JP2020062675A - 現場溶接方法、及び現場溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現場溶接の自動化による作業性の向上を図ることが可能な現場溶接方法、及び現場溶接装置を提供することを目的とする。【解決手段】現場溶接方法は、溶接対象物の周囲に設置されたレール上を走行可能な多関節ロボットが溶接対象物に対する動作を行うことにより、溶接対象物における溶接対象箇所の開先の情報を取得する第1工程と、第1工程で取得された開先の情報に基づいて、レール上を走行可能な多関節ロボットが溶接対象物に対する動作を行うことにより、当該溶接対象箇所を溶接する第2工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、現場溶接方法、及び現場溶接装置に関する。
特許文献1には、自動溶接装置が記載されている。この自動溶接装置は、鉄鋼柱に装着された環状のレールと、当該レールに案内されて自走して鉄骨柱の周囲を周回する装置本体とからなり、装置本体は、溶接トーチと、溶接トーチ部の位置決めを行うためのセンサと、を備える。
特開2000−135594号公報
特許文献1に記載の自動溶接装置のように、建設現場における現場溶接の自動化が可能な装置が検討されている。しかしながら、上記の特許文献1に記載の自動溶接装置では、溶接トーチが、レールに沿って周回しながら、垂直移動、水平移動及び上下の首振り動作のみによって溶接を行うため、細かい動作が行えず、十分な溶接精度を得にくい場合がある。また、センサ及びトーチの動作に制限が多いため、溶接対象箇所の形状又は周辺設備等によっては溶接作業を分断させて行う必要が生じる場合がある。したがって、現場溶接の自動化による作業性の更なる向上が望まれていた。
本発明は、現場溶接の自動化による作業性の向上を図ることが可能な現場溶接方法、及び現場溶接装置を提供することを目的とする。
本発明に係る現場溶接方法は、溶接対象物の周囲に設置されたレール上を走行可能な多関節ロボットが溶接対象物に対する動作を行うことにより、溶接対象物における溶接対象箇所の開先の情報を取得する第1工程と、第1工程で取得された開先の情報に基づいて、レール上を走行可能な多関節ロボットが溶接対象物に対する動作を行うことにより、当該溶接対象箇所を溶接する第2工程と、を含む。
この現場溶接方法においては、多関節ロボットが溶接対象物に対する動作を行うことにより溶接するため、細かい動作を活かして溶接することができ、溶接精度が向上する。それに加えて、多関節ロボットが溶接対象物に対する動作を行うことにより開先の情報を取得するため、溶接と同程度の動作を活かして開先の情報を取得でき、実際に溶接する状態に対する再現性を高めることができる。したがって、この現場溶接方法によれば、現場溶接の自動化による作業性の向上を図ることが可能となる。
第2工程においては、レール上で走行を停止した状態の多関節ロボットが溶接対象物に対する動作を行うことにより、溶接対象箇所を溶接してもよい。この場合、多関節ロボットの単独の動作を制御して溶接することが可能となるため、処理負担が軽減できる。
本発明に係る現場溶接方法は、第1工程及び第2工程を含む作業工程と、作業工程の前に実行される準備工程と、を備え、準備工程においては、レールを搭載した状態で走行可能であるとともに、搭載した状態のレールを昇降可能な台車によって、レールを溶接対象物の周囲に設置し、作業工程は、レールが溶接対象物によって支持されることにより、レールが台車から離間された状態で実行されてもよい。この場合、レールを台車とは縁が切れた状態とすることで、多関節ロボットが開先の情報を取得するための動作(すなわち、第1工程)及び溶接するための動作(すなわち、第2工程)を行う際に、台車が載置された場所(例えば、現場の床面)からレールに振動が伝わることが抑制され、これに伴って多関節ロボットの動作への振動の影響が軽減される。そのため、多関節ロボットの動作の精度を向上できる。
また、本発明に係る現場溶接装置は、上記のいずれかの現場溶接方法に用いられる現場溶接装置であって、アーム先端部に開先センサを有し、第1工程で開先の情報を取得するための動作を行う多関節ロボットとして機能するセンサ用ロボットと、アーム先端部に溶接手段を有し、第2工程で溶接するための動作を行う多関節ロボットとして機能する溶接ロボットと、を含む複数のロボットと、複数のロボットが走行可能なレールと、を備える。
この現場溶接装置によれば、一のロボットによる開先の情報を取得するための動作(すなわち、第1工程)と別のロボットによる溶接するための動作(すなわち、第2工程)とを異なる溶接対象箇所で同時進行できるため、効率化が図られる。
また、本発明に係る現場溶接装置は、上記のいずれかの現場溶接方法に用いられる現場溶接装置であって、開先センサと溶接手段とを含む複数種類のツールを選択的に保持可能であり、第1工程で開先の情報を取得するための動作を行う多関節ロボットとして機能し、第2工程で溶接するための動作を行う多関節ロボットとして機能するロボットと、ロボットが走行可能なレールと、を備える。
この現場溶接装置によれば、1つのツールを保持し得るだけのサイズの1台のロボットと、当該ロボットが走行し得るサイズのレールと、によって開先の情報を取得するための動作(すなわち、第1工程)と溶接するための動作(すなわち、第2工程)とが行えるため、装置をコンパクト化できる。
また、本発明に係る現場溶接装置は、上記のいずれかの現場溶接方法に用いられる現場溶接装置であって、アーム先端部に開先センサと溶接手段とを有しており、第1工程で開先の情報を取得するための動作を行う多関節ロボットとして機能し、第2工程で溶接するための動作を行う多関節ロボットとして機能するロボットと、ロボットが走行可能なレールと、を備える。
