JP5946680B2 - アーク溶接用プログラムのプログラム変換方法、及びアーク溶接用プログラムのプログラム変換装置 - Google Patents
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請求項3の発明は、請求項1において、前記第2基準平面は、前記変換対象ステップの溶接線を演算する段階で算出された溶接線と参照点を含む平面であり、前記参照点は、前記変換対象ステップより以前であって最も近いステップに、前記基準平面(以下、第2基準平面という)を指定する命令とともに記述された位置情報であることを特徴とする。
前記溶接トーチの動作命令が少なくとも記述されたステップを含むアーク溶接用プログラムの変換対象ステップを選択する選択部と、前記変換対象ステップの溶接線を演算する溶接線演算部と、前記変換対象ステップより以前であって最も近いステップに前記デフォルトの基準平面とは異なる基準平面(以下、第2基準平面という)を指定する命令があるか否かを検索する検索部と、前記第2基準平面を指定する命令があった場合、前記第2基準平面に基づいた前記狙い角及び前進後退角になるように前記溶接トーチ姿勢を変換し、前記第2基準平面を指定する命令がない場合、前記第1基準平面に基づいた前記狙い角及び前進後退角になるように前記溶接トーチ姿勢を変換する変換部を有するアーク溶接用プログラムのプログラム変換装置を要旨としている。
以下、本発明のアーク溶接用プログラムのプログラム変換方法、アーク溶接用プログラムのプログラム変換装置、プログラム、及び記憶媒体を具体化した一実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
マニピュレータ10の最も先端側に位置するアーム20の先端部には、溶接トーチTが設けられている。溶接トーチTは、溶加材としてのワイヤ15を内装し、図示しない送給装置によって送り出されたワイヤ15の先端とワークWとの間にアークを発生させ、その熱でワイヤ15を溶着させることによりワークWに対して溶接を施す。各アーム20は図示しない各駆動モータの駆動によって溶接トーチTを並進、回転自在に移動できるように構成されている。前記図示しない駆動モータに直結された図示しないエンコーダから各アームの関節角度が検出される。
(第1実施形態の作用)
次に、上記のように構成されたロボット制御装置RCを使用して、記憶部56に記憶した作業プログラムをプログラム変換する場合の作用を図3〜図9を参照して説明する。
S10では、作業者は、前記設定条件入力画面(図示しない)の下でティーチペンダントTPの各種キーの操作により、プログラム変換条件の設定入力を行う。具体的には、プログラム変換条件の設定としては、例えば、変換対象である作業プログラムのプログラム番号、デフォルト基準平面、狙い角θ及び前進後退角αの入力である。
作業プログラムのプログラム番号は、記憶部56に記憶されている作業プログラムを特定するための識別番号である。デフォルト基準平面は、狙い角θの基準平面であり、狙い角θのデフォルトの基準平面、すなわち、第1基準平面に相当する。S10でのプログラム変換条件の設定入力を作業者が終了して実行キー42が押下されると、CPU50は、入力された各種データを記憶部56に記憶する。
S10において、入力された各種データを記憶部56に記憶すると、次にCPU50は、S20に移行して、S20において、設定入力されたプログラム番号に基づいて変換対象の作業プログラムを記憶部56から読込みして、変換プログラム65に従って変換対象ステップの自動選択を行う。
次に、CPU50は、S30において、見つけ出した変換対象ステップに関する溶接線の計算を行う。すなわち、CPU50は、見つけ出した当該変換対象ステップで教示された教示点と、当該変換対象ステップの前または後のステップであって、溶接トーチTの「移動命令」である「直線補間命令」、または「円弧補間命令」が記述されたステップの教示点に基づいて溶接線計算を行い、記憶部56にその計算結果を記憶する。
次に、CPU50は、S40において、前記変換対象ステップより前のステップであって、基準平面を指定する命令、すなわち、「基準平面指定命令」がある最近位のステップを検索する。ここで、前記変換対象ステップより前のステップに基準平面を指定する命令がない場合は、S90に移行する。また、前記変換対象ステップより前のステップに基準平面を指定する命令がある場合は、S50に移行する。
S50に移行した場合、CPU50は、当該変換対象ステップでの溶接トーチの基準平面は、当該変換対象ステップより前のステップであって、基準平面を指定する命令、すなわち、「基準平面指定命令」がある最近位のステップに記述されている基準平面をセットし、S60に移行する。
