JP7372131B2 - 二酸化炭素回収装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置および方法に関するものである。
近年わが国では、水素社会を実現するため、水素発生装置の開発が進められている。このような水素発生装置からは二酸化炭素が排出されるが、世界的に二酸化炭素の削減が求められている。そこで、水素発生装置から排出される二酸化炭素を回収する方法の開発も同時に進められている。
水素発生装置から二酸化炭素を分離して回収する方法としては、化学吸収法、膜分離法、圧力変動吸着法等が用いられている。上記化学吸収法は、アミン水溶液等の吸収剤に二酸化炭素を化学的に反応させ、加熱再生することで二酸化炭素を脱離させて回収する。上記膜分離法は、分離膜を利用して二酸化炭素を選択的に分離して回収する。上記圧力変動吸着法は、圧力による吸着剤への吸着量差を利用して二酸化炭素を分離して回収する。
このような技術に関する先行技術文献として、出願人は下記の特許文献1~4を把握している。
特許第5412232号公報 特許第6523134号公報 特公平7-98645号公報 特許第5795280号公報
上記特許文献1は、炭化水素を水蒸気改質させた際の排気ガスから、二酸化炭素を膜分離によって回収する技術に関するものである。
上記特許文献1には、つぎの記載がある。
〔0001〕
本発明は、二酸化炭素分離回収装置を伴う水素分離型水素製造システム、すなわち二酸化炭素分離回収装置を備える水素分離型水素製造システムに関する。
〔0043〕
二酸化炭素濃度富化装置Fは、二酸化炭素を選択的に透過する二酸化炭素分離膜を備え、水分吸着塔Eでの水分離後のオフガス中の二酸化炭素を選択的に透過し、70~90%であった二酸化炭素の濃度を90%以上に高める。二酸化炭素分離膜としては、二酸化炭素をそのように高濃度化できる二酸化炭素分離膜であればいずれも使用できるが、その例としてはゼオライト系二酸化炭素分離膜、もしくは高分子膜などを用いることができる。二酸化炭素濃度富化装置Fを透過しないガスは、導管16を介して気液分離槽Gからの分離済みオフガスに合流させる。
上記特許文献2は、オートサーマル方式の水素精製装置における、H精製部(HPSA)の排気ガス中の二酸化炭素を、圧力変動吸着法であるCOPSAによって取り除き、COPSAの排気ガスを水蒸気改質反応の原料として再利用する技術に関するものである。特許文献2では、COPSAの排気ガスにはCHやHの可燃性ガスが含まれており、水蒸気改質反応の原料とすることで、原料・燃料ガスを減量する。
上記特許文献2には、つぎの記載がある。
〔0050〕
<オフガスPSA装置>
図1及び図2のオフガスPSA装置3は、水素PSA装置2より排出されるオフガスCを貯蔵するオフガスタンク14と、オフガスタンク14より供給されるオフガスCから二酸化炭素を除去するオフガス用吸着塔15a,15bと、オフガス用吸着塔15a,15bにより二酸化炭素が除去されたCO2除去オフガスDを改質器等に供給するオフガス利用ライン303とを主に備える。また、オフガスPSA装置3は、オフガス用吸着塔15a,15bを用いて二酸化炭素が除去されたCO2除去オフガスDを一時貯蔵するCO2除去オフガス用バッファタンク16を備える。上記オフガス用吸着塔15a,15bには、二酸化炭素を吸着するオフガス用吸着剤及び水分を吸着する水分除去吸着剤が充填されている。
上記特許文献3は、特許文献2と同じくHPSAの排ガスから圧力変動吸着法によって二酸化炭素を回収する技術に関するものである。特許文献3は、回収した二酸化炭素を液化精製することで、排ガスを商品として利用するようにしている。
上記特許文献3には、つぎの記載がある。
〔公報第4頁左欄第31~37行〕
水素パージガスはドライヤー(図示せず)で乾燥し、コンプレッサー44の中で適当な圧力、たとえば約25乃至90psia、好ましくは約50psiaまで圧縮し、管路46に移行させ、後述する再循環原料とともに管路50を経て二酸化炭素PSA装置48に導入する。典型的には、二酸化炭素PSA装置48は2乃至3個の吸着剤床を含むが、さらに多い数の床を用いることができる。
〔公報第4頁右欄第10~15行〕
PSA装置48から管路52を経て取り出される二酸化炭素製品ストリームを多段コンプレッサー62及び64で約220乃至400psiaの圧力に圧縮する。多段コンプレッサー、コンプレッサーの中間点から製品の流れの一部を取り出して、加圧下で管路66に戻すことを示すために、2つの別個の装置62および64として表してある。
〔公報第5頁左欄第8~22行〕
均圧タンク148への流入が生じた後、弁150と152のうちの適当な弁を開いて再循環パージを管路66から床内に入れる。再循環高二酸化炭素ストリームを、二酸化炭素PSA装置48の原料圧力よりも高い圧力下にあるように、コンプレッサー62/64の中間点から取り出す。高度のプロセスコントロールのほかに、この特異な工程によって与えられる顕著な利点は、この工程が二酸化炭素よりも吸着力の劣るガス混合物中の成分、すなわち水素、一酸化炭素及びメタンを床から駆逐して、それらのガスをより強く吸着される二酸化炭素で置換えるということである。このことは同時に、吸着力の劣る物質をより完全に置換するので、最終的な製品の純度を著しく高める。置換されたガス混合物は弁144と146のうちの適当な弁、及び弁166を通じて放出させ、管路54に流して再循環させる。
上記特許文献4は、水素製造システムにおけるCOガスからCOを低減する方法を開示する。具体的には、水素製造装置→HPSA装置→COPSA装置→CO除去装置→CO液化装置の工程が開示される。