この現場溶接装置によれば、一つの溶接対象箇所に対し、開先の情報を取得するための動作(すなわち、第1工程)と溶接するための動作(すなわち、第2工程)とが1台のロボットによって実行される。したがって、開先の情報を取得するための動作の誤差と、溶接するための動作の誤差とに共通して含まれる、当該ロボットに起因する誤差が相殺され、最終的に溶接誤差が低減される。また、開先の情報を取得するための動作と、溶接するための動作とを同時進行できるため、より精度のよい溶接が行える。
本発明に係る現場溶接装置において、ロボットは、レール上を走行する台座部と、台座部に対して相対的に回転する多関節アーム部と、を有し、台座部に対する多関節アーム部の回転軸線は、レールの高さ方向及び幅方向に対して傾斜してもよい。この場合、ロボットの可動空間を有効活用しやすい。
本発明に係る現場溶接方法及び現場溶接装置によれば、現場溶接の自動化による作業性の向上を図ることが可能な現場溶接方法、及び現場溶接装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る現場溶接方法及び現場溶接装置を概略的に示す斜視図である。 図2は、図1のレールを上方から見た平面図である。 図3は、図1のレール及びロボットを示す側面図である。 図4は、図1の台車を示す図であり、(a)が上方から見た平面図、(b)が(a)のIVB−IVB線に沿った断面である。 図5は、現場溶接方法の準備工程を説明するための平面図である。 図6は、現場溶接方法の準備工程を説明するための側面図である。 図7は、現場溶接方法の作業工程を説明するための平面図である。 図8は、現場溶接方法の作業工程を説明するための断面図である。 図9は、変形例に係るロボットを示す側面図である。 図10は、変形例に係るロボットを示す側面図である。
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。以下の説明においては、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
[現場溶接装置の構成]
まず、図1〜図4を参照して現場溶接装置の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る現場溶接方法及び現場溶接装置を概略的に示す斜視図である。図1に示される現場溶接装置1は、構造物2(例えば、柱)の施工現場において、溶接対象物Wに対する溶接を行うための装置である。本実施形態において、溶接対象物Wは、構造物2としての柱の一部を構成する複数の柱材3を有する。柱材3は、例えば角形(例えば四角形)の鋼管であり、複数(例えば4つ)の隅角部を有する。柱材3の各隅角部は、尖った形状を呈していてもよいが、本実施形態においては丸みを帯びた形状を呈している。複数の柱材3は、上下方向に重ねられ、互いに溶接されることによって柱を構成する。このように構成される柱は、例えば、ビル等の中高層の建築物の柱として用いられる。各柱材3は、このような建築物において3フロア分程度(例えば、10m)の高さを有する。換言すると、ビル等における柱は、3フロア分ごとに溶接されることで、全フロア分に相当する高さを有するように構成される。
図1では、柱材3として、下段に配置される柱材3Aと、上段に配置される柱材3Bとが示されている。柱材3Aは、更に下段に配置される柱材3及び基礎構造物等を介して支持地盤(不図示)等に支持されている。柱材3A,3Bは、互いの中心軸線を一致させるように配置される(以下では、柱材3A,3Bの中心軸線を合わせて「軸線Ax0」という。)。柱材3A,3Bの端面3a同士は、互いに同じ寸法形状を有しており、軸線Ax0まわりの全周に亘って互いに対向している。互いに対向する柱材3A,3Bの端面3aによって、溶接のための開先Gが形成される。現場溶接装置1は、この端面3a同士が対向する箇所(以下では、「溶接対象箇所Wa」という。)を溶接する。
柱材3A,3Bには、それぞれ、複数(例えば4つ)のエレクションピース4が設けられている。一例として、エレクションピース4は、柱材3A,3Bの各外側面3bの略中央部において、溶接対象箇所Waの近傍に溶接されている。柱材3Aに設けられたエレクションピース4と、柱材3Bに設けられたエレクションピース4とは、上下方向に沿って並んで配置され、建て方治具5によって互いに接続されている。このようなエレクションピース4及び建て方治具5によって、柱材3A,3Bが仮接続されている。
現場溶接装置1は、レール10と、複数(例えば2台)のロボット20と、複数(ロボット20と同数であって、ここでは2つ)のロボット設置用ブロック30と、台車40と、を備える。図2は、図1のレールを上方から見た平面図である。図3は、図1のレール及びロボットを示す側面図である。図4は、図1の台車を示す図である。なお、図2においては溶接対象物Wを二点鎖線で示し、図4(a)においては溶接対象物W及びレール10を二点鎖線で示し、図4(b)においてはレール10を二点鎖線で示している。
図1及び図2に示されるように、レール10は、溶接対象箇所Waの周囲を複数のロボット20が走行可能となるように設置される。レール10は、溶接対象物Wの周囲において、溶接対象箇所Waよりも低い高さに位置する。レール10の大きさは、当該レール10上を走行するロボット20の数量及び大きさ等に応じて適宜設定してよい。レール10は、レール本体11と、複数(ロボット20と同数であって、ここでは2つ)のキャリッジ12と、支持機構13と、位置決め機構14とを有する。
