JP7373315B2 - 体液試料中の脂質、ヘモグロビンおよびビリルビンを決定するための方法 - Google Patents

体液試料中の脂質、ヘモグロビンおよびビリルビンを決定するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、体外診断の分野であり、血清試料および血漿試料中の脂質、ヘモグロビンおよびビリルビンを定量的に決定するための方法および自動分析器に関する。
体液試料の生理学的パラメーターを決定するための数多くの検出および分析方法は、測光原理に基づいている。測光法は、液体試料中の検体の定性および定量検出を可能にする。
多くの場合、例えば、検体の濃度または活性などの臨床的に関連性のあるパラメーターは、生体外で1種またはそれ以上のアッセイ試薬と混合し、アッセイ調製物の光学的性質の測定可能な変化をもたらす生化学反応を開始させる、患者からの体液のアリコートによって決定される。測光は、吸収および/または散乱媒体を通過するときの光束の減衰を検査および利用する。誘発された生化学的または生物物理学的反応の性質に応じて、混濁した液体アッセイ調製物の測定を可能にする異なる測光法が利用される。
このために、比濁法を使用することが可能であり、この方法では、溶液または懸濁液の濁度または光学密度が、懸濁液を直接通過する光ビームの光減衰または吸光度に基づいて測定される。
光ビームの強度は、液体試料を含有する測定セルまたはキュベットを通過するときに減少する。損失は、光ビームと測定セル内に置かれる試料との相互作用によって、例えば吸収、回折、散乱および/または反射効果によって影響を及ぼされる。一般に、回折、散乱および反射効果は、無視または基準測定によって補正することができ、これは主として吸収が光ビームの減衰に寄与することを表す。
濃度の測光決定は、したがって、入射光の特定の波長において、吸光度または吸収が溶解した物質の濃度および測定セルの層厚さに依存する法則に基づいている。この関係は、ランベルト-ベールの法則によって説明される:
E(λ)=-log(I/I)=ε(λ)・c・d
[式中、E(λ)は、光ビームの波長λに依存する吸光度であり、Iは、試料を通過した後の光強度であり、Iは、試料を通過する前の光強度であり、ε(λ)は、トランス照射された物質の波長依存モル吸光係数であり、cは、トランス照射された物質のモル濃度であり、dは、光ビームによってトランス照射された、例えば測定セルの、層厚さである]。
試料の吸光度E(λ)に基づいて、溶液中の物質の濃度を確認することが可能である。これには、既知の濃度の少なくとも1つの標準溶液の吸光度が予め決定されていることが必要である。吸光度は濃度に関して比例するので、既知の濃度の複数の標準溶液の吸光度測定による較正を用いて、未知の試料中の溶解した物質の濃度を確認することが可能である。
しかしながら、試料の吸光度は、決定すべき物質の濃度自体だけでなく、試料マトリックスの性質にも依存する。物質が互いに相互作用しない場合、種々の物質の吸光度は、混合物中で加法的になる。例えば、血漿または血液試料などの体液は、複雑な混合物であり、決定すべき検体だけでなく、試料の全吸収に影響を及ぼす多数のさらなる物質も含有する。
しかしながら、個々の場合に、体液試料は、異常に高濃度の1種またはそれ以上の内因性物質、すなわち、体に内在する物質を含有することがあり、これは、許容可能な濃度を超過するときに測光検出方法に干渉することがわかっており、系統的誤差をもたらすことがある。
異常に高いヘモグロビン、ビリルビンおよび/または脂質濃度を有する溶血性、黄疸性および/または脂肪血性血清または血漿試料によって問題が引き起こされていることが知られている。これらの干渉物質の異常に高い濃度は、患者の病的状態または試料の不適当な取得もしくは保管によって引き起こされる。そのような試料が、分析、診断上適切なパラメーターを決定するために使用される測光法にかけられる場合、不正確な決定のリスクがあり、場合によっては誤診、最悪の場合には患者の不正確な治療がもたらされるかもしれない。溶血性、黄疸性および脂肪血性試料の分析前の同定は、したがって、不完全な分析結果を回避するために特別重要である。
体液試料中の干渉物質の分光効果を確認するため、または高い濃度の1種またはそれ以上の干渉物質を含有する体液試料を同定するための方法が必要である。
特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4は、血漿または血清試料中のビリルビン、ヘモグロビンおよび脂質を決定するための種々の方法を記載している。例えば、特許文献1では、ヘモグロビンおよびビリルビンによる吸光度を減算した後に残る、特に脂質によって引き起こされた吸光度を含有する吸光度は、局所線形近似にかける。
しかしながら、最後に述べた方法でさえも、特に比較的高い脂質濃度が、同じ試料中のビリルビンおよびヘモグロビンの決定に影響を及ぼす可能性があり、したがって測定値を歪めるという欠点を有する。
特許文献5および特許文献6は、高い脂質濃度の存在下においても、試料中で、ビリルビンおよびヘモグロビンの正確な決定と、さらに脂質濃度の決定を可能にする方法を既に記載している。前記方法は本質的に、異なる波長での試料の吸光度の測定、脂質の吸光度に関するベキ関数近似曲線の計算、脂質曲線が残るまでの吸光度のヘモグロビンおよびビリルビンの割合の減算、そして最後に、物質固有の吸光係数を使用した理論的吸光度値の確認を含む。
