粒子(例えば、硫化物系の固体電解質粒子や酸化物系の固体電解質粒子など)の量は用途に併せ適宜調整できるが、例えば、10~400g/mであることができ、20~300g/mであることができ、30~250g/mであることができる。
固体電解質複合膜の目付や厚みなどの諸物性は適宜調整できる。目付は、例えば、10~400g/mであることができ、20~300g/mであることができ、30~250g/mであることができる。厚みは、10~300μmであることができ、20~250μmであることができ、25~200μmであることができる。
以下、実施例によって本願発明を具体的に説明するが、これらは本願発明の範囲を限定するものではない。
なお、本実施例では、製造した不織布単体を固体電解質粒子用支持体とした。また、本実施例において採用した、不織布の空隙中に粒子を保持する方法と、それにより製造した固体電解質複合膜にかかる評価方法は、以下の通りである。そして、製造した固体電解質複合膜における評価結果を、表中の「粒子の充填状態」欄に記載した。
(固体電解質粒子用支持体が備えるシート状の繊維集合体の空隙中に、粒子を保持する方法)
1.固体電解質粒子であるリン酸ジルコニウム粒子(平均粒子径:3μm)98質量部と、PVDF-アクリル共重合体(平均粒子径:0.2μm)2質量部とが水に分散した分散液を用意する。
2.アルミニウム箔を二枚用意する。そして、各アルミニウム箔の一方の主面上に、各々、ドクターブレード法を用いて前記分散液を付与する。その後、110℃雰囲気下へ曝し前記分散液中の分散媒を除去する。
3.シート状の繊維集合体から、試料(一辺10cmの正方形)を採取する。
4.前記分散液を付与した側の主面が前記試料の主面と重なるようにして、工程2で調製したアルミニウム箔の間に前記試料を挟み込み、積層体を調製する。
5.前記積層体の一方の主面から、もう一方の主面に向かい、25℃の試験雰囲気下において0.5MPaの圧力を、60秒間作用させる。
6.前記積層体に作用している圧力を開放してから前記積層体を25℃まで放冷した後、前記積層体からアルミニウム箔を剥がす。このようにして、固体電解質複合膜(25℃0.5MPa加圧後)を調製する。
7.次いで、同様にして別途用意した、前記積層体の一方の主面からもう一方の主面に向かい、25℃の試験雰囲気下において10MPaの圧力を、60秒間作用させる。
8.前記積層体に作用している圧力を開放してから前記積層体を25℃まで放冷した後、前記積層体からアルミニウム箔を剥がす。このようにして、固体電解質複合膜(25℃10MPa加圧後)を調製する。
9.次いで、同様にして別途用意した、前記積層体の一方の主面からもう一方の主面に向かい、25℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を、60秒間作用させる。
10.前記積層体に作用している圧力を開放してから前記積層体を25℃まで放冷した後、前記積層体からアルミニウム箔を剥がす。このようにして、固体電解質複合膜(25℃20MPa加圧後)を調製する。
11.次いで、同様にして別途用意した、前記積層体の一方の主面からもう一方の主面に向かい、70℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を、60秒間作用させる。
12.前記積層体に作用している圧力を開放してから前記積層体を室温まで放冷した後、前記積層体からアルミニウム箔を剥がす。このようにして、固体電解質複合膜(70℃20MPa加圧後)を調製する。
(調製した固体電解質複合膜における評価方法)
1.上述した方法によって調製した、固体電解質複合膜を用意する。
2.固体電解質複合膜を厚さ方向に切断し、当該断面の光学顕微鏡写真あるいは電子顕微鏡写真(以降、併せて顕微鏡写真と称する)を撮影する。なお、必要に応じて、顕微鏡写真を複数枚撮影し、撮影された複数枚の顕微鏡写真をつなぎ合わせて、一枚の顕微鏡写真を調製してもよい。
3.顕微鏡写真中に写る、シート状の繊維集合体中に分布し存在する、固体電解質粒子の分布態様を確認する。
顕微鏡写真中に写るシート状の繊維集合体内部に、固体電解質粒子が均一に存在していた場合には、当該シート状の繊維集合体を備える固体電解質粒子用支持体は、意図した量の固体電解質粒子を保持可能なものであると判断した。なお、この判断が成された固体電解質粒子用支持体は、表中に「〇」を記載した。
一方、顕微鏡写真中に写るシート状の繊維集合体内部に、固体電解質粒子が局所的に存在しているなど不均一に存在しており、加えて、「〇」と評価されたものよりも少量の固体電解質粒子しか存在していなかった場合には、当該シート状の繊維集合体を備える固体電解質粒子用支持体は、意図した量の固体電解質粒子を保持できないものであると判断した。なお、この判断が成された固体電解質粒子用支持体は、表中に「×」を記載した。