レール本体11は、柱材3Aの全周を囲む円環状を呈している。ここでは、レール本体11は、2つのアーチ部材11aを含み、当該2つのアーチ部材11aの端部同士が接続されることによって円環状を呈するように構成されている。2つのアーチ部材11aは、柱材3Aの4つの隅角部のうち互いに対向する2つの隅角部と対向する位置において、互いに接続されている。レール本体11は、その外周側及び内周側にそれぞれ位置する板状の外周側環状部11b及び内周側環状部11cを有する。図1〜図3に示されるように、外周側環状部11bは、軸線Ax0に沿う円環板状を呈している。内周側環状部11cは、軸線Ax0に直交する円環板状を呈している。
キャリッジ12は、レール本体11に設けられ、ロボット20をレール本体11に沿って走行させる機能を有する。キャリッジ12は、レール本体11の外周側環状部11bに摺動自在に係合している。キャリッジ12は、外周側環状部11bに対向する面と反対側に保持面12aを有する。キャリッジ12は、保持面12aにおいてロボット設置用ブロック30(詳細は後述)を介してロボット20を保持し、レール本体11上を摺動することによってレール本体11に沿ってロボット20を走行させる。
支持機構13は、レール本体11を溶接対象物Wによって支持するための機構である。図2に示されるように、支持機構13は、柱材3Aに固定された複数(例えば4つ)の第1支持部材13aと、第1支持部材13a上に設置された複数(例えば2つ)の第2支持部材13bとを有する。柱材3Aの4つの外側面3bのうち、互いに平行な2つの外側面3bのそれぞれに2つの第1支持部材13aが固定されている。4つの第1支持部材13aは、互いに同じ高さに固定され、各外側面3bから外方にそれぞれ延在している。2つの第2支持部材13bは、それぞれ、2つの第1支持部材13a上に架け渡されている。2つの第2支持部材13bは、第1支持部材13aが固定された各外側面3bに沿って、当該外側面3bの両端部を超えた位置まで延在している。2つの第2支持部材13b上には、レール本体11が設置される。
位置決め機構14は、レール本体11を溶接対象物Wに対して位置決めするための機構である。位置決め機構14は、4つのL字状の固定部材14aを含む。4つの固定部材14aは、全体として溶接対象物Wとしての柱材3Aを囲む形状をなすように、レール本体11にそれぞれ固定されている。各固定部材14aは、例えばボルト等の固定具B1によって、柱材3Aの隅角部に着脱自在に接合される。4つの固定部材14aが柱材3Aの隅角部にそれぞれ接合されることにより、レール本体11が柱材3Aに対して位置決めされる。
複数のロボット20は、それぞれ、溶接対象箇所Waに対する動作を行う。具体的に、複数のロボット20は、センサ用ロボット20Aと、溶接ロボット20Bとを含む。図3(a)は、ロボット20としてのセンサ用ロボット20Aを示している。図3(b)は、ロボット20としての溶接ロボット20Bを示している。センサ用ロボット20Aは、溶接対象箇所Waにおける開先Gの情報を取得するための動作を行う多関節ロボットである。溶接ロボット20Bは、溶接するための動作を行う多関節ロボットである。
図3に示されるように、各ロボット20は、例えば、汎用の垂直多関節型の6軸ロボットであって、先端部21(アーム先端部)と、台座部22と、台座部22に対する先端部21の位置及び姿勢を変更する多関節アーム部23と、先端部21に設けられたツール24と、ロボットコントローラ25とを有する。
台座部22は、ロボット設置用ブロック30に固定されることにより、レール10上を走行する。台座部22の下端には、フランジ部22aが設けられている。フランジ部22aには、例えばボルト等の固定具B2が挿通可能な複数の挿通孔が形成されている。
多関節アーム部23は、台座部22に対して相対的に回転する。多関節アーム部23は、旋回部23aと、2つの腕部23b,23cと、手首部23dと、複数(例えば6つ)の関節J1〜J6と、各関節J1〜J6にそれぞれ内蔵された複数(ここでは6つ)のアクチュエータ(不図示)とを有する。旋回部23a、腕部23b,23c及び手首部23dは、台座部22に対して直列に連結されている。
関節J1は、台座部22の上面に直交する回転軸線Ax1まわりに回転可能となるように、台座部22に対して旋回部23aを連結する。これにより、多関節アーム部23は、台座部22に対して回転軸線Ax1まわりに回転可能とされる。関節J2〜J5は、それぞれ、腕部23b,23c及び手首部23dを揺動可能に連結する。関節J6は、図に示す回転軸線Ax2まわりに回転可能となるように、手首部23dに対して先端部21を連結する。これにより、先端部21は、多関節アーム部23(特に手首部23d)に対して回転軸線Ax2まわりに回転可能とされる。アクチュエータは、ロボットコントローラ25の制御によって関節J1〜J6をそれぞれ駆動する。なお、ロボット20は、上記の構成に限定されない。ロボット20は、汎用の多関節ロボットのうちのいずれのロボットであってもよく、例えば冗長関節(不図示)を更に有する7軸ロボットでもよく、5軸以下のロボットでもよい。
ツール24としては、センサ用ツール24Aと、溶接ツール24Bとが挙げられる。センサ用ツール24Aは、センサ用ロボット20Aの先端部21に設けられている。センサ用ツール24Aは、開先Gの情報を取得する開先センサ24aと、開先センサ24aを先端部21に装着する装着部24bとを含む。開先センサ24aは、接触式のセンサ(例えばタッチセンサ)であってもよいが、本実施形態においては、非接触式で開先Gの位置情報を取得可能なセンサ(例えばレーザーセンサ)である。開先センサ24aには、スリット(不図示)が設けられていてもよい。
溶接ツール24Bは、溶接ロボット20Bの先端部21に設けられている。溶接ツール24Bは、溶接対象箇所Waを溶接する溶接手段24cと、溶接手段24cを先端部21に装着する装着部24dとを含む。本実施形態において、溶接手段24cは、溶接用のトーチである。なお、溶接手段24cは、溶接のためのレーザービームを発振するレーザー発振器等であってもよい。各ツール24は、ロボットコントローラ25の制御によって開先Gの情報の取得、又は、溶接対象箇所Waの溶接を行う。
