JP2016207514A - 燃料電池用電解質膜とそれを用いた燃料電池 - Google Patents

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和典 久保田
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修三 土田
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Abstract

【課題】良好な発電特性を得るとともに、寸法変化が少なく耐久性能が優れた燃料電池用の電解質膜、およびその製造方法、並びに燃料電池を提供する。【解決手段】電解質樹脂の中にナノファイバ不織布が埋め込まれた燃料電池用の電解質膜において、ナノファイバ不織布が電解質膜に全体的に均一に配置しており、燃料電池が、この電解質膜の一方の面にアノード電極が配置され、他方の面にカソード電極が配置されたMEAと、MEAを挟んで保持する一対のセパレータとを備える。【選択図】図2

Description

本実施の形態は、燃料電池用電解質膜とそれを用いた燃料電池に関する。特に、固体高分子型燃料電池用電解質膜とそれを用いた固体高分子型燃料電池に関する。
燃料電池、特に固体高分子型燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる装置である。一般的には複数の単電池(以下、セル)を積層し、それらをボルトなどの締結部材で加圧締結することにより構成されている。1つのセルは、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;以下、MEA)を一対の板状の導電性のセパレータで挟んで構成されている。
MEAは、電解質膜と、この電解質膜の両面に形成された一対の電極とで構成されている。この一対の電極の一方はアノード電極であり、他方はカソード電極である。なお、それぞれの電極は、電解質膜の表面に形成された触媒層と、この触媒層上に形成されたガス拡散層とで構成されている。
そして、アノード極へは水素を含有する燃料ガスが、多孔質で導電性を有するガス拡散層を介して供給され、カソード極へは空気などの酸素を含有する酸化剤ガスがガス拡散層を介して供給される。この状態で、各極で生じる酸化還元反応により生じる電気を取り出すようにしている。ガス拡散層は、一般に、炭素繊維からなる基材の表面に、カーボンと撥水材からなるコーティング層を設けて構成されている。
また、両反応極は電気化学的な反応を促進させるため、触媒と固体電解質との混合体が一般に適用されている。アノード極及びカソード極を構成する触媒としては、触媒金属として貴金属、特に白金族を用い、それをカーボンブラックやカーボンナノファイバー等の炭素材料に担持させた白金族担持触媒が広く用いられている。
電解質膜としては、プロトン伝導性イオン交換膜が用いられる。特に、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体で構成される陽イオン交換膜は、基本特性に優れるため、電解質膜としての使用が広く検討されている。
陽イオン交換膜の電気抵抗を低減する方法として、スルホン酸基の濃度を増加させることが知られている。 しかしながら、スルホン酸基の濃度を増加させると、電解質膜の機械的強度が低下するなどの問題が生じる。そのため、電解質膜には耐久性を担保できる機械的特性を有すること、発電特性が良好であることが求められている。
ここで、特許文献1の燃料電池用の電解質膜の構成を図6に示す。図6に示すように、電解質膜50は、電解質樹脂51と、電解質樹脂51の中に埋め込まれた補強体52とを備える。補強体52としては延伸多孔質膜が用いられ、補強体52は電解質膜50における厚み方向のほぼ中央に配置されている。なお、特許文献1の電解質膜50では、電解質膜50の厚み方向における補強体52の位置を調整することにより、発電特性を向上させることについて提案されている。
次に、このような従来の電解質膜50の製造方法について、図7(a)〜図7(f)を用いて説明する。まず、シート状の基材53の上に形成された補強体(延伸多孔質膜)52を準備する(図7(a))。
次に補強体52に対して、補強体52全体が浸漬されるように電解質溶液51aを塗布して、補強体52に電解質溶液51aを含浸させる。その後、電解質溶液51aを乾燥させて電解質樹脂51とし、電解質樹脂51の中に補強体52が埋め込まれた状態とする。図7(b)の状態から図7(c)の状態となる。
次に、図7(d)のように、基材53を剥離する。その後、図7(e)のように、剥離された面側より補強体52に対して電解質溶液51aをさらに塗布する。その後、新たに塗布された電解質溶液51aを乾燥させて、図7(f)のように、電解質樹脂51とする。結果、電解質樹脂51の厚さ方向のほぼ中央に補強体52が配置された電解質膜50を作製する。
