JP7371478B2 - ロール状電極板の製造方法 - Google Patents

ロール状電極板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、帯状の集電箔上に帯状の活物質層を有する帯状電極板がロール状に巻き取られたロール状電極板の製造方法に関する。
例えばリチウムイオン二次電池の正極板或いは負極板に用いられる電極板として、帯状の集電箔上に、集電箔の長手方向に延びる帯状の活物質層が形成された帯状電極板が知られている。このような帯状電極板は、例えば以下の手法によって製造する。即ち、活物質粒子や結着剤等を分散媒に分散させた活物質ペーストを用意し、この活物質ペーストを集電箔上に塗布し、更にこれを加熱乾燥させて、集電箔上に活物質層を形成する。その後、このプレス前の帯状電極板をロールプレスして活物質層の密度を高める。その後、プレス済みの帯状電極板を幅方向の中央で長手方向に沿って2つに切断(スリット加工)する。次に、これらの帯状電極板をそれぞれ別に巻取ロールによってロール状に巻き取る。かくして、帯状電極板がロール状に巻き取られたロール状電極板が得られる。なお、この製造方法に関連する先行文献として、例えば特許文献1が挙げられる。
特開2016-021283号公報
しかしながら、上述のようにして製造されたロール状電極板では、帯状電極板に「湾曲変形」が生じることが判ってきた(図11参照)。なお、図11の詳細は後に説明する。「湾曲変形」とは、本来、幅方向に直交して長手方向に真っ直ぐに延びる帯状電極板が、幅方向に湾曲する変形である。例えば、帯状電極板の長手方向の長さ1000mm当たり、幅方向に1mm湾曲することが判ってきた。更に本発明者が調査した結果、この湾曲変形は、以下の理由により生じると考えられた。
即ち、帯状電極板には、幅方向に厚みの勾配が生じる傾向にある。具体的には、集電箔上に形成された活物質層は、幅方向の中央ほど厚みが厚くなる傾向にある。このため、スリット加工後の帯状電極板で見ると、帯状電極部(集電箔の厚み方向に活物質層が存在する部位)のうち、幅方向の一方側端部(スリット加工前の幅方向の中央部であった部分)の方が、幅方向の他方側端部(スリット加工前の幅方向の端部であった部分)よりも厚くなる傾向にある。
このように幅方向に厚み差Δtのある帯状電極板をロール状に巻き取ると、ロール状電極板のうち、厚みの厚い一方側端部がロール状に積層された部分の半径ra(mm)は、厚みの薄い他方側端部がロール状に積層された部分の半径rb(mm)よりも大きくなる。例えば、帯状電極板を3500周巻き取ると(捲回数m=3500回)、帯状電極部の幅方向の厚み差Δtが仮にΔt=1μmであるとしても、ロール状電極板の幅方向の半径差Δr=ra-rbは、Δr=1μm×3500=3.5mmになる。
多数回捲回して、ロール状電極板の幅方向の半径差Δrが大きくなるほど、帯状電極板を巻き取る際に、帯状電極板の幅方向の各部に掛かる単位幅当たりの張力TW(N/mm)に大きな偏りが生じる。具体的には、帯状電極板全体に張力T(N)を掛けた場合において、単位幅当たりの張力TW(N/mm)を見ると、帯状電極部の幅方向の一方側部分で大きく、幅方向の他方側部分で小さくなる偏りが生じる。そして、帯状電極部の幅方向の一方側部分に掛かる単位幅当たりの張力TW(N/mm)が大きくなりすぎた場合には、幅方向の一方側部分が塑性変形して延ばされる。その結果、帯状電極板が幅方向に湾曲する(湾曲変形が生じる)と考えられた。