ロボット設置用ブロック30は、各キャリッジ12の保持面12aに、例えば溶接等によって取り付けられている。ロボット設置用ブロック30は、ロボット20を取り付けるための取付座面30aを有する。取付座面30aには、上述した固定具B2によってロボット20の台座部22が固定される。
ロボット設置用ブロック30は、回転軸線Ax1をレール本体11の高さ方向(ここでは、上下方向)及び幅方向(ここでは、水平方向)に対して傾斜させた状態で、取付座面30a上に各ロボット20を保持している。これにより、各ロボット20における台座部22に対する多関節アーム部23の回転軸線Ax1は、柱材3A,3Bの軸線Ax0に平行しておらず、直交もしていない。また、ロボット設置用ブロック30は、回転軸線Ax1がレール本体11の径方向に沿うように、各ロボット20を保持している(図7参照)。図1及び図3に示されるように、ロボット設置用ブロック30は、三角柱形状を呈しており、取付座面30aとキャリッジ12の保持面12aとが角度θをなすように配置される。角度θは、30°である。これにより、各ロボット20は、回転軸線Ax1がレール10の幅方向に対して30°傾斜して配置される。なお、角度θは、各ロボット20の可動空間に応じて適宜設定してよい。
台車40は、レール10を搭載した状態で走行可能であるとともに、搭載した状態のレール10を昇降可能である。図4(a)は、台車40を上方から見た平面図、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線に沿った断面図である。台車40は、現場の床面(例えば、構造物2としての柱が用いられる建築物の所定のフロア(例えば3階)の床面)上に配置されている。台車40は、複数(例えば4つ)の載置部41と、複数(載置部41と同数であって、ここでは4つ)の昇降機構42と、支持部43と、複数(例えば、10個〜20個)の車輪44とを有する。
載置部41は、レール10のアーチ部材11aを載置させる載置面41aを有する。複数の載置部41の載置面41a同士は、互いに同じ高さに位置している。アーチ部材11aは、複数の載置面41aに載置されることにより、台車40に搭載される。載置部41には、上下方向に貫通する軸孔41hが形成されている。
複数の昇降機構42は、アーチ部材11aを昇降させる機能を有する。昇降機構42は、上下方向に延在する昇降ガイド42aと、昇降ガイド42aに沿って昇降可能な昇降ブロック42bとを有する。一例として、昇降ガイド42aは、ボールネジであって、載置部41の軸孔41hに挿通している。昇降ブロック42bは、ナットであって、載置部41を支持するとともに、昇降ガイド42aに螺合している。複数の昇降機構42の昇降ブロック42b同士は、互いに同じ高さに載置部41を支持するように、例えば電動モータ(不図示)等の動力によって、同時に昇降ガイド42aに沿って昇降する。なお、昇降機構42の数及び昇降機構42の位置は、アーチ部材11aの重量及び形状等に応じて適宜設定してよい。
支持部43は、昇降機構42を介してアーチ部材11aを支持する。支持部43は、現場の床面に沿う平坦なフレーム状を呈している。本実施形態において、支持部43は、長尺状の複数の板部材43aを有し、当該複数の板部材43aが互いに連結されることにより、全体としてアーチ部材11aの外径と同程度の幅を有するフレーム状をなしている。板部材43a上には、昇降ガイド42aの下端部が固定されている。支持部43は、互いに平行な一対の側部43bと、一対の側部43bの一方側同士を連結する前方部43cと、一対の側部43bの他方側同士を連結する後方部43dとを有する。前方部43cは、一対の側部43bの一方側同士よりも後方部43d側に向けて凹むV字形状を呈している。これにより、支持部43の当該前方部43c側には溶接対象物Wにより近づくことが可能な差し込み空間SPが形成されている。
複数の車輪44は、アーチ部材11aを搭載した状態で走行可能とする機能を有する。具体的に、複数の車輪44は、アーチ部材11aを支持した状態の支持部43を床面に沿って走行可能に支持する。車輪44は、支持部43の下面に設けられた取付板44aを介して支持部43に取り付けられている。本実施形態においては、複数(例えば、2個〜6個)の車輪44が1つの取付板44aに取り付けられ、複数(例えば4つ)の当該取付板44aを介して全ての車輪44が支持部43に取り付けられている。なお、車輪44の数、取付板44aの数、及びこれらの支持部43に対する位置は、アーチ部材11aの重量及び形状等に応じて適宜設定してよい。
[現場溶接方法]
続いて、図5〜図8を参照し、上記の現場溶接装置1を用いた現場溶接方法について説明する。現場溶接方法は、準備工程と、作業工程とを有する。準備工程は、作業工程の前に実行される。図5は、現場溶接方法の準備工程を説明するための平面図である。図6は、現場溶接方法の準備工程を説明するための側面図である。
準備工程においては、まず、レール10のアーチ部材11aを溶接対象物Wの周囲(ここでは、図5において二点鎖線で示す位置P1)まで搬送する。具体的には、図5に示されるように、台車40の複数の載置部41に1つのアーチ部材11aを搭載し、その状態で、台車40を溶接対象物Wに向けて走行させる。このとき、支持部43の前方部43c側の差し込み空間SPに、溶接対象物Wの隅角部を差し込むように、台車40を溶接対象物Wに近づける(図4(a)を併せて参照)。台車40によって位置P1に搬送されたアーチ部材11aは、図6(a)に示されるように、床面上に台車40によって支持された状態である。