近年、燃料電池の普及が益々進んでおり、高い発電性能で安定した発電を行うことが求められている。また、燃料電池の小型化も進んでおり、セルの薄型化、MEAの薄型化が検討されている。その中で電解質の薄膜化も検討がなされている。
特開2009−16074号公報 特開2009−245639号公報
しかしながら、特許文献1の電解質膜50のように、補強体52に対して電解質溶液51aを含浸させる工程では、電解質溶液51aの溶媒が乾燥する際に、電解質膜50の厚みが薄くなると同時に補強体52が収縮し初期の厚みが薄くなることが発生する。
そのため、補強体52の電解質膜50のほぼ全ての厚み方向にわたって均質に配置させることも困難となっている。また、電解質膜50の厚みが薄くなることで補強体52の厚みも薄くなる。このため、機械的強度を担保することが困難となってきた。
そのため、電解質膜50の強度が弱く、寸法変化が大きくなるために電極にシワが発生し、燃料電池電極の耐久性が悪くなる課題が生じていた。
本実施の形態の目的は、上述の従来の課題を解決するもので、良好な発電特性を得るとともに、寸法変化が少なく、耐久性能が優れる燃料電池用の電解質膜、および、それを用いた燃料電池を提供することにある。
本実施の形態の目的を達成するために、電解質樹脂の中にナノファイバ不織布が埋め込まれた電解質膜であり、前記ナノファイバ不織布の分布範囲は、膜厚を100%とした時、前記電解質膜の一方の面から5%より小さい範囲から、前記電解質膜の他方の面から5%より小さい範囲までである燃料電池用電解質膜を用いる。
前記燃料電池用電解質膜と、前記燃料電池用電解質膜の両面のそれぞれに、電極と、触媒層と、ガス拡散層と、セパレータとが積層され、前記燃料電池用電解質膜の両面のそれぞれに、前記電極と、前記触媒層と、前記ガス拡散層と、を囲むガスケットと、を有する燃料電池を用いる。
本実施の形態によれば、寸法変化が少なく、耐久性能が優れる燃料電池用の電解質膜、およびその製造方法、並びに燃料電池を提供することができる。
本実施の形態の一の実施の形態に係る燃料電池の構成図 図1の燃料電池が備える電解質膜の構成図 電解質膜とナノファイバーの溶解度パラメータと電解質膜の均質性との関係を示す図 図2の電解質膜の製造方法の説明図 (a)〜(f)ナノファイバ不織布製造方法を説明する図 従来の燃料電池用の電解質膜の構成図 (a)〜(f)従来の電解質膜の製造方法を説明する図
(実施の形態1)
本実施の形態の一の実施の形態に係る燃料電池の構成について、図1を用いて説明する。
実施の形態の燃料電池は、固体高分子型燃料電池であって、水素を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させるものである。複数のセルを積層し、それらをボルトなどの締結部材で加圧締結することにより構成されている。
特に、この実施の形態の特徴は、電解質膜11の構造にある。以下、各構成を説明する。
図1は、この燃料電池の1つのセル100の断面を示している。図1に示すように、燃料電池における1つのセル100は、MEA10を一対の板状の導電性のセパレータ20A、20Cで挟んで構成される。
燃料電池には、燃料ガスを供給する装置、酸化剤ガスを供給する装置、発電された電気を取り出す装置、そして発電によって生じた熱を除去する装置など、発電を行うための様々な付帯装置が備えられている。これらの付帯装置については、公知の様々な態様の装置を採用し得るため、それらの説明については省略する。
図1に示すように、MEA10は、電解質膜11と、この電解質膜11の両面に形成された一対の電極とで構成されている。この一対の電極の一方はアノード電極12Aであり、他方はカソード電極12Cである。なお、それぞれのアノード電極12A、カソード電極12Cは、電解質膜11の表面に形成された触媒層13A,13Cと、この触媒層13A,13C上に形成されたガス拡散層14A、14Cとで構成される。なお、外側に、アノードガスケット15A、セパレータ20Cで保持している。
この実施の形態では、特に、電解質膜11に特徴がある。以下、各構成要素を説明する。
<触媒層13A,触媒層13C>
触媒層13A,13Cは、触媒と触媒担体と電解質とを有している。触媒は燃料ガスからプロトンを生成し、またプロトンと酸化剤ガスとを結合させるものである。触媒としては、例えば、白金を主成分とする白金合金を用いることができる。触媒担体は、導電性を有し、発電反応によって生じた電気を触媒から外部回路に取り出すものである。触媒担体としては、例えば、炭素担体を用いることができる。電解質は、電解質膜と同様にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が用いられ、燃料ガスから生成したプロトンを伝搬するものである。電解質としては、例えば、ソルベイソレクシス社製のAquivion(登録商標)を用いることができる。触媒層13A、13Cに分散された触媒が燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させるため、触媒層13A,13Cは多孔質な構造がよい。