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、ロール状電極板をなす帯状電極板に、幅方向に湾曲する湾曲変形が生じるのを防止できるロール状電極板の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、帯状の集電箔と、この集電箔上に形成されこの集電箔の長手方向に延びる帯状の活物質層とからなり、上記集電箔の厚み方向に上記活物質層が存在して上記長手方向に延びる帯状電極部を有する帯状電極板がロール状に巻き取られたロール状電極板の製造方法であって、上記帯状電極板を形成する電極板形成工程と、上記帯状電極板をロール状に巻き取って上記ロール状電極板を得る巻取工程と、を備え、上記帯状電極板は、上記帯状電極部の幅方向の一方側端部の厚みtaが、上記帯状電極部の上記幅方向の他方側端部の厚みtbよりも厚くなっており、上記巻取工程は、予め得ておいた、ロール状に巻き取られた上記帯状電極板の捲回数mと、上記帯状電極部の上記一方側端部に塑性変形の延びが生じない最大許容張力Ts(m)との関係を用い、上記捲回数mに基づいて、上記最大許容張力Ts(m)よりも小さく、かつ単調減少になる張力T(m)を、上記帯状電極板に掛けつつ、上記帯状電極板を巻き取るロール状電極板の製造方法である。
前述のように、幅方向に厚み差Δt(=ta-tb)のある帯状電極板をロール状に巻き取ると、捲回数mが多くなるほど、ロール状電極板の幅方向の半径差Δrが大きくなる。すると、帯状電極板に掛けた張力Tが、帯状電極部のうち厚みの厚い幅方向の一方側部分(特に一方側端部)に偏って掛かり、一方側端部を含む一方側部分で塑性変形の延びが生じ易くなる。このため、塑性変形の延びが生じるのを防止するには、捲回数mが多くなるほど、帯状電極板に掛け得る張力Tの限界を小さくする必要がある。
上述のロール状電極板の製造方法では、帯状電極板の捲回数mと、帯状電極部のうち最も塑性変形の延びが生じ易い一方側端部に、塑性変形の延びが生じない最大許容張力Ts(m)との関係を予め得ておく。そして、巻取工程において、帯状電極板に掛けた張力Tが捲回数mに基づいて、帯状電極板に最大許容張力Ts(m)よりも小さくかつ単調減少になる張力T(m)を掛けつつ、この帯状電極板を巻き取る。このように帯状電極板の捲回数mに基づいて帯状電極板に掛ける張力T(m)を調整することにより、帯状電極板の巻き始めから巻き終わりに至るまで、帯状電極部のうち、最も塑性変形の延びが生じ易い一方側端部においても、塑性変形の延びが生じるのを防止し、帯状電極板に湾曲変形が生じるのを防止できる。
なお、「帯状電極板」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の電池に用いられる電極板や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタに用いられる電極板などが挙げられる。また、帯状電極板は、正極をなす帯状正極板でもよいし、負極をなす帯状負極板でもよい。また、帯状電極板は、集電箔の一方の主面上にのみ活物質層が形成された片側電極板でもよいし、集電箔の両方の主面上にそれぞれ活物質層が形成された両側電極板でもよい。
実施形態に係るロール状電極板の斜視図である。 実施形態に係る帯状電極板の斜視図である。 実施形態に係るロール状電極板の製造方法のフローチャートである。 実施形態に係る電極板巻取装置の説明図である。 実施形態に係り、帯状電極板の捲回数mと、帯状電極板全体に掛ける張力T(m)との関係を示すグラフである。 帯状電極板の捲回数mと有効幅Wy(m)との関係を示すグラフである。 帯状電極板全体に掛けた単位幅当たりの張力TWと、帯状電極板の変形割合Sとの関係を示すグラフである。 実施形態に係り、帯状電極板の捲回数mと、帯状電極部の一方側端部に掛かる単位幅当たりの張力TW(m)との関係を示すグラフである。 比較例1,2に係り、帯状電極板の捲回数mと、帯状電極板全体に掛ける張力T(m)との関係を示すグラフである。 比較例1,2に係り、帯状電極板の捲回数mと、帯状電極部の一方側端部に掛かる単位幅当たりの張力TW(m)との関係を示すグラフである。 巻き取られた帯状電極板に生じる「湾曲変形」を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態に係るロール状電極板1の斜視図を、図2にこのロール状電極板1をなす帯状電極板10の斜視図を示す。なお、以下では、帯状電極板10の長手方向EH、幅方向FH及び厚み方向GHを、図2及び図1に示す方向と定めて説明する。本実施形態のロール状電極板1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池を製造するのに用いられる。具体的には、このロール状電極板1をなす帯状電極板10は、電池の電極体を製造するのに用いられる帯状正極板である。
