JP7372733B2 - ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法、及び該方法により得られる水分散液を含有するインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像が記録された印刷物を得る方式であり、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点がある。そのため、一般消費者向けの民生用印刷に留まらず、近年は、商業印刷、産業印刷分野に応用され始め、従来の普通紙、コピー紙と呼ばれる高吸水性記録媒体への印刷に加えて、オフセットコート紙等の低吸水性のコート紙(塗工紙)、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等の非吸水性の樹脂フィルム等の商業印刷向けの記録媒体への印刷が求められている。
特許文献1には、インクの吐出性、コート紙等の記録媒体への定着性等に優れるインクジェット記録用水系インク等の提供を目的として、着色剤及びポリエステル系樹脂粒子を含有する水系インク等が記載されている。そして、実施例では、ポリエステル樹脂及びアニオン性界面活性剤をメチルエチルケトンと混合し溶解させ、その後アンモニア水を混合し分散処理したこと、さらにメチルエチルケトンを減圧留去し、イオン交換水で固形分を調整し、ポリエステル樹脂を含む水性分散液を得たことが記載されている。
特許文献2には、分散安定性、被記録媒体への定着性等に優れたインク組成物等の提供を目的として、水不溶性樹脂によって被覆されている顔料、アミノアルコール、水溶性有機溶剤及び水を含有し、樹脂微粒子を5質量%以上含有するインク組成物等が記載されている。そして、実施例では、BASFジャパン製ジョンクリル537と、オレイン酸ナトリウムと、イオン交換水との混合溶液を遠心処理し、上澄み液を回収し樹脂微粒子分散物を得たことが記載されている。さらに、カルボン酸塩系乳化剤と、水酸化ナトリウム水溶液と、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩とを水に溶解させ、スチレンとブチルアクリレートとアクリル酸とのモノマー混合物を添加し、70℃で2時間、80℃で3時間加熱し、室温に冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて樹脂微粒子分散物を得たことが記載されている。
特許文献3には、塗工紙に印刷した場合でも印刷物の耐水性及び耐溶剤性に優れ、吐出安定性にも優れた、インクジェット記録用インク組成物等の提供を目的として、酸価が10mgKOH/g未満の樹脂と、沸点が100℃~300℃のアミノアルコールと、顔料と、溶剤とを含有し、前記樹脂がエマルジョン状態である、インクジェット記録用インク組成物が記載されている。そして、実施例では、反応性界面活性剤、過硫酸カリウム、メタクリル酸、純水を混合し、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルの混合物を滴下してプレエマルジョンを調製し、反応性界面活性剤、過硫酸カリウム、純水の混合物にプレエマルジョンを滴下し、加熱熟成した後に冷却し、次いでN,N-ジメチル-2-アミノエタノールを加えて樹脂エマルジョンを得たことが記載されている。
特開2014-88552号公報 特開2009-221252号公報 特開2015-101705号公報
特許文献1の技術では、インクジェット記録装置のノズル部分を大気暴露し、印刷休止した後に再度印刷する際の吐出性及び定着性は改善するものの、インクジェット記録方法により記録媒体へ連続して印刷する際の吐出安定性(以下、「連続吐出安定性」ともいう)が十分でない。
特許文献2のインク組成物はアクリル樹脂微粒子を5質量%以上含有するが、連続吐出安定性が十分でない。
特許文献3のインク組成物では、アミノアルコールをインクに配合することにより樹脂と水や水性溶剤との親和性を向上させ、インクの吐出安定性を向上させる技術であるため、インクの配合組成が制限される場合があった。
本発明は、インクジェット記録用インクに用いることにより、優れた定着性を維持しつつ、連続吐出安定性に優れるポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法、及び該方法により得られる水分散液を含有するインクジェット記録用インクを提供する。
本発明者らは、有機アミン化合物で中和されたポリエステル系樹脂を含む溶液に水系媒体を添加して転相乳化することにより、形成されるポリエステル系樹脂粒子の分散安定性が向上し、上記課題を解決し得ることを見出した。すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]に関する。
[1]下記工程1及び工程2を有する、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法。
工程1:ポリエステル系樹脂a、有機溶媒、及び有機アミン化合物を混合し、該有機アミン化合物で中和されたポリエステル系樹脂aの溶液を得る工程
工程2:工程1で得られた、中和されたポリエステル系樹脂aを含む溶液に水系媒体を添加して転相し、系中の有機溶媒を除去して、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液を得る工程
[2]前記[1]に記載の方法により得られるポリエステル系樹脂粒子の水分散液、及び着色剤を含有する、インクジェット記録用インク。
本発明によれば、インクジェット記録用インクに用いることにより、優れた定着性を維持しつつ、連続吐出安定性に優れるポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法、及び該方法により得られる水分散液を含有するインクジェット記録用インクを提供できる。
[ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法]
本発明のポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法は、下記の工程1及び工程2を有する。
工程1:ポリエステル系樹脂a、有機溶媒、及び有機アミン化合物を混合し、該有機アミン化合物で中和されたポリエステル系樹脂aの溶液を得る工程
工程2:工程1で得られた、中和されたポリエステル系樹脂aを含む溶液に水系媒体を添加して転相し、系中の有機溶媒を除去して、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液を得る工程
本明細書において、「印刷」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「印刷物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。
本発明の製造方法により得られるポリエステル系樹脂粒子の水分散液は、インクジェット記録用インクに用いることにより、前述の優れた効果を奏するができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
有機アミン化合物は、アンモニアや金属の水酸化物等の無機塩基性化合物と比べて比較的疎水的であるため、ポリエステル系樹脂を有機アミン化合物で中和し、水系媒体の存在下で転相乳化を行うと、有機アミン化合物がポリエステル系樹脂表面近傍に存在した状態で樹脂粒子を形成し、結果的に、ポリエステル系樹脂の酸基が樹脂粒子の表面近傍に比較的多く存在した状態となると考えられる。そして、樹脂粒子の表面近傍に存在する酸基の静電反発力によって、該樹脂粒子の分散安定性が向上し、該樹脂粒子の凝集が抑制されるため、連続吐出安定性をも向上させることができると考えられる。また、樹脂粒子の分散安定性の向上により、印刷物の記録媒体表面の樹脂塗膜の成膜性と平滑性が向上し、優れた定着性を維持できると考えられる。
本発明において、得られるポリエステル系樹脂粒子の水分散液は、ポリエステル系樹脂粒子を水系媒体中に分散してなる。該ポリエステル系樹脂粒子は顔料を含有しない。該水系媒体は、水を主成分とするものであるが、水以外の成分を含んでもよい。水としては、脱イオン水、イオン交換水又は蒸留水が挙げられる。水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。
該水系媒体中の水の含有量は、ポリエステル系樹脂粒子の分散安定性及び環境安全性の観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
(工程1)
工程1は、ポリエステル系樹脂a、有機溶媒、及び有機アミン化合物を混合し、該有機アミン化合物で中和されたポリエステル系樹脂aの溶液を得る工程である。
ポリエステル系樹脂a、有機溶媒、及び有機アミン化合物の混合順序に特に制限はないが、ポリエステル系樹脂aを有機溶媒に溶解させて、ポリエステル系樹脂aを含む溶液を得た後、該溶液に有機アミン化合物を添加することが好ましい。
<ポリエステル系樹脂a>
ポリエステル系樹脂aとしては、例えば、ポリエステル樹脂、変性されたポリエステル系樹脂が挙げられる。変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂のウレタン変性物、ポリエステル樹脂のエポキシ変性物が挙げられる。中でも、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂aは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステル系樹脂aは、本発明の効果が損なわれない範囲において、ポリエステル樹脂以外の他の樹脂を含有する複合樹脂であってもよい。複合樹脂に含まれるポリエステル樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-塩化ビニル共重合体、スチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体等のスチレンもしくはスチレン置換体を含む単独重合体又は共重合体であるスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂が挙げられる。中でも、スチレン系樹脂が好ましい。
複合樹脂がポリエステル樹脂以外にスチレン系樹脂を含む場合、該複合樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であるビニル系樹脂セグメントと、ポリエステル樹脂セグメント及びビニル系樹脂セグメントと共有結合を介して結合した両反応性モノマー由来の構成単位と、を含むものであってもよい。
ポリエステル系樹脂a中のポリエステル樹脂の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは97質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
〔ポリエステル樹脂〕
ポリエステル樹脂は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくはアルコール成分由来の構成単位とカルボン酸成分由来の構成単位とを含む。
ポリエステル樹脂中、アルコール成分由来の構成単位及びカルボン酸成分由来の構成単位の合計含有量は、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下、より更に好ましくは100モル%である。
(アルコール成分)
