JP2005238558A - フレキシブル両面金属積層板の製造方法 - Google Patents

フレキシブル両面金属積層板の製造方法 Download PDF

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一記 小島
Hiroshi Mori
博志 母里
Takaaki Tsushima
敬章 津嶋
Toshinori Matsuda
俊範 松田
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Abstract

【課題】フレキシブル両面金属積層板の厚み、構成によって張力パターンを工夫することでキズや巻き緩み、巻きズレを防止することを課題とする。
【解決手段】フレキシブル両面金属積層板の最巻内に製品としない領域を設け、巻き始め張力を、フレキシブル両面金属積層板に巻きズレが発生させない程度の大きな張力で巻き始める。次に、製品となる領域では、フレキシブル両面金属積層板が損傷しない張力まで落として、所定巻径まで巻き取る。この所定巻径とは、フレキシブル両面金属積層板の巻径の増加に伴い、巻取モータのトルク能力がオーバーしない大きさである。このように、フレキシブル両面金属積層板の巻径の増加に伴い、巻取モータのトルク能力がオーバーしないように巻取張力を減少させ、フレキシブル両面金属積層板を巻き取る。
【選択図】 なし

Description

本発明はフレキシブル両面金属積層板の製造法に関するものである。本発明で得られるフレキシブル両面金属積層板は、電子機器、電気機器、コンピューター、通信機器等の印刷回路基板、面状発熱体、電磁シールド材料、サスペンション材料、フラットケーブル、包装材料等に使用することができる。
基材の両面に金属箔を積層してなるフレキシブル金属積層板の製造方法としては、ロールラミネーターによる方法がよく知られており、ロールラミネーターとしては、金属ロールを用いたものが知られている(特許文献1等参照)。金属ロールを用いたロールラミネーターを用いる方法は、300〜400℃という高温で加圧して貼り合わせできるという長所があり、フレキシブル両面金属積層板の製造ラインは、例えば図1に示すように、基材予熱工程2、ラミネート工程3、及び基材冷却工程4から構成されており、金属箔が、コイルに巻かれた状態から繰り出し装置1によって基材予熱工程2へ搬送され、この後、ラミネート工程3及び冷却工程4を経てフレキシブル両面金属積層板となり、巻取装置5に巻き取られ、製品となるものが多い。
ここで巻取装置5におけるフレキシブル両面金属積層板の巻き重ねは、巻取装置5の巻取モータ6に負荷されるトルクが能力以上とならないように、巻き径が小さいときは(巻き始め)巻取張力を大きく、巻き径が大きくなると巻取張力が小さくなるように設定されているのが一般である。
フレキシブル両面金属積層板は、通常、最終の製品形態はロール製品であることが多い。その際のロールとしての品質評価項目には、大きく分けて「巻きの固さ」と「巻き側面の揃い」の2つがある。しかしながらこの両評価ともに所望のものを得ることは極めて難しく、往々にして、両者は互いに相容れないことが多く、これらをコントロールする技術については経験等によるところが多いのが実情であった。特に固さについては、単に巻き上がったロールの外周での固さだけでなく、巻き上がった後での、コアである紙管の巻き始めから最外周までの全ての製品について、欠点のない品質の良いものが得られなければならない。通常、一定の張力で長尺もののフレキシブル両面金属積層板を巻くと、コイル径を大きくするに従い巻き内側は締まり、巻き外側は緩んだ状態になってしまう。固く巻き過ぎた場合に、巻きの側面に放射状の模様、いわゆる菊模様や星模様が現れたり、もっと極端な場合は、軸から抜けなくなったり、抜けてもちょっとした衝撃でコアの一部が陥没してしまったりする等の問題点が生じる。