<ガス拡散層14A,14C>
ガス拡散層14A,14Cは、その基材として一般的に炭素繊維で形成されたものが用いられる。このような基材としては、例えば、炭素繊維織布を用いることができる。
<セパレータ20A,20C>
セパレータ20A,20Cは、ガス不透過性の導電性材料にて形成されていれば良く、例えば、樹脂含浸カーボン材料を所定の形状に切削したものや、カーボン粉末と樹脂材料の混合物を成形したものなどが一般的に用いられる。セパレータ20A、20CにおけるMEA10と接触する部分には凹状の溝部21A形成されている。一対のセパレータ20A,20Cのうちの一方のセパレータ20A(20C)の溝部がガス拡散層14Aと接することで、アノード電極12Aの電極面に燃料ガスを供給しかつ余剰ガスを運び去るための燃料ガス流路が形成される。また、他方のセパレータ20C(20A)の溝部がガス拡散層14Cと接することで、カソード電極12Cの電極面に酸化剤ガスを供給しかつ余剰ガスを運び去るための酸化剤ガス流路が形成される。
<電解質膜11>
次に、MEA10が有する電解質膜11の構成について、図2を用いて説明する。電解質膜11としては、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体であるフッ素系の電解質樹脂112の薄膜が用いられる。
また、電解質樹脂112の単独の薄膜では十分な機械的特性が得られないため、薄膜に対して機械的特性を与えることができるナノファイバ不織布113が、電解質樹脂112の中に埋め込まれている。
ナノファイバ不織布113を構成する個々のナノファイバは、その繊維径がnmオーダー(すなわち、1um未満)である。ナノファイバ不織布113が電解質樹脂112の中に埋め込まれた状態において、それぞれのナノファイバ不織布113の間に形成される空隙内にも電解質樹脂112が充填された状態とされている。
ナノファイバ不織布113による補強体は、従来技術の延伸多孔質膜による補強体よりも、より高い空隙率を得ることができるのが特徴である。
また、延伸多孔質膜において個々の孔を画定する孔周囲の膜部分幅寸法と比べると、ナノファイバ不織布113のナノファイバは十分に細い繊維径を有しているといえる。
電解質膜11のアノード電極12A側の面では、触媒層13Aにて燃料ガス中の水素がイオン化されて、電解質樹脂112の中にプロトンが取り込まれる。しかし、十分な表面積にて電解質膜11が露出しているため、プロトンの取り込みが大きく抑制されることはない。
また、このとき、プロトンとともに燃料ガス中の水(水分子)も電解質樹脂112内に取り込まれ、プロトンは水とともに電解質樹脂112内をアノード電極12Aの側からカソード電極12Cの側へと移動する(プロトン伝導)。ナノファイバ不織布113の繊維径が細いため、ナノファイバの表面では、プロトンおよび水のスリップ流が生じる。そのため、ナノファイバ不織布113によって電解質樹脂112内のプロトン伝導は阻害されにくい。また、ナノファイバ不織布113は高い空隙率を有するため、プロトン伝導を行うのに十分な量の電解質樹脂112がその空隙内に充填されている。少なくとも、ナノファイバ不織布の空隙率は、80%以上が好ましい。
このように電解質膜11において、ナノファイバ不織布113が高い空隙率を有し、さらにナノファイバの繊維径が細いことから、プロトン伝導が阻害されにくい。
ナノファイバ不織布の空隙率は、80%より小さいと、プロトン伝導が阻害される。
MEA10において、カソード電極12Cでの反応(すなわち、プロトンと酸化剤ガスとを結合させる反応)は、アノード電極12Aでの反応(すなわち、燃料ガスからプロトンを取り出す反応)よりも反応速度が遅い。そのため、電解質膜11のカソード電極12Cの側の面では、ナノファイバ不織布113を露出させることなく、電解質膜11に覆われた状態として、カソード電極12Cの面に露出される電解質膜11の表面積を大きく保つことが好ましい。
電解質膜11の内側にナノファイバ不織布113を位置させることで、ナノファイバ不織布113の表面を電解質膜11により覆って、電解質膜11のカソード電極12Cの面よりナノファイバ不織布113を露出させないようにできる。
電解質膜11中のナノファイバ不織布113の配置の要件としては、電解質膜11の全体の厚みに対して、ナノファイバ不織布113の存在分布が以下であることが好ましい。
