JP2020176229A - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明は以下のとおりである。
シリカを30質量部以上、
下記式(1)で表されるテトラジン化合物を0.7〜5質量部、および
亜鉛または亜鉛化合物を、亜鉛/前記テトラジン化合物の質量比が1.5以上となるように配合してなる、
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.前記亜鉛化合物が、酸化亜鉛および/または脂肪酸亜鉛塩であることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.前記シリカのCTAB比表面積が、140〜300m2/gであることを特徴とする前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
4.さらにシランカップリング剤を、前記シリカに対し1〜20質量%の割合で配合してなることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
5.前記1〜4のいずれかに記載のタイヤゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
これらのジエン系ゴムの中でも、本発明の効果の点からSBRおよびBRを使用するのが好ましい。
本発明で使用されるシリカとしては、乾式シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカおよび沈降シリカなど、従来からゴム組成物において使用することが知られている任意のシリカを単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
また本発明で使用されるシリカは、CTAB比表面積が140〜300m2/gであるのが好ましく、180〜260m2/gであるのがさらに好ましい。
CTAB比表面積が140m2/g以上であると、高補強性という効果を奏する。また300m2/g以下であることにより、加工性を損ねることがない。
なお本明細書において、CTAB比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
本発明で使用されるテトラジン化合物は、下記式(1)で表され、特許文献1に開示され公知である。
1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(4−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ジフェニル−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ジベンジル−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−フラニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3−メチル−6−(3−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−チエニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3−メチル−6−(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピリミジニル)−1,2,4,5−テトラジン、
3,6−ビス(2−ピラジル)−1,2,4,5−テトラジン等が挙げられる。
テトラジン化合物の配合量が0.7質量部未満では、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に5質量部を超えると破断伸びが悪化する。
本発明では、シランカップリング剤を配合してシリカの分散性をさらに高めることができる。使用されるシランカップリング剤は、とくに制限されないが、含硫黄シランカップリング剤が好ましく、例えば例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの質量に対し1〜20質量%が好ましい。シランカップリング剤の配合量がシリカの質量に対し1質量%未満であると、配合量が少な過ぎてシリカの分散性を向上させることができない。逆に20質量%を超えると加工性および破断伸びが悪化する場合がある。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの質量に対し5〜15質量%であることが好ましい。
本発明におけるゴム組成物は、亜鉛および/または亜鉛化合物を配合する。
亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、脂肪酸亜鉛塩が好ましいものとして挙げられる。
脂肪酸亜鉛塩としては、例えば炭素数8〜24、好ましくは12〜22の、飽和または不飽和脂肪酸の亜鉛塩が挙げられる。好ましい脂肪酸としては例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
該質量比は、1.5〜6.0が好ましく、1.5〜3.0がさらに好ましい。
また、例えば亜鉛化合物として酸化亜鉛および脂肪酸亜鉛塩を併用する場合、これらの配合量は前記亜鉛/前記テトラジン化合物の質量比を勘案して適宜決定すればよいが、酸化亜鉛の配合量を1質量部とした場合、脂肪酸亜鉛塩の配合量は、0.5〜30質量部が好ましく、1.0〜25.0質量部がさらに好ましい。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られた未加硫のゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物または加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ペイン効果:未加硫のゴム組成物を用いてASTM P6204に準拠してRPA2000においてG’(0.56%歪)を測定した。結果は比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほどシリカの分散性が高いことを意味する。
発熱性:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、tanδ(60℃)を測定した。結果は比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど低発熱性であり、低燃費性能に優れることを示す。
結果を表1に示す。
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:シリカ(ソルベイ社製Zeosil 9100GR、CTAB比表面積=200m2/g)
*4:カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製ショウブラックN234)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ステアリン酸YR)
*6:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PPD)
*7:テトラジン化合物(大塚化学(株)製、3,6−ビス(2−ピリジル)−1,2,4,5−テトラジン)
*8:シランカップリング剤(エボニックデグッサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*9:プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*10:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*11:加硫促進剤CZ(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*12:加硫促進剤DPG(Flexsys社製Perkacit DPG)
*13:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*14:ステアリン酸亜鉛(川口化学工業(株)製エクストンL−2−G、表1ではステアリン酸亜鉛量を示している)
これに対し、比較例2は、比較例1の組成に比べて亜鉛量が少ない例であり、発熱性が悪化した。
比較例3〜5は、亜鉛/テトラジン化合物の質量比が本発明の規定する下限未満であるので、シリカの分散性が悪化し、発熱性も悪化した。
Claims (5)
- 前記亜鉛化合物が、酸化亜鉛および/または脂肪酸亜鉛塩であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記シリカのCTAB比表面積が、140〜300m2/gであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- さらにシランカップリング剤を、前記シリカに対し1〜20質量%の割合で配合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
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