JP7370568B2 - 蛍光ポリペプチドの変異体、及びその利用 - Google Patents
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<1> 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体であって、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の101番目、110番目、及び123番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸に変異を有するか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸に変異を有する、変異体。
<2> 上記変異は、他のアミノ酸への置換である、<1>に記載の変異体。
<3> 上記変異は、1)上記101番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のQからDへの置換、2)110番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のYからAへの置換、及び、3)123番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のLからMへの置換、からなる群より選択される少なくとも一つである、<1>又は<2>に記載の変異体。
<4> 上記の変異を有することで、向上したビリルビンとのアフィニティを有する、<1>から<3>の何れかに記載の変異体。
<5> さらに、配列番号1に記載のアミノ酸配列の41番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸に変異を有する、<1>から<4>の何れかに記載の変異体。
<6> <1>から<5>の何れかに記載の変異体をコードするポリヌクレオチド。
<7> 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドとは異なる特性を有する、ポリペプチドの変異体を製造する方法であって、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の41番目、101番目、110番目、123番目、及び132番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸を変異させるか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸を変異させる工程を備える、製造方法。
<8> <7>に記載の製造方法であって、
上記のアミノ酸を変異させることで、上記特性としての、ビリルビンとのアフィニティを変更するか、ビリルビンと結合した状態での蛍光発光の波長シフトを生じさせる、製造方法。
<9> <7>又は<8>に記載の製造方法であって、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の101番目、110番目、及び123番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸を変異させるか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸を変異させる工程を備える、製造方法。
<10> <9>に記載の製造方法であって、
向上したビリルビンとのアフィニティを有するポリペプチドの変異体を製造する、製造方法。
<11> 対象物中のビリルビンを検出する方法であって、
<1>から<5>の何れかに記載の変異体と上記対象物とを接触させる接触工程、及び、上記接触工程後に上記変異体から発される蛍光を検出する検出工程、を含む、検出方法。
本明細書において、「ポリヌクレオチド」は、「核酸」又は「核酸分子」とも換言でき、ヌクレオチドの重合体を意図している。また、「塩基配列」は、「核酸配列」又は「ヌクレオチド配列」とも換言でき、特に言及のない限り、デオキシリボヌクレオチドの配列又はリボヌクレオチドの配列を意図している。また、ポリヌクレオチドは、一本鎖であっても二本鎖構造であってもよく、一本鎖の場合はセンス鎖であってもアンチセンス鎖であってもよい。
本発明においてUnaG変異体の結合するビリルビンの好ましい態様の一つは非抱合型ビリルビンである。
本発明に係る配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体は、以下の(1)~(4)の何れかに示す、変異体である。
配列番号1に記載のアミノ酸配列の101番目、110番目、及び123番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸に変異を有するか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸に変異を有する、変異体。以下、アミノ酸の変異とは、アミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を総称するものである。
UnaG野生体の蛍光特性の主だったものは、以下の通りである。
最大励起波長(nm):498~499
最大蛍光波長(nm):525~530(緑色)
モル吸光係数(M-1cm-1):50000~78000
量子収率(%):50~54
蛍光寿命(ナノ秒):2.2
ビリルビンとのアフィニティ(結合能)(解離定数(Kd)):98pM
(UnaG変異体の特性)
本発明では、配列番号1記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドにおいてビリルビンとのアフィニティ(結合能)に関与するアミノ酸として、101番目、110番目、及び123番目のアミノ酸が、ビリルビンとのアフィニティに特に重要な役割を果たしているということが新規に見いだされた。
Y=[Kd+Bt+Pt-{(Kd+Bt+Pt)2-4×Bt×Pt}1/2]/(2×Pt)
Yはビリルビンの結合度(蛍光強度)、Kdは解離定数、Btはビリルビン濃度、Ptはアポ体のUnaG変異体タンパク質濃度(5nM)を表す。