上記特許文献4の〔図1〕〔図2〕には、4塔編成のPSA装置が記載されている。
上記特許文献1は、改質器の排気ガスから二酸化炭素を分離膜によって回収している。しかしながら、膜分離装置でCOを濃縮する前に、水分吸着塔で水分を除去する必要がある。このため、工程数と設備点数が多くなるという問題がある。
上記特許文献2は、COPSAを2塔の吸着塔を用いて運転している。COPSAの前段に、圧縮機のような昇圧機構を有しない。したがって、吸着工程における塔内圧力が低い(下限値で0.05~0.08MPaG程度である)。このため、充分な吸着性能が得られず、二酸化炭素の回収率が低い(現実には80%程度である)という問題がある。
上記特許文献3は、水蒸気改質後のHPSAの排ガスから、COPSAによって二酸化炭素を回収している。しかしながら、回収するCOの純度を上げるために、パージ工程を採用している。つまり、PSA装置48から管路52を経て取り出した二酸化炭素製品ストリームを、多段コンプレッサー62及び64で圧縮し、上記多段コンプレッサー62及び64の中間点から製品の流れの一部を取り出して、加圧下で管路66に戻すことが行われる。上記パージ工程は、コンプレッサー(圧縮機)を必要とし、消費エネルギーが大きいという問題がある。
上記特許文献4は、4塔編成のPSA装置を開示するものであり、COPSA装置において、前段の圧縮工程や、パージ工程について言及はされていない。
〔目的〕
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、つぎの目的をもってなされたものである。
炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収するときに、パージ工程を行わずに回収効率を向上する二酸化炭素回収装置および方法を提供する。
請求項1記載の二酸化炭素回収装置は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置であって、
複数の吸着容器において、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着する吸着工程、上記吸着工程後の吸着容器と他の吸着容器との間でガスを移動させて均圧する均圧工程、上記均圧工程後の吸着容器からガスを排出して圧力を下げる降圧工程、上記降圧工程後の吸着容器から二酸化炭素を回収する回収工程を、交番的に行うCOPVSA装置を備え、
上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮手段を有し、
上記降圧工程で排出したガスを上記吸着工程を行う吸着容器に導入してリサイクルするためのリサイクル路をさらに有し、上記リサイクル路は上記圧縮手段の上流において合流している
請求項記載の二酸化炭素回収装置は、請求項1記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記吸着工程における上記吸着容器内の圧力が、0.10~0.30MPaGに設定されている。
請求項記載の二酸化炭素回収装置は、請求項1または2記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記吸着容器が4つである。
請求項記載の二酸化炭素回収方法は、上記目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法であって、
複数の吸着容器において、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着する吸着工程、上記吸着工程後の吸着容器と他の吸着容器との間でガスを移動させて均圧する均圧工程、上記均圧工程後の吸着容器からガスを排出して圧力を下げる降圧工程、上記降圧工程後の吸着容器から二酸化炭素を回収する回収工程を、交番的に行うCOPVSA装置を用い、
上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮工程を有し、
上記回収工程で回収した二酸化炭素を、少なくともいずれかの吸着容器に戻すためのパージ工程を有しない。
請求項記載の二酸化炭素回収方法は、請求項記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記吸着工程における上記吸着容器内の圧力が、0.10~0.30MPaGに設定されている。
請求項記載の二酸化炭素回収方法は、請求項4または5記載の構成に加え、つぎの構成を採用した。
上記吸着容器が4つである。
請求項1記載の二酸化炭素回収装置は、二酸化炭素の回収を行うCOPVSA装置を備え、炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収する。
上記COPVSA装置は、吸着工程、均圧工程、降圧工程、回収工程を、複数の吸着容器において交番的に行う。上記吸着工程は、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着する。上記均圧工程は、上記吸着工程後の吸着容器と他の吸着容器との間でガスを移動させて均圧する。上記降圧工程は、上記均圧工程後の吸着容器からガスを排出して圧力を下げる。上記回収工程は、上記降圧工程後の吸着容器から二酸化炭素を回収する。
