JPH0679459A - 長円形管の溶接方法及び装置 - Google Patents

長円形管の溶接方法及び装置

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JPH0679459A
JPH0679459A JP23603892A JP23603892A JPH0679459A JP H0679459 A JPH0679459 A JP H0679459A JP 23603892 A JP23603892 A JP 23603892A JP 23603892 A JP23603892 A JP 23603892A JP H0679459 A JPH0679459 A JP H0679459A
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重政 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長円形管の溶接装置を小型安価なものにする
と共に、トーチ角度及び溶接速度を常に一定に保つよう
にする。 【構成】 溶接トーチ1を備えた溶接台車10を長円形
管100の周りに円形ガイドレール12に沿って回転さ
せ、その時溶接点Pの近傍側方を倣いセンサ3で倣わせ
ることにより管表面の傾斜を検出しトーチをR軸18上
で半径方向に移動させると共に円弧ガイド24上で傾動
させてトーチ角度を一定に保ち、かつポテンショメータ
21によりR軸の変位を検出し、管中心から溶接点まで
の距離に応じて該ポテンショメータの出力を折れ線型ア
ンプ30を経由させることにより台車速度を制御し溶接
速度を一定に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長円形断面(楕円断面
を含む)を有する管の周溶接方法及びその溶接装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的なパイプ、すなわち円形断面の管
に対する自動円周溶接方法は、管固定式、管回転式とも
に、従来から多数提案されている。しかしながら長円形
管に対するものは用途が少ないこともあり少ない。例え
ば特公昭57−60110号公報の技術は、直接、長円
形管に対するものではないが、ある面で本発明の先行技
術をなすものとして存在する。
【0003】長円形管の溶接の場合の問題点は以下のよ
うである。すなわち図10に示すように、通常の円形パ
イプと同じように、長円形管100の周りに円形ガイド
レール12を配置して、溶接台車10に設置した溶接ト
ーチ1を長円形管100の周りに回転(円運動)させて
溶接しようとする場合、2つの問題が生じる。
【0004】第一点は、溶接トーチ角度が溶接位置によ
り変化することであり、第二点は、溶接速度(長円形管
の周方向の溶接トーチ先端の線速度)が変化することで
ある。正しい溶接を行おうとすると、溶接トーチ角度と
溶接速度は常に一定に保たれねばならない。しかるに、
長円形管の場合は、図10に示すようにA点におけるト
ーチ角度θ0 がB点ではθ1 になってしまう。また溶接
速度もv0 がv1 に変化してしまう。これらの変化を回
転角度が0°〜90°の範囲で図示すると、図11,図
12のようになる。
【0005】図11は溶接台車の回転角度(0°〜90
°)に対するトーチ角度の変化を示したものであり、ト
ーチ角度は長円形管の溶接位置における接線または法線
とトーチ軸とのなす角度を指し、図10の長円形管の例
ではトーチ角度は一般にV字形に変化する。また図12
は同じく溶接台車の回転角度(0°〜90°)に対する
線速度の変化を無次元化量で表したものである。線速度
つまり溶接速度は長円形管の溶接位置における接線方向
の速度であり、溶接台車の角速度を一定とした場合、図
12に示すように長円形管の直線部における溶接速度の
変化が円弧部のそれに比べて大きい。また長円形管の直
線部では溶接速度は凹曲線状に変化し、円弧部では直線
的に変化する。
【0006】従って、前記のように時々刻々に変化する
トーチ角度と溶接速度を正確に補正しながら、常にトー
チ角度と溶接速度を一定に保って溶接を行おうとすれ
ば、コンピュータを組み込んだ複雑で高価なシステムが
必要となり、例えば、現場におけるポータブルな自動溶
接機には適用し難いものである。
