JP7368726B2 - 高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法 - Google Patents

高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法に関し、詳しくは、配合原料にセメントと共に酸化鉄粉を含めた場合において、得られる高炉用非焼成含炭塊成鉱の強度を予測し易くして、高炉用非焼成含炭塊成鉱を製造することができる方法に関する。
高炉一次灰や転炉粗粒ダストなど、製鉄プロセスで多量に発生する製鉄ダストを簡易にリサイクルする方法として、これらをセメントのような水硬性バインダーを用いて硬化させて高炉で利用することができる非焼成塊成鉱(セメントボンド塊成鉱等とも称される)がある。
この非焼成塊成鉱は、少なくとも高炉までの輸送や高炉装入時の粉化に耐え得る一定の強度が必要であることから、上記のようにバインダーとしてセメントを用いて硬化させて、必要な強度(冷間強度)を確保している。
ところが、セメントの配合量を増やすと、得られた非焼成塊成鉱を高炉で使用した場合にスラグの発生量が増大したり、高炉内でのセメントの脱水吸熱の悪影響が顕在化してしまうおそれがある。そのため、スラグ量の削減や製造コストを抑える観点などから、セメント添加量の低減が望まれているが、その量を減らせば、十分な強度を維持することができなくなる。
そこで、非焼成塊成鉱での強度発現を補助する目的で、セメントのような水硬性バインダーと共に、酸化鉄粉を使用する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、鉄原料が製鉄ダストではなく返鉱ではあるが、同様に酸化鉄粉を用いる方法が提案されている(特許文献2参照)。これらにおいて、非焼成塊成鉱を得るための配合原料では、酸化鉄粉の粒度が比較的細かいため、他の原料粒子の隙間を酸化鉄粉が埋めて非焼成塊成鉱の気孔率が下がり、その強度を高める作用をすると考えられる。
特開2007-231329号公報 特開2009-30114号公報
しかしながら、配合原料にセメントと共に酸化鉄粉を含めた場合において、どの程度水硬性バインダーを低減させることができるかなどの知見はまだ十分に蓄積されていない。また、そもそも水硬性バインダーと酸化鉄粉とでは強度発現の仕組みが異なることから、実際に原料の配合を行ってみなければ、得られる非焼成塊成鉱の強度を予測するのは難しい。そのうえ、実操業では、非焼成塊成鉱の粉化等を未然に防ぐ必要があることから、思うようにセメントの添加量を減らすことができず、これまでは、酸化鉄粉の併用がセメント添加量の削減に十分寄与しているとは言い難い。
そこで、本発明者らは、配合原料にセメントと共に酸化鉄粉を含める場合において、得られる非焼成塊成鉱の強度を事前に予測し易くすることで、要求される強度を維持する範囲でセメントの添加量を減らすことができ、酸化鉄粉の併用によってセメント添加量の削減が実際に可能になることから、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、酸化鉄粉の併用によりセメント添加量を削減しながら、所望の強度(冷間強度)を維持した非焼成塊成鉱を得ることができる方法を提供することにある。
なお、非焼成塊成鉱が還元剤として炭材を含む場合、炭材を含むことを明確にする趣旨から非焼成含炭塊成鉱と言うことがあり、本発明では、原則それにならうものとするが、単に非焼成塊成鉱と言う場合もある。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)高炉一次灰を20質量%以上及び転炉粗粒ダストを20質量%以上含むと共に酸化鉄粉を1質量%以上含み、バインダーとして5~10質量%のセメントを含んだ配合原料を用いて、塊成物に成形し、所定の期間養生して、高炉用非焼成含炭塊成鉱を製造する方法であって、
前記酸化鉄粉は、メジアン径が10μm以下であると共に、亜鉛含有量が0.01質量%以下であり、また、前記配合原料の炭素含有量が5~25質量%であり、該配合原料におけるセメントの割合をx質量%、酸化鉄粉の割合をy質量%、及び、炭素含有量をz質量%としたとき、得られる高炉用非焼成含炭塊成鉱の圧壊強度(塊成鉱1個に12mm/minの一定加圧盤速度で圧縮荷重をかけ、塊成鉱が破壊した時点の圧縮荷重の最大値)が所望の圧壊強度CSaim(kg/p)以上となるように、下記式(1)及び式(2)に基づいて、前記配合原料におけるセメント及び酸化鉄粉の割合をそれぞれ調整することを特徴とする、高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