ポリエステル樹脂の原料モノマーであるアルコール成分は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、芳香族環含有ジオールを含むことが好ましい。芳香族環含有ジオールとしては、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物が好ましい。なお、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物とは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンにオキシアルキレン基を付加した構造全体を意味する。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、具体的には下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
一般式(I)において、OR、ROはいずれもオキシアルキレン基であり、好ましくは、それぞれ独立に炭素数1以上4以下のオキシアルキレン基であり、より好ましくはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基である。
x及びyは、アルキレンオキシドの付加モル数に相当する。さらに、カルボン酸成分との反応性の観点から、xとyの和の平均値は、好ましくは2以上であり、そして、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。
また、x個のORとy個のROは、各々同一であっても異なっていてもよいが、定着性を向上させる観点から、同一であることが好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。このビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物及びビスフェノールAのエチレンオキシド付加物が好ましい。
アルコール成分中におけるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量は、連続吐出性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下である。
アルコール成分は、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物以外の他のアルコール成分を含んでいてもよい。
他のアルコール成分としては、例えば、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物以外のジオール、3価以上の多価アルコールが挙げられる。
ジオールとしては、例えば、主鎖炭素数2以上12以下の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物以外の芳香族環含有ジオール(以下、「他の芳香族環含有ジオール」ともいう)が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールは、好ましくは第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールである。第二級炭素原子に結合したヒドロキシ基を有する炭素数3以上6以下の脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオールが挙げられる。
主鎖炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%である。
脂環式ジオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
脂環式ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは1モル%以上、より好ましくは2モル%以上であり、そして、好ましくは40モル%以下、より好ましくは30モル%以下である。
他の芳香族環含有ジオールとしては、ビスフェノールF(4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン)、及びビスフェノールS(4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン)等のアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
他の芳香族環含有ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%である。
前記アルコール成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(カルボン酸成分)
ポリエステル樹脂の原料モノマーであるカルボン酸成分には、カルボン酸並びにそれらの酸の無水物及びそれらのアルキル(炭素数1以上3以下)エステル等が含まれる。
カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸及び3価以上の多価カルボン酸が好ましく、アルコール成分との反応性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸の含有量は、アルコール成分との反応性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、カルボン酸成分中、好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは60モル%以上であり、そして、100モル%以下、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、アゼライン酸、コハク酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸が挙げられる。炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。これらの中でも、フマル酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、そして、好ましくは40モル%以下、より好ましくは35モル%以下である。
脂環式ジカルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸を用いてもよい。
脂環式ジカルボン酸の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下であり、そして、好ましくは0モル%である。
前記カルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
ポリエステル樹脂は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは架橋構造を有する。
ここで、架橋構造とは、ポリエステル鎖中に複数の分岐単位が導入されている構造を意味する。架橋構造は、アルコール成分として3価以上の多価アルコールを含む、又は、カルボン酸成分として3価以上の多価カルボン酸を含むことで導入できる。これらの中でも、酸成分として3価以上の多価カルボン酸を含むことが好ましい。
3価以上の多価カルボン酸は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは3価以上の多価芳香族カルボン酸、より好ましくは3価の芳香族カルボン酸である。
3価以上の多価芳香族カルボン酸の炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは9以上であり、そして、好ましくは16以下、より好ましくは14以下である。
3価以上の多価芳香族カルボン酸としては、トリメリット酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられる。中でも、トリメリット酸又はその無水物が好ましく、トリメリット酸無水物がより好ましい。
3価以上の多価カルボン酸の含有量は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、カルボン酸成分中、好ましくは7モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは15モル%以上であり、そして、好ましくは45モル%以下、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは25モル%以下である。
前記3価以上のカルボン酸成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリエステル樹脂中のアルコール成分のヒドロキシ基(OH基)に対するカルボン酸成分のカルボキシ基(COOH基)の当量比[COOH基/OH基]は、連続吐出安定性及び定着性をより向上させる観点から、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.85以上であり、そして、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
ポリエステル樹脂は、少なくとも、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合して得られる。該アルコール成分及び該カルボン酸成分の好適な態様及び好適な含有量は、それぞれ、前述のとおりである。
ポリエステル樹脂は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中、必要に応じてエステル化触媒を用いて、120℃以上250℃以下の温度で縮重合することにより製造することができる。
エステル化触媒としては、例えば、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物;チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物が挙げられる。また、必要に応じて4-tert-ブチルカテコール等のラジカル重合禁止剤を使用することができる。
ポリエステル系樹脂aの酸価は、ポリエステル系樹脂粒子の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは10mgKOH/g以上、より好ましくは13mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは25mgKOH/g以下、更に好ましくは23mgKOH/g以下、より更に好ましくは20mgKOH/g以下である。
ポリエステル系樹脂aの軟化点は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは125℃以上、より好ましくは130℃以上、更に好ましくは135℃以上、より更に好ましくは140℃以上であり、そして、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下である。
ポリエステル系樹脂aのガラス転移温度は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上、より更に好ましくは75℃以上であり、そして、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは85℃以下、より更に好ましくは80℃以下である。
