JP6733044B2 - 防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム - Google Patents

防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴム Download PDF

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Description

本発明は、防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴムに関する。
従来、自動車等の各種車両では、振動及び騒音の主たる発生源であるエンジンに対して、エンジンマウント、トーショナルダンパー等の構成部材に防振ゴムを用いることで、エンジン駆動時の振動を吸収し、室内への振動及び騒音の侵入を抑制している。
防振ゴムの特性としては、上記の防振性能に加えて、優れた耐久性も求められている。
防振ゴム用ゴム組成物として、ジエン系ゴムと、ビスマレイミド化合物と、BET法による窒素吸着比表面積が5m/g以上の亜鉛華とを含有するゴム組成物(特許文献1)、天然ゴム及びポリイソプレンゴムからなる群より選択される少なくとも1種並びにスチレンブタジエンゴムを特定の割合で含むゴム成分100重量部に対し、特定の性質を有する複合亜鉛華を2〜10重量部含有するゴム組成物(特許文献2)等が提案されている。
しかしながら、これら特許文献1及び2に記載のゴム組成物によれば、防振性能は得られるが、耐久性の改善が不十分であった。
日本国特開2016−155888号公報 日本国特開2015−89918号公報
本発明の目的は、優れた耐久性を有する防振ゴム用ゴム組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、耐久性に優れた防振ゴムを提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ジエン系ゴムに、テトラジン系化合物を添加することにより、ゴム組成物の耐久性が維持されるとともに防振性能が得られることを見出した。本発明者らは、かかる知見に基づき、さらに検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示す、防振ゴム用ゴム組成物及び防振ゴムを提供する。
項1.
ジエン系ゴム、及び下記一般式(1):
Figure 0006733044
[式中、X及びXは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基、又はアミノ基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。]
で表されるテトラジン化合物又はその塩を含有する、防振ゴム用ゴム組成物。
項2.
ジエン系ゴム100質量部に対して、前記テトラジン化合物又はその塩を0.1〜10質量部含む、項1に記載のゴム組成物。
項3.
さらに無機充填材及び/又はカーボンブラックを含有し、ジエン系ゴム100質量部に対して無機充填材及び/又はカーボンブラックを合計で10〜100質量部含む、項1又は2に記載のゴム組成物。
項4.
項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製された防振ゴム。
本発明の防振ゴム用ゴム組成物は、ジエン系ゴム及びテトラジン系化合物を含むことにより、防振性能が得られるとともに、優れた耐久性を有する。
本発明は、防振ゴム用ゴム組成物を用いることで、耐久性に優れた防振ゴムを提供することができる。
以下に、本発明の詳細を説明する。
1.防振ゴム用ゴム組成物
本発明の防振ゴム用ゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」ということもある。)は、ジエン系ゴム、及び下記一般式(1)で表されるテトラジン化合物又はその塩(以下、「テトラジン化合物(1)」ということもある。)を含有している。
一般式(1):
Figure 0006733044
[式中、X及びXは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基、又はアミノ基を示す。これら各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。]
ジエン系ゴム
本発明のゴム組成物に配合されるゴム成分は、ジエン系ゴムである。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、合成ジエン系ゴム、及び天然ゴムと合成ジエン系ゴムとの混合物等が挙げられる。ゴム成分がジエン系ゴムであることにより、低発熱性に優れたゴム組成物を得ることができる。なお、本発明のゴム組成物は、ゴム成分としてジエン系ゴムのみを含むものであるが、不純物としてジエン系ゴム以外のゴム、例えば、非ジエン系ゴムが不可避的に含まれることも許容される。
天然ゴムとしては、天然ゴムラテックス、技術的格付けゴム(TSR)、スモークドシート(RSS)、ガタパーチャ、杜仲由来天然ゴム、グアユール由来天然ゴム、ロシアンタンポポ由来天然ゴム、植物成分発酵ゴムなどの天然ゴムに加えて、エポキシ化天然ゴム、メタクリル酸変性天然ゴム、スチレン変性天然ゴムなどの変性天然ゴム等が挙げられる。