一方、それらを回避しようとして緩く巻くと、巻き側面の揃いが悪くなるという問題が生じる(図2)。これは巻いている過程で側面をみてわかるために、その際に対処できるが、張力・押さえ圧・巻き太りに応じて張力を変化させる張力特性が適当でないと、きれいに揃って適切に巻けているようでも、保管中・輸送中または次工程でのコア抜けや製品幅方向にずれる湾弧や竹の子を起こし、巻き精度が悪くなることがあるという問題点が生じる。また、表面のシワ、傷、異物等は、巻き上げ時に外観観察によって不具合は判明するが、フレキシブル両面金属積層板のような通常100μm未満の薄いものでは、巻きあげ後、巻きの内部で、縦シワ、斜めシワ、さざなみと呼ばれる横方向の小さいシワが発生することがあり、より更に精密さが求められている。即ち、固く巻くと製品の偏肉(厚さのバラツキ)によっても、1つの製品内に偏在する固さのムラが大きくなり、フレキシブル両面金属積層板に永久歪が残り、巻き出した時の平坦度が損なわれたり、更にそれらは巻いている時にはわからず、巻き上がって長期間保管された後に、次の工程で巻き戻して初めて判明するものであるために大きな問題となるのである。
加えて設備の精度、例えば搬送時の蛇行、張力変動、速度変動、ロールの芯ズレ、平行度のズレによって、フレキシブル両面金属積層板は動きやすくなり、これが巻き緩み、巻き締まりを起こしたるみやズレの原因となる場合も存在する。
これら巻き締まりや巻き緩みを防止する方法として、従来技術では巻き始めの張力を大きくして、フレキシブル両面金属積層板先端が動かないようにする方法があるが、張力を大きくしすぎると、コアと巻き始めの厚み段差による転写や巻き締まりが発生するため、巻き締まりが発生しない巻取張力で巻き取らなければならない。このため、フレキシブル両面金属積層板の巻き締まりや巻ズレを完全に防ぐことができなかった。
上記のように、フレキシブル両面金属積層板が最終製品となる巻き重ねは極めて難しいものがあり、巻き重ね運転技術もさることながら、巻き重ねる方式や条件によっても大きく変わってくるものであり、これらをパターン化してシステム的に巻き重ねる技術の開発が望まれていた。
特開2000−119607号公報
本発明は、フレキシブル両面金属積層板の特性に応じて張力パターンを工夫することで、巻き緩みや巻き締まりによる巻きズレの発生を防止し、フレキシブル両面金属積層板を外観良く、かつ生産効率よく製造することを提供するものである。
本出願人は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フレキシブル両面金属積層板の製造方法において、巻取工程の方式と条件を定量化し、数値的に押さえ、パターン化することで、フレキシブル両面金属積層板を不具合なく、巻き重ねる技術が可能となることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は下記に特定されるものである。
1)基材の両面に金属箔を積層したフレキシブル両面金属積層板の製造方法において、長尺の金属箔と基材をラミネートした後、巻芯に巻き重ねていく工程で、下記工程を含むことを特徴とするフレキシブル両面金属積層板の製造方法。
a)前記フレキシブル両面金属積層板の先端部を、前記巻芯に巻きつける、巻き始め張力を、巻き緩みが生じない張力として2〜3周目巻き重ねる工程、
b)その後、巻取初期張力を、巻き始め張力より張力を落として所定巻径まで巻き重ねる工程、
c)巻径の増加に伴い、巻取張力を一定の割合で減少させながら巻き終わり張力を設定し、巻き終わる工程。
2)前記b)工程において、巻取初期張力が、フレキシブル両面金属積層板の表面が損傷する張力より82N/cm〜246N/cm小さいものである1)記載の製造方法。
3)前記b)工程において、巻芯/所定の巻径=1/1.01〜1/1.09の範囲である1)又は2)記載の製造方法。
4)前記b)工程において、巻取初期張力が、巻き始め張力の60%〜70%の張力である1)〜3)記載の製造方法。
5)前記c)工程において、巻き終わり張力が、164N/cm〜172N/cmとなるまで一定勾配で減少させて巻き終わるものである1)〜4)の何れかに記載のフレキシブル両面金属積層板の製造方法。
6)基材の厚みが10〜50μmであり、金属箔の厚みが9〜70μmである1)〜5)記載の製造方法。