【0007】このような事情に鑑み、前記特公昭57−
60110号公報は現場にての溶接システムに適した技
術を開示している。この技術は、接触式の倣い方式を採
用したものであり、溶接方向に対して僅かなずれを有す
る2本のスタイラスを用いて、溶接トーチ近傍の側方の
母材表面を接触式で倣わせることにより、垂直方向の変
位と2本のスタイラス間の相対的な高さ変位を検出し、
このセンサ出力でもって、溶接トーチの水平軸、垂直
軸、及び角度軸を制御し、母材の傾斜面に対応してトー
チ位置とトーチ角度を一定に保つとともに、傾斜角に応
じて溶接速度を制御することとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術は主としてLNGタンクなどに使用されるコルゲート
メンブレンの重ね隅肉溶接を対象としたものであり、長
円形管の周溶接に対するものではない。長円形管の場合
はコルゲートメンブレンに比べて母材形状が比較的単純
であるから制御方法も簡単になるとはいえ、前述のよう
にトーチ角度及び溶接速度の2つの面で問題点を内包し
ていることに変わりはなく、しかもそれらの変化がコル
ゲートメンブレンの場合とはまた違った特有の変化を呈
することも図11,図12から明らかである。
【0009】従って、本発明は、前記先行技術を基礎に
長円形管に適用できるように応用したものであり、その
目的とするところは、装置の小形化、安価に大いに寄与
し、長円形管の現場溶接に適した溶接方法及び装置を得
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題、すなわ
ちトーチ角度を長円形管の溶接位置に拘らず常に一定に
保つという課題は、本発明において、前記先行技術と同
様の接触式倣い方式を採用することで容易に解決するこ
とができる。この倣いセンサは溶接方向に対して僅かな
ずれを有する2本のスタイラスを備えており、溶接点の
側方で長円形管の表面に各スタイラス先端を接触させて
倣わせ、両スタイラス間に生じる相対的な高低差を検出
することにより長円形管の該溶接点での傾斜を検知し、
その高低差に基づく出力信号で溶接トーチの姿勢制御軸
つまりトーチ角度のθ軸を制御することにより、トーチ
角度を常に一定に保つことができる。なお、トーチ狙い
角度は突合せ溶接の場合は90°であるが、フランジ等
との隅肉溶接の場合は45°〜60°位に傾斜される。
【0011】次に、前記第2の課題、すなわち溶接速度
を常に一定に保つという課題は、図6に示すように長円
形管の中心Oから溶接点Pまでの距離(線分OPの長
さ)によって溶接速度線図が折れ線で近似できることに
着目しこれを利用することで解決される。この場合、線
分OPの長さを知る必要があるが、この長さは溶接トー
チの半径方向の制御軸であるR軸の変位を検出すること
によって容易に判明する。そこで、倣いセンサの一方の
スタイラスによりその変位を検出し、該スタイラスの変
位に基づく出力信号でR軸を制御するとともに、該R軸
の変位量をポテンショメータ等で検出すれば線分OPの
長さが判る。ここにおいて、長円形管の中心Oから溶接
点Pまでの距離は、常時該ポテンショメータによって与
えられることになる。溶接速度を等速にするには、この
ポテンショメータの出力を、溶接台車の制御軸(α軸)
の指令入力とし、かつ、図7に示すように溶接速度線図
と反対の特性を持つ折れ線型アンプを経由させることに
より容易に実現できる。図7のような折れ点(ポール)
が一つのアンプはリニアアンプと同様、広く使用されて
いるから入手も容易である。
【0012】従って、以上の2つの課題を同時に解決す
るべく、本発明は、下記のような構成としたことに特徴
を有する長円形管の溶接方法である。 溶接トーチは、円軌道の半径方向の位置を制御するR
軸と、トーチ角度を制御するθ軸と、前記円軌道上の回
転速度を制御するα軸とを有する。 溶接方向に対して僅かなずれを有し、長円形管の表面
に接触する2本のスタイラスを備えた倣いセンサを前記
溶接トーチの側方に該溶接トーチと一体に傾動するよう
に設ける。 前記倣いセンサの一方のスタイラスの変位による出力
信号により、前記R軸を制御するとともに該R軸の変位
を変位検出器により検出する。 前記倣いセンサの両方のスタイラスの相対変位による
出力信号により前記θ軸を制御する。 前記変位検出器の出力信号を前記溶接トーチ先端の線
