JP2018058078A - 溶接方法及び溶接システム - Google Patents
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図2(a)に示すように、ガイドレール30は、溶接対象である角形鋼管10の外周を囲う環形状を有している。具体的には、ガイドレール30は、角形鋼管10の各角に対応する4つのコーナユニット31を備えている。各コーナユニット31は、角形鋼管10の角に対応する1/4円の円弧形状の曲線部31aと、この曲線部31aの両端部にそれぞれ接続する2つの直線部31bとを有している。
制御装置50は、制御部51と、角形鋼管情報記憶部52とを備えている。制御部51は、CPU、RAM、ROM等を備え、後述する処理(速度設定段階、溶接制御段階等の各処理)を行なう。そのための溶接プログラムを実行することにより、制御部51は、速度設定部511、溶接制御部512として機能する。
上述したように本実施形態の溶接方法では、角形鋼管10の大きさ、板厚及び種類に関係なく、4つのコーナユニット31を備えたガイドレール30を用いる。この場合、角形鋼管10の形状とガイドレール30の形状とによって、以下の3つの配置関係が生じる。
(β)角形鋼管10の直線領域に、ガイドレール30の円弧領域(曲線部31a)がはみ出している場合。
(γ)角形鋼管10の直線領域が、ガイドレール30の円弧領域(曲線部31a)からはみ出している場合。
ここで、「v(n)」は、n番目のR部センシング位置における速度(mm/min)、「R」は曲線部31aの円弧の半径、「v」は平行部台車速度である。
次に、図6を用いて、上述した制御部51が、台車41の速度を特定して制御するための速度算出処理について説明する。この処理は、溶接開始時に実行される。
そして、図7(a)の矢印に示すように、溶接ロボット40を用いて、角形鋼管10の曲線部を含む部分を溶接する。この場合、制御装置50の制御部51は、ガイドレール30に沿って移動する溶接ロボット40の所在位置を特定し、メモリから所在位置における移動速度を読み出し、台車41の移動を制御する。なお、ガイドレール30に、4つの溶接ロボット40を取り付けて、同時に、4つの溶接ロボット40で曲線部を溶接してもよい。その後、曲線部を含む部分の溶接が終了した後で、エレクションピース60を切断する。
次に、図7(b)の矢印に示すように、各エレクションピース60が中央に設けられていた角形鋼管10の辺をなす直線部を溶接して、角形鋼管10の外周すべてを溶接する。
(1)本実施形態において、制御装置50の制御部51は、曲線部31aを移動する際の溶接ロボット40の溶接速度が一定となるように制御する。これにより、ガイドレール30のコーナユニット31の曲線部31aが、角形鋼管10の溶接部分の円弧と大きさや中心位置(Gc,Wc)が異なっていても、的確に溶接を行なうことができる。従って、角形鋼管10の大きさ等に依存することなく、角形鋼管10の角を囲う曲線部31aを有するコーナユニット31を兼用することができる。また、溶接対象の角形鋼管10と同心円となる曲線部を備えた複数のコーナユニットを準備しなくてもよく、施工性を向上させることができる。
・上記実施形態においては、センシング位置として、1/4円の円弧を4等分した5つの位置(P1〜P5)を用いた。センシング位置は、これに限定されない。例えば、センシング位置を更に増やしてもよいし、減らしてもよい。また、センシング位置は、等間隔に配置しなくても、円弧上の位置であればよい。この場合、ガイドレール30のコーナユニット31及び角形鋼管10は、1/4円の円弧形状を有するため、コーナユニット31の円弧の曲率中心及び角形鋼管10の円弧の曲率中心を通る線の左右で加速度及び減速度を左右対称に制御するようにしてもよい。
まず、溶接トーチ45によって溶接している個所(溶接個所)が角形鋼管10の曲部(円弧)に至るまでは直線速度(平行部台車速度)で溶接ロボット40を移動させる(ステップS2−1)。そして、溶接ロボット40の台車41がガイドレール30の曲線部31aに到着し、かつ溶接個所が角形鋼管10の曲部(円弧)に到着した場合には、等角速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS2−2)。そして、台車41がガイドレール30の曲線部31aを過ぎて直線部31bに到着し、かつ溶接個所が角形鋼管10の曲部を通過して直線部に到着した場合には、直線速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS2−3)。