欧州特許出願公開第1059522号 米国特許第4263512号 米国特許出願公開第2009/0009750号 米国特許出願公開第2010/0174491号 国際公開第2013/010970号 欧州特許出願公開第3051272号
しかしながら、既存の分析器は、多くの場合、予め定義された波長をもつ限られた数の光源しかないことが問題である。干渉物質を決定するための先行技術から既知の方法には、特定の組み合わせの測定波長が必要なので、既知の方法のいずれを任意の既存の分析器に容易に実装することはできない。したがって、特許文献6(λ1:600~660nm;λ2:400~480nm;λ3:400~440nm;λ4:350~370nm)に言及されているもの以外の波長が利用可能である場合、特に以下の組み合わせの波長が利用可能である場合:脂質によるものではない吸光度を無視できる波長(例えば、660nmなど);ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる2つの波長(例えば、340nmおよび405nmなど);およびヘモグロビンが最大吸光度を有する波長(例えば、575nmなど)、体液試料中の脂質濃度、ヘモグロビン濃度およびビリルビン濃度のより正確な決定を可能にするように、特許文献6による方法を修正することが、本発明の目的である。
この目的は、とりわけ、理論的吸光度値の確認のため、脂質の吸光度に関するベキ関数近似曲線の計算の代わりに脂質の吸光度に関する指数関数近似曲線の計算によって、および干渉物質の吸光係数の代わりに所定の比例定数の使用によって、達成される。
本発明はしたがって:
a)多数の波長λの光を体液試料にトランス照射する工程;
b)脂質によるものではない吸光度を無視できる第1の波長λ1で第1の測定値A1を獲得する工程;
c)ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第2の波長λ2で第2の測定値A2を獲得する工程;
d)ヘモグロビンが最大吸光度を有する第3の波長λ3で第3の測定値A3を獲得する工程;
e)ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第4の波長λ4で第4の測定値A4を獲得する工程;
f)式:
Figure 0007373315000001
を使用してパラメーターqを、および式:
Figure 0007373315000002
を使用してパラメーターpを決定する工程;
g)脂質の吸光度Eに関して:
E=f(λ)=p・eλ・q
の形の指数関数近似曲線(L)を計算する工程;
h)第3の波長λ3における第3の測定値A3と近似曲線(L)の値との間の差に対応する、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1を決定する工程;
i)ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1が0より大きいかどうかをチェックし、それが0より大きい場合、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1に、第3の波長λ3におけるヘモグロビンに関する吸光度値と第4の波長λ4におけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映する第1の所定の比例定数を掛け算することによって、ヘモグロビンに関する第2の理論的吸光度値EH2を決定する工程;
j)第4の測定値A4と、第4の波長λ4における近似曲線(L)の値およびヘモグロビンに関する第2の理論的吸光度値EH2の和との差に対応する、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1を決定する工程;
k)ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1が0より大きいかどうかをチェックする工程;ならびに
l)工程i)におけるチェックにより、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1が0よりも大きいことが明らかになった場合、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1を複数の予め定義されたヘモグロビン濃度レベルのうちの1つに割り当てる工程、ならびに
m)工程k)におけるチェックにより、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1が0よりも大きいことが明らかになった場合、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1を複数の予め定義されたビリルビン濃度レベルのうちの1つに割り当てる工程、ならびに
n)第1の測定値A1を複数の予め定義された脂質濃度レベルのうちの1つに割り当てる工程
を含む、体液試料中の脂質、ヘモグロビンおよびビリルビンを定量的に決定するための方法を提供する。
本発明による方法の一実施形態では、脂質によるものではない吸光度を無視できる第1の波長λ1は、600nm~660nmであり;好ましくは、660nmである。
本発明による方法のさらなる実施形態では、ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第2の波長λ2は、320nm~360nmであり;好ましくは、340nmである。