つまり、ナノファイバ不織布113は、電解質膜11が、触媒層13Cに接する面から、5%以内に存在するのが好ましい。かつ、電解質膜11が、触媒層13Aに接する面から5%以内に存在することが好ましい。また、均一に分布することが望ましい。また、ナノファイバ不織布113は、電解質膜11の表面から突出してはいけない。ナノファイバー不織布が電解質膜11から突出すると触媒膜に直接接触し、電気抵抗が上がる。
上記の理由は、実施例のところで説明する。上記条件以外では、電解質膜11の強度が実用レベルに達しない。
<ナノファイバ不織布113>
ナノファイバ不織布113としては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、PolyVinylidene DiFluoride)の繊維で構成される。PVDF以外にも、ポリビニリデンフルオライド重合体(以下、PVF)、PVDFやPVFなどのポリマーを構成するモノマー単位を複数有する共重合体、これらのポリマーの混合物などを用いてもよい。
ナノファイバ不織布113の材料の分子量は、150,000〜550,000であることが望ましい。分子量が低すぎると機械的強度が低下する。また、分子量が高すぎると、溶解性が落ちて溶液化しにくくなる。
実施の形態のナノファイバ不織布113は、電界紡糸法(以下、エレクトロスピニング法)により作製できる。ナノファイバ不織布113は繊維がウェブ状に折り重なった形状をしており、単位面積当たりの質量(目付け量)は1g/m以上が望ましい。ナノファイバ不織布113の単位面積当たりの質量が1g/mより小さい場合、電解質膜11の膨潤による寸法変化を抑制することができない。
また、単位面積当たりの質量は15g/m以下が望ましい。単位面積当たりの質量が15g/mより大きい場合、電解質膜11のプロトンの伝搬を妨げ、燃料電池の発電特性を阻害してしまう。
<ナノファイバ不織布113の製造方法>
実施の形態のナノファイバ不織布113の製造方法として、PVDFをエレクトロスピニング法により不織布化するためには溶液状態にすることが必要であって、例えばジメチルアセトアミド(以下、DMAc)を溶媒として用いるとよい。
溶媒としては、DMAcの他、ジメチルスルホキシドやアセトンなどを、単独、もしくは複数種を混合して用いてもよい。また、溶液濃度は5%〜25%の範囲が望ましい。溶液濃度が低いと充分な繊維径を得ることが出来ず、電解質膜の膨潤・収縮による寸法変化を抑制することができない。また、溶液濃度が上記範囲より高いと、エレクトロスピニング法での不織繊維化において、充分な静電爆発を得ることが出来ず、繊維間が詰まってしまい、電解質膜としての機能の一つであるプロトン伝導を阻害してしまう。
ナノファイバ不織布113を、エレクトロスピニング法などで作製すると、細い繊維径のナノファイバを低密度で堆積させることが可能である。よって、高い空隙率を有し、細い繊維径を有するナノファイバ不織布113を作製することができる。一方、延伸多孔質膜は、膜を縦横方向に引っ張って延伸させることにより作製される。多孔度(空隙率)を高める、または個々の孔を画定する孔周囲の膜部分幅寸法を小さくするためには、十分に厚い膜を縦横方向に大きく引き伸ばして、所望の厚さにする必要がある。そのため、延伸多孔質膜を作製する設備が巨大になってしまい、また厚さを制御することが難しい。よって、延伸多孔質膜において、空隙率を高めることや個々の孔を画定する孔周囲の膜部分幅寸法を小さくすることは困難であるといえる。
<SP値>
次に、SP値(溶解度パラメータ)について説明する。SP値は分子間力を表す尺度として使用される。正則溶液論に基づくと、溶媒と溶質の間に作用する力は分子間力のみと仮定されるので、溶媒と溶質の2つの成分のSP値の差が小さいほど溶解度が大となることが経験的に知られている。Hansenの方法に従うと、蒸発のエネルギーを、London分散力(δd)、双極子間力(δp)、水素結合力(δh)の3つに分割して表し、下記に示す式1によりSP値を算出することができる。
SP値=√((δd)+(δp)+(δh))・・・・(式1)
ナノファイバ不織布113として用いるPVDFのSP値を、式1に従って計算すると、各種文献から得られるLondon分散力(δd)が13.7、双極子間力(δp)が10.6、水素結合力(δh)が8.2を代入して、19.16となる。
また、電解質樹脂112としては、フッ素系電解質樹脂(プロトン伝導性イオン交換樹脂)であるパーフルオロスルホン酸ポリマーの薄膜が用いられる。電解質樹脂を溶かした電解質溶液を形成するための溶媒としては、水、1−プロパノール、エタノール、N、N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、DMAc、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMP)などを単独、もしくは複数を混合して用いることができる。これらの溶媒のSP値は、それぞれ水;44.90、1−プロパノール;25.14、エタノール:25.56、DMF:18.01、DMAc:21.39、NMP:22.96である。