まず、溶接ロボット40の台車41がガイドレール30の曲線部31aに到着するまでは直線速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS3−1)。そして、台車41が曲線部31aに到着したが、溶接個所が角形鋼管10の直線部に位置している場合には、第1加速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS3−2)。ここで、第1加速度は、直線速度より早く、曲線部31aと溶接個所との位置関係に応じて徐々に加速する速度である。その後、溶接個所が角形鋼管10の曲部(円弧)に到着した後には、第2加速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS3−3)。この第2加速度は、第1加速度より早く、曲線部31aと溶接個所との位置関係に応じて徐々に加速する移動速度である。そして、曲線部31aの円弧の曲率中心と角形鋼管10の曲部(円弧)の溶接部分の曲率中心とを通る線(対称線)上に、台車41及び溶接個所が到着した場合には、第2減速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS3−4)。この第2減速度は、曲線部31aと溶接個所の位置関係に応じて徐々に減速する移動速度であり、対称線からの距離に対して、第2加速度と絶対値が同じ減速度になる。そして、溶接個所が角形鋼管10の直線部に到着したが、台車41が直線部31bにまだ到着していない場合には、第1減速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS3−5)。この第1減速度は、対称線からの距離に対して、第1加速度と絶対値が同じ減速度になる。そして、台車41が曲線部31aを過ぎて直線部31bに到着した場合には、直線速度にまで減速させて溶接ロボット40を移動させる(ステップS3−6)。
まず、溶接個所が角形鋼管10の円弧の溶接部分に到着するまでは直線速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS4−1)。そして、溶接個所が角形鋼管10の曲部(円弧)に到着したが、台車41が直線部31bに位置している場合には、第3減速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS4−2)。ここで、第3減速度は、直線速度より減速させた速度である。そして、台車41が曲線部31aに到着した後には、第4加速度で溶接ロボット40を移動させる(ステップS4−3)。この第4加速度は、曲線部31aと溶接個所の位置関係に応じて徐々に加速する移動速度である。そして、左右対称線上に台車41及び溶接個所が到着した場合には、第4減速度で移動させる(ステップS4−4)。この第4減速度は、曲線部31aと溶接個所の位置関係に応じて徐々に減速する速度であり、対称線からの距離に対して、第4加速度と絶対値が同じ減速度になる。その後、台車41が直線部31bに到着したが、溶接個所が角形鋼管10の直線の溶接部分に到着していない場合には、第3加速度で移動させる(ステップS4−5)。この第3加速度は、対称線からの距離に対して、第3減速度と絶対値が同じ加速度になる。そして、溶接個所が角形鋼管10の直線の溶接部分に到着した場合には、直線速度に減速させて溶接ロボット40を移動させる(ステップS4−6)。
これにより、ガイドレール30の円弧の中心位置と、角形鋼管10の溶接部分の円弧の中心位置の関係に応じて、溶接速度を一定として溶接するので、より的確に溶接を行なうことができる。
Claims (3)
- ガイドレール上を移動する溶接ロボットを用いて、多角形鋼管を溶接する溶接方法であって、
前記ガイドレールは、直線部と曲線部とを有し、前記多角形鋼管の外周に配置され、
前記溶接ロボットにより溶接する溶接部分の曲率中心の位置と、溶接時の前記溶接ロボットの所在位置の曲率中心の位置とが異なる場合に、単位時間あたりの前記溶接部分の長さが一定となるように、前記溶接ロボットの移動速度を制御することを特徴とする溶接方法。 - 前記曲線部における前記多角形鋼管との距離が、前記直線部における前記多角形鋼管との距離と異なる配置において、前記曲線部で単位時間あたりの前記溶接部分の長さが、前記直線部で前記単位時間あたりの前記溶接部分の長さと同じになるように、前記溶接ロボットの移動速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
- ガイドレール上を移動する溶接ロボットと、前記溶接ロボットを制御する制御部とを備え、多角形鋼管を溶接する溶接システムであって、
前記ガイドレールは、直線部と曲線部とを有し、前記多角形鋼管の外周に配置され、
前記制御部が、前記溶接ロボットにより溶接する溶接部分の曲率中心の位置と、溶接時の前記溶接ロボットの所在位置の曲率中心の位置とが異なる場合に、単位時間あたりの前記溶接部分の長さが一定となるように、前記溶接ロボットの移動速度を制御することを特徴とする溶接システム。
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