JP7372853B2 - ゴム組成物、タイヤ及びゴム用添加剤 - Google Patents

ゴム組成物、タイヤ及びゴム用添加剤 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム組成物、タイヤ及びゴム用添加剤に関する。
近年、省資源、省エネルギー、及び環境保護の観点から、二酸化炭素をはじめとした排出ガスの規制が厳しくなっており、自動車に対する低燃費化の要求が高まっている。自動車の低燃費化には、エンジン等の駆動系及び伝達系の寄与が大きいが、タイヤの転がり抵抗も大きく関与しているため、駆動系及び伝達系だけでなく、タイヤの転がり抵抗の改善も必要とされている。
その他にも、経済性及び安全性の観点から、引裂き強度等の機械的強度を充分に確保することも求められている。
これらの課題を解決するために、例えばゴム成分、カーボンブラック、及びトリアゾール化合物が吸着する修飾フィラーを含むゴム組成物(特許文献1)、メルカプトベンゾイミダゾール化合物を含むゴム組成物(特許文献2)等が提案されているが、十分ではない。
国際公開第2013/130099号 特開2015-007185号公報
上記のような事情に鑑み、本発明の目的とするところは、優れた低発熱性及び引き裂き強度を有するゴム組成物、タイヤ及びゴム用添加剤を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の化合物をゴム成分に加えることにより優れた低発熱性及び引き裂き強度を有するゴム組成物、及びタイヤを得ることができることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のゴム組成物、タイヤ及びゴム用添加剤を提供する。
項1.
下記式(1)で表される化合物Aと、ゴム成分とを含む、ゴム組成物。
Figure 0007372853000001
〔式中、Rはヘテロ原子であり、Rは、複素環基である。〕
項2.
は、酸素原子、硫黄原子又はNRであり、Rは水素原子又はアミノ基である、項1に記載のゴム組成物。
項3.
前記複素環基は、窒素含有複素環基である、項1又は2に記載のゴム組成物。
項4.
前記窒素含有複素環基が六員環基である、項3に記載のゴム組成物。
項5.
前記複素環基は、置換基を有していてもよいピリジル基であり、
該ピリジル基は、2-ピリジル基、3-ピリジル基又は4-ピリジル基である、項1又は2に記載のゴム組成物。
項6.
項1~5の何れかに記載のゴム組成物を使用したタイヤ。
項7.
下記式(1)で表される化合物Aを含むゴム用添加剤。
Figure 0007372853000002
〔式中、Rはヘテロ原子であり、Rは、複素環基である。〕
項8.
引き裂き強度付与剤又は低発熱化剤である、項7に記載のゴム用添加剤。
本発明のゴム組成物、タイヤ及びゴム用添加剤は、優れた低発熱性及び引き裂き強度を有する。
1.ゴム組成物
本発明のゴム組成物は、後述する式(1)で表される化合物Aと、ゴム成分とを含む。また、必要に応じてその他の成分も含む。当該ゴム組成物を使用して得られるゴム材料は優れた低発熱性及び引き裂き強度を有し、例えばタイヤ等に好適に使用することが可能である。
1.1.化合物A
化合物Aは、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0007372853000003
〔式中、Rはヘテロ原子であり、Rは、複素環基である。〕
本明細書において、「複素環基」としては、特に限定はなく、例えば、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ピリミジル、3-ピリダジル、4-ピリダジル、4-(1,2,3-トリアジル)、5-(1,2,3-トリアジル)、2-(1,3,5-トリアジル)、3-(1,2,4-トリアジル)、5-(1,2,4-トリアジル)、6-(1,2,4-トリアジル)、2-キノリル、3-キノリル、4-キノリル、5-キノリル、6-キノリル、7-キノリル、8-キノリル、1-イソキノリル、3-イソキノリル、4-イソキノリル、5-イソキノリル、6-イソキノリル、7-イソキノリル、8-イソキノリル、2-キノキサリル、3-キノキサリル、5-キノキサリル、6-キノキサリル、7-キノキサリル、8-キノキサリル、3-シンノリル、4-シンノリル、5-シンノリル、6-シンノリル、7-シンノリル、8-シンノリル、2-キナゾリル、4-キナゾリル、5-キナゾリル、6-キナゾリル、7-キナゾリル、8-キナゾリル、1-フタラジル、4-フタラジル、5-フタラジル、6-フタラジル、7-フタラジル、8-フタラジル、1-テトラヒドロキノリル、2-テトラヒドロキノリル、3-テトラヒドロキノリル、4-テトラヒドロキノリル、5-テトラヒドロキノリル、6-テトラヒドロキノリル、7-テトラヒドロキノリル