JP2007127661A - 分光光度計をカリブレーションする方法 - Google Patents

分光光度計をカリブレーションする方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第2の装置を簡単に正確にカリブレートする方法を提供する。
【解決手段】第2の装置に、一次カリブレーションセットからのサンプルの吸光度を使用して生成された少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを組み込むことを含む。吸光度は、1台または複数の第1の装置から得られ、オプションとしては、一次カリブレーションアルゴリズムを生成する前に前処理される。将来のサンプルの吸光度値は、第2の装置で、標準の波長のセットからの1つまたは複数の波長において測定され、将来のサンプル内の検体の濃度は、一次カリブレーションアルゴリズムを第2の装置から得られた将来のサンプルの吸光度に適用することによって計算され、第2の装置から得られた将来のサンプルの吸光度は、オプションとしては前処理される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、サンプル内の検体の濃度を分光光度計で決定する分野に関する。本発明はさらに、分光光度計をカリブレートする方法に関する。特に、その方法は血清と血漿の中の干渉物質を測定するように設計された分光光度装置のカリブレーションに関する。
全血の血清または血漿に対して、臨床検査が日常的に行われている。通常のアッセイでは、遠心分離によって赤血球が血漿から分離される。赤血球と種々の血漿タンパクは、遠心分離の前に血液を凝固させることによって、血清から分離することもできる。ヘモグロビン(Hb)、脂質の粒子などの光散乱性物質、胆汁色素ビリルビン(BR)、胆緑素(BV)は、分光測定や他の血液分析測定と干渉し、影響を与える典型的な物質であり、干渉物質と呼ばれる。これらの干渉物質が存在すると、血清または血漿に行われる検査に影響を与え、サンプルの完全性が損なわれる恐れがある。
目視検査を行って血清内と血漿内に干渉物質が存在するかどうかを決定することができるが、この方法は観察者の経験と知識に頼っているので信頼性が低い。装置または機器を使用した血清と血漿内の干渉物質の測定、すなわち、試料の完全性の評価は、目視検査にとって代わるものであり、干渉物質は装置に対する検体とみなすことができる。干渉物質の測定方法は、WO9838961号及びWO9839634号において教示されている。このような干渉物質の濃度の決定から得られる定量化は特定のカリブレーションアルゴリズムに基づいて報告するため、毎日カリブレーションを行い、カリブレーション性能を監視する必要がある。
多くの血液分析装置とは異なり、血清または血漿のサンプルにある検体または干渉物質の濃度を測定するために使用される、試薬を使用しない分光光度計のカリブレーションは、やっかいで時間のかかる作業である。干渉物質の濃度を決定する目的で使用される各装置は、たとえば、本明細書の「一次カリブレーション」というタイトルのセクションで説明されるプロセスなど、当業界で知られた手順にしたがってカリブレートしなければならず、装置の寿命全体にわたって、かなりな時間とコストがかかる可能性がある。さらに、多数のサンプルの測定を行なうために多数の装置が必要な設定では(たとえば血液バンクなど)、カリブレーションに必要な時間は、品質管理プロセスの効率に大変な重荷になる可能性がある。
Martinek (「J. Amer. Med. Technol.」1978年7、8月、210ページから216ページ)は、勾配補正とバイアス補正を使用して1台の分光光度計を補正し、別の分光光度計に一致させる液体吸光度標準が含まれる、フォトメトリック補正の方法を教示している。この方法は、試薬が必要な検査方法にも使用することができる。
米国特許第4,866,644号は、第2の装置をカリブレートして、検査サンプルがあたかも第1の装置で検査されたかのように結果を生成する方法を教示している。この方法は、フォトメトリック補正と、各インデックスポイントに関する波のシフトを計算する数学的なプロセスと組み合わせている。波のシフトは2つの装置上の複数のサンプルについて決定された測定値を評価することから導出される。第2の装置の挙動を第1の装置の挙動と同様にするために、波のシフトは、第2の装置の既存の波長カリブレーションテーブルに補正として適用される。米国特許第4,866,644号では、同じ波長を、各機器の同じ対応するインデックスポイントに割り当てている。したがって第2の機器の新しい波長カリブレーションテーブルを導出せず、第2の機器で波のシフト補正が決定されると各測定に適用される。
Ozdemir Dら(「Applied Spectroscopy Volume 52, No. 4」1998年、599ページから603ページ)は、複数の機器から得られたカリブレーションデータを、一次カリブレーションアルゴリズムの生成に含めることを教示した、「ハイブリッドカリブレーションモデル」と呼ばれる、カリブレーション転送の代替となる方法を記述している。
WO94/08225号は、第2の装置または再カリブレートされた装置の一次カリブレーションアルゴリズムの定数を修正し、制御されている第1の装置と一貫した結果を生むことを含んだ方法を開示している。この方法の限界は、「連立方程式」という数学的な系を使用して、一次カリブレーションアルゴリズム内の各項の新しい定数を生成するので、必要となるサンプルの数が、一次カリブレーション等式に使用される項の数より少なくとも1つ多くなければならないということである。さらに、新しい定数を生成するために、カリブレータの化学的または物理的な性質など、予想された従属変数が必要である。
WO97/47942は、安定したサンプルのセットを検査することを含む、第2の装置が検査サンプルの結果を第1の装置で検査したかのように生成する方法を教示している。安定したサンプルの吸収スペクトルは、第1と第2の両方の装置で検体の吸収スペクトルと似ており、一次カリブレーションアルゴリズムを適用した後に検体の濃度を予想する。この方法は、たとえば、カリブレータの化学的または物理的な性質など予想された従属変数を必要としている。両方の装置によって予想される検体の結果を使用して、検査サンプルの各検体予想の勾配とバイアスの補正を実行する。カリブレーションのセットは、検体と似た吸収スペクトルを有する性質を必要とする。
第2の装置を簡単に正確にカリブレートし、制御されなくなった第1または第2の装置を再カリブレートする方法が必要である。
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服することである。
上記の目的は、主クレームの特徴の組み合わせによって達成でき、サブクレームは、本発明の実施形態のさらなる利点を開示する。
発明の概要
本発明は、サンプル内の検体の濃度を分光光度計で決定する分野に関する。本発明はさらに、分光光度計をカリブレートする方法に関する。この方法は、血清と血漿内の干渉物質を測定するように設計された分光光度計のカリブレーションに使用することができる。本発明はまた、第1の装置から第2の装置にカリブレーションアルゴリズムを転送する方法であって、オプションとしてデータ前処理技術、フォトメトリック補正を使用する方法にも関する。
本発明の発明者は、所与の検体に関して、「第1の装置」のために作成された「一次カリブレーションアルゴリズムを「第2の装置」に転送できることを発見した。したがって、第2の装置に、やっかいで時間のかかる一次カリブレーションプロセスを行う必要はない。
本発明の1態様によれば、「制御されている」ことが知られた第1の装置を使用して、吸光度の値をバッチまたはロットからの「カリブレータのセット」に割り当て、任意の第2の装置は、「カリブレーションアルゴリズム転送」のプロセスによって迅速にカリブレートすることができ、「一次カリブレーションアルゴリズム」を、サンプルの補正され補間された吸光度の測定値に適用することによって、サンプル内の検体の濃度を決定することができる。したがって、本発明は、第1の装置が割り当てた吸光度を伴うカリブレータのセットを使用して第2の装置をカリブレートする方法を提供する。
本発明のさらに別の態様によれば、「線形回帰等式」を使用して第2の装置上で得られたサンプルの吸光度を調節し、制御されている第1の装置の吸光度と正規化する(フォトメトリック補正)方法も提供される。
本発明は、第2の装置内のサンプルの1つまたは複数の検体の濃度を決定する方法(A)を提供する。この方法は、
(i) 標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関して得られた吸光度のオーダ導関数を使用する、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを第2の装置に組み込むことと、
(ii) 第2の装置上で標準の波長のセットからの1つまたは複数の波長でサンプルの吸光度値を測定することと、
(iii) 吸光度値のオーダ導関数を得て、
a) オーダ導関数がゼロでない場合、一次カリブレーションアルゴリズムを、得られた吸光度のオーダ導関数に適用することによって、オーダ導関数を使用してサンプル内の検体の濃度を計算し、
b) オーダ導関数がゼロである場合、一次カリブレーションアルゴリズムを吸光度値に適用することによって、サンプル内の検体の濃度を計算することとを含む。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))と得るステップ(ステップ(iii))において、オーダ導関数はゼロのオーダ、第1のオーダ、第2のオーダ、または、第3のオーダである、上記に定義された方法(A)に関する。さらに、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術を使用して、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために吸光度の測定値を処理することができる。多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される。また、本発明は、測定ステップ(ステップ(ii))に続いてデータ前処理ステップを提供し、データ前処理は、補間された吸光度の計算、吸光度の平滑化、吸光度のうち第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、多重散乱補正、データ変換、フォトメトリック補正、およびこれらの任意の組み合わせからなるグループから選択される。
本発明は、第2の装置が、第1の装置の中の第1の線形ダイオードアレイと同じ数のピクセルを含む、第2の線形ダイオードアレイを備える、上記の方法(A)を提供する。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、標準の波長のセットは、第1の装置の波長カリブレーションテーブル、第2の装置の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の装置の波長カリブレーションテーブルから導出された概算の波長のセットである、上記の方法(A)を含む。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、標準の波長のセットは、一次カリブレーションアルゴリズムを得るために使用される第1の装置と第2の装置との両方の波長カリブレーションテーブルに共通な波長を含む、上記の方法(A)に関する。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))において、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムは、第1の装置と1台または複数の同様な装置で測定された1つまたは複数の一次カリブレータから得られた測定値の組み合わせから生成される、上記の方法(A)を含む。
本発明はまた、標準の波長のセットは、約300nmから約2500nmの波長を含むか、または、標準の波長のセットは、約500nmから約1100nmの波長を含む、上記の方法(A)に関する。
本発明は、測定のステップ(ステップ(ii))において、フォトメトリック補正が行われる、上記の方法(A)を含む。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、標準の波長のセットは、第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルから導出された概算の波長のテーブルを作成することによって得られ、第1の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号と、第2の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号は、第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセルよりも小さいか、約±Nピクセルに等しくなければならず、上式でNは約±20nm以下の波長の範囲を囲むピクセルの数であり、第1の装置の基準ピクセル番号は知られた波長の電磁放射と関連づけられる、上記の方法(A)を提供する。
本発明は、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(i) 知られた波長の第1の電磁放射を、第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
(ii) 第1の電磁放射とは異なる波長を有する知られた波長の第2の電磁放射を使用して、第2の電磁放射を第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
(iii) 第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルとを識別し、
(iv) 第1または第2の線形ダイオードアレイのピクセル分散を計算し、
(v) ピクセル分散並びに知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセル、または、知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(A)を含む。
本発明はまた、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(a) 知られた波長の電磁放射を第1の装置または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
(b) ピクセルのピクセル番号を識別し、
(c) 既定のピクセル分散、知られた波長の電磁放射、およびピクセル番号を使用する第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために、線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(A)を含む。
本発明は、第2の装置内でサンプル内の1つまたは複数の検体の濃度を決定する方法(B)を提供し、この方法は、
(i)標準の波長のセットの波長は第2の装置の波長カリブレーションテーブルの波長と同じである、標準の波長のセットのうちの少なくとも1つに関して得られた吸光度のオーダ導関数を使用する少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを第2の装置に組み込むことと、
(ii) 第2の装置で、標準の波長のセットからの1つまたは複数の波長においてサンプルの吸光度値を測定することと、
(iii) 吸光度値のオーダ導関数を得て、
a) オーダ導関数がゼロでない場合、一次カリブレーションアルゴリズムを得られた吸光度のオーダ導関数に適用することによって、オーダ導関数を使用し、サンプル内の検体の濃度を計算することと、
b) オーダ導関数がゼロである場合、一次カリブレーションアルゴリズムを吸光度値に適用することによって、サンプル内の検体の濃度を計算することとを含む。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))において、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムは、第1の装置および1台または複数の同様な装置で測定された1つまたは複数の一次カリブレータから得られた測定値の組み合わせから生成される、上記の方法(B)を含む。
本発明はまた、組み込むステップ(ステップ(i))と得るステップ(ステップ(iii))において、オーダ導関数は、ゼロのオーダ、第1のオーダ、第2のオーダ、または、第3のオーダである方法(B)を含む。
本発明はまた、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するための吸光度測定を処理するために、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術を使用し、多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される、上記の方法(B)に関する。さらに、データ前処理ステップが方法(B)の測定ステップ(ステップ(ii))に続き、データ前処理は、補間された吸光度の計算、吸光度の平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、多重散乱補正、データ変換、フォトメトリック補正、およびこれらの任意の組み合わせからなるグループから選択される。
本発明は、測定のステップ(ステップ(ii))において、フォトメトリック補正が行われる上記の方法(B)を含む。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、標準の波長のセットは、第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルから導出された概算の波長のテーブルを作成することによって得られ、第1の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号と、第2の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号は、第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセルよりも小さいか、約±Nピクセルに等しくなければならず、上式でNは約±20nm以下の波長の範囲を囲むピクセルの数であり、第1の装置の基準ピクセル番号は知られた波長の電磁放射と関連づけられる、上記の方法(B)に関する。
本発明は、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(i) 知られた波長の第1の電磁放射を、第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
(ii) 第1の電磁放射とは異なる波長を有する知られた波長の第2の電磁放射を使用して、第2の電磁放射を第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
(iii) 第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルとを識別し、
(iv) 第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算し、
(v) ピクセル分散並びに知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセルまたは知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために、第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(B)を提供する。
本発明はまた、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(a) 知られた波長の電磁放射を第1または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
(b) ピクセルのピクセル番号を識別し、
(c) 既定のピクセル分散、知られた波長の電磁放射、およびピクセル番号を使用して第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(B)に関する。
本発明はまた、第2の装置のサンプルの中の少なくとも1つの検体の濃度を決定する方法(C)を提供し、この方法は、
(i) 少なくとも1つの更新された一次カリブレーションアルゴリズムは、標準の波長のセットのうち少なくとも1つに関して1台または複数の第1の装置から得られた元の一次カリブレーションデータのセットを、第2の装置からの追加のデータを組み合わせることによって得られ、第2の装置からの追加のデータは、標準の波長のセットのうち少なくとも1つについて、一次カリブレーションのより小さな同様のセット、一次カリブレーションセットのサブセット、またはこの両方を使用して得られる、少なくとも1つの更新された一次カリブレーションアルゴリズムを第2の装置に組み込むことと、
(ii) 第2の装置上で標準の波長のセットからの少なくとも1つまたは複数の波長におけるサンプルの吸光度値を測定することと、
(iii) 吸光度値のオーダ導関数を得て、
a) オーダ導関数がゼロでない場合、一次カリブレーションアルゴリズムを得られたオーダ導関数に適用することによってオーダ導関数を使用してサンプル内の検体の濃度を計算し、
b) オーダ導関数がゼロの場合、一次カリブレーションアルゴリズムを吸光度値に適用することによって、サンプル内の検体の濃度を計算することとを含む。
本発明はまた、組み込むステップ(ステップ(i))と得るステップ(ステップ(iii))において、オーダ導関数は、ゼロのオーダ、第1のオーダ、第2のオーダ、または、第3のオーダである、上記の方法(C)を含む。
本発明はまた、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するための吸光度測定を処理するために、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術を使用し、多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される、上記の方法(C)に関する。さらに、データ前処理ステップが方法(B)の測定ステップ(ステップ(ii))に続き、データ前処理は、補間された吸光度の計算、吸光度の平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、多重散乱補正、データ変換、フォトメトリック補正、およびこれらの任意の組み合わせからなるグループから選択される。
本発明は、測定のステップ(ステップ(ii))において、フォトメトリック補正が行われる、上記の方法(C)を含む。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、標準の波長のセットは、第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルから導出された概算の波長のテーブルを作成することによって得られ、第1の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号と、第2の装置の第2の線形ダイオードアレイのピクセル番号は、第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセルよりも小さいか、約±Nピクセルと等しくなければならず、上式でNは約±20nm以下の波長の範囲を囲むピクセルの数であり、第1の装置の基準ピクセル番号は知られた波長の電磁放射と関連づけられる、上記の方法(C)に関する。