11x+2y≧CSaim+3z-61 ・・・(1)
x+y<60 ・・・(2)
(2)前記配合原料は、酸化鉄粉を1~10質量%含む、(1)に記載の高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
本発明によれば、配合原料にセメントと共に酸化鉄粉を含める場合において、得られる非焼成含炭塊成鉱の強度を事前に予測し易くすることができるようになる。そのため、要求される強度を維持する範囲でセメントの添加量を減らすことができるようになり、酸化鉄粉の併用によるセメント添加量の削減が実際に可能になる。
図1は、配合試験1で得られた非焼成含炭塊成鉱における配合原料中の酸化鉄粉の量と非焼成含炭塊成鉱の圧潰強度との関係を示すグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、高炉一次灰、転炉粗粒ダスト、及び酸化鉄粉を含有し、バインダーとしてセメントを含んだ配合原料を用いて、塊成物に成形し、所定の期間養生して、高炉用非焼成含炭塊成鉱を製造する方法に関する。
ここで、配合原料は、高炉一次灰及び転炉粗粒ダストをそれぞれ20質量%以上含むものである。一般に、高炉用非焼成含炭塊成鉱は、製鉄所内で発生するダストのリサイクルを主目的としている。そのため、配合原料には、製鉄ダストが主に使用される。このようなものとして、代表的には、高炉一次灰や転炉粗粒ダストのほか、コークスダスト、焼結ダスト、高炉二次灰、転炉微粒ダスト等が挙げられる。
このうち、配合原料で使用される高炉一次灰は、高炉ガス中のダストを集塵除去するガス清浄プロセスにおいて乾式除塵器(ダストキャッチャー)で回収される粗粒のダストである。高炉一次灰は、製鉄所におけるその発生量と非焼成含炭塊成鉱の生産量とのバランスから、配合原料において20質量%以上が配合される。ただし、高炉一次灰の配合量が増えると非焼成含炭塊成鉱中のカーボン量が増えて強度が低下するため、50質量%以下の範囲で配合されるのがよく、好ましくは40質量%以下の範囲で配合されるのがよい。高炉一次灰のより好ましい配合割合としては、20~30質量%である。
ちなみに、ダストキャッチャーの後に設置されたベンチュリースクラバーや電気集塵器で回収される微粒のダストが高炉二次灰である。後述する実施例での表1に示したように、一般に、高炉二次灰は亜鉛含有量が高い。亜鉛は、高炉内で付着物の生成や炉壁レンガの損傷を引き起こすおそれがあるので、亜鉛の蓄積濃化を避けるために、高炉二次灰の使用は一般に制限される。
また、転炉粗粒ダストは、転炉排ガス処理設備(OG設備)に設置される1次集塵器(排ガスへのスプレー散水)で回収される粗粒のダストである。この転炉粗粒ダストについても、その発生量と非焼成含炭塊成鉱の生産量とのバランスから、配合原料において20質量%以上が配合される。ただし、転炉粗粒ダストは造粒性が悪い粗粒の粒子を含んでおり、配合量が増えると塊成物に成形する際の生産性が低下するため、50質量%以下の範囲で配合されるのがよく、好ましくは40質量%以下の範囲で配合されるのがよい。転炉粗粒ダストのより好ましい配合割合としては、20~30質量%である。
ちなみに、1次集塵器の後の2次集塵器(ベンチュリースクラバー)で回収される微粒のダストが転炉微粒ダストである。この転炉微粒ダストについても、下記の表1に示されるように、転炉粗粒ダストに比べて亜鉛含有量が高いため、転炉微粒ダストの使用は一般に制限される。
また、本発明においては、高炉一次灰や転炉粗粒ダストの配合割合が維持される範囲で、鉄含有原料としてこれらのほかに、例えば、焼結機の主排ガス中から電気集塵器等により回収される焼結ダストや焼結機排鉱部を集塵して得られる焼結環境集塵ダスト等を含めるようにすることもできる。
また、本発明において、配合原料で使用される酸化鉄粉は、メジアン径が10μm以下であると共に、亜鉛含有量が0.01質量%以下のものである。上述したような製鉄ダストは、その粒径が10~1000μm程度の範囲であるため、これらの原料粒子の隙間を埋める観点から、上記のような粒径の酸化鉄粉を用いるようにする。また、上述したような理由による高炉での亜鉛制約の観点から、亜鉛含有量を制限する。