合成ジエン系ゴムとしては、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体(SBS)等、及びこれらの変性合成ジエン系ゴムが挙げられる。変性合成ジエン系ゴムとしては、主鎖変性、片末端変性、両末端変性などの変性手法によるジエン系ゴムが挙げられる。ここで、変性合成ジエン系ゴムの変性官能基としては、エポキシ基、アミノ基、アルコキシ基、水酸基、アルコキシシリル基、ポリエーテル基、カルボキシル基などのヘテロ原子を含有する官能基を1種類以上含むものが挙げられる。また、ジエン部分のシス/トランス/ビニルの比率については、特に制限はなく、いずれの比率においても好適に用いることができる。また、ジエン系ゴムの平均分子量および分子量分布は、特に制限はなく、平均分子量500〜300万、分子量分布1.5〜15が好ましい。また、合成ジエン系ゴムの製造方法についても、特に制限はなく、乳化重合、溶液重合、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などで合成されたものが挙げられる。
なお、ブチル系ゴムは、イソブチレンと少量のイソプレンゴムとの共重合体であり、3モル%以下の二重結合を含有するが、本明細書においては、ジエン系ゴムに含まれない。
また、ジエン系ゴムのガラス転移点においては、−120℃から−15℃の範囲のものが低発熱性とスノー性能との両立の観点から有効である。本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム中の50質量%以上が、ガラス転移点が−70℃から−20℃の範囲にあるジエン系ゴムであることが好ましい。
ジエン系ゴムは、1種単独で、又は2種以上を混合(ブレンド)して用いることができる。中でも、好ましいジエン系ゴムとしては、天然ゴム、IR、SBR、BR、又はこれらから選ばれる2種以上の混合物である。また、これらのブレンド比率は、特に制限はなく、ジエン系ゴム100質量部中に、天然ゴム、SBR、BR又はこれらの混合物を70〜100質量部の比率で配合することが好ましく、75〜100質量部で配合することがより好ましい。天然ゴム、SBR及びBRの混合物を配合する場合には、天然ゴム、SBR及びBRの合計量が上記範囲であることが好ましい。
テトラジン化合物(1)
本発明のゴム組成物には、下記一般式(1)で表される化合物又はその塩が配合される。
一般式(1):
Figure 0006733044
[式中、X及びXは、前記に同じ。]
本明細書において、「アルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルプロピル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシ基、3−メチルペンチル基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜8(特に炭素数3〜6)の環状アルキル基等が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、又はn−ペンチル基であり、特に好ましくはメチル基、又はエチル基である。
本明細書において、「アルキルチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキルチオ基が挙げられ、具体的には、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、1−エチルプロピルチオ基、n−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、3−メチルペンチルチオ基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のアルキルチオ基;シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロオクチルチオ基等の炭素数3〜8(特に炭素数3〜6)の環状アルキルチオ基等が挙げられる。好ましいアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、イソプロピルチオ基、又はイソブチルチオ基であり、より好ましくはメチルチオ基又はエチルチオ基である。
本明細書において、「アラルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基、1−ナフチルメチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル基等が挙げられる。より好ましいアラルキル基としては、ベンジル基又はフェネチル基であり、より好ましくはベンジル基である。
本明細書において、「アリール基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、ジヒドロインデニル基、9H−フルオレニル基等が挙げられる。より好ましいアリール基としては、フェニル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
本明細書において、「アリールチオ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェニルチオ基、ビフェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