本発明は、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(i) 知られた波長の第1の電磁放射を、第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
(ii) 第1の電磁放射とは異なる波長を有する知られた波長の第2の電磁放射を使用して、第2の電磁放射を第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
(iii) 第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルとを識別し、
(iv) 第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算し、
(v) ピクセル分散並びに知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセルまたは知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために、第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(C)を提供する。
本発明はまた、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(a) 知られた波長の電磁放射を第1または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
(b) ピクセルのピクセル番号を識別し、
(c) 既定のピクセル分散、知られた波長の電磁放射、およびピクセル番号を使用する第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために、線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(C)を提供する。
本発明はまた、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するための吸光度測定を処理するために、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術を使用し、多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される、上記の方法(D)を含む。
本発明は、組み込むステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、標準の波長のセットは、第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の波長カリブレーションテーブルの両方から導出された概算の波長のテーブルを作成することによって得られ、第1の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号と、第2の装置の第2の線形ダイオードアレイのピクセル番号は、第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセルよりも小さいか、約±Nピクセルに等しくなければならず、上式でNは約±20nm以下の波長の範囲を囲むピクセルの数であり、第1の装置の基準ピクセル番号は知られた波長の電磁放射と関連づけられる、上記の方法(D)を提供する。
本発明は、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(i) 知られた波長の第1の電磁放射を、第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
(ii) 第1の電磁放射とは異なる波長を有する知られた波長の第2の電磁放射を使用して、第2の電磁放射を第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
(iii) 第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルとを識別し、
(iv) 第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算し、
(v) ピクセル分散並びに知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセルまたは知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために、第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(D)に関する。
本発明はまた、第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルが、
(a) 知られた波長の電磁放射を第1または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
(b) ピクセルのピクセル番号を識別し、
(c) 既定のピクセル分散、知られた波長の電磁放射、ピクセル番号を使用する第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために、線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる、上記の方法(D)を提供する。
本発明の別の態様では、「カリブレーションアルゴリズム転送」でカリブレートされたが、制御されなくなった第2の装置を、制御されていることが知られている第1の装置が割り当てた吸光度または吸光度の値であるカリブレータのセットを使用して「再カリブレーション」することができる。また、本発明は、任意の第2の装置と同じ方法で第1の装置を再カリブレーションする方法をも提供する。
また発明者は、カリブレーションアルゴリズム転送と、これに続く検体濃度の決定のプロセスは、一次カリブレーションアルゴリズム内の吸光度のオーダの導関数を使用して達成できることを発見した。ここで、選択された波長(複数可)における一次カリブレーションアルゴリズムで使用された吸光度の導関数のオーダが、同じ波長(複数可)における吸光度で見られる装置間の有意の変動を含まなければ、吸光度補正または「フォトメトリック補正」は必要ではない。装置間の吸光度の変動は、吸光度の導関数のオーダを使用することによって、所定の「吸収スペクトルのセクション」内で最小化することができる。
本発明は、装置を設計したときの目的であった代表的なサンプルを必要としない第2の装置内で一次カリブレーションアルゴリズムを使用する、簡単で信頼性のある方法を提供するための方法を提供する。第2の装置をカリブレートするために使用される標準のサンプルは、すべての関連する波長において吸光度の範囲を生成する任意の安定したサンプルであってもよい。
先行技術は、吸光度の導関数を使用して第1の装置をカリブレートする方法を教示するが、発明者の知る限りでは、吸光度の導関数から導出され、第1の装置に関して得られたカリブレーションアルゴリズムを使用して、第2の装置から検体の濃度を得る方法を教示した先行技術はない。
本発明の概要は、本発明のすべての必要な機能を必ずしも記述するものではなく、本発明は、説明された特徴の副組み合わせ内にもある。
本発明の他の機能と利点は、次の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし当業者であれば、この詳細な説明から本発明の精神と範囲内の種々の変形例と修正例が明らかであるため、詳細な説明と特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示すが例示的な目的で与えられたものに過ぎないことを理解されたい。
次に、本発明を次の図面に関して説明する。
図1は、第1の装置上で検査した、4つの異なる合成カリブレータの吸収スペクトルをグラフで表した図である。
図2は、第2の装置上で検査した、4つの異なる合成カリブレータの吸収スペクトルをグラフで表した図である。
図3は、第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、500nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。
図4は、第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、550nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。
図5は、第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、600nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。
図6は、第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、650nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。
図7は、第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、700nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。
図8は、第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、750nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。
図9は、標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルをグラフで表した図である。
図10は、標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第一次導関数をグラフで表した図であり、吸収スペクトルは図9に示されている。
図11は、例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。
図12は、例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。
図13は、例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。
図14は、例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。
図15は、例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。
図16は、標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第二次導関数をグラフで表した図である。
図17は、標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第二次導関数をグラフで表し、装置#6の吸光度の第二次導関数を右に2ピクセルシフトさせた図である。
図18は、標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第一次導関数をグラフで表し、装置#6の吸光度の第一次導関数を右に2ピクセルシフトさせた図である。
図19は、標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第3の導関数をグラフで表した図である。593nmと608nmと示された波長は、吸光度の第一次導関数を使用した時に、ヘモグロビンに関する例2のカリブレーションアルゴリズムで使用した。
次の説明は例としての好ましい実施形態に関するが、本発明を実施するために必要な機能の組み合わせを限定するものではない。
少なくとも1つの検体の濃度を測定するために使用する第1の装置をカリブレートするために使用する方法は、一次カリブレーションと呼ばれる。一次カリブレーションは複雑なプロセスであり、「一次カリブレーション」というタイトルで説明する。一次カリブレーションは複雑なので、すべての装置について行うことは望ましくない。
本発明は、ある装置が一次カリブレーションのプロセスでカリブレートされたように機能することを可能にし、その装置を、第1の装置が一次カリブレーションによってカリブレートされた方法と同じ方法でカリブレートする必要をなくすることを可能にする、簡単な代替の方法を提供する。第1の装置と第2の装置は似ていることが望ましい。本発明にはいくつかの態様があり、その中には、
i)カリブレーションアルゴリズムの転送
ii)再カリブレーション
iii)カリブレーション
iv)オプションとしてデータ前処理を使用する第2の装置のカリブレーション
本発明のこれらの4つの態様と他の態様を次に詳細に説明する。
本発明に関してカリブレータが必要な場合、カリブレータは好ましくは合成カリブレータであるが、本発明を詳細に説明すると明らかになるように、他のカリブレータも使用できる。合成カリブレータに関しては、カリブレーションアルゴリズム転送プロセスの一部は、吸光度をカリブレータのバッチに割り当てる1つの方法を教示する。たとえば第1の装置など、制御されている装置を使用することが好ましい。
第2の装置の使用を含む本発明の第5の態様は次のとおりである。
v) 吸光度をカリブレータの第2のバッチに割り当てる。
吸光度をカリブレータの第2のバッチに割り当てる方法を説明する。元の一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)を使用することができ、一次カリブレーションのプロセスを避けることができる。
第1と第2の装置は電磁放射の吸収を使用して、1つまたは複数のサンプル内の検体を測定する。この用途全体で、電磁放射の吸収を介した測定値を参照する。吸光度を使用する方法が好ましいが、本発明は吸光度に限定されるものではなく、たとえば反射率や透過率などの他の手段による測定も本発明の範囲に含まれる。
明確化のために、開示に使用される技術用語を次に定義する。
「実際の波長」という用語は、波長カリブレーションテーブルからの波長を意味する。
「検体」という用語は、サンプル内で測定される物質を意味する。
「吸光度」という用語は、当業界で知られるように、サンプルが反射または透過した光の量から計算された測定値を意味する。
「割り当てられた吸光度」または「割り当てられた吸光度の測定値」または「割り当てられた吸光度の値」という用語は、第1の装置が制御されているときに第1の装置で吸光度が測定されたカリブレータの補間された吸光度か、カリブレータの第2のバッチの調節され補間された吸光度を意味する。
「実際の吸光度」または「測定された吸光度」という用語は、吸光度値、吸光度の測定値、または単に、装置の波長カリブレーションテーブルからの波長において装置が提供したサンプルまたはカリブレータの吸光度を意味する。
「調節され補間された吸光度」という用語は、フォトメトリック補正が特に補間された吸光度に適用された後の、補間された吸光度の値を意味する。
「血液バッグチュービング」という用語は、全血を含む第1のプラスチックバッグと、第1のバッグから得られた血漿を含む第2のプラスチックバッグを接続するチュービングを意味する。このチュービングとバッグは、透明かまたは半透明の軟質プラスチックで作成することができる。
「カリブレーションセット」、「カリブレータのセット」、または、「カリブレータ」という用語は、2つまたは2つ以上のカリブレータサンプルを意味する。制御されている第1の装置を使用して得られた補間された吸光度と、第2の装置を使用して得られた補間された吸光度に基づいて1つまたは複数の第1の線形回帰等式を生成するのに適した任意のタイプのカリブレータを使用することができる。
「カリブレーション」という用語は、組み込まれた少なくとも1つの有効な一次カリブレーションアルゴリズムを有しない装置内に少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを組み込むプロセスと、装置内に1つまたは複数の第2の線形回帰等式を確立し組み込むプロセスとを意味する。カリブレーションは第1の装置を必要としない。典型的には、装置が、少なくとも1つの有効な関連する一次カリブレーションアルゴリズムを組み込んでいない時、その装置のカリブレーションが必要となる。
「カリブレーションアルゴリズム転送」、または「カリブレーションアルゴリズムの転送」という用語は、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムと、1つまたは複数の第1の線形回帰等式を第2の装置に組み込むプロセスを意味する。第1の線形回帰等式はフォトメトリック補正を行うために必要である。カリブレーションアルゴリズム転送には、第1の装置、第2の装置、およびカリブレータのセットが必要である。別に論じる本発明の1態様は、フォトメトリック補正と、他の形態のデータ前処理の使用をオプションとして伴うカリブレーションアルゴリズム転送である。
「データ前処理」は、第1の装置、第2の装置、または第1と第2の両方の装置を含む装置上での検体の測定を容易にするために使用することのできる、分光光度計データの任意の数学的な操作である。本発明を限定するものではないが、データ前処理の例は、サンプルを透過したかまたはサンプルから反射された光の吸光度の計算、補間された吸光度の計算、吸光度の平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、多重散乱補正、データ変換、フォトメトリック補正である。カリブレーションアルゴリズムを生成する前に、任意の1つまたは複数の形態のデータ前処理を使用することができ、任意の1つまたは複数の形態のデータ前処理は、カリブレーションアルゴリズムを適用して検体の濃度を計算する前に、第2の装置からのデータに使用できることを理解されたい。平滑化の非限定的な例は、データの平均化を含む。
「データの転送」は、分光光度計データまたは検体濃度データのいずれかに適用できる任意の数学的な技術である。本発明を限定するものと考えるべきではないが、数学的な技術の例は、分光光度計データのフーリエ変換、検体濃度の対数または真数の計算である。また、平滑化は、たとえばSavitzky and Golay法(Savitzky and Golay、1964年Anal. Chem., 36:1627〜1638)を使用した時のデータ変換とみなせることを理解されたい。
「吸光度の導関数」は、吸収スペクトルのオーダ導関数を意味する。吸光度のゼロオーダの導関数は測定された吸光度である。特定の波長における吸光度の第1のオーダの導関数は、その波長における吸収スペクトルの勾配である。特定の波長における吸光度の第2のオーダの導関数は、その波長における吸収スペクトルの第一次導関数の勾配である。さらに高い吸光度のオーダの導関数(第3、第4など)は、すぐ下のオーダ(第2、第3など)の吸収スペクトルの導関数の勾配を取ることによって同様に得ることができる。特定の波長における吸光度の導関数を計算する方法は、当業界ではよく知られている。特定の波長の吸光度の第一次導関数の計算は、目的の波長を囲む2つの波長において吸光度の差を取ることを含む場合がある。吸光度の導関数を計算する他の方法は、いくつかの異なる波長における吸光度を使用することがあり、ここでは、平滑化が導関数プロセスの不可欠な部分である。平滑化の程度が高くなると、吸収スペクトルまたは吸収スペクトルの導関数における信号の詳細の損失も大きくなることを理解されたい。吸光度の導関数を計算するために使用できる波長の最小数は2つの波長である。平滑化、データ変換、吸光度のオーダ導関数の計算は、データ前処理の非限定的な例である。他の形態のデータ前処理を、吸光度のオーダ導関数を計算する前または計算した後のいずれかに実行してもよく、多重散乱補正が含まれるがこれに限定されるものではない。
「離散波長」という用語は、単一の波長を意味する。
「第1の吸光度」という用語は、第1の装置で測定された吸光度を意味する。
「第1の装置」という用語は、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用された装置を意味する。
「第1の線形回帰等式」という用語は、カリブレーションアルゴリズム転送プロセスの間、第1の装置と第2の装置との両方の、カリブレータのセットから得られた吸光度から得られた、「y=mx+c」という形の等式であり、「m」は勾配であって「c」はy切片である。
「完全スペクトル」という用語は、全スペクトルを含む全スペクトルまでの、吸収スペクトルの連続的なセクションまたは吸収スペクトルの導関数を意味する。たとえば、部分最小二乗(「PLS」)分析または主要構成要素分析(PCA)を使用した一次カリブレーションアルゴリズムを決定するために、全スペクトルにわたる一次カリブレータの吸光度を使用することができるが、これは例であって本発明を限定するものと考えるべきではない。全スペクトルのセクションはPLS分析またはPCAにも使用できることを理解されたい。
「補間された吸光度」という用語は、標準の波長のセットのうち特定の波長に関する吸光度値を意味する。標準の波長のセットのうち特定の波長が、線形ダイオードアレイのピクセルにすでに割りあてられている波長と同じである場合、すなわち、波長カリブレーションテーブルの波長と同じである場合、補間された吸光度は測定された吸光度と同じである。しかし、特定の波長がピクセルに割り当てられた波長と異なる場合、その特定の波長における補間された吸光度の値は、波長が1つまたは複数の標準の波長を囲む少なくとも2つの隣接するピクセルについて測定された吸光度値から推定される。「補間された吸光度」という用語は、波長カリブレーションテーブルが標準の波長のセットと同じである時に適用され、また、波長カリブレーションテーブルが標準の波長のセットとは異なる時にも適用される、すなわち、補正の必要があってもなくても適用されることに注意されたい。
装置が「制御されている」という用語は、装置が、1つまたは複数の所与の波長に対して既定の許容可能な範囲内にする吸光度測定値を生成するか、または、1つまたは複数の検体に関して規定の許容可能な範囲である予想された検体値を生成する時に使用される。
「干渉物質」という用語は、検体が特に血清または血漿のサンプルなどのサンプルの中に存在すると、別の検体(複数可)の存在の決定および/または定量化に干渉する検体を意味する。
「マッピング」という用語は、補間された吸光度値を標準の波長と関連づけるプロセスを意味する。
「多重散乱補正」(多重信号補正とも呼ばれる)は、サンプルのセットから得られた分光光度計データ内の光散乱効果の少なくとも一部を除去するために使用できる数学的な技術である。この技術は各スペクトルを、中間スペクトルに可能な限り近づけるように回転させる。この技術については、Martens HとNaes T(多重カリブレーション、1993年、John Wiley & Sonsより刊行)と、Osborne B.G., Fearn TとHindle P.H. (食料品と飲料の分析におけるNIR分光測定の実際の応用。1993年、Longman Scientific & Technicalより刊行)に詳述されている。サンプルセットに対する中間スペクトルは、1台または複数の装置から得られる1つまたは複数のサンプルの測定値を組み合わせて得られることを理解されたい。
「一次カリブレーション波長の最適化」という用語は、最適化された各カリブレーション波長に関して、吸光度の導関数における測定可能な変化を検体の濃度の関数として示し(測定可能な検体信号)、また、低い変動、すなわち、所与の検体濃度に関して装置間の吸光度の導関数において規定の値以下の変動を示す、一次カリブレーション波長(複数可)を選択するプロセスを意味する。低い変動値の例は、予想される検体の濃度の20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満の変動係数(CV)に変換される値を含み、上式で
%CV=(〔標準偏差/平均値〕×100%)
である。
一次カリブレーション波長の最適化は、2つの方法のうち1つによって行うことができ、この2つの方法には次の方法が含まれる。