このような酸化鉄粉については特に制限されないが、好適には、鋼材の酸洗工程で発生する塩酸酸洗廃液から回収される酸化鉄粉を用いることができる。すなわち、この酸化鉄粉は、酸洗廃液中に含まれるFeClを500℃以上の高温で焙焼することでFeとして回収される(2FeCl+2HO+0.5O→Fe+4HCl)。そのため、このような酸化鉄粉は亜鉛含有量が少なく、かつ微粉であり、高炉操業やセメント水和反応に悪影響を及ぼすおそれのある亜鉛の量を抑えつつ、非焼成含炭塊成鉱の気孔率を低減することができる。なお、ここで言うメジアン径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した体積基準の累積頻度が50%となる粒子径D50(μm)である。
また、酸化鉄粉については、好ましくは、配合原料において1~10質量%含まれるようにするのがよい。酸化鉄粉の量が1~10質量%の範囲で非焼成含炭塊成鉱の強度発現を補助する効果が十分に発揮される。10質量%を超えると、後述する実施例で示したように、その効果が飽和する。
また、本発明において、バインダーとして配合原料に含めるセメントについては特に制限はなく、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント(早強セメント)のようなポルトランドセメントのほか、高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等を用いることができる。
また、本発明においては、配合原料の炭素含有量が5~25質量%、好ましくは10~20質量%となるようにする。このような炭素の存在により高炉操業時の還元材比の低減を図ることができる。一方で、炭素含有量の増加に伴い、非焼成含炭塊成鉱の強度が低下する傾向を有する。そのため、配合原料における炭素含有量は、非焼成含炭塊成鉱自身の還元に消費される量と、その余剰の炭素分がガス化して高炉内近傍の焼結鉱等の還元を促進させる量とを考慮した還元性改善効果を踏まえながら、上記の範囲で調整する。
この炭素含有量の調整にあたり、コークスダストや石炭チャー、バイオマスチャー等の微粉状炭材を配合原料に含めるようにしてもよい。このうち、コークスダストは、コークス炉でのコークス押出時やコークス乾式消火(CDQ)時に回収されるものであり、製鉄ダストのリサイクルの観点から好ましい。
以上、本発明における配合原料で使用される原料について説明したが、そのうち、高炉一次灰を20質量%以上及び転炉粗粒ダストを20質量%以上使用すること、および、配合原料の炭素含有量を5~25質量%とすることは、非焼成含炭塊成鉱の強度を事前に予測し易くするという本発明の効果を得るための前提条件である。非焼成含炭塊成鉱自体は原料の配合をこの範囲外としても製造は可能である。しかし、その強度は、粗粒原料である高炉一次灰および転炉粗粒ダストの配合量、および、配合原料中の炭素含有量に大きく影響されるので、以下に述べる強度調整方法のもととなる非焼成含炭塊成鉱の強度推定の精度が低下する可能性がある。
そして、本発明においては、配合原料におけるセメントの割合をx質量%、酸化鉄粉の割合をy質量%、及び、炭素含有量をz質量%としたとき、得られる高炉用非焼成含炭塊成鉱の圧壊強度を、所望の圧壊強度CSaim以上となるように、下記式(1)及び式(2)に基づいて、配合原料におけるセメントの配合量と酸化鉄粉の配合量とをそれぞれ調整するようにする。
11x+2y≧CSaim+3z-61 ・・・(1)
x+y<60 ・・・(2)
これらの式は後述する実施例で示した配合試験により得られたものであり、本発明における配合原料での原料成分の特徴が反映されたものである。すなわち、セメントと酸化鉄粉の量は、得られる非焼成含炭塊成鉱の強度に直接影響するものであり、セメントは硬化剤として作用し、酸化鉄粉は非焼成含炭塊成鉱での充填性を高める。一方で、配合原料における炭素含有量は、その量によって非焼成含炭塊成鉱の強度を低下させることが考えられる。
