JP7369270B1 - 溶接システム、溶接方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
<7>上記<6>に係る溶接システムでは、前記開始位置補正回数は、少なくとも3回である、構成を採用してもよい。
<8>上記<7>に係る溶接システムでは、前記補正手段は、前記取得手段による取得結果に基づき、前記台車の中央が前記ガイドレール開始位置に位置する際、及び、前記溶接ロボットの溶接トーチの先端が前記鋼管の曲線部の開始位置である鋼管開始位置に位置する際、前記算出手段により算出される移動速度を補正する、構成を採用してもよい。
<9>上記<8>に係る溶接システムでは、前記速度変更手段は、前記補正手段による移動速度の補正に応じ、前記台車の中央が前記ガイドレール開始位置に位置する際、前記台車の移動速度を小さくし、前記溶接トーチの先端が前記鋼管開始位置に位置する際、前記台車の移動速度を大きくする、構成を採用してもよい。
以下、図面を参照し、本発明の第1実施形態に係る溶接システム100を説明する。
図1に示されるように、溶接システム100は、鉛直方向に並べて配置された鋼管8の端部同士を溶接するために用いられる。
鋼管8は、角部に配置される4つの円弧状の曲線部8aと、曲線部8a同士をそれぞれ接続する(曲線部8a同士を切れることなく続ける)4つの直線部8bとを有する角形鋼管である。鋼管8の軸線は、鉛直方向に延びる。初期状態では、鋼管8は、建方治具9により仮止めされている。建方治具9は、鋼管8の直線部8bに取り付けられている。
まず、図1及び図2を参照して、溶接システム100の概要を説明する。溶接システム100は、溶接ロボット1と、ガイドレール2と、撮影装置3と、溶接電源4と、ワイヤ送給装置5と、システム制御装置6と、を備える。
モータ32は、システム制御装置6による制御を受けて、溶接ロボット1を駆動させるモータである。モータ32は、溶接ロボット1をガイドレール2に沿って移動させるサーボモータを含む。
溶接ロボット1は、制御ケーブルを介して、システム制御装置6と接続される。制御ケーブルは、システム制御装置6が送信した信号であって溶接ロボット1を制御する制御信号を溶接ロボット1に伝送する。
次に、図3~6を参照して、溶接ロボット1の構成を説明する。
図3(a)は、溶接ロボット1の側面図である。図3(b)は、図3(a)のリンク図である。図4は、溶接ロボット1の背面図である。図5は、溶接ロボット1の正面図である。図6(a)は、溶接ロボット1の後述する第1回動部35を示す側面図である。図6(b)は、溶接ロボット1の後述する第2回動部36を示す平面図である。
なお、以下、鉛直方向に沿った方向を、溶接ロボット1の上下方向xと称する。溶接ロボット1がガイドレール2に沿って移動する方向を、溶接ロボット1の左右方向yと称する。溶接ロボット1の上下方向x及び左右方向yに直交する方向を、溶接ロボット1の前後方向zと称する。
本体部11は、溶接ロボット1の基台である。本体部11は、モータ32を備える。
台車12は、本体部11に取り付けられる。台車12は、ガイドレール2に取り付けられる。溶接ロボット1は、台車12がガイドレール2の上を摺動することで、ガイドレール2に沿って左右方向yに移動する。図5に示されるように、台車12は、溶接ロボット1の左右方向yに離間して配置される一対の車輪(ローラ)を有する。一対の車輪のうち、溶接ロボット1の進行方向における前方に位置する車輪を前輪12aといい、溶接ロボット1の進行方向における後方に位置する車輪を後輪12bという。前輪12aと後輪12bとの中間位置を、台車12の中央位置という。2つの前輪12aが、ガイドレール2を上下方向xに挟むよう設けられている。2つの後輪12bが、ガイドレール2を上下方向xに挟むよう設けられている。これにより、台車12は、ガイドレール2に、左右方向yに移動可能に取り付けられている。
鉛直アーム22aの上端部は、ケース21の内側においてケース21に接続される。鉛直アーム22a(第1リンク部材22)は、ケース21に対して、溶接ロボット1の上下方向xに移動可能とされている。ケース21と第1リンク部材22とにより、上下移動部34(トーチ位置変更部)が構成される。図3(b)に示されるリンク図においては、上下移動部34は、直動関節として示されている。
図6(a)に示されるように、第2リンク部材23は、接続パネル22cに対して、第1リンクピン351の中心軸線(以下、第1軸線とも称する)回りに回動可能とされている。第1リンクピン351の中心軸線は、溶接ロボット1の左右方向yに平行である。接続パネル22cと第2リンク部材23とにより、第1回動部35(トーチ向き変更部)が構成される。図3(b)に示されるリンク図においては、第1回動部35は、回転関節として示されている。なお、第1回動部35は、後述する第2回動部36を溶接トーチ13とともに回動させる。
図6(b)に示されるように、第3リンク部材24は、第2リンク部材23に対して、第2リンクピン361の中心軸線(以下、第2軸線とも称する)回りに回動可能とされている。第2リンク部材23が接続パネル22cに対して回動していない状態において、第2リンクピン361の中心軸線は、溶接ロボット1の上下方向xに平行である。第2リンク部材23と第3リンク部材24とにより、第2回動部36(トーチ向き変更部)が構成される。図3(b)に示されるリンク図においては、第2回動部36は、回転関節として示されている。
上記のような構成を備える溶接システム100における制御方法について説明する。
本実施形態に係る制御方法は、鋼管8の溶接のうち、曲線部8a周辺の溶接(以下、単に、曲線部8aの溶接とも称する)に主となる特徴がある。鋼管8の曲線部8aと、ガイドレール2の曲線部2aとは、周方向の長さが異なる。また、多くの場合、鋼管8の曲線部8aの第1曲率中心C1と、ガイドレール2の曲線部2aの第2曲率中心C2とは異なる。そのため、曲線部8a、2aにおける、鋼管8とガイドレール2との間の距離が周方向に一定とはならない。本実施形態では、このような場合であっても、溶接条件に合わせて溶接ロボット1の移動量を調節することで、鋼管8の位置によらず高品質な溶接を実現する。
図8(a)は、鋼管8及びガイドレール2を示す平面図である。図8(b)は、図8(a)のリンク図である。
曲線部8aの溶接を複数のエリアに区画するにあたり、鋼管8を基準とした鋼管座標系を定義する。この鋼管座標系は、鋼管8の曲線部8aの1つ1つに定義される。
以下、鉛直方向を、鋼管座標系におけるX方向と称する。X方向に直交し、かつ1つの曲線部8aと接続される2つの直線部8bのうち一方の直線部8bに沿った方向を鋼管座標系におけるY方向と称する。X方向及びY方向に直交する方向をZ方向と称する。Z方向は、上記2つの直線部8bのうち他方の直線部8bに沿った方向である。例えば、鋼管座標系の原点位置は、後述する溶接条件を満たすような溶接トーチ13の先端の位置(目標位置)とX方向に一致し、かつ上面視(YZ平面)において、鋼管8の曲線部8aの第1曲率中心C1に一致する位置に設定される。
また、X方向のうち、鉛直方向の上方向を+X方向と称し、鉛直方向の下方向を-X方向と称する。Y方向のうち、鋼管座標系の原点位置(第1曲率中心C1)を基準として鋼管8の外側に向かう方向を+Y方向とし、鋼管8の内側に向かう方向を-Y方向とする。Z方向のうち、鋼管座標系の原点位置(第1曲率中心C1)を基準として鋼管8の外側に向かう方向を+Z方向とし、鋼管8の内側に向かう方向を-Z方向とする。