次に、アーチ部材11aを位置P1に設置する。具体的には、図6(b)に示されるように、昇降機構42によって載置部41を降下させることでアーチ部材11aを降下させる。このとき、載置面41aが第2支持部材13bの上面よりも低い位置となるまで、昇降ブロック42bを昇降ガイド42aに沿って下降させる。これにより、アーチ部材11aが第2支持部材13b上に載置され、載置部41から離間する。換言すると、アーチ部材11aは、支持機構13を介して溶接対象物Wに支持されることにより、台車40に対して縁が切れた状態(すなわち、台車40とは直接的な影響を及ぼし合わない状態)となる。その状態で、アーチ部材11aを位置決め機構14によって溶接対象物W(ここでは、柱材3A)に対して位置決めする(図2参照)。以上により、位置P1へのアーチ部材11aの設置が完了する。
次に、位置P1に設置されたアーチ部材11aと同様にして、別のアーチ部材11aを溶接対象物Wの周囲(ここでは、図5において二点鎖線で示す位置P2)まで搬送し、当該アーチ部材11aを位置P2に設置する。位置P1へのアーチ部材11aの設置と、位置P2へのアーチ部材11aの設置とは、例えば1つの台車40によって順に実行してもよいし、2つの台車40によって並行して実行してもよい。なお、アーチ部材11aが位置P1又は位置P2において台車40に対して縁が切れた状態となったら、台車40を当該アーチ部材11aから離間させてもよい。
また、位置P1,P2への各アーチ部材11aの設置は、アーチ部材11aにキャリッジ12が係合し、キャリッジ12に取り付けられたロボット設置用ブロック30にロボット20が取り付けられた状態で実行してもよい。または、位置P1,P2の少なくとも一方へのアーチ部材11aの設置の後に、当該アーチ部材11aにキャリッジ12を係合してもよい。キャリッジ12に取り付けられたロボット設置用ブロック30へのロボット20の取り付けは、アーチ部材11aにキャリッジ12を係合する前であってもよいし後であってもよい。
2つのアーチ部材11aが位置P1,P2にそれぞれ設置され、2つのキャリッジ12が当該2つのアーチ部材11a(すなわち、レール本体11)に係合し、各ロボット20がキャリッジ12のロボット設置用ブロック30に取り付けられた状態となったら、準備工程が完了する。このとき、レール10は、溶接対象物Wの周囲に設置され、溶接対象物Wに支持された状態である。
準備工程が完了した後、作業工程が実行される。作業工程は、レール10が溶接対象物Wによって支持されることにより、レール10が台車40から離間された状態で実行される。図7は、現場溶接方法の作業工程を説明するための平面図である。図8は、現場溶接方法の作業工程を説明するための断面図である。
作業工程は、図7(a)に示される第1工程と、図7(b)に示される第2工程とを含む。第1工程においては、図1及び図7(a)に示されるように、レール10上で走行を停止した状態のセンサ用ロボット20Aが溶接対象物Wに対する動作を行うことにより、溶接対象箇所Waの開先Gの情報を取得する。なお、図7(a)においては、溶接ロボット20Bの図示を省略している。センサ用ロボット20Aは、はじめに、柱材3Aの一の隅角部に対向する位置において停止し、この位置から動作経路R1に亘って先端部21のセンサ用ツール24Aを動かして溶接対象箇所Waのうちの一部(ここでは、半分)の開先Gの情報を取得する。具体的には、センサ用ロボット20Aは、図8(a)に示されるように、柱材3A,3Bの内側面3cに設けられた裏当金物6、及び、柱材3A,3Bの各端面3aによって形成される開先Gの情報を取得する。これにより、1つの第1工程が完了する。その後、センサ用ロボット20Aは、レール10上において、軸線Ax0まわりに180°走行した位置に移動する。
次に、第2工程を行う。第2工程においては、第1工程で取得された開先Gの情報に基づいて、図7(b)に示されるように、レール10上で走行を停止した状態の溶接ロボット20Bが、溶接対象物Wに対する動作を行うことにより、溶接対象箇所Waを溶接する。溶接ロボット20Bは、はじめに、柱材3Aの上記一の隅角部に対向する位置において停止し、この位置から動作経路R1に亘って先端部21の溶接ツール24Bを動かして溶接対象箇所Waのうちの一部(ここでは、半分)を溶接する。具体的には、図8(a)の破線に示されるように、溶接材Mを用いて開先Gの溶接を行う。これにより、1つの第2工程が完了する。
このとき、図7(b)に示されるように、センサ用ロボット20Aは、柱材3Aの上記一の隅角部とは別の隅角部に対向する位置において停止した状態で、この位置から動作経路R2に亘って先端部21のセンサ用ツール24Aを動かして溶接対象箇所Waのうちの残部(ここでは、半分)の開先Gの情報を取得する。すなわち、センサ用ロボット20Aと溶接ロボット20Bとは、軸線Ax0まわりに180°の角度ピッチで互いに異なる位置において、第1工程及び第2工程を同時進行する。なお、同時進行するとは、第1工程及び第2工程を完全に同時に実行する場合に限定されず、第1工程及び第2工程をほぼ同時に実行する場合も含む。
以後、センサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bは、レール10上において、軸線Ax0まわりに180°走行した位置ごとに、動作経路R1又は動作経路R2に亘って第1工程及び第2工程を繰り返し実行する。例えば、センサ用ロボット20Aは、図8(b)に示されるように、複数回目(図8(b)においては、5回目)の第1工程として、溶接ロボット20Bが複数回(ここでは、4回)第2工程を行った後の柱材3A,3Bの各端面3a及び溶接材Mによって形成される開先Gの情報を取得する。これにより、溶接ロボット20Bは、図8(b)の破線に示されるように、複数回目(ここでは、5回目)の第2工程において、直前の第1工程で取得された開先Gの情報に基づいて、溶接材Mの量を調節しながら、対応する溶接対象箇所Waの溶接を行うことが可能となる。