さらに本発明による方法のさらなる実施形態では、ヘモグロビンが最大吸光度を有する第3の波長λ3は、540nm~580nmであり;好ましくは、575nmである。
その上本発明による方法のさらなる実施形態では、ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第4の波長λ4は、380nm~440nmであり;好ましくは、405nmである。
特に好ましい実施形態では、第1の波長λ1は、660nmであり、第2の波長λ2は、340nmであり、第3の波長λ3は、575nmであり、第4の波長λ4は、405nmである。
本発明において「測定値」(A1;A2;A3など)は、測光測定デバイスを使用して記録できる吸光度測定値である。測定値は、可視、赤外および/または紫外波長範囲の光ビームの通過に関する体液試料の不透明度の波長依存の程度を示す無次元の変数であってもよい。また、強度測定値を獲得するために光ビームの通過中に体液試料が保持される測定セルまたはキュベットの単位厚さに関して吸光度測定値が特定されることが同等に可能である。この場合、測定値は、[1/mm]の次元を有することがある。いずれにせよ、以下の実施形態に示される測定値は、例示的な性質のものに過ぎず、測定デバイス、試料特性および試料組成に依存する。以下、吸光度測定値は、それぞれの場合において、吸収値と同等と見なされ、この考察において、回折、散乱および反射が吸光度値に寄与するが、それらは考察される波長範囲における吸収に関して実質的に無視できることが当業者には明らかであろう。
本発明において「理論的吸光度値」(E、E、EHBLなど)は、実際に測定された吸光度値ではなく、計算された値である。
本出願において「脂質」は、特に、ヒトまたは動物生物体内で生じる脂肪またはトリグリセリドまたはトリアシルグリセロールを包含する。
測定値A1~A4の記録(本発明による方法の工程a)~e))および脂質に関する理論的近似曲線のその後の確認(本発明による方法の工程f)およびg))に続いて、吸光度のヘモグロビンの割合を最初に決定する。このために、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1は、第3の波長λ3における第3の測定値A3と近似曲線(L)の値との間の差を決定することによって最初に決定され、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1が0より大きいかどうかを決定するためにチェックが行われる。チェックにより、前記値が0以下であることが明らかになった場合、ヘモグロビンが存在しないことが確定される。その後の計算では、ヘモグロビンに関する理論的吸光度値0が使用される。対照的に、チェックにより、前記値が0より大きいことが明らかになった場合、ヘモグロビンに関するこの第1の理論的吸光度値EH1は、複数の予め定義されたヘモグロビン濃度レベルのうちの1つに割り当てられる。
吸光度のビリルビンの割合の決定のために、ヘモグロビンに関する第2の理論的吸光度値EH2は、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1と第1の所定の比例定数を掛け算することによって最初に決定される。
第1の比例定数は、第3の波長λ3におけるヘモグロビンに関する吸光度値と第4の波長λ4におけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映し、例えば、予備実験において、第3の波長λ3および第4の波長λ4で、異なるヘモグロビン濃度(例えば、20~400mg/dL)を有する多数の試料の吸光度を測定すること、ならびに第4の波長λ4における測定値および第3の波長λ3における測定値から形成される商の平均を決定することによってそれは予め決定可能である。
ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1は、第4の測定値A4と、第4の波長λ4における近似曲線(L)の値およびヘモグロビンに関する第2の理論的吸光度値EH2の和との差を決定することによって次に決定される。ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1が0より大きいかどうかを決定するためにチェックが行われる。チェックにより、前記値が0以下であることが明らかになった場合、ビリルビンが存在しないことが確定される。対照的に、チェックにより、前記値が0より大きいことが明らかになった場合、ビリルビンに関するこの第1の理論的吸光度値EB1は、複数の予め定義されたビリルビン濃度レベルのうちの1つに割り当てられる。
その上、第1の測定値A1は、複数の予め定義された脂質濃度レベルのうちの1つに割り当てられる。
「予め定義された濃度レベル」(ヘモグロビン、ビリルビンまたは脂質に関する)は、溶血性、黄疸性および脂肪血性試料の分析前の同定に関連する干渉物質濃度範囲の部分範囲を表すことが理解されるべきである。通常、ヘモグロビンに関連があると考えられるのは、0~1000mg/dLの濃度範囲であり、ビリルビンに関連があると考えられるのは、0~60mg/dLの濃度範囲であり、脂質に関連があると考えられるのは、0~2000mg/dLの濃度範囲である。通常、関連がある濃度範囲は、異なる濃度レベルの少なくとも5つの部分範囲に分割され、その指標値(1、2、3など)が割り当てられる。干渉物質濃度が高いほど、指標値は高くなる。これらのいわゆる「HIL指標」は、溶血性、黄疸性および脂肪血性試料の分析前の同定を可能にする、半定量的なマーカーである。