7)金属箔が、25℃における線膨張係数が10×10−6〜20×10−7ppm/℃である単体もしくは合金から選ばれるものである1)〜6)記載の製造方法。
8)基材が、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂から選ばれるものである1)〜7)記載の製造方法。
本発明により、巻き緩みによるズレや巻き締まりのない、表面損傷のないフレキシブル両面金属積層板を製造することができる。
以下、本発明のフレキシブル両面金属積層板の製造方法を詳細に説明する。
本発明において、基材の両面に金属箔を積層したフレキシブル両面金属積層板の製造方法は、長尺状の金属箔と基材をラミネート後、巻芯に巻き重ねていく工程を必須とするのみであり、ラミネートする過程の条件等は特に制限されず、公知のラミネート法を適用することが可能である。
本発明においては、巻芯に巻き重ねていく工程で、下記工程を含むことを特徴とするものである。
a)前記フレキシブル両面金属積層板の先端部を、前記巻芯に巻きつける、巻き始め張力を、巻き緩みが生じない張力として2〜3周目巻き重ねる工程、
b)その後、巻取初期張力を、巻き始め張力より張力を落として所定巻径まで巻き重ねる工程、
c)巻径の増加に伴い、巻取モータのトルク能力がオーバーしないように巻取張力を一定の割合で減少させながら巻き終わり張力を設定し、巻き終わる工程、である。
ここで、a)工程は、フレキシブル両面金属積層板の先端部を、前記巻芯に巻きつける、巻き始め張力を、巻き緩みが生じない張力として2〜3周目巻き重ねる工程であるが、この際、巻き始め張力は、巻芯に対して巻緩みが生じない張力であれば特に限定されず、例えば、1000mm幅で厚み28μmの両面に接着性のポリイミドを塗布したポリイミドフィルム基材の両面を同じ幅で厚み12μmの銅箔でラミネートしたフレキシブル両面金属積層板の場合、412〜576N/cm程度の張力で巻き重ねればよい。尚、a)工程においては、該張力にて2〜3周程度巻重ねるが、最巻内は巻き芯である紙管、プラスチック管の巻き痕や異物などで製品にならない可能性があるため、特に凸で大きい異物には注意する必要があり、その点から考慮して2〜3周程度該張力で巻くという工程が必要である。
b)工程は、前記a)工程後、巻取初期張力を、巻き始め張力より落として所定巻径まで巻き重ねる工程であるが、その際の巻取初期張力は、フレキシブル両面金属積層板の表面が損傷する張力より82N/cm〜246N/cm小さいものであることが好ましい。より好ましくは、98N/cm〜225N/cmであり、更に好ましくは118N/cm〜196N/cmである。この範囲である場合、フレキシブル両面金属積層板表面の損傷や巻き緩み、巻きズレがなくなるという効果が得られる。尚、フレキシブル両面金属積層板の表面が損傷する張力とは、張力により巻き物表裏面の摩擦が発生し、弾性以上の張力がかかると塑性変形により永久的に変形して戻らなくなってしまった状態になり、これが傷となるが、このときの張力をいう。本発明においては、巻き始め張力で巻き続けた場合、このような現象が起こり、求めることが可能である。尚、例えば、金属箔として9μmの銅箔、基材として25μmのフレキシブル両面金属積層板を用いた場合、フレキシブル両面金属積層板の表面が損傷する張力は、600〜650N/cm程度である。尚、張力が強い場合には、巻き物表裏の見かけ隙間がなくなる。隙間がなくなっても表裏面物質の弾性がある場合は元の形に戻り傷は入らない。
またb)工程において、巻取初期張力は、巻き始め張力の60%〜70%の張力に落とすことが好ましい。より好ましくは65%〜69%である。この範囲にすることにより、フレキシブル両面金属積層板表面の損傷や巻き緩み、巻きズレがない状態で巻き重ねることが可能となる。