図8(c)に示されるように、柱材3A,3Bの各端面3aのすべて(すなわち、溶接対象箇所Waのすべて)が溶接された状態となったら、建て方治具5(図1参照)を撤去するとともに、各エレクションピース4(図1参照)を柱材3A,3Bからそれぞれ切断する。なお、現場溶接装置1は、建て方治具5の撤去及びエレクションピース4の切断を行うことが可能なロボット20を更に備えていてもよく、当該ロボット20によって建て方治具5の撤去及びエレクションピース4の切断を行ってもよい。以上によって現場溶接方法が完了する。
[作用]
以上のように、本実施形態に係る現場溶接方法においては、多関節ロボットである溶接ロボット20Bが溶接対象物Wに対する動作を行うことにより溶接するため、細かい動作を活かして溶接することができ、溶接精度が向上する。また、溶接ロボット20Bによれば、柱材3Aに設けられたエレクションピース4と、柱材3Bに設けられたエレクションピース4との隙間でも溶接作業が行えるため、建て方治具5が取り付けられたままの状態であっても柱材3A,3Bの端面3aの全周(すなわち、溶接対象箇所Waの全周)を溶接することができ、溶接作業を分断する手間が省略される。それに加えて、多関節ロボットであるセンサ用ロボット20Aが溶接対象物Wに対する動作を行うことにより開先Gの情報を取得するため、溶接と同程度の動作を活かして開先Gの情報を取得でき、実際に溶接する状態に対する再現性を高めることができる。したがって、この現場溶接方法によれば、現場溶接の自動化による作業性の向上を図ることが可能となる。
第1工程においては、レール10上で走行を停止した状態のセンサ用ロボット20Aが溶接対象物Wに対する動作を行うことにより、開先Gの情報を取得する。これにより、センサ用ロボット20Aの単独の動作を制御して、開先Gの情報を取得することが可能となる。また、第2工程においては、レール10上で走行を停止した状態の溶接ロボット20Bが溶接対象物Wに対する動作を行うことにより、溶接対象箇所Waを溶接する。これにより、溶接ロボット20Bの単独の動作を制御して、溶接することが可能となる。したがって、センサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bの制御のための処理負担が軽減できる。
本実施形態に係る現場溶接方法は、第1工程及び第2工程を含む作業工程と、作業工程の前に実行される準備工程と、を備え、準備工程においては、レール10を搭載した状態で走行可能であるとともに、搭載した状態のレール10を昇降可能な台車40によって、レール10を溶接対象物Wの周囲に設置し、作業工程は、レール10が溶接対象物Wによって支持されることにより、レール10が台車40から離間された状態で実行される。これにより、レール10を台車40とは縁が切れた状態とすることで、センサ用ロボット20Aが開先Gの情報を取得するための動作、及び溶接ロボット20Bが溶接するための動作を行う際に、台車40が載置された場所(ここでは、現場の床面)からレール10に振動が伝わることが抑制され、これに伴ってセンサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bの動作への振動の影響が軽減される。そのため、センサ用ロボット20A及び溶接ロボット20B(特に、溶接ロボット20B)の動作の精度を向上できる。
また、本実施形態に係る現場溶接装置1は、上記の現場溶接方法に用いられ、先端部21に開先センサ24aを有し、第1工程で開先Gの情報を取得するための動作を行う多関節ロボットとして機能するセンサ用ロボット20Aと、先端部21に溶接手段24cを有し、第2工程で溶接するための動作を行う多関節ロボットとして機能する溶接ロボット20Bと、を含む複数のロボット20と、複数のロボット20が走行可能なレール10と、を備える。
この現場溶接装置によれば、一のロボット20(ここでは、センサ用ロボット20A)による開先Gの情報を取得するための動作(すなわち、第1工程)と別のロボット20(ここでは、溶接ロボット20B)による溶接するための動作(すなわち、第2工程)とを異なる溶接対象箇所Waで同時進行できるため、効率化が図られる。
本実施形態に係る現場溶接装置1において、ロボット20(ここでは、センサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bのそれぞれ)は、レール10上を走行する台座部22と、台座部22に対して相対的に回転する多関節アーム部23と、を有し、台座部22に対する多関節アーム部23の回転軸線Ax1は、レール10の高さ方向及び幅方向に対して傾斜している。これにより、ロボット20の可動空間を有効活用しやすい。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。図9及び図10は、変形例に係るロボットを示す側面図である。現場溶接装置1は、センサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bを含む複数のロボット20に代えて、1台のロボット20(例えば、図9に示されるロボット20C、又は図10に示されるロボット20D)を備えていてもよい。