速度(溶接速度)特性と反対の特性を持つ折れ線型アン
プを経由させることにより前記α軸を制御する。 以上の各軸の制御により、トーチ角度及び溶接速度を
一定に保って長円形管の周溶接を行うことである。
【0013】また本発明は、前記倣いセンサにより長円
形管の中心から溶接点までの距離の変化量を検出し、該
変化量を前記変位検出器により検出される前記R軸の変
位量に対応させることとした長円形管の溶接方法であ
る。
【0014】前記本発明の溶接方法に使用する溶接装置
は、長円形管の中心に中心を一致させた円形ガイドレー
ルと、前記ガイドレールを回転速度の制御軸(α軸)と
して回転する溶接台車と、前記溶接台車に取り付けら
れ、溶接トーチの位置を前記ガイドレールの半径方向に
制御する制御軸(R軸)と、前記R軸の変位を検出する
変位検出器と、前記R軸に取り付けられ、トーチ角度を
制御する制御軸(θ軸)と、前記θ軸に取り付けられた
前記溶接トーチと、溶接方向に対して側方に配置され、
前記溶接トーチと一体に傾動するとともに、溶接方向に
対して僅かなずれを有し、長円形管の表面に接触する2
本のスタイラスを備えた倣いセンサと、溶接速度が一定
になるように前記変位検出器の出力を可変にして前記α
軸の指令入力とするとともに、溶接トーチ先端の線速度
特性と反対の特性を持つ折れ線型アンプと、を具備する
構成としたものである。
【0015】さらに本溶接装置は、前記θ軸が前記溶接
トーチ及び2本のスタイラスを各々の先端を中心として
傾動させる構成となっているものである。
【0016】
【作用】本発明は前記のように構成されているので、長
円形管の周溶接中、簡単な接触式倣いセンサを用いるこ
とによりトーチ角度を所定の角度に一定に保持し、か
つ、簡単な折れ線型アンプを組み込むだけで溶接速度を
等速度にできる。
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例による溶接装置の概
要を示す正面図、図2はその側面図、図3は倣いセンサ
の構成図、図4は倣いセンサの動作説明図、図5は任意
の溶接点における溶接台車と溶接トーチの位置関係を示
す説明図である。
【0018】図1,図2に示すように、固定された長円
形管100の周りに円形のガイドレール12を所要数の
クランプ装置13によって固定する。ガイドレール12
の中心は長円形管100の中心Oにほぼ一致させる。こ
のガイドレール12に溶接トーチ1を備えた溶接台車1
0を懸架する。また長円形管100の溶接線101に溶
接トーチ1の電極2の中心を合わせる。
【0019】前記円形ガイドレール12は長円形管10
0の周りにおいて溶接台車10の円軌道を構成するとと
もに、溶接台車10の回転速度を制御する制御軸すなわ
ちα軸を構成する。具体的には、図示しない複数個の車
輪によりガイドレール12を挾持して溶接台車10を懸
架し、さらにガイドレール12に取り付けたリングギヤ
14に図示しない台車モータ(α軸モータ)のピニオン
15を噛み合わせて溶接台車10をガイドレール12に
沿って矢印α方向に回転駆動し、その回転速度を制御す
る構成となっている。
【0020】前記溶接台車10の本体11の内部には溶
接トーチ1にガイドレール12の半径方向の送りを与え
るR軸18が設けられており、該R軸18は図示しない
R軸モータにより回転駆動される。R軸18は、例えば
ボールネジなどにより構成され、該ボールネジに螺合す
るネジブロック19にスライドガイド20を貫通させる
ことにより構成される。そしてR軸18の変位量を検出
するために、ポテンショメータなどからなる変位検出器
21が前記ネジブロック19に連動状態に結合されてい
る。変位検出器21には図示のようなリニア型センサに
限らず、R軸モータの回転角を検出するレゾルバやその
他のセンサを使用することができる。
【0021】前記ネジブロック19の前面にトーチブロ
ック22を傾動させるための円弧ガイド24が固定され
ている。この円弧ガイド24はトーチブロック22と共
に溶接トーチ1に傾斜を与えるためのもので、これによ
ってトーチ角度の制御軸(θ軸)を構成している。具体
的には、図示しない複数のローラーによりトーチブロッ
ク22を円弧ガイド24に係合支持し、該円弧ガイド2
4に設けた円弧ギヤ25にθ軸モータ(図示せず)のピ