S90に移行した場合、CPU50は、前記変換対象ステップより前のステップに基準平面を指定する命令がないため、S10でデフォルト基準平面ファイルF0に記述されたデフォルト基準平面を基準平面としてセットし、S60に移行する。
S60に移行すると、CPU50は、S50またはS90でセットした基準平面を基準として、図6に示す溶接トーチファイルTR01に記述された狙い角θ及び前進後退角αを取るように、マニピュレータ10の関節角度を算出する。すなわち、溶接トーチTの姿勢を変換する。
ここで、溶接トーチ姿勢である前進後退角α、及び狙い角θについて説明する。
前進後退角は、図4(a)に示すように、教示点A1,A2間の溶接線YSの接線に対する垂線La(すなわち、法線)を立てた際に同垂線Laに対して溶接トーチTの長手方向軸線を表わす直線L1、L2がなす角度である。垂線Laに対して、L1のように0°を越える場合(+)には、前進角といい、L2のように0°を下回る場合(すなわち、「−」)場合には、後退角という。ここで、溶接トーチTの長手方向軸線は、ワイヤ送給方向に向く軸に相当する。本明細書では、この前進角、後退角を合わせて前進後退角という。なお、図4(a)では、説明の便宜上、任意のZ座標軸上に溶接線YSを合致させるとともに、垂線Laを同任意のX座標軸上に合致させている。また、教示点A1から教示点A2に向かう方向を溶接時の進行方向としている。
S70では、CPU50は、次の変換対象ステップはあるか否かを判定する。この判定は、S20でリストアップした変換対象ステップの変換が全て終了したか否かにより行われる。全て終了していなければ、CPU50はS80に移行して、次の変換対象ステップを処理対象として移動して、S30以降の処理を繰り返す。
(1) 本実施形態のアーク溶接用プログラムのプログラム変換方法は、溶接トーチ姿勢を規定する狙い角θ及び前進後退角α、並びに、狙い角θの基準となるデフォルトの基準平面(第1基準平面)を入力する段階(S10)と、溶接トーチTの移動命令(動作命令)が少なくとも記述されたステップを含む作業プログラム(アーク溶接用プログラム)の変換対象ステップを選択する段階(S20)を備える。また、本実施形態のプログラム変換方法は、変換対象ステップの溶接線を演算する段階(S30)と、変換対象ステップより以前であって最近位のステップにデフォルト基準平面(第1基準平面)とは異なる基準平面(第2基準平面)を指定する命令(基準平面指定命令)があるか否かを検索する段階(S40)と、第2基準平面を指定する命令があった場合、前記第2基準平面に基づいた狙い角及び前進後退角になるように溶接トーチ姿勢を変換し(S60)、第2基準平面を指定する命令がない場合、第1基準平面に基づいた前記狙い角及び前進後退角になるように溶接トーチ姿勢を変換する段階(S60)を備える。この結果、本実施形態のプログラム変換方法によれば、プログラム変換を実行するたびに基準平面を指定する必要がないので、1回のプログラム変換だけで所望の狙い角と前進後退角を持つ溶接トーチ姿勢に変換することができるアーク溶接用プログラムのプログラム変換方法を提供できる。
次に、第2実施形態を、図7〜図10を参照して説明する。なお、第1実施形態とはロボット制御装置RC、ティーチペンダントTP等のハード構成は同一のための、同一構成については同一符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、作業プログラムにおいて、「基準平面指定命令」が記述されたステップでは、第2基準平面として任意の直交座標系の任意の座標平面を記述するようにしたが、本実施形態では、「基準平面指定命令」の代わりに、「参照点指定命令」が記述されるとともに、当該「参照点指定命令」が記述されたステップには、さらに、参照点ファイル名が記述されている。
次に、第2実施形態の作用を説明する。図10は、変換プログラム65を起動したときの、フローチャートである。なお、第1実施形態の図3のフローチャートとは、S40及びS50の代わりにS40A及びS50Aの処理が行われることなるだけであるため、以下では、S40AとS50Aについて説明し、他の処理の説明は、第1実施形態と同様であるため、省略する。
S40Aでは、CPU50は、前記変換対象ステップより前のステップであって、基準平面を指定する命令として、すなわち、「参照点指定命令」がある最近位のステップを検索する。ここで、前記変換対象ステップより前のステップであって、「参照点指定命令」がない場合は、S90に移行する。また、前記変換対象ステップより前のステップであって、「参照点指定命令」がある場合は、S50Aに移行する。