図3に、各溶媒とフッ素系電解質樹脂(電解質樹脂112)とのSP値の関係と、電解質膜11の均質性との関係を示す。
図3に示すように、PVDF(ナノファイバー不織布113)のSP値より溶媒のSP値が乖離すると、電解質膜11内の補強体が全体的に均一にならない。本実施の形態に用いるSP値の差が5以内である溶媒としては、PVDFが19.16であるので、DMF、DMAc、NMPが望ましい。
ナノファイバ不織布113と、電解質樹脂112とを組み合わせる方法としては、電解質溶液を塗布する前にナノファイバ不織布113に、スプレー、ダイ、インクジェット、ワイヤーバーなどの手法を用いて塗布して上記溶媒を浸潤させる方法がある。また、あらかじめ溶媒を電解質溶液に混合しておく方法などがあり、それらを単独あるいは複数の手法を併用してもよい。
<ナノファイバ不織布113の製造方法>
次に、ナノファイバ不織布113の製造方法について説明する。ペレット上状のPVDF(アルケマ社製、分子量275000)をDMAcに溶解させた。具体的な条件としては、PVDF20gに対してDMAc80gを混合し、自公転ミキサーで撹拌し、PVDFをDMAcに溶解しPVDF溶液31を作製した。
図4は、実施の形態におけるナノファイバ不織布113の製造装置の模式図である。
エレクトロスピニング法による不織繊維化において、PVDF溶液31をシリンジ32に入れる。シリンジ32の下部には溶液吐出用のノズル33が設けられている。この溶液吐出用ノズル33としてはニードル状のノズルを用いる。ノズル33の内径はφ0.18mm〜φ0.42mmの範囲が望ましい。ノズル33の内径が小さいと吐出量が少なくなるため、生産性が低くなってしまう。また、ノズル33の内径を大きくすると、吐出量が多くなり、適切に静電爆発を起こすことができず、繊維化しない。
また、吐出にはエアパルス方式のディスペンサー(図示せず)を用いることができる。送液圧力としては、10kPa〜50kPaの範囲が望ましい。送液圧力が低いと、充分なPVDF溶液が吐出されず、生産性が低くなる。また、送液圧力を大きくすると、吐出量が多くなり、適切に静電爆発を起こすことができず、繊維化しない。溶液の粘度により吐出量が変化するため、粘度が高い場合は送液圧力を高くし、粘度が低い場合は送液圧力を低くし、適当な吐出量となるように送液圧力を制御すればよい。
また、ノズル33に電圧を印加し、繊維を集積するコレクター34をアースに接続させる。ノズル33とコレクター34間の電界は10kV〜50kVの範囲が望ましい。電界が弱い場合、充分な静電爆発を得ることができず、適切な繊維を得ることができない。
また、電界が強い場合、ノズルから吐出されたPVDF溶液31が基材53に到着するまでの時間が短くなり、充分な静電爆発を得ることができず、適切な繊維を得ることが出来ない。なお、上記の例ではノズル33に正の電圧を印加させたが、不織繊維化させる材料によっては負の電荷を印加した方がよい場合があり、材料により印加する電圧の極性を選択すればよい。
また、ノズル33の先端とコレクター34までの距離は90mm〜160mmの範囲が望ましい。ノズル33の先端とコレクター34までの距離が短いと、PVDF溶液31がノズル33から吐出されてから基材53に到着するまでの時間が短くなり、充分な静電爆発を得ることができず、適切な繊維を得ることができない。
静電爆発は溶液の粘度や量により影響を受ける。コレクター34にナノファイバ不織布36が生成した際に溶液の溶媒の乾燥具合により、最適な印加電圧やノズル33とコレクター34間の距離を判断することができる。コレクター34に生成した不織繊維の溶媒が充分に乾燥せず湿潤状態であれば静電爆発が不十分であるため、ノズル33からの吐出量を減らし適切な吐出量とすればよい。
また、ノズル33とコレクター34間の距離を大きくすることでも適切な静電爆発が起こりやすく、高い生産性を得るために吐出量を小さくできない場合は、ノズル33とコレクター34間の距離を大きくしてもよい。
吐出量が少ない場合やノズル33とコレクター34間の距離が大きい場合、過度の静電爆発を起こし、所定の領域よりも広く不織繊維が形成されるため、必要な厚みを形成するために時間を要するため、生産性が下がってしまう。
生産性を向上させるため、複数のノズル(図示せず)を用いてもよい。ノズル間距離は10mm以上が望ましい。ノズル間距離を短くすると、隣接するノズルや電荷を帯びたPVDF溶液が、お互いの電荷の影響を受け、充分な静電爆発を得ることができず、適切な繊維を得ることができない。