(i)上記101番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のグルタミン(Q)からアスパラギン酸(D)への置換(Q101Dと称する)、
(ii)110番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のチロシン(Y)からアラニン(A)への置換(Y110Aと称する)、及び、
(iii)123番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のロイシン(L)からメチオニン(M)への置換(L123Mと称する)、
からなる群より選択される少なくとも一つの変異を有する、変異体である。
(iv)132番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のアルギニン(R)からリジン(K)への置換(R132Kと称する)、及び
(v)41番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のロイシン(L)からアラニン(A)への置換(L41Aと称する)
からなる群より選択される少なくとも一つの変異を有する、変異体である。
本発明のUnaG変異体が有するアミノ酸配列の例としては、配列番号5、7、9、11、13、15、17、19及び21に記載のアミノ酸配列が挙げられる。
本発明に係るポリヌクレオチドは、上記UnaG変異体のポリペプチドの何れかをコードするものである。このポリヌクレオチドは、具体的には、以下の(1)~(4)の何れかに記載のポリヌクレオチドである。一実施形態において上記「変異」は、他のアミノ酸への置換である。
本発明に係るポリヌクレオチド(例えばDNA)は、適当なベクター中に挿入された組み換えベクターとして利用に供することもできる。当該ベクターの種類は、例えば、自立的に複製するベクター(例えばプラスミドなど)でもよいし、或いは、宿主細胞に導入された際に宿主細胞のゲノムに組み込まれ、組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
本発明に係るポリヌクレオチド、又は、本発明に係る組み換えベクター(本発明の核酸構築物と総称する)を適当な宿主細胞に導入することによって形質転換体を作製することができる。
本発明はまた、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドとは異なる特性を有する、ポリペプチドの変異体を製造する方法であって、配列番号1に記載のアミノ酸配列の41番目、101番目、110番目、123番目、及び132番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸を変異させるか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸を変異させる工程を備える、製造方法も提供する。変異の導入は、例えば、Kunkel法(Kunkel et al.(1985):Proc.Natl.Acad.Sci.USA,vol.82.p488-)などの部位特異的突然変異誘発法を用いて、配列番号1のアミノ酸を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに人為的に変異を導入することなどによって行うことができる。
本発明に係るUnaG変異体のポリペプチドとビリルビンとの複合体(ホロ体)も本発明の範疇である。この複合体は、所定波長の励起光を照射することによって蛍光を発する。また、ビリルビンを安定的に保持する保持担体として、本発明に係るUnaG変異体のポリペプチドは機能し得る。この複合体は、ビリルビンと結合していないUnaG変異体のポリペプチド(アポ体)を単離精製した後に、ビリルビンと接触させることで再構成した複合体であってもよい。
本発明に係る、対象物中のビリルビンを検出する方法は、1)本発明に係るUnaG変異体と、ビリルビンの検出の対象物とを接触させる接触工程、及び、2)接触工程後に当該変異体から発される蛍光を検出する検出工程、を含む方法である。
ビリルビンの検出の対象物の種類は、ビリルビン含有の有無、又はその含有量を検出したい対象物であれば特に限定されない。対象物としては、例えば、生物系試料、又は非生物系試料が挙げられる。生物系試料としては、特に限定されないが、例えば、細胞自身、細胞抽出液及び体液由来試料(例えば、血液、唾液、リンパ液、髄液及び尿などに由来する試料)などが挙げられ、中でも体液由来試料が好ましく、血液由来又は尿由来の試料がより好ましい。血液由来の試料としては、生体から採取した血液自身、血清及び血漿などが挙げられる。なお、生体はヒトであっても非ヒト脊椎動物であってもよいが、ヒト又は非ヒト哺乳動物が好ましく、ヒトがより好ましい。さらに例えばアルブミン非結合型ビリルビンの検出対象物の例としては、ヒトの乳児又は新生児から採取した血液自身、血清及び血漿などが挙げられる。
また、細胞自身、又は細胞抽出液としては、例えば、脾臓細胞(特に細網細胞)、肝細胞、及びこれら細胞の抽出液が挙げられる。非生物系試料としては、ビリルビンを所定の濃度で含むビリルビン標準サンプルなどが挙げられる。
上記検出工程は、接触工程後に行われ、本発明に係るポリペプチド又は融合ポリペプチドから発される蛍光を検出する工程である。蛍光の検出方法は特に限定されないが、例えば、UVトランスイルミネーターもしくはLEDトランスイルミネーター、蛍光顕微鏡、蛍光検出器又はフローサイトメトリーなどの蛍光検出手段を用いて、蛍光発光の有無又は蛍光強度を測定すればよい。蛍光発光の有無を測定すれば、対象物中にビリルビンが含まれる(蛍光発光有り)か否か(蛍光発光無し)を検出することができる。また、蛍光強度を測定すれば、対象物中のビリルビンの含有量を検出することができる。
本発明に係るビリルビンの検出方法は、さらに必要に応じて、上記検出工程での検出結果に基づき、肝臓疾患の素因の有無又は発症の有無を検査する検査工程をさらに含んでいてもよい。
計算工程は例えば下記式に基づいて算出され得る
AB=[Kd+Bt+At-{(Kd+Bt+At)2-4×Bt×At}1/2]/(2×At)
Bu=Bt-AB
ABはアルブミン結合型ビリルビンの量、Kdは解離定数、Atは総アルブミン含量、Btは総ビリルビン含量を表す。Buはアルブミン非結合型ビリルビンの量。