本発明方法において、巻芯/所定の巻径=1/1.01〜1/1.09の範囲であることが好ましく、この範囲の方が本発明の効果をよりよく得ることが可能である。この範囲の場合フレキシブル両面金属積層板表面の損傷や巻き緩み、巻きズレが防止できるという効果が得られる。また、本発明方法において、巻きつける巻芯の径は、好ましくはφ295mm〜φ305mmであり、更に好ましくはφ297mm〜φ302mmである。b)工程において、上記大きさの巻芯を使用の場合、所定巻径とはφ310mm〜φ320mmであることが好ましい。より好ましくはφ310mm〜φ315mmである。また、本発明において巻芯の素材等は特に限定されず、紙芯、プラスチック芯等公知の物が使用可能である。
本発明においてc)工程は、巻径の増加に伴い、巻取張力を一定の割合で減少させながら巻き終わり張力を設定し、巻き終わる工程であるが、その際、巻き終わり張力を巻取モータのトルク能力がオーバーしないように設定することが好ましい。より具体的には巻き終わり張力が164N/cm〜172N/cmとなるまで一定勾配で減少させて巻き終わることが好ましく、より好ましくは166N/cm〜170N/cmである。一定勾配で減少させる操作は、例えば、巻取機に勾配の始めと終わりの張力のパターンを設定することにより可能である。
本発明方法において、用いられる基材及び金属箔は特に限定されず、公知のものが使用可能である。それぞれの厚みは特に限定されないが、好ましくは基材の厚みが10〜50μmであり、金属箔の厚みが9〜70μmであり、より好ましくは9〜18μmである。これらの範囲である方が、本発明の効果を十分得ることができる。
本発明方法において使用される基材の種類は特に制限されないが、好ましくはポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂から選ばれるものであり、より好ましくはポリイミド樹脂である。尚、基材は単層であっても、多層であっても問題なく使用可能である。ポリイミド樹脂としては、公知のポリイミドが使用可能であり、特開平06−314877号公報等に記載のポリイミド樹脂等を例示できるが、可能であれば金属箔に接する層は、ガラス転移温度が190〜210℃程度のものを使用することが好ましい。
この特性を満たせばポリイミド原料は特に制限はなく、ジアミン原料も公知のものが使用可能である。具体例としては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、2−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル等が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上混合して使用することも可能である。
酸二無水物原料も公知のものを使用することができ、例としては、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、また、これらは単独あるいは2種以上混合して使用される。また、ポリイミドのポリマー末端がジカルボン酸無水物および/またはモノアミン等で封止されていてもかまわない。これらジアミンと酸二無水物を用いて製造されるポリイミド樹脂を挙げることができる。
本発明方法において使用される金属箔は特に限定されず、例として銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、及びこれらの合金等が挙げられる。尚、フレキシブル両面金属積層板のための金属箔は銅箔が多く用いられるが、その場合、圧延銅箔、電解銅箔のいずれも使用できる。好ましくは25℃における線膨張係数が10×10−6〜20×10−7ppm/℃である単体もしくは合金から選ばれるものである。より好ましい線膨張係数は、13×10−6〜17×10−7ppm/℃であり、この範囲のものを用いた場合、温度による熱膨張が抑えられると同時に、張り合わせた金属箔と基材が均一に伸び巻き重ね時のシワなども防止することができる。