<電解質膜11の製造方法>
次に、このような構成を有する本実施の形態の電解質膜11を製造する方法について、図5(a)〜図5(f)の説明図を用いて説明する。
まず、図5(a)に示すように、補強体として用いられるナノファイバ不織布113を準備する。次に、ナノファイバ不織布113に対して、SP値が5以下の溶媒をスプレーにて塗布して浸潤させる。ナノファイバ不織布113は、シート状の基材119上に例えば電界紡糸法でナノファイバを吹き付けて堆積させることにより形成されている。そのため、ナノファイバ不織布113と基材119とが接する部分では、ナノファイバ不織布113が基材119の表面に剥離可能に接した状態とされている。
次に、図5(b)と図5(c)に示すように、基材119上のナノファイバ不織布113に対して、電解質溶液112aを塗布する。電解質溶液112aは、電解質樹脂112を溶媒で溶かした溶液である。具体的には、ナノファイバ不織布113全体が電解質溶液112a中に埋もれるように電解質溶液112aを塗布して、ナノファイバ不織布113に電解質溶液112aを含浸させる。その後、電解質溶液112aを乾燥させて電解質樹脂112として、電解質樹脂112の中にナノファイバ不織布113が埋め込まれた電解質膜11が形成される。
次に、基材119を剥離して(図5(d))、剥離された面側よりナノファイバ不織布113に対して電解質溶液112aをさらに塗布する。その後、新たに塗布された電解質溶液112aを乾燥させて電解質樹脂112とし、電解質樹脂112の厚さ方向のほぼ中央にナノファイバ不織布113が配置された電解質膜11を作製する(図5(e)、図5(f))。このようにして、本実施の形態の電解質膜11が作製される。なお、上述にて説明したそれぞれの工程に加えて、電解質膜11のアニール工程(結晶化工程)が行われるような場合であってもよい。この場合、アニール工程は基材119から電解質膜11が剥離される前後を問わず行うことが可能である。
本実施の形態の電解質膜の実施例について説明する。
(実施例1)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。次に、電解質溶液中のSP値の差が5以内の溶媒としてNMPを用いる。電解質溶液の溶媒は水とNMPを用いる。NMPの電解質溶液に含まれる溶媒混合比は、5wt%とした。電解質溶液をナノファイバ不織布113上に塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜11を得た。
(実施例2)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。次に、電解質溶液中のSP値の差が5以内の溶媒としてNMPを用いる。電解質溶液の溶媒は水とNMPを用いる。NMPの電解質溶液に含まれる溶媒混合比は、5wt%とした。電解質溶液をナノファイバ不織布113上に塗布乾燥して、膜厚10μmの電解質膜を得た。
(実施例3)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。次に、電解質溶液中のSP値の差が5以内の溶媒としてNMPを用いる。電解質溶液の溶媒は水とNMPを用いる。NMPの電解質溶液に含まれる溶媒混合比は、5wt%とした。電解質溶液をナノファイバ不織布113上に塗布乾燥して、膜厚20μmの電解質膜を得た。
(実施例4)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を6g/mとしてPETフィルム上に形成したほかは、実施例1と同じとしてナノファイバ不織布113を形成し、電解質溶液を塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(実施例5)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量8g/mとしてPETフィルム上に形成したほかは、実施例1と同じとしてナノファイバ不織布113を形成し形成し、電解質溶液を塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(実施例6)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。次に、電解質溶液中のSP値の差が5以内の溶媒としてNMPを用いる。電解質溶液の溶媒は水とNMPを用いる。NMPの電解質溶液に含まれる溶媒混合比は、10wt%とした。電解質溶液をナノファイバ不織布上に塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(実施例7)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。