また、固体電解質粒子用支持体が備えるシート状の繊維集合体に亀裂が発生しており、固体電解質粒子が局所的に存在しているなど不均一に存在しており、加えて、「〇」と評価されたものよりも少量の固体電解質粒子しか存在していなかった場合には、当該シート状の繊維集合体を備える固体電解質粒子用支持体は、意図した量の固体電解質粒子を保持できないものであると判断した。なお、この判断が成された固体電解質粒子用支持体は、表中に「××」を記載した。
(実施例1~7、比較例2~5)
構成繊維が表1および表2中に記載した各構成樹脂のみからなる、メルトブロー不織布を用意した。なお、表中に記載した構成樹脂の種類は以下の通りである。
PP:ポリプロピレン
PET:ポリエチレンテレフタレート
(実施例8)
表1中に記載した特性を有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)の溶液を静電紡糸し捕集してなる、構成繊維がPVDFのみからなる静電紡糸不織布を用意した。
(実施例9、比較例1)
表2中に記載した特性を有するポリエーテルスルホン(PESU、融点を有せず)の溶液を静電紡糸し捕集してなる、構成繊維がPESUのみからなる静電紡糸不織布を用意した。
なお、上述のようにして用意した各不織布の構成繊維をなす構成樹脂の、融点(℃)、ビカット軟化温度(℃)、水分率(%)は、表1および表2にまとめた通りである。また、上述のようにして用意した各不織布の、平均繊維径(μm)、目付(g/m)、厚さ(μm)、空隙率(%)、平均孔径(μm)は、表1および表2にまとめた通りである。
そして、以上のようにして用意した各不織布の、25℃の試験雰囲気下において0.5MPaの圧力を作用させた際の面方向寸法変化(%)、25℃の試験雰囲気下において10MPaの圧力を作用させた際の面方向寸法変化(%)、ならびに、25℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を作用させた際の面方向寸法変化(%)、そして、70℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を作用させた際の面方向寸法変化(%)とを測定した。
Figure 2024033095000001
Figure 2024033095000002
また、25℃の試験雰囲気下において0.5MPaの圧力を作用させることで、固体電解質粒子を不織布の空隙中に保持させてなる固体電解質複合膜、25℃の試験雰囲気下において10MPaの圧力を作用させることで、固体電解質粒子を不織布の空隙中に保持させてなる固体電解質複合膜、ならびに、25℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を作用させることで、固体電解質粒子を不織布の空隙中に保持させてなる固体電解質複合膜、そして、70℃の試験雰囲気下において20MPaの圧力を作用させることで、固体電解質粒子を不織布の空隙中に保持させてなる固体電解質複合膜を調製し、調製した各固体電解質複合膜における固体電解質粒子の充填状態を評価した。
その結果を、表3および表4にまとめた。
Figure 2024033095000003
Figure 2024033095000004
以上の結果から、固体電解質粒子用支持体が備えるシート状の繊維集合体について、平均繊維径が0.4μmより大きく10μm未満であって、60%以上の空隙率を有していると共に、面方向寸法変化率が0.2%よりも大きく(好ましくは0.3%以上)3.0%未満(好ましくは2.5%以下)という物性を有することによって、多様なプレス条件下においても、空隙中に意図した量の固体電解質粒子を保持可能な固体電解質粒子用支持体を提供できることが判明した。
本願発明によって、空隙中に意図した量の固体電解質粒子が保持されてなる固体電解質複合膜、更には、より多量の固体電解質粒子が保持されてなる固体電解質複合膜を提供できる。

Claims (4)

  1. シート状の繊維集合体を備える、固体電解質粒子用支持体であって、
    前記シート状の繊維集合体の平均繊維径は、0.4μmより大きく10μm未満であって、
    前記シート状の繊維集合体の空隙率は、60%以上100%未満であって、
    前記シート状の繊維集合体は、厚さ方向へ0.5MPa以上20MPa以下の圧力を作用させた際の面方向寸法変化率が0.2%よりも大きく3.0%未満である、
    固体電解質粒子用支持体。
  2. 前記シート状の繊維集合体を構成する繊維が、ビカット軟化温度が150℃以下の樹脂を含む、
    請求項1記載の固体電解質粒子支持体。
  3. 前記シート状の繊維集合体を構成する繊維が、水分率が0.5%以下の樹脂を含む、
    請求項1記載の固体電解質粒子支持体。
  4. 前記シート状の繊維集合体の厚さが、10μm以上200μm以下である、
    請求項1記載の固体電解質粒子支持体。
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