ロール状電極板1は、長手方向EHの寸法(長さ)が4000mの帯状電極板10を、ロール状に捲回数m=3500回、捲回したものである。帯状電極板10は、長手方向EHに延びる帯状でアルミニウム箔からなる集電箔13を有する。この集電箔13の第1主面13cのうち、幅方向FHの一方側FH1でかつ長手方向EHに延びる領域上には、第1活物質層15が帯状に形成されている。また、集電箔13の反対側の第2主面13dのうち、幅方向FHの一方側FH1でかつ長手方向EHに延びる領域上にも、第2活物質層16が帯状に形成されている。第1活物質層15及び第2活物質層16は、それぞれ、活物質粒子、導電粒子及び結着剤から構成されている。
帯状電極板10のうち幅方向FHの一方側FH1の部分は、集電箔13の厚み方向GHに第1活物質層15及び第2活物質層16が存在して長手方向EHに延びる帯状電極部17である。この帯状電極部17の幅方向FHの寸法(全体幅Wp)は、本実施形態ではWp=105mmである。一方、帯状電極板10のうち幅方向FHの他方側FH2の端部(帯状電極部17以外の部位)は、集電箔13の厚み方向GHに第1活物質層15及び第2活物質層16が存在せず、集電箔13が厚み方向GHに露出する帯状露出部18である。
帯状電極板10の帯状電極部17は、幅方向FHに厚みの勾配がある。具体的には、帯状電極部17のうち、最も厚い幅方向FHの一方側端部17aの厚みtaは、本実施形態ではta=101μmであり、帯状電極部17のうち、最も薄い幅方向FHの他方側端部17bの厚みtbは、本実施形態ではtb=100μmである。このため、帯状電極部17は、幅方向FHに厚み差Δt=ta-tb=101-100=1μmを有する。
ロール状電極板1は、このような幅方向FHに厚み差Δtのある帯状電極板10を多数回(捲回数m=3500回)巻き取ったものであるため、幅方向FHに半径差Δrを有したものとなる。具体的には、半径差Δr(ロール状電極板1のうち、厚みの厚い一方側端部17aがロール状に積層された部分の半径raと、厚みの薄い他方側端部17bがロール状に積層された部分の半径rbとの半径差)は、Δr=1μm×3500=3.5mmである。
次いで、上記のロール状電極板1の製造方法について説明する(図3~図8参照)。まず「電極板形成工程S1」(図3参照)において、帯状電極板10を形成する。電極板形成工程S1のうち「第1活物質層形成工程S11」において、集電箔13の第1主面13c上に第1活物質層15を形成する。具体的には、活物質粒子、導電粒子や結着剤を分散媒に分散させた活物質ペースト(不図示)を用意する。そして、この活物質ペーストを、2条分の大きさを有する集電箔13の第1主面13cのうち、幅方向FHの両端部を除いた中央部分に塗布して、第1主面13c上に帯状の未乾燥活物質層(不図示)を形成する。続いて、この未乾燥活物質層が形成された集電箔13を乾燥炉内に搬入し、未乾燥活物質層を加熱乾燥させて、2条分の大きさを有する第1活物質層15を形成する。
続いて、電極板形成工程S1の「第2活物質層形成工程S12」において、第1活物質層15の形成と同様にして、集電箔13の第2主面13d上に、2条分の大きさを有する第2活物質層16を形成する。なお、活物質ペーストを集電箔13に塗工する際に、幅方向FHの中央ほど厚みが厚くなる傾向にあるため、第1活物質層15及び第2活物質層16は、幅方向FHの中央ほど厚みが厚く形成される傾向にある。
続いて、電極板形成工程S1の「ロールプレス工程S13」において、このプレス前の帯状電極板10xをロールプレスして、第1活物質層15及び第2活物質層16の密度をそれぞれ高める。