鋼管8の曲線部8a及びガイドレール2の曲線部2aについて説明する。
曲線部8aは、上面視(YZ平面)において、第1曲率中心C1を中心とし、曲率半径がRcの1/4円の円弧状である。曲線部2aは、上面視において、第2曲率中心C2を中心とし、曲率半径がRgの1/4円の円弧状である。
鋼管8の直線部8bとガイドレール2の直線部2bとの距離をlcgとすると、第1曲率中心C1と、第2曲率中心C2とのY方向(又はZ方向)の距離eは、以下の式で表される。
e=Rc+lcg-Rg
すなわち、第2曲率中心C2は、第1曲率中心C1から、Y方向及びZ方向に-eだけ移動した位置である。
なお、以下、曲線部2aの開始位置(ガイドレール開始位置)をPg1とし、終了位置(ガイドレール終了位置)をPg2とする。開始位置Pg1と終了位置Pg2との中間位置をPg3とする。曲線部8aの開始位置(鋼管開始位置)をPc2とし、終了位置(鋼管終了位置)をPc3とする。第2曲率中心C2と位置Pg1とを結ぶ直線と、鋼管8の直線部8bとの交点を位置Pc1とする。第2曲率中心C2と位置Pg2とを結ぶ直線と、鋼管8の直線部8bとの交点を位置Pc4とする。
エリア2は、鋼管8の位置Pc2から位置Pc3までを溶接するエリアである。すなわち、エリア2は、溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc3まで移動するエリアである。エリア2においては、溶接ロボット1(台車12)は、ガイドレール2の曲線部2aを移動しつつ、鋼管8の曲線部8aを溶接する。すなわち、エリア2では、ガイドレール2の曲線部2a上に溶接ロボット1(台車12の中央)が位置し、且つ、溶接ロボット1が溶接する部分が鋼管8の曲線部8aである。
エリア3は、鋼管8の位置Pc3から位置Pc4までを溶接するエリアである。すなわち、エリア3は、溶接トーチ13の先端が位置Pc3から位置Pc4まで移動するエリアである。エリア3においては、溶接ロボット1(台車12)は、ガイドレール2の曲線部2aを移動しつつ、鋼管8の直線部8bを溶接する。すなわち、エリア3では、ガイドレール2の曲線部2a上に溶接ロボット1(台車12の中央)が位置し、且つ、溶接ロボット1が溶接する部分が鋼管8の直線部8bである。
エリア4は、鋼管8のエリア1~3以外のエリアである。エリア4においては、溶接ロボット1(台車12)は、ガイドレール2の直線部2bを移動しつつ、鋼管8の直線部8bを溶接する。すなわち、エリア4では、ガイドレール2の直線部2b上に溶接ロボット1(台車12の中央)が位置し、且つ、溶接ロボット1が溶接する部分が鋼管8の直線部8bである。
本実施形態において、曲線部8aの溶接とは、エリア1~3の溶接を意味する。
溶接の品質を良好なものとするためには、エリアによらず以下の<1>~<4>に示す溶接条件を満たすことが好ましい。
<1>溶接トーチ13の先端が鋼管8の溶接部位に沿って移動する速度(以下、溶接移動速度Vwとも称する)が一定となる。
<2>上面視における溶接トーチ13の向き(以下、溶接トーチ向きとも称する)が、鋼管8の曲線部8aの法線方向と一致する、又は鋼管8の直線部8bと直交する。
<3>溶接トーチ13の狙い角θnが一定となる。なお、溶接トーチ13の狙い角θnは、図7に示されるように、溶接ロボット1の左右方向yに沿って見て、溶接トーチ13の先端が鋼管8の開先に位置するときの溶接トーチ13の向きである。狙い角θnは、鋼管8の溶接部位の状態(例えば、開先情報)に応じて適切に調整される。
<4>溶接トーチ13の先端と鋼管8の溶接部位との距離(以下、溶接トーチ13の狙い位置とも称する)が一定である。
なお、上記溶接条件を満たすような溶接トーチ13の先端のX方向の位置は一定となり、鋼管座標系の原点位置とX方向に一致する。図7に示されるように、上記溶接条件を満たす溶接トーチ13の先端のX方向の位置と、ガイドレール2の下端2cとのX方向(溶接ロボット1の上下方向x)の距離をHとする。
また、溶接ロボット1が所定の移動量、移動した場合の溶接トーチ13の位置及び姿勢を表す行列T(上記<B>に対応)を生成する。
行列Uと行列Tとが等しくなるような溶接ロボット1の移動量を求め、当該移動量に応じてモータ32の駆動を制御することにより、上記溶接条件を満たす溶接を行うことができる。すなわち、これらの行列U、Tが等しくなることで、所定の時刻t(溶接位置)において目標となる溶接トーチ13の位置及び姿勢を実現するための移動量が求められる。この移動量を実現するように溶接ロボット1を制御することで、良好な品質の溶接を実現することができる。
行列Uの生成について、図9を参照して詳細に説明する。
行列Uは、上記溶接条件を満たす溶接トーチ13の目標位置及び目標姿勢を、鋼管座標系の原点位置(第1曲率中心C1)を基準として表すための行列である。行列Uは、特定の溶接位置において目標とする溶接トーチ13の位置及び姿勢である。行列Uは、鋼管8の溶接位置ごとに定まる。行列Uは、溶接ロボット1の位置によらず定まる。
本実施形態においては、エリア1及び3においては直線部8bの溶接が行われ、エリア2においては曲線部8aの溶接が行われる。したがって、上記溶接条件を満たす溶接トーチ13の目標位置及び目標姿勢は、エリア1~3で異なる。このため、行列Uは、エリア1~3のそれぞれについて生成される。なお、上述のように、上記溶接条件を満たすような溶接トーチ13の先端のX方向の位置は一定となり、鋼管座標系の原点位置とX方向に一致する位置である。
また、時刻tにおける溶接位置において、上記溶接条件を満たす溶接トーチ13の溶接トーチ向きは、直線部8bと直交する方向である。時刻tにおける溶接位置において、溶接トーチ13の狙い角は、常に一定(θn)となる。時刻tにおける溶接位置において、溶接トーチ13の先端と直線部8bとの距離は、常に一定となる。
エリア1における行列Uは、上記のような溶接トーチ13の位置及び姿勢を表す同次変換行列として生成される。
θc=(Vw・t÷2πRc)×2π
また、時刻tにおける溶接位置において、上記溶接条件を満たす溶接トーチ13の溶接トーチ向きは、曲線部8aの法線方向と一致する方向である。時刻tにおける溶接位置において、溶接トーチ13の狙い角は、常に一定(θn)となる。時刻tにおける溶接位置において、溶接トーチ13の先端と曲線部8aとの距離は、常に一定となる。
エリア2における行列Uは、上記のような溶接トーチ13の位置及び姿勢を表す同次変換行列として生成される。
また、時刻tにおける溶接位置において、上記溶接条件を満たす溶接トーチ13の溶接トーチ向きは、直線部8bと直交する方向である。時刻tにおける溶接位置において、溶接トーチ13の狙い角は、常に一定(θn)となる。時刻tにおける溶接位置において、溶接トーチ13の先端と直線部8bとの距離は、常に一定となる。
エリア3における行列Uは、上記のような溶接トーチ13の位置及び姿勢を表す同次変換行列として生成される。
図3~7を参照して、溶接ロボット1の移動量について説明する。本実施形態において、溶接システム100は、溶接ロボット1の上下方向xにおける溶接トーチ13の移動量Mx、溶接ロボット1(台車12)の左右方向yの移動量My、溶接ロボット1の前後方向zにおける溶接トーチ13の移動量Mz、溶接トーチ13の第1軸線回りの移動量MB、及び溶接トーチ13の第2軸線回りの移動量MTを制御対象とする。すなわち、溶接ロボット1の移動量は、移動量Mx、移動量My、移動量Mz、移動量MB、及び移動量MTを含む。