本発明に係るビリルビンの検出キットは、1)本発明に係るUnaG変異体のポリペプチド、2)本発明に係るUnaG変異体のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、3)本発明に係る組み換えベクター、4)本発明に係る形質転換体、又は5)本発明に係る融合ポリペプチドから選択される少なくとも1種以上を含んでなる。この検出キットは、1)~3)又は5)から選択される少なくとも1種を含んでなることが好ましい。
材料及び方法
<UnaG変異部位のデザイン>
(In silicoの変異部位予測)
まず、スーパーコンピュータ「HOKUSAI」を用いてUnaG野生体のタンパク質の立体構造解析の結果に基づいた、In silicoでアミノ酸置換を行い、構造最適化計算を行い、アミノ酸変異部位を探索し、各種の変異が生じた場合の自由エネルギー計算を実施した。計算結果に基づいて、ビリルビンとの結合能の予測を行い、UnaGのアミノ酸変異部位の候補を決定した。
UnaG遺伝子全長の配列を有するDNA断片を、HISタグ融合タンパク質を大腸菌において発現可能な、HISタグ配列を有する大腸菌発現ベクターpRSET-B(インビトロジェン株式会社)に形質転換することによってサブクローニングし、大腸菌のUnaG(アポ体)発現ベクター(pRSET-B-UnaG)を構築した。
上述の計算結果によって(1)ビリルビンとのアフィニティがUnaG野生体より向上していることが予測された変異体候補について変異体の作製を行った。
構築した発現ベクター(pRSET-B-UnaG)を大腸菌株JM109に形質転換し、形質転換体をLB固体培地のプレート上で培養してコロニーを得た。得られたコロニーを、LB液体培地40mlに植菌し、37℃において一晩前培養した。ここで、得られた大腸菌液のグリセロールストックを作製し、以下に記載の実験において、大腸菌発現用組み換え体(ベクター)を用いる場合は、上記グリセロールストックを植菌に用いた。前培養液を用いて、LB培地400mlにスケールアップし、37℃において1時間培養した(A600≒1.0)。その後、LB培地に終濃度0.4mMとなるようにIPTG(イソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクシド)を加え、17℃において6時間振とうし、UnaG変異体タンパク質の発現を誘導した。8000rpmの回転速度で3分間遠心分離を行い、大腸菌の菌体を回収した。
タンパク質濃度は以下のように算出された。
タンパク質濃度=A280/εM=A280/18450(mol/dm3)
精製後、ビリルビンと再構成させることによりホロ体を調製した。ホロ体の調製は以下の方法に従って行った。
100%DMSOに溶解させたビリルビン(和光純薬)をPBSによって希釈し、ビリルビンの濃度がアポ体のUnaG溶液に対してモル比において2倍の量となるように、アポ体のUnaGタンパク質溶液にビリルビンを添加し、混合した。混合の際、ビリルビン溶液のDMSOの終濃度と、アポ体のUnaGタンパク質溶液のDMSOの終濃度とが同じになるようにした。混合した溶液を入れた容器を遮光し、室温において10分間静置した。その後、PD-10カラム(GEヘルスケア株式会社)に該混合溶液を供して、混合溶液に含まれるバッファーを、PBSへバッファー交換しつつ余剰のビリルビンを除いた。必要に応じて、Amicon Ultra(3000MWCO、メルクミリポア)を用いて限外濾過することによって、ホロ体のUnaGタンパク質の濃縮を行った。
<UnaG変異体タンパク質の蛍光スペクトル、吸収スペクトル及び量子収率の測定>
UnaG変異体タンパク質の蛍光特性について分析するため、蛍光スペクトル、吸収スペクトル及び量子収率の測定を行った。励起スペクトル及び蛍光スペクトルは分光蛍光光度計RF-5300PC(株式会社島津製作所)によって測定された(励起波長475nm、蛍光波長550nm)。吸収スペクトルは分光光度計 U-2900(株式会社日立ハイテクノロジーズ)によって測定された。量子収率は絶対PL量子収率測定装置Quantaurus-QY(浜松ホトニクス株式会社)によって測定された(励起波長470nm、480nm)。
<解離定数測定>
アポ体の各種UnaG変異体タンパク質にビリルビンを混合し、分光蛍光光度計F-2500(株式会社日立ハイテクノロジーズ)で蛍光強度の時間変化を測定することにより結合速度定数(Kon)を求めた。また、ホロ体の各種UnaG変異体タンパク質に蛍光を失ったUnaG変異体を高濃度で混合し、蛍光強度の時間変化を測定することにより解離速度定数(Koff)を求めた。その結果から解離定数(Kd)を算出した。
アポ体のUnaG変異体タンパク質の濃度が100nMのアポ体のUnaG変異体タンパク質溶液1mlに、40nMのビリルビンPBS溶液1mlを一気に混合して、蛍光分光光度計で530nmの蛍光強度の時間変化を10分測定した。また、1時間後の蛍光強度を測定し、ホロ体40nMの蛍光強度とした。その後、下記の式を用いて線形フィットすることにより結合速度定数(Kon)を求めた。
T×Kon=ln{U(B-Y/Z×B)/B(U- Y/Z×B)}/(U-B)
ここで、Tは経過時間、Yは時刻Tの蛍光強度、Zは1時間後の蛍光強度、Konは結合速度定数、Bはビリルビン濃度、Uはアポ体のUnaG変異体タンパク質濃度を表す。
T×Koff ≒-ln{Y/Z}
ここで、Tは経過時間、Yは時刻Tの蛍光強度、Zは1時間後の蛍光強度を表す。UnaG変異体タンパク質よりもUnaGN57Aタンパクの量が100倍多いため、この近似式で問題ない。
Koff/Kon=Kd
以上で得られた各種変異体の特性データを表1及び表2に示す。
以下の親和力でビリルビンに結合し、また、蛍光特性について、UnaG野生体(WT)の最大蛍光波長(nm)=528nm(緑色)に対し、以下の最大蛍光波長を有することが分かった。
L123M変異体:Kd=0.011nM
Q101D変異体:Kd=0.053nM
Y110A変異体:Kd=0.067nM
R132K変異体:Kd=1.44~1.67nM、最大蛍光波長(nm)=524nm
R132KS31A変異体:Kd=2.14nM、最大蛍光波長(nm)=523nm
R132KT65A変異体:Kd=0.69nM、最大蛍光波長(nm)=524nm