、8-テトラヒドロキノリル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、1-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、4-(1,2,3-チアジアゾリル)、5-(1,2,3-チアジアゾリル)、3-(1,2,5-チアジアゾール)、2-(1,3,4-チアジアゾール)、4-(1,2,3-オキサジアゾリル)、5-(1,2,3-オキサジアゾリル)、3-(1,2,4-オキサジアゾリル)、5-(1,2,4-オキサジアゾリル)、3-(1,2,5-オキサジアゾリル)、2-(1,3,4-オキサジアゾリル)、1-(1,2,3-トリアゾリル)、4-(1,2,3-トリアゾリル)、5-(1,2,3-トリアゾリル)、1-(1,2,4-トリアゾリル)、3-(1,2,4-トリアゾリル)、5-(1,2,4-トリアゾリル)、1-テトラゾリル、5-テトラゾリル、1-インドリル、2-インドリル、3-インドリル、4-インドリル、5-インドリル、6-インドリル、7-インドリル、1-イソインドリル、2-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、1-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾイミダゾリル、4-ベンゾイミダゾリル、5-ベンゾイミダゾリル、6-ベンゾイミダゾリル、7-ベンゾイミダゾリル、2-ベンゾフラニル、3-ベンゾフラニル、4-ベンゾフラニル、5-ベンゾフラニル、6-ベンゾフラニル、7-ベンゾフラニル、1-イソベンゾフラニル、3-イソベンゾフラニル、4-イソベンゾフラニル、5-イソベンゾフラニル、6-イソベンゾフラニル、7-イソベンゾフニル、2-ベンゾチエニル、3-ベンゾチエニル、4-ベンゾチエニル、5-ベンゾチエニル、6-ベンゾチエニル、7-ベンゾチエニル、2-ベンゾオキサゾリル、4-ベンゾオキサゾリル、5-ベンゾオキサゾリル、6-ベンゾオキサゾリル、7-ベンゾオキサゾリル、2-ベンゾチアゾリル、4-ベンゾチアゾリル、5-ベンゾチアゾリル、6-ベンゾチアゾリル、7-ベンゾチアゾリル、1-インダゾリル、3-インダゾリル、4-インダゾリル、5-インダゾリル、6-インダゾリル、7-インダゾリル、2-モルホリル、3-モルホリル、4-モルホリル、1-ピペラジル、2-ピペラジル、1-ピペリジル、2-ピペリジル、3-ピペリジル、4-ピペリジル、2-テトラヒドロピラニル、3-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロチオピラニル、3-テトラヒドロチオピラニル、4-テトラヒドロチオピラニル、1-ピロリジル、2-ピロリジル、3-ピロリジル、2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル等が挙げられる。中でも、好ましい複素環基としては、ピリジル、フラニル、チエニル、ピリミジル又はピラジルであり、より好ましくはピリジルである。これらの複素環基は、さらに置換基を有していてもよい。該「置換基」としては、特に限定はなく、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、アミノアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられる。該置換基は、好ましくは1~5個、より好ましくは1~3個有していてもよい。
はヘテロ原子であり、酸素原子、硫黄原子又はNR(ここで、Rは水素原子又はアミノ基である。)であることが好ましく、-NNHであることが特に好ましい。
は複素環基であり、窒素含有複素環基であることが好ましく、窒素含有六員環基であることがより好ましく、ピリジル基であることがさらに好ましい。ここで、ピリジル基は、2-ピリジル基、3-ピリジル基及び4-ピリジル基の何れであってもよく、さらに置換基を有していてもよい。これらの中でも、Rとしては未置換の2-ピリジル基を採用することが、特に好ましい。
中でも、化合物Aとして下記式(1-A)で表される化合物を使用することが特に好ましい。
Figure 0007372853000004
1.2.ゴム成分
本明細書において、ゴム成分としては、特に制限はなく、例えば、天然ゴム(NR)、合成ジエン系ゴム、及び天然ゴムと合成ジエン系ゴムとの混合物等のジエン系ゴム、並びにこれら以外の非ジエン系ゴムが挙げられる。
天然ゴムとしては、天然ゴムラテックス、技術的格付けゴム(TSR)、スモークドシート(RSS)、ガタパーチャ、杜仲由来天然ゴム、グアユール由来天然ゴム、ロシアンタンポポ由来天然ゴムなどの天然ゴムに加えて、エポキシ化天然ゴム、メタクリル酸変性天然ゴム、スチレン変性天然ゴムなどの変性天然ゴム等が挙げられる。