なお、移動量Mx、Mz、MB、及びMTは、溶接トーチ13の基準位置からの移動量を示す。溶接トーチ13の基準位置とは、溶接トーチ13が移動や回動等していない状態における、溶接トーチ13の位置及び姿勢である。
移動量Myは、ガイドレール2の所定の位置を基準とした溶接ロボット1(台車12)の移動量を示す。前記所定の位置は、例えば、ガイドレール2の曲線部2aの開始位置Pg1に設定される。
行列Tは、溶接ロボット1の上下方向xにおける溶接トーチ13の移動量がMx、溶接ロボット1の前後方向zにおける溶接トーチ13の移動量がMz、溶接トーチ13の第1軸線回りの移動量がMB、溶接トーチ13の第2軸線回りの移動量がMTであり、かつ位置Pg1を基準とした溶接ロボット1(台車12)の移動量がMyである場合の、溶接トーチ13の位置及び姿勢を、鋼管座標系の原点位置(第1曲率中心C1)を基準として表すための行列である。本実施形態においては、行列Tは、エリア1~3で共通の行列となる。
なお、エリア1~3において、溶接ロボット1(台車12)は曲線部2a上を移動する。すなわち、エリア1~3における溶接ロボット1の移動は、YZ平面上の第2曲率中心C2回りの回転移動である。YZ平面において、溶接ロボット1(台車12の中央位置)の、位置Pg1からの第2曲率中心C2回りの回転量をθg(ラジアン)とすると、移動量Myは、以下の式のように、回転量θgとして表すことができる。なお、Rgは、曲線部2aの曲率半径である。
θg=(My÷2πRg)×2π
図3(b)には、溶接トーチ13が基準位置にあるときの、溶接ロボット1のリンク構造及び各リンク間の距離が示されている。図3(b)において、aは、溶接トーチ13が基準位置にあるときの、第1リンクピン351と第2リンクピン361との溶接ロボット1の前後方向zの距離を示す(図6(a)も併せて参照)。bは、溶接トーチ13が基準位置にあるときの、第1リンクピン351と第2リンクピン361との溶接ロボット1の上下方向xの距離を示す(図6(a)も併せて参照)。cは、溶接トーチ13が基準位置にあるときの、ガイドレール2の下端2cと第1リンクピン351との溶接ロボット1の上下方向xの距離を示す。dは、溶接トーチ13が基準位置にあるときの、ガイドレール2と第1リンクピン351との溶接ロボット1の前後方向zの距離を示す。Lは、第2リンクピン361から溶接トーチ13の先端までの距離を示す(図6(b)も併せて参照)。これらパラメータa~d及びLを用いることにより、溶接トーチ13の基準位置における位置及び姿勢が表される。
行列T3は、上述のようにパラメータa~d及びLを用いて表された溶接トーチ13の基準位置における位置及び姿勢を、移動量Mx、Mz、MB、MTだけ移動及び回転させることにより生成される同次変換行列である。
上記のように生成された行列U及び行列Tについて、行列U=行列Tとすることにより、上記溶接条件を満たす溶接ロボット1の移動量Mx、My、Mz、MB、MTを求める計算式が導出される。この計算式は、移動量Mx、My、Mz、MB、MTのそれぞれについて導出される。この計算式は、エリア1~3のそれぞれについて導出される。
次に、図10及び図11を参照して、溶接システム100の制御系について説明する。
制御系では、前述したように、行列Uと行列Tとが等しくなるような溶接ロボット1の移動量を求め、当該移動量に応じてモータ32の駆動を制御することにより、上記溶接条件を満たす溶接を行うことができる。
図10は、実施形態におけるシステム制御装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。システム制御装置6は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備え、プログラムを実行する。システム制御装置6は、プログラムの実行によって制御部61、通信部62、入力部63、記憶部64及び出力部65を備える装置として機能する。
通信部62は、例えば制御ケーブルを介して溶接ロボット1の位置に関する情報(以下、溶接ロボット位置情報と言う)を取得する。溶接ロボット位置情報は、例えば溶接ロボット1の移動に関するサーボモータ(モータ32)の制御の目標値(以下、単に目標値とも言う)である。
記憶部64は、予め、エリア1~3のそれぞれについて導出された、行列Uと行列Tとが等しくなるときの溶接ロボット1の移動量Mx、My、Mz、MB、MTを求める計算式を記憶する。
記憶部64は、前記目標値(溶接ロボット位置情報)を記憶する。記憶部64は、溶接トーチ13の基準位置を記憶する。記憶部64は、移動量Myの基準となるガイドレール2の所定の位置を記憶する。
データ取得部610は、記憶部64から、使用される鋼管8の種類に対応する鋼管形状情報を取得する。データ取得部610は、記憶部64から、使用されるガイドレール2の種類に対応するガイドレール形状情報を取得する。なお、使用される鋼管8の種類及びガイドレール2の種類は、例えば、ユーザによって入力部63に入力される。
パラメータ設定部624は、判別された溶接部位の形状や状態に基づき、溶接条件としての溶接トーチ13の溶接移動速度Vw、溶接トーチ向き、狙い角θn、及び狙い位置の具体的な値を設定する。
エリア判定部626は、算出された溶接トーチ13の先端の目標位置が、エリア1~3のうちいずれのエリアに位置するかを判定する。
すなわち、移動量設定部628は、行列U及び行列Tに基づき、上記溶接条件における溶接トーチ13の溶接移動速度Vw、溶接トーチ向き、狙い角θn、及び狙い位置を満たす溶接ロボット1の移動量Mx、My、Mz、MB、MTを設定する。
具体的には、曲線部溶接実行制御部629は、モータ32を駆動して上下移動部34を動作させ、移動量設定部628により設定された移動量Mxに応じて溶接ロボット1の上下方向xにおける溶接トーチ13の位置を変更する。曲線部溶接実行制御部629は、モータ32を駆動して前後移動部33を動作させ、移動量設定部628により設定された移動量Mzに応じて溶接ロボット1の前後方向zにおける溶接トーチ13の位置を変更する。曲線部溶接実行制御部629は、モータ32を駆動して第1回動部35を動作させ、移動量設定部628により設定された移動量MBに応じて第1軸線回りの溶接トーチ13の向きを変更する。曲線部溶接実行制御部629は、モータ32を駆動して第2回動部36を動作させ、移動量設定部628により設定された移動量MTに応じて第2軸線回りの溶接トーチ13の向きを変更する。曲線部溶接実行制御部629は、モータ32(サーボモータ)を駆動して、移動量設定部628により設定された移動量Myに応じて溶接ロボット1(台車12)の位置を変更する。
図12を参照して、溶接システム100が実行する制御例について説明する。
図12は、本実施形態におけるシステム制御装置6が実行する曲線部8aの溶接処理の流れの一例を示すフローチャートである。
エリア判定部626は、経過時間tにおける溶接トーチ13の先端の目標位置を算出する(ステップS102)。エリア判定部626は、算出された溶接トーチ13の先端の目標位置が、エリア1~3のうちいずれのエリアに位置するかを判定する(ステップS103)。