本発明の二酸化炭素回収装置は、上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮手段を有している。したがって、吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。また、上記降圧工程で排出したガスを上記吸着工程を行う吸着容器に導入してリサイクルするためのリサイクル路をさらに有し、上記リサイクル路は上記圧縮手段の上流において合流している。上記降圧工程で排出したガスは、すでにある程度の二酸化炭素が吸着されたガスである。このようなガスを、上記吸着工程を行う吸着容器にふたたび導入してリサイクルすることにより、回収した二酸化炭素が系外に排出されるのを抑制できる。その結果、二酸化炭素の回収効率を向上することができる。
請求項記載の二酸化炭素回収装置は、上記吸着工程における上記吸着容器内の圧力が、0.10~0.30MPaGに設定されている。
吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。
請求項記載の二酸化炭素回収装置は、上記吸着容器が4つである。
吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できるサイクルを実現できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。
請求項記載の二酸化炭素回収方法は、二酸化炭素の回収を行うCOPVSA装置を用い、炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収する。
上記COPVSA装置は、吸着工程、均圧工程、降圧工程、回収工程を、複数の吸着容器において交番的に行う。上記吸着工程は、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着する。上記均圧工程は、上記吸着工程後の吸着容器と他の吸着容器との間でガスを移動させて均圧する。上記降圧工程は、上記均圧工程後の吸着容器からガスを排出して圧力を下げる。上記回収工程は、上記降圧工程後の吸着容器から二酸化炭素を回収する。
本発明の二酸化炭素回収方法は、上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮工程を有している。かつ、本発明の二酸化炭素回収装置は、上記回収工程で回収した二酸化炭素を、少なくともいずれかの吸着容器に戻すためのパージ工程を有しない。
本発明の二酸化炭素回収方法は、上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮工程を有している。したがって、吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。また、上記降圧工程で排出したガスを上記吸着工程を行う吸着容器に導入してリサイクルするためのリサイクル路をさらに有し、上記リサイクル路は上記圧縮工程を行う圧縮機の上流において合流している。上記降圧工程で排出したガスは、すでにある程度の二酸化炭素が吸着されたガスである。このようなガスを、上記吸着工程を行う吸着容器にふたたび導入してリサイクルすることにより、上記吸着工程で二酸化炭素を吸着する吸着材の負荷を抑えることができる。また、回収した二酸化炭素が系外に排出されるのを抑制できる。その結果、二酸化炭素の回収効率を向上することができる。
請求項記載の二酸化炭素回収方法は、上記吸着工程における上記吸着容器内の圧力が、0.10~0.30MPaGに設定されている。
吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。
請求項記載の二酸化炭素回収方法は、上記吸着容器が4つである。
吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できるサイクルを実現できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。
本発明の二酸化炭素回収装置の一実施形態を示す構成図である。 本実施形態におけるCOPVSA装置を示す構成図である。 上記COPVSA装置における第1段階の弁開閉状態である。 上記COPVSA装置における第2段階の弁開閉状態である。 上記COPVSA装置における第3段階の弁開閉状態である。 上記COPVSA装置における第4段階の弁開閉状態である。 上記COPVSA装置における第5段階の弁開閉状態である。 上記COPVSA装置における第6段階の弁開閉状態である。 上記COPVSA装置における第7段階の弁開閉状態である。 上記COPVSA装置における第8段階の弁開閉状態である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
〔全体構成〕
図1は本発明の一実施形態の二酸化炭素回収装置を示す図であり、図示したものは全体構成の一例である。この装置により、本発明の二酸化炭素回収方法を実現する。
本実施形態の二酸化炭素回収装置20は、炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置10のオフガスから二酸化炭素を回収するものである。
〔水素製造装置10〕
上記水素製造装置10は、炭化水素を改質して水素ガスを得るものであり、改質器11と水素PVSA装置12を備えている。
上記改質器11は、炭化水素を改質して水素リッチな改質ガスを生成する。
上記炭化水素としては、メタン,エタン,プロパン,ブタン等のような飽和炭化水素だけでなく、天然ガス,ガソリン,ナフサ,灯油等のその他化石燃料、バイオガス等の炭化水素を主成分とするガスや、メタノール等のアルコール等を使用することができる。以下の説明では、上記炭化水素として天然ガスを使用した例を説明する。