ヘモグロビン、ビリルビンおよび脂質の濃度レベルは通常、分析システムの製造業者によって定義されており、次に確認されるのは、本発明による方法を使用して決定されたどの測定値または本発明による方法を使用して理論的に確認されたどの吸光度値が、どの濃度レベルに対応するかである。これは通常、異なるヘモグロビン濃度(例えば、0~1000mg/dLヘモグロビン)を有する多数の試料および異なるビリルビン濃度(例えば、0~60mg/dLビリルビン)を有するさらに多数の試料および異なる脂質濃度(例えば、0~2000mg/dL脂質内)を有するさらに多数の試料を本発明による方法を使用して分析し、測定値または理論的に確認された吸光度値を定義された濃度レベルに割り当てることによって行なわれる。
本発明による方法の一実施形態では、工程g)の脂質の吸光度Eに関する近似曲線Lの計算に続いて、反復法を用いて近似曲線Lを補正することによって、脂質の吸光度Eに関する補正された近似曲線Lを作成する。これは、特に高い脂質含有量を有する試料において、干渉物質のより正確な決定をもたらす。
好ましくは、脂質の吸光度Eに関する補正された近似曲線Lは、第4の波長λ4における第4の測定値A4と近似曲線の値(L)との間の差、および第4の測定値A4から形成された商が、0.2よりも大きいことが確定された場合にのみ作成される。
好ましくは、補正された近似曲線Lを作成するために決定されるのは、ヘモグロビンに関する第3の理論的吸光度値EH3、ビリルビンに関する第2の理論的吸光度値EB2、脂質に関する第1の理論的吸光度値EL1補正である。
ヘモグロビンに関する第3の理論的吸光度値EH3は、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1に第2の所定の比例定数を掛け算することによって確認される。
第2の比例定数は、第3の波長λ3におけるヘモグロビンに関する吸光度値と第2の波長λ2におけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映し、例えば、予備実験において、第3の波長λ3および第2の波長λ2で、異なるヘモグロビン濃度(例えば、20~400mg/dL)を有する多数の試料の吸光度を測定すること、ならびに第2の波長λ2における測定値および第3の波長λ3における測定値から形成される商の平均を決定することによってそれは予め決定可能である。
ビリルビンに関する第2の理論的吸光度値EB2は、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1に第3の所定の比例定数を掛け算することによって確認される。
第3の比例定数は、第2の波長λ2におけるビリルビンに関する吸光度値と第4の波長λ4におけるビリルビンに関する吸光度値との比を反映し、例えば、予備実験において、第2の波長λ2および第4の波長λ4で、異なるビリルビン濃度(例えば、1~60mg/dL)を有する多数の試料の吸光度を測定すること、ならびに第2の波長λ2における測定値および第4の波長λ4における測定値から形成される商の平均を決定することによってそれは予め決定可能である。
脂質に関する第1の理論的吸光度値EL1補正は、第2の測定値A2と、ヘモグロビンに関する第3の理論的吸光度値EH3およびビリルビンに関する第2の理論的吸光度値EB2の和との差を確認することによって決定される。
有利には、多数の波長の光の体液試料へのトランス照射は、レーザーもしくは発光ダイオードを使用して、または種々の光学フィルターを有する光源を使用して達成され、多数の測定値(A1;A2;A3;A4)が、光検出器を使用して、例えばCCDセンサー、CMOSセンサー、光センサーまたは波長依存の形で光ビームの強度を獲得するのに適した類似のデバイスを使用して獲得される。
本発明において「体液試料」は、液体粘稠度を有し、多数の生物学的に活性な物質を種々の濃度で含む、全て生物起源の試料であってよい。例えば、体液試料は、血清、血漿、血液、尿、リンパ液、胆汁または類似の液体を含むことができる。
本発明はさらに、本発明による方法の方法工程a)~e)を実施するように設計された測定デバイスを含み、さらに上述したように、脂質、ヘモグロビンおよびビリルビンを定量的に決定するための、本発明による方法の残りの方法工程f)~n)を実施するように設計された計算デバイス、例えばプロセッサーをさらに含む、自動分析器を提供する。
一実施形態では、自動分析器の測定デバイスは、異なる波長の光を発生するための少なくとも1つの光源および複数の光学フィルターを含む。別の実施形態では、測定デバイスは、複数の光源、好ましくは複数の発光またはレーザーダイオードを含む。
特に好ましい実施形態では、自動分析器の測定デバイスは、少なくとも4つの光源を含み、第1の光源は、600nm~660nmの範囲内の波長の光を放出し、第2の光源は、320nm~360nmの範囲内の波長の光を放出し、第3の光源は、540nm~580nmの範囲内の波長の光を放出し、第4の光源は、380nm~440nmの範囲内の波長の光を放出する。
特に好ましい実施形態では、自動分析器の測定デバイスは、少なくとも4つの光源を含み、第1の光源は、660nmの波長の光を放出し、第2の光源は、340nmの波長の光を放出し、第3の光源は、575nmの波長の光を放出し、第4の光源は、405nmの波長の光を放出する。