ポリエステル系樹脂aの酸価、軟化点、及びガラス転移温度は、いずれも実施例に記載の方法で測定することができ、用いるモノマーの種類、配合比率、縮重合の温度、反応時間を適宜調節することにより所望のものを得ることができる。
<有機アミン化合物>
工程1においてポリエステル系樹脂aは、ポリエステル系樹脂粒子の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、有機アミン化合物で中和される。有機アミン化合物は、少なくとも1個の、第1級アミノ基、第2級アミノ基、又は第3級アミノ基を含むものである。
有機アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、n-プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ネオペンタノールアミン、4-アミノ-1-ブタノール、5-アミノ-4-オクタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-フェニル-2-アミノエタノール等のアルカノールアミン;N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-n-ブチルエタノールアミン、N-tert-ブチルエタノールアミン、N-エチルブタノールアミン、3-(メチルアミノ)-1-プロパノール等のN-アルキルモノアルカノールアミン;N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-tert-ブチルジエタノールアミン、N-ドデシルジエタノールアミン等のN-アルキルジアルカノールアミン;N-フェニルジエタノールアミン;N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、N,N-ジメチルイソプロパノールアミン、2-(ジメチルアミノ)-2-メチル-1-プロパノール等のN,N-ジアルキルモノアルカノールアミン;N-(2-アミノエチル)エタノールアミン等のアミノアルキルアルカノールアミン;ジエチレングリコールアミン;2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-(メチルアミノ)-1,2-プロパンジオール、3-(ジメチルアミノ)-1,2-プロパンジオール等のアミノアルカンジオール;エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、トリ-n-オクチルアミン等のアルキルアミン;N-メチル-1,3-プロパンジアミン等のN-アルキルアルカンジアミン;N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン等のN,N-ジアルキルアルカンジアミン;アリルアミン;エチレンジアミン等のアルキレンジアミン;N-ベンジルエタノールアミン等の芳香族環含有アルカノールアミン;ピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン等の複素環式アミンが挙げられる。中でも、好ましくは第3級アミンであり、より好ましくは下記一般式(II)で表される第3級アミンである。
前記式(II)中、R、R及びRは、炭素数1以上8以下の炭化水素基、又はヒドロキシ基を含む炭素数1以上8以下の炭化水素基である。
、R及びRの炭化水素基としては、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられるが、中でも、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和炭化水素基が好ましく、直鎖の飽和炭化水素基がより好ましい。
、R又はRの炭化水素基の炭素数は、それぞれ独立に、好ましくは1以上5以下、より好ましくは1以上3以下である。
、R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基及び炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基から選ばれる1種であり、より好ましくはメチル基、エチル基、及び2-ヒドロキシエチル基から選ばれる1種である。
上記一般式(II)で表される第3級アミンとしては、R、R及びRの少なくとも1つは、炭素数1以上3以下のアルキル基であることが好ましい。これにより、該第3級アミン中の窒素原子の電子密度を高め、転相乳化時におけるポリエステル系樹脂の酸基の脱プロトン化を促進させ、形成されるポリエステル系樹脂粒子の酸基を表面近傍に存在させ、該樹脂粒子の分散安定性を向上させることができる。
有機アミン化合物の総炭素数は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、そして、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下である。
有機アミン化合物としては、水溶性有機アミン化合物が好ましい。水溶性有機アミン化合物における「水溶性」とは、水100gに対する25℃における溶解度(以下、単に「水溶解度」ともいう)が5g/100gHO以上であることをいう。例えば、トリエチルアミンは25℃における水溶解度が9g/100gHOであり、N,N-ジメチルエタノールアミンは25℃における水溶解度が95.4g/100gHOであり、N-メチルジエタノールアミンは25℃における水溶解度が100g/100gHOであり、トリエタノールアミンは25℃における水溶解度が100g/100gHOである。
有機アミン化合物は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、具体的には、好ましくはトリアルカノールアミン、N-アルキルジアルカノールアミン、N,N-ジアルキルモノアルカノールアミン、及びトリアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはN-メチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリエチルアミンから選ばれる少なくとも1種であり、更に好ましくはN-メチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、及びトリエチルアミンから選ばれる少なくとも1種であり、より更に好ましくはN-メチルジエタノールアミンである。
有機アミン化合物の使用当量は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは50モル%以上であり、また、好ましくは130モル%以下、より好ましくは110モル%以下、更に好ましくは90モル%以下である。
ここで有機アミン化合物の使用当量は、下記計算式(1)によって求めることができる。有機アミン化合物の使用当量が100モル%以下の場合、中和度と同義であり、次式で有機アミン化合物の使用当量が100モル%を超える場合には、有機アミン化合物がポリエステル系樹脂aの酸基に対して過剰であることを意味し、この時のポリエステル系樹脂aの中和度は100モル%とみなす。
有機アミン化合物の使用当量(モル%)=〔{有機アミン化合物の添加質量(g)/有機アミン化合物の当量}/[{ポリエステル系樹脂aの酸価(mgKOH/g)×ポリエステル系樹脂aの質量(g)}/(56×1,000)]〕×100 (1)
工程1におけるポリエステル系樹脂aの中和には、本発明の効果を損なわない範囲で、有機アミン化合物以外の塩基性化合物を併用することができる。該塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア等が挙げられる。有機アミン化合物以外の塩基性化合物の使用量は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、有機アミン化合物と該塩基性化合物の合計量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。
<有機溶媒>
工程1で用いる有機溶媒は、ポリエステル樹脂aを転相乳化する観点から、好ましくは水溶性有機溶媒である。該有機溶媒の常温常圧における沸点は、ポリエステル系樹脂aを溶解し、後述する工程2における転相後の有機溶媒の除去が容易である観点から、好ましくは95℃以下、より好ましくは85℃以下であり、そして、工程1での作業性の観点から、好ましくは45℃以上、より好ましくは55℃以上である。
前記有機溶媒は、好ましくは炭素数1以上3以下の脂肪族アルコール、ケトン類、エーテル類、エステル類等であり、ポリエステル樹脂aの溶解性の観点から、より好ましくは炭素数3以上6以下のケトンであり、更に好ましくは、アセトン(沸点56℃)、メチルエチルケトン(沸点80℃)等の炭素数1以上3以下のアルキル基を有するジアルキルケトンであり、より更に好ましくはメチルエチルケトンである。
ポリエステル系樹脂aとして2種以上の樹脂を用いる場合又はポリエステル系樹脂aがポリエステル樹脂以外の樹脂を含む場合には、予め、2種以上の樹脂を混合したものやポリエステル樹脂とその他の樹脂とを混合したものを用いてもよいが、これらの樹脂を同時に有機溶媒に添加して溶解させ、ポリエステル系樹脂aを含む溶液として得てもよい。
ポリエステル系樹脂aの有機溶媒への溶解操作、及びその後の有機アミン化合物の添加は、通常、有機溶媒の沸点以下の温度で行う。
工程1で得られる溶液におけるポリエステル系樹脂aに対する有機溶媒の質量比〔有機溶媒/ポリエステル系樹脂a〕は、ポリエステル系樹脂aを溶解し水系媒体への転相を容易にする観点、及びポリエステル系樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは30/100以上、より好ましくは50/100以上、更に好ましくは70/100以上であり、そして、好ましくは500/100以下、より好ましくは300/100以下、更に好ましくは200/100以下、より更に好ましくは150/100以下である。
(工程2)
工程2は、工程1で得られた、中和されたポリエステル系樹脂aを含む溶液に水系媒体を添加して転相し、系中の有機溶媒を除去して、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液を得る工程である。
工程2で添加する水系媒体は、好ましくは水を主成分とする。工程2で添加する水系媒体における水は、前述のポリエステル系樹脂粒子の水分散液における水系媒体と同様であり、水以外に水に溶解する有機溶媒を含んでもよい。該水系媒体中の水の含有量は、ポリエステル系樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点及び環境安全性の観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
水系媒体を添加する際の温度は、ポリエステル系樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは25℃以上であり、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下、更に好ましくは40℃以下である。
水系媒体の添加速度は、ポリエステル系樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点から、転相が終了するまでは、工程1で用いるポリエステル系樹脂a 100質量部に対して、好ましくは0.5質量部/分以上、より好ましくは1質量部/分以上、更に好ましくは3質量部/分以上、より更に好ましくは5質量部/分以上であり、そして、好ましくは100質量部/分以下、より好ましくは50質量部/分以下、更に好ましくは20質量部/分以下、より更に好ましくは15質量部/分以下である。転相後、ポリエステル系樹脂粒子が得られた後の水系媒体の添加速度には制限はない。