1) 図9に示されるように、吸収スペクトルと、2台以上の装置で検査されたサンプルの標準の波長のセットをプロットする。図10、図16、図19で、吸光度の第一次導関数、第二次導関数、第三次導関数をそれぞれ例示したように、2台以上の装置で検査されたサンプルの吸光度の導関数をプロットする。標準の波長のセットのうち、吸光度の導関数において低い変動を示し、また、測定可能な検体信号を伴い、好ましくは、吸光度の導関数の最小の変動と測定可能な検体信号を伴う、1つまたは複数の波長を目視で選択する。
2) 多重線形回帰を使用して一次カリブレーションアルゴリズムを生成するとき、吸光度または吸光度の導関数において最小の変動を示す波長を選択するために使用される方法は、2台または2台以上の装置において一次カリブレーションのセットを検査することであり、好ましくはこの装置は、吸光度と波長の変動の期待される限度を示し、一次カリブレーションデータセットにおいてすべての装置からのデータを使用する。一次カリブレーションアルゴリズムを準備するために使用されるソフトウェアツールの例は、段階的多重線形回帰と呼ばれるプロセスによってカリブレーションアルゴリズムを作成するために使用されるStatViewTMである。段階的多重線形回帰では、すべての波長に関する吸光度または吸光度測定値の導関数をStatViewTMプログラムに提示し、特定の検体に対する一次カリブレーションアルゴリズムが一次カリブレーションセットのサンプルの検体濃度をどの程度よく予想できるかに基づいて、吸光度の導関数において変化の基準と低い変動を満足させる波長だけを一次カリブレーションアルゴリズムのために選択する。さらに、カリブレーションアルゴリズムにもっとも寄与しない波長は、少なくとも所望の数の波長が残るまで除去される。波長(複数可)が選択されると、好ましくは、第1の装置から生成されたデータだけを、既定の波長(複数可)を使用した最終的な一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用すべきである。好ましくは、導出された波長の数よりも多い波長がStatViewTMソフトウェアに渡され、データは第1の装置からだけであり、さらに、所望の数の波長が残るまで、基準を満たさない波長を除去すべきである。
「一次カリブレーション」という用語は、検体に関して第1の装置に対して、オプションとしては、複数の第1の装置に対して一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用されるプロセスを意味する。カリブレーションに使用されるサンプルセットは比較的多く、サンプルは自然のサンプルであるか自然のサンプルに非常に近い。一次カリブレーションセットは、ロバストなカリブレーションアルゴリズム(複数可)を生成するために、サンプル内で期待されるすべての変動を含むべきである。さらに、装置間の変動も含むよりロバストなカリブレーションアルゴリズム(複数可)を生成するために、一次カリブレーションセットの1つまたは複数のサンプルを、1台または複数の第1の装置上で測定して組み合わせてもよい。このようなカリブレーションアルゴリズムは、1台または複数の同様な装置から得られた測定値の組み合わせを使用して生成される。任意の形態の統計データ分析と、オプションとしては、任意の形態のデータ前処理を、検体の予想に求められる精度に応じて使用することができ、その中にはたとえば、平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、フォトメトリック補正、データ変換、吸光度の補間、または多重散乱補正が含まれるが、これらに限定されるものではない。たとえば、複数の第1の装置からのデータを含めることにより、多くの第2の装置にわたって、より低いレベルの精度とより低いレベルの正確さ(低い精度とは低い正確さということである)が得られる。このようなタイプの一次カリブレーションは、サンプル内に検体が存在するかしないかについて単に「はい/いいえ」という答えだけが必要である場合に適しており、本発明の範囲に含まれる。
別の実施形態では、一次カリブレーションセットと同様なサンプルのより小さなセット、または、一次カリブレーションセットのサブセット、またはこの両方は、第2の装置で測定することができ、一次カリブレーションセットからの元のデータの一部または全部と組み合わされたデータが、1つまたは複数の「更新された一次カリブレーションアルゴリズム」を生成することができる。
「一次カリブレーションセット」という用語は、一次カリブレーションのために使用されるサンプルを意味する。
「一次カリブレーション波長(複数可)」という用語は、一次カリブレーションアルゴリズムで使用される波長(複数可)を意味する。
「ピクセル分散」という用語は、通常はピクセルごとにナノメートル(nm)で測定された、線形ダイオードアレイの2つの隣接するピクセルが囲む波長を意味する。たとえば、波長カリブレーションについて600nmと900nmの2つのレーザが使用され、これらがそれぞれピクセル20とピクセル220に投射される場合、300nm(すなわち900nm−600nm)が、200ピクセル(すなわち220−20ピクセル)で囲まれたことになる。したがってピクセル分散は、1ピクセルにつき1.5nmと計算される(すなわち300nmを200ピクセルで割る)。割り当てられたピクセル分散は次のステップによってあらかじめ決定できる。
(i) 知られた波長の第1の電磁放射を、好ましくは線形ダイオードアレイの1つの端に向かう線形ダイオードアレイの第1のピクセルに投射する。
(ii) 第1の電磁放射とは異なる知られた波長の第2の電磁放射を使用して、好ましくは線形ダイオードアレイの反対の端に向かう第2の電磁放射を第2のピクセルに投射する。
(iii) 線形ダイオードアレイの第1のピクセルと第2のピクセルを識別する。
(iv) 上記のようにピクセルごとまたはピクセルごとの任意の波長ユニットのピクセル分散をナノメートルで計算する。
(v) ステップ(iv)で計算されたピクセル分散値を既定のピクセル分散として使用するか、好ましくは、同様の線形ダイオードアレイを伴う1台または複数の装置でステップ(i)から(iv)を繰り返し、平均のピクセル分散を規定のピクセル分散として使用する。
「フォトメトリック補正」または「吸光度調節」という用語は、サンプルの吸光度が別の装置で検査されたように見せるために、1台の装置で検査されたサンプルの吸光度に対して行われた調節を意味する。フォトメトリック補正の量は、第1と第2の線形回帰等式の勾配とy切片によって決定される。フォトメトリック補正の結果の吸光度は、調節された吸光度または補正された吸光度と呼ばれる。
「予想された値」という用語は、検体に関する一次カリブレーションアルゴリズムが分光光度計データに適用され、オプションとしてはサンプルの前処理を行った時に得られる検体の値を意味する。一次カリブレーションアルゴリズムは、従属変数として検体の予想された値と、定数、および好ましくは定数と項の線形合計である1つまたは複数の項とを含む等式である。好ましくは例に示されるように、各項は定数と独立変数の積である。非線形一次カリブレーションアルゴリズムの使用は本発明の範囲に含まれることを理解されたい。独立変数は、標準波長におけるサンプルの吸光度であり、吸光度はオプションとしては前処理されている。
「関連する一次カリブレーションアルゴリズム」という用語は、特定の検体、特に装置内にインストールされた検体に関する、一次カリブレーションアルゴリズムを意味する。一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)に使用される波長(複数可)にかかわらず、一次カリブレーションアルゴリズムは各検体に関して必要であり、1つまたは複数の一次カリブレーションアルゴリズムを装置内にインストールすることができる。
「再カリブレーション」という用語は、すでに少なくとも1つの有効な一次カリブレーションアルゴリズムが組み込まれた装置において、1つまたは複数の第2の線形回帰等式を確立し組み込むプロセスを意味する。典型的には、装置の再カリブレーションは、装置が「制御されていない」時に必要となる。
「サンプル(複数可)」という用語は、分光光度計で測定できる1つまたは複数の性質を示す、生物または無生物の液体または固体を意味する。サンプルは、典型的には1つまたは複数の検体を含む。サンプルは、1つまたは複数の波長のエネルギが、サンプル内の検体によって、透過するか、吸収されるか、散乱されるか、反射されるか、またはこれらの組み合わされた効果を示すという点で特徴づけられる。サンプルの例は、カリブレータ、血清または血漿、たとえば指、腕、耳たぶなどの身体の一部、または、医薬品の錠剤などを含むが、これらに限定されるものではない。
たとえば吸収スペクトルなどカーブの「平滑化」という用語は、数学の関数をデジタルデータに適用し、「連続的なスペクトル」を生成してスペクトル内の「ノイズ」を低減することを意味する。種々の程度の平滑化をカーブに適用することができる。平滑化の代償として検体信号が失われる場合がある。
「第2の装置」という用語は、第1の装置と同様に機能できる装置を意味するが、第2の装置は第1の装置をカリブレートした方法と同じ方法、すなわち、一次カリブレーションによってカリブレートする必要はない。場合によっては、一次カリブレーションセットと同様なサンプル、または、一次カリブレーションセットのサブセットを、第2の装置で測定し、更新された一次カリブレーションアルゴリズムを生成することができる。
「第2の線形回帰等式」は、「再カリブレーション」または「カリブレーション」プロセスの間、第1の装置と任意の他の装置の両方について、カリブレータのセットから得られ、補間された吸光度から得られた、「y=mx+c」の形式の等式であり、上式で「m」は勾配、「c」はy切片である。
「第2の吸光度」という用語は、第2の装置で測定された吸光度を意味する。
「吸収スペクトルのセクション」という用語は、波長が連続している複数の波長における吸光度を意味する。
「標準の波長のセット」という用語は、測定された吸光度または実際の吸光度から、補間された吸光度を生成するために使用される、装置特有の波長カリブレーションテーブルと共に、すべての装置が使用する波長のセットを意味する。ある装置で検査されたサンプルの実際の吸光度は、波長カリブレーションテーブルからの波長で測定され、実際の吸光度は標準の波長のセットに補間されマッピングされる。一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、好ましくは、マッピングされた吸光度に適用されるが、特に波長カリブレーションテーブルと標準の波長のセットが同じであるとき、実際の吸光度に適用することもできる。どういう意味でも限定する目的ではないが、標準の波長のセットの例は、2nmのインクリメントの500nmから1100nmの波長を含む。しかし、当業者であれば理解されるように、場合によっては、他の波長範囲とインクリメントを使用することもできる。標準の波長のセットの範囲は、波長カリブレーションテーブルから導出することができ、インクリメントは試行錯誤によって得られる。標準の波長のセットはまた、第1と第2の装置の両方の波長カリブレーションテーブルに共通な波長のセットを確立することによって得られる。また、標準の波長のセットは、第1の装置と第2の装置との両方の波長カリブレーションテーブルの波長を概算する波長のセットを確立することによっても得られる。
「標準の波長」という用語は、標準の波長のセットからの波長を意味する。
「検証セット」という用語は、一次カリブレーションアルゴリズムの予想精度を検査するために使用でき、また、一次カリブレーションアルゴリズムのロバスト性を検査するためにも使用できるサンプルを意味する。
「容器」という用語は、サンプルにおける放射の吸光度、反射率、または、吸光度と反射率の両方の測定を可能にする、好ましくは液体のサンプルを保持することのできる任意の透明または半透明な容器を意味する。容器の例としては、ピペットチップ、チュービング、キュベット、標識のついた試験管、標識のついていない試験管、血液バッグチュービング、任意の透明なサンプル容器、および任意の半透明なサンプル容器を含むが、これらに限定されるものではない。固体のサンプルの場合、容器の代わりにサンプルホルダが必要となる場合がある。
「有効な一次カリブレーションアルゴリズム」という用語は、特に一次カリブレーションアルゴリズムが予想する検体について、制御されている装置を意味する。
「波長カリブレーション」という用語は、分光光度計の線形ダイオードアレイ検出器、電荷結合検出器、または任意の他の同様な装置のカリブレーションを意味し、波長は線形ダイオードアレイまたは電荷結合検出器の各ピクセルに割り当てられる。
「波長カリブレーションテーブル」という用語は、各ピクセルに対応するかまたは各ピクセルに割り当てられた実際の波長を提供するテーブルを意味し、波長カリブレーションの結果である。
本発明は、1台または複数の第1の装置に関して生成された一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)を使用して第2の装置をカリブレートする方法を提供する。一次カリブレーションは知られた技術で第1の装置で生成できる。本発明はまた、第2の装置を再カリブレートし、場合によっては第1の装置を再カリブレートする方法も提供する。
一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)と、カリブレータの割り当てられた吸光度測定値は、たとえば、電子的に記憶するなど適切な媒体に記憶し、第2の装置へ容易に転送できるようにすることが好ましい。
また、一次カリブレーションに使用されるサンプル、すなわち一次カリブレーションセットとカリブレータは、実質的に同様な光学的な性質を有する容器内に入れることが望ましい。身体の一部をサンプルとして使用する場合、これが容器とみなされる。容器の例は、ピペットチップ、標識のついた試験管、標識のついていない試験管、血液バッグチュービング、任意の透明な容器、任意の不透明な容器、指、耳、腕、または、他の身体の一部を含むが、これらに限定されるものではない。サンプルはたとえば、生体液などの液体であってもよく、その中には体液、血清または血漿が含まれるがこれらに限定されるものではなく、また、非生物の液体であってもよく、その中には合成カリブレータまたは飲料が含まれるがこれらに限定されるものではなく、また、固体であってもよく、チーズ、または薬剤の錠剤などの薬物が含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、第1の装置から得られた割り当てられた吸光度に基づいて、第1の線形回帰等式のセットと、第2の装置からの補間された吸光度とを生成するのに適した任意のタイプのカリブレータを使用することができる。たとえば、カリブレータのセットは、測定する検体のタイプによって厚さ、色、仕上げが変わってもよい、ファイバーグラスなどの半透明の物質を含んでいてもよい。カリブレータはまた、たとえば、ポリスチレンビーズと同様な密度の緩衝液の中のポリスチレンビーズなど、懸濁液の中の固体の粒子を含んでいてもよい。カリブレータはまた、たとえば懸濁液の中の脂肪の粒子など脂肪乳剤を含んでいてもよい。またカリブレータは、種々の厚さと仕上げの色つきガラスを含んでいてもよい。いずれにしても、カリブレータは、第1と第2の装置から得られた、関連する波長に対して第1の線形回帰等式の適切なセットを生成できなければならない。
この装置は、たとえばもっとも好ましくは、近赤外線放射と、隣接する可視光線スペクトルなどの電磁放射を使用して検体の濃度を測定するために使用され、任意の適切な波長は、約300nmから約2500nm、好ましくは約500nmから約1100nm、より好ましくは約500nmから約800nmの波長であるが、これらに限定されるものではない。
標準の波長のセットは、一次カリブレーションアルゴリズムを得るために使用される吸光度データを標準化するために使用される。装置が提供する波長の実際のセットは、波長カリブレーションを行う方法に依存する。さらに、標準の波長のセットとこれらを生成するために使用される方法は、検体の予想に求められる精度に依存する。第2の装置が、第1の装置で生成された一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)を使用するためには、各装置が実際の波長の同じセットを提供することが好ましい。1台または複数の装置が同じ波長を有するかのように動作させる方法の例は、「波長カリブレーション」というタイトルで提供されるが、これに限定されるものではない。
標準の波長のセットとして、必要な範囲内にあり、等しいインクリメントを有する波長の知られたセットを含む線形波長テーブルを使用することができる。たとえば、範囲は、500nmから110nmの範囲で、インクリメントが2nmであってもよい。装置の各ピクセルに割り当てられた実際の波長で計算される吸光度値、すなわち波長カリブレーションテーブルは、補間され標準の波長のセットにマッピングされ、異なる装置が実際の波長の同じセットを備えるように見せることができる。標準の波長のセットの波長の数は、ダイオードアレイのピクセルの数と等しい必要はない。たとえば、ピクセルの数は波長の数より多くても少なくてもよいが、波長の数がピクセルの数に近似していることが好ましい。好ましい実施形態では、同じ数のピクセルを伴う同様な線形ダイオードアレイを使用する。
次は本発明で使用される装置の好ましい実施形態である。
(装置)
装置の好ましい実施形態を、一般的な項目と特定の要件の両方に関して説明する。本発明は、サンプル内の検体の濃度を測定するために使用できる装置を提供する。このような装置と一次カリブレーションアルゴリズムの例はWO9838961に与えられているが、これに限定されるものではない。装置が同様な構成要素を有することが好ましい。装置の主な構成要素として次のようなものが含まれる。
1 分光光度計
回折格子、焦点レンズ、スリット、および線形ダイオードアレイ検出器(単に線形ダイオードアレイと呼ばれることもある)。分光光度計も、線形ダイオードアレイのいくつかのピクセルを含む同様な構成要素を有することが望ましい。たとえばCCDアレイ(電荷結合検出器)など他のアレイも、本明細書に説明されるように使用できるが、アレイはこれに限定されるものではない。分光光度計は、シングルビーム構成または二重ビーム構成で動作できる。分光光度計が二重ビーム分光光度計である場合、ビームのうち1つは基準ビームとしての役割を果たし、もう1つのビームはサンプルビームとなる。サンプル測定と基準測定を容易にするために2つのシャッタが必要となる。
2 光源
3 電源
4 光が光ファイバを介してランプから入射し、サンプルを通過して第2の光ファイバを介して分光光度計に透過されるサンプルホルダ
5 線形ダイオードアレイ検出器とマイクロプロセッサの間のインタフェースとして、増幅器とアナログデジタルコンバータとを含む回路板が必要である。一次カリブレーションアルゴリズムと波長カリブレーションテーブルなどの他の情報をEPROM内に埋め込んでもよい。
6 次のような機能を有していてもよいソフトウェア。カリブレーションパッケージの使用、吸光度の補間、吸光度の標準の波長のセットへのマッピング、平滑化、吸光度の導関数生成、検体濃度の計算。
同じサンプルの吸光度の差が装置ごとに発生するが、これにはいくつかの理由がある。
1 同様な線形ダイオードアレイ検出器内の対応するピクセルが同じ量の光に異なる反応を示した。
2 ピクセルごとのインクリメントの波長またはピクセル分散が、任意の2つの同様な線形ダイオードアレイ検出器の間で異なる。
3 線形ダイオードアレイの中のピクセルの間の物理的な距離は、線形ダイオードアレイの中で必ずしも一定ではなく、また、同様な線形ダイオードアレイの間でも一定ではない。
4 分光光度計は、波長カリブレーションに使用された方法に依存して波長の不正確さを含む。1つの例を例6に示す。
5 分光光度計の他の構成要素の変動。たとえば回折格子、フィルタ、スリットなど。
本出願は、検体に関して装置をカリブレートする方法を提供することに関し、この方法は次のようなステップを含む。
A) 波長カリブレーション
波長カリブレーションプロセスは、各ピクセルに割り当てられた波長を提供する波長カリブレーションテーブルを提供する。線形ダイオードアレイ検出器は、たとえば線形アレイに組みたてられた128または256のピクセルを含むが、これに限定されるものではない。異なる装置が同じ波長カリブレーションテーブルを有するように見せるには、サンプルの吸光度を補間し、標準の波長のセットにマッピングする。波長の標準の同じセットを各装置に使用することが好ましい。この開示が「標準の波長のセットで測定した」と言及する時は、すべての装置が同じ波長カリブレーションテーブルを有する場合以外、または、標準の波長のセットが第1の装置の波長カリブレーションテーブル、第2の装置の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の装置の両方の波長カリブレーションテーブル内の波長の概算である場合以外は、「標準の波長のセットにマッピングされた補間された吸光度」という意味に理解すべきである。上記の2つの例外の場合は補間のステップは自動的に除去される。
B) 一次カリブレーション
一次カリブレーションは1つの検体について第1の装置に一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用されるプロセスである。一次カリブレーションに使用されるサンプルセットは比較的大きく、サンプルは自然のサンプルかまたは自然のサンプルに非常に近く、サンプルに期待されるすべての変動を含むべきである。独自の各検体に独自の一次カリブレーションアルゴリズムが必要なので、装置は測定すべき検体の数に依存して複数の一次カリブレーションアルゴリズムを必要とする。1つまたは複数の一次カリブレーションセットを、1台または複数の第1の装置で測定し、各装置から得られた測定値の組み合わせを使用して一次カリブレーションアルゴリズムを生成することによって、同様な装置の間の変動を一次カリブレーションアルゴリズムに含めることができる。場合によっては、一次カリブレーションセットと似たサンプル、または一次カリブレーションセットのサブセットを第2の装置で測定し、更新された一次カリブレーションアルゴリズムを生成することもできる。
C) 確認
1つの検体についてカリブレーションアルゴリズムを生成した後、第2のサンプルセットを使用してカリブレーションアルゴリズムを確認する。一次カリブレーションセットに十分な変動が含まれない場合、確認セットの検体の予想は、実際の検体の濃度とあまり相関していない可能性がある。正しい確認は、一次カリブレーションアルゴリズムのロバスト性の検査である。
D) カリブレーションアルゴリズムの転送
このセクションではカリブレーションアルゴリズムの転送のプロセスを説明する。カリブレーションアルゴリズムの転送は、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムと、オプションとしては1つまたは複数の第1の線形回帰等式を、第2の装置に組み込むことである。第1の線形回帰等式は、フォトメトリック補正を行うために必要である。カリブレーションアルゴリズムの転送には、第1の装置、第2の装置、およびオプションとしてはカリブレータのセットが必要である。
E) 再カリブレーション
このセクションでは、第2の装置へのカリブレーションアルゴリズムの転送の続きを説明し、装置が制御されているとき、一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用された装置が割り当てた吸光度値を伴う少なくとも2つのカリブレータを必要とする。再カリブレートするのが第1の装置ではなく、一次カリブレーションアルゴリズムが第2の装置にすでに組み込まれているのであれば、第1の装置は必要ではない。再カリブレーションという用語は、すでに少なくとも1つの有効な一次カリブレーションアルゴリズムが組み込まれている装置内に1つまたは複数の第2の線形回帰等式を確立し、組み込むプロセスを意味する。典型的には、装置の再カリブレーションは装置が制御されていないときに必要となる。
F) カリブレーション