ここで、式(1)については、ある炭素含有量zにおいて、所望の圧潰強度CSaimを満たすセメントの配合量xと酸化鉄粉の配合量yの範囲を規定している。このうち、xの係数は、セメント配合量1%当たりの圧潰強度向上代(kg/%)を意味する。yの係数は、酸化鉄粉配合量1%当たりの圧潰強度向上代(kg/%)を意味する。zの係数は、炭素含有量1%当たりの圧潰強度低下代(kg/%)を意味する。これらの係数は、後述の実施例で述べるように、条件を大きく変えた実験データ(配合試験2)の重回帰分析により決定したものである。一方、式(2)については、xとyの上限を規定する。両者の合計の残部が、高炉一次灰と転炉粗粒ダストとの和の下限値(40質量%)を超えないことを意味している。
また、非焼成含炭塊成鉱の圧潰強度(CS)は、養生後の非焼成含炭塊成鉱であって、高炉に装入する前の強度(冷間強度)を表す。非焼成含炭塊成鉱の所望の圧潰強度(CSaim)の具体的な値は、少なくとも40kg以上とされ、通常100kg/p程度で管理されている。この圧潰強度は、JIS M8718:2009「鉄鉱石ペレット 圧かい強度試験方法」に準拠して測定することができる。すなわち、塊成鉱1個に規定の範囲(10~20mm/min)の一定加圧盤速度で圧縮荷重をかけ、塊成鉱が破壊した時点の圧縮荷重の最大値を圧潰強度とする。
本発明によれば、上記の式(1)、式(2)を利用することで、セメント及び酸化鉄粉の適正な配合量を求めることができる。これらの値は、高炉使用にあたっての所望の圧潰強度CSaimと配合原料における炭素含有量に基づいて決定される。
本発明において、非焼成含炭塊成鉱を製造するにあたっては、配合原料における配合を決定した上で、公知の方法(慣用法)と同様にすることができる。すなわち、配合原料を水分調整して混合・混練した後、転動造粒法や圧縮成形法、押出成形法などにより所定の大きさに成形して(塊成物に成形して)、得られた塊成物を所定の期間養生することで、非焼成含炭塊成鉱にすることができる。その際の成形方法については特に制限されず、ペレットやブリケット等のいずれにも適用することができる。
詳しくは、例えば、所定の配合量となるように原料成分をホッパーから切り出して、必要に応じてボールミル等の粉砕機で粉砕し、レディゲミキサーやアイリッヒミキサー等の混錬機を用いて、水を加えて水分量を調整しながら混錬する。その際、水分含有量は、ペレット(塊成物)にした際に9~14質量%程度となるようにするのが一般的である。次いで、パンペレタイザー等の造粒機で造粒し、更に、振動篩等で篩い分けして、造粒したペレット(塊成物)を得る。このとき、配合原料を構成する各原料成分を粉砕した後、配合して配合原料としてもよい。また、水分調整して混錬した配合原料を造粒機による造粒して塊成物にするかわりに、例えば、圧縮成型機を用いてブリケットにしたり、押出し成型機により押出し成型するなどして塊成物を得るようにしてもよい。
次に、上記のようにして得られた塊成物を所定の期間養生する。その際、養生は一次養生と二次養生との2段階に分けて行うのが一般的である。このうち、一次養生は、塊成物が粉化することなく通常のハンドリングに耐え得る強度であって、かつ、塊成物の粒子間で強固な結合が進行して多数の塊成物が塊状化するまでには至らない範囲で強度を発現させるものである。それは、圧潰強度で30~50kg/p程度であり、また、一次養生の養生時間は、通常2~3日間程度である。
一次養生後は、塊成物を解砕して、高炉での使用に耐え得る強度が発現するまで二次養生を行う。例えば、一次養生後、山積みされた塊成物の積み重ね(ペレット等のパイル)を崩すことで、個々の塊成物を分離させつつ、塊成物を一次養生ヤードから二次養生ヤードへ移動させる。その際、一次養生後の塊成物を二次養生のヤード等に積み付けるときに解砕されるようにしてもよい。二次養生の養生時間は一般に2週間程度である。この二次養生によって10~20mm程度の粒径を有する非焼成含炭塊成鉱が得られ、それらが最終的に必要となる強度を発現するように、先の式(1)及び式(2)に基づき配合原料の配合を決定する。
以下、本発明について、実施例に基づきながら具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(配合試験1)
表1に示す原料を用いて、以下のようにして非焼成含炭塊成鉱を製造する配合試験1(実験No.1-1~1-5)を行った。なお、表1で示した各原料のメジアン径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した体積基準の累積頻度が50%の粒子径D50(μm)である。
Figure 0007368726000001