合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン-プロピレン-ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、スチレン-イソプレン-スチレン三元ブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレン三元ブロック共重合体(SBS)等、及びこれらの変性合成ジエン系ゴムが挙げられる。変性合成ジエン系ゴムとしては、主鎖変性、片末端変性、両末端変性などの変性手法によるジエン系ゴムが挙げられる。ここで、変性合成ジエン系ゴムの変性官能基としては、エポキシ基、アミノ基、アルコキシ基、水酸基などのヘテロ原子を含有する官能基を1種類以上含むものが挙げられる。また、ジエン部分のシス/トランス/ビニルの比率については、特に制限はなく、いずれの比率においても好適に用いることができる。また、ジエン系ゴムの平均分子量および分子量分布は、特に制限はなく、平均分子量500~300万が好適に用いることができる。また、合成ジエン系ゴムの製造方法についても、特に制限はなく、乳化重合、溶液重合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などで合成されたものが挙げられる。
非ジエン系ゴムとしては、公知のものを広く使用することができる。
ゴム成分は、ジエン系ゴムを含んでいることが好ましく、ゴム成分100質量部中、ジエン系ゴムが50質量部以上含まれることが好ましく、75質量部以上含まれることがより好ましく、80~100質量部の割合で配合されることが特に好ましい。
また、ジエン系ゴムのガラス転移点においては、-70℃から-20℃の範囲のものが耐摩耗性と制動特性の両立の観点から有効である。本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム中の50質量%以上が、ガラス転移点が-70℃から-20℃の範囲にあるジエン系ゴムであることが好ましい。
ゴム成分は、1種単独で、又は2種以上を混合(ブレンド)して用いることができる。中でも、好ましいゴム成分としては、天然ゴム、IR、SBR、BR又はこれらから選ばれる2種以上の混合物であり、より好ましくは天然ゴム、SBR、BR又はこれらから選ばれる2種以上の混合物である。また、これらのブレンド比率は、特に制限はないが、ゴム成分100質量部中に、SBR、BR又はこれらの混合物を50~100質量部の比率で配合することが好ましく、75~100質量部で配合することがより好ましい。SBR及びBRの混合物を配合する場合には、SBR及びBRの合計量が上記範囲であることが好ましい。また、このときのSBRは50~100質量部であり、BRが0~50質量部の範囲であることが好ましい。
ゴム成分に対する、上記化合物Aとの配合割合は、ゴム成分100質量部に対し、化合物Aを0.1~50質量部とすることが好ましく、0.2~10質量部とすることがより好ましい。当該割合で配合することにより、引き裂き強度の向上効果を、効果的に得ることができる。
1.3.その他の成分
本発明のゴム組成物は、上記した化合物及びゴム成分以外にも、充填材、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、オゾン防止剤、軟化剤、加工助剤、ワックス、樹脂、発泡剤、オイル、ステアリン酸、亜鉛華(ZnO)、加硫促進剤、加硫遅延剤、加硫剤(硫黄)等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。
充填材としては、ゴム工業界で使用される公知の充填材を広く使用することが可能である。具体的には、カーボンブラック及び無機充填材を例示することができ、もちろんこれらに限定されない。
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば、市販品のカーボンブラック、Carbon-Silica Dual phase filler等が挙げられる。
具体的に、カーボンブラックとしては、例えば、高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N110、N134、N220、N234、N330、N339、N375、N550、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック等が挙げられる。中でも、好ましいカーボンブラックとしては、SAF、ISAF、IISAF、N134、N234、N330、N339、N375、HAF、又はFEFグレードのカーボンブラックである。