本発明方法において、巻取工程前の工程については特に制限はなく、公知のラミネート方法が使用可能であるが、好ましい一例としては、図1に示すように、繰り出し装置1、基材予熱工程2、ラミネート工程3、及び基材冷却工程4、巻取装置5から構成されているものである。上述した金属箔として銅箔として、厚み12μmで幅1000mmのものを選定した場合、各工程における好ましい条件等を例示すると、繰り出し工程においては、繰り出し張力/金属箔の値が165N/cm〜330N/cmであることが好ましく、より好ましくは198N/cm〜297N/cmである。また、基材の繰り出し張力の値は33N/cm〜66N/cmが好ましく、より好ましくは50N/cm〜60N/cmである。また、ライン速度は、2m/min〜4m/minが好ましく、より好ましくは2.5m/min〜3.5m/minである。
次に基材予熱工程2においては、好ましくは25℃からラミネート温度(400℃程度)まで段階的に昇温していくゾーンがあればよい。例えば100℃ずつ段階的に100℃、200℃、300℃と昇温するよう温度設定する。より好ましくは50℃間隔で最高温度はラミネート温度まで雰囲気を上げる。基材の予熱距離はライン速度に依存するので、ゾーン通過時間長いほうが好ましいが、装置が大きくなる等の装置上都合から、5秒〜10秒が好ましい。また温度が高いと金属箔が酸化する可能性があるため、高温炉は窒素等の不活性ガスで置換することが好ましい。より好ましくは200℃以上を不活性ガスで置換するのが好ましい。
また、ラミネート工程3において、ラミネート温度は使用される接着層にもより特に限定されないが、350℃〜450℃が好ましく、より好ましくは400℃〜450℃である。ラミネート圧力は250kgf/cm〜500kgf/cmが好ましく、より好ましくは300kgf/cm〜400kgf/cmである。
次に基材冷却工程4としては、基材予熱工程と同様に、フレキシブル両面金属積層板の実温度が100℃以下になるまで段階的に炉をゾーンで区切って冷却したほうが好ましい。降温の段階温度として100℃毎、より好ましくは50℃ずつ降温する。
巻取方法で使用される巻取装置5は、巻芯としての紙管60が挿入固定される巻取ロール12を備えているものが好ましい。
図3について、より詳細に説明すると、この巻取ロール12は、図4に示すように、シャフト64とシャフト64に紙管60を取り付けるための治具であり、エアコアチャック62で構成されているものである。エアコアチャック62はエア注入弁よりエアを供給することで膨張し、紙管60を内側より固定する。製品巻取後に紙管60より巻取ロール取り外すときには、再度注入弁を押すことによってエアが抜け、エアコアチャック62は紙管より取り外されるものである。エアコアチャック62は紙管60の内径に併せて適当なサイズのものが用意されるが、通常3〜8インチ用のものが使用される。このような構成により、縮径した状態のエアコアチャック62が紙管60へ挿入され、エアコアチャック62を拡径して紙管60を芯ズレないように固定することができる。
また、シャフト64の軸端64Aは図示しないフレームで回転自在に軸支されている。軸端64Aには、プーリー66が固定されている。このプーリー66と、電動式の巻取モータ32で駆動する駆動プーリー70とにベルト68が巻き掛けられている。これにより、ベルト68を介してプーリー66に駆動力が伝達され、シャフト64と一体となって紙管60が回転してフレキシブル両面金属積層板を巻き重ねていくことができるものである。
尚、本発明方法は、下記方法等を使用して巻取張力等を制御することにより、種類・厚さを変えた製品銘柄毎に巻取工程をパターン化することができ、再現性よくこの方法をおこなうことが可能である。
巻取張力等の制御方法の一例としては、図3に示すようなものであり、これについて説明すると、巻取モータ32は、電流調整器36及びサイリスタ38を介して出力された電気信号V2により回転トルクが制御されるものである。電気信号V2は、巻取張力パターンに基づいて連続的に変化する張力に対応できるように、張力基準発生回路40から出力され、また、巻取ロール12には、エンコーダ56が取り付けられており、巻取ロール12の回転数を検出して、マイコン58へ出力するものである。この巻取ロール12の回転数とフレキシブル両面金属積層板の膜厚からフレキシブル両面金属積層板の巻数と巻径が算出されるのである。