このセクションでは、少なくとも1つの有効な一次カリブレーションアルゴリズムを組み込んでいない装置に少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを組み込むプロセスを説明し、さらに、1つまたは複数の第2の線形回帰等式を確立し装置に組み込むオプションのプロセスを説明する。カリブレーションは、カリブレートされている装置が第1の装置でない限り、第1の装置を必要としない。典型的には、装置のカリブレーションは、装置が少なくとも1つの有効な関連する一次カリブレーションを組み込んでいないときに必要となる。
G) データ前処理をオプションとして使用する第2の装置のカリブレーション
第2の装置のサンプルの中の検体の濃度の決定は、ゼロオーダを含む吸光度のオーダ導関数を使用し、オプションとしては他の形態によるサンプルの吸光度のデータ前処理と組み合わせて、行うことができる。予想される検体濃度に求められる精度に依存して、フォトメトリック補正が必要となる場合もあり必要ではない場合もある。一次カリブレーションアルゴリズムを導出するために任意の統計技術を使用することができ、たとえば、単純線形回帰、多重線形回帰、多変量データ分析などであるが、これらに限定されるものではない。多変量データ分析の例は、主要構成要素分析(PCA)、主要構成要素回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLS)、神経回路網であるがこれらに限定されるものではない。データ前処理の例は、平滑化、吸光度の第1のオーダまたはより高いオーダの導関数の導出、吸光度の補間、多重散乱補正、フォトメトリック補正、フーリエ変換などのデータ変換が含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、カリブレーションアルゴリズムは、データ前処理後の後のサンプルの吸光度データに適用される。必ずしも必要ではないが、第2の装置で使用されたデータ前処理の形態またはその組み合わせは、一次カリブレーションアルゴリズム生成前に使用されたデータ前処理の形態またはその組み合わせと等しいことが好ましい。
H) 合成カリブレーション液
カリブレータはいくつかの異なる形態をとることができるが、セットが各関連する波長における吸光度の範囲をカバーしている場合、2つの装置からの吸光度の間の線形回帰等式を各関連する波長に関して確立することができる。好ましい実施形態では、すぐに使用できる安定した合成カリブレーション液を使用する。
I) 吸光度をカリブレータの第2のバッチに割り当てる
このセクションでは、第1の装置と第2の装置を使用して、吸光度の値を合成カリブレータの新しいロットに割り当てる方法を説明する。
J) カリブレーションパッケージ
合成カリブレーション液を装置の再カリブレーションまたはカリブレーションに使用するとき、電子情報がパッケージの形態で合成カリブレーション液を付随することが好ましい。カリブレーションパッケージは次のような必須の構成要素を含んでいてもよい(i)少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズム、(ii)カリブレータ、(iii)カリブレータに対して割り当てられた吸光度。このセクションはこのパッケージの内容を好ましい実施形態で説明する。
これらのステップを次に詳細に説明する。
波長カリブレーション
知られた波長のレーザ、または、知られた波長の帯域通過フィルタを透過した電磁放射が、線形ダイオードアレイ内の任意のピクセルに投射される。電磁放射はレーザまたは帯域通過フィルタに限定されるものではなく、他の単色電磁放射のソースも使用できることを理解されたい。また、電磁放射は複数のピクセルに衝突してもよく、電磁放射のピーク強度の相対的な位置は、当業界で知られたプロセスによって数学的に決定できることも理解されたい。さらに、ピーク強度は任意の2つのピクセルの間の位置であってもよい。ターゲットとするピクセルは好ましくは、スペクトルの1つの端に向かっている。知られた波長の第2のレーザ、または、好ましくはスペクトルの他の端に向かって投射された知られた波長の第2の帯域フィルタを透過した電磁放射を使用することができ、ビームが投射されるピクセルが識別される。ピクセルの数が分かっているので、ピクセル分散を決定することができる。2つの知られた波長と対応するピクセルとピクセル分散から、波長カリブレーションテーブル、すなわち、線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに割り当てられた離散波長を提供するテーブルを生成することができる。1台または複数の装置からの波長カリブレーションテーブルからの波長における吸光度は、ついで、標準の波長のセットに補間しマッピングすることができる。標準の波長のいずれかの側にある2つの実際の波長における吸光度を補間し、標準の波長における吸光度を生成することができる。このプロセスは各標準の波長ごとに反復されうる。これは、異なる装置が提供する波長を同じように見せる好ましい方法である。フォトメトリック精度は波長の精度に部分的に依存し、検体の濃度に関する予想精度は装置のフォトメトリック精度に依存する。この点で、はい/いいえという答えだけが必要な、検体の定性的な方法では、同じ検体に関する定量的な方法と同じレベルの波長の精度は必要ではない。さらに、カリブレーションアルゴリズムは、第1の装置と1台または複数の同様な装置で測定された1つまたは複数の一次カリブレータからのデータを含めることによって、ロバスト性を高めて生成することができる。
この波長カリブレーションの方法では、吸光度は標準の波長のセットに補間されマッピングされ得るので、第1の波長を各装置の線形ダイオードアレイの同じピクセルに投射する必要はない。第2のレーザまたは第2の帯域通過フィルタの波長は好ましくは、電磁放射のビームが線形ダイオードアレイの他の端に向かって投射されるように選択される。端ピクセルにおいて結果として生じる吸光度にノイズが多い場合、電磁放射のビームを線形ダイオードアレイの端ピクセルの近くに投射しないように、レーザまたは帯域通過フィルタを選択することが好ましい。また、帯域通過フィルタは狭帯域フィルタであることが好ましい。
波長カリブレーションテーブルを生成する第2の方法は、第1のビームを各線形ダイオードアレイの同じピクセルに投射する方法である。この方法を使用して波長カリブレーションテーブルを生成する時、上記のようにピクセル分散は異なる波長の2つのビームを使用してあらかじめ決定されている。ピクセル分散は単一の分光光度計から決定することもできるが、好ましくは複数の同様な分光光度計から平均の値を得るべきである。同じピクセル分散を各装置が使用し、第1のビームが各同様な線形ダイオードアレイ内の同じピクセル番号に投射される時、装置ごとの波長カリブレーションテーブルは同じになるので、この波長カリブレーションテーブルを標準の波長のセットとして使用することができる。この結果、標準の波長のセットへの吸光度の補間とマッピングは自動的に除去される。第2のビームを使用して波長の精度を確認することができる。
波長カリブレーションテーブルを生成する第3の方法は第2の方法と似ているが、第1のビームを線形ダイオードアレイの任意のピクセルに投射してもよい点が異なる。第1のビームを投射するピクセル番号が異なる装置で異なる場合、異なる装置の波長カリブレーションテーブル内の特定の波長に割り当てられるピクセル番号は異なる。この場合、ソフトウェアを使用して標準の波長のセットを生成することができ、その方法は次の通りである。
(i) 異なる装置の波長カリブレーションテーブルに共通な波長のセットを確立する。
(ii) 標準の波長のセットに属する波長を有する波長の範囲であって、標準の波長のセットの波長の範囲を選択する。
上記の第3の方法で説明した、異なる装置から得た波長カリブレーションテーブルでは、異なる装置からのピクセル番号が同じ波長に割り当てられないことを理解されたい。また、第1のピクセルはピクセル番号の概算であり、また、異なる装置からの第1のピクセルは同じピクセルと概算され、容認される概算は、一次カリブレーションアルゴリズムに求められる予想の精度に依存することを理解されたい。言い換えれば、第1のピクセルの識別は正確ではない可能性がある。不正確に識別されたピクセルが、約+/−Nピクセル以下であれば、不正確な識別も容認でき、上式でNは波長の範囲を囲むピクセルの数である。たとえば、ピクセル分散が2nmであり、容認される誤差が+/−10nmの場合、不正確に識別されたピクセルは、ビームが衝突した実際のピクセルのどちらの側でも5ピクセル以上離れていてはならない。誤差のレベルは限定されないが典型的には±2nmから±20nmまで、より好ましくは、±2nmから±10nmまで許容されうる。波長カリブレーション方法の選択は、一次カリブレーションアルゴリズムに求められる予想精度に依存する。
標準の波長のセットの波長の数が線形ダイオードアレイのピクセルの数と等しい場合、カリブレーションの目的では、実際の波長は無関係であり、各線形ダイオードアレイの中のピクセルは波長に関して同等である(検体の予想値に求められる精度に関して)。カリブレーションアルゴリズムを生成するために、各ピクセルに関連づけられた実際の波長を識別する必要はない。次に論じるヘモグロビンに関する一次カリブレーションアルゴリズムの例では、実際の波長の代わりにピクセル番号を使用することができる。1つの線形ダイオードアレイの特定のピクセルに対応する波長が、異なる線形ダイオードアレイの同じピクセルに対応する波長と異なる時、実際の波長が必要となる。また、実際の波長は、特徴的な吸光度ピークを伴う検体を識別するためには有用である。たとえば、ヘモグロビンは540nmと578nmで、2つの特徴的な吸光度ピークを有する。これらの吸光度ピークを使用してヘモグロビン信号を識別することができる。1つの波長を使用して波長カリブレーションを行う場合、一次カリブレーションアルゴリズムの一次カリブレーション波長に近い波長を使用することが好ましい。複数の波長を使用する場合、検体信号に関して波長が有意であることが好ましい。たとえば、ヘモグロビンに関するカリブレーションアルゴリズムは、好ましくは、例2のヘモグロビン一次カリブレーションアルゴリズムに従って、約593nmから608nmの第1のビームを含む。
次の例では、装置を使用して、放射を使用して血清と血漿の中の干渉物質の濃度を測定するが、もっとも好ましくは、近赤外線放射と隣接する可視光線放射スペクトルを使用する。たとえば、約300nmから約2500nm、好ましくは約500nmから約1100nm、より好ましくは約500nmから約800nmの任意の適切な波長を使用するが、これに限定されるものではない。
B) 一次カリブレーション
一次カリブレーションプロセスを使用して検体ごとに一次カリブレーションアルゴリズムを生成する。一次カリブレーションセットは比較的大きく、一次カリブレーションセット内のサンプルは実際のサンプルか実際のサンプルに非常に似ていなければならないので、装置の一次カリブレーションはめんどうで時間のかかる仕事である。好ましくは、サンプルは、サンプルに期待されるすべての吸光度の変動を含み、サンプルの変動が一次カリブレーションアルゴリズムに組み込まれる。当業者であれば、サンプルの変動は装置間の変動によるものである場合があり、これも、1台または複数の第1の装置で測定した一次カリブレーションセットの1つまたは複数のサンプルからの測定値を含めることによって、一次カリブレーションアルゴリズムに組み込めることが理解されるであろう。容器も変動に寄与し、複数の容器を組み合わせて使用して1つまたは複数の一次カリブレーションアルゴリズムを生成し、容器の変動も一次カリブレーションアルゴリズムに組み込むことが可能である。しかし、特定のタイプの容器に特定の一次カリブレーションアルゴリズムを生成することが好ましい。
一次カリブレーションアルゴリズムは次のように得られる。一次カリブレーションアルゴリズムを生成した所与の検体の異なる濃度を各々が有する、いくつかのサンプルに関して吸収スペクトルを得る。サンプルが、そのサンプルに期待されるすべての吸光度の変動を含み、これによってサンプルの変動を一次カリブレーションアルゴリズムに組み込むことが好ましい。さらに、複数の第1の装置での一次カリブレーションセットの1つまたは複数のサンプルからの測定値を組み合わせて、装置間の変動をカリブレーションアルゴリズムに含めることができる。ついで非限定的な例として、段階的多重線形回帰を行って、吸光度のオーダ導関数が検体の濃度にもっともよく相関する波長を決定することができる。ついで、多重線形回帰を使用して、特定の波長(段階的線形回帰によって選択された)における吸光度のオーダ導関数を有する線形の組み合わせが独立変数として、検体の濃度が従属変数として生成される。段階的線形回帰においては、すべての波長に関する吸光度のオーダ導関数または測定値が、StatViewTMプログラムに提示される。吸光度のオーダ導関数が既定の範囲内の相関係数を示す波長だけがアルゴリズムに選択される。
別の実施形態では、一次カリブレーションセットと同様なサンプルのより小さなセット、または一次カリブレーションセットのサブセット、またはこの両方を第2の装置で測定し、このデータを、一次カリブレーションセットからの元のデータの一部または全部と組み合わせて、1つまたは複数の更新された一次カリブレーションアルゴリズムを生成することができる。
一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用されるソフトウェアツールには、次のようなものが含まれる。吸光度と吸光度の導関数を平滑化するプログラムを生成するために使用されるMathlabTM。MS ExcelTMは吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数を計算するためのマクロを生成するために使用されうる。「段階的多重線形回帰」によってアルゴリズムを生成するために使用されるStatViewTM。PirouetteTMはすべての波長に関する測定値、または吸収スペクトルの選択されたセクションの測定値を使用して部分最小二乗(PLS)または主要構成要素分析(PCA)によりカリブレーションアルゴリズムを生成するために使用されうる。しかし、他のソフトウェアツールも使用できることを理解されたい。また、たとえば、単純線形回帰、多重線形回帰、多変量データ解析など任意の統計的技法も使用でき、これらに限定されるものではないことを理解されたい。多変量データ解析の例は、主要構成要素分析(PCA)、主要構成要素回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLS)および神経回路網であるが、これらに限定されない。また、第2の装置の中のサンプルの検体濃度の決定は、一次カリブレーションアルゴリズム生成の前にデータ前処理を使用して行うことができ、前処理の中には平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、吸光度の補間、多重散乱補正、または、データ変換が含まれる。また、検体の濃度の予想値に求められる精度に依存して、第2の装置でフォトメトリック補正も使用することができる。一次カリブレーションアルゴリズム生成の他の方法と、データ変換の任意の形態が本発明の範囲に含まれる。データ変換の例には、当業界でよく知られた検体濃度の対数と真数を決定することと、フーリエ変換などが含まれるが、これらに限定されるものではない(Osborne, B.G. Fearn, TとHindle P.H. 食品と飲料の分析の適用における実際のNIR分光法、1993年、Longman Scientific & Technical刊)。
複数の装置からの分光光度計データを組み合わせる時には、多重散乱補正も使用できる。好ましくは、カリブレーションアルゴリズムはデータ前処理後の将来のサンプルの分光光度計データに適用される。
サンプル内の検体の濃度を決定する目的で使用される各装置は、このプロセスにしたがって必要に応じてカリブレートする必要がある。ここでは干渉物質に関する一次カリブレーション手順を説明する。当業者であれば、干渉物質に関してここで説明した手順は、任意のサンプルの任意の検体に適用され、一次カリブレーションアルゴリズムは、もっとも簡単な場合では単一の波長の項から、すべての波長を使用する多数項まで含むことができることが理解されるであろう。さらに、任意の多変量データ解析技術を、吸光度の任意のオーダの導関数と共に使用することもできる。
一次カリブレーションアルゴリズムは、第2の装置が製造される時または使用する直前など、任意の時に第2の装置にインストールすることができる。好ましくは、一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、第2の装置にインストールされ、一次カリブレーションアルゴリズムを組み込むEPROMなどの、第2の装置のハードウェアに組み込まれるが、ハードウェアはEPROMに限定されない。しかし、一次カリブレーションアルゴリズムはたとえばカリブレーションディスケットなどの任意の他の適切な媒体に記憶し、必要に応じて装置に組み込むことがこともでき、媒体はこれに限定されるものではない。組み込まれたアルゴリズムは好ましくは、吸光度の測定値が一次カリブレーションに使用される波長の同じ標準の組の上に補間されマッピングされ、各関連する波長に関してフォトメトリック補正が行われた後に、第2の装置で使用される。好ましくは、フォトメトリック補正に使用されるカリブレータは合成液であるが、別の材料も使用することができる。より好ましくは、カリブレータと少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを含む、「カリブレーションパッケージ」というタイトルで論じたカリブレーションパッケージも使用できる。フォトメトリック補正に使用できる勾配と切片の例を、例1のテーブル1に示す。例1の波長は、標準の波長のセットからの波長である。
ヘモグロビン、ビリルビン、および濁度について一次カリブレーションアルゴリズムを導出する例を次に提示するが、これらの例は限定的なものと考えるべきではないことを理解されたい。
血清内のヘモグロビン(Hb)、胆緑素(BV)、ビリルビン(BR)、および濁度に関するカリブレーションセットを次に説明する。脂肪乳剤のIntralipidTM (IL)を使用して濁度を模倣する。上記の4つの検体は、血清と血漿のサンプルにおける吸光度の変動の主な原因である。カリブレーションセットの説明に続き、いくつかの一次カリブレーションアルゴリズムのサンプルを提示する。
ヘモグロビンと胆緑素
ヘモグロビンに関する一次カリブレーションアルゴリズムを準備するために、目に見える干渉物質がない血清の試料を60例、使用まで冷蔵保存または冷凍保存した。ロバストなアルゴリズム(複数可)を提供するために使用する試料の数が十分である限り、60より多いかまたは少ない試料を使用することができる。通常の血清にHb、IL、BR、およびBVを添加し、最終濃度をそれぞれ、0−6.1g/L、0−5.1g/l、0−42.7mg/dL、および0−4.4mg/dLにした。血液サンプルの血漿(干渉物質がまったくない状態でなければならない)を2倍の量の水に置き換え、細胞を3回の凍結融解サイクルで溶解することによって、ストックヘモグロビンを準備した。各サイクルで血液は45分から60分間冷凍庫にいれ、ついで冷凍庫から取り出して、室温のロッカーに30分から45分間入れた。10000×gの遠心分離機に10分間かけて、赤血球(RBC)の残骸と溶解しなかったRBCを取り除いてから、溶解物の中のHb容量を、次に説明する基準方法によって測定した。信頼性の高いHb容量を決定できる任意の方法が使用できる。典型的な溶血血液は約100g/LのHbを含む。共に酸素測定を行うことにより、Hbのうち95%以上が酸素ヘモグロビン状態であることが示唆された。ストックBVは、まず胆緑素ジヒドロクロライド(シグマから)をメタノール50%、水50%に溶解し、さらに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈することによって準備した。TravamulsionTM(Clintec-Nestle & Baxterから)としても知られるストックILは10%の濃度を有する。ストックBRは、Ditauro-Bilirubin(アメリカ、ユタ州のPorphyrin Products, Logan)を干渉物質のない血清で500mg/dLの濃度に溶解して準備した。異なるポリプロピレン分注チップを使用して、スペクトル吸収データを60サンプルに関して記録した。60サンプルのうち、奇数をカリブレーションセットのために使用し、偶数を確認セットとして使用した。
ビリルビン
HbとBVのカリブレーションに使用されるサンプルセットは典型的には、BRのカリブレーションには使用できない。これは、Hb>4g/LまたはIL>4g/Lの吸光度が、BRカリブレーションに使用される主要な波長である約524nmの領域で装置の限度に達するためである。代わりに、別のサンプルセット60を準備して検査した。当業者であれば容易に理解されるように、一次カリブレーションに使用されるサンプルセットは、血清または血漿など実際の患者のサンプルで遭遇するほとんどの変動を含む十分な大きさでなければならない。サンプルは前述のように、通常の血清にHb、IL BRおよびBVを添加し、それぞれ0−2.6g/L、0−3.6g/l、0−37mg/dL、および0−4.4mg/dLの最終的な濃度にして準備した。スペクトル吸収データは異なるポリプロピレン分注チップを使用して60のサンプルについて記録した。60のサンプルのうち奇数をカリブレーションセットのために使用し、偶数を確認セットとして使用した。ストック干渉物質はHbに関して上述した方法と同じ方法で準備し、BR濃度は1.23という係数で調節した。1.23という係数は、実際の黄疸患者の血清と血漿のサンプルを使用して確認セットから得た回帰線の勾配から以前に導出したものである。
濁度
血清と血漿内の濁度は、主に、脂肪粒子、特にカイロミクロンの存在が原因である。イントラリピッド(IL)は自然のカイロミクロンを模倣した脂肪乳剤であり、血清と血漿内の濁度をシミュレーションするための使用に好ましい。
HbとBRのカリブレーションに使用されるサンプルは、好ましくはILのカリブレーションには使用されない。これは、Hbのストック溶液が非溶解赤血球(RBC)とRBCの断片による重大な光散乱に寄与するためである。溶血血液を遠心分離しても、すべての非溶解赤血球と赤血球の断片を除去することはできなかった。
PBS(リン酸緩衝生理食塩水)40サンプルに10%のイントラリピッドをスパイクし、0−20g/Lの濃度を生成した。異なるポリプロピレン分注チップを使用してスペクトル吸収データを40サンプルについて記録した。40サンプルのうち奇数をカリブレーションセットに使用し偶数を確認セットとして使用した。
上記のようにここに記述された一次カリブレーションは、一次カリブレーションアルゴリズムの生成にかかわる作業の例である。他の検体を使用してそのような一次カリブレーションアルゴリズムを生成することができる。
一次カリブレーションアルゴリズム
次の一次カリブレーションアルゴリズムは、上記の一次カリブレーション方法セットを使用して使い捨てポリプロピレン分注チップ内で、Hb、BV、BR、およびIL(濁度)に関して生成されたものである。
ヘモグロビン
g/L Hb=16.81(第1のD A584)−79.47(第1のD A599)+60.95(第1のD A617)+0.24
上式で(第1のD A)は、ナノメートルで指定された波長における吸光度測定値の第一次導関数である。
ビリルビン
mg/dL BR=−293.1(第1のD A524)−327.8(第1のD A587)+451.7(第1のD A602)−7.5
上式で(第1のD A)は、ナノメートルで指定された波長における吸光度測定値の第一次導関数である。
濁度
濁度は同等のIL濃度の点で測定する。
In(g/L IL)=1.867(A700)−0.447(A700)+0.041(A700)−1.33
上式で、(A)は、ナノメートルで指定された波長における吸光度の生の測定値である。