上記改質器11ではたとえば、上記天然ガスを水蒸気とともに改質触媒と接触させて改質反応を行う。上記改質触媒には、たとえばRh触媒を使用することができる。
上記改質器11には、図示しない圧縮機によって圧縮された天然ガスがNG導入路13Aより導入される。上記改質器11内での改質反応によって、水素と二酸化炭素を主成分とする改質ガスが得られる。上記改質ガスは、改質ガス路11Cによって上記水素PVSA装置12に導入される。
上記水素PVSA装置12は、圧力変動吸着法により、上記改質ガス中の二酸化炭素を吸着材に吸着し、製品水素を得るものである。製品水素は、製品水素供給路12Aによって水素利用設備に供給される。上記吸着材から離脱された二酸化炭素を含むオフガスは、図示しない真空ポンプで吸引されてオフガス路12Bから排出され、上記二酸化炭素回収装置20に供給される。上記二酸化炭素回収装置20において、上記オフガス中の二酸化炭素が回収される。
〔二酸化炭素回収装置20〕
上記二酸化炭素回収装置20は、上記オフガス中の二酸化炭素を回収するものであり、COPVSA装置21、オフガス圧縮機22を備えている。
上記COPVSA装置21は、圧力変動吸着法により、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着材に吸着して回収するものである。上記COPVSA装置21の詳細は後述する。
上記水素製造装置10から排出されるオフガスが、オフガス圧縮機22によって圧縮されて上記COPVSA装置21に導入される。上記COPVSA装置21で回収された二酸化炭素は、後述する真空ポンプ23で吸引されて吐出ホルダ24内に一時的に貯留される。
上記COPVSA装置21で二酸化炭素が回収された残部のガスは、メタンや水素等の可燃成分を含んでおり、燃料オフガスとして燃料オフガス路27Aを介して上記改質器11に送られ、燃料ガスとして利用される。
上記COPVSA装置21は、後述するように、降圧工程で排出したガスを吸着工程を行う吸着容器1に導入してリサイクルするためのリサイクル手段を構成するリサイクル路28をさらに有している。上記リサイクル路28は、オフガス圧縮機22の上流に合流している。
上記のようにして回収され、吐出ホルダ24内に一時的に貯留された二酸化炭素は、各種の用途に利用することができる。
〔COPVSA装置21〕
図2は、COPVSA装置21を示す。上記COPVSA装置21は、複数の吸着容器1(この例では4つ:第1吸着容器31,第2吸着容器41,第3吸着容器51,第4吸着容器61)を備えている。以下、第1~第4吸着容器を個別に示すときは「31、41、51、61」の符号を付して説明し、吸着容器を総論的に示すときは「1」の符号を付して説明する。
上記吸着容器1にはそれぞれ、二酸化炭素を優先的に吸着する吸着材が充填されている。上記吸着材として具体的には、たとえば活性アルミナ、ゼオライト、活性炭等を用いることができる。
〔工程の説明〕
上記吸着容器1では、吸着工程、均圧工程、降圧工程、回収工程、復圧工程が行われる。上記吸着工程、上記均圧工程、上記降圧工程、上記回収工程、上記復圧工程は、第1吸着容器31,第2吸着容器41,第3吸着容器51,第4吸着容器61において、交番的に行われる。
上記吸着工程は、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着する。つまり、水素製造装置10から排出されたオフガスをオフガス圧縮機22で圧縮して吸着容器1に導入する。吸着容器1内では、加圧状態の上記オフガス中の二酸化炭素が上記吸着材に吸着される。吸着工程をある程度の時間行うと、吸着材の吸着能力が低下してくるので、後述する均圧工程および降圧工程ののちに回収工程を行い、吸着材に吸着された二酸化炭素を吸着材から離脱させて回収する。上記吸着工程における吸着容器1内の圧力は、0.10~0.30MPaG程度に設定するのが好ましい。
上記均圧工程は、上記吸着工程後の吸着容器1と他の吸着容器1との間でガスを移動させて均圧する。つまり、吸着工程が終了した直後の吸着容器1内は加圧状態であるため、回収工程が終了した直後で減圧状態の吸着容器1とのあいだでガスを移動させて、両者を均圧する。
上記降圧工程は、上記均圧工程後の吸着容器1からガスを排出して圧力を下げる。つまり、上記均圧工程後の吸着容器1内はまだ加圧状態なので、吸着容器1からガスを排出して圧力を大気圧近傍まで下げる。
上記回収工程は、上記降圧工程後の吸着容器1から二酸化炭素を回収する。つまり、上記降圧工程後の吸着容器1内を真空ポンプ23で吸引して減圧し、吸着材に吸着されていた二酸化炭素を吸着材から離脱させて回収する。
上記復圧工程は、上記回収工程後に上述した均圧工程を行った吸着容器1内にガスを導入して圧力を戻す。つまり、上記回収工程後の上記均圧工程が終了した吸着容器1にガスを導入して圧力を吸着圧力近傍まで戻す。上記復圧工程が終了した吸着容器1には、ふたたび上記オフガスが導入されて上記吸着工程が行われる。
〔配管と弁の構成〕
つぎに、上記COPVSA装置21における配管と弁の構成について説明する。
〔第1吸着容器31〕
上記第1吸着容器31には、その下端部に、第1導入弁32Aを有する第1導入路32Bが接続されている。上記第1導入路32Bには、上記吸着工程において、上述したオフガス圧縮機22から圧縮されたオフガスが送り込まれる。上記第1導入路32Bから分岐して、上記回収工程で回収された二酸化炭素を回収するための第1回収弁33Aを有する第1回収路33Bが設けられている。上記第1回収路33Bは、上述した真空ポンプ23に接続されている。