本明細書において、「複素環基」としては、特に限定はなく、例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジニル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、5−ピリミジル基、3−ピリダジル基、4−ピリダジル基、4−(1,2,3−トリアジル)基、5−(1,2,3−トリアジル)基、2−(1,3,5−トリアジル)基、3−(1,2,4−トリアジル)基、5−(1,2,4−トリアジル)基、6−(1,2,4−トリアジル)基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリル基、3−キノキサリル基、5−キノキサリル基、6−キノキサリル基、7−キノキサリル基、8−キノキサリル基、3−シンノリル基、4−シンノリル基、5−シンノリル基、6−シンノリル基、7−シンノリル基、8−シンノリル基、2−キナゾリル基、4−キナゾリル基、5−キナゾリル基、6−キナゾリル基、7−キナゾリル基、8−キナゾリル基、1−フタラジル基、4−フタラジル基、5−フタラジル基、6−フタラジル基、7−フタラジル基、8−フタラジル基、1−テトラヒドロキノリル基、2−テトラヒドロキノリル基、3−テトラヒドロキノリル基、4−テトラヒドロキノリル基、5−テトラヒドロキノリル基、6−テトラヒドロキノリル基、7−テトラヒドロキノリル基、8−テトラヒドロキノリル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、4−(1,2,3−チアジアゾリル)基、5−(1,2,3−チアジアゾリル)基、3−(1,2,5−チアジアゾリル)基、2−(1,3,4−チアジアゾリル)基、4−(1,2,3−オキサジアゾリル)基、5−(1,2,3−オキサジアゾリル)基、3−(1,2,4−オキサジアゾリル)基、5−(1,2,4−オキサジアゾリル)基、3−(1,2,5−オキサジアゾリル)基、2−(1,3,4−オキサジアゾリル)基、1−(1,2,3−トリアゾリル)基、4−(1,2,3−トリアゾリル)基、5−(1,2,3−トリアゾリル)基、1−(1,2,4−トリアゾリル)基、3−(1,2,4−トリアゾリル)基、5−(1,2,4−トリアゾリル)基、1−テトラゾリル基、5−テトラゾリル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、1−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾイミダゾリル基、4−ベンゾイミダゾリル基、5−ベンゾイミダゾリル基、6−ベンゾイミダゾリル基、7−ベンゾイミダゾリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基、6−ベンゾチエニル基、7−ベンゾチエニル基、2−ベンゾオキサゾリル基、4−ベンゾオキサゾリル基、5−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾオキサゾリル基、7−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基、1−インダゾリル基、3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基、2−モルホリル基、3−モルホリル基、4−モルホリル基、1−ピペラジル基、2−ピペラジル基、1−ピペリジル基、2−ピペリジル基、3−ピペリジル基、4−ピペリジル基、2−テトラヒドロピラニル基、3−テトラヒドロピラニル基、4−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオピラニル基、4−テトラヒドロチオピラニル基、1−ピロリジル基、2−ピロリジル基、3−ピロリジル基、2−テトラヒドロフラニル基、3−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロチエニル基、3−テトラヒドロチエニル基等が挙げられる。中でも、好ましい複素環基としては、ピリジル基、フラニル基、チエニル基、ピリミジル基又はピラジル基であり、より好ましくはピリジル基である。
本明細書において、「アミノ基」には、−NHで表されるアミノ基だけでなく、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、1−エチルプロピルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、イソヘキシルアミノ基、3−メチルペンチルアミノ基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基等の置換アミノ基も含まれる。
これらアルキル基、アルキルチオ基、アラルキル基、アリール基、アリールチオ基、複素環基及びアミノ基の各基は、それぞれ1個以上の置換基を有していてもよい。該「置換基」としては、特に限定はなく、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、アミノアルキル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基等が挙げられる。該置換基は、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個有していてもよい。
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子である。
本明細書において、「アミノアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基等のアミノアルキル基等が挙げられる。