水系媒体の添加量は、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の生産性を向上させる観点から、ポリエステル系樹脂a 100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは100質量部以上、更に好ましくは200質量部以上であり、そして、好ましくは1,000質量部以下、より好ましくは800質量部以下、更に好ましくは600質量部以下、より更に好ましくは400質量部以下である。
工程2において、転相乳化の後に、得られたポリエステル系樹脂粒子の分散液から系中の有機溶媒を除去してポリエステル系樹脂粒子の水分散液を得る。有機溶媒の除去方法は特に限定されず、任意の方法を用いることができるが、水と溶解しているため蒸留することが好ましい。得られたポリエステル系樹脂粒子の水分散液中の有機溶媒は実質的に除去されていることが好ましいが、本発明の目的を損なわない限り、残留していてもよい。残留有機溶媒の量は、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下である。
得られたポリエステル系樹脂粒子の水分散液は、金網等で濾過し、粗大粒子等を除去することが好ましい。また、有機溶媒の除去後には、有機溶媒とともに水も共沸して減じているため、水を添加して固形分濃度を調整することが好ましい。
また、本発明に係る水分散液の水系媒体が水以外の成分を含む場合には、水分散液の水系媒体の組成を調整する観点から、工程2において、転相後に系中の有機溶媒を除去し、必要に応じて粗大粒子等を除去した後、前述の水に溶解する有機溶媒を添加してもよい。
ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の固形分濃度は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。該水分散液の固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
ポリエステル系樹脂粒子の水分散液のpHは、好ましくは7.0以上、より好ましくは7.5以上、更に好ましくは8.0以上であり、そして、好ましくは9.5以下、より好ましくは9.0以下、更に好ましくは8.5以下である。該水分散液のpHは、実施例に記載の方法により測定される。
ポリエステル系樹脂粒子の体積平均粒径は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは20nm以上、更に好ましくは30nm以上、より更に好ましくは40nm以上であり、そして、好ましくは100nm以下、より好ましくは90nm以下、更に好ましくは85nm以下、より更に好ましくは80nm以下である。該樹脂粒子の体積平均粒径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
[インクジェット記録用インク]
本発明の製造方法により得られるポリエステル系樹脂粒子の水分散液は、インクジェット記録用インクに用いることが好ましい。
インクジェット記録用インクは、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液、及び着色剤を含有するものが好ましく、着色剤を含有する水分散液(以下、「着色剤水分散液」ともいう)を用いて、下記工程3により製造することが好ましい。
工程3:工程2で得られたポリエステル系樹脂粒子の水分散液と、着色剤を含有する水分散液とを混合し、インクジェット記録用インクを得る工程
工程3における混合には、各種撹拌装置を用いることができる。
<着色剤>
着色剤は、顔料、染料のいずれであってもよい。
着色剤としては、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等が挙げられる。これらの中でも、顔料、疎水性染料が好ましく、顔料がより好ましい。
本発明に用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物が挙げられる。これらの中では、特にブラックインクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。体質顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
顔料としては、いわゆる自己分散型顔料を用いることもできる。自己分散型顔料とは、アニオン性親水基又はカチオン性親水基の1種以上を直接又は他の原子団を介して顔料の表面に結合することで、界面活性剤やポリマー分散剤を用いることなく水系媒体に分散可能である顔料のことをいう。ここで、アニオン性親水基としては、カルボキシ基(-COOM)、スルホン酸基(-SO3M)が好ましく(式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウムである)、カチオン性親水基としては、第4級アンモニウム基が好ましい。
本発明に用いられる疎水性染料は、100gの水中(20℃)における溶解度が、好ましくは6質量%未満の染料のことをいう。疎水性染料としては、油溶性染料、分散染料等が挙げられる。
油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベントブラック、C.I.ソルベントイエロー、C.I.ソルベントレッド、C.I.ソルベントバイオレット、C.I.ソルベントブルー、C.I.ソルベントグリーン、及びC.I.ソルベントオレンジから選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられ、オリヱント化学株式会社、BASF社等から市販されている。
着色剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて任意の割合で混合して用いることができる。
<ポリマー分散剤>
着色剤は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、界面活性剤、ポリマー分散剤等により水系媒体中で分散された形態であることが好ましく、ポリマー分散剤で分散された形態であることがより好ましい。
ポリマー分散剤としては、例えば、ヒロドキシ基、アミノ基、アミド基、オキシアルキレン基等の非イオン性基を有するポリマー分散剤;カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性を有するポリマー分散剤が挙げられる。
(水不溶性ポリマーb)
ポリマー分散剤は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、水不溶性ポリマーb(以下、「ポリマーb」ともいう)であることが好ましい。該ポリマーbは、前述したポリエステル系樹脂粒子以外であることが好ましい。
ここで、「水不溶性」とは、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーbを、25℃の水100gに飽和するまで溶解させたときに、その溶解量が10g未満であることを意味し、該ポリマーbの溶解量は好ましくは5g以下、より好ましくは1g以下である。ポリマーbがアニオン性ポリマーの場合、その溶解量は、該ポリマーbのアニオン性基を水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。ポリマーbがカチオン性ポリマーの場合、その溶解量は、該ポリマーbのカチオン性基を塩酸で100%中和した時の溶解量である。
ポリマーbとしては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の縮合系樹脂;アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂等のビニル系樹脂等が挙げられる。中でも、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましい。
ポリマーbとしてポリエステル樹脂を用いる場合には、前述のポリエステル系樹脂粒子で例示したポリエステル系樹脂aを用いてもよい。ポリマーbとして用いるポリエステル樹脂において、アルコール成分、カルボン酸成分、その他物性は前述のポリエステル系樹脂粒子と同様の範囲が好適例として挙げられる。
ビニル系樹脂は、着色剤の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくはイオン性モノマー(b-1)(以下、「(b-1)成分」ともいう)由来の構成単位、及び疎水性モノマー(b-2)(以下、「(b-2)成分」ともいう)由来の構成単位を含み、より好ましくは、更にノニオン性モノマー(b-3)(以下、「(b-3)成分」ともいう)由来の構成単位を含む。該ビニル系樹脂は、(b-1)成分と、(b-2)成分と、更に必要に応じて(b-3)成分を含む原料モノマー(b)(以下、「原料モノマー(b)」ともいう)を共重合させて得ることができる。
〔イオン性モノマー(b-1)〕
イオン性モノマー(b-1)は、酸性、中性及びアルカリ性のいずれかの条件でイオンとなりうる基(以下、「イオン性基」ともいう)を有するモノマーであり、好ましくはモノマー又はその塩のいずれかにおいて、25℃におけるイオン交換水100gに対する溶解量が1g以上、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上のモノマーである。
イオン性モノマー(b-1)としては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが挙げられ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、アニオン性モノマーが好ましい。
アニオン性モノマーとしては、カルボン酸モノマー、スルホン酸モノマー、リン酸モノマー等が挙げられる。中でも、カルボン酸モノマーが好ましい。
カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。中でも、より好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種である。
〔疎水性モノマー(b-2)〕
疎水性モノマー(b-2)としては、着色剤の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、炭素数1以上22以下、より好ましくは炭素数6以上18以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、2-メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート及びメタクリレートから選ばれる1種以上」を意味する。以下においても同様である。スチレン系モノマー又は芳香族基含有(メタ)アクリレートの分子量は、500未満が好ましい。
疎水性モノマー(b-2)は、好ましくはスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートである。
疎水性モノマー(b-2)として、着色剤の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、マクロモノマーを用いてもよい。