S50Aでは、CPU50は、当該変換対象ステップでの溶接トーチの基準平面は、当該変換対象ステップより前のステップであって、基準平面を指定する命令、すなわち、「参照点指定命令」がある最近位のステップに記述されている参照点ファイルを読込み、その参照点ファイルに記述されている参照点の座標値に基づいて、基準平面を算出した後、その基準平面をセットする。
ここで、第2基準平面としての基準平面の算出を図7を参照して説明する。
教示点A1,A2及び参照点Prの3点が既知の場合、教示点A1から教示点A2へのベクトルPと、教示点A1から参照点PrへのベクトルQの外積を求める。この外積で求められるベクトルは、図7に示すように、基準平面PLに垂直な法線ベクトルVpである。基準平面PLに垂直な法線ベクトルVpが決まれば、基準平面PLが一意に決められる。例えば、図8の作業プログラム60の例では、当該変換対象ステップ(この場合、ステップ4)での溶接トーチの基準平面は、当該変換対象ステップより前のステップであって、基準平面を指定する命令、すなわち、「参照点指定命令」がある最近位のステップ2に記述されている参照点ファイルS01を、図9に示す記憶部56からCPU50は読込し、基準平面を算出する。このときの座標系は、参照点の座標値(Xa,Ya,Za)の座標系である。参照点の座標値(Xa,Ya,Za)は位置情報に相当する。
(1) 本実施形態のアーク溶接用プログラムのプログラム変換方法によれば、第2基準平面は、変換対象ステップの溶接線を演算する段階で算出された溶接線YSと参照点Prを含む平面であり、参照点Prは、変換対象ステップより以前であって最も近いステップに、第2基準平面を指定する命令とともに記述された位置情報となることにより、第1実施形態の(1)と同様の効果を容易に実現できる。
・ 前記実施形態では、ロボット制御装置RCをプログラム変換装置としたが、ロボット制御装置RCに限定されるものではない、例えばロボット制御装置RCの上位のコントローラをプログラム変換装置としてもよい。
30…表示装置、50…CPU(選択部、溶接線演算部、検索部、変換部)、
56…記憶部(記憶媒体)、
T…溶接トーチ、PL…基準平面、Pr…参照点、YS…溶接線。
Claims (4)
- 溶接ロボットが備える溶接トーチの姿勢(以下、溶接トーチ姿勢という)を規定する狙い角及び前進後退角、並びに、前記狙い角の基準となるデフォルトの基準平面(以下、第1基準平面という)を入力する段階と、
前記溶接トーチの動作命令が少なくとも記述されたステップを含むアーク溶接用プログラムの変換対象ステップを選択する段階と、
前記変換対象ステップの溶接線を演算する段階と、
前記変換対象ステップより以前であって最も近いステップに前記デフォルトの基準平面とは異なる基準平面(以下、第2基準平面という)を指定する命令があるか否かを検索する段階と、
前記第2基準平面を指定する命令があった場合、前記第2基準平面に基づいた前記狙い角及び前進後退角になるように前記溶接トーチ姿勢を変換し、
前記第2基準平面を指定する命令がない場合、前記第1基準平面に基づいた前記狙い角及び前進後退角になるように前記溶接トーチ姿勢を変換することを特徴とするアーク溶接用プログラムのプログラム変換方法。 - 前記第2基準平面が、直交座標系の座標平面であることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接用プログラムのプログラム変換方法。
- 前記第2基準平面は、前記変換対象ステップの溶接線を演算する段階で算出された溶接線と参照点を含む平面であり、
前記参照点は、前記第2基準平面を指定する命令とともに記述された位置情報であることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接用プログラムのプログラム変換方法。 - 溶接ロボットが備える溶接トーチの姿勢(以下、溶接トーチ姿勢という)を規定する狙い角及び前進後退角、並びに、前記狙い角の基準となるデフォルトの基準平面(以下、第1基準平面という)を入力する入力部と、
前記溶接トーチの動作命令が少なくとも記述されたステップを含むアーク溶接用プログラムの変換対象ステップを選択する選択部と、
前記変換対象ステップの溶接線を演算する溶接線演算部と、
前記変換対象ステップより以前であって最も近いステップに前記デフォルトの基準平面とは異なる基準平面(以下、第2基準平面という)を指定する命令があるか否かを検索する検索部と、
前記第2基準平面を指定する命令があった場合、前記第2基準平面に基づいた前記狙い角及び前進後退角になるように前記溶接トーチ姿勢を変換し、前記第2基準平面を指定する命令がない場合、前記第1基準平面に基づいた前記狙い角及び前進後退角になるように前記溶接トーチ姿勢を変換する変換部を有するアーク溶接用プログラムのプログラム変換装置。
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