溶接トーチ13の先端の位置が位置Pc4に到達したと判定される場合(ステップS106:YES)、曲線部溶接実行制御部629は、曲線部8aの溶接処理を終了する(ステップS206)。
一方、溶接トーチ13の先端の位置が位置Pc4に到達していない場合(ステップS106:NO)、ステップS102の処理に戻る。この場合、曲線部8aの溶接処理は継続される。
なお、以下の説明において、移動量Mxは、溶接トーチ13が下側に移動する場合に増加し、上側に移動する場合に減少するとする。移動量Mzは、溶接トーチ13が後側(すなわち、鋼管8から離れる側)に移動する場合に増加し、前側(すなわち、鋼管8に近づく側)に移動する場合に減少するとする。移動量MBは、溶接トーチ13の鉛直方向下向きの傾斜が増加する場合に増加するとされる。移動量MTは、上下方向xに沿って見て、溶接トーチ13が溶接ロボット1の進行方向に直交する場合を0とし、溶接トーチ13が溶接ロボット1の進行方向側に傾斜する場合に増加し、溶接ロボット1の進行方向と反対側に傾斜する場合に減少するとする。
エリア1においては、台車12の設定移動速度は基準速度よりも小さくなる。すなわち、台車12(溶接ロボット1)は、エリア1における設定移動速度まで瞬間的に減速する。瞬間的というのはエリア4からエリア1に到達したタイミングである。
移動量Mxは、上下方向移動基準値と等しい。
移動量Mzは、溶接トーチ13の先端が位置Pc1から位置Pc2まで移動するに従い、前後方向移動基準値から増加していく。すなわち、溶接トーチ13は、溶接トーチ13の先端が位置Pc1から位置Pc2まで移動するに従い、鋼管8から離れる方向に移動する。
移動量MBは、溶接トーチ13の先端が位置Pc1から位置Pc2まで移動するに従い、第1軸線回動基準値から増加していく。すなわち、溶接トーチ13の先端が位置Pc1から位置Pc2まで移動するに従い、溶接トーチ13の鉛直方向下向きの傾斜が大きくなる。
移動量MTは、溶接トーチ13の先端が位置Pc1から位置Pc2まで移動するに従い、0から増加していく。すなわち、上下方向xに沿って見て、溶接トーチ13の先端が位置Pc1から位置Pc2まで移動するに従い、溶接トーチ13は溶接ロボット1の進行方向側へ傾斜していく。
エリア2においては、台車12の設定移動速度は基準速度よりも大きくなる。すなわち、台車12(溶接ロボット1)は、エリア2における設定移動速度まで瞬間的に加速する。瞬間的というのはエリア1からエリア2に到達したタイミングである。また、溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc2と位置Pc3との中間位置までの範囲では、台車12(溶接ロボット1)は、エリア2の開始位置Pc2から上記中間位置まで、所定の負の加速度で減速し続ける。なお、この場合であっても、台車12の設定移動速度は基準速度よりも大きい。その後、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置から位置Pc3までの範囲では、台車12(溶接ロボット1)は、上記中間位置からエリア2の終端位置である位置Pc3まで、所定の正の加速度で加速し続ける。
移動量Mxは、上下方向移動基準値と等しい。
移動量Mzは、溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc2と位置Pc3との中間位置まで移動するに従い増加していき、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置から位置Pc3まで移動するに従い減少していく。すなわち、溶接トーチ13は、溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc2と位置Pc3との中間位置までの範囲では、鋼管8から離れる方向に移動し、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置から位置Pc3までの範囲では、鋼管8に近づく方向に移動する。
移動量MBは、溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc2と位置Pc3との中間位置まで移動するに従い減少していき、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置から位置Pc3まで移動するに従い増加していく。なお、この場合であっても、移動量MBが第1軸線回動基準値よりも小さくなることはない。すなわち、溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc2と位置Pc3との中間位置まで移動するに従い、溶接トーチ13の鉛直方向下向きの傾斜が小さくなり、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置から位置Pc3まで移動するに従い、溶接トーチ13の鉛直方向下向きの傾斜が大きくなる。
移動量MTは、溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc3まで移動するに従い減少していく。また、移動量MTは、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置に位置するときに0となる。すなわち、上下方向xに沿って見て、溶接トーチ13の先端がエリア1の終端位置である位置Pc2に位置するとき、溶接トーチ13は溶接ロボット1の進行方向側へ傾斜している。溶接トーチ13の先端が位置Pc2から位置Pc2と位置Pc3との中間位置まで移動するに従い、溶接トーチ13の溶接ロボット1の進行方向側への傾斜が小さくなっていき、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置に到達すると、溶接トーチ13は溶接ロボット1の進行方向に直交する。その後、溶接トーチ13の先端が位置Pc2と位置Pc3との中間位置から位置Pc3まで移動するに従い、溶接トーチ13は溶接ロボット1の進行方向と反対側へ傾斜していく。
エリア3においては、台車12の設定移動速度は基準速度よりも小さくなる。すなわち、台車12(溶接ロボット1)は、エリア3における設定移動速度まで瞬間的に減速する。瞬間的というのはエリア2からエリア3に到達したタイミングである。
移動量Mxは、上下方向移動基準値と等しい。
移動量Mzは、溶接トーチ13の先端が位置Pc3から位置Pc4まで移動するに従い減少していき、溶接トーチ13の先端が位置Pc4に到達すると前後方向移動基準値と等しくなる。すなわち、溶接トーチ13は、溶接トーチ13の先端が位置Pc3から位置Pc4まで移動するに従い、鋼管8に近づく方向に移動する。
移動量MBは、溶接トーチ13の先端が位置Pc3から位置Pc4まで移動するに従い減少していき、溶接トーチ13の先端が位置Pc4に到達すると第1軸線回動基準値と等しくなる。すなわち、溶接トーチ13の先端が位置Pc3から位置Pc4まで移動するに従い、溶接トーチ13の鉛直方向下向きの傾斜が小さくなる。
移動量MTは、溶接トーチ13の先端が位置Pc3から位置Pc4まで移動するに従い増加していき、溶接トーチ13の先端が位置Pc4に到達すると0となる。すなわち、上下方向xに沿って見て、溶接トーチ13の先端がエリア2の終端位置である位置Pc3に位置するとき、溶接トーチ13は溶接ロボット1の進行方向と反対側へ傾斜している。溶接トーチ13の先端が位置Pc3から位置Pc4まで移動するに従い、溶接トーチ13の溶接ロボット1の進行方向と反対側への傾斜が小さくなっていき、溶接トーチ13の先端が位置Pc4に到達すると、溶接トーチ13は溶接ロボット1の進行方向に直交する。