マクロモノマーは、片末端に重合性官能基を有する数平均分子量500以上100,000以下の化合物であり、好ましくは数平均分子量1,000以上10,000以下の化合物である。なお、数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される値である。
片末端に存在する重合性官能基は、好ましくはアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であり、より好ましくはメタクリロイルオキシ基である。
マクロモノマーは、好ましくは芳香族基含有モノマー系マクロマー及びシリコーン系マクロマーから選ばれる1種以上であり、より好ましくは芳香族基含有モノマー系マクロマーである。
芳香族基含有モノマー系マクロモノマーを構成する芳香族基含有モノマーとしては、前述のスチレン系モノマー、芳香族基含有(メタ)アクリレートが挙げられ、スチレン、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、スチレンがより好ましい。
スチレン系マクロモノマーの具体例としては、AS-6(S)、AN-6(S)、HS-6(S)(以上、東亞合成株式会社製の商品名)等が挙げられる。
シリコーン系マクロモノマーとしては、片末端に重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
〔ノニオン性モノマー(b-3)〕
ノニオン性モノマー(b-3)は、イオン性基を有さず、好ましくは25℃におけるイオン交換水100gに対する溶解量が10g以上のモノマーである。
ノニオン性モノマー(b-3)は、好ましくは水酸基及びポリアルキレンオキシ基の少なくとも一つを有するモノマーである。その具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(n=2~30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2~30)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(n=1~30)(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;フェノキシ(エチレングリコール-プロピレングリコール共重合)(n=1~30、その中のエチレングリコール:n=1~29)(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、ポリプロピレングリコール(n=2~30)モノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2~30)モノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
商業的に入手しうるノニオン性モノマー(b-3)の具体例としては、新中村化学工業株式会社製のNKエステルM-20G、同40G、同90G、同230G等、日油株式会社製のブレンマーPE-90、同200、同350、PME-100、同200、同400等、PP-500、同800、同1000等、AP-150、同400、同550等、50PEP-300、50POEP-800B、43PAPE-600B等が挙げられる。
前記(b-1)~(b-3)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリマーbは、着色剤の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、イオン性モノマー(b-1)としてカルボン酸モノマー由来の構成単位と、疎水性モノマー(b-2)としてスチレン系モノマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のモノマー由来の構成単位を含むビニル系樹脂が好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種のモノマー由来の構成単位と、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のモノマー由来の構成単位とを含むビニル系樹脂がより好ましい。
(水不溶性ポリマーbの各成分の含有量)
ポリマーbの製造時における、イオン性モノマー(b-1)、疎水性モノマー(b-2)、及びノニオン性モノマー(b-3)の原料モノマー(b)における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)、すなわちポリマーb中における(b-1)~(b-3)成分に由来の構成単位の含有量は、着色剤の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、次のとおりである。
(b-1)成分の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは13質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは27質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
(b-2)成分の含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは48質量%以上であり、そして、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
(b-3)成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは37質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
(b-1)成分に対する(b-2)成分の質量比〔(b-2)成分/(b-1)成分〕は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.5以上、より更に好ましくは2.0以上であり、そして、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.5以下である。
ポリマーbは、原料モノマー(b)を公知の重合法により共重合させることによって製造される。重合法としては、例えば、原料モノマー(b)を溶媒中で重合開始剤や重合連鎖移動剤等とともに加熱して重合させる、溶液重合法が好適例として挙げられる。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離及び精製してもよい。
ポリマーbにおける重合モノマーの連鎖の様式に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト等のいずれの重合様式でもよい。
ポリマーbの酸価は、着色剤の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは80mgKOH/g以上、より好ましくは100mgKOH/g以上、更に好ましくは120mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは300mgKOH/g以下、より好ましくは200mgKOH/g以下、更に好ましくは150mgKOH/g以下である。ポリマーbの酸価(mgKOH/g)は、構成するモノマーの質量比から算出することができる。
ポリマーbの数平均分子量は、着色剤の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは10,000以上であり、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは30,000以下である。ポリマーbの数平均分子量の測定は、実施例に記載の方法により行うことができる。
<架橋剤>
水不溶性ポリマーb(ポリマーb)は、好ましくは架橋構造を有し、より好ましくは、架橋剤で架橋されてなるポリマー又は架橋剤を用いないで自己架橋されてなるポリマーであり、更に好ましくは架橋剤で架橋されてなるポリマーである。これにより、架橋されたポリマーbは着色剤表面に強固に吸着又は固定化され、インク中で該ポリマーbの膨潤も抑制されるため、連続吐出安定性及び定着性が向上すると考えられる。
架橋剤は、好ましくはポリマーbに含まれる反応性官能基と反応する架橋性官能基を有する化合物である。架橋剤に含まれる架橋性官能基の数は、効率よく架橋反応が進行し、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、1分子あたり2以上であり、そして、1分子あたり好ましくは6以下、市場入手性の観点から、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下である。
ポリマーbが、例えば、イオン性基としてカルボキシ基を含む場合、架橋剤の反応性官能基としては、エポキシ基、オキサゾリン基、及びイソシアネート基から選ばれる1種以上が好ましく挙げられる。
架橋剤の具体例としては、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物、分子中に2以上のオキサゾリン基を有する化合物、分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる。中でも、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。
分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテルが挙げられる。これらの中でも、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが好ましい。
架橋剤の使用量は、インクの粘度の上昇を抑制し、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、ポリマーbに対する架橋剤の質量比〔架橋剤/ポリマーb〕で、好ましくは0.1/100~50/100、より好ましくは1/100~40/100、更に好ましくは3/100~30/100、より更に好ましくは4/100~25/100である。
架橋されたポリマーbの架橋率(モル%)は、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、更に好ましくは15モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは60モル%以下、更に好ましくは50モル%以下、より更に好ましくは40モル%以下である。前記架橋率は、下記計算式(2)から求められる。
架橋率(モル%)=[架橋剤の架橋性官能基のモル当量数/ポリマーbが有する反応性官能基のモル当量数]×100 (2)
架橋反応の条件は、好ましくは反応温度60℃以上95℃以下で反応時間0.5時間以上7時間以下である。
インク中でのポリマーbの存在形態は、着色剤に吸着している状態、着色剤を含有している状態、又は着色剤を吸着していない形態がある。これらの中でも、着色剤の分散安定性を向上させ、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、着色剤に吸着している状態、着色剤を含有している状態が好ましい。
すなわち、着色剤は、ポリマーbに含有された粒子(以下、「着色剤を含有するポリマーbの粒子」又は「着色剤含有ポリマー粒子」ともいう)の形態が好ましい。ここで、着色剤含有ポリマー粒子は、ポリマーbが着色剤の少なくとも一部に吸着している粒子の形態、ポリマーbが着色剤を包含している粒子の形態等をも含むものである。