L41A変異体:Kd=0.41~0.67nM、最大蛍光波長(nm)=532nm
L41AY110A変異体:Kd=0.14nM、最大蛍光波長(nm)=534nm
L41AL123M変異体:Kd=0.1nM、最大蛍光波長(nm)=536nm
従って、L123M、Q101D、Y110A変異体は、UnaG野生体に対してより向上したビリルビンへのアフィニティを有することがわかった。
上述の実施例で得られた複数のUnaG変異体を用いたアルブミン非結合型ビリルビンの測定方法について説明する。
Claims (6)
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体であって、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の101番目、110番目、及び123番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸に変異を有するか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸に変異を有しており、
上記変異は、1)上記101番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のQからDへの置換、2)110番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のYからAへの置換、及び、3)123番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のLからMへの置換、からなる群より選択される少なくとも一つであり、
上記変異を有することで、向上したビリルビンとのアフィニティを有する蛍光ポリペプチドであり、
上記変異を維持しており、配列番号1に記載のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有する、変異体。 - 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体であって、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の41番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のLからAへの置換を有しており、
上記変異を有することで、ビリルビンと結合した状態での蛍光発光の波長シフトが生じる蛍光ポリペプチドであり、
上記変異を維持しており、配列番号1に記載のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有する、変異体。 - 請求項1又は2に記載の変異体をコードするポリヌクレオチド。
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドとは異なる特性を有する、ポリペプチドの変異体を製造する方法であって、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の41番目、101番目、110番目、123番目、及び132番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸を変異させるか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸を変異させる工程を備えており、
上記アミノ酸を変異させる工程において、1)上記41番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のLからAへの置換、2)上記101番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のQからDへの置換、3)110番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のYからAへの置換、4)123番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のLからMへの置換、及び、5)132番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のRからKへの置換からなる群より選択される少なくとも一つを行い、
上記のアミノ酸を変異させることで、上記特性としての、ビリルビンとのアフィニティを変更するか、ビリルビンと結合した状態での蛍光発光の波長シフトを生じさせ、
上記変異体は、上記変異を維持しており、配列番号1に記載のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有する蛍光ポリペプチドである、製造方法。 - 請求項4に記載の製造方法であって、
配列番号1に記載のアミノ酸配列の101番目、110番目、及び123番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも一つのアミノ酸を変異させるか、当該アミノ酸に対応するアミノ酸を変異させる工程を備えており、
上記アミノ酸を変異させる工程において、1)上記101番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のQからDへの置換、2)110番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のYからAへの置換、3)123番目のアミノ酸又は当該アミノ酸に対応するアミノ酸のLからMへの置換からなる群より選択される少なくとも一つを行い、
向上したビリルビンとのアフィニティを有する、ポリペプチドの変異体を製造するものであり、
上記変異体は、上記変異を維持しており、配列番号1に記載のアミノ酸配列と95%以上の配列同一性を有する蛍光ポリペプチドである、製造方法。 - 対象物中のビリルビンを検出する方法であって、
請求項1又は2記載の変異体と上記対象物とを接触させる接触工程、及び、
上記接触工程後に上記変異体から発される蛍光を検出する検出工程、
を含む、検出方法。
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