本明細書において、「アルコキシカルボニル基」としては、特に限定はなく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
本明細書において、「アシル基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状アルキルカルボニル基が挙げられる。
本明細書において、「アシルオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n−ブチリルオキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「アミド基」としては、特に限定はなく、例えば、アセトアミ基、ベンズアミド基等のカルボン酸アミド基;チオアセトアミド基、チオベンズアミド基等のチオアミド基;N−メチルアセトアミド基、N−ベンジルアセトアミド基等のN−置換アミド基;等が挙げられる。
本明細書において、「カルボキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシ−n−プロピル基、カルボキシ−n−ブチル基、カルボキシ−n−ペンチル基、カルボキシ−n−ヘキシル基等のカルボキシ−アルキル基(好ましくはカルボキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基)が挙げられる。
本明細書において、「ヒドロキシアルキル基」としては、特に限定はなく、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシ−n−プロピル基、ヒドロキシ−n−ブチル基等のヒドロキシアルキル基(好ましくはヒドロキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基)が挙げられる。
本明細書において、「アルコキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基の炭素数1〜6(特に炭素数1〜4)の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基;シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等の炭素数3〜8(特に炭素数3〜6)の環状アルコキシ基等が挙げられる。
本明細書において、「アリールオキシ基」としては、特に限定はなく、例えば、フェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)で表されるテトラジン化合物の「塩」としては、特に限定はなく、あらゆる種類の塩が含まれる。このような塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。
これらテトラジン化合物(1)の中でも、好ましい化合物は、X及びXが、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基である化合物である。
より好ましいテトラジン化合物(1)は、X及びXが、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよい複素環基である化合物である。
さらに好ましいテトラジン化合物(1)は、X及びXが、同一又は異なって、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい2−ピリジル基、置換基を有していてもよい3−ピリジル基、置換基を有していてもよい4−ピリジル基、置換基を有していてもよい2−フラニル基、置換基を有していてもよい2−チエニル基、置換基を有していてもよい2−ピラゾリル基、置換基を有していてもよい2−ピリミジル基、又は置換基を有していてもよい2−ピラジル基である化合物であり、これらの中でも、置換基を有していてもよい2−ピリジル基、置換基を有していてもよい3−ピリジル基、置換基を有していてもよい4−ピリジル基、又は置換基を有していてもよい2−フラニル基である化合物が特に好ましい。
具体的に、テトラジン化合物(1)としては、例えば、
1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ジフェニル−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ジベンジル−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3−メチル−6−(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−チエニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3−メチル−6−(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピリミジニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピラジル)−1,2,4,5−テトラジン等が挙げられる。