使い捨てポリプロピレン分注チップ内でサンプルを検査して測定するために使用される、別の装置に関して生成された一次カリブレーションアルゴリズムの別のセットは次の通りである。
ヘモグロビン
(g/L)Hb=30.14(第1のD A591nm)−27.98(第1のD A610nm)
上式で、(第1のD A)は、指定された波長における吸光度測定値の第一次導関数である。
ビリルビン
mg/dL BR=142.09(第1のD A511nm)+89.9(第1のD A554nm)−4.47
上式で、(第1のD A)は、指定された波長における吸光度測定値の第一次導関数である。
胆緑素
mg/dL BV=160.29(第1のD A718nm)−206.15(第1のD A781nm)+1.42
上式で、(第1のD A)は、指定された波長における吸光度測定値の第一次導関数である。
濁度
g/L IL=296.01(A900nm)−0.04
上式で、(A)は、指定された波長における吸光度の生の測定値である。
ここで言及した一次カリブレーションアルゴリズムは、段階的多重線形回帰のプロセスから得られる非限定的な例である。第2の装置におけるサンプルの検体濃度は、一次カリブレーションアルゴリズムにおける吸光度の、ゼロオーダを含むオーダの導関数を使用して決定することができ、フォトメトリック補正は、検体濃度の予想に求められる精度に依存して、必要な場合もあれば必要でない場合もある。任意の統計的な技法が使用でき、たとえばその中には単純線形回帰、多重線形回帰、多変量データ解析が含まれるが、これらに限定されるものではない。多変量データ解析の例は、主要構成要素分析(PCA)、主要構成要素回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLS)、神経回路網を含むが、これらに限定されるものではない。
一次カリブレーションアルゴリズムの生成に際して、装置のバッチに許容可能な吸光度と波長の変動は、検体に関する精度の要件に依存する。さらに、装置のバッチに許容可能な吸光度と波長の変動は、検体濃度の装置間の変動の要件に依存する。
上記のように、同じ検体に関する一次カリブレーションアルゴリズムについていくつかの例を示した。異なる一次カリブレーションアルゴリズムが生成されるいくつかの理由は次の通りである。一次カリブレーションアルゴリズムは、同じソフトウェアツールを使用して異なる人が生成する。一次カリブレーションアルゴリズムは、異なるソフトウェアツールを使用して同じ人または異なる人が生成する。WO9839634号に説明されるように、より広い分析範囲が必要である(たとえば、高いレベルのHbベースの血液の代用品を測定すること。これは実際のHbのレベルを高く見せる)。WO9839634号は参照により組み込まれている。
分析範囲の上限を超える濃度を扱う従来の方法は、サンプルを希釈することである。サンプルを希釈する代わりに新しい波長を使用することもあり、および/または新しい数学的な変換(複数可)を使用することもある。たとえば、自然対数を使用する立方一次カリブレーションアルゴリズム、または、線形単一項一次カリブレーションアルゴリズムが濁度に関して示されている。立方一次カリブレーションアルゴリズムは、より広い濁度の分析範囲のために生成された。別の例として、低濃度のHbにより高い精度が必要となる場合があり、したがって、カリブレーションアルゴリズムは、狭い分析範囲の中で血清または血漿内の微量のHbを測定するために生成される場合があり、また、予想された値が分析範囲の上限を超える時、より広い分析範囲をカバーする異なるカリブレーションアルゴリズムを使用するようにソフトウェアが求められる場合もある。さらに別の例として、たとえばある装置が450nmから1100nmではなく450nmから750nmしか測定する能力がないなど、ある装置が提供する波長範囲が限定されているとき、ILに関する一次カリブレーションアルゴリズムはそれぞれ700nmと900nmを使用してもよい。
一次カリブレーションアルゴリズム生成の重要な側面は、次に説明する確認プロセスである。確認には、カリブレーションセットと似たサンプルのセットが必要である。カリブレーションセットは確認には使用できない。確認は、確認セットで提示された全体的な変動に依存して、一次カリブレーションアルゴリズムのロバスト性をテストすることであってもよい。特定の検体に関するカリブレーションアルゴリズムが、サンプル内の検体の濃度を正確に予想できない場合、検査サンプルの変動が一次カリブレーションセットに含まれていなかったということもある。言い換えれば、検査に関する一次カリブレーションアルゴリズムはロバスト性を有していない。第1の装置と、1台または複数の同様な装置から得られた1つまたは複数の一次カリブレーションセットの測定値を組み合わせることによってもロバスト性を増加させることができる。
C) 確認
ヘモグロビンと胆緑素
一次カリブレーションのセクションで述べたように、60サンプルのうち奇数を一次カリブレーションセットに使用し、偶数を確認セットとして使用した。
ビリルビン
一次カリブレーションのセクションで述べたように、60サンプルのうち奇数を一次カリブレーションセットに使用し、偶数を確認セットとして使用した。
濁度
一次カリブレーションのセクションで述べたように、40サンプルのうち奇数を一次カリブレーションセットに使用し、偶数を確認セットとして使用した。
確認の重要な要件は、特定の検体に関する信頼性の高い基準方法の使用可能性である。基準方法はサンプル内の検体の実際の濃度または真の濃度を決定するために必要である。基準方法が測定した真の濃度と、一次カリブレーションアルゴリズムが予想した濃度の差は、一次カリブレーションアルゴリズムの予想精度の指標である。次のセクションではいくつかの基準方法について述べる。
基準方法
サンプル吸光度データと干渉物質の濃度は、干渉物質に関してカリブレーションアルゴリズムを生成するために必要である。干渉物質の濃度を測定するために使用される基準方法にエラーがあると、一次カリブレーションアルゴリズムの予想精度に影響を与える。
ヘモグロビン
スパイクされた血清サンプルを使用した確認のために、溶血血液内のHbの濃度を使用して基準Hb値を計算した。血清または血漿のサンプルを使用した確認のために、たとえば、Tiez Textbook of clinical Chemistry 1994年、2024ページなどの、当業界で知られた方法を使用することができる。同じ方法を使用して、溶血血液内のHb濃度を決定する。
血清および血漿のサンプルでヘモグロビンを正確に測定するために、好ましくは検体だけが存在し、578nm、562nm、および598nmにおける吸光度を測定し、次の等式を使用してヘモグロビンの濃度を決定した。
mg/dL酸素ヘモグロビン=155.0A578−86.1A562−68.9A598
上式でAは、ナノメートルで指定された波長における吸光度である。適切な希釈を行って、578nmの波長について1.0と2.0の間の吸光度を生成する。
適切であれば、炭酸ナトリウム10mg/dLで希釈してもよい。任意の他の信頼できる基準方法を使用することができる。一次カリブレーションの現在の説明に関しては、島津の、格子を伴うシングルビーム走査分光光度計を使用したが、任意の同等な装置を使用することができる。
胆緑素
サンプル内のBVの濃度を測定する実際の方法の代わりに、添加した胆緑素ジヒドロクロライドの量った量を使用した。
ビリルビン
スパイクされた血清サンプルを使用した確認のために、添加して1.23で割った合成ditauroビリルビンの濃度を、基準合計BR値として使用した。患者の血清または血漿のサンプルを使用した確認のために、公認された医学研究所が使用する化学分析装置(たとえば、Beckman-CoulterまたはOrtho-Clinical Diagnosticsの一般化学分析装置)が行った任意の合計ビリルビン検査を基準方法として使用することができる。
前述のように、使用された1.23係数は、実際の黄疸患者の血清と血漿のサンプルを使用して確認セットから得られた回帰線の勾配から導出された。
濁度
ILでスパイクされたPBSを使用した確認のために、存在するILの濃度を基準値として使用した。1994年のTietz Textbook of Clinical Chemistryの2022ページでは、700nmにおける吸光度測定値を使用して濁度の補正を行う。したがってこの例では、患者の血清または血漿のサンプルを使用した確認では、700nmにおける絶対吸光度が基準方法として使用できる。市販のシングルビーム分光光度計を、PBSを基準とした10mm×10mmキュベットで使用する。希釈前または希釈後の吸光度は、好ましくは0.2と2.0の間である。基準分光光度計のフォトメトリックと波長の精度は、好ましくは使用前に示さなければならない。
D) カリブレーションアルゴリズムの転送
本発明は、カリブレーションアルゴリズムを第1の装置から第2の装置に転送し、第1の装置をカリブレートした方法すなわち一次カリブレーションによって行われた同じ方法で第2の装置をカリブレートする必要をなくする方法を提供する。
1実施形態によれば、本発明は、第1の装置から第2の装置にカリブレーションアルゴリズムを転送する方法を提供し、この方法は次の手順を含む。
(i) 第1の波長カリブレーションテーブルからの波長で制御されている第1の装置上のカリブレータのセットの吸光度測定値の第1のセットを得ること。
(ii) 第1の波長カリブレーションテーブルと第2の波長カリブレーションテーブルは同じであっても異なっていてもよい、第2の装置上で第2の波長カリブレーションテーブルを確立することと、さらに第2の波長カリブレーションテーブルからの波長で第2の装置でカリブレータセットの吸光度測定値の第2のセットを得ること。
(iii) 標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長について第1の吸光度測定値に関する第1の補間された吸光度を決定し、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長について第2の吸光度測定値に関する第2の補間された吸光度を決定すること。
(iv) 第1と第2の補間された吸光度測定値を使用して、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長の各々について第1の線形回帰等式を導出すること。
(v) 第1の線形回帰等式と少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを第2の装置に組み込むこと。
本発明の1実施形態によれば、カリブレーションアルゴリズムの転送に続いて、さらに、第2の装置のサンプルの中の検体の濃度を決定する方法が提供され、この方法は次の手順を含む。
(a)上記の方法によってカリブレーションアルゴリズム転送を実行すること。
(b)第2の装置でサンプルの吸光度を測定し、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関してサンプルの補間された吸光度を決定すること。
(c)調節され補間された吸光度を得るために、第1の線形回帰等式で、補間された吸光度を調節すること。
(d)検体に関する少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを、調節され補間された吸光度に適用することによって検体の濃度を計算すること。
上記のステップは全部が必要というわけではなく、一部のステップはオプションであることを理解されたい。
第1の線形回帰等式は、第1の補間された吸光度の測定値は好ましくはx軸に、第2の補間された吸光度測定値は好ましくはy軸にプロットする、補間された吸光度の測定値のプロットと、y切片と勾配を有する第1の線形回帰等式から導出される。第1の補間された吸光度はy軸にプロットし、第2の補間された吸光度をx軸にプロットしてもよいことを理解されたい。この場合、調節され補間された吸光度=(勾配×補間された吸光度)+y切片である。補間された吸光度という用語は、標準の波長のセットのうち特定の波長に関する吸光度の値を意味する。標準の波長のセットのうち特定の波長が線形ダイオードアレイのピクセルにすでに割り当てられている波長と同じ場合、補間された吸光度は測定された吸光度と同じである。しかし特定の波長がピクセルに割り当てられた波長と異なる場合、その特定の波長における補間された吸光度の値は、波長が1つまたは複数の標準の波長を囲む少なくとも2つの隣接するピクセルの測定された吸光度の値から推定されたものである。
第1の線形回帰等式の例を例1に示す。この吸光度の調節はフォトメトリック補正とも呼ばれる。したがって、サンプルに関して行われた測定値は、調節されると、サンプルを第1の装置で測定すると得られたであろう結果と同等な結果を提供する。このようにして、第2の装置は第1の装置と同様な方法で一次カリブレーションをする必要はない。
好ましい実施形態によれば、第1の装置について作成された、一次カリブレーションアルゴリズムとカリブレータの補間された吸光度測定値は、第2の装置に電子的に記憶されインストールされる。電子記憶装置は、好ましくはフロッピーディスケットまたはCDを含む。より好ましくは、カリブレータと少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを含む、「カリブレーションパッケージ」のタイトルで説明するカリブレーショパッケージを使用することができる。
また好ましくは、一次カリブレーションに使用したサンプルとカリブレータを、実質的に同様な光学特性を有する同様な容器内に入れる。使用できる容器の非限定的な例は、ピペットチップ、標識の付いた試験管、標識の付いていない試験管、血液バッグチュービング、任意の透明な容器、または、任意の半透明な容器である。本発明の1態様では、サンプルはたとえば、血清または血漿などの体液などの生体液、または、飲料または合成カリブレータなどの非生体液などの液体、またはチーズなどの固体、またはたとえば錠剤などの薬剤などであってよいが、これらに限定されるものではない。本発明の別の態様では、サンプルは分光光度計で決定できる1つまたは複数の性質を示す。サンプルは典型的には1つまたは複数の検体を含む。検体という用語は、サンプル内で測定される物質を意味する。サンプルは、サンプル内の1つの検体によって、光の1つまたは複数の波長のエネルギが、透過、吸収、散乱、反射、またはその組み合わせの作用を受けることによって特徴づけられる。好ましい実施形態で測定される光は、透過光であり、透過光は吸光度単位に変換される。当業者であれば、吸光度単位は真の吸光度単位ではないことが理解されるであろう。
本発明の別の態様では、カリブレータのセットは2つ以上のカリブレータとして定義され、カリブレータのセットとサンプルは一次カリブレーションに使用された容器と同様な容器の中に入れられる。さらに、第1の装置と第2の装置を使用して得られた、補間された吸光度に基づいて、第1の線形回帰等式のセットを生成するのに適した任意のタイプのカリブレータを使用することができる。たとえば、カリブレータのセットはファイバグラスなどの半透明な物質を含み、測定される検体のタイプに依存して厚さ、色、仕上げを変えてもよい。カリブレータはまた、懸濁液の中の固体粒子も含み、たとえば、ポリエチレンビーズと同様な濃度のバッファ内のポリエチレンビーズなどであってもよい。カリブレータはまた、懸濁液の中の脂肪粒子など、脂肪乳剤を含んでいてもよい。またカリブレータは、種々の厚さと仕上げの色つきガラスであってもよい。いずれにせよ、カリブレータは、第1と第2の装置上の補間された吸光度に基づいて、それぞれの装置で第1の線形回帰等式の適切なセットを生成すべきである。好ましい実施形態では、第1の装置と第2の装置で検査されたカリブレータのセットは同じバッチからのものである。さらに、第2の装置で使用されるカリブレータは、第1の装置で使用されたカリブレータのセットと同じであってもよい。
本発明の別の態様では、標準の波長のセットは、約300nmから約2500nmの間、好ましくは約500nmから1100nmの間、より好ましくは約500nmから約800nmの間の波長を含む。
本発明の別の態様では、第1と第2の吸光度の測定値は、カリブレーションテーブルの各波長において1回または複数回決定され、第1の、または第2の補間された吸光度(複数可)の平均が標準の波長のセットにマッピングされる。さらに、第1の装置と第2の装置との両方が使用する標準の波長のセットは同じである。
本発明の1実施形態によれば、標準の波長のセットは、すべての装置が使用する波長のセットと、実際の吸光度から補間された吸光度を生成するために使用される装置特有の波長カリブレーションテーブルの組み合わせである。詳細は、「波長カリブレーション」というセクションで提供する。装置で検査するサンプルの実際の吸光度は、波長カリブレーションテーブルからの波長で測定され、これらの実際の吸光度は標準の波長のセットに補間され、マッピングされる。一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、好ましくは、実際の吸光度ではなく補間されマッピングされた吸光度に適用される。限定的な意味ではないが、標準の波長のセットの例は、500nmから1100nmで、インクリメントは2nm、すなわちピクセル分散は2nmの波長を含む。しかし、当業者であれば理解されるように、所望の他の波長範囲とピクセル分散も使用できる。分光光度計は、知られた波長のシングルビームを、各線形ダイオードアレイの同じピクセルに投射し、外挿して、同じピクセル分散を使用する他のピクセルに対応する波長を得ることによって、同じ波長カリブレーションテーブルを有するように設計することができる。波長カリブレーションテーブルが標準の波長のセットになるようにすべての装置が同じ波長カリブレーションテーブルを使用するとき、吸光度を補間するステップは自動的に除去される。以前に述べたように、ピクセル分散とは、線形ダイオードアレイの2つの隣接するピクセルが囲む波長を意味し、通常は1ピクセルについてナノメートル(nm)で測定される。たとえば、波長カリブレーションに600nmと900nmの2つのレーザを使用し、ピクセル20とピクセル220にそれぞれ投射する場合、300nm(すなわち900−600nm)が200ピクセル(すなわち220ピクセル−20ピクセル)で囲まれることになる。したがって、ピクセル分散は1ピクセルについて1.5nmと計算される(すなわち300nmを200ピクセルで割る)。
本発明の1態様によれば、ピクセル分散は次のステップによってあらかじめ決定することができる。
(i) 知られた波長の電磁放射を、好ましくは線形ダイオードアレイの端に向けて、第1のピクセルに投射するステップ。
(ii) 知られた波長の第2の電磁放射を使用して、第2のレーザまたは第2の光を、好ましくは線形ダイオードアレイの反対の端の第2のピクセルに投射するステップ。
(iii) 線形ダイオードアレイの中の第1のピクセルと第2のピクセルを識別するステップ。
(iv) 上記のように、1ピクセルにつきナノメートルで、または1ピクセルにつき任意の波長ユニットでピクセル分散を計算するステップ。
本発明の1態様では、ピクセル分散は、1つの線形ダイオードアレイについてステップ(iv)で計算し、既定のピクセル分散として使用することができる。本発明の別の態様では、ステップ(i)から(iv)を、好ましくは同様な線形ダイオードアレイを有する1台または複数の装置について繰り返し、平均ピクセル分散を既定のピクセル分散として使用することもできる。既定のピクセル分散は分光光度計の製造業者が提供してもよいことを理解されたい。
波長カリブレーションテーブルは次の手順によって得ることができる。
(i) 知られた波長の第1の電磁放射を、第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセルか、第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセルに投射する。
(ii) 第1の電磁放射とは異なる波長を有する知られた波長の第2の電磁放射を使用し、第2の電磁放射を第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセルに投射する。
(iii) 第1または第2の線形ダイオードアレイ内で第1と第2のピクセルを識別する。
(iv) 第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算する。
(v) ピクセル分散並びに知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセルまたは知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために、第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てる。
本発明の別の態様では、波長カリブレーションテーブルは、既定のピクセル分散を使用して、知られた波長の第1の電磁放射だけを、線形ダイオードアレイの識別された第1のピクセルに投射することによって得られる。さらに、第1のビームだけを使用するこの方法によれば、好ましくは同様な構成要素を伴う第2の装置についてこの方法を繰り返し、第1のピクセルと同じピクセル番号を使用して第2の装置の波長カリブレーションテーブルを決定する。したがって、波長カリブレーションテーブルは標準の波長のセットであってもよい。
別の態様では、第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、第1の装置のピクセル番号と異なるピクセル番号のピクセル上に第1のビームのみを投射することによって決定してもよい。
検体の精度が重要である好ましい実施形態では、装置に関するピクセル分散の決定を促進するために2つの波長を使用し、特定の波長カリブレーションテーブルは2つの波長、これらに対応するピクセル番号、および計算されたピクセル分散を使用して装置ごとに生成する。検体の精度が重要ではない別の実施形態では、単一の波長、これに対応するピクセル番号、および既定のピクセル分散を使用して波長カリブレーションテーブルを生成する。単一の波長を異なる装置の同様な線形ダイオードアレイの同じピクセル番号に投射する場合、同じ波長カリブレーションテーブルが生成されることを理解されたい。また、同じ波長カリブレーションテーブルが生成される場合、波長カリブレーションテーブルは標準の波長のセットになり、波長の補間とマッピングというステップは除去されることを理解されたい。また、波長カリブレーションテーブルが各装置で同じ場合、波長の代わりにピクセル番号を一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)に使用できることも理解されたい。例6は、ビームを各線形ダイオードアレイの同じピクセル番号に投射しないとき、結果として得られる波長が不正確であることを示す。当業者であれば、波長の不正確さは吸光度の不正確さになることが明らかであろう。
E)再カリブレーション
本発明は、以前にカリブレーションアルゴリズム転送でカリブレートされたが制御されなくなった装置を再カリブレートする方法を提供し、この方法は次のステップを含む。
(i) カリブレータのセットは割り当てられた吸光度値を有し、装置は一次カリブレーションアルゴリズムを含む、装置のカリブレータのセットの吸光度測定値を得るステップ。
(ii) 標準の波長のセットの少なくとも1つの波長に関して吸光度測定値の補間された吸光度値を決定するステップ。
(iii) 補間された吸光度値と割り当てられた吸光度値を使用して、装置内で第2の線形回帰等式を確立するステップ。
(iv) 再カリブレートされた装置を生成するために装置に第2の線形回帰等式を組み込むステップ。
本発明の1実施形態によれば、再カリブレーションに続いて、さらに、第2の装置のサンプルにおける検体の濃度を決定する方法が提供され、この方法は次のステップを含む。
(a) 上記の方法に従って装置を再カリブレートするステップ。
(b) サンプルの吸光度測定値を測定するステップ。
(c) 再カリブレートされた装置で標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関して吸光度測定値の補間された吸光度を導出するステップ。