この配合試験1では、表2に示した比率で各原料を配合して配合原料とし、これに水を加えて混練し、パンペレタイザーで造粒することで、生ペレット(塊成物)を作製した。得られた生ペレットは平均粒径が12mmであり、また、生ペレット中の水分は11質量%となるようにした。次いで、作製した生ペレットを50℃の恒温槽で2日間養生した後(一次養生)、室温で14日間養生を行い(二次養生)、これを非焼成含炭塊成鉱とした。なお、表2で示した炭素含有量は、各原料成分に含まれる炭素量(C)を合計したものである。亜鉛含有量についても同様である。
得られた非焼成含炭塊成鉱の圧潰強度はJIS M8718:2009に準拠して測定した。その際、塊成鉱1個に対して加圧盤速度を12mm/minとして圧縮荷重をかけ、塊成鉱が破壊した時点の圧縮荷重の最大値を圧潰強度とした。この測定は各実験番号においてサンプル数60個で実施し、それぞれの平均値を算出した。測定結果を表2に示す。また、図1では、この配合試験1で得られた非焼成含炭塊成鉱の酸化鉄粉の配合量と圧潰強度との関係を示している。
Figure 0007368726000002
図1から分かるように、配合原料における酸化鉄粉の割合が10質量%までは、その増加に伴い圧潰強度が向上した。これは、高炉一次灰や転炉粗粒ダストのような比較的大きい粒子の隙間に微粒の酸化鉄粉が充填され、より緻密な塊成鉱になったためと考えられる。一方で、酸化鉄粉の割合が10質量%を超えるとこの強度向上効果は飽和し、更に酸化鉄粉の割合が増えると、セメント量は同じであっても、かえって圧潰強度が低下する傾向を示した。これは、配合原料中で酸化鉄粉が過剰になり、それ以上の充填性の向上に寄与しなくなるばかりか、更にその量を超えると骨材として機能する比較的大きい粒子を含む原料が相対的に少なくなってしまい、強度が確保されなくなるためと考えられる。
(配合試験2)
下記表3に示した配合原料により、非焼成含炭塊成鉱を製造する配合試験2(実験No.2-1~2-8)を行った。ここで使用した原料は表1に示したものと同じであり、また、生ペレットの作製とその養生方法、及び、得られた非焼成含炭塊成鉱の圧潰強度の測定は、配合試験1の場合と同様にした。
Figure 0007368726000003
ここで、実験2-1は、非焼成含炭塊成鉱として代表的な原料構成を有するものであり、炭素含有量は10質量%である。
実験2-2は、先の配合試験1の結果に基づいて、実験2-1の配合をベースにしながら酸化鉄粉を10質量%配合したものである。これにより、亜鉛含有量は低下し、また、得られた非焼成含炭塊成鉱の圧潰強度は向上している。なお、この実験2-2の配合では、かわりに転炉粗粒ダストを10質量%減らしている。以下の実験においても同じような調整を行っている。
実験2-3は、実験2-1の配合に比べてセメントの量を減らしたものであり、実験2-1の場合に比べて圧潰強度は低下している。
実験2-4は、実験2-3の配合に対して酸化鉄粉を10質量%配合したものであり、実験2-3の場合に比べて圧潰強度は向上しており、また、亜鉛含有量も低下している。
実験2-5は、実験2-1の配合に対して、コークスダストを加えて炭素含有量を20質量%に増やしたものであり、実験2-1に比べて圧潰強度は低下した。
実験2-6は、実験2-5の配合に対して酸化鉄粉を10質量%配合したものであり、実験2-5の場合に比べて圧潰強度は向上しており、また、亜鉛含有量も低下している。
実験2-7は、実験2-5の配合に比べてセメント配合量を減らしたものであり、実験2-5の場合比べて圧潰強度は低下している。
実験2-8は、実験2-7の配合に対して酸化鉄粉を10質量%配合したものであり、実験2-7の場合に比べて圧潰強度は向上しており、また、亜鉛含有量も低下している。
これらの結果によれば、配合原料に酸化鉄粉を含有させることで、得られる非焼成含炭塊成鉱の圧潰強度を向上させることができる。また、酸化鉄粉を増やすことで、配合原料における亜鉛含有量が相対的に減少する。ただし、実験2-8のように、酸化鉄粉を配合しても圧潰強度が実用上で十分な値(100kg/p)に達しない場合もあるため、セメントの配合量や炭素含有量についても考慮しながら、配合設計を行う必要がある。
そこで、所望の圧潰強度を得るための配合条件を明らかにするため、この配合試験2の結果について重回帰分析を実施し、下記の式(3)で表される回帰式を求めた。