中でも、好ましいテトラジン化合物(1)は、3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、3−メチル−6−(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、及び3−メチル−6−(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンであり、さらに好ましいテトラジン化合物(1)は、3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、及び3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジンである。
テトラジン化合物(1)の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.25〜5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。
テトラジン化合物(1)が粉体である場合、その体積平均径は特に制限されない。粘度低減効果発現の観点から、体積平均径が300μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがさらに好ましく、75μm以下であることが特に好ましい。
なお、体積平均径は、レーザー光回折法等による粒度分布測定装置を用いて、体積基準粒度分布から積算分布曲線の50%に相当する粒子径として求めることができる。
また、取り扱い時のハンドリング性及び着火性又は爆発性リスク低減の観点から、粉体をオイル、樹脂、ステアリン酸などで表面処理したものを使用してもよく、又は粉体を炭酸カルシウム、シリカ、カーボンブラックなどの充填剤などと混合して使用してもよい。
テトラジン化合物(1)をジエン系ゴムに添加することで、ゴム組成物の防振性能が得られるとともに、耐久性を向上させることができる。具体的には、ジエン系ゴムにテトラジン化合物(1)を配合することで、ゴム組成物の屈曲疲労性を維持しつつ、圧縮永久歪を向上させることができる。このようなテトラジン化合物(1)を含むゴム組成物から作製(製造)された防振ゴムは、防振性能が得られるとともに、耐久性に優れている。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて適宜、無機充填材及び/又はカーボンブラックを配合することができる。
無機充填材の配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して、通常5〜100質量部であり、好ましくは7.5〜80質量部であり、より好ましくは10〜60質量部である。
カーボンブラックの配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して、通常2〜100質量部であり、好ましくは4〜80質量部であり、より好ましくは6〜50質量部である。
なお、本発明のゴム組成物において、無機充填材及び/又はカーボンブラックの配合量は、両成分の合計量で、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して、通常10〜100質量部、好ましくは20〜80質量部、より好ましくは30〜60質量部となるよう各成分を上記配合量の範囲内で適宜調整すればよい。
なお、無機充填材及び/又はカーボンブラックを配合するときは、予めジエン系ゴムと湿式または乾式で混合されたマスターバッチを用いてもよい。
上記無機充填材又はカーボンブラックは、通常、ゴムの補強性を向上させるために用いられる。なお、本明細書においては、無機充填材にカーボンブラックは含まれない。
無機充填材
無機充填材としては、ゴム工業界において、通常使用される無機化合物である限り、特に制限はない。使用できる無機化合物としては、例えば、シリカ;γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al・HO);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)];炭酸アルミニウム[Al(CO]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)・nHO]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。これらの無機充填材は、ゴム成分との親和性を向上させるために、該無機充填材の表面が有機処理されていてもよい。
これら無機充填材の中でも、ゴムに強度を付与する観点から、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、及び酸化チタンが好ましい。これらの白色系充填材を用いることにより、ホワイトゴム等をはじめとして、顔料と組み合わせることにより、強度に優れた着色ゴムへの展開が可能となる。
これら無機充填材は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記無機充填材の中でも、シリカは、ゴム強度を付与することができるため添加することが好ましい。シリカとしては、市販のあらゆるものが使用できる。中でも、好ましいシリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、又はコロイダルシリカであり、より好ましくは湿式シリカである。これらのシリカは、ゴム成分との親和性を向上させるために、該シリカの表面が有機処理されていてもよい。
シリカのBET比表面積としては、特に制限はなく、例えば、40〜350m/gの範囲が挙げられる。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性及びゴム成分中への分散性を両立できるという利点がある。該BET比表面積は、ISO 5794/1に準拠して測定される。