次に、電解質溶液中のSP値の差が5以内の溶媒としてNMPを用いる。電解質溶液の溶媒は水とNMPを用いる。NMPの電解質溶液に含まれる溶媒混合比は、15wt%とした。電解質溶液をナノファイバ不織布113上に塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(実施例8)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mしてPETフィルム上に形成した。次に、電解質溶液中のSP値の差が5以内の溶媒としてDMAcを用いる。電解質溶液の溶媒は水とDMAcを用いる。DMAcの電解質溶液に含まれる溶媒混合比は、10wt%とした。電解質溶液をナノファイバ不織布113上に塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(実施例9)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。次に、電解質溶液中のSP値の差が5以内の溶媒としてDMAcを用いて、スプレーにてPVDFナノファイバ不織布113上に塗布した。DMAcの塗布量は、1g/mとした。次に電解質水溶液を塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(比較例1)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。次に、エタノール(SP値;25.56)を用いて、スプレーにてPVDFナノファイバ不織布113上に塗布した。エタノールの塗布量は、1g/mとした。次に電解質水溶液を塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(比較例2)
ナノファイバ不織布113の材料をPVDFとし、目付け量を4g/mとしてPETフィルム上に形成した。電解質溶液の溶媒は水とエタノールを用いる。エタノールの電解質溶液に含まれる溶媒混合比は、10wt%とした。次に電解質水溶液を塗布乾燥して、膜厚15μmの電解質膜を得た。
(比較例3)
デュポン製電解質膜フレミオン−XP(膜厚20μm)を用いた。
これら得られた電解質膜を用いて、以下に示す各種測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016207514
(ナノファイバ不織布113の厚さ寸法と電解質膜11の厚さ中の配置)
次に、得られた電解質膜11の断面観察により、ナノファイバ不織布113の分布を測定した。電解質膜11の厚さを100%とした。ナノファイバ不織布113がどの範囲まで存在するかを、アノード電極12A側、カソード電極12C側それぞれで求めた。
(機械的特性:乾湿寸法変化)
機械的特性としては、電解質膜11が乾いた状態と湿った状態とでの寸法変化率(膨潤率または膨張率)を測定した。電解質膜11が乾いた状態は、25℃、相対湿度50%の状態として、電解質膜11の表面沿い方向(X方向、Y方向)の寸法を測定した。次に電解質膜11が湿った状態は、80℃純水を入れたビーカーに試料を1時間浸漬させた状態とし、純水中より取り出して、同じく膜の表面沿い方向の電解質膜11の寸法を測定した。そして、X方向およびY方向の各々の寸法変化率を測定し、XY方向で異方性がある場合には、大きい方の値を採用した。電解質膜11は25mm角のものを用いた。
7%以下を合格とした。上記条件で7%以下なら、燃料電池として実用できる。
(機械的特性:カール性)
機械的特性として、電解質膜11のカール性を評価した。厚さ75μmの離型フィルムに電解質膜をラミネートした後に剥離し、室温25℃、相対湿度50%の環境下において、電解質膜11の表面沿い方向(X方向、Y方向)の反りを測定した。
ラミネート加工時のロール温度は130℃とした。次に、比較例3と反りの状態を評価した。X方向およびY方向の各々の反りを測定した。XY方向で異方性がある場合には、大きい方の値で評価した。電解質膜11は25mm角のものを用いた。
比較例3と同じレベルにカールしたものを×、比較例3と比べ、カールしていないものを○とした。
(耐久試験:スタック乾湿サイクル試験)
電池評価としては100サイクルの乾湿サイクル試験を行った。得られた電解質膜11からMEA10を製作し、乾燥状態および湿潤状態を順に繰り返して放置した。乾燥状態では、スタックの内部の温度を23℃に設定した。アノードに湿度50%R.H.の燃料ガスを供給し、カソードに湿度50%R.H.の酸化剤ガスを供給した。
一方、湿潤状態では、スタックを100℃の熱水に浸漬した。この時の、スタック内部の温度は90℃であった。この乾燥状態および湿潤状態のいずれの場合においても、スタックの水素リークを測定してリーク量が多くなる状態、すなわち破膜状態に至るまでのサイクル回数を確認した。この間、発電は行わなかった。