有利には、測定デバイスはまた、少なくとも1つの光検出器、例えばCCDセンサー、CMOSセンサー、光センサーまたは波長依存の形で光ビームの強度を獲得するのに適した類似のデバイスを含む。
本発明の種々の例示的な実施形態および設計を、次に添付図を参照してより詳細に記載する。
実際に測定された試料(No.3417;A1~A4;ダイヤモンド)の吸光度プロファイルならびに計算された脂質曲線L(正方形)、Lc(三角形)およびLc最終(十字形)を示すグラフである。
a)波長
本発明による方法を、4つのレーザーダイオードを有する測光構成を含む自動分析器で実施した。ヒト血漿試料を、以下の波長の光で層厚さd=1mmでトランス照射した:
660nm 脂質によるものではない吸光度を無視できる第1の波長λ1;
340nm ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第2の波長λ2;
575nm ヘモグロビンが最大吸光度を有する第3の波長λ3;
405nm ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第4の波長λ4。
上述した4つの測定値(A1=A660、A2=A340、A3=A575およびA4=A405)を記録した。
b)比例定数の事前決定
第1のおよび第2の比例定数
第1の比例定数(FHB405)は、第3の波長λ3=575nmにおけるヘモグロビンに関する吸光度値と第4の波長λ4=405nmにおけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映する。第2の比例定数(FHB340)は、第3の波長λ3=575nmにおけるヘモグロビンに関する吸光度値と第2の波長λ2=340nmにおけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映する。予備実験では、異なるヘモグロビン濃度(20~400mg/dL)を有する16個の試料の吸光度を575nm、405nmおよび340nmで測定し、405nmにおける測定値および575nmにおける測定値から形成された商の平均(第1の比例定数)または340nmにおける測定値および575nmにおける測定値から形成された商の平均(第2の比例定数)を決定した。種々の試料中で確認された測定値およびそれから確認された商を表1に示す。第1の比例定数(FHB405)については、6.3という値がこのように確認された。第2の比例定数(FHB340)については、1.9という値がこのように確認された。
Figure 0007373315000003
第3の比例定数
第3の比例定数(FB340)は、第2の波長λ2=340nmにおけるビリルビンに関する吸光度値と第4の波長λ4=405nmにおけるビリルビンに関する吸光度値との比を反映する。
予備実験では、異なるビリルビン濃度(1.2~60mg/dL)を有する13個の試料の吸光度を340nmおよび405nmで測定し、340nmにおける測定値および405nmにおける測定値から形成された商の平均を決定した。種々の試料中で確認された測定値およびそれから確認された商を表2に示す。第3の比例定数(FB340)については、0.22という値がこのように確認された。
Figure 0007373315000004
c)濃度レベルおよび指標値の定義
ヘモグロビン濃度が120mg/dLのヒト血漿試料を、波長575nm(λ3)の光で層厚さd=5mmでトランス照射し、吸光度測定値約619mAU、四捨五入して0.6AUが測定された。吸光度0~0.6AUは、したがって、0~120mg/dLヘモグロビンの濃度レベルに対応し;この範囲は、「レベル0」と定義された。ヘモグロビンは、比例的な吸収挙動を示すので、レベルの定義は、対応する形でレベル5まで継続し、すなわち、レベル1は、次いで1.2AU、レベル2は、次いで1.8AUなどとした。
ビリルビン(ビリルビン濃度4mg/dL;405nmで吸光度測定)および脂質(脂質内濃度60mg/dL;660nmで吸光度測定)では、類似の手順を実施した。
このようにして決定した濃度レベルを表3に列挙する。
Figure 0007373315000005
d)例示的な実施形態
既知の干渉因子濃度を有する4つの血漿試料(表4)を、波長660nm(λ1)、340nm(λ2)、575nm(λ3)および405nm(λ4)の光で層厚さd=5mmでトランス照射し、吸光度測定値A1~A4(表5)をそれぞれ測定した。
Figure 0007373315000006
Figure 0007373315000007
e)試料番号3417
試料番号3417の試料は、わずかに上昇したヘモグロビン含有量と比較的低いビリルビンおよび脂質濃度を有する。
工程1:脂質曲線Lの決定
脂質の吸光度の指数関数近似曲線(脂質曲線L)を決定するために、測定した吸光度A1およびA2は、最初に脂質曲線に割り当て;A1は変更しない(アンカーポイント):
A1=A660=EL660
A2=A340=EL340
波長405nm(EL405)および575nm(EL575)における理論的脂質吸光度は、式
E=f(λ)=p・eλ・q
を使用して決定した。
パラメーターqおよびpは、しかしながら、下記式:
Figure 0007373315000008
を使用して最初に決定した。
次に、これらのパラメーターを使用して、波長λ3(575nm)およびλ4(405nm)における脂質曲線Lの理論的吸光度を計算した。下記式を使用した:
Lxxx=p・eλnx・q
[式中、n=405nm、n=575nm]