また、巻取装置5の上流側には、ブライドルローラA、Bが配置され、それぞれ電動機M1、M2によって所定のトルクで駆動されることが好ましい。このブライドルローラA、Bのトルクは、フレキシブル両面金属積層板の走行速度を示す速度基準信号とロータリーエンコーダ14、16が検出した電動機M1、M2の回転速度を示す検出信号が、速度調節器18、20及びサイリスタ22、24を介して電動機M1、M2へ送られることで制御されるのである。なお、ブライドルローラA、Bは、フレキシブル両面金属積層板の張力を負担してカットし、走行方向前後に張力差を持たせることで、各工程毎に定められた張力をフレキシブル両面金属積層板に与えることができる。一方、ブライドルローラB側には、ダンサローラ26が配置されていることが好ましく、ダンサローラ26は、フレキシブル両面金属積層板に付与する張力を調整するもので、圧縮空気の圧力によって駆動するエアシリンダー28で昇降するものである。このエアシリンダー28には、空電変換器30が接続されており、空電変換器30は、マイコン58から出力された電気信号を、それに対応した圧力の圧縮空気に変換してエアシリンダー28へ供給する。これにより、ダンサローラ26が昇降して、巻取ロール12へ巻き取られるフレキシブル両面金属積層板の張力を連続的に可変させることができる。また、ブライドルローラAと巻取ロール12の間には、張力計34が配置されていることが好ましい。この張力計34でフレキシブル両面金属積層板の巻取張力が測定され、マイコン58でフィードバック制御することができる。
以下、実施例を例にとってフレキシブル両面金属積層板の製造方法を説明するが、本発明は何ら限定されるものではない。
実施例1
等モル量の4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルとビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物とを25℃、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド溶媒中で約20時間重合させポリアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液の対数粘度(N,N−ジメチルアセトアミド、濃度0.5g/100ml溶媒、35℃で測定)は2.0dl/g、ガラス転移温度は230℃であった。このポリアミド酸溶液を19wt%まで希釈し、回転粘度を10000cpsに調製した。市販されているポリイミドフィルム(鐘淵化学工業(株)製、Apical(登録商標)、厚さ25μm、幅1000mm)の両面に、上記ポリアミド酸溶液を均一かつ連続的に直接流延塗布し、その後ドライヤ内で加熱乾燥して溶媒を除去すると共にイミド化し、両面に接着性ポリイミドが塗布されたポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの総厚さは28μmであり、接着性ポリイミドのガラス転移温度は205℃であった。
このポリイミドフィルムの巻物を、図1の中段の繰り出し部に取り付け、更に厚さ12μmで幅1080mmの銅箔(ジャパンエナジー社製)コイルを上下繰り出し部に取り付け繰り出した。上記接着性ポリイミドフィルムと銅箔は基材予熱工程で25℃から100℃、200℃、300℃と温度勾配がついた炉に、段階的に基材を昇温させた。その際のライン速度は3m/minとし、最後の300℃の炉は窒素置換した。基材加熱後に熱圧着ロール対の表面温度が400℃、線圧力が300kgf/cmとなるように設定し、ラミネートをおこなった。その後、冷却工程にてラミネートされたフレキシブル両面金属積層板を100℃以下になるまでに冷却し、フレキシブル両面金属積層板を4240m得た。
初期の巻き径(ほぼ紙管の径)が300mm、巻き始め張力を494N/cmとして紙管60にフレキシブル両面金属積層板を3周巻き付けた。次に、4周目から巻取初期張力を330N/cmまで落として、巻径がφ310mmになるまで巻き重ねた。(このφ310mmをコーナーという)。これにより、巻き緩みによるズレを防止することができることを確認した。次に、張力の減少勾配(テーパーという)を48%とし、172N/cmを巻き終わり張力として、巻径がφ600mmとなるまで巻き取った。なお、テーパーとは、(330N/cm−172N/cm)/330N/cm×100=48%で表されるもので、巻き始め張力の494N/cmとは無関係である。上記のような張力パターンでフレキシブル両面金属積層板を巻き重ねることで、巻き緩みや巻きズレ、傷、しわなどを防止することができた。尚、巻取張力の変化について図5、図6に示した。