上記第1吸着容器31には、その上端部に、燃料オフガスを排出するための第1排出弁34Aを有する第1排出路34Bが接続されている。上記第1排出路34Bは、上記吸着工程において、第1吸着容器31に導入されたオフガスから二酸化炭素を吸着した残りの燃料オフガスを排出する。上記第1排出路34Bは、上述した燃料オフガス路27Aに接続されている。上記第1排出路34Bから分岐して、上記降圧工程において、上記第1吸着容器31内からガスを排出するための第1降圧弁35Aを有する第1降圧路35Bが設けられている。上記第1降圧路35Bは、上述したリサイクル路28に接続されている。
上記第1排出路34Bに合流するように、上記復圧工程で上記第1吸着容器31に対してガスを導入するための第1復圧弁36Aを有する第1復圧路36Bが設けられている。上記第1復圧路36Bは、上記燃料オフガス路27Aから分岐しており、上記復圧工程において上記第1吸着容器31に対して燃料オフガスを導入する。
〔第2吸着容器41〕
上記第2吸着容器41には、その下端部に、第2導入弁42Aを有する第2導入路42Bが接続されている。上記第2導入路42Bには、上記吸着工程において、上述したオフガス圧縮機22から圧縮されたオフガスが送り込まれる。上記第2導入路42Bから分岐して、上記回収工程で回収された二酸化炭素を回収するための第2回収弁43Aを有する第2回収路43Bが設けられている。上記第2回収路43Bは、上述した真空ポンプ23に接続されている。
上記第2吸着容器41には、その上端部に、燃料オフガスを排出するための第2排出弁44Aを有する第2排出路44Bが接続されている。上記第2排出路44Bは、上記吸着工程において、第2吸着容器41に導入されたオフガスから二酸化炭素を吸着した残りの燃料オフガスを排出する。上記第2排出路44Bは、上述した燃料オフガス路27Aに接続されている。上記第2排出路44Bから分岐して、上記降圧工程において、上記第2吸着容器41内からガスを排出するための第2降圧弁45Aを有する第2降圧路45Bが設けられている。上記第2降圧路45Bは、上述したリサイクル路28に接続されている。
上記第2排出路44Bに合流するように、上記復圧工程で上記第2吸着容器41に対してガスを導入するための第2復圧弁46Aを有する第2復圧路46Bが設けられている。上記第2復圧路46Bは、上記燃料オフガス路27Aから分岐しており、上記復圧工程において上記第2吸着容器41に対して燃料オフガスを導入する。
〔第3吸着容器51〕
上記第3吸着容器51には、その下端部に、第3導入弁52Aを有する第3導入路52Bが接続されている。上記第3導入路52Bには、上記吸着工程において、上述したオフガス圧縮機22から圧縮されたオフガスが送り込まれる。上記第3導入路52Bから分岐して、上記回収工程で回収された二酸化炭素を回収するための第3回収弁53Aを有する第3回収路53Bが設けられている。上記第3回収路53Bは、上述した真空ポンプ23に接続されている。
上記第3吸着容器51には、その上端部に、燃料オフガスを排出するための第3排出弁54Aを有する第3排出路54Bが接続されている。上記第3排出路54Bは、上記吸着工程において、第3吸着容器51に導入されたオフガスから二酸化炭素を吸着した残りの燃料オフガスを排出する。上記第3排出路54Bは、上述した燃料オフガス路27Aに接続されている。上記第3排出路54Bから分岐して、上記降圧工程において、上記第3吸着容器51内からガスを排出するための第3降圧弁55Aを有する第3降圧路55Bが設けられている。上記第3降圧路55Bは、上述したリサイクル路28に接続されている。
上記第3排出路54Bに合流するように、上記復圧工程で上記第3吸着容器51に対してガスを導入するための第3復圧弁56Aを有する第3復圧路56Bが設けられている。上記第3復圧路56Bは、上記燃料オフガス路27Aから分岐しており、上記復圧工程において上記第3吸着容器51に対して燃料オフガスを導入する。
〔第4吸着容器61〕
上記第4吸着容器61には、その下端部に、第4導入弁62Aを有する第4導入路62Bが接続されている。上記第4導入路62Bには、上記吸着工程において、上述したオフガス圧縮機22から圧縮されたオフガスが送り込まれる。上記第4導入路62Bから分岐して、上記回収工程で回収された二酸化炭素を回収するための第4回収弁63Aを有する第4回収路63Bが設けられている。上記第4回収路63Bは、上述した真空ポンプ23に接続されている。
上記第4吸着容器61には、その上端部に、燃料オフガスを排出するための第4排出弁64Aを有する第4排出路64Bが接続されている。上記第4排出路64Bは、上記吸着工程において、第4吸着容器61に導入されたオフガスから二酸化炭素を吸着した残りの燃料オフガスを排出する。上記第4排出路64Bは、上述した燃料オフガス路27Aに接続されている。上記第4排出路64Bから分岐して、上記降圧工程において、上記第4吸着容器61内からガスを排出するための第4降圧弁65Aを有する第4降圧路65Bが設けられている。上記第4降圧路65Bは、上述したリサイクル路28に接続されている。
上記第4排出路64Bに合流するように、上記復圧工程で上記第3吸着容器61に対してガスを導入するための第4復圧弁66Aを有する第4復圧路66Bが設けられている。上記第4復圧路66Bは、上記燃料オフガス路27Aから分岐しており、上記復圧工程において上記第4吸着容器61に対して燃料オフガスを導入する。