着色剤含有ポリマー粒子を構成する着色剤は、着色剤の分散安定性を向上させる観点、並びに連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは顔料及び疎水性染料から選ばれる少なくとも1種、より好ましくは顔料である。着色剤として顔料を用いる場合、着色剤含有ポリマー粒子は、顔料をポリマーbに含有させた顔料粒子、即ち顔料を含有するポリマーbの粒子となる。
〔着色剤水分散液の製造〕
着色剤を含有する水分散液(着色剤水分散液)は、着色剤を前述の水不溶性ポリマーb(ポリマーb)で機械分散させてなるものが好ましい。例えば、ポリマーb、有機溶媒、着色剤、水、及び必要に応じて中和剤、界面活性剤等を含有する着色剤混合物を分散処理し、着色剤含有ポリマー粒子の分散液を得た後、該分散液から系中の有機溶媒を除去して得ることができる。
ポリマーbを溶解させる有機溶媒に制限はないが、炭素数1以上3以下の脂肪族アルコール、ケトン類、エーテル類、エステル類等が好ましく、着色剤への濡れ性、ポリマーbの溶解性、及びポリマーbの着色剤への吸着性を向上させる観点から、炭素数4以上8以下のケトンがより好ましく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが更に好ましく、メチルエチルケトンがより更に好ましい。
ポリマーbを溶液重合法で合成した場合には、重合で用いた溶媒をそのまま用いてもよい。
ポリマーbがアニオン性ポリマーの場合、中和剤を用いて該ポリマーb中のアニオン性基を中和してもよい。中和剤を用いる場合、pHが7以上11以下になるように中和することが好ましい。
中和剤としては、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミン化合物等が挙げられる。また、ポリマーbを予め中和しておいてもよい。
着色剤混合物の分散処理方法に特に制限はないが、公知の混練機、分散機等を用いて着色剤含有ポリマー粒子の平均粒径を所望の粒径とするよう制御して行うことが好ましい。得られた分散処理物から公知の方法で有機溶媒を除去して着色剤水分散液を得ることができる。ポリマーbが架橋剤で架橋させてなるポリマーである場合には、得られた着色剤水分散液に架橋剤を添加し、着色剤含有ポリマー粒子を架橋させることが好ましい。
着色剤水分散液の固形分濃度は、着色剤の分散安定性を向上させる観点、及びインクの調製を容易にする観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。着色剤水分散液の固形分濃度は、実施例に記載の方法により測定される。
着色剤水分散液中の着色剤含有ポリマー粒子の体積平均粒径は、粗大粒子を低減する観点、並びに連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは40nm以上、より好ましくは60nm以上、更に好ましくは75nm以上、より更に好ましくは100nm以上であり、そして、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下である。着色剤水分散液中の着色剤含有ポリマー粒子の体積平均粒径は、実施例に記載の方法により測定される。
インク中の着色剤含有ポリマー粒子は、該粒子の膨潤や収縮、該粒子間の凝集が生じないことが好ましく、インク中の着色剤含有ポリマー粒子の体積平均粒径は、着色剤水系分散液中の平均粒径と同じであることがより好ましい。インク中の着色剤含有ポリマー粒子の好ましい体積平均粒径の態様は、着色剤水分散体中の体積平均粒径の好ましい態様と同じである。インク中の着色剤含有ポリマー粒子の体積平均粒径も、実施例に記載の方法により測定される。
<水溶性有機溶剤>
本発明のインクは、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、更に水溶性有機溶剤(以下、「水溶性有機溶剤」という)を含むことが好ましい。該水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル、含窒素複素環化合物、アミド、アミン、含硫黄化合物が挙げられる。中でも、好ましくは多価アルコール、多価アルコールモノアルキルエーテル及び含窒素複素環化合物から選ばれる少なくとも1種である。水溶性有機溶剤中の、多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテル及び含窒素複素環化合物から選ばれる1種以上の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
水溶性有機溶剤は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、より好ましくは多価アルコールである。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール(沸点197℃)、ジエチレングリコール(沸点244℃)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール(沸点188℃)、ジプロピレングリコール(沸点232℃)、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール(沸点210℃)、1,3-ブタンジオール(沸点208℃)、1,4-ブタンジオール(沸点230℃)、3-メチル-1,3-ブタンジオール(沸点203℃)、1,5-ペンタンジオール(沸点242℃)、1,6-ヘキサンジオール(沸点250℃)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(沸点196℃)、1,2,6-ヘキサントリオール(沸点178℃)、1,2,4-ブタントリオール(沸点190℃)、1,2,3-ブタントリオール(沸点175℃)、ペトリオール(沸点216℃)等が挙げられる。また、トリエチレングリコール(沸点285℃)、トリプロピレングリコール(沸点273℃)、グリセリン(沸点290℃)等の沸点が250℃を超える多価アルコールを、沸点が250℃未満の多価アルコール、好ましくは沸点が230℃未満の多価アルコールと組み合わせて用いることもできる。これらの中でも、連続吐出安定性を向上させる観点から、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはジエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種である。
ポリプロピレングリコールは、形式的にはプロピレングリコールの縮合重合体であり、実質的にはプロピレンオキサイドの重合体であり、重合度の異なる複数の成分からなる分布を有する。ポリプロピレングリコールは、インクに適切な粘性を付与し、印刷ヘッドのノズル孔近傍で発生するインクの凝集付着物の会合力を緩和させ、連続吐出安定性を向上させると考えられる。
ポリプロピレングリコールの重合度は、インクに適切な粘性を付与し、連続吐出安定性を向上させる観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上、より更に好ましくは6以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは15以下である。
ポリプロピレングリコールの平均分子量は、インクに適切な粘性を付与し、連続吐出安定性を向上させる観点から、好ましくは300以上、より好ましくは400以上であり、そして、好ましくは1,000以下、より好ましくは800以下である。
本発明のインクは、必要に応じて、更に界面活性剤、湿潤剤、浸透剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含有することができる。
本発明のインクが、更に水溶性有機溶剤、界面活性剤、前述の各種添加剤を含有する場合には、これらの少なくとも1種を工程1~工程3のいずれかの工程で更に混合してもよく、工程3において混合することが好ましい。
本発明のインクの各成分の含有量、インク物性は以下のとおりである。
本発明のインク中のポリエステル系樹脂粒子の水分散液の含有量は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、固形分として、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下である。インク組成を調整する観点から、予めポリエステル系樹脂粒子の水分散液から水系媒体を除去して、固形分濃度を調整した後、インクへ配合してもよい。
本発明のインク中の着色剤の含有量は、印字濃度の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、溶媒揮発時のインク粘度を下げて、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
本発明のインク中の着色剤とポリエステル系樹脂粒子の質量比〔着色剤/ポリエステル樹脂粒子〕は、印字濃度、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上、更に好ましくは80/20以上であり、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは90/10以下、更に好ましくは85/15以下である。
本発明のインク中の着色剤とポリマーbとの合計含有量は、印字濃度の観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、そして、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
本発明のインクにおけるポリマーbに対する着色剤の質量比〔着色剤/ポリマーb〕は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは30/70以上、より好ましくは40/60以上、更に好ましくは50/50以上、より更に好ましくは60/40以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下である。
本発明のインク中の水溶性有機溶剤の含有量は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは47質量%以下、より好ましくは43質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
本発明のインク中の水の含有量は、連続吐出安定性及び定着性を向上させる観点から、並びに環境負荷低減の観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは55質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
インクのpHは、連続吐出安定性を向上させる観点から、好ましくは5.5以上、より好ましくは6.0以上、更に好ましくは6.5以上であり、そして、部材耐性、皮膚刺激性の観点から、好ましくは11.0以下、より好ましくは10.0以下、更に好ましくは9.5以下である。インクのpHは、実施例に記載の方法により測定される。