曲率中心判定部623が第1曲率中心C1と第2曲率中心C2とが一致しないと判定した場合に第1曲率中心C1を用いて溶接条件を設定するため、溶接システム100の制御が簡便化する。
溶接システム100は、溶接トーチ13の向きを変更する第1回動部35及び第2回動部36を備える。設定部は、第1曲率中心C1と、第2曲率中心C2とを用いて溶接トーチ向きを設定する。第1回動部35及び第2回動部36は、鋼管8の曲線部8aに対する溶接トーチ13の向きが、設定部で設定された溶接トーチ向きと一致するように、溶接トーチ13の向きを変更する。
溶接トーチ向きは、上面視において、溶接トーチ13の先端の向きと、鋼管8の曲線部8aの法線方向とが一致するときの溶接トーチ13の向きを含み、設定部は、溶接トーチ向きを溶接ロボット1の位置に応じて設定する。
これにより、溶接トーチ13を、常に鋼管8に対して直交する方向に向けることができるため、溶接品質が向上する。
これにより、溶接ロボット1が移動する方向に沿って見て、溶接トーチ13の先端が鋼管8の開先に位置するときの溶接トーチ13の向き(すなわち、溶接トーチ13の狙い角θn)を一定とすることができるため、溶接品質が向上する。例えば、第2回動部36の角度に応じて第1回動部35の角度を設定して、狙い角θnを一定にすることができる。より詳細には、前後方向zと溶接トーチ13とが成す2つの角度のうち小さい方の角度が第2回動部36の回動によって大きくなるに連れ、上下方向xと溶接トーチ13とが成す2つの角度のうち小さい方の角度を第1回動部35の回動によって小さくする。
溶接システム100は、溶接ロボット1の位置(移動速度)を変更するモータ32(サーボモータ)を備える。設定部は、第1曲率中心C1と、第2曲率中心C2とを用いて溶接移動速度Vwを設定する。モータ32(サーボモータ)は、溶接トーチ13の先端の移動速度が、設定部で設定された溶接移動速度Vwと一致するように、溶接ロボット1の位置(移動速度)を変更する。
これにより、溶接トーチ13の先端が鋼管8の溶接部位に沿って所定の速度(溶接移動速度Vw)で移動するよう、溶接ロボット1の位置(移動速度)を制御することができるため、溶接品質が向上する。
溶接システム100は、溶接トーチ13の位置を変更する前後移動部33及び上下移動部34を備える。設定部は、第1曲率中心C1と、第2曲率中心C2とを用いて狙い位置を設定する。前後移動部33及び上下移動部34は、溶接トーチ13の位置が、設定部で設定された狙い位置と一致するように、溶接トーチ13の位置を変更する。
これにより、溶接トーチ13の先端と鋼管8の溶接部位との距離が所定の長さとなるよう、溶接トーチ13の位置を制御することができるため、溶接品質が向上する。
以下、図13~17を参照し、本発明の第2実施形態に係る溶接システム100を説明する。
本実施形態に係る溶接システム100は、制御部61の機能構成が、第1実施形態と異なる。図13は、本実施形態における制御部61の機能構成の一例を示す図である。本実施形態では、制御部61の溶接ロボット制御部620が、位置情報取得部621、形状情報取得部622、曲率中心判定部623、パラメータ設定部624、溶接時間カウント部625、エリア判定部626、目標トーチ位置計算部627、移動量設定部628、及び曲線部溶接実行制御部629に加えて、台車移動速度算出部701(算出手段)、ガイドレール形状情報取得部702(取得手段)、台車位置情報取得部703(取得手段)、台車移動速度補正部704(補正手段)、及び台車移動速度変更部705(速度変更手段)を備える。
台車位置情報は、台車12の中央位置に関する台車中央位置情報を含む。台車位置情報は、台車12の前輪12a及び後輪12bの位置に関する情報(以下、車輪位置情報と言う)を含む。車輪位置情報は、前輪12aと後輪12bとの間の距離lw(図5を参照)に対応する車輪間距離情報を含む。距離lwは、例えば、前輪12aと後輪12bとの回転軸間の距離である。車輪位置情報は、前輪12aの位置に対応する前輪位置情報、および後輪12bの位置に対応する後輪位置情報を含む。前輪12aの位置は、前輪12aの回転軸の位置(前輪12aとガイドレール2との接点の位置)である。後輪12bの位置は、後輪12bの回転軸の位置(後輪12bとガイドレール2との接点の位置)である。台車中央位置情報および車輪位置情報は、例えば溶接ロボット1の移動に関するサーボモータ(モータ32)の制御の目標値に基づき取得される。車輪間距離情報は、例えば、ユーザにより入力部63を用いて入力される。
以下、図14および図15を参照して、台車移動速度補正部704による、台車12の設定移動速度の補正の詳細について説明する。本実施形態では、第1実施形態で規定されたエリア1~4が、複数の速度補正区間にさらに分割されており、これら複数の区間ごとに、台車12の設定移動速度を補正するための速度補正倍率(所定数値)が設定されている。台車移動速度補正部704は、ガイドレール形状情報取得部702によって取得されるガイドレール形状情報、および台車位置情報取得部703によって取得される台車位置情報に基づき、台車12が、複数の速度補正区間のうちいずれの区間に位置するかを判定する。台車移動速度補正部704は、台車12の設定移動速度に、台車12が位置する区間に応じた速度補正倍率を乗じることで、台車12の設定移動速度を補正する。
地点T3は、曲線部2aの開始位置Pg1と一致する。地点T3は、溶接ロボット1がエリア1に到達したとき(台車12の中央が開始位置Pg1に到達したとき)に、台車12の中央が位置する地点である。例えば、地点T3は、地点T1から、35mm(前輪12aと後輪12bとの間の距離lwの半数)だけ溶接ロボット1の進行方向(所定方向)側に進んだ地点である。
地点T2は、地点T1と地点T3との間の地点である。地点T2は、台車12の移動速度を段階的に補正するために設定される。例えば、地点T2は、地点T3から、10mmだけ溶接ロボット1の進行方向と反対側に戻った地点(すなわち、地点T1から、25mmだけ溶接ロボット1の進行方向側に進んだ地点)である。地点T2は、地点T1よりも地点T3寄りに配置される。
地点T1から地点T3までの区間は、エリア4に対応する。地点T1から地点T3までの区間では、台車12の前輪12aが曲線部2aの開始位置Pg1よりも進行方向側に位置し、かつ台車12の中央が開始位置Pg1よりも進行方向と反対側に位置する。
地点T3から地点T4までの区間は、エリア1に対応する。
地点T5および地点T6は、地点T4と地点T7との間の地点である。地点T5および地点T6は、台車12の移動速度を段階的に補正するために設定される。
例えば、地点T5は、地点T4から、5mmだけ溶接ロボット1の進行方向側に進んだ地点である。
例えば、地点T6は、地点T4から、19mmだけ溶接ロボット1の進行方向側に進んだ地点である。
地点T11は、曲線部2aの終了位置Pg2と一致する。地点T11は、溶接ロボット1がエリア4に到達したとき(台車12の中央が終了位置Pg2に到達したとき)に、台車12の中央が位置する地点である。例えば、地点T11は、地点T13から、35mm(前輪12aと後輪12bとの間の距離lwの半数)だけ溶接ロボット1の進行方向と反対側に戻った地点である。