ニオン26を噛み合わせることにより、トーチブロック
22を円弧ガイド24に沿って傾かせる。実施例では円
弧ガイド24は固定式であるが、もちろん円弧ガイドそ
れ自体を回動可能に構成することもでき、この場合、前
記トーチブロック22は回動型の円弧ガイドに直接固定
される。
【0022】溶接トーチ1は前記トーチブロック22に
取り付けられる。このとき溶接トーチ1の先端つまり電
極2の先端を中心として溶接トーチ1が傾斜するように
前記θ軸24を構成する。これによって、図5に示すよ
うに任意の溶接点Pにおける半径方向のR軸線28とト
ーチ軸線29のなす角度β,ひいてはトーチ角度θを高
精度かつ簡単に制御することができる。
【0023】前記トーチブロック22にはまた接触式の
倣いセンサ3が溶接トーチ1の近傍側方に取り付けられ
ている。該倣いセンサ3は前記先行技術に使用されたも
のと同じであり、図3の(a)に断面側面図を、(b)
に正面図を示してある。また図4は倣いセンサ3が溶接
トーチ1と共に移動したときの姿勢を示すもので、その
位置における接線Bに垂直な方向(法線方向)に保持さ
れる。
【0024】倣いセンサ3は溶接方向Aに対して僅かな
ずれδ(通常1〜2mmの間隔)を有する2本のスタイラ
ス4a,4bを備えている。各スタイラス4a,4b
は、図3に示すようにセンサ本体5を摺動自在に挿通し
ており、それぞれバネ6a,6bにより一定のバネ力で
長円形管100に対し押し付けられている。またスタイ
ラス4a,4bの各先端には小さなボールが取り付けら
れている。さらにスタイラス4a,4bはそれぞれポテ
ンショメータ7a,7bに連結され、一方の例えば第1
スタイラス4aに取り付けた摺動子8aが第1ポテンシ
ョメータ7aを摺動し、他方の第2スタイラス4bに取
り付けた摺動子8bは第1摺動子8aを有する第2ポテ
ンショメータ7bを摺動する構成となっている。もちろ
んこの逆の取付け方でも良い。
【0025】このような構成を有する倣いセンサ3を、
溶接方向に対し側方に、前記トーチブロック22に取り
付け、かつ、スタイラス4a,4bの先端が溶接トーチ
1と同様の関係で、つまりその先端を中心に傾動するよ
うに、溶接トーチ1と一体に固定する。これによって、
図4に示すように溶接点Pの近傍側方にてスタイラス4
a,4bが一定の圧力で長円形管100の表面に常に垂
直に接触しながら表面を倣うことになり、これらのポテ
ンショメータ7a,7bの出力を取り出すことにより、
後述するようにR軸18及びθ軸24の制御信号として
利用することができる。
【0026】次に、図6は本溶接装置において溶接台車
10の回転速度を一定とした場合において、長円形管1
00の中心Oから溶接点Pまでの距離と溶接トーチ1先
端の線速度(溶接速度)の関係を表したものである。同
図は横軸に中心Oからの距離つまり線分OPの長さをと
り、縦軸に線速度(無次元化量)をとって表してある。
すなわちここでは、回転角度0°から90°の範囲にお
いて、図10のように回転角度ではなく線分OPの長さ
をとることにより、溶接速度線図がその線分OPの長さ
に応じて一つの折れ点を有する折れ線で近似できること
を意味している。但し、図6は長円形管100の短半径
a=40,長半径b=2a=80の場合の例であるが、
楕円管の場合でも折れ点の位置及び屈折角度が異なるだ
けでほぼ同様の傾向を示す。
【0027】図7は溶接速度を一定に保つための折れ線
型アンプ特性を示したもので、横軸に前記変位検出器2
1のポテンショメータ出力を、縦軸にアンプゲインをと
って表してある。この折れ線型アンプは、図6の溶接速
度線図と反対の特性を有するものである。
【0028】図8は実施例における制御ブロック図であ
り、図8において、30は折れ線型アンプ、31は各軸
のサーボアンプ、32はα軸(台車)モータ、33はR
軸モータ、34はθ軸モータである。R軸モータ33の
駆動によるR軸18の変位を変位検出器21のポテンシ
ョメータにより検出するようになっている。
【0029】図6に示すように、線分OPの長さが判れ
ば、任意の溶接点Pにおける溶接速度が判る。この線分
OPの長さを検知する手段として、前記変位検出器21
を設ける。溶接トーチ1は溶接点Pを中心として傾動す
るようになっているから、線分OPの長さの変化量は前
記R軸18の変位量そのものに一致する。そのため変位