実施例2〜4
さらに、9/25/9(金属箔の厚さ/基材の厚さ/金属箔の厚さを示す:単位μm)のロットでは、実施例1の厚さ12μmで幅1080mmの銅箔を厚さ9μmに変更し、更に下記条件を変更した以外は実施例1と同様にしてフレキシブル金属両面積層板を製造した。巻き始めの張力を371N/cmとし、巻取初期張力を247N/cmとし、コーナーφ310mm、テーパー34%の張力パターンにより、巻き緩みや巻きズレを防止できた。また表1に示すとおり、銅箔の厚みを18μmに変更したり(実施例3)、基材の厚みを13μmに変更した(実施例4)以外は、実施例1と同様の操作をおこなった。その結果、巻き緩みや巻きズレを防止することができた。尚、巻取張力の変化について図5、図6に示した。
Figure 2005238558
フレキシブル両面金属積層板の厚み、構成によって張力パターンを工夫することでキズや巻き緩み、巻きズレを防止することができ、長尺巻きのロール品のフレキシブル両面金属積層板を製造方法に適用できる。
フレキシブル両面金属積層板の製造ラインを例示した工程図である。 紙管に巻き重ねられたフレキシブル両面金属積層板のズレを例示した説明図である。 フレキシブル両面金属積層板の巻き重ね方法で使用される装置を例示したのブロック図である。 巻き重ねで使用する巻取装置を例示したの拡大図である。 巻き重ねの張力パターンを例示したグラフである。 巻き重ねの張力パターンのグラフの一部を例示した拡大図である。
符号の説明
1.繰り出し装置
2.基材予熱工程
3.ラミネート工程
4.基材冷却工程
5.巻取装置
6.巻取モータ

Claims (8)

  1. 基材の両面に金属箔を積層したフレキシブル両面金属積層板の製造方法において、長尺の金属箔と基材をラミネートした後、巻芯に巻き重ねていく工程で、下記工程を含むことを特徴とするフレキシブル両面金属積層板の製造方法。
    a)前記フレキシブル両面金属積層板の先端部を、前記巻芯に巻きつける、巻き始め張力を、巻き緩みが生じない張力として2〜3周目巻き重ねる工程、
    b)その後、巻取初期張力を、巻き始め張力より張力を落として所定巻径まで巻き重ねる工程、
    c)巻径の増加に伴い、巻取張力を一定の割合で減少させながら巻き終わり張力を設定し、巻き終わる工程。
  2. 前記b)工程において、巻取初期張力が、フレキシブル両面金属積層板の表面が損傷する張力より82N/cm〜246N/cm小さいものである請求項1記載の製造方法。
  3. 前記b)工程において、巻芯/所定の巻径=1/1.01〜1/1.09の範囲である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記b)工程において、巻取初期張力が、巻き始め張力の60%〜70%の張力である請求項1〜3記載の製造方法。
  5. 前記c)工程において、巻き終わり張力が、164N/cm〜172N/cmとなるまで一定勾配で減少させて巻き終わるものである請求項1〜4の何れかに記載のフレキシブル両面金属積層板の製造方法。
  6. 基材の厚みが10〜50μmであり、金属箔の厚みが9〜70μmである請求項1〜5記載の製造方法。
  7. 金属箔が、25℃における線膨張係数が10×10−6〜20×10−7ppm/℃である単体もしくは合金から選ばれるものである請求項1〜6記載の製造方法。
  8. 基材が、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂から選ばれるものである請求項1〜7記載の製造方法。
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