〔均圧弁と均圧路〕
上記第1排出路34Bと上記第3排出路54Bを連通するように、第1吸着容器31と第3吸着容器51を均圧するための第1均圧弁72Aを有する第1均圧路72Bが設けられている。上記第1均圧弁72Aと第1均圧路72Bは、上述した均圧工程において、第1吸着容器31と第3吸着容器51を均圧する。より具体的には、吸着工程後の第1吸着容器31と回収工程後の第3吸着容器51を、上記均圧工程で均圧するときに、上記第1均圧弁72Aを開き、第1吸着容器31から第3吸着容器51にガスを移動させる。また、吸着工程後の第3吸着容器51と回収工程後の第1吸着容器31を、上記均圧工程で均圧するときに、上記第1均圧弁72Aを開き、第3吸着容器51から第1吸着容器31にガスを移動させる。
上記第2排出路44Bと上記第4排出路64Bを連通するように、第2吸着容器41と第4吸着容器61を均圧するための第2均圧弁73Aを有する第2均圧路73Bが設けられている。上記第2均圧弁73Aと第2均圧路73Bは、上述した均圧工程において、第2吸着容器41と第4吸着容器61を均圧する。
より具体的には、吸着工程後の第2吸着容器41と回収工程後の第4吸着容器61を、上記均圧工程で均圧するときに、上記第2均圧弁73Aを開き、第2吸着容器41から第4吸着容器61にガスを移動させる。また、吸着工程後の第4吸着容器61と回収工程後の第2吸着容器41を、上記均圧工程で均圧するときに、上記第2均圧弁73Aを開き、第4吸着容器61から第2吸着容器41にガスを移動させる。
〔圧縮手段〕
本実施形態の二酸化炭素回収装置20は、上述したように、上記吸着工程を行う吸着容器1に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮手段としてのオフガス圧縮機22を有している。上記オフガス圧縮機22によってオフガスを圧縮した状態で吸着容器1に導入することから、吸着工程において吸着容器1内の充分な圧力を確保できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。
〔パージ手段〕
本実施形態の二酸化炭素回収装置20は、上記回収工程で回収した二酸化炭素を、少なくともいずれかの吸着容器1に戻すためのパージ手段を有しない。つまり、回収工程で回収した二酸化炭素は、第1回収路33B、第2回収路43B、第3回収路53B、第4回収路63B、真空ポンプ23を介して吐出ホルダ24に貯留される。吐出ホルダ24に貯留された二酸化炭素は、その後吸着容器1に戻されることはなく、利用に供される。このように、回収した二酸化炭素をいずれかの吸着容器1に戻すパージ工程を行うための圧縮機や配管などの設備を有しない。このため、設備コストや消費エネルギーを抑えることができる。
〔リサイクル手段〕
本実施形態の二酸化炭素回収装置20は、上記降圧工程で排出したガスを上記吸着工程を行う吸着容器1に導入してリサイクルするためのリサイクル手段を構成するリサイクル路28をさらに有している。上記降圧工程で排出したガスは、すでにある程度の二酸化炭素が吸着されたガスである。このようなガスを、上記吸着工程を行う吸着容器1に導入してリサイクルすることにより、上記吸着工程で二酸化炭素を吸着する吸着材の負荷を抑えることができる。また、回収した二酸化炭素が系外に排出されるのを抑制できる。その結果、二酸化炭素の回収効率を向上することができる。
〔動作の説明〕
図3~図10は、上記COPVSA装置における弁開閉状態を示す。この例では、第1段階から第8段階までを順次行って、本実施形態の二酸化炭素回収方法を実現する。第8段階のつぎは第1段階に戻り、以降は同様に繰り返す。
図3は第1段階、図4は第2段階、図5は第3段階、図6は第4段階、図7は第5段階、図8は第6段階、図9は第7段階、図10は第8段階である。図3~図10において、太線で示す管路は、弁が開いてガスが通過しているものを示す。細線で示す管路は、弁が閉じてガスが停止しているものを示す。
本実施形態の装置は、以下に説明する各種の弁を開閉制御するための弁制御手段(図示していない)を備えている。
図3は第1段階を示す。上記第1段階は、第1吸着容器31で吸着工程を、第2吸着容器41で均圧工程を、第3吸着容器51で回収工程を、第4吸着容器61で均圧工程を行う。
第1吸着容器31では、第1導入路32Bからオフガスが導入され、第1排出路34Bから燃料オフガスが排出される。
第2吸着容器41と第4吸着容器61では、第2均圧路73Bを通して第2吸着容器41から第4吸着容器61にガスが移動して均圧される。
第3吸着容器51では、第3回収路53Bによって二酸化炭素が回収される。
図4は第2段階を示す。上記第2段階は、第1吸着容器31で吸着工程を、第2吸着容器41で降圧工程を、第3吸着容器51で回収工程を、第4吸着容器61で復圧工程を行う。
第1吸着容器31と第3吸着容器51は、第1段階の状態を継続する。
第2吸着容器41では、第2降圧路45Bからガスを排出する。第2降圧路45Bで排出したガスはリサイクル路28を通してオフガス圧縮機22の上流に戻し、ふたたび吸着工程を行う吸着容器1に導入してリサイクルする。
第4吸着容器41では、第4復圧路66Bからガスが導入される。第4復圧路66Bから導入されるガスは、燃料オフガス路27Aを流れる燃料オフガスの一部である。
図5は第3段階を示す。上記第3段階は、第1吸着容器31で均圧工程を、第2吸着容器41で回収工程を、第3吸着容器51で均圧工程を、第4吸着容器61で吸着工程を行う。