カーボンブラックのDBP吸収量としては、特に制限はなく、好ましくは60~200cm/100g、より好ましくは70~180cm/100g、特に好ましくは80~160cm/100gである。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217-2:2001に準拠して測定する)は、好ましくは30~200m/g、より好ましくは40~180m/g、特に好ましくは50~160m/gである。
無機充填材としては、ゴム工業界において、通常使用される無機化合物であれば、特に制限はない。使用できる無機化合物としては、例えば、シリカ、γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)];炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。これらの無機充填材は、ゴム成分との親和性を向上させるために、該無機充填材の表面が有機処理されていてもよい。
中でも、無機充填材としては、制動特性の観点からシリカが好ましく、シリカのBET比表面積としては、特に制限はなく、例えば、40~350m/gの範囲が挙げられる。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性及びゴム成分中への分散性を両立できるという利点がある。該BET比表面積は、ISO 5794/1に準拠して測定される。
この観点から、好ましいシリカとしては、BET比表面積が50~250m/gの範囲にあるシリカであり、より好ましくは、BET比表面積が100~270m/gであるシリカであり、特に好ましくは、BET比表面積が110~270m/gの範囲にあるシリカである。
このようなシリカの市販品としては、Quechen Silicon Chemical Co., Ltd.製の商品名「HD165MP」(BET比表面積=165m/g)、「HD115MP」(BET比表面積=115m/g)、「HD200MP」(BET比表面積=200m2/g)、「HD250MP」(BET比表面積=250m/g)、東ソー・シリカ株式会社製の商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積=205m/g)、「ニップシールKQ」(BET比表面積=240m/g)、デグッサ社製の商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積=175m/g)等が挙げられる。
充填剤の配合量としては、ゴム成分100質量部に対して、通常20~120質量部であり、好ましくは30~100質量部であり、より好ましくは40~90質量部である。
2.タイヤ
上述した本発明のゴム組成物を使用してタイヤを製造することにより、低発熱性及び引き裂き強度に優れたタイヤを得ることができる。
本発明のタイヤにおいて、上記ゴム組成物は、特にトレッド部、サイドウォール部、ビードエリア部、ベルト部、カーカス部及びショルダー部から選ばれる少なくとも一つの部材に用いられる。
中でも、空気入りタイヤのタイヤトレッド部を当該ゴム組成物で形成するのが最も好ましい態様の1つとして挙げられる。
トレッド部とは、トレッドパターンを有し、路面と直接接する部分で、カーカスを保護するとともに摩耗及び外傷を防ぐタイヤの外皮部分であり、タイヤの接地部を構成するキャップトレッド及び/又はキャップトレッドの内側に配設されるベーストレッドをいう。
サイドウォール部とは、例えば、空気入りラジアルタイヤにおけるショルダー部の下側からビード部に至るまでの部分であり、カーカス部を保護するとともに、走行する際に最も屈曲の激しい部分である。
ビードエリア部とは、カーカスコードの両端を固定し、同時にタイヤをリムに固定させる役目を負っている部分である。ビードとは高炭素鋼を束ねた構造である。
ベルト部とは、ラジアル構造のトレッドとカーカスとの間に円周方向に張られた補強帯である。カーカス部を桶のたがの様に強く締付けトレッドの剛性を高めている。
カーカス部とは、タイヤの骨格を形成するコード層の部分であり、タイヤの受ける荷重、衝撃、及び充填空気圧に耐える役割を果たしている。
ショルダー部とは、タイヤの肩の部分で、カーカス部を保護する役目を果たす。
本発明のタイヤは、タイヤの分野において、これまでに知られている方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を調整した空気;窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
3.ゴム用添加剤
上記の化合物Aは、ゴム用添加剤として使用することにより、形成されるゴム材料に優れた低発熱性及び引き裂き強度を与えることが可能である。かかるゴム用添加剤は化合物Aそれ自体、つまり、化合物Aのみからなる態様であってもよいし、その効果を妨げない範囲内でその他の成分を含んでもよい。かかるその他の成分としては、例えば公知のオイル、樹脂、ステアリン酸、亜鉛華(ZnO)、炭酸カルシウム及びシリカ等を広く使用することが可能である。