この観点から、好ましいシリカとしては、BET比表面積が50〜250m/gの範囲にあるシリカであり、より好ましくは、BET比表面積が80〜230m/gであるシリカであり、特に好ましくは、BET比表面積が100〜210m/gの範囲にあるシリカである。また、これらのBET比表面積の異なるシリカを組み合わせて用いてもよい。
このようなシリカの市販品としては、Quechen Silicon Chemical Co., Ltd.製の商品名「HD165MP」(BET比表面積 =165m/g)、「HD115MP」(BET比表面積 =115m/g)、「HD200MP」(BET比表面積 =200m/g)、「HD250MP」(BET比表面積 =250m/g)、東ソー・シリカ株式会社製の商品名「ニップシールAQ」(BET比表面積=205m/g)、「ニップシールKQ」(BET比表面積 =240m/g)、デグッサ社製の商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m/g)、ソルベイ社製の商品名「Z1085Gr」(BET比表面積=90m/g)、「Z Premium200MP」(BET比表面積=215m/g)、「Z HRS 1200MP」(BET比表面積=200m/g)等が挙げられる。
シリカの配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して、通常10〜100質量部であり、好ましくは15〜80質量部であり、より好ましくは20〜60質量部である。
カーボンブラック
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば、市販品のカーボンブラック、Carbon-Silica Dual phase filler等が挙げられる。ゴム成分にカーボンブラックを含有することにより、ゴムの電気抵抗を下げて、帯電を抑止する効果、さらにゴムの強度を向上させる効果を享受できる。
具体的に、カーボンブラックとしては、例えば、高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N110、N134、N220、N234、N330、N339、N375、N550、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック等が挙げられる。中でも、好ましいカーボンブラックとしては、SAF、ISAF、IISAF、N134、N234、N330、N339、N375、HAF、又はFEFグレードのカーボンブラックである。
カーボンブラックのDBP吸収量としては、特に制限はなく、好ましくは60〜200cm/100g、より好ましくは70〜180cm/100g以上、特に好ましくは80〜160cm/100gである。
また、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)は、好ましくは30〜200m/g、より好ましくは40〜180m/g、特に好ましくは50〜160m/gである。
カーボンブラックを配合するゴム組成物において、テトラジン化合物(1)を配合することにより、カーボンブラックの分散性が大幅に向上し、ゴム組成物の耐久性が著しく改良できる。
その他の配合剤
本発明のゴム組成物には、上記テトラジン化合物(1)、並びに無機充填材及び/又はカーボンブラック以外にも、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、硫黄等の加硫剤を配合することができる。本発明のゴム組成物には、さらに、別の配合剤、例えば、老化防止剤、オゾン防止剤、軟化剤、加工助剤、ワックス、樹脂、発泡剤、オイル、ステアリン酸、亜鉛華(ZnO)、加硫促進剤、加硫遅延剤等を配合してもよい。これら配合剤は、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
ゴム組成物の製造方法
本発明のゴム組成物の製造方法としては、特に制限されず、従来より公知の方法により製造することができ、例えば、ジエン系ゴム、テトラジン化合物(1)、並びに、必要に応じて無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分を混練する工程(A)、並びに工程(A)で得られる混合物、及び加硫剤を混練する工程(B)を含む方法が挙げられる。
工程(A)
工程(A)は、ジエン系ゴム、テトラジン化合物(1)、必要に応じて無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分を混練する工程である。
工程(A)では、さらに必要に応じて、上記のその他の配合剤等を配合することができる。
工程(A)における混練方法としては、例えば、ジエン系ゴム、テトラジン化合物(1)、必要に応じて無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む組成物を混練する方法が挙げられる。この混練方法においては、各成分の全量を一度に混練してもよく、粘度調整等の目的に応じて、各成分を分割投入して混練してもよい。また、ジエン系ゴムと、必要に応じて配合される無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分とを混練した後、テトラジン化合物(1)を投入して混練するか、ジエン系ゴムとテトラジン化合物(1)とを混練した後、必要に応じて配合される無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分を投入して混練してもよい。各成分を均一に分散させるために、混練操作を繰り返し行ってもよい。