第1吸着容器31と第3吸着容器51では、第1均圧路72Bを通して第1吸着容器31から第3吸着容器51にガスが移動して均圧される。
第2吸着容器41では、第2回収路43Bによって二酸化炭素が回収される。
第4吸着容器61では、第4導入路62Bからオフガスが導入され、第4排出路64Bから燃料オフガスが排出される。
図6は第4段階を示す。上記第4段階は、第1吸着容器31で降圧工程を、第2吸着容器41で回収工程を、第3吸着容器51で復圧工程を、第4吸着容器61で吸着工程を行う。
第2吸着容器41と第4吸着容器61は、第3段階の状態を継続する。
第1吸着容器31では、第1降圧路35Bからガスを排出する。第1降圧路35Bで排出したガスはリサイクル路28を通してオフガス圧縮機22の上流に戻し、ふたたび吸着工程を行う吸着容器1に導入してリサイクルする。
第3吸着容器51では、第3復圧路56Bからガスが導入される。第3復圧路56Bから導入されるガスは、燃料オフガス路27Aを流れる燃料オフガスの一部である。
図7は第5段階を示す。上記第5段階は、第1吸着容器31で回収工程を、第2吸着容器41で均圧工程を、第3吸着容器51で吸着工程を、第4吸着容器61で均圧工程を行う。
第1吸着容器31では、第1回収路33Bによって二酸化炭素が回収される。
第2吸着容器41と第4吸着容器61では、第2均圧路73Bを通して第4吸着容器61から第2吸着容器41にガスが移動して均圧される。
第3吸着容器51では、第3導入路52Bからオフガスが導入され、第3排出路54Bから燃料オフガスが排出される。
図8は第6段階を示す。上記第6段階は、第1吸着容器31で回収工程を、第2吸着容器41で復圧工程を、第3吸着容器51で吸着工程を、第4吸着容器61で降圧工程を行う。
第1吸着容器31と第3吸着容器51は、第5段階の状態を継続する。
第2吸着容器41では、第2復圧路46Bからガスが導入される。第2復圧路46Bから導入されるガスは、燃料オフガス路27Aを流れる燃料オフガスの一部である。
第4吸着容器61では、第4降圧路65Bからガスを排出する。第4降圧路65Bで排出したガスはリサイクル路28を通してオフガス圧縮機22の上流に戻し、ふたたび吸着工程を行う吸着容器1に導入してリサイクルする。
図9は第7段階を示す。上記第7段階は、第1吸着容器31で均圧工程を、第2吸着容器41で吸着工程を、第3吸着容器51で均圧工程を、第4吸着容器61で回収工程を行う。
第1吸着容器31と第3吸着容器51では、第1均圧路72Bを通して第3吸着容器51から第1吸着容器31にガスが移動して均圧される。
第2吸着容器41では、第2導入路42Bからオフガスが導入され、第2排出路44Bから燃料オフガスが排出される。
第4吸着容器61では、第4回収路63Bによって二酸化炭素が回収される。
図10は第8段階を示す。上記第8段階は、第1吸着容器31で復圧工程を、第2吸着容器41で吸着工程を、第3吸着容器51で降圧工程を、第4吸着容器61で回収工程を行う。
第2吸着容器41と第4吸着容器61は、第7段階の状態を継続する。
第1吸着容器31では、第1復圧路36Bからガスが導入される。第1復圧路36Bから導入されるガスは、燃料オフガス路27Aを流れる燃料オフガスの一部である。
第3吸着容器51では、第3降圧路55Bからガスを排出する。第3降圧路55Bで排出したガスはリサイクル路28を通してオフガス圧縮機22の上流に戻し、ふたたび吸着工程を行う吸着容器1に導入してリサイクルする。
第8段階が終了すると、上述した第1段階に戻り、以降は同様に繰り返す。
〔実施形態の効果〕
上記実施形態で説明した装置および方法は、以下の作用効果を奏する。
上記二酸化炭素回収装置および方法は、上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮手段および工程を有している。したがって、吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。加えて本発明の二酸化炭素回収装置は、上記回収工程で回収した二酸化炭素を、少なくともいずれかの吸着容器に戻すためのパージ手段および工程を有しない。つまり、パージ用の圧縮機や配管などの設備を有しないため、設備コストや消費エネルギーを抑えることができる。
上記二酸化炭素回収装置および方法は、上記降圧工程で排出したガスを上記吸着工程を行う吸着容器に導入してリサイクルするためのリサイクル手段をさらに有している。
上記降圧工程で排出したガスは、すでにある程度の二酸化炭素が吸着されたガスである。このようなガスを、上記吸着工程を行う吸着容器に導入してリサイクルすることにより、回収した二酸化炭素が系外に排出されるのを抑制できる。その結果、二酸化炭素の回収効率を向上することができる。
上記二酸化炭素回収装置および方法は、上記吸着工程における上記吸着容器内の圧力が、0.10~0.30MPaGに設定されている。
吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。
上記二酸化炭素回収装置および方法は、上記吸着容器が4つである。
吸着工程において吸着容器内の充分な圧力を確保できるサイクルを実現できる。このため、充分な吸着性能が得られ、二酸化炭素を充分な回収率で回収できる。
〔まとめ〕
本実施形態では、特許文献1の水分吸着塔のような、水分除去機構を別途必要とせずに、水素発生装置からCOを回収することが可能となった。
本実施形態は、4塔の吸着塔を有し、パージ工程を採用しないことによって、特許文献2では80%程度であったCO回収率は90%以上まで向上した。さらに、パージ工程で必要となるブロワや圧縮機などの昇圧機構が不要となることで、特許文献3と比較し設備点数ならびに消費エネルギーが削減可能となった。