すなわち、
L405=76.25・e405・-0.0090=1.992AU
L575=76.25・e575・-0.0090=0.431AU
図1は、実際に測定した試料番号3417の吸光度プロファイル(A1~A4;ダイヤモンド)ならびにこのように計算した脂質曲線L(正方形)を示す。
工程2:吸光度のヘモグロビンおよびビリルビンの割合ならびにヘモグロビン、ビリルビンおよび脂質濃度レベルの決定
ヘモグロビン
吸光度のヘモグロビンの割合を決定するために、第1の理論的吸光度値EH1は、最初にλ3(575nm)における実際の吸光度測定値A3と脂質曲線Lとの間の差を決定し、このように決定した吸光度値EH1が0より大きい場合、次に吸光度値EH1と第1の所定の比例定数FH405(=6.3;上記のb)および表1を参照)を掛け算することによって第2の理論的吸光度値EH2を決定することによって決定され、これは、第3の波長λ3(575nm)におけるヘモグロビンに関する吸光度値と第4の波長λ4(405nm)におけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映する:
H1=A3-EL575=1.240AU-0.431AU=0.809AU;
H2=FH405・EH1=6.3・0.809AU=5.097AU。
H1が0より大きいか小さいかどうかを決定するためにチェックが行われる。
H1>0の場合、理論的吸光度値EH1は、ヘモグロビン濃度レベルに割り当てられる(表3参照)。
今回の場合、吸光度値EH1=0.809AUは、ヘモグロビン濃度レベル1に相当する(表3参照)。
ビリルビン
吸光度のビリルビンの割合を決定するために、第1の理論的吸光度値EB1は、最初に実際の吸光度測定値A4とλ4(405nm)における脂質曲線Lの値および第2の理論的吸光度値EH2の和との差を決定し、このように決定した吸光度値EB1が0未満の場合、吸光度値EB1をゼロと同等にすることによって決定される:
B1=A4-EL405-EH2
=5.441AU-1.992AU-5.097AU
=-1.648AU
=0AU。
したがって、試料番号3417は、ビリルビン濃度または相当のビリルビン濃度を含有していない。
今回の場合、吸光度値EB1=0AUは、ビリルビン濃度レベル0に相当する(表3参照)。
脂質
実際の吸光度値A1は、脂質濃度レベルに割り当てられる(表3参照)。
今回の場合、吸光度値A1=0.198AUは、脂質濃度レベル0に相当する(表3参照)。
Figure 0007373315000009
決定した全てのレベルは、試料中に存在する干渉物質濃度に対応する。
補正された脂質曲線Lの作成
脂質の吸光度Eに関する近似曲線Lの計算後、反復法を用いて近似曲線Lを補正することによって、脂質の吸光度Eに関する補正された近似曲線Lを作成することがさらに可能である。これは、特に高い脂質含有量を有する試料において、干渉物質のより正確な決定をもたらす。
通常、脂質の吸光度Eに関する補正された近似曲線LCは、第4の波長λ4における第4の測定値A4と近似曲線(L 0 の値( Lλ4 )との間の差、および第4の測定値A4から形成された、式
Figure 0007373315000010
で表される商(VL)が、0.2よりも大きいことが確定された場合にのみ作成される。
試料番号3417の場合、商VLは、0.2よりも大きい:
Figure 0007373315000011
波長λ2(340nm)における脂質に関する吸光度(実測値A2に相当)は、この波長における吸光度のヘモグロビンおよびビリルビンの割合を減算することによって補正される。
このために、λ2(340nm)における全吸光度のヘモグロビンおよびビリルビンの割合が最初に確認される。
吸光度のヘモグロビンの割合を決定するために、第3の理論的吸光度値EH3は、ヘモグロビンに関する吸光度値EH1と第2の所定の比例定数FHB340(=1.9;上記のb)および表1を参照)を掛け算することによって決定され、これは、第3の波長λ3(575nm)におけるヘモグロビンに関する吸光度値と第2の波長λ2(340nm)におけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映する:
H3=FHB340・EH1=1.9・0.809AU=1.537AU。
吸光度のビリルビンの割合を決定するために、第2の理論的吸光度値EB2は、ビリルビンに関する吸光度値EB1と第3の所定の比例定数FB340(=0.22;上記のb)および表2を参照)を掛け算することによって決定され、これは、第2の波長λ2(340nm)におけるビリルビンに関する吸光度値と第4の波長λ4(405nm)におけるビリルビンに関する吸光度値との比を反映する:
B2=FB340・EB1=0.22・0AU=0AU。
次いで、第2の測定値A2と、ヘモグロビンに関する第3の理論的吸光度値EH3およびビリルビンに関する第2の理論的吸光度値EB2の和との差を形成することによって、340nmにおける脂質に関する理論的吸光度値EL1補正を決定することが可能である:
L1補正=A2-EH3-EB2
=3.575AU-1.537AU-0AU
=2.038AU。
次いで、この計算され補正された吸光度値を使用して、指数関数の新しいパラメーターqおよびpを計算する:
Figure 0007373315000012
次いで、これらのパラメーターを使用して、波長λ3(575nm)およびλ4(405nm)における補正された脂質曲線Lの理論的吸光度を計算する。下記式を使用する:
L405補正=24.38・e405・-0.0073=1.268AU
L575補正=24.38・e575・-0.0073=0.367AU
図1に示すとおり、補正された脂質曲線L(三角形)は、下方に「移動」する。目標は、340nmにおける脂質に関する実測値A2と理論的に計算された吸光度値の間の吸光度の差が、ヘモグロビンおよびビリルビンよって引き起こされる吸光度の割合の合計に一致するまで、曲線を下方にシフトすることである。
このために、吸光度のヘモグロビンおよびビリルビンの割合は、既に上述したように対応して決定され、A2から減算される。方法全体は、指数関数のパラメーターqおよびpを用いて再度繰り返して実施され、これは以下のいずれかの終了基準に到達するまで、毎回再計算されるべきである:EL1補正<0またはq>0またはEL575<A4またはEB1(n)<EB1(n-1)。図1は、終了基準EL1補正<0が達成されている、繰り返し補正された脂質曲線Lc最終(十字形)を示す。この曲線の補正された吸光度値は、次いで、ヘモグロビンおよびビリルビンに関する理論的吸光度値の計算に使用され、これは次に濃度レベルに割り当てられるべきである(表3参照)。
繰返し補正された脂質曲線Lc最終を使用して、ヘモグロビンおよびビリルビンに関する以下の理論的吸光度値を決定した:
=1.003AU
=0AU
吸光度値E=1.003AUは、ヘモグロビン濃度レベル1に相当する(表3参照)。
吸光度値E=0AUは、ビリルビン濃度レベル0に相当する(表3参照)。
この場合も、実際の吸光度値A1=0.198AUは、脂質濃度レベル0に相当する(表3参照)。
f)試料番号5763、4217および3283
残りの試料を測定および同様に評価し、濃度レベルを決定した。
表7から明らかなように、実際の濃度に基づいて予期される濃度レベルは、3つ全ての干渉物質に関してほぼ完全に正確に決定された。試料番号4217の場合にだけ、ヘモグロビンおよびビリルビンのレベルがそれぞれ1レベル低すぎると決定された。しかしながら、光学的方法では、+/-20%の偏差は、許容可能である。経験から、ビリルビン濃度が高い試料では、575nm(λ3)、すなわち、ヘモグロビンが最大吸光度を有する波長、における吸光度も低下する可能性があり、ヘモグロビンが未決定になる可能性があることを意味する。しかしながら、高いビリルビン濃度から、試料に干渉変数が含有されていることが既に明らかであるので、これは臨床的に関連がない。
Figure 0007373315000013

Claims (15)

  1. 体液試料中の脂質、ヘモグロビンおよびビリルビンを定量的に決定するための方法であって:
    a)多数の波長λの光を体液試料にトランス照射する工程;
    b)脂質によるものではない吸光度を無視できる第1の波長λ1で第1の測定値A1を獲得する工程;
    c)ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第2の波長λ2で第2の測定値A2を獲得する工程;
    d)ヘモグロビンが最大吸光度を有する第3の波長λ3で第3の測定値A3を獲得する工程;
    e)ビリルビンおよびヘモグロビンおよび脂質によるものではない吸光度を無視できる第4の波長λ4で第4の測定値A4を獲得する工程;
    f)式:
    Figure 0007373315000014
    を使用してパラメーターqを、および式:
    Figure 0007373315000015
    を使用してパラメーターpを決定する工程;
    g)脂質の吸光度Eに関して:
    E=f(λ)=p・eλ・q
    の形の指数関数近似曲線(L0)を計算する工程;
    h)第3の波長λ3における第3の測定値A3と近似曲線(L0)の値との間の差に対応する、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1を決定する工程;
    i)ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1が0より大きいかどうかをチェックし、それが0より大きい場合、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1に、第3の波長λ3におけるヘモグロビンに関する吸光度値と第4の波長λ4におけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映する第1の所定の比例定数を掛け算することによって、ヘモグロビンに関する第2の理論的吸光度値EH2を決定する工程;
    j)第4の測定値A4と、第4の波長λ4における近似曲線(L0)の値およびヘモグロビンに関する第2の理論的吸光度値EH2の和との差に対応する、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1を決定する工程;
    k)ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1が0より大きいかどうかをチェックする工程;ならびに
    l)工程i)におけるチェックにより、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1が0よりも大きいことが明らかになった場合、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1を複数の予め定義されたヘモグロビン濃度レベルのうちの1つに割り当てる工程、ならびに