地点T12は、地点T11と地点T13との間の地点である。地点T12は、台車12の移動速度を段階的に補正するために設定される。例えば、地点T12は、地点T11から、10mmだけ溶接ロボット1の進行方向側に進んだ地点(すなわち、地点T13から、25mmだけ溶接ロボット1の進行方向と反対側に戻った地点)である。地点T12は、地点T13よりも地点T11寄りに配置される。
地点T11から地点T13までの区間は、エリア4に対応する。地点T11から地点T13までの区間では、台車12の後輪12bが曲線部2aの終了位置Pg2よりも進行方向と反対側に位置し、かつ台車12の中央が終了位置Pg2よりも進行方向側に位置する。
地点T10から地点T11までの区間は、エリア3に対応する。
例えば、地点T8は、地点T10から、19mmだけ溶接ロボット1の進行方向と反対側に戻った地点である。
例えば、地点T9は、地点T10から、5mmだけ溶接ロボット1の進行方向と反対側に戻った地点である。
地点T4から地点T10までの区間は、エリア2に対応する。
台車12の中央が地点T1から地点T3までの区間に位置するとき、台車12の中央はガイドレール2の直線部2bに位置するが、台車12の前輪12aはガイドレール2の曲線部2aに入っていく。
ここで図16(a)に示すように、前輪12a及び後輪12bの双方が直線部2bに位置する場合、台車12を上下方向xから見た平面視において、台車12の基準線Lkは、ガイドレール2(直線部2b)に対して直交する方向に延びている。基準線Lkは、前記平面視において、台車12の中央を通り、台車12の進行方向に直交する仮想線である。
これに対して、前述したように前輪12aが曲線部2aに入っていくことで、前輪12aが後輪12bよりも鋼管8側に近づくことになり、図16(b)に示すように、ガイドレール2(直線部2b)に対して直交する方向に対して、基準線Lkが、進行方向と反対側へ徐々に傾いていく(以下、基準線Lkの傾きを台車12の傾きとも言う)。これにより、溶接トーチ13の先端の実際の位置が、溶接トーチ13の先端の目標位置よりも進行方向と反対側へずれてしまい、溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値より遅くなる。ここで、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値は、溶接トーチ13の先端が鋼管8の溶接部位に沿って移動する速度が一定となるよう設定されている。溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値より遅くなると、溶接トーチ13の先端が鋼管8の溶接部位に沿って移動する速度が一定とならず、例えば溶接ビードの太さが不均一になる等、溶接の品質が低下する可能性がある。地点T2から地点T3までの区間において、台車12の設定移動速度に1.30を乗じて、台車12の移動速度が設定移動速度よりも大きくなるよう補正することで、溶接トーチ13の先端の移動の遅延をカバーし、溶接の品質の低下を防止することができる。
ここで、台車12の中央が地点T1から地点T3に近付くに連れて、台車12の傾きが大きくなり、台車12の中央が地点T3に位置するとき、台車12の傾きが最大になる。台車12の傾きは、台車12の中央が地点T1から地点T3に近付くに連れて、サインカーブ状に増加していく。台車12の中央が地点T1から地点T2の区間に位置するときは、台車12の傾きによる、溶接トーチ13の先端の移動の遅延がまだ小さいため、溶接の品質へ及ぼす影響が低く、したがって速度補正倍率は1.00のままとしている。一方で、台車12の中央が地点T2から地点T3の区間に位置するときは、台車12の傾きが増加して、溶接トーチ13の先端の移動の遅延が大きくなっていき、溶接の品質へ及ぼす影響が無視できないほど大きくなる。したがって、地点T2から地点T3までの区間において、速度補正倍率を1.30に設定することで、溶接トーチ13の先端の移動の遅延をカバーし、溶接の品質の低下を防止する。地点T2は、台車12の傾きが溶接の品質へ及ぼす影響が無視できないほど大きくなる地点に設定されており、本実施形態では、地点T1よりも地点T3寄りに配置されている。
地点T3は、溶接ロボット1がエリア1に到達したときに、台車12の中央が位置する地点である。上述のように、溶接ロボット1がエリア1に到達したとき、台車12は、エリア4における設定移動速度(基準速度)から、エリア1における設定移動速度まで瞬間的に減速する。一方で、台車12の中央が地点T3から地点T4までの区間に位置するとき、台車12の後輪12bがガイドレール2の曲線部2aに入っていくため、前述した台車12の傾きが戻り始める。これにより、溶接トーチ13の先端の実際の位置が、溶接トーチ13の先端の目標位置よりも遅れて(進行方向と反対側へずれて)いた状態から、溶接トーチ13の先端の目標位置まで戻っていく。この過程において、溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値より速くなってしまう。溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値より速くなると、溶接トーチ13の先端が鋼管8の溶接部位に沿って移動する速度が一定とならず、例えば溶接ビードの太さが不均一になる等、溶接の品質が低下する可能性がある。台車12の設定移動速度に0.70を乗じて、台車12の移動速度が設定移動速度よりも小さくなるよう補正することで、溶接トーチ13の先端の移動の進みをカバーし、溶接の品質の低下を防止することができる。
地点T4は、溶接ロボット1がエリア2に到達したときに、台車12の中央が位置する地点である。上述のように、溶接ロボット1がエリア2に到達したとき、台車12は、エリア1における設定移動速度から、エリア2における設定移動速度まで瞬間的に加速する。台車12が急加速すると、慣性力により溶接トーチ13が揺れ動き、溶接が不安定になる可能性がある。台車12の設定移動速度に0.50を乗じて、台車12の移動速度が設定移動速度よりも小さくなるよう補正することで、台車12の急加速を緩和することができ、溶接の品質の低下を防止することができる。
また、地点T3から地点T4までの区間と同様に、台車12の中央が地点T4から地点T5までの区間に位置するとき、台車12の後輪12bがガイドレール2の曲線部2aに入っていくため、前述した台車12の傾きが更に戻っていく。したがって、溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値より速くなってしまう。台車12の設定移動速度に0.50を乗じて、台車12の移動速度が設定移動速度よりも小さくなるよう補正することで、溶接トーチ13の先端の移動の進みをカバーし、溶接の品質の低下を防止することができる。