CS=ax+by+cz+d ・・・(3)
ここで、CSは圧潰強度、xはセメントの配合量、yは酸化鉄粉の配合量、及びzは炭素含有量を表し、また、a、b、c、dは係数である。
各係数は重回帰分析により求めた。すなわち、試験配合2における各実験i(i=1~8)のデータの組(CS、x、y、z)を式(3)に代入したときの誤差εについて、その2乗の和Σε が最小となるように各係数を求めた。なお、εは下記の式(4)で表される。
ε=CS-ax-by-cz-d ・・・(4)
上記のようにして各係数を求めた結果、a=11、b=2、c=-3、d=61となった。ここで、非焼成含炭塊成鉱を製造する上での所望の圧潰強度をCSaimとすれば、これを満たす条件は下記式(5)で表される。
CS≧CSaim ・・・(5)
以上より、この式(5)に先の式(3)を代入すれば、下記の式(1)が求まる。また、本発明は、高炉一次灰を20質量%以上かつ転炉粗粒ダストを20質量%以上配合することを前提としている。従って、セメントおよび酸化鉄粉の配合量は両者の和の補数60質量%を超えることはない。下記の式(2)はこの前提を反映した式である。
11x+2y≧CSaim+3z-61 ・・・(1)
x+y<60 ・・・(2)
(実施例1)
上記の配合試験1、2の結果をもとにして得られた式(1)及び式(2)について、次のようにしてその評価を行った。すなわち、表4に示した配合原料1、2を用いて非焼成含炭塊成鉱を製造し、それぞれの圧潰強度を測定した。ここで使用した原料は表1に示したものと同じであり、また、生ペレットの作製とその養生方法、及び、得られた非焼成含炭塊成鉱の圧潰強度の測定は、先の配合試験1の場合と同様にした。
Figure 0007368726000004
先ず、配合原料1について、このときの炭素含有量は15.8質量%であったことから、セメントの配合量、酸化鉄粉の配合量、及び、炭素含有量に基づき、上記の式(1)から圧潰強度を求めると124kg/pと推定された。そして、実際に圧潰強度を測定してその平均値を求めると、実測値は123kg/pであり、極めて近い値を示した。
また、配合原料2では、セメントの割合を9質量%とし、酸化鉄粉の割合を5質量%とした。これは、上記の配合原料1を用いたときの非焼成含炭塊成鉱の推定強度と概ね一致するように、配合原料1でのセメントの一部を酸化鉄粉に置換したものである。すなわち、配合原料1に比べてセメント配合量を減らしたが、実測の強度も概ね維持されたことから、本発明によれば、所望の強度を維持しつつ、セメント配合量を減らすことが可能であることが確認された。

Claims (2)

  1. 高炉一次灰を20質量%以上及び転炉粗粒ダストを20質量%以上含むと共に酸化鉄粉を1質量%以上含み、バインダーとして5~10質量%のセメントを含んだ配合原料を用いて、塊成物に成形し、所定の期間養生して、高炉用非焼成含炭塊成鉱を製造する方法であって、
    前記酸化鉄粉は、メジアン径が10μm以下であると共に、亜鉛含有量が0.01質量%以下であり、また、前記配合原料の炭素含有量が5~25質量%であり、該配合原料におけるセメントの割合をx質量%、酸化鉄粉の割合をy質量%、及び、炭素含有量をz質量%としたとき、得られる高炉用非焼成含炭塊成鉱の圧壊強度(塊成鉱1個に12mm/minの一定加圧盤速度で圧縮荷重をかけ、塊成鉱が破壊した時点の圧縮荷重の最大値)が所望の圧壊強度CSaim(kg/p)以上となるように、下記式(1)及び式(2)に基づいて、前記配合原料におけるセメント及び酸化鉄粉の割合をそれぞれ調整することを特徴とする、高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
    11x+2y≧CSaim+3z-61 ・・・(1)
    x+y<60 ・・・(2)
  2. 前記配合原料は、酸化鉄粉を1~10質量%含む、請求項1に記載の高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
JP2020002758A 2020-01-10 2020-01-10 高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法 Active JP7368726B2 (ja)

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