通常、乾湿サイクル試験は150回以下で破膜する。そこで、2倍の300回以上を合格とした。上記条件で300回もてば、燃料電池として実用できる。
(結果)
表1に示すように、実施例1〜実施例9から、少なくともナノファイバ不織布113の配置は、電解質膜の両方の面から5%より小さくすることで、寸法変化率を6%以内とすることができ、電解質膜11として用いることができる程度の機械的特性を得ることができることが分かる。
ナノファイバ不織布113の配置が、電解質膜11の両面から5%より小さいということは、ナノファイバ不織布113の配置(膜厚)は、電解質膜11の全体に対して、90%より大きい。少なくとも60%ナノファイバ不織布113あればよい。
ナノファイバ不織布113が埋め込まれた電解質膜11がカール(曲がり)してしまうことを抑制できる。特に、電解質膜11において一方の面からのみナノファイバ不織布113が露出するような構造では、電解質膜11にカールが生じやすくなる。
また、アノード側とカソード側の配置の合計を考えると、比較例1,2では、10.5%であり、ナノファイバ不織布113の割合は、電解質膜11の89.5%である。
しかし、ナノファイバ不織布113の厚さ割合を89.5%より大きくすることで、カールの発生を抑制できる。よって、製造過程において電解質膜の取り扱いを良好にすることができ、生産性を高めることができる。
なお、電解質膜11の中にナノファイバ不織布113を均一に含有させるためには、ナノファイバ不織布113のSP値に対して、5以内のSP値を有する溶媒により、ナノファイバ不織布113を浸潤させる必要がある(上記図3)。
その方法として以下の方法がある。ナノファイバ不織布113のSP値との差が5以下の溶媒をあらかじめ電解質溶液112aと混合させても良いし、電解質溶液112aをナノファイバ不織布113に塗布する前に、ナノファイバ不織布113のSP値との差が5以下の溶媒を、スプレー、ダイ、インクジェット、ワイヤーバー等の各種塗布方式によって塗布して、ナノファイバ不織布113を浸潤させても良い。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本実施の形態の燃料電池用の電解質膜は、燃料電池の種類を問わず、用いられる。
1 燃料電池
11 電解質膜
12A アノード電極
12C カソード電極
13 触媒層
13A 触媒層
13C 触媒層
14A ガス拡散層
14C ガス拡散層
15A アノードガスケット
20A セパレータ
20C セパレータ
36 ナノファイバ不織布
50 電解質膜
51 電解質樹脂
51a 電解質溶液
52 補強体
53 基材
112 電解質樹脂
112a 電解質溶液
113 ナノファイバ不織布
119 基材

Claims (8)

  1. 電解質樹脂の中にナノファイバ不織布が埋め込まれた電解質膜であり、
    前記ナノファイバ不織布の分布範囲は、
    膜厚を100%とした時、
    前記電解質膜の一方の面から5%より小さい範囲から、
    前記電解質膜の他方の面から5%より小さい範囲までである燃料電池用電解質膜。
  2. 前記電解質膜の前記一方の面と他方の面から、前記ナノファイバ不織布が飛び出していない請求項1記載の燃料電池用電解質膜。
  3. 前記ナノファイバ不織布の空隙率が80%以上、かつ、前記電解質膜の膜厚に対して90%以上の前記ナノファイバ不織布の膜厚を有する請求項1または2記載の電解質膜。
  4. 前記ナノファイバ不織布は、ポリビニリデンフルオライド重合体を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜。
  5. 前記ナノファイバ不織布の目付け量は、1g/m以上、15g/m以下である、請求項1〜4のいずれか1項にから記載の燃料電池用電解質膜。
  6. 前記ナノファイバ不織布は、エレクトロスピニング法により作製された請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜。
  7. 前記電解質膜は、プロトン伝導性イオン交換膜である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池用電解質膜と、
    前記燃料電池用電解質膜の両面のそれぞれに、電極と、触媒層と、ガス拡散層と、セパレータとが積層され、
    前記燃料電池用電解質膜の両面のそれぞれに、前記電極と、前記触媒層と、前記ガス拡散層と、を囲むガスケットと、を有する燃料電池。
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