続いて、電極板形成工程S1の「スリット加工工程S14」において、このプレス後の帯状電極板10yを幅方向FHの中央で長手方向EHに沿って2つに切断(スリット加工)する。かくして、図2に示した帯状電極板10が2つ(一対)得られる。スリット加工前の帯状電極板10yでは、幅方向FHの中央ほど厚みが厚くなっている。このため、スリット加工後の帯状電極板10は、前述のように、帯状電極部17の一方側端部17aの厚みtaが他方側端部17bの厚みtbよりも厚くなっている(厚み差Δt=ta-tb=1μm)。
続いて、「巻取工程S2」において、一対の帯状電極板10をそれぞれロール状に巻き取って一対のロール状電極板1を得る。本実施形態では、電極板巻取装置100(図4参照)を用いて巻取工程S2を行う。この電極板巻取装置100は、張力調整部110と、張力検知部120と、巻取ロール部130と、ニップロール140と、制御部150と、複数の搬送ロール105とを備える。
このうち張力調整部110は、制御部150からの指示により、搬送中の帯状電極板10全体に掛ける張力T(N)の大きさを調整する。この張力調整部110は、図4中、上下に移動可能に配置された調整ロール111を有する。制御部150からの指示を受けて、調整ロール111が下方に移動すると、帯状電極板10全体に掛ける張力T(N)が大きくなり、調整ロール111が上方に移動すると、帯状電極板10全体に掛ける張力T(N)が小さくなる。
張力検知部120は、搬送中の帯状電極板10全体に掛かっている張力T(N)を検知可能に構成されており、検知した張力T(N)を制御部150に出力する。
巻取ロール部130は、帯状電極板10をロール状に巻き取る巻取ロール131を有する。この巻取ロール131には、巻取ロール131を回転駆動させる駆動モータ(不図示)が連結されており、これにより、巻取ロール131は、図4中、時計回りに回転し、帯状電極板10をロール状に巻き取る。また、巻取ロール部130は、巻取ロール131で巻き取った帯状電極板10の捲回数m(回)を検知可能に構成されており、検知した捲回数m(回)を制御部150に出力する。
ニップロール140は、ロール状に巻き取られた帯状電極板10に接するように巻取ロール部130の近傍に配置されている。このニップロール140は、帯状電極板10を巻き取る際に、既にロール状に巻き取られた帯状電極板10との間に、エアが侵入するのを抑制して、帯状電極板10にしわ、たるみ等が生じるのを防止する。
制御部150は、図示しないCPU、ROM及びRAMを含み、ROM等に記憶された所定の制御プログラムによって作動するマイクロコンピュータを有する。この制御部150は、張力調整部110、張力検知部120及び巻取ロール部130に接続されている。制御部150は、巻取ロール部130から入力される帯状電極板10の捲回数m(回)と、張力検知部120から入力される帯状電極板10に掛かっている張力T(N)とから、張力調整部110の調整ロール111を制御して、帯状電極板10全体に掛ける張力T(N)を調整する。この制御の詳細は後述する。
次に、上記の電極板巻取装置100を用いて行う「巻取工程S2」について説明する。この巻取工程S2では、予め得ておいた、ロール状に巻き取られた帯状電極板10の捲回数m(回)と、帯状電極部17の一方側端部17aに塑性変形の延びPD(図11参照)が生じない最大許容張力Ts(m)(N)との関係を用いる。具体的には、帯状電極板10の捲回数m(回)と最大許容張力Ts(m)(N)との関係は、本実施形態では、図5中に一点鎖線で示すように、以下の関係式(1)で示される。
Ts(m)=-(37/3500)×m+52.5 ・・・(1)
ここで、この関係式(1)の求め方について説明する。まず予備実験として、上述の帯状電極板10を用意し、この帯状電極板10を巻取ロール131でロール状に巻き取る際に、感圧紙(不図示)を挟んで、ロール状に巻き取られた帯状電極板10に掛かる圧力の分布を調査した(図6参照)。
その結果、捲回数m=1回では、帯状電極部17の幅方向FHの全体に、本実施形態では、全体幅Wp=105mmの範囲に圧力が掛かっていた。このため、捲回数m=1回においては、帯状電極板10に掛けた張力T(N)は、帯状電極部17の幅方向FHの全体に均一に掛かると考えられる。なお、この張力T(N)が掛かる範囲の幅を「有効幅Wy(m)」ともいう。捲回数m=1回では、有効幅Wy(1)=105mmである。