4.低発熱化剤及び引き裂き強度付与剤
上記の通り、本発明のゴム用添加剤は、ゴム材料に優れた低発熱性及び引き裂き強度を付与することが可能であり、低発熱化剤又は引き裂き強度付与剤として、好適に使用することが可能である。
5.ゴム組成物の製造方法
本発明のゴム組成物の製造方法については特に限定はなく、例えば、上記したゴム成分、化合物A、そして必要に応じてその他の成分を、混合することにより得ることが可能である。また、化合物Aについても、公知の方法により製造すればよい。
上記した混合するための方法としては特に限定はなく、公知の方法を広く採用することが可能である。具体的には、上記したゴム成分、化合物A、並びに必要に応じてその他の成分を、混練機などを使用して混練する方法を挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
以下、製造例及び実施例を示して、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
製造例1:2-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール(化合物2-A)の製造
2-ピリジンカルボン酸ヒドラジド16.5g、トシル酸1水和物2.4gをオルトギ酸トリエチル66.0mLに添加し、145℃で6時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去した後、析出している固体をヘキサン、酢酸エチルから再結晶した。得られた固体を減圧乾燥し、目的物を7.81g(収率44%)を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):
7.7(m,1H)、8.1(m,1H)、8.2(m,1H),8.8(m,1H)、9.4(s,1H)
融点:119℃
製造例2:3-(ピリジン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-4-アミン(化合物1-A)の製造
2-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール(化合物2-A)4.41g、100%ヒドラジン1水和物6.31gをブタノール28mLに添加し、117℃で20時間攪拌した後、溶媒を留去した。この残渣にジエチルエーテル25mL、イソプロピルアルコール25mLを添加し、析出している固体をろ過し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、目的物を3.00g(収率62%)を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):
4.6(br-s,2H)、7.6(m,1H)、8.0(m,1H),8.6(m,1H)、9.9(br-s,1H)
融点:101℃
製造例3:3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール-4-アミン(化合物3-A)の製造
安息香酸ヒドラジド5.45gをオルトギ酸トリエチル17.8gに添加し、145℃で6時間撹拌した。反応液を濃縮し、ヘキサン20mLを添加した後、析出している固体をろ過し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、2-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール4.88g(収率84%)を得た。この2-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール2.00gと100%ヒドラジン1水和物2.74gをブタノール13mLに添加し、117℃で18時間攪拌した後、溶媒を留去した。この残渣にテトラヒドロフラン5mLを添加し、析出している固体をろ過し、洗浄した。得られた固体を減圧乾燥し、目的物を1.10g(収率50%)を得た。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6,δppm):
4.5(br-s,2H)、7.5(m,3H),7.8(m,2H)、9.8(br-s,1H)
融点:109℃
実施例1、2及び比較例1~2:ゴム組成物の製造
下記表1の工程(I)に記載の各成分をその割合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで混練した。混合物の温度が80℃以下になるまで養生させた後、表1の工程(II)に記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、混合物の最高温度が110℃以下になるよう調整しながら混練して、未加硫ゴム組成物を製造した。ここで得られた未加硫ゴム組成物を加硫プレス機を用いて150℃×30分で加熱することにより、各ゴムを得た。