工程(A)におけるゴム組成物を混合する際の温度としては、特に制限はなく、例えば、ゴム組成物の温度が60〜190℃であることが好ましく、80〜175℃であることがより好ましく、100〜170℃であることがさらに好ましい。
工程(A)における混合時間としては、特に制限はなく、例えば、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、2分間から7分間であることがさらに好ましい。
また、工程(A)における別の混練方法としては、ジエン系ゴムとテトラジン化合物(1)とを混練する工程(A−1)、並びに工程(A−1)で得られた混合物(変性ポリマー)と、必要に応じて配合される無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分とを混練する工程(A−2)を含む二段階の混練方法を挙げることができる。
工程(A−1)におけるジエン系ゴムとテトラジン化合物(1)とを混合する際の温度としては、80〜190℃であることが好ましく、90〜160℃であることがより好ましく、100〜150℃であることがさらに好ましい。混合温度を上記の範囲内にすることにより、ゴムを劣化させることなく反応を進行させることができる。
工程(A−1)における混合時間としては、10秒間〜20分間が望ましく、30秒間〜10分間であることがより好ましく、60秒間〜7分間であることがさらに好ましい。混合時間を上記の範囲内にすることにより、生産性を低下させることなく反応を十分に進行させることができる。
工程(A−2)における工程(A−1)で得られた混合物(変性ポリマー)と、必要に応じて配合される無機充填材及び/又はカーボンブラックを含む原料成分とを混合する際の温度としては、特に制限はなく、混合物の温度が60〜190℃であることが好ましく、80〜175℃であることがより好ましく、100〜170℃であることがさらに好ましい。
工程(A−2)における混合時間としては、特に制限はなく、例えば、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、2分間から7分間であることがさらに好ましい。
工程(A)において、ジエン系ゴムの二重結合部とテトラジン化合物(1)とが反応し、変性ポリマーを形成し、無機充填材及び/又はカーボンブラックが好適に分散された混合物を得ることができる。
工程(B)
工程(B)は、工程(A)で得られる混合物、及び加硫剤を混合する工程であり、混練の最終段階を意味している。
工程(B)では、さらに必要に応じて、加硫促進剤等を配合することができる。
工程(B)は、加熱条件下で行うことができる。該工程の加熱温度としては、特に制限はなく、例えば、60〜140℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましく、90〜120℃であることがさらに好ましい。
混合(又は混練)時間としては、特に制限はなく、例えば、10秒間から20分間であることが好ましく、30秒間から10分間であることがより好ましく、60秒間から5分間であることがさらに好ましい。
工程(A)から工程(B)に進む際には、前段階の工程終了後の温度より、30℃以上低下させてから次の工程(B)へ進むことが好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合されるステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、老化防止剤等の各種配合剤を、必要に応じて、工程(A)又は工程(B)において添加することができる。
上記の工程(A)及び工程(B)により、ジエン系ゴムにテトラジン化合物(1)を処理して得られた変性ポリマー、並びに無機充填材及び/又はカーボンブラックを含有するゴム組成物を製造することができる。
本発明におけるゴム組成物は、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、ニーダー、二軸押出機等を用いて混合又は混練される。
2.用途
このようにして得られたゴム組成物は、防振ゴム用、免震ゴム用等の各種ゴム部材に用いることができる。
本発明のゴム組成物を防振ゴムに用いる場合、本発明のゴム組成物を硬化させることにより防振ゴムを製造することができる。前記ゴム組成物の硬化は、例えば、ゴム組成物に上述の加硫剤を配合し、加熱することにより、硬化することができる。ゴム組成物を硬化させる際の硬化条件(加硫条件)は、特に限定されるものはなく、通常140〜180℃、好ましくは150〜170℃で、5〜120分間の条件を採用することができる。本発明のゴム組成物を硬化させてなる防振ゴムは、耐久性が要求される環境において使用される防振ゴム、例えば、自動車のエンジンマウント、ストラットマウント、ボディマウント、サスペンションブッシュ等に使用する防振ゴムとして用いることができる。
以下、製造例及び実施例を示して、本発明について具体的に説明する。ただし、実施例はあくまで一例であって、本発明は、実施例に限定されない。
製造例1:3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン(1a)の製造