また、捲回数m(回)が多くなるほど、帯状電極部17のうち圧力の掛かる部分(張力Tの掛かる部分)の範囲(有効幅Wy(m))が徐々に狭くなり、帯状電極部17のうち幅方向FHの一方側FH1に偏って圧力(張力T)が掛かるようになる。そして、捲回数m=3500回では、有効幅Wy(3500)=31mmとなることが判った。
この予備実験の結果から、帯状電極板10の捲回数m(回)と、帯状電極部17の有効幅Wy(m)(mm)について、以下の関係式(2)が得られた。
Wy(m)=-(74/3500)×m+105 ・・・(2)
次に、上述の帯状電極板10を別途用意して「引張試験」を行った。具体的には、帯状電極板10を長手方向EHに引っ張った後に、長手方向EHに残る変形量(延び量)を、張力T(N)を変更して調査した。その結果を図7に示す。なお、図7の横軸は単位幅当たりの張力TW(N/mm)に換算し、縦軸は変形割合S(%)に換算して示している。図7から明らかなように、単位幅当たりの張力TWが0.5N/mm以下では、引張後に帯状電極板10に延びが残らない。一方、単位幅当たりの張力TWが0.5N/mmを超えると、単位幅当たりの張力TW(N/mm)が大きいほど、引張後に帯状電極板10に大きな変形(延び)が残ることが判る。このことから、帯状電極板10は、単位幅当たりの張力TWが0.5N/mm以下では弾性変形し、0.5N/mmを超えると塑性変形すると考えられる。従って、帯状電極板10に塑性変形の延びPDが生じない単位幅当たりの最大許容張力TWsは、TWs=0.5N/mmであると考えられる。
次に、この単位幅当たりの最大許容張力TWs=0.5N/mmと、前述の帯状電極板10の捲回数m(回)と有効幅Wy(m)(mm)との関係式(2)とから、帯状電極板10に塑性変形の延びPDが生じるのを防止するべく、帯状電極板10全体に掛けることが可能な最大許容張力Ts(m)(N)は、Ts(m)=TWs×Wy(m)=0.5×(-(74/3500)×m+105)より求まる。かくして、前述の帯状電極板10の捲回数m(回)と最大許容張力Ts(m)(N)との関係式(1)が得られる(図5中の一点鎖線のグラフ)。
次に、この関係式(1)を用いて、巻取工程S2において帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)を決定した。図8に示すように、帯状電極板10に塑性変形の延びPDが生じない単位幅当たりの最大許容張力TWsは、TWs=0.5N/mmである。そこで本実施形態では、帯状電極部17のうち、最も張力が掛かり易い一方側端部17aに掛かる単位幅当たりの張力TWを、捲回数m(回)に拘わらず、単位幅当たりの最大許容張力TWs=0.5N/mmよりも小さい、TW=0.35N/mmとすることとした。
具体的には、この単位幅当たりの張力TW=0.35N/mmと、関係式(1)とから、巻取工程S2で帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)の関係式(3)を、T(m)=(TW/TWs)×Ts(m)=(0.35/0.5)×(-(37/3500)×m+52.5)として求めた。また、この関係式(3)のグラフを図5中に実線で示す。
T(m)=-(25.9/3500)×m+36.75 ・・・(3)
本実施形態の巻取工程S2では、この関係式(3)により、捲回数m(回)に基づいて、最大許容張力Ts(m)(N)よりも小さく、かつ単調減少になる張力T(m)(N)を帯状電極板10に掛けつつ、帯状電極板10を巻き取る。具体的には、関係式(3)は、電極板巻取装置100の制御部150に記憶されている。制御部150は、巻取ロール部130から入力される帯状電極板10の捲回数m(回)と、張力検知部120から入力される張力T(N)とから、張力調整部110を制御して、帯状電極板10全体に掛かる張力T(m)(N)が、関係式(3)が満たすように、張力T(m)(N)を調整する。