インクの20℃における粘度は、連続吐出安定性の観点から、好ましくは1.0mPa・s以上、より好ましくは1.5mPa・s以上、更に好ましくは2.0mPa・s以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは12mPa・s以下、より好ましくは8.0mPa・s以下、更に好ましくは4.0mPa・s以下である。インクの粘度は、E型粘度計を用いて実施例に記載の方法により測定される。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクは、公知のインクジェット記録装置に装填し、記録媒体にインク液滴として吐出させて画像等を記録することができる。
インクジェット記録装置としては、サーマル式及びピエゾ式があるが、ピエゾ式のインクジェット記録用インクとして用いることがより好ましい。
用いる記録媒体としては、高吸水性印刷媒体である普通紙、低吸水性印刷媒体であるコート紙、樹脂フィルムが挙げられる。中でも、定着性の観点から、好ましくは低吸水性印刷媒体である。
低吸水性印刷媒体の純水との接触時間100m秒における吸水量は、好ましくは8g/m以下、より好ましくは6g/m以下であり、そして、定着性及び印刷画質の観点から、好ましくは1g/m以上、より好ましくは2g/m以上である。該吸水量は、自動走査吸液計を用いて、実施例に記載の方法により測定される。
コート紙としては、汎用光沢紙、多色フォームグロス紙等が挙げられる。一般的に入手できるコート紙としては、例えば、「OKトップコートプラス」(王子製紙株式会社製)、多色フォームグロス紙(王子製紙株式会社製);UPM Finesse Gloss、UPM Finesse Matt(以上、UPM社製);TerraPress Silk、LumiArt(以上、Stora Enso社製)が挙げられる。
樹脂フィルムとしては、好ましくはポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムから選ばれる少なくとも1種である。該樹脂フィルムは、コロナ処理された基材を用いてもよい。
一般的に入手できる樹脂フィルムとしては、例えば、ルミラーT60(東レ株式会社製、ポリエステル)、PVC80B P(リンテック株式会社製、塩化ビニル)、DGS-210WH(ローランドディージー株式会社製、塩化ビニル)、透明塩ビRE-137(株式会社ミマキエンジニアリング製、塩化ビニル)、カイナスKEE70CA(リンテック株式会社製、ポリエチレン)、ユポSG90 PAT1(リンテック株式会社製、ポリプロピレン)、FOR、FOA(いずれもフタムラ化学株式会社製、ポリプロピレン)、ボニールRX(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、ナイロン)、エンブレムONBC(ユニチカ株式会社製、ナイロン)が挙げられる。
インクジェット記録方法においては、インク液滴をインクジェット記録方式により記録媒体上に吐出して印刷した後、記録媒体上に着弾したインク液滴を乾燥する工程を含んでもよい。乾燥工程においては、印刷画質の向上の観点から、記録媒体表面温度は、好ましくは25℃以上、より好ましくは30℃以上、更に好ましくは50℃以上であり、そして、熱による記録媒体の変形抑制とエネルギー低減の観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは85℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
以下の実施例等においては、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。各物性は次の方法により測定した。
(1)ポリエステル系樹脂aの酸価
測定溶媒を、エタノールとエーテルとの混合溶媒から、アセトンとトルエンとの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更したこと以外は、JIS K0070-1992に記載の中和滴定法に従って測定した。
(2)ポリエステル系樹脂aの軟化点
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、試料1gを昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(3)ポリエステル系樹脂aのガラス転移温度
示差走査熱量計「Q-100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温した後、200℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却して測定サンプルを調製した。その後、昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
(4)ポリエステル系樹脂粒子及び着色剤含有ポリマー粒子の体積平均粒径
下記測定装置を用いて、下記測定条件にて体積平均粒径を測定した。
測定装置:ゼータ電位・粒径測定システム「ELS-8000」(大塚電子株式会社製)
測定条件:キュムラント解析法。測定する粒子の濃度が約5×10-3%になるように水で希釈した分散液を測定用セルに入れ、温度25℃、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力した。
(5)ポリエステル系樹脂粒子の水分散液及び着色剤水分散液の固形分濃度
赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所製、商品名:FD-230)を用いて、試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)の条件にて乾燥させ、水分散液の水分(%)を測定した。固形分濃度は次式に従って算出した。
固形分濃度(%)=100-水分(%)
(6)ポリエステル系樹脂粒子の水分散液のpH
pHメーター「HM-20P」(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、25℃で測定した。
(7)水不溶性ポリマーbの数平均分子量の測定
N,N-ジメチルホルムアミドに、リン酸及びリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、ゲル浸透クロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC-8320GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSK-GEL SuperAWM-H、TSKgel SuperAW3000、TSKgel guardcolum Super AW-H)、流速:1mL/min〕により、標準物質として分子量が既知の単分散ポリスチレンキット〔PStQuick B(F-550、F-80、F-10、F-1、A-1000)、PStQuick C(F-288、F-40、F-4、A-5000、A-500)、東ソー株式会社製〕を用いて測定した。
測定試料は、ガラスバイアル中にポリマーb0.1gを前記溶離液10mLと混合し、25℃で10時間、マグネチックスターラーで撹拌し、シリンジフィルター(DISMIC-13HP PTFE 0.2μm、アドバンテック株式会社製)で濾過したものを用いた。
(8)インクジェット記録用インクの粘度及びpH
インクの20℃における粘度は、E型粘度計(東機産業株式会社製、型番:TV-25、標準コーンロータ1°34’×R24使用、回転数50rpm)を用いて測定した。
インクのpHは、pH電極「6337-10D」(株式会社堀場製作所製)を使用した卓上型pH計「F-71」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
(9)記録媒体と純水との接触時間100m秒における記録媒体の吸水量
自動走査吸液計「KM500win」(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、23℃、相対湿度50%の条件下にて、純水の接触時間100m秒における転移量を測定し、100m秒の吸水量とした。測定条件を以下に示す。
「Spiral Method」
Contact Time(秒):0.010~1.0
Pitch(mm):7
Length Per Sampling(degree):86.29
Start Radius(mm):20
End Radius(mm):60
Min Contact Time(m秒):10
Max Contact Time(m秒):1,000
Sampling Pattern:50
Number of Sampling Points:19
「Square Head」
Slit Span(mm):1
Slit Width(mm):5
[顔料含有ポリマー粒子の水分散液の調製]
調製例1
(1)予備分散工程
水不溶性ポリマーbとしてメタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン系マクロモノマー(東亞合成株式会社製、商品名:AS-6S)/ポリエチレングリコール(4)モノメタクリレートの共重合体(モノマーの質量比(メタクリル酸/ベンジルアクリレート/スチレン系マクロモノマー/ポリエチレングリコール(4)モノメタクリレート)=20/40/10/30、酸価:130mgKOH/g、数平均分子量:11,218)を36.8%含むメチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう)溶液559gに、イオン交換水1466g、5N水酸化ナトリウム水溶液94.4g(ポリマーbの中和度:80モル%)、及びMEK188.3gを加え、乳化液を得た。
この乳化液に、着色剤としてシアン顔料(C.I.ピグメント・ブルー15:3、銅フタロシアニン、DIC株式会社製、商品名:TGR-SD)500gを加え、ディスパー翼を用いて15℃で1時間混合して予備分散体(固形分濃度:20%)を得た。
(2)本分散工程
上記(1)で得られた予備分散体に対し、MEKを69g、イオン交換水945gを加えた後、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、高圧ホモジナイザー、商品名)を用いて、150MPaの圧力で15パスの連続方式による分散処理を行って、顔料分散液を得た。
(3)有機溶媒除去工程
上記(2)で得られた顔料分散液を、減圧下、温水加熱媒体を用いてMEKを除去し、更に得られる顔料水分散液の固形分が20%となるように水を除去し(残留有機溶媒量:0.01%)、2.5μmのフィルター(株式会社ロキテクノ製、商品名:20L-MPX-025XS、外径:9.1cm、)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度20%の顔料水分散液を得た。
(4)架橋工程
上記(3)で得られた顔料水分散液200gに対し、架橋剤(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:デナコールEX212L、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル)0.811gを加え、70℃で90分間撹拌し、ポリマーbを架橋(架橋率:20モル%)し、顔料含有ポリマー粒子の水分散液P-1(固形分濃度20%、体積平均粒径90nm)を得た。
[ポリエステル樹脂の製造]
製造例1及び2