図9に示されるように、ロボット20Cは、ツール24としてのセンサ用ツール24A及び溶接ツール24Bに代えて、保持部24Cを備える点でセンサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bとそれぞれ相違し、その他の点においてセンサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bと同様の構成を備える。保持部24Cは、センサ用ツール24Aと溶接ツール24Bとを含む複数種類のツール24を選択的に保持可能である。保持部24Cは、例えば汎用のツールチェンジャーであって、マスターシリンダ24eと、複数(例えば2つ)のツールアダプタ24fとを有する。
マスターシリンダ24eは、ロボット20Cの先端部21に設けられている。複数のツールアダプタ24fのうちの1つには、上述したセンサ用ツール24Aが設けられている。複数のツールアダプタ24fのうちの別の1つには、上述した溶接ツール24Bが接続されている。マスターシリンダ24eは、ツールアダプタ24fと接続するためのマスター側ポート部24pを有する。各ツールアダプタ24fは、マスターシリンダ24eと接続するためのツール側ポート部24hを有する。ツール側ポート部24hは、マスター側ポート部24pに嵌合可能に構成されている。
ロボット20Cは、マスターシリンダ24eのマスター側ポート部24pと、センサ用ツール24Aが設けられたツールアダプタ24fのツール側ポート部24hとが互いに接続されることによって、センサ用ロボット20Aと同様の機能を有する。すなわち、当該ロボット20Cは、第1工程で溶接対象箇所Waにおける開先Gの情報を取得するための動作を行う多関節ロボットとして機能する。また、ロボット20Cは、マスターシリンダ24eのマスター側ポート部24pと、溶接ツール24Bが設けられたツールアダプタ24fのツール側ポート部24hとが互いに接続されることによって、溶接ロボット20Bと同様の機能を有する。すなわち、当該ロボット20Cは、第2工程で溶接するための動作を行う多関節ロボットとして機能する。
本変形例に係る現場溶接装置1を用いた現場溶接方法においては、作業工程において、センサ用ロボット20Aと溶接ロボット20Bとが第1工程及び第2工程を同時進行することに代えて、ロボット20Cが第1工程のみを実行した後に第2工程のみを実行する点で上記実施形態に係る現場溶接方法を相違し、その他の点においては上記実施形態に係る現場溶接方法と同様に行うことができる。より具体的には、動作経路R1から動作経路R2に亘って第1工程を実行した後、センサ用ツール24Aが設けられたツールアダプタ24fと溶接ツール24Bが設けられたツールアダプタ24fとを付け替えて、動作経路R1から動作経路R2に亘って第2工程を実行し、以後、各ツールアダプタを付け替えながら第1工程及び第2工程を繰り返し実行する。
なお、保持部24Cは、建て方治具5の撤去が可能なツール(不図示)及びエレクションピース4の切断を行うことが可能なツール(不図示)を更に選択的に保持可能であってもよい。例えば、保持部24Cは、上記の2つのツールアダプタ24fに加え、建て方治具5の撤去が可能なツールが設けられたツールアダプタ(不図示)と、エレクションピース4の切断を行うことが可能なツールが設けられたツールアダプタ(不図示)とを有していてもよい。この場合、これらの各ツールアダプタに付け替えて、ロボット20Cによって建て方治具5の撤去及びエレクションピース4の切断を行ってもよい。
これにより、ロボット20Cは、マスターシリンダ24eのマスター側ポート部24pと、建て方治具5の撤去が可能なツールが設けられたツールアダプタのツール側ポート部(不図示)とが互いに接続されることによって、建て方治具5の撤去を行うための多関節ロボットとして機能する。また、ロボット20Cは、マスターシリンダ24eのマスター側ポート部24pと、エレクションピース4の切断を行うことが可能なツールが設けられたツールアダプタのツール側ポート部(不図示)とが互いに接続されることによって、エレクションピース4の切断を行うための動作を行う多関節ロボットとして機能する。
以上のように、図9に示されるロボット20Cを備える現場溶接装置1によれば、1つのツール24(ここでは、センサ用ツール24A及び溶接ツール24Bのうちのいずれか一方)を保持し得るだけのサイズの1台のロボット20(ここでは、ロボット20C)と、当該ロボット20が走行し得るサイズのレール10と、によって開先Gの情報を取得するための動作(すなわち、第1工程)と溶接するための動作(すなわち、第2工程)とが行えるため、装置をコンパクト化できる。
また、図10に示されるロボット20Dは、センサ用ツール24A及び溶接ツール24Bに代えて、ツール24としての保持ツール24Dを備える点でセンサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bとそれぞれ相違し、その他の点においてセンサ用ロボット20A及び溶接ロボット20Bと同様の構成を備える。保持ツール24Dは、上述した開先センサ24a及び溶接手段24cと、開先センサ24a及び溶接手段24cを先端部21に装着する装着部24gとを含む。
これにより、ロボット20Dは、第1工程で溶接対象箇所Waにおける開先Gの情報を取得するための動作を行う多関節ロボットとして機能するとともに、第2工程で溶接するための動作を行う多関節ロボットとして機能する。
本変形例に係る現場溶接装置1を用いた現場溶接方法においては、作業工程において、センサ用ロボット20Aと溶接ロボット20Bとが互いに異なる位置において第1工程及び第2工程をそれぞれ行っていたことに代えて、ロボット20Dが同じ位置において第1工程及び第2工程を同時進行する点で上記実施形態に係る現場溶接方法を相違し、その他の点においては上記実施形態に係る現場溶接方法と同様に行うことができる。より具体的には、溶接対象箇所Waに対し、先端部21の保持ツール24Dを動かし、開先センサ24aによって開先Gの情報を取得しながら、当該開先センサ24aによって取得した開先Gの情報に基づいて、溶接手段24cによって溶接する。すなわち、同じ溶接対象箇所Waにおける第1工程と第2工程とをロボット20Dによって同時進行する。