検出器21によりR軸18の変位を検出すれば、そのと
きの線分OPの長さが判明する。そしてR軸18に変位
を与えるために前記倣いセンサ3を利用する。例えば第
1スタイラス4aは溶接点Pの移動に伴って変位する。
この変位は図8に示すように第1ポテンショメータ7a
の出力電圧70aとして検出でき、この出力電圧信号に
よりサーボアンプ31を介してR軸モータ33を駆動
し、ネジブロック19に半径方向の送りを与える。送り
方向は出力電圧70aを零とする方向に選定されている
ので、このようなR軸18の制御によって溶接トーチ1
は半径方向に移動し、長円形管100の表面から常にほ
ぼ一定の距離を保つ。
【0030】また同時に、長円形管100の倣い面にお
ける傾斜により第1スタイラス4aと第2スタイラス4
b間に相対的な高低差が生じると、その偏差に応じた出
力電圧70bが第2ポテンショメータ7bにより得られ
る。従って、この出力電圧信号によりサーボアンプ31
を介してθ軸モータ34を駆動し、トーチブロック22
を円弧ガイド24に沿って前記偏差が零になるまで傾斜
させる。そのため、図5に示すように溶接トーチ1は溶
接点Pを中心に傾動するようにトーチブロック22に取
り付けられているから、常に長円形管100の表面に垂
直方向に保持される。このようなθ軸24の制御によっ
てトーチ角度を所定の角度(実施例では90°)に常に
一定に保つ。
【0031】前記ネジブロック19の変位は前記変位検
出器21により検出され、該変位検出器21によって線
分OPの長さを検知できるとともに、その変化量を変位
検出器21のポテンショメータの出力電圧21aとして
取り出すことができる。この出力電圧信号を図7のよう
なアンプ特性を持つ折れ線型アンプ30を経由させるこ
とにより、ポテンショメータの出力電圧21aに応じ
て、すなわち線分OPの長さに応じて折れ線型アンプ3
0のアンプゲインが変化するため、α軸モータ32に対
する入力電圧を線分OPの長さに応じて変化させること
ができる。従って、溶接台車10の円形ガイドレール1
2上における回転速度が線分OPの長さに応じて制御さ
れ、このようなα軸12の制御によって溶接トーチ1の
線速度つまり溶接速度を常に一定に保つ。
【0032】以上のような各軸12,18,24の制御
により、トーチ角度及び溶接速度を常に一定に保ちなが
ら長円形管100を全姿勢で周溶接することができる。
【0033】前記実施例では、長円形管の突合せ溶接の
場合について説明した。従って、トーチ角度は管表面に
対して常に90°に保たれる。しかし、フランジ等の隅
肉溶接の場合はトーチ狙い角度は一般に45°〜60°
に保たれており、本発明はこのような傾斜したトーチ角
度を持つ長円形管の周溶接を排除するものではない。ま
た本発明は両側から同時に隅肉溶接を行う場合にも適用
することができ、溶接トーチをV字形に配置することに
より可能である。
【0034】また本発明において、溶接電極は非消耗型
であると、消耗型であるとを問わないものであり、周知
の回転アーク溶接法にも適用することができる。
【0035】さらに、前記実施例は管固定式の場合であ
るが、図9に示すように管回転式の場合にも適用できる
ものである。この場合、前記α軸は長円形管100を中
心Oにて回転させる回転軸となる。溶接機本体は定位置
にて固定され、溶接トーチ1が長円形管100の回転に
伴い、トーチ回転方向を切り替えその姿勢を制御するこ
とになる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、溶接トー
チの姿勢を現物倣い方式のセンサにより制御し、溶接台
車の回転速度を長円形管中心から溶接点までの距離を検
出しその距離に対応させて折れ線型アンプを用いて制御
するようにしたので、長円形管の周溶接を溶接位置に拘
らず常に一定のトーチ角度及び溶接速度で行うことがで
きる。そのため溶接装置の構成が非常に簡単になり、小
型安価な溶接装置にでき、現場溶接に適したものとな
る。またTIG溶接で使用される高周波発生装置から出
る非常に強力な高周波ノイズに対しても誤動作や制御装
置の損傷を受けない安定した装置が得られるという効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による溶接装置の概略正面図
である。
【図2】実施例装置の側面図である。