低発熱性(Tanδ値指数)試験
各実施例及び比較例のゴム組成物について、粘弾性測定装置(Metravib社製)を使用し、温度40℃、動歪5%、周波数15HzでTanδ値を測定した。比較するために、化合物を添加しない以外は、各実施例と同じ配合内容及び同じ製法でゴム組成物(比較例1)を作製し、そのTanδ値を100とした指数により表し、下記式に基づいて低発熱性指数を算出した。なお、低発熱性指数の値が小さい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
式:低発熱性指数
=(各実施例1、2のゴム組成物のTanδ値)×100/(比較例1のTanδ値)
式:低発熱性指数
=(各比較例1~3のゴム組成物のTanδ値)×100/(比較例1のTanδ値)
引き裂き強度評価試験
上記実施例1、2及び比較例1~3で得られたゴム組成物の各引裂強度指数は、JISK6252によりクレセント型試験片を用いて、室温下、引張速度500mm/minの条件で測定した。ここで、各実施例及び比較例の評価結果は、化合物を添加しない以外は、各実施例と同じ配合内容及び同じ製法でゴム組成物(比較例1)を作製し、その値を100とした指数により表し、下記式に基づいて引裂き強度を算出した。なお、引裂き強度の数値が高いほど引裂き強度が優れていることを示す。
式:引裂き強度指数
=(各実施例1、2のゴム組成物の引裂き強度)×100/(比較例1の引裂き強度)
式:引裂き強度指数
=(各比較例1~3のゴム組成物の引裂き強度)×100/(比較例1の引裂き強度)
Figure 0007372853000005
※1:天然ゴム;GUANGKEN RUBBER社製、TSR-20
※2:化合物2-A;製造例1で製造した2-(ピリジン-2-イル)-1,3,4-オキサジアゾール
※3:化合物1-A;製造例2で製造した3-(ピリジン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-4-アミン
※4:化合物3-A;製造例3で製造した3-フェニル-4H-1,2,4-トリアゾール-4-アミン
※5:東京化成工業株式会社製、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール
※6:カーボンブラック;Cabot社製、N234
※7:老化防止剤(N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン);Kemai Chemical Co.,Ltd社製
※8:ワックス;Rhein Chemie Rheinau社製、Antilux 111
※9:酸化亜鉛;Dalian Zinc Oxide Co.,Ltd社製
※10:ステアリン酸;Sichuan Tianyu Grease社製
※11:加硫促進剤;N-(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド;三新化学工業株式会社製、サンセラーNS-G
※12:硫黄;Shanghai Jinghai Chemical Co.,Ltd社製
本発明のゴム組成物を使用することにより、高い引き裂き強度を有するゴム材料を得ることができる。本発明のゴム組成物はタイヤ等に好適に使用することができる。また、本発明のゴム用添加剤は、ゴム材料に優れた低発熱性引き裂き強度及び低発熱性を付与することが可能であり、低発熱化剤又は引き裂き強度付与剤として好適に使用できる。

Claims (5)

  1. 下記式(1)で表される化合物Aと、ゴム成分とを含む、ゴム組成物。
    Figure 0007372853000006
    〔式中、Rはヘテロ原子であり、Rは、置換基を有していてもよいピリジル基であり、該ピリジル基は、2-ピリジル基、3-ピリジル基又は4-ピリジル基である。〕
  2. は、酸素原子、硫黄原子又はNRであり、Rは水素原子又はアミノ基である、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を使用したタイヤ。
  4. 下記式(1)で表される化合物Aを含むゴム用添加剤。
    Figure 0007372853000007
    〔式中、Rはヘテロ原子であり、Rは、置換基を有していてもよいピリジル基であり、該ピリジル基は、2-ピリジル基、3-ピリジル基又は4-ピリジル基である。〕
  5. 引き裂き強度付与剤又は低発熱化剤である、請求項に記載のゴム用添加剤。
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