(d) 調節され補間された吸光度を得るために、補間された吸光度測定値を第2の線形回帰等式で調節するステップ。
(e) 検体に関する一次カリブレーションアルゴリズムを調節され補間された吸光度に適用することによって、検体の濃度を計算するステップ。
上記のすべてのステップが必要というわけではなく、説明した一部のステップはオプションであることを理解されたい。
また、再カリブレーションで使用された用語の定義は、「本発明の詳細な説明」の冒頭で説明したことを理解されたい。また、再カリブレーションは、装置が制御されなくなったとき、カリブレーションアルゴリズム転送に続くことを理解されたい。
第2の線形回帰等式は、第1の装置が制御されている時、第1の装置でカリブレータの吸光度が測定された後に、カリブレータのロットまたはバッチに割り当てられた吸光度測定値に対して、カリブレータのセットからの補間された吸光度測定値で、標準の波長のセットの関連する波長に関して生成される。第2の線形回帰等式は、カリブレータの吸光度測定値のプロットから導出され、好ましくは、第2の装置からの補間された吸光度はy軸に、第1の装置からの割り当てられた吸光度はx軸にプロットされる。切片と勾配を有する、各生成された第2の線形回帰等式はついで、再カリブレートされる装置内に電子的に記憶される。電子記憶装置は、より好ましくはフロッピーディスケットまたはCDを含む。したがって、サンプルに関する補間された吸光度は調節されると、サンプルを第1の装置で測定した場合に得られたであろう結果と同等な結果を提供する。このようにして、第2の装置は、第1の装置に対して行われたのと同じような一次カリブレーションを介してカリブレートする必要はない。
明確に説明するために、「第2の線形回帰」という用語を、装置の再カリブレーションのために使用し(また、「カリブレーション」のタイトルで見られるようにカリブレーションに関して使用し)、「第1の線形回帰」という用語をカリブレーションアルゴリズム転送に使用した。本発明の1態様によれば、カリブレーションアルゴリズム転送と比較すると、装置の再カリブレーションプロセスにおける新しい要件は、装置の標準の波長のセットの少なくとも1つの波長について、2つ以上のカリブレータの補間された吸光度を決定することだけである。さらに、再カリブレーションはカリブレーションアルゴリズム転送に続き、一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、すでに第2の装置に組み込まれているので、第1の装置は必要ではない。
F) カリブレーション
カリブレーションは、カリブレーションアルゴリズム転送を受けたことのない装置内に、1つまたは複数の第2の線形回帰等式を確立し組み込むプロセスである。したがって、一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、装置内にまだ組み込まれていない。再カリブレーションと同様に、カリブレーションには第1の装置は必要ではない。カリブレーションアルゴリズム転送を受けたことのない装置をカリブレートする方法は次の手順を含む。
(i) 装置に一次カリブレーションアルゴリズムがなく、カリブレータのセットは割り当てられた吸光度値を有する装置で、カリブレータのセットの吸光度測定値を得ること。
(ii) 標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長について吸光度測定値の補間された吸光度値を決定すること。
(iii) 補間された吸光度測定値と割り当てられた吸光度値を使用して、装置内に第2の線形回帰等式を確立すること。
(iv) カリブレートされた装置を生成するために、第2の線形回帰等式と少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを装置に組み込むこと。
本発明の1実施形態によれば、カリブレーションに続いて、カリブレートされた装置においてサンプル内の検体の濃度を決定する方法が提供され、この方法は次の手順を含む。
(a) 上記の方法で装置をカリブレートすること。
(b) サンプルの吸光度値を測定すること。
(c) カリブレートされた装置で標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関する吸光度値から、補間された吸光度を導出すること。
(d) 調節され補間された吸光度を得るために、補間された吸光度測定値を第2の線形回帰等式で調節すること。
(e) 検体に対する一次カリブレーションアルゴリズムを調節され補間された吸光度に適用することによって、検体の濃度を計算すること。
「カリブレーション」で使用された用語の定義は、「発明の詳細な説明」の冒頭で説明されていることを理解されたい。さらに、カリブレーションは、任意の関連する一次カリブレーションアルゴリズムが装置に組み込まれていない装置に関するものであることを理解されたい。
カリブレーションパッケージの必須の構成要素は次の構成要素を含む(「カリブレーションパッケージ」のタイトルで論じた)。
i) 少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズム。
ii) 少なくとも2つのカリブレータ。
iii) カリブレータに対して割り当てられた吸光度。
カリブレータの割り当てられた吸光度は、好ましくは、第1の装置が制御されている時第1の装置から得られる。第1の装置という定義から、一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、第1の装置に対して生成されたものである。したがって、カリブレータの割り当てられた吸光度と一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、好ましくは、同じ装置から得られたものである。再カリブレーションの時、カリブレータの割り当てられた吸光度が一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)を生成した装置と同じ装置から得られたものでない場合、カリブレータの割り当てられた吸光度と一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)の間にミスマッチがある危険性がある。この危険性を緩和するために、適切な一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)を装置に組み込みなおすことが好ましい。この好ましい再カリブレーションの形態は、カリブレーションのプロセスとまったく同じであることは明らかである。したがって、好ましい実施形態では、カリブレーションは再カリブレーションよりも安全な方法である。言い換えれば、カリブレーションパッケージが使用可能な時は、再カリブレーションよりカリブレーションのほうが好ましい。
G) 第2の装置の、オプションとしてデータ前処理を使用するカリブレーション
発明者はまた、サンプル内の検体の濃度を決定するプロセスは、ゼロオーダを含む吸光度のオーダ導関数を使用し、オプションとしては他の形態のデータ前処理を組み合わせることによって実行できることを発見した。検体の濃度予想に求められる精度に応じて、フォトメトリック補正は必要である場合もあれば必要でない場合もある。任意の統計技術を使用して一次カリブレーションアルゴリズムを導出することができ、たとえば、単純線形回帰、多重線形回帰、多変量データ解析が使用できるが、これらに限定されるものではない。多変量データ解析の例は、主要構成要素分析(PCA)、主要構成要素回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLS)および神経回路網を含むが、これらに限定されるものではない。データ前処理の例は、平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数を導出すること、吸光度の補間、多重散乱補正、フォトメトリック補正、およびたとえばフーリエ変換などのデータ変換を含むが、これらに限定されるものではない。好ましくは、カリブレーションアルゴリズムはデータ前処理の後の将来のサンプルの吸光度データに適用される。好ましい実施形態では、使用されるデータ前処理の形態または形態の組み合わせは、一次カリブレーションアルゴリズム生成の前に使用された形態または形態の組み合わせと同じである。
例として吸光度のオーダ導関数を使用する場合、標準の波長のセットのうち少なくとも1つに関して同じサンプルの補間された吸光度が有意の変動を含んでいても、選択された波長(複数可)における一次カリブレーションアルゴリズムで使用された吸光度の導関数のオーダが、装置間の有意の変動を含んでいない場合、フォトメトリック補正は必要である場合もあれば必要でない場合もある。吸光度の変動は、吸光度の導関数のオーダを使用することによって、吸収スペクトルの所定のセクション内で除去できることがよく知られている。カリブレーションのために選択された波長(複数可)における吸光度(複数可)の導関数における許容可能な変動は、検体の予想値の装置間の変動に依存する。平滑化、データ変換、ゼロより高いオーダの吸光度を得ることは、データ前処理の非限定的な例である。データ前処理の他の方法は多重散乱補正であり、吸光度の変動を最小化することができる。データ前処理は一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用された統計技術内に含めることができる。データ前処理はまた、フォトメトリック補正を使用する場合も使用しない場合も、カリブレーションアルゴリズム転送を促進することができる。複数の装置からの分光光度計データを組み合わせる時にも多重散乱補正を使用することができる。
吸光度のオーダ導関数を使用する方法によれば、吸光度の第一次導関数は、第1と第2の装置の間のほとんどの変動を除去する。より高い導関数は有効であり本発明の範囲の中に含まれるが、より鋭いピークを導入する傾向があり、第一次導関数ほどは好ましくない。吸光度の第二次以上の導関数はスペクトルの複雑性を増加させノイズを増幅するので、信号ノイズ比が減少する。導関数のオーダがより高ければピークがより鋭くなるので、検体濃度を正確に測定するために波長の精度がより重要になる。多変量データ解析を使用して第1と第2の装置の間のほとんどの変動を除去することができるので、吸光度のゼロオーダの導関数の使用は本発明の範囲の中に含まれる。オプションとしてフォトメトリック補正と他の形態のデータ前処理を伴う、実際に使用される吸光度のオーダ導関数と統計技術は、検体の予想値について求められる精度に依存する。
検体予想精度の要件が増大するほど、また、カリブレーションアルゴリズムの複雑さが増大するほど、フォトメトリック補正の必要性も増大する。また、波長精度の要件は、求められる検体の精度にも依存する。たとえば、同じ波長カリブレーションテーブルを伴う装置を作成し、吸光度を標準の波長のセットに補間しマッピングする必要性を除去するという試みも可能である。標準の波長のセットを生成するために使用できる方法は、たとえば「波長カリブレーション」のセクションなど、別の場所で詳しく論じている。
フォトメトリック調節を行わずに吸光度の導関数を使用する時、効率的にカリブレーションアルゴリズムを転送するには波長の精度が重要である。この点を説明するために、吸光度データの第一次導関数と第二次導関数を2ピクセル分(2コラム)右にシフトさせることによって、第2の装置から得られた吸光度の第一次導関数と第二次導関数に波長の不正確さを追加した。この手順の効果は、第二次導関数に関する図17と第一次導関数に関する図18に見ることができる。第2の装置における波長の不正確さによってオフセットが明らかである。フォトメトリック調節を行わなくても、上記のように吸光度を標準の波長のセットに補間しマッピングすることによって、このオフセットを最小化することができる。各分光光度計の波長カリブレーションを、好ましくはフィルタではなくレーザが提供した2つの波長で行うとさらなる改善が見られる。フィルタを使用する場合は好ましくは狭帯域フィルタを使用する。
本明細書で開示された、分光光度計の波長カリブレーションに使用される方法では、標準の波長のセットと合成カリブレータを使用したフォトメトリック調整の使用はすべて、効率的なカリブレーションアルゴリズム転送に寄与する。適切な波長カリブレーションには技術と時間が必要である。分光光度計波長カリブレーションの最良の方法を選択し、フォトメトリック調節を省略してもよい。別法としては、波長カリブレーションに関して妥協し、測定された吸光度を標準の波長のセットにおける吸光度に変換し、ついでフォトメトリック調節を行うこともできる。フォトメトリック調節は、少なくとも2つの合成カリブレータの検査に続いて、ソフトウェアで容易に実装できる。カリブレーションアルゴリズム転送に適用される方法は、検体の予想値に求められる精度に依存する。ここで言及される精度とは、第1の装置による予想に近いことを意味することに注意されたい。
上述のように、フォトメトリック補正のないカリブレーションの態様(検体の予想値に求められる精度に依存する)は、特定の波長の選択、すなわち、波長の最適化である。
多重線形回帰では、吸光度または吸光度の第一次導関数(または吸光度の任意の導関数)の最小の変動を示す波長を選択するために使用される方法は、予想される量の吸光度と波長の変動を有するいくつかの装置で一次カリブレーションサンプルを検査し、すべての装置から得られたデータを一次カリブレーションセットに使用することである。波長(複数可)が選択された後、第1の装置から生成されたデータだけを、既定の波長(複数可)を使用して一次カリブレーション等式を生成するために使用する。
本発明の1態様によれば、第2の装置においてサンプル内の検体の濃度を決定する方法は次の手順を含む。
(i) 標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長について得られた吸光度のオーダ導関数を使用する少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを第2の装置に組み込むこと。
(ii) 波長カリブレーションテーブルからの1つまたは複数の波長においてサンプルの吸光度値を第2の装置で測定すること。
(iii) 標準の波長のセットからの波長について、吸光度値から補間された吸光度値を決定すること。
(iv) 導関数のオーダを使用して、補間された吸光度値のオーダ導関数を得ること。
(v) 一次カリブレーションアルゴリズムを導関数に適用することによって、サンプル内の検体の濃度を計算すること。
検体の予想値に求められる精度に依存して、上記の全部のステップが必要というわけではなく一部のステップはオプションであることを理解されたい。
標準の波長のセットの波長が波長カリブレーションテーブルの波長と同じ場合、1つまたは複数の波長を測定ステップ(ステップ(ii))に使用しても導関数を十分に決定できるので、1つまたは複数の波長を測定ステップに使用する。
上記の方法では、導関数は、第1のオーダの導関数、第2のオーダの導関数、または第3のオーダの導関数であってもよい。また、一次カリブレーションアルゴリズムは1、2、3、または4の波長を含んでいてもよい。波長が1つの場合は単純線形回帰を使用し、波長が複数の場合は多変量データ解析を使用して、吸光度のゼロオーダの導関数と1つまたは複数の波長を使用することも本発明の範囲内である。
本発明の別の態様では、少なくとも1つの波長が最適化され、少なくとも2台以上の装置から導出される。最適化には、吸収スペクトルの導関数を目視検査し、また、導関数吸光度の変化を検体濃度の関数として示しまた関連する各波長に関して所与の検体濃度に対して吸光度の導関数について装置間で低い変動を示す波長(複数可)を選択することを含む。
本発明の別の態様では、複数の装置の吸光度と波長の変動を含む最適化は次の手順を含む。
(i) 第1の装置と1台または複数の第2の装置から、同じ一次カリブレーションサンプルの補間された吸光度測定値の第1のセットを得ること。
(ii) 段階的多重線形回帰のプロセスにより、すべての補間された吸光度測定値(ステップ(i))を、一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用される最適な波長(複数可)を選択する一次カリブレーションセットに含めること。
装置間の変動も含むロバストなカリブレーションアルゴリズム(複数可)を生成するために、1つまたは複数の一次カリブレーションセットを、第1の装置と、1台または複数の同様な装置で測定することができる。このようなカリブレーションアルゴリズムは、第1の装置と、1台または複数の同様な装置から得た測定値の組み合わせを使用して生成される。しかし、第1の装置からのデータだけを使用して最適な波長(複数可)で一次カリブレーションアルゴリズムを生成する方が好ましい。
補間された吸光度のフォトメトリック補正または吸光度調節は、必要である場合もあれば必要ではない場合もある。
H)合成カリブレーション液
任意の1種類の容器内の検体に関して、異なる一次カリブレーションアルゴリズムを生成しなければならない。容器には、たとえば標識の付いたチューブ、標識の付いていないチューブ、ピペットチップ、チュービング、透明な容器、または、半透明の容器が含まれる。また、検体に関するカリブレーションアルゴリズムは、いくつかの異なるタイプの容器の組み合わせについて生成することもできる。明らかなように、カリブレータは容器内にカリブレータを入れて、第1の装置で測定する。本発明の方法の好ましい実施形態では、第2の装置内のカリブレータの測定は、第1の装置について使用された容器と同じタイプの容器にカリブレータを入れて行われる。
カリブレータに関して他に考慮すべき点は、第1の装置における測定と第2の装置における測定で使用されるカリブレータは同じバッチからのものであるということである。好ましい実施形態では、バッチがなくなるか枯渇するまでに十分な時間があるように、カリブレータの大きなバッチを準備する。いずれにせよ、いつかの時点で新しいカリブレータのバッチが必要になり、このときにさらに一次カリブレーションを行うことが好ましい。この一次カリブレーションは、カリブレータの第1のバッチに関して使用された第1の装置と同じ装置か、異なる第1の装置を使用して行うことができる。さらに、異なるカリブレータを選択し、バッチが異なるカリブレータを含んでいてもよい。カリブレータの新しいバッチが選択され準備されると、上記の一次カリブレーションは第1の装置に関して上記のように行われ、合成カリブレータの吸光度測定値が取られ、この情報が、装置のカリブレーションと再カリブレーションのために使用されるカリブレーションパッケージに提供される。
上述の方法は一般に、第1の装置または新しい一次カリブレーションの使用を必要とする。しかし、制御されている一次装置を使用せず、厄介な一次カリブレーションを行わずに、カリブレータの新しいバッチに吸光度値を適用することも可能である。第2のバッチまたは多くのカリブレータを準備する代わりの解決法を、「カリブレータの第2のバッチに吸光度を割り当てる」タイトルで説明する。
このようなカリブレータの使用は、一次カリブレーションよりも好ましく、その理由は次の通りである。必要な合成カリブレータの数がはるかに少ない。合成カリブレータはすぐに使用できる。一次カリブレーションのための材料は常にすぐに使用可能であるわけではなく、1日以上保存することができない。合成カリブレータは室温で安定しており、長い保存期間を有する。一次カリブレーションに使用される材料はこれらの属性をどれも有しない。一次カリブレーションアルゴリズムには技術のあるユーザが必要であり、通常はオフラインで生成される。最後にカリブレーションパッケージがあると、合成カリブレータの使用は比較的容易である。
例1で使用されるカリブレータの好ましい構成は、アマランス、フェノールレッド、硫酸銅、およびトルイジンブルーOを組み合わせて、緩衝酢酸溶液の中に1リットルあたり100ミリモル入れたもので、pHは3から4である。
I) 吸光度をカリブレータの第2のバッチに割り当てる
カリブレータが合成液である本発明の別の態様によれば、古いロットまたはバッチが終わる前または終わった後に、新しいロットまたはバッチからのカリブレータに吸光度を割り当てる方法が提供される。すなわち本発明は、装置の合成カリブレータの第2のバッチに吸光度値を割り当てる方法を提供し、この方法は次の手順を含む。
1) 第1の装置で第2のバッチからの合成カリブレーション液のセットに、吸光度値を割り当てる方法であって、この方法は次の手順を含む。
(i) 第1の装置が制御されているかどうかを検査すること。
(ii) ステップ(i)の検査結果が肯定的である場合、第2のバッチからの少なくとも1つのカリブレータのセットを使用して、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関して第1の装置で測定された吸光度を得ること。
(iii) ステップ(ii)で得られたマッピングされた吸光度を、第2のバッチからのカリブレータのセットに割り当てること。
2)第1のバッチからのカリブレータのセットを使用して、吸光度測定値に関して第1の線形回帰等式の以前に確立された第1のセットを有する第2の装置で、カリブレータの第2のバッチのセットに吸光度値を割り当てる方法であって、この方法は次の手順を含む。
(i) 第2の装置が制御されているかどうかを検査すること。
(ii) ステップ(i)の検査結果が肯定的である場合、
(a) 第1の線形回帰等式の以前に確立された第1のセットを保持すること。
(iii) 第2のバッチから少なくとも1つのカリブレータのセットを使用して、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関して、第2の装置で吸光度測定値を得ること。
(iv) ステップ(ii)(a)から、保持された以前に確立された第1の線形回帰等式の第1のセットを使用して、第2のバッチから少なくとも1つのカリブレータのセットに関して、ステップ(iii)で得られたマッピングされた吸光度を調節すること。
(v) ステップ(iv)で調節された吸光度を、第2のバッチからのカリブレータのセットに割り当てること。
第1のバッチからのカリブレータのセットを使用して、吸光度測定値に関して第1の線形回帰等式の以前に確立された第1のセットを有する装置で、カリブレータの第2のバッチのセットに、吸光度値を割り当てる方法であって、この方法は次の手順を含む。
(i) 装置が制御されているかどうかを検査すること。
(ii) ステップ(i)の検査結果が否定的である場合、
(a) 第1のバッチからの少なくとも1つのカリブレータのセットを使用して、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関して、装置上で吸光度測定値を得ること。
(b) ステップ(ii)(a)で得られたマッピングされた吸光度に関して、第1の線形回帰等式の第2のセットを確立すること。
(iii) 第2のバッチから少なくとも1つのカリブレータのセットを使用して、波長の標準のセットの少なくとも1つの波長に関して、装置上で吸光度測定値を得ること。
(iv)ステップ(ii)(a)から第1の線形回帰等式の保持された、以前に確立されたセットを使用して、第2のバッチから少なくとも1つのカリブレータのセットに関して、ステップ(iii)で得られた、マッピングされた吸光度を調節すること。
(v) 第2のバッチからのカリブレータのセットに、ステップ(iv)で調節された吸光度を割り当てること。
J) カリブレーションパッケージ
カリブレーションパッケージの必須の構成要素は次の構成要素を含む。
(i) 少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズム。
(ii) 少なくとも2つのカリブレータ。
(iii) カリブレータに対して割り当てられた吸光度。