【図3】実施例における倣いセンサの構成図である。
【図4】前記倣いセンサの動作説明図である。
【図5】実施例装置の溶接トーチと溶接台車の位置関係
を示す説明図である。
【図6】前記溶接台車の回転速度が一定の場合における
長円形管中心からの距離と線速度の関係を示す線図であ
る。
【図7】溶接速度を一定に保つための折れ線型アンプの
特性線図である。
【図8】実施例における制御ブロック図である。
【図9】本発明の他の実施例の動作説明図である。
【図10】長円形管の周溶接におけるトーチ角度及び溶
接速度の説明図である。
【図11】前記長円形管溶接時のトーチ角度の変化を示
す線図である。
【図12】前記長円形管溶接時の溶接速度の変化を示す
線図である。
【符号の説明】
1 溶接トーチ 2 電極 3 倣いセンサ 4a 第1スタイラス 4b 第2スタイラス 10 溶接台車 12 α軸(円形ガイドレール) 18 R軸(ボールネジ) 19 ネジブロック 21 変位検出器(ポテンショメータ) 22 トーチブロック 24 θ軸(円弧ガイド) 30 折れ線型アンプ 32 α軸モータ 33 R軸モータ 34 θ軸モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 9/127 D 7920−4E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチを備えた溶接台車を長円形管
    の周りに円運動させて長円形管の周溶接を行う溶接方法
    において、 前記溶接トーチは円軌道の半径方向の位置を制御するR
    軸と、トーチ角度を制御するθ軸と、前記円軌道上の回
    転速度を制御するα軸とを有し、 溶接方向に対して僅かなずれを有し、長円形管の表面に
    接触する2本のスタイラスを備えた倣いセンサを前記溶
    接トーチの側方に該溶接トーチと一体に傾動するように
    設け、 前記倣いセンサの一方のスタイラスの変位による出力信
    号により前記R軸を制御するとともに該R軸の変位を変
    位検出器により検出し、 前記倣いセンサの両方のスタイラスの相対変位による出
    力信号により前記θ軸を制御し、 前記変位検出器の出力信号を前記溶接トーチ先端の線速
    度(溶接速度)特性と反対の特性を持つ折れ線型アンプ
    を経由させることにより前記α軸を制御し、 以上の各軸の制御によりトーチ角度及び溶接速度を一定
    に保って長円形管の周溶接を行うことを特徴とする長円
    形管の溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記倣いセンサにより長円形管の中心か
    ら溶接点までの距離の変化量を検出し、該変化量を前記
    変位検出器により検出される前記R軸の変位量に対応さ
    せることを特徴とする請求項1記載の長円形管の溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 長円形管の中心に中心を一致させた円形
    ガイドレールと、 前記ガイドレールを回転速度の制御軸(α軸)として回
    転する溶接台車と、 前記溶接台車に取り付けられ、溶接トーチの位置を前記
    ガイドガイドレールの半径方向に制御する制御軸(R
    軸)と、 前記R軸の変位を検出する変位検出器と、 前記R軸に取り付けられ、トーチ角度を制御する制御軸
    (θ軸)と、 前記θ軸に取り付けられた前記溶接トーチと、 溶接方向に対して側方に配置され、前記溶接トーチと一
    体に傾動するとともに、溶接方向に対して僅かなずれを
    有し、長円形管の表面に接触する2本のスタイラスを備
    えた倣いセンサと、 溶接速度が一定になるように前記変位検出器の出力を可
    変にして前記α軸の指令入力とするとともに、溶接トー
    チ先端の線速度特性と反対の特性を持つ折れ線型アンプ
    と、を具備する長円形管の溶接装置。
  4. 【請求項4】 前記θ軸は前記溶接トーチ及び2本のス
    タイラスを各々の先端を中心として一体に傾動させる構
    成となっていることを特徴とする請求項3記載の長円形
    管の溶接装置。
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