200mL四つ口フラスコに、3−シアノピリジン24g(0.23モル)、水加ヒドラジン15g(1.3当量)、及びメタノール48mLを加え、室温で撹拌した。次いで、この混合物に、硫黄3.6g(15重量%)を加え、還流管を装着して外温70℃にて一晩加熱撹拌した。この反応液を氷冷し、結晶を濾過して少量の冷メタノールで洗浄した。粗結晶を減圧下乾燥し、橙色のジヒドロテトラジン粗結晶19gを得た。
得られた粗結晶17.8gを、酢酸178g(40当量)に溶解し、硫黄を濾去した。1L四つ口ナスフラスコに、ジヒドロテトラジン酢酸溶液、及び蒸留水178mLを加え、氷冷下撹拌した。亜硝酸ナトリウム15.5g(3当量)を蒸留水35mLに溶解し、反応液に1時間程度かけて滴下し、室温で一晩撹拌した。析出した結晶を濾過し、結晶を10%重層水で中和し粗結晶とした。該粗結晶をシリカゲルカラム(酢酸エチル)にて精製し、表題のテトラジン化合物(1a)8.4g(赤紫色、針状結晶)を得た。
融点:200℃、
H−NMR(300MHz,CDCl,δppm):
7.59(ddd,J =0.9,5.1,7.8 Hz,2H),8.89−8.96(m,4H),9.88(dd,J =0.9,2.4Hz,2H)
実施例1〜4及び比較例1〜2
下記表1の工程(A)に記載の各成分をその割合(質量部)で混合し、バンバリーミキサーで混合物の最高温度が160℃になるように回転数を調整しながら5分間混練した。混合物の温度が80℃以下になるまで養生させた後、表1の工程(B)に記載の各成分をその割合(質量部)で投入し、混合物の最高温度が110℃以下になるよう調整しながら混練して、各ゴム組成物を製造した。
耐屈曲疲労性試験
実施例1〜4で作製したゴム組成物(試験組成物)について、JISK6251に準拠して、JIS 3号ダンベル状サンプルを用いて、歪率60%にて繰返し歪を与え、破断に至るまでの回数を測定した。
なお、テトラジン化合物(1)を添加しない以外は、各実施例と同じ配合内容及び同じ製法でゴム組成物(リファレンス)をそれぞれ作製し、下記式に基づいて、耐屈曲疲労性指数を算出した。指数が大きいほど耐屈曲疲労性に優れることを示す。
結果を、表1に示した。
式:
耐屈曲疲労性指数={(試験組成物の破断回数)/(リファレンスの破断回数)}×100
耐圧縮永久歪性能試験
実施例1〜4で作製したゴム組成物(試験組成物)について、JISK6262に準拠して、温度70℃、72時間にて試験を実施し、圧縮永久歪を求めた。
なお、テトラジン化合物(1)を添加しない以外は、各実施例と同じ配合内容及び同じ製法でゴム組成物(リファレンス)をそれぞれ作製し、下記式に基づいて、圧縮永久歪指数を算出した。指数が大きいほど耐圧縮歪性能に優れることを示す。
結果を、表1に示した。
式:
圧縮永久歪指数={(リファレンスの圧縮永久歪)/(試験組成物の圧縮永久歪)}×100
Figure 0006733044
[表中の記号の説明]
表1において使用する原料を以下に示す。
※1: 旭化成株式会社製、商品名「タフデン2000R」
※2: 中化国際社製、商品名「RSS♯3」
※3: 東海カーボン株式会社製、商品名「シーストV」
※4: 川口化学工業株式会社製、商品名「Antage 6C」
※5: 堺化学工業株式会社製、酸化亜鉛 銘柄「1種」
※6: Sichuan Tianyu Grease Chemical Co., Ltd. 製
※7: 日本精蝋株式会社製、商品名「OZOACE−0355」
※8: 3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、製造例1で製造した化合物
※9: 3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、東京化成工業株式会社製
※10: 3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、東京化成工業株式会社製
※11: 細井化学工業株式会社製、商品名「HK200−5」
※12: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ−G」
※13: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「CTP」
本発明の防振ゴム用ゴム組成物は優れた耐久性を有するので、該ゴム組成物を用いれば、耐久性に優れた防振ゴムを製造することができる。

Claims (4)

  1. ジエン系ゴム、及び下記一般式(1):
    Figure 0006733044
    [式中、X及びXは、置換基を有していてもよいピリジル基を示す。]で表されるテトラジン化合物又はその塩を含有する、防振ゴム用ゴム組成物を用いて防振ゴムを製造する方法
  2. ジエン系ゴム100質量部に対して、前記テトラジン化合物又はその塩を0.1〜10質量部含む、請求項1に記載の方法
  3. さらに無機充填材及び/又はカーボンブラックを含有し、ジエン系ゴム100質量部に対して無機充填材及び/又はカーボンブラックを合計で10〜100質量部含む、請求項1又は2に記載の方法
  4. ジエン系ゴム、及び下記一般式(1):
    Figure 0006733044
    [式中、X 及びX は、置換基を有していてもよいピリジル基を示す。]で表されるテトラジン化合物又はその塩の、防振ゴム用ゴム組成物への使用。
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