カリブレータに対して割り当てられた吸光度は、好ましくは、第1の装置が制御されている時、第1の装置から得られたものである。第1の装置の定義により、一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は各々、第1の装置に関して生成される。したがって、カリブレータの割り当てられた吸光度と一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)は、好ましくは同じ装置からのものである。再カリブレーションの間、カリブレータの割り当てられた吸光度が一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)が生成された装置と同じ装置で得られたものでない場合、カリブレータの割り当てられた吸光度と一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)の間にミスマッチがある危険性がある。この危険性を緩和するために、適切な一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)を装置に組み込みなおすことが好ましい。再カリブレーションの好ましい形態はカリブレーションのプロセスとまったく同じであることが明らかである。したがって、好ましい実施形態では、カリブレーションは再カリブレーションより安全な方法である。言い換えれば、カリブレーションパッケージが使用可能な場合、再カリブレーションよりカリブレーションの方が好ましい。
一次カリブレーションアルゴリズムとカリブレータの割り当てられた吸光度(第1の装置が制御されているとき、一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用された第1の装置と同じ装置上で検査されている)が転送できる任意の他の手段も本発明の範囲に含まれるが、他のソフトウェアも、カリブレーションパッケージのソフトウェアコンポーネントを準備するために設計できる。本発明の1実施形態では、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムとカリブレータの割り当てられた吸光度はディスケットに記憶されるが、任意の他の情報転送の手段も企図されており、その中には、CD−ROM、電子メール、インターネット情報パッケージが含まれる。これらの方法は、カリブレータの割り当てられた吸光度と、一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)を第1の装置から第2の装置に搬送する。好ましくは、カリブレーションパッケージはカリブレータを含み、ユーザが、最小の努力で必要なときに他の装置をカリブレートできるようにする。
カリブレーションパッケージはもっとも好ましくは次の情報を含む。第1の装置(すなわち一次カリブレーションアルゴリズムを生成するために使用された装置)のアイデンティティまたはシリアル番号。第1の装置上で生成された、カリブレーションアルゴリズムとこの各々に対応する検体。一次カリブレーションに使用され、第1の装置を使用するカリブレータに吸光度を割り当てるために使用された容器は、たとえばチップ、チューブ、チュービングなどサンプル容器のリストからチェックしなければならない。カリブレーションセットのロット番号。すべての関連する波長におけるカリブレータごとに割り当てられた吸光度の値。セットからの各カリブレータが適用できる検体。好ましい実施形態では、単一の測定ではなく、各カリブレータが10回検査され、各波長に関する10の測定値の平均を使用することができる。
この説明では干渉物質を例として使用したが、本発明は他のサンプル内の他の検体にも適用できることが明らかである。また、合成カリブレータを例として使用したが、本発明で他のカリブレータも使用できることを理解されたい。
次の非限定的な例で本発明を説明する。
(実施例1)
4つのカリブレータを第1の装置で検査した時の吸収スペクトルを図1に示し、第2の装置で得られた吸収スペクトルを図2に示す。標準の波長500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、および750nmに関する第1の線形回帰のプロットと等式をそれぞれ、図3、図4、図5、図6、図7、および図8に示す。テーブル1は、例として選択された波長に関するy切片と勾配を示す
Figure 2007127661
勾配はテーブル1に示された波長例とよく似ているが、y切片にはより有意な差がある。これらの数は装置によって大きく異なる。大きなR値(1に非常に近い)は、2つの装置の吸光度の間の高い相関性、すなわち、フォトメトリック補正の信頼性を示す。
テーブル1のy切片と勾配は、第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で得られたカリブレータに関する吸光度の第1の線形回帰プロットから導出された。
波長600nmに関する等式はy=1.464x−0.664で、より一般的な形態は次式の通りである。
吸光度第2=1.464×吸光度第1−0.664
第2の装置で特定のサンプルの600nmにおける吸光度が1.500であるとする。任意の検体に関して第1の装置からのカリブレーションアルゴリズム(一次カリブレーションアルゴリズム)を、第2の装置で測定された吸光度に適用する前に次の調節をしなければならない。
調節された吸光度=(測定された吸光度−{−0.664})/1.464
=(測定された吸光度+0.664)/1.464
=(1.500+0.664)/1.464
=1.478
上式で、−0.664は上記のテーブルからの600nmに関するy切片、1.464は上記のテーブルからの600nmに関する勾配である。カリブレーションアルゴリズムに含まれるすべての波長を同様に調節しなければならない。
カリブレーションパッケージを準備するときには、第1の装置でカリブレータを検査する前後に品質制御を検査して、第1の装置が、カリブレータアルゴリズムが生成された時とまったく同じように機能していることを確認しなければならない。第1の装置について導出された一次カリブレーションアルゴリズムを第2の装置が使えるようにするためには、好ましくは次の2項目が必要である。
1) すべての波長を組み込むことができるが、少なくとも一次カリブレーションアルゴリズム(複数可)に使用された波長を含むテーブル1と同様なテーブル。
2) カリブレーションセット。
(実施例2)
例示として、一次Hbカリブレーションアルゴリズムを装置#1(第1の装置)に関して生成し、同じカリブレーションアルゴリズムを、5台の他の装置(#2、#3、#4、#5、#6。これらすべてが第2の装置である)が生成したデータに適用した。この例では、装置間のカリブレーションは吸収スペクトルの第一次導関数を使用して説明される。
明確に示すために装置のうち3台だけについて同じサンプルの吸収スペクトルを示した。(#2、#4、#6)。これらはフォトメトリック補正なしで、使用された6台の装置について標準の波長のセットに関して吸収スペクトルの変動の全範囲を示した(図9)。吸光度の第一次導関数を計算しプロットしたところ(図10)、特にヘモグロビンに関するカリブレーションアルゴリズムに使用された波長593nmと608nmに関して、変動のほとんどが消えた。これを以下に示す。
g/L Hb=−0.22−75.96×(593nmにおける吸光度の第一次導関数)+81.45×(608nmにおける吸光度の第一次導関数)
図10は、標準の波長のセットを使用して、3台の異なる装置(#2、#4、#6)で検査した同じ合成液の吸収スペクトルの第一次導関数をグラフィックに示した図である。593nmと608nmと識別された波長は、ヘモグロビンに関するカリブレーションアルゴリズムで使用された。第3の波長537nmは、吸光度と、吸光度の第一次導関数における有意な差を伴う領域を説明するために示されている。
装置#1で予想されたヘモグロビンと(x軸)、他の5台の装置で予想されたヘモグロビン(y軸)の散布図を図11から図15に示す。
図11は、装置#1(x軸)と装置#2(y軸)から収集されたデータに、同じカリブレーション等式{g/L Hb=−0.22−75.96×(593nmにおける吸光度の第一次導関数)+81.45×(608nmにおける吸光度の第一次導関数)}を適用して予想されたHbをg/Lで示した散布図である。
図12は、装置#1(x軸)と装置#3(y軸)から収集されたデータに、同じカリブレーション等式{g/L Hb=−0.22−75.96×(593nmにおける吸光度の第一次導関数)+81.45×(608nmにおける吸光度の第一次導関数)}を適用して予想されたHbをg/Lで示した散布図である。
図13は、装置#1(x軸)と装置#4(y軸)から収集されたデータに、同じカリブレーション等式{g/L Hb=−0.22−75.96×(593nmにおける吸光度の第一次導関数)+81.45×(608nmにおける吸光度の第一次導関数)}を適用して予想されたHbをg/Lで示した散布図である。
図14は、装置#1(x軸)と装置#5(y軸)から収集されたデータに、同じカリブレーション等式{g/L Hb=−0.22−75.96×(593nmにおける吸光度の第一次導関数)+81.45×(608nmにおける吸光度の第一次導関数)}を適用して予想されたHbをg/Lで示した散布図である。
図15は、装置#1(x軸)と装置#6(y軸)から収集されたデータに、同じカリブレーション等式{g/L Hb=−0.22−75.96×(593nmにおける吸光度の第一次導関数)+81.45×(608nmにおける吸光度の第一次導関数)}を適用して予想されたHbをg/Lで示した散布図である。
これらのデータは、選択された2つの波長が、カリブレーションアルゴリズムで使用された吸光度の第一次導関数でわずかな変動しか示さないため、この例で説明したHbのカリブレーションアルゴリズムについてはフォトメトリック補正は必要ないことをはっきりと示している。
(実施例3)
図9のスペクトルを検討すると、任意の波長における生の吸光度をカリブレーションアルゴリズムで使用した場合には、フォトメトリック補正が必要となることが明らかであろう。図10で、同じ3台の異なる装置(#2、#4、#6)で検査した同じ合成液の吸収スペクトルの第一次導関数を検討すると、標準の波長を使用した場合、593nmと608nmにおいては装置に差がないことが観察される。当業者であれば、フォトメトリック補正の要件は、検体の予想に求められる精度に依存することが理解されるであろう。
(実施例4)
図10のスペクトルを検討すると、537nmなどの波長における吸光度の第一次導関数が、一次カリブレーションアルゴリズムの主要構成要素である場合、フォトメトリック補正が必要となることが観察できる。また、フォトメトリック補正の要件は検体の予想に求められる精度と、カリブレーションアルゴリズムに使用される593nmなどの波長の数に依存することも明らかである。全スペクトルまたはスペクトルの連続的なセグメントを使用するPLS分析またはPCAを使用する場合は(生の吸光度または吸光度の導関数のオーダ)、フォトメトリック補正を行う必要性はさらに大きいであろう。
(実施例5)
図16は、標準の波長のセットを使用して3台の異なる装置(#2、#4、#6)で検査した同じ合成液の吸収スペクトルの第二次導関数をグラフィックに表した図である。吸光度の第一次導関数を使用した時には、593nmと608nmと識別される波長をヘモグロビンに対するカリブレーションアルゴリズムに使用した。カリブレーションアルゴリズム転送のために、吸光度の第二次導関数の変動を目視観察することができる。ヘモグロビンのカリブレーションアルゴリズムを生成するために吸光度の第二次導関数を使用した場合、593nmより630nm(図示されている)のほうが好ましいことは明らかであろう。カリブレーションアルゴリズム転送に使用される最良の波長(複数可、すなわち、予想される検体の濃度で装置間が変動を最小である波長)は、正確なヘモグロビンの予想値を生成する最良の波長(複数可)とは限らないことに注意されたい。
図9(吸光度)と図10から明らかなように、吸光度の第一次導関数は、3つの装置間のスペクトルの変動のほとんどを除去する。しかしより高い導関数を使用すると、スペクトル内のピークの数が増え、ピークが鋭くなる。これを説明するために、図16(吸光度の第二次導関数)におけるピークの数と鋭さを図10(吸光度の第一次導関数)と比較されたい。第三次導関数(図19)ではさらにはっきり分かる。第二次導関数以上ではピークの数は変わらないが、鋭さは漸次的に増加する。
(実施例6)
製造業者は、各線形ダイオードアレイ検出器の同じピクセル上に単一のレーザを投射し、既定のピクセル分散を使用して分光光度計をカリブレートする。したがってこれらの分光光度計を使用する装置はどれも同じ波長カリブレーションテーブルを有する。図9に示されるように、吸収スペクトルを生成するために3台のこのような装置#2、#4、#6を使用したと仮定する。さらに、装置#6の波長カリブレーションに誤差があると仮定する。このエラーをシミュレートするためには、装置#6で検査したサンプルの吸光度を2ピクセルシフトする。図17は、標準の波長のセットを使用して3台の異なる装置で検査した同じサンプルの吸収スペクトルの第二次導関数を示し、装置#6の吸光度の第二次導関数を右に2ピクセルシフトさせて、グラフィックに表した図である。図18は、標準の波長のセットを使用して3台の異なる装置(#2、#4、#6)で検査した同じサンプルの吸収スペクトルの第一次導関数を示し、装置#6の吸光度の第一次導関数を右に2ピクセルシフトさせて、グラフィックに表した図である。例2で説明したように、吸光度の導関数は吸光度における変動の一部を除去できるが、波長の不正確さが吸光度の導関数に与えた影響が図17と図18にそれぞれ、吸光度の第二次導関数と第一次導関数について示される。この例は、装置間の波長の正確さの重要性を示す。許容可能な波長誤差のマグニチュードは、検体の測定に求められる正確さに依存する。波長の不正確さに対処する好ましい方法は、波長カリブレーションに2種類の波長を使用することである。これによって各装置についてピクセル分散を計算し、各装置について波長カリブレーションテーブルを生成し、測定された吸光度を標準の波長のセットにマッピングすることができる。また、吸光度のマッピングに続いて、カリブレーションセットを使用して関連する波長に関してフォトメトリック補正を行うことも好ましい。
好ましい例として現在考えられる例を参照しながら本発明を説明したが、本発明は開示された例に限定されないことを理解されたい。逆に、本発明は付随する請求項の精神と範囲に含まれる種々の変形例と等価例もカバーすることを目的としている。
上記の説明は請求される本発明を限定する意図ではなく、さらに、本明細書に論じた機能の組み合わせは本発明の解決法に絶対必要というわけではない。
第1の装置上で検査した、4つの異なる合成カリブレータの吸収スペクトルをグラフで表した図である。 第2の装置上で検査した、4つの異なる合成カリブレータの吸収スペクトルをグラフで表した図である。 第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、500nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。 第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、550nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。 第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、600nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。 第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、650nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。 第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、700nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。 第1の装置(x軸)と第2の装置(y軸)で検査した、750nmにおける4つのカリブレータの吸光度を散布図で示した図である。 標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルをグラフで表した図である。 標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第一次導関数をグラフで表した図であり、吸収スペクトルは図9に示されている。 例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。 例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。 例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。 例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。 例2のカリブレーションアルゴリズムを使用して予想されたHbをg/Lで表した散布図である。 標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第二次導関数をグラフで表した図である。 標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第二次導関数をグラフで表し、装置#6の吸光度の第二次導関数を右に2ピクセルシフトさせた図である。 標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第一次導関数をグラフで表し、装置#6の吸光度の第一次導関数を右に2ピクセルシフトさせた図である。 標準の波長のセットを使用して、3つの異なる装置(#2、#4、#6)で検査した、同じ合成液の吸収スペクトルの第3の導関数をグラフで表した図である。593nmと608nmと示された波長は、吸光度の第一次導関数を使用した時に、ヘモグロビンに関する例2のカリブレーションアルゴリズムで使用した。

Claims (83)

  1. 第2の装置内のサンプルの1つまたは複数の検体の濃度を決定する方法であって、
    (i) 1つまたは複数の検体の各々に対する1台または複数の第1の装置から得られるような少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを有する第2の装置を提供すること、ここで、少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムは、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長に関して得られた吸光度のオーダ導関数を使用し、前記標準の波長のセットの波長は、第1の装置の波長カリブレーションテーブル、第2の装置の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の装置の波長カリブレーションテーブルの波長と同じであるかまたは異なり、
    (ii)前記第2の装置で、前記標準の波長のセットからの1つまたは複数の波長においてサンプルの吸光度の値を測定すること、
    (iii) 前記少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを前記吸光度の値のオーダ導関数に適用することによって、サンプル内の1つまたは複数の検体の濃度を計算することを含む方法。
  2. 前記提供のステップ(ステップ(i))と計算のステップ(ステップ(iii))において、前記オーダ導関数は、ゼロオーダの導関数、第1のオーダの導関数、第2のオーダの導関数、および第3のオーダの導関数からなるグループから選択される請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するための吸光度測定値を処理するために、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術が使用される請求項1に記載の方法。
  4. 前記多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される請求項3に記載の方法。
  5. データ前処理が前記測定のステップ(ステップ(ii))の後に行われる請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の装置は、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイと同じ数のピクセルを含む第2の線形ダイオードアレイを備える請求項1に記載の方法。
  7. 前記提供のステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、前記標準の波長のセットは、1台または複数の第1の装置の波長カリブレーションテーブル、または、1台または複数の第2の装置の波長カリブレーションテーブル、または、1台または複数の第1と第2の両方の装置の波長カリブレーションテーブルから導出された概算の波長のセットである請求項1に記載の方法。
  8. 前記提供のステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、前記標準の波長のセットは、一次カリブレーションアルゴリズムを得るために使用された第1の装置と第2の装置との両方の波長カリブレーションテーブルについて共通である波長を含む請求項1に記載の方法。
  9. 前記標準の波長のセットは、約300nmから約2500nmの波長を含む請求項1に記載の方法。
  10. 前記標準の波長のセットは、約500nmから約1100nmの波長を含む請求項1に記載の方法。
  11. 前記サンプルは、一次カリブレーションのために使用される容器と実質的に同様な光学的な性質を有する同様な容器に入れられる請求項1に記載の方法。
  12. 前記容器は、ピペットチップ、標識の付いた試験管、標識の付いていない試験管、血液バッグチュービング、透明なサンプル容器、および半透明なサンプル容器からなるグループから選択される請求項11に記載の方法。
  13. 前記サンプルは任意の生体液または非生体液であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項1に記載の方法。
  14. 前記サンプルは固体であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項1に記載の方法。
  15. データ前処理は、補間された吸光度の計算、吸光度の平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、多重分散補正、データ変換、フォトメトリック補正、およびこれらの任意の組み合わせからなるグループから選択される請求項5に記載の方法。
  16. 前記提供のステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、前記標準の波長のセットは、1つまたは複数の第1の波長カリブレーションテーブル、または、1つまたは複数の第2の波長カリブレーションテーブル、または、1つまたは複数の第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルから導出される概算の波長のテーブルを生成することによって得られ、前記第1の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号と、前記第2の装置の第2の線形ダイオードアレイのピクセル番号は、第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセル未満かまたは第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセルに等しくなければならず、上式で、Nは、約±20nm以下の波長の範囲を囲むピクセルの数であり、前記第1の装置の基準ピクセル番号は、知られた波長の電磁放射に関連されている請求項1に記載の方法。