本実施形態は、特許文献2に記載があるように、H-PVSAの排ガスを水蒸気改質の燃料としてリサイクルするプロセスにおいて、CO-PVSAによって二酸化炭素を除くことで、不燃性ガスの割合を少なくでき、効率的な水蒸気改質反応の燃料とすることができる。本発明では、CO回収率を従来の80%から90%以上まで高めることができ、水素発生装置から得られるCO量が増える。それ以外に、不燃性ガスの割合を少なくすることができることで、燃料利用する際の効率が上がるというメリットもある。
つぎに、実施例について説明する。
上述したCOPVSA装置21を、吸着工程での吸着容器1内の圧力を0.20MPaG、回収工程での吸着容器1内の圧力を-0.098MPaGとして運転を行った。
上述したCOPVSA装置21の入口と出口におけるガスの組成は、入口でCO60体積%、出口でCO94体積%であった。
上記COPVSA装置21により、COはdryベースで98.0%まで濃縮された。また二酸化炭素の回収率は94%であった。
〔変形例〕
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
たとえば、上記実施形態で得られた二酸化炭素を温度スイング式の吸着分離法によるTSA装置で純度を上げたのち、液化装置で液化して液化炭酸ガスとして利用することもできる。
1:吸着容器
10:水素製造装置
11:改質器
11C:改質ガス路
12:水素PVSA装置
12A:製品水素供給路
12B:オフガス路
13A:NG導入路
20:二酸化炭素回収装置
21:COPVSA装置
22:オフガス圧縮機
23:真空ポンプ
24:吐出ホルダ
27A:燃料オフガス路
28:リサイクル路
31:第1吸着容器
32A:第1導入弁
32B:第1導入路
33A:第1回収弁
33B:第1回収路
34A:第1排出弁
34B:第1排出路
35A:第1降圧弁
35B:第1降圧路
36A:第1腹圧弁
36B:第1腹圧路
41:第2吸着容器
42A:第2導入弁
42B:第2導入路
43A:第2回収弁
43B:第2回収路
44A:第2排出弁
44B:第2排出路
45A:第2降圧弁
45B:第2降圧路
46A:第2腹圧弁
46B:第2腹圧路
51:第3吸着容器
52A:第3導入弁
52B:第3導入路
53A:第3回収弁
53B:第3回収路
54A:第3排出弁
54B:第3排出路
55A:第3降圧弁
55B:第3降圧路
56A:第3腹圧弁
56B:第3腹圧路
61:第4吸着容器
62A:第4導入弁
62B:第4導入路
63A:第4回収弁
63B:第4回収路
64A:第4排出弁
64B:第4排出路
65A:第4降圧弁
65B:第4降圧路
66A:第4腹圧弁
66B:第4腹圧路
72A:第1均圧弁
72B:第1均圧路
73A:第2均圧弁
73B:第2均圧路

Claims (6)

  1. 炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収装置であって、
    複数の吸着容器において、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着する吸着工程、上記吸着工程後の吸着容器と他の吸着容器との間でガスを移動させて均圧する均圧工程、上記均圧工程後の吸着容器からガスを排出して圧力を下げる降圧工程、上記降圧工程後の吸着容器から二酸化炭素を回収する回収工程を、交番的に行うCOPVSA装置を備え、
    上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮手段を有し、
    上記降圧工程で排出したガスを上記吸着工程を行う吸着容器に導入してリサイクルするためのリサイクル路をさらに有し、上記リサイクル路は上記圧縮手段の上流において合流している
    ことを特徴とする二酸化炭素回収装置。
  2. 上記吸着工程における上記吸着容器内の圧力が、0.10~0.30MPaGに設定されている
    請求項1記載の二酸化炭素回収装置。
  3. 上記吸着容器が4つである
    請求項1または2記載の二酸化炭素回収装置。
  4. 炭化水素を改質して水素ガスを得る水素製造装置のオフガスから二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収方法であって、
    複数の吸着容器において、上記オフガス中の二酸化炭素を吸着する吸着工程、上記吸着工程後の吸着容器と他の吸着容器との間でガスを移動させて均圧する均圧工程、上記均圧工程後の吸着容器からガスを排出して圧力を下げる降圧工程、上記降圧工程後の吸着容器から二酸化炭素を回収する回収工程を、交番的に行うCOPVSA装置を用い、
    上記吸着工程を行う吸着容器に対し、上記オフガスを圧縮して導入するための圧縮工程を有し、
    上記降圧工程で排出したガスを上記吸着工程を行う吸着容器に導入してリサイクルするためのリサイクル路をさらに有し、上記リサイクル路は上記圧縮工程を行う圧縮機の上流において合流している
    ことを特徴とする二酸化炭素回収方法。
  5. 上記吸着工程における上記吸着容器内の圧力が、0.10~0.30MPaGに設定されている
    請求項記載の二酸化炭素回収方法。
  6. 上記吸着容器が4つである
    請求項4または5記載の二酸化炭素回収方法。
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