温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管を有する流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10Lの四つ口フラスコに、表1に示すトリメリット酸無水物以外の原料モノマー、及び触媒として2-エチルヘキサン酸錫(II)を入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、5時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間維持した。その後、200℃まで冷却し、大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物を入れ、220℃に昇温し、1時間維持した後に、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて軟化点が表1に示す温度に到達するまで反応させて、ポリエステル樹脂a1及びa2を得た。得られた樹脂a1及びa2の物性を表1に示す。
製造例3
温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管を有する流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10Lの四つ口フラスコに表1に示すフマル酸以外の原料モノマー、及び触媒として2-エチルヘキサン酸錫(II)を入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、8時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間維持した。その後、200℃まで冷却し、大気圧に戻した後、フマル酸、4-tert-ブチルカテコールを加え、210℃の温度下で4時間維持した後に、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて軟化点が表1に示す温度に到達するまで反応させて、ポリエステル樹脂a3を得た。得られた樹脂a3の物性を表1に示す。
製造例4
温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管を有する流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した10Lの四つ口フラスコに、表1に示すフマル酸及びトリメリット酸無水物以外の原料モノマー、及び触媒として2-エチルヘキサン酸錫(II)を入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、5時間維持した後、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて1時間維持した。その後、200℃まで冷却し、大気圧に戻した後、フマル酸、トリメリット酸無水物、及び4-tert-ブチルカテコールを加え、210℃の温度下で4時間維持した後に、更にフラスコ内の圧力を下げ、8.3kPaにて軟化点が表1に示す温度に到達するまで反応させて、ポリエステル樹脂a4を得た。得られた樹脂a4の物性を表1に示す。
[ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造]
実施例1-1~1-4,1-7、参考例1-5~1-6、及び比較例1-1~1-2
(工程1)
窒素導入管、還流冷却管、撹拌器(新東科学株式会社製、商品名:スリーワンモーターBL300)及び熱電対を装備した1Lの四つ口フラスコに、ポリエステル系樹脂aとして表2に示す種類のポリエステル樹脂200gを入れ、30℃でMEK200gと混合し溶解させて、ポリエステル樹脂のMEK溶液を得た。次いで、得られる水分散液のpHが8.1~8.2になるように表2に示す量の有機アミン化合物水溶液(いずれも濃度は25%)を添加して30分撹拌し、中和されたポリエステル樹脂の溶液を得た。
なお、比較例1-1では有機アミン化合物の水溶液に代えて水酸化ナトリウムの水溶液(濃度5%)を、比較例1-2では有機アミン化合物の水溶液に代えてアンモニアの水溶液(濃度25%)を添加した。
(工程2)
フラスコ内の温度を30℃に維持して撹拌しながら、ポリエステル樹脂100gに対して10g/分の添加速度で脱イオン水全量を滴下して転相した。次いで、60℃に昇温した後、80kPa~30kPaに段階的に減圧していきながらMEKを留去した。25℃まで冷却後、150メッシュの金網で濾過し、イオン交換水にて固形分濃度30%に調整し、ポリエステル系樹脂粒子を含む水分散液E-1~E-7及びE-C1~E-C2を得た。得られた各水分散液のpH、並びに該水分散液に含まれるポリエステル系樹脂粒子の体積平均粒径を表2に示す。
[インクジェット記録用インクの製造]
実施例2-1~2-4,2-7、参考例2-5~2-6、及び比較例2-1~2-2
表2に示すポリエステル系樹脂粒子を含む水分散液(固形分濃度30%)2部、顔料含有ポリマー粒子の水分散液P-1(固形分濃度20%)24部、ジエチレングリコール30部、ポリプロピレングリコール700(富士フイルム和光純薬株式会社製)5部、アセチレングリコール系界面活性剤(Air Products & Chemicals社製、商品名:サーフィノール465)1.5部、及びインクの全量が100部となるようにイオン交換水を添加及び混合した。得られた混合液をフィルター(ザルトリウス社製、商品名:ミニザルト、孔径:1.2μm、材質:酢酸セルロース)で濾過し、各インクを得た。得られたインクはいずれも、粘度が2.9mPa・sであり、pHが8.6であった。
得られた各インクを下記評価方法により評価した。結果を表2に示す。
[評価方法]
(連続吐出安定性)
サーマルヘッドを有するインクジェット記録装置(LGエレクトロニクス社製、LPP-6010N)の送液チューブを引き出し、チューブをインクタンクへ投入して印刷できるように改造したインクジェット記録装置を用いて、温度25±1℃、相対湿度30±5%の環境下で、ベストモードで縦1,600dpi×横1,600dpiの解像度でDuty100%の印刷を行った。
連続吐出安定性の評価は、A4サイズの普通紙(Office Max社製、All-in-One paper)に連続印刷を行い、印刷開始から1枚目の印刷物の印字濃度を測定し、更に6,000枚までは1,000枚目ごとに印刷物の印字濃度を測定し、印字濃度が1枚目の印字濃度より低下する枚数を評価した。
なお、印字濃度は、上記で得られた普通紙に印字された印刷物の印字濃度(黒の光学濃度として出力される値)を分光測色計/濃度計(エックスライト株式会社製、商品名:スペクトロアイ(SpectroEye)、品番:RD914)を用いて測定した。
測定条件は、観測視野角:2度、観測光源:D65、白色基準:Abs、偏光フィルター:なし、濃度基準:DINとした。
測定回数は、測定する場所を変え、合計5点の平均値を該印刷物の印字濃度として用いた。
(定着性)
インクジェット記録装置(株式会社リコー、商品名:IPSiO GX5000、ピエゾ方式)に実施例、参考例、及び比較例で得られた各インクを充填し、記録媒体としてコート紙(王子製紙株式会社製、商品名:OKトップコートプラス、吸水量:4.9g/m)を用いて、30mm×30mmの大きさのベタ画像を印刷し、各印刷物を得た。
得られた各印刷物を室温25℃にて24時間保管した後、該印刷物のベタ画像の上から別のコート紙(王子製紙株式会社製、商品名:OKトップコートプラス)を重ね、さらに上から1,820g(荷重面積43mm×30mm)の荷重をかけた状態で、重ねたコート紙を介してベタ画像の表面を30往復擦過した。
擦過前後のベタ画像表面の光学濃度(OD値)をそれぞれ前記分光測色計/濃度計を用いて測定した。測定条件は連続吐出安定性の評価と同様の条件とし、測定回数は、測定する場所を変え、合計10点測定し、その平均値を求めた。そして、得られた擦過前及び擦過後のOD値(平均値)から下記式によって、OD Loss値(擦過前後のOD値の差)を算出した。OD Loss値が小さいほど、定着性に優れる。
OD Loss値=擦過前のOD値―擦過後のOD値

表2から、実施例2-1~2-4,2-7のインクは、参考例2-5~2-6、及び比較例2-1~2-2のインクに比べて、優れた定着性を維持しつつ、連続吐出安定性が大きく向上していることが分かる。

Claims (8)

  1. 下記工程1及び工程2を有する、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法であって、
    工程1:ポリエステル系樹脂a、有機溶媒、及び有機アミン化合物を混合し、該有機アミン化合物で中和されたポリエステル系樹脂aの溶液を得る工程
    工程2:工程1で得られた、中和されたポリエステル系樹脂aを含む溶液に水系媒体を添加して転相し、系中の有機溶媒を除去して、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液を得る工程
    該ポリエステル系樹脂aの酸価が15mgKOH/g以上23mgKOH/g以下であり、
    該ポリエステル系樹脂aが、アルコール成分由来の構成単位とカルボン酸成分由来の構成単位とを含むポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル系樹脂a中の該ポリエステル樹脂の含有量が90質量%以上100質量%以下である樹脂又は樹脂組成物であり
    該カルボン酸成分が3価の芳香族カルボン酸を含み、該カルボン酸成分中の3価の芳香族カルボン酸の含有量が15モル%以上25モル%以下であり、
    該有機アミン化合物が、トリアルカノールアミン、N-アルキルジアルカノールアミン、N,N-ジアルキルモノアルカノールアミン、及びトリアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種である、ポリエステル系樹脂粒子の水分散液の製造方法。
  2. 下記計算式(1)によって求められる有機アミン化合物の使用当量が10モル%以上130モル%以下である、請求項1に記載の水分散液の製造方法。
    有機アミン化合物の使用当量(モル%)=〔{有機アミン化合物の添加質量(g)/有機アミン化合物の当量}/[{ポリエステル系樹脂aの酸価(mgKOH/g)×ポリエステル系樹脂aの質量(g)}/(56×1,000)]〕×100 (1)
  3. 有機アミン化合物の総炭素数が2以上8以下である、請求項1又は2に記載の水分散液の製造方法。
  4. 有機アミン化合物が、N-メチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、及びトリエチルアミンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1~3のいずれかに記載の水分散液の製造方法。
  5. ポリエステル系樹脂aの軟化点が125℃以上160℃以下である、請求項1~4のいずれかに記載の水分散液の製造方法。
  6. ポリエステル系樹脂粒子の体積平均粒径が10nm以上80nm以下である、請求項1~5のいずれかに記載の水分散液の製造方法。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の方法により得られるポリエステル系樹脂粒子の水分散液、及び着色剤を含有するインクジェット記録用インクを、下記の工程3により得る、インクジェット記録用インクの製造方法。
    工程3:工程2で得られたポリエステル系樹脂粒子の水分散液と、着色剤を含有する水分散液とを混合し、インクジェット記録用インクを得る工程
  8. 着色剤が、顔料を含有する水不溶性ポリマーbの粒子である、請求項7に記載のインクジェット記録用インクの製造方法。
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