    m)工程k)におけるチェックにより、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1が0よりも大きいことが明らかになった場合、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1を複数の予め定義されたビリルビン濃度レベルのうちの1つに割り当てる工程、ならびに
    n)第1の測定値A1を複数の予め定義された脂質濃度レベルのうちの1つに割り当てる工程を含む、前記方法。
  2. ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1が0より大きいかどうかを決定するための工程i)におけるチェックにより、前記値が0以下であることが明らかになった場合、ヘモグロビンが存在しないことが確定される、請求項1に記載の方法。
  3. ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1が0より大きいかどうかを決定するための工程k)におけるチェックにより、前記値が0以下であることが明らかになった場合、ビリルビンが存在しないことが確定される、請求項1に記載の方法。
  4. 脂質の吸光度Eに関する近似曲線L0の計算に続いて、反復法を用いて近似曲線L0を補正することによって、脂質の吸光度Eに関する補正された近似曲線LCを作成する、請求項1に記載の方法。
  5. 補正された近似曲線LCの作成のために、
    ・ ヘモグロビンに関する第3の理論的吸光度値EH3、ヘモグロビンに関する第1の理論的吸光度値EH1、第3の波長λ3におけるヘモグロビンに関する吸光度値と第2の波長λ2におけるヘモグロビンに関する吸光度値との比を反映する第2の所定の比例定数を掛け算することによって決定され;また
    ・ ビリルビンに関する第2の理論的吸光度値EB2、ビリルビンに関する第1の理論的吸光度値EB1、第2の波長λ2におけるビリルビンに関する吸光度値と第4の波長λ4におけるビリルビンに関する吸光度値との比を反映する第3の所定の比例定数を掛け算することによって決定され;また
    ・ 脂質に関する第1の理論的吸光度値EL1補正は、第2の測定値A2と、ヘモグロビンに関する第3の理論的吸光度値EH3およびビリルビンに関する第2の理論的吸光度値EB2の和との差に対応して、決定される、
    請求項4に記載の方法。
  6. 脂質の吸光度Eに関する補正された近似曲線LCは、第4の波長λ4における第4の測定値A4と近似曲線(L0)の値( Lλ4 )との間の差、および第4の測定値A4から形成された、式
    Figure 0007373315000016
    で表される(VL)が、0.2よりも大きいことが確定された場合にのみ作成される、請求項4に記載の方法。
  7. 第1の波長λ1は、600nm~660nmの範囲内であり、第2の波長λ2は、320nm~360nmの範囲内であり、第3の波長λ3は、540nm~580nmの範囲内であり、第4の波長λ4は、380nm~440nmの範囲内である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 第1の波長λ1は660nmであり、第2の波長λ2は340nmであり、第3の波長λ3は575nmであり、第4の波長λ4は405nmである、請求項7に記載の方法。
  9. 体液試料は、血清または血漿である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 多数の波長の光の体液試料へのトランス照射は、レーザーもしくは発光ダイオードを使用して、または種々の光学フィルターを有する光源を使用して達成され、多数の測定値(A1;A2;A3;A4)は、光検出器を使用して獲得される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の方法工程a)~e)を実行するように設計された測定デバイスを含む自動分析器であって、脂質、ヘモグロビンおよびビリルビンを定量的に決定するための、請求項1に記載の残りの方法工程を実行するように設計された計算デバイスをさらに含むことを特徴とする、前記自動分析器。
  12. 測定デバイスは、少なくとも1つの光源および複数の光学フィルターおよび少なくとも1つの光検出器を含む、請求項11に記載の自動分析器。
  13. 測定デバイスは、複数の光源、好ましくは複数の発光またはレーザーダイオード、および少なくとも1つの光検出器を含む、請求項11に記載の自動分析器。
  14. 測定デバイスは、少なくとも4つの光源を含み、第1の光源は、600nm~660nmの範囲内の波長の光を放出し、第2の光源は、320nm~360nmの範囲内の波長の光を放出し、第3の光源は、540nm~580nmの範囲内の波長の光を放出し、第4の光源は、380nm~440nmの範囲内の波長の光を放出する、請求項13に記載の自動分析器。
  15. 第1の光源は、660nmの波長の光を放出し、第2の光源は、340nmの波長の光を放出し、第3の光源は、575nmの波長の光を放出し、第4の光源は、405nmの波長の光を放出する、請求項14に記載の自動分析器。
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