  17. 前記第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (i) 知られた波長の第1の電磁放射を、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または前記第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
    (ii) 前記第1の電磁放射とは異なる波長を有する、知られた波長の第2の電磁放射を使用して、前記第2の電磁放射を前記第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
    (iii) 第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルとを識別し、
    (iv) 前記第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算し、
    (v) 前記ピクセル分散並びに前記知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセルまたは前記知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために、前記第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項1に記載の方法。
  18. 前記第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (a) 知られた波長の電磁放射を前記第1または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
    (b) 前記ピクセルのピクセル番号を識別し、
    (c) 既定のピクセル分散、前記知られた波長の電磁放射、および前記ピクセル番号を使用する第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために、前記線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項1に記載の方法。
  19. 前記波長の範囲は約±20nmである請求項16に記載の方法。
  20. 前記波長の範囲は約±10nmである請求項16に記載の方法。
  21. 前記波長の範囲は約±5nmである請求項16に記載の方法。
  22. 前記波長の範囲は約±2nmである請求項16に記載の方法。
  23. 第2の装置内のサンプルの少なくとも1つの検体の濃度を測定する方法であって、
    (i) 1つまたは複数の検体の各々について少なくとも1つの更新された一次カリブレーションアルゴリズムを有する第2の装置を提供すること、ここで、少なくとも1つの更新された一次カリブレーションアルゴリズムは、標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長について、1台または複数の第1の装置から得られた元の一次カリブレーションデータセットの一部またはすべてと、第2の装置からの追加のデータとを組み合わせることによって生成され、前記追加のデータは、前記標準の波長のセットのうち少なくとも1つの波長について、より小さな同様な一次カリブレーションセット、一次カリブレーションセットのサブセット、または、一次カリブレーションセットと一次カリブレーションセットのサブセットの両方を使用して得られ、前記標準の波長のセットの1つまたは複数の波長は、前記第1の装置の波長カリブレーションテーブル、前記第2の装置の波長カリブレーションテーブル、または、前記第1と第2の装置の両方の波長カリブレーションテーブルの波長と同じであるかまたは異なり、
    (ii) 前記第2の装置で、前記標準の波長のセットからの1つまたは複数の波長において、サンプルの吸光度の値を測定すること、
    (iii) 前記少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを、ステップ(ii)の吸光度測定値のオーダ導関数に適用することによって、サンプル内の1つまたは複数の検体の濃度を計算することを含む方法。
  24. 前記提供のステップ(ステップ(i))と計算のステップ(ステップ(iii))において、前記オーダ導関数は、ゼロオーダの導関数、第1のオーダの導関数、第2のオーダの導関数、および第3のオーダの導関数からなるグループから選択される請求項23に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するための吸光度測定値を処理するために、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術が使用される請求項23に記載の方法。
  26. 前記多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される請求項25に記載の方法。
  27. データ前処理が前記測定のステップ(ステップ(ii))の後に行われる請求項23に記載の方法。
  28. 前記第2の装置は、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイと同じ数のピクセルを含む第2の線形ダイオードアレイを備える請求項23に記載の方法。
  29. 前記提供のステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、前記標準の波長のセットは、1台または複数の第1の装置の波長カリブレーションテーブル、または、1台または複数の第2の装置の波長カリブレーションテーブル、または、1台または複数の第1と第2の両方の装置の波長カリブレーションテーブルから導出された概算の波長のセットである請求項23に記載の方法。
  30. 前記提供のステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、前記標準の波長のセットは、一次カリブレーションアルゴリズムを得るために使用された第1と第2の装置の両方の波長カリブレーションテーブルについて共通である波長を含む請求項23に記載の方法。
  31. 前記標準の波長のセットは、約300nmから約2500nmの波長を含む請求項23に記載の方法。
  32. 前記標準の波長のセットは、約500nmから約1100nmの波長を含む請求項23に記載の方法。
  33. 前記サンプルは、一次カリブレーションのために使用された容器と実質的に同様な光学的な性質を有する同様な容器に入れられる請求項23に記載の方法。
  34. 前記容器は、ピペットチップ、標識の付いた試験管、標識の付いていない試験管、血液バッグチュービング、透明なサンプル容器、および半透明なサンプル容器からなるグループから選択される請求項33に記載の方法。
  35. 前記サンプルは任意の生体液または非生体液であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項23に記載の方法。
  36. 前記サンプルは固体であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項23に記載の方法。
  37. 前記データ前処理は、補間された吸光度の計算、吸光度の平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、多重分散補正、データ変換、フォトメトリック補正、およびこれらの任意の組み合わせからなるグループから選択される請求項27に記載の方法。
  38. 前記提供のステップ(ステップ(i))と測定のステップ(ステップ(ii))において、前記標準の波長のセットは、1つまたは複数の第1の波長カリブレーションテーブル、または、1つまたは複数の第2の波長カリブレーションテーブル、または、1つまたは複数の第1と第2の波長カリブレーションテーブルの両方から導出された概算の波長のテーブルを生成することによって得られ、前記第1の装置の線形ダイオードアレイのピクセル番号と、前記第2の装置の第2の線形ダイオードアレイのピクセル番号は、第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセル未満かまたは第1の装置の基準ピクセル番号の約±Nピクセルに等しくなければならず、上式で、Nは、約±20nm以下の波長の範囲を囲むピクセルの数であり、前記第1の装置の基準ピクセル番号は、知られた波長の電磁放射に関連されている請求項23に記載の方法。
  39. 前記第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (i) 知られた波長の第1の電磁放射を、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または前記第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
    (ii) 前記第1の電磁放射とは異なる波長を有する、知られた波長の第2の電磁放射を使用して、前記第2の電磁放射を前記第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
    (iii) 前記第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルとを識別し、
    (iv) 前記第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算し、
    (v) 前記ピクセル分散並びに前記知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセルまたは前記知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために、前記第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項23に記載の方法。
  40. 前記第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (a) 知られた波長の電磁放射を前記第1または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
    (b) 前記ピクセルのピクセル番号を識別し、
    (c) 既定のピクセル分散、前記知られた波長の電磁放射、前記ピクセル番号を使用する第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために、前記線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項23に記載の方法。
  41. 前記波長の範囲は約±20nmである請求項38に記載の方法。
  42. 前記波長の範囲は約±10nmである請求項38に記載の方法。
  43. 前記波長の範囲は約±5nmである請求項38に記載の方法。
  44. 前記波長の範囲は約±2nmである請求項38に記載の方法。
  45. 前記サンプルは身体の任意の一部である請求項14に記載の方法。
  46. 前記サンプルは身体の任意の一部である請求項23に記載の方法。
  47. 前記測定のステップ(ステップ(ii))はさらに、
    (A) 前記第2の装置で、前記第1の波長カリブレーションテーブルから標準の波長のセットのうち1つまたは複数の波長を囲む2つまたは2つ以上の波長においてサンプルの吸光度を得ることと、
    (B) 前記標準の波長のセットのうち1つまたは複数の波長についてサンプルの補間された吸光度を決定することとを含み、
    前記計算のステップ(ステップ(iii))は、
    前記吸光度測定値をステップ(B)で決定された補間された吸光度に置き換えることを含む請求項1に記載の方法。
  48. 前記補間された吸光度は調節されて、調節され補間された吸光度を生成する方法であって、前記調節され補間された吸光度は、
    (a) 前記第1の波長カリブレーションテーブルからの1つまたは複数の波長について、1台または複数の第1の装置でカリブレータのセットの吸光度測定値の第1のセットを確立することと、
    (b) 前記第2の波長カリブレーションテーブルからの1つまたは複数の波長について、第2の装置で同じカリブレータのセットまたは同様なカリブレータのセットの、吸光度測定値の第2のセットを得ることと、
    (c) 標準の波長のセットのうち1つまたは複数の波長について吸光度測定値の第1のセットに関して第1の補間された吸光度を決定し、前記標準の波長のセットのうち1つまたは複数の波長について吸光度測定値の第2のセットに関して第2の補間された吸光度を決定することと、
    (d) 前記補間された吸光度の測定値の第1と第2のセットを使用して、前記標準の波長のセットのうち1つまたは複数の波長について線形回帰等式を導出することと、
    (e) 調節され補間された吸光度を得るために前記線形回帰等式を使用することによって決定され、
    前記使用のステップ(ステップ(e))において、前記調節され補間された吸光度(A|A)は次の等式から得られ、
    A|A=(補間された吸光度−y切片)/勾配
    上式で「y切片」と「勾配」は線形回帰等式から得られ、前記線形回帰等式は補間された吸光度測定値のプロットから導出され、第1の補間された吸光度測定値はX軸にプロットされ、第2の補間された吸光度測定値はY軸にプロットされ、前記線形回帰等式はy切片と勾配を有する請求項47に記載の方法。
  49. 前記提供のステップ(ステップ(i))と計算のステップ(ステップ(iii))において、前記オーダ導関数は、ゼロオーダの導関数、第1のオーダの導関数、第2のオーダの導関数、および第3のオーダの導関数からなるグループから選択される請求項47に記載の方法。
  50. 前記提供のステップ(ステップ(i))と計算のステップ(ステップ(iii))において、前記オーダ導関数は、ゼロオーダの導関数、第1のオーダの導関数、第2のオーダの導関数、および第3のオーダの導関数からなるグループから選択される請求項48に記載の方法。
  51. 前記少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するための吸光度測定値を処理するために、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術が使用される請求項47に記載の方法。
  52. 少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムを生成するための吸光度測定値を処理するために、単純線形回帰、多重線形回帰、および多変量データ解析からなるグループから選択される統計技術が使用される請求項48に記載の方法。
  53. 前記多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される請求項51に記載の方法。
  54. 前記多変量データ解析は、主要構成要素分析、主要構成要素回帰、部分最小二乗回帰、および神経回路網からなるグループから選択される請求項52に記載の方法。
  55. 前記第2の装置は、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイと同じ数のピクセルを含む第2の線形ダイオードアレイを備える請求項47に記載の方法。
  56. 前記第2の装置は、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイと同じ数のピクセルを含む第2の線形ダイオードアレイを備える請求項48に記載の方法。
  57. 前記標準の波長のセットは、約300nmから約2500nmの波長を含む請求項47に記載の方法。
  58. 前記標準の波長のセットは、約300nmから約2500nmの波長を含む請求項48に記載の方法。
  59. 前記標準の波長のセットは、約500nmから約1100nmの波長を含む請求項47に記載の方法。
  60. 前記標準の波長のセットは、約500nmから約1100nmの波長を含む請求項48に記載の方法。
  61. 前記サンプルは、一次カリブレーションのために使用された容器と実質的に同様な光学的な性質を有する同様な容器に入れられる請求項47に記載の方法。
  62. 前記サンプルは、一次カリブレーションのために使用された容器と実質的に同様な光学的な性質を有する同様な容器に入れられる請求項48に記載の方法。
  63. 前記容器は、ピペットチップ、標識の付いた試験管、標識の付いていない試験管、血液バッグチュービング、透明なサンプル容器、および半透明なサンプル容器からなるグループから選択される請求項61に記載の方法。
  64. 前記容器は、ピペットチップ、標識の付いた試験管、標識の付いていない試験管、血液バッグチュービング、透明なサンプル容器、および半透明なサンプル容器からなるグループから選択される請求項62に記載の方法。
  65. 前記サンプルは任意の生体液または非生体液であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項47に記載の方法。
  66. 前記サンプルは任意の生体液または非生体液であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項48に記載の方法。
  67. 前記サンプルは固体であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項47に記載の方法。
  68. 前記サンプルは身体の任意の一部である請求項47に記載の方法。
  69. 前記サンプルは固体であり、前記検体は、吸光度の測定値を得ることのできる、サンプル内の任意の物質である請求項48に記載の方法。
  70. 前記サンプルは身体の任意の一部である請求項48に記載の方法。
  71. 前記第1の装置または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (i) 知られた波長の第1の電磁放射を、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または前記第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
    (ii) 前記第1の電磁放射とは異なる波長を有する知られた波長の第2の電磁放射を使用して、前記第2の電磁放射を前記第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
    (iii) 前記第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルとを識別し、
    (iv) 前記第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算し、
    (v) 前記ピクセル分散並びに前記知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセルまたは前記知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項47に記載の方法。
  72. 前記第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (i) 知られた波長の第1の電磁放射を、前記第1の装置の第1の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上、または前記第2の装置の第2の線形ダイオードアレイの第1のピクセル上に投射し、
    (ii) 前記第1の電磁放射とは異なる波長を有する、知られた波長の第2の電磁放射を使用して、前記第2の電磁放射を前記第1または第2の線形ダイオードアレイの第2のピクセル上に投射し、
    (iii) 前記第1または第2の線形ダイオードアレイ内の第1のピクセルと第2のピクセルを識別し、
    (iv) 前記第1または第2の線形ダイオードアレイに関してピクセル分散を計算し、
    (v) 前記ピクセル分散並びに前記知られた波長の第1の電磁放射及び第1のピクセル、または、前記知られた波長の第2の電磁放射及び第2のピクセルのいずれかを使用して波長カリブレーションテーブルを生成するために、前記第1または第2の線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項48に記載の方法。
  73. 前記第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (a) 知られた波長の電磁放射を前記第1の装置または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
    (b) 前記ピクセルのピクセル番号を識別し、
    (c) 既定のピクセル分散、前記知られた波長の電磁放射、および前記ピクセル番号を使用する第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために、前記線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項47に記載の方法。
  74. 前記第1または第2の装置の波長カリブレーションテーブルは、
    (a) 知られた波長の電磁放射を前記第1または第2の装置の線形ダイオードアレイ内のピクセルに投射し、
    (b) 前記ピクセルのピクセル番号を識別し、
    (c) 既定のピクセル分散、前記知られた波長の電磁放射、および前記ピクセル番号を使用する第1の波長カリブレーションテーブル、第2の波長カリブレーションテーブル、または、第1と第2の両方の波長カリブレーションテーブルを生成するために、前記線形ダイオードアレイ内の各ピクセルに波長を割り当てることによって得られる請求項48に記載の方法。
  75. 前記導出のステップ(ステップ(d))において2つまたは2つ以上のカリブレータが使用される請求項48に記載の方法。
  76. 前記カリブレータは、吸光度をシミュレートし、第1の線形回帰等式のうち少なくとも1つを生成するのに適した任意の材料を含む請求項75に記載の方法。
  77. 前記確立のステップ(ステップ(a))における吸光度測定値の第1のセット、前記得るステップ(ステップ(b))の吸光度測定値の第2のセット、または、前記吸光度測定値の第1のセットと第2のセットの両方は、前記波長カリブレーションテーブルの各波長において1回または複数回決定され、また、
    −第1の補間された吸光度の値または第2の補間された吸光度の値の平均が使用されるか、または、
    −吸光度測定値の第1のセットの平均、または、吸光度測定値の第2のセットの平均が補間され、標準の波長のセットにマッピングされるかのいずれかである請求項48に記載の方法。
  78. 前記計算のステップ(ステップ(iii))で、濃度は定量的な方法で報告される請求項1に記載の方法。
  79. 前記計算のステップ(ステップ(iii))で、濃度は定量的な方法で報告される請求項23に記載の方法。
  80. 前記提供のステップ(ステップ(i))で、前記標準の波長のセットの波長は前記第2の装置の波長カリブレーションテーブルの波長とは異なる請求項1に記載の方法。
  81. 前記少なくとも1つの一次カリブレーションアルゴリズムは、1台または複数の装置で測定されたサンプルの吸光度データの組み合わせを使用して生成される請求項1に記載の方法。
  82. 前記組み合わされた吸光度データは、一次カリブレーションアルゴリズムを生成する前にデータ前処理を受ける請求項81に記載の方法。
  83. 前記データ前処理は、補間された吸光度の計算、吸光度の平滑化、吸光度の第1のオーダおよびより高いオーダの導関数の計算、多重分散補正、データ変換、フォトメトリック補正、およびこれらの任意の組み合わせからなるグループから選択される請求項82に記載の方法。
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