すなわち、前輪12aと後輪12bとのいずれか一方が曲線部2aに位置し、他方が直線部2bに位置するときに、前輪12a及び後輪12bの双方が直線部2bまたは曲線部2aに位置する場合と比べて、台車12が傾いてしまう。この場合、溶接トーチ13の先端の実際の位置が、溶接トーチ13の先端の目標位置からずれてしまい、溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値と異なってしまう。溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値と異なると、溶接トーチ13の先端が鋼管8の溶接部位に沿って移動する速度が一定とならず、例えば溶接ビードの太さが不均一になる等、溶接の品質が低下する可能性がある。台車12の移動速度を補正して、溶接トーチ13の先端の移動速度の、目標値との差異を減少させることで、溶接の品質の低下を防止することができる。
また、台車12が急加速または急減速すると、慣性力により溶接トーチ13が揺れ動き、溶接が不安定になる可能性がある。台車12の移動速度を補正して、台車12の急加速または急減速を緩和することにより、溶接の品質の低下を防止することができる。
これにより、鋼管8の溶接を良好に行うことができ、良好な溶接品質を得ることができる。
図17を参照して、本実施形態における溶接システム100が実行する制御例について説明する。
図17は、本実施形態におけるシステム制御装置6が実行する曲線部8aの溶接処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態では、ステップS112、S123、またはS132のいずれかが実行された後、かつステップS105が実行される前に、ステップS201~S204が実行される。
なお、以下では、地点T1~T7の区間における溶接ロボット1の具体的な制御内容について説明する。地点T7~T13の区間については、地点T7を中心として、地点T7~T1の区間と対称的な制御が行われる。
地点T1から地点T2までの区間では、速度補正倍率は1.00であり、地点T2から地点T3までの区間では、速度補正倍率は1.30である。したがって、台車移動速度補正部704により補正された台車12の移動速度について、地点T1から地点T2までの区間では、台車12の移動速度は溶接移動速度Vwであり、地点T2から地点T3までの区間では、台車12の移動速度は、地点T1から地点T2までの区間に比べて、大きくなる。
地点T3から地点T4までの区間では、速度補正倍率は0.70である。したがって、台車移動速度補正部704により補正された台車12の移動速度について、地点T3から地点T4までの区間では、台車12の移動速度は、地点T2から地点T3までの区間に比べて、小さくなる。
地点T4から地点T5までの区間では、速度補正倍率は0.50である。台車移動速度補正部704により補正された台車12の移動速度について、地点T4から地点T5までの区間では、台車12の移動速度は、補正により台車12の設定移動速度よりも小さくなるものの、地点T3から地点T4までの区間に比べて、大きくなる。台車12の移動速度が設定移動速度よりも小さくなるよう補正することで、溶接ロボット1がエリア2に到達したときの、台車12の急加速を緩和している。また、地点T4から地点T5までの区間では、台車12は、所定の負の加速度で減速し続ける。
地点T5から地点T6までの区間では、速度補正倍率は0.65である。台車移動速度補正部704により補正された台車12の移動速度について、台車12の中央が地点T5に到達したとき、台車12の移動速度は大きくなる。その後、地点T5から地点T6までの区間では、台車12は、所定の負の加速度で減速し続ける。
地点T6から地点T7までの区間では、速度補正倍率は1.00である。台車移動速度補正部704により補正された台車12の移動速度について、台車12の中央が地点T6に到達したとき、台車12の移動速度は大きくなる。その後、地点T6から地点T7までの区間では、台車12は、所定の負の加速度で減速し続ける。
本実施形態に係る溶接方法は、鋼管8に沿って配置されるガイドレール2であって曲線部2aを有するガイドレール2を所定方向に移動しつつ鋼管8を溶接する溶接ロボット1、を制御するための溶接システム100が実行する溶接方法であって、車輪を有し、ガイドレール2を移動することで溶接ロボット1を移動させる台車12の設定移動速度を算出する算出ステップ(ステップS201)と、車輪の位置に関する車輪位置情報と、ガイドレールの形状に関するガイドレール形状情報と、を取得する取得ステップ(ステップS202)と、算出ステップにおいて算出される設定移動速度を、取得ステップで取得された取得結果に基づき、補正する補正ステップ(ステップS203)と、補正ステップにおける設定移動速度の補正に応じ、台車の移動速度を変更する速度変更ステップ(ステップS204)と、を備える。
曲線部2aの開始位置Pg1と、開始位置Pg1から車輪間距離情報に対応する距離lwだけ離れた位置との間に台車12が位置する際、前輪12aと後輪12bとのいずれか一方が曲線部2aに位置し、他方がガイドレール2における曲線部2a以外の部分(例えば、直線部2b)に位置する場合がある。この場合、前輪12a及び後輪12bの双方が曲線部2aまたはガイドレール2における曲線部2a以外の部分に位置する場合と比べて、台車12が傾いてしまう。これにより溶接トーチ13の先端の実際の位置が、溶接トーチ13の先端の目標位置からずれると、溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値と異なってしまい、溶接の品質が低下する可能性がある。台車12の移動速度を補正して、溶接トーチ13の先端の移動速度の、目標値との差異を減少させることで、溶接の品質の低下を防止することができる。
前輪12aが開始位置Pg1に到達してから台車12の中央が開始位置Pg1に到達するまでの間では、台車12の中央はガイドレール2における曲線部2a以外の部分(例えば、直線部2b)に位置するが、台車12の前輪12aはガイドレール2の曲線部2aに入っていく。したがって、台車12が所定方向と反対側へ傾いていき、この結果、溶接トーチ13の先端の実際の移動速度が、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値より遅くなる。この間において、台車移動速度補正部704によって、台車移動速度算出部701により算出される設定移動速度を補正することで、溶接トーチ13の先端の移動の遅延をカバーし、溶接の品質の低下を防止することができる。
台車12の中央が開始位置Pg1から溶接ロボット1の進行方向に移動するにつれて、台車12の傾きが戻っていく。この過程において、溶接トーチ13の先端の実際の移動速度は、溶接トーチ13の先端の移動速度の目標値より速くなる。台車移動速度算出部701により算出される設定移動速度に掛け算される速度補正倍率を、開始位置Pg1に台車12の中央が位置する際、小さくすることで、台車12の移動速度を設定移動速度よりも小さくするよう補正する。これにより、溶接トーチ13の先端の移動の進みをカバーし、溶接の品質の低下を防止することができる。
溶接トーチ13の先端が曲線部8aの開始位置Pc2に到達する際、台車12の設定移動速度は大きくなる。この際に、台車移動速度算出部701により算出される設定移動速度に掛け算される速度補正倍率を小さくすることで、台車12の急加速を和らげることができる。したがって、鋼管8の溶接を良好に行うことができ、良好な溶接品質を得ることができる。
また、開始位置補正回数は、少なくとも3回である。なお、中間位置補正回数は、例えば0回である。