以上のように、図10に示されるロボット20Dを備える現場溶接装置1によれば、一つの溶接対象箇所Waに対し、開先Gの情報を取得するための動作(すなわち、第1工程)と溶接するための動作(すなわち、第2工程)とが1台のロボット20(ここでは、ロボット20D)によって実行される。したがって、開先の情報を取得するための動作の誤差と、溶接するための動作の誤差とに共通して含まれる、当該ロボット20に起因する誤差が相殺され、最終的に溶接誤差が低減される。また、開先の情報を取得するための動作と、溶接するための動作とを同時進行できるため、より精度のよい溶接が行える。
また、柱材3(すなわち、溶接対象物Wを構成する部材)は、角形の鋼管に限定されず、例えばH形鋼等であってもよいし、複数のH形鋼等が連結されて構成される十字形状又はT字形状等の部材であってもよい。本発明に係る現場溶接方法及び現場溶接装置1は、溶接対象物Wの周囲に設置されたレール10に沿って複雑な動作を行うことができる多関節ロボットであるロボット20が、開先Gの情報の取得、及び溶接対象箇所Waの溶接を行うため、溶接対象物Wが複雑な形状(例えば、H形状、十字形状、又はT字形状等)の部材によって構成される場合であっても適用可能である。
また、溶接対象物Wは、柱の一部を構成する複数の柱材3に限定されない。溶接対象物Wは、柱以外の構造物(例えば、梁、壁、天井等)の一部を構成する複数の部材であってもよい。また、溶接対象物Wが構造物を構成する単一部材であり、溶接対象箇所Waが当該溶接対象物Wの一部分であってもよい。
本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、上述した実施形態等に記載されている技術的事項を利用して変形例を構成することも可能である。各実施形態等の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
1…現場溶接装置、2…構造物、3,3A,3B…柱材、10…レール、20,20C,20D…ロボット、20A…センサ用ロボット、20B…溶接ロボット、21…先端部(アーム先端部)、22…台座部、23…多関節アーム部、24…ツール、24a…開先センサ、24c…溶接手段、40…台車、Ax1…回転軸線、G…開先、W…溶接対象物、Wa…溶接対象箇所。

Claims (7)

  1. 溶接対象物の周囲に設置されたレール上を走行可能な多関節ロボットが前記溶接対象物に対する動作を行うことにより、前記溶接対象物における溶接対象箇所の開先の情報を取得する第1工程と、
    前記第1工程で取得された前記開先の情報に基づいて、前記レール上を走行可能な多関節ロボットが前記溶接対象物に対する動作を行うことにより、当該溶接対象箇所を溶接する第2工程と、を含む現場溶接方法。
  2. 前記第2工程においては、前記レール上で走行を停止した状態の前記多関節ロボットが前記溶接対象物に対する動作を行うことにより、前記溶接対象箇所を溶接する、請求項1に記載の現場溶接方法。
  3. 前記第1工程及び前記第2工程を含む作業工程と、
    前記作業工程の前に実行される準備工程と、を備え、
    前記準備工程においては、前記レールを搭載した状態で走行可能であるとともに、搭載した状態の前記レールを昇降可能な台車によって、前記レールを前記溶接対象物の周囲に設置し、
    前記作業工程は、前記レールが前記溶接対象物によって支持されることにより、前記レールが台車から離間された状態で実行される、請求項1又は2に記載の現場溶接方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の現場溶接方法に用いられる現場溶接装置であって、
    アーム先端部に開先センサを有し、前記第1工程で前記開先の情報を取得するための動作を行う前記多関節ロボットとして機能するセンサ用ロボットと、
    アーム先端部に溶接手段を有し、前記第2工程で溶接するための動作を行う前記多関節ロボットとして機能する溶接ロボットと、を含む複数のロボットと、
    前記複数のロボットが走行可能な前記レールと、を備える、現場溶接装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の現場溶接方法に用いられる現場溶接装置であって、
    開先センサと溶接手段とを含む複数種類のツールを選択的に保持可能であり、前記第1工程で前記開先の情報を取得するための動作を行う前記多関節ロボットとして機能し、前記第2工程で溶接するための動作を行う前記多関節ロボットとして機能するロボットと、
    前記ロボットが走行可能な前記レールと、を備える、現場溶接装置。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の現場溶接方法に用いられる現場溶接装置であって、
    アーム先端部に開先センサと溶接手段とを有しており、前記第1工程で前記開先の情報を取得するための動作を行う前記多関節ロボットとして機能し、前記第2工程で溶接するための動作を行う前記多関節ロボットとして機能するロボットと、
    前記ロボットが走行可能な前記レールと、を備える、現場溶接装置。
  7. 前記ロボットは、前記レール上を走行する台座部と、前記台座部に対して相対的に回転する多関節アーム部と、を有し、
    前記台座部に対する前記多関節アーム部の回転軸線は、前記レールの高さ方向及び幅方向に対して傾斜する、請求項4〜6のいずれか一項に記載の現場溶接装置。

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