例えば、捲回数m=0回では、張力T(0)=-(25.9/3500)×0+36.75=36.75Nを帯状電極板10に掛けつつ、帯状電極板10を巻き取る。また、捲回数m=1000回では、張力T(1000)=-(25.9/3500)×1000+36.75=29.35Nを帯状電極板10に掛けつつ、帯状電極板10を巻き取る。また、捲回数m=2000回では、張力T(2000)=-(25.9/3500)×2000+36.75=21.95Nを帯状電極板10に掛けつつ、帯状電極板10を巻き取る。
かくして、一方側端部17aを含む帯状電極部17のいずれにおいても塑性変形の延びPDが生じておらず、湾曲変形が生じていない帯状電極板10を、捲回数m=3500回、ロール状に巻き取った、図1に示すロール状電極板1が得られる。
(比較例1)
次に、比較例1,2について説明する(図9~図11参照)。実施形態では、巻取工程S2で帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)を、関係式(3)に従って、捲回数m(回)が多くなるほど小さくした(図5参照)。これに対し、比較例1では、巻取工程S2で帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)を、図9に実線で示すように、捲回数mに拘わらず、一定の張力T(m)=36.75Nとする。このため、捲回数m=1500回以上の範囲では、帯状電極板10に掛ける張力T(m)が、関係式(1)で示される最大許容張力Ts(m)を超える。
実施形態では、帯状電極部17の一方側端部17aに掛かる単位幅当たりの張力TW(図8参照)は、捲回数m(回)に拘わらずTW=0.35N/mmであり、いずれの捲回数mにおいても単位幅当たりの最大許容張力TWs=0.5N/mmよりも小さい。これに対し、この比較例1では、図10に実線で示すように、捲回数m(回)が多くなるほど、帯状電極部17の一方側端部17aに掛かる単位幅当たりの張力TW(N/mm)が大きくなり、捲回数m=1500回以上で単位幅当たりの最大許容張力TWs=0.5N/mmを超える。
このため、捲回数m=1500回以上では、図11に示すように、帯状電極部17のうち、単位幅当たりの張力TWが単位幅当たりの最大許容張力TWs=0.5N/mmを超えた部位(一方側端部17aを含む幅方向FHの一方側FH1の部分)で、塑性変形の延びPDが生じる。これにより、帯状電極板10に幅方向FHに湾曲する湾曲変形が生じる。この湾曲変形は、図7に示した予備実験の結果からも明らかなように、単位幅当たりの張力TW(N/mm)が大きくなるほど大きく変形する。このため、帯状電極板10のうち、捲回数m=3500回目に捲回される部位で最も大きな湾曲変形が生じる。
(比較例2)
次に、比較例2では、巻取工程S2で帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)を、捲回数m(回)が多くなるほど小さくするが、実施形態に比して張力T(m)の減少具合を少なくする。具体的には、図9中に二点鎖線で示すように、捲回数m=2500回以上の範囲では、帯状電極板10に掛ける張力T(m)が、関係式(1)で示される最大許容張力Ts(m)を超えるように、張力T(m)を徐々に減少させる。
これにより、比較例2では、図10に示すように、捲回数m(回)が多くなるほど、帯状電極部17の一方側端部17aに掛かる単位幅当たりの張力TW(N/mm)が大きくなり、捲回数m=2500回以上で単位幅当たりの最大許容張力TWs=0.5N/mmを超える。
このため、捲回数m=2500回以上では、帯状電極部17のうち、単位幅当たりの張力TWが単位幅当たりの最大許容張力TWs=0.5N/mmを超えた部位(一方側端部17aを含む幅方向FHの一方側FH1の部分)で、塑性変形の延びPDが生じて、帯状電極板10に湾曲変形が生じる。