また、台車移動速度補正部704は、ガイドレール形状情報取得部702および台車位置情報取得部703の取得結果に基づき、台車12の中央が開始位置Pg1に位置する際、及び、溶接ロボット1の溶接トーチ13の先端が鋼管8の曲線部8aの開始位置Pc2に位置する際、台車移動速度算出部701により算出される設定移動速度を補正する。
また、台車移動速度変更部705は、台車移動速度補正部704による設定移動速度の補正に応じ、台車12の中央が開始位置Pg1に位置する際、台車12の移動速度を小さくし、溶接トーチ13の先端が開始位置Pc2に位置する際、台車12の移動速度を大きくする。
台車12の移動が安定していない第1所定範囲において、台車移動速度補正部704により設定移動速度を細かく補正することにより、台車12の移動速度をより適切に制御できる。したがって、鋼管8の溶接を良好に行うことができ、良好な溶接品質を得ることができる。
これにより、溶接システム100による制御が容易となる。
1 溶接ロボット
2 ガイドレール
2a 曲線部
6 システム制御装置
8 鋼管
8a 曲線部
12 台車
12a 前輪
12b 後輪
13 溶接トーチ
33 前後移動部(トーチ位置変更部)
34 上下移動部(トーチ位置変更部)
35 第1回動部(トーチ向き変更部)
36 第2回動部(トーチ向き変更部)
620 溶接ロボット制御部
621 位置情報取得部
622 形状情報取得部
623 曲率中心判定部
624 パラメータ設定部
625 溶接時間カウント部
626 エリア判定部
627 目標トーチ位置計算部
628 移動量設定部
701 台車移動速度算出部(算出手段)
702 ガイドレール形状情報取得部(取得手段)
703 台車位置情報取得部(取得手段)
704 台車移動速度補正部(補正手段)
705 台車移動速度変更部(速度変更手段)
Claims (13)
- 鋼管に沿って配置されるガイドレールであって曲線部を有するガイドレールを所定方向に移動しつつ前記鋼管を溶接する溶接ロボット、を制御するための溶接システムであって、
車輪を有し、前記ガイドレールを移動することで前記溶接ロボットを移動させる台車と、
前記車輪の位置に関する車輪位置情報と、前記ガイドレールの形状に関する形状情報と、を取得する取得手段と、
前記取得手段の取得結果に基づき、前記台車の移動速度を変更する速度変更手段と、
を備えることを特徴とする溶接システム。 - 前記台車の移動速度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出される移動速度を、前記取得手段の取得結果に基づき、補正する補正手段と、
を更に備え、
前記速度変更手段は、前記補正手段による移動速度の補正に応じ、前記台車の移動速度を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の溶接システム。 - 前記車輪は、前輪及び後輪を含み、
前記取得手段によって取得される車輪位置情報は、前記前輪と前記後輪との間の距離に対応する車輪間距離情報を含み、
前記取得手段によって取得される形状情報は、前記ガイドレールの前記曲線部の開始位置であるガイドレール開始位置を示す開始位置情報を含み、
前記補正手段は、前記取得手段の取得結果に基づき、前記ガイドレール開始位置と、前記ガイドレール開始位置から前記車輪間距離情報に対応する距離だけ離れた位置と、の間に前記台車が位置する際、前記算出手段により算出される移動速度を補正する、
ことを特徴とする請求項2に記載の溶接システム。 - 前記取得手段によって取得される車輪位置情報は、前記前輪の位置に対応する前輪位置情報を含み、
前記補正手段は、前記取得手段の取得結果に基づき、前記前輪が前記ガイドレール開始位置に到達してから前記台車の中央が前記ガイドレール開始位置に到達するまでの間に、前記算出手段により算出される移動速度を補正する、
ことを特徴とする請求項3に記載の溶接システム。 - 前記補正手段は、前記取得手段の取得結果に基づき、前記算出手段により算出される移動速度に所定数値を掛け算することで、前記算出手段により算出される移動速度を補正し、
前記所定数値は、前記ガイドレール開始位置に前記台車の中央が位置する際、小さくなる、
ことを特徴とする請求項4に記載の溶接システム。 - 前記補正手段は、前記取得手段の取得結果に基づき、前記算出手段により算出される移動速度に所定数値を掛け算することで、前記算出手段により算出される移動速度を補正し、
前記所定数値は、前記溶接ロボットの溶接トーチの先端が前記鋼管の曲線部の開始位置である鋼管開始位置に位置する際、小さくなる、
ことを特徴とする請求項4に記載の溶接システム。 - 前記台車が、前記ガイドレール開始位置から前記車輪間距離情報に対応する距離だけ離れた位置により区画される第1所定範囲に位置する場合に、前記補正手段が移動速度を補正する回数を開始位置補正回数とし、
前記台車が前記ガイドレールの前記曲線部の中間位置から前記車輪間距離情報に対応する距離だけ離れた位置により区画される第2所定範囲に位置する場合に、前記補正手段が移動速度を補正する回数を中間位置補正回数とし、
前記開始位置補正回数は、前記中間位置補正回数より、多い、
ことを特徴とする請求項3に記載の溶接システム。 - 前記開始位置補正回数は、少なくとも3回である、
ことを特徴とする請求項7に記載の溶接システム。 - 前記補正手段は、前記取得手段による取得結果に基づき、前記台車の中央が前記ガイドレール開始位置に位置する際、及び、前記溶接ロボットの溶接トーチの先端が前記鋼管の曲線部の開始位置である鋼管開始位置に位置する際、前記算出手段により算出される移動速度を補正する、
ことを特徴とする請求項8に記載の溶接システム。 - 前記速度変更手段は、前記補正手段による移動速度の補正に応じ、前記台車の中央が前記ガイドレール開始位置に位置する際、前記台車の移動速度を小さくし、前記溶接トーチの先端が前記鋼管開始位置に位置する際、前記台車の移動速度を大きくする、
ことを特徴とする請求項9に記載の溶接システム。 - 前記鋼管の曲線部の曲率中心を示す情報、前記鋼管の曲線部の曲率半径を示す情報、前記ガイドレールの曲線部の曲率中心を示す情報、及び、前記ガイドレールの曲線部の曲率半径を示す情報、を記憶部に記憶させる記憶制御手段、
を更に備え、
前記算出手段は、前記記憶部に記憶される情報に基づき、前記台車の移動速度を算出する、
ことを特徴とする請求項2乃至10のいずれか一項に記載の溶接システム。 - 鋼管に沿って配置されるガイドレールであって曲線部を有するガイドレールを所定方向に移動しつつ前記鋼管を溶接する溶接ロボット、を制御するための溶接システムが実行する溶接方法であって、
車輪を有し、前記ガイドレールを移動することで前記溶接ロボットを移動させる台車の移動速度を算出する算出ステップと、
前記車輪の位置に関する車輪位置情報と、前記ガイドレールの形状に関する形状情報と、を取得する取得ステップと、
前記算出ステップにおいて算出される移動速度を、前記取得ステップで取得された取得結果に基づき、補正する補正ステップと、
前記補正ステップにおける移動速度の補正に応じ、前記台車の移動速度を変更する速度変更ステップと、
を備えることを特徴とする溶接方法。 - 請求項1に記載の溶接システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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