これら比較例1,2から判るように、帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)を、関係式(1)で示される最大許容張力Ts(m)(N)よりも大きくすると、帯状電極板10に湾曲変形が生じる。このため、湾曲変形を防止するべく、帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)は、関係式(1)で示される最大許容張力Ts(m)(N)よりも小さくする必要がある。
以上で説明したように、ロール状電極板1の製造方法では、帯状電極板10の捲回数m(回)と、帯状電極部17のうち最も塑性変形の延びPDが生じ易い一方側端部17aに、塑性変形の延びPDが生じない最大許容張力Ts(m)(N)との関係式(1)を予め得ておく。そして、巻取工程において、捲回数m(回)に基づいて、帯状電極板10に最大許容張力Ts(m)(N)よりも小さくかつ単調減少になる、関係式(3)で示される張力T(m)(N)を掛けつつ、この帯状電極板10を巻き取る。このように帯状電極板10の捲回数m(回)に基づいて帯状電極板10に掛ける張力T(m)(N)を調整することにより、帯状電極板10の巻き始め(捲回数m=1回)から巻き終わり(捲回数m=3500回)に至るまで、帯状電極部17のうち最も塑性変形の延びPDが生じ易い一方側端部17aにおいても、塑性変形の延びPDが生じるのを防止し、帯状電極板10に湾曲変形(図11参照)が生じるのを防止できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、ロール状電極板1をなす帯状電極板10が帯状正極板である場合を例示したが、帯状電極板10は帯状負極板でもよい。
1 ロール状電極板
10 帯状電極板
13 集電箔
15 第1活物質層
16 第2活物質層
17 帯状電極部
17a 一方側端部
17b 他方側端部
100 電極板巻取装置
110 張力調整部
120 張力検知部
130 巻取ロール部
150 制御部
S1 電極板形成工程
S2 巻取工程
EH 長手方向
FH 幅方向
FH1 (幅方向の)一方側
FH2 (幅方向の)他方側
GH 厚み方向
ta (一方側端部の)厚み
tb (他方側端部の)厚み
m 捲回数
Wp (帯状電極部の)全体幅
Wy(m) (帯状電極部のうちの)有効幅
T(m) (帯状電極板全体に掛かる)張力
Ts(m) (帯状電極板全体に掛けることができる)最大許容張力
TW 単位幅当たりの張力
TWs 単位幅当たりの最大許容張力
PD 塑性変形の延び

Claims (2)

  1. 帯状の集電箔と、この集電箔上に形成されこの集電箔の長手方向に延びる帯状の活物質層とからなり、
    上記集電箔の厚み方向に上記活物質層が存在して上記長手方向に延びる帯状電極部を有する
    帯状電極板がロール状に巻き取られた
    ロール状電極板の製造方法であって、
    上記帯状電極板を形成する電極板形成工程と、
    上記帯状電極板をロール状に巻き取って上記ロール状電極板を得る巻取工程と、を備え、
    上記帯状電極板は、
    上記帯状電極部の幅方向の一方側端部の厚みtaが、上記帯状電極部の上記幅方向の他方側端部の厚みtbよりも厚くなっており、
    上記巻取工程は、
    予め得ておいた、ロール状に巻き取られた上記帯状電極板の捲回数mと、上記帯状電極部の上記一方側端部に塑性変形の延びが生じない最大許容張力Ts(m)との関係を用い、
    上記捲回数mに基づいて、上記最大許容張力Ts(m)よりも小さく、かつ単調減少になる張力T(m)を、上記帯状電極板に掛けつつ、上記帯状電極板を巻き取る
    ロール状電極板の製造方法。
  2. 請求項1に記載のロール状電極板の製造方法であって、
    前記巻取工程は、
    前記帯状電極部の前記一方側端部に掛かる単位幅当たりの張力TWを、前記捲回数mに拘わらず、単位幅当たりの最大許容張力TWsよりも小さくかつ一定の値とする
    ロール状電極板の製造方法。
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