JP2019173059A - 高炉用非焼成塊成鉱の製造方法及びポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法 - Google Patents

高炉用非焼成塊成鉱の製造方法及びポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配合原料としてポゾラン反応性物質を別途添加するかわりに、十分な養生後強度を得ることができる高炉用非焼成塊成鉱の製造方法、及びポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法を提供する。【解決手段】バインダーとしてセメントを用い、鉄含有原料の少なくとも一部として、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を用いて、該粉状鉄鉱石を加熱処理し、カオリンを脱水反応させて、配合原料とする高炉用非焼成塊成鉱の製造方法であり、また、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を加熱処理してカオリンを脱水反応させて、ポゾラン反応性を有する鉄含有原料を得るポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、高炉用非焼成塊成鉱の製造方法に関し、詳しくは、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を加熱処理して該カオリンを脱水反応させ、ポゾラン反応性を有する鉄含有原料として、これを用いるようにした高炉用非焼成塊成鉱の製造方法に関する。また、本発明は、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石からポゾラン反応性を有する鉄含有原料を製造するポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法に関する。
日本の製鉄プロセスにおける高炉用鉄原料は、焼結鉱が主に使用されている。焼結鉱は、平均粒径が約2〜3mmの粉状鉄鉱石を主要な鉄含有原料とする。これに石灰石や珪石等の副原料と、粉コークスや無煙炭等の炭材とを配合して、水分を調整しながら混合、造粒して擬似造粒子(1mm以上の核粒子の表面に0.5mm以下の微粉粒子が付着した造粒物)とし、それを焼結機で焼結して製造される。
一方で、雑原料(製鉄プロセスにおいて多量に発生する焼結ダストや高炉ダスト等を集塵機で回収した含鉄集塵ダスト、スラッジ、スケール粉等)やペレットフィード(ペレット用原料)等の微粉状鉄鉱石も高炉用の鉄原料として用いられる。これらの原料は粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80%以上を占める微粉状であるため、上記の焼結鉱製造プロセスで使用すると、焼結する際に造粒物が崩壊して原料充填層の通気性が悪化するため、焼結の生産性が低下してしまう。
そこで、微粉状鉄含有原料については、セメントと共に水を添加し、造粒してペレット等の塊成物に成形した後、養生して強度を高める非焼成の塊成化プロセスが適用される(例えば特許文献1、2参照)。このように製造されたセメントボンド塊成鉱(以下、非焼成塊成鉱という)は、高炉までの輸送や高炉装入時の粉化に耐えるための一定の強度が必要であるため、上記のように水硬性バインダーとしてセメントを用いて硬化させることで、必要強度を確保している。ところが、セメントの配合量を増やすと、得られた非焼成塊成鉱を高炉で使用した場合にスラグの発生量が増大したり、高炉内でのセメントの脱水吸熱の悪影響が顕在化してしまうおそれがある。そのため、高炉用非焼成塊成鉱の製造においては、スラグ量の削減や製造コストの低減等の観点から、セメント添加量の低減が望まれている。
また、バインダーとして、セメントと共にフライアッシュを用いて塊成物を得るようにし、フライアッシュを原料の一部として用いる方法が提案されている(特許文献3参照)。フライアッシュはポゾラン反応性を有し、セメント水和反応により生成したCa(OH)とSiOとが反応して、セメント水和物の中で強度発現に寄与するカルシウムシリケート水和物(CSH)を生成する。これによって、非焼成塊成鉱の強度発現を促進させることができれば、セメントの添加量を減らすことが可能になる。ところが、フライアッシュを用いた場合の養生後の圧壊強度(圧潰強度とも言う)は未だ十分であるとは言えない。また、フライアッシュのようなポゾラン反応性物質を添加することは製造コストの上昇を招くほか、高炉のスラグ発生量がやはり増加してしまう。
なお、粉状炭材と粉状鉄鉱石とを混合した原料を300℃以上に加熱した状態で酸素含有ガスを吹き込み、粉状炭材から発生した揮発分を燃焼させ、加熱原料中の粉状炭材の昇温速度を上げて粉状炭材を十分に軟化させることで、双ロール型成形機等で熱間成形してブリケット化する方法が提案されている(特許文献4参照)。ところが、この方法は、粉状炭材を軟化させてバインダーとして利用する熱間成形に係るものであり、上述した非焼成塊成鉱のように、セメントを用いて養生する、いわゆるコールドボンドペレットの製造方法とは異なる技術である。
特開平6−184653号公報 特開2012−188678号公報 特開2016−77965号公報 特開2010−111917号公報
そこで、本発明者らは、高炉用非焼成塊成鉱を得るにあたり、セメント添加量の低減を図りながら、配合原料としてポゾラン反応性物質を別途添加するかわりに、十分な養生後強度を発現させることができる方法について鋭意検討を行った。その結果、カオリンを含有する鉄鉱石を加熱処理して、このカオリンを脱水反応させることで、ポゾラン反応性を有する鉄含有原料にすることができ、これを鉄含有原料の少なくとも一部に用いて高炉用非焼成塊成鉱を製造することで、養生後強度が高められることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明の目的は、配合原料としてポゾラン反応性物質を別途添加するかわりに、ポゾラン反応性を発現させた鉄含有原料を用いることで、十分な養生後強度を得ることができる高炉用非焼成塊成鉱の製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石からポゾラン反応性を有する鉄含有原料を得ることができるポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)鉄含有原料及びバインダーを含む配合原料を水分調整した後に塊成物に成形し、所定の期間で養生して高炉用非焼成塊成鉱を製造する方法であって、
前記バインダーとしてセメントを用い、前記鉄含有原料の少なくとも一部として、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を用いて、該粉状鉄鉱石を加熱処理し、カオリンを脱水反応させて、配合原料とすることを特徴とする高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
(2)前記粉状鉄鉱石を粒径0.125mm以下に粉砕した後、前記加熱処理を行う(1)に記載の高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
(3)前記粉状鉄鉱石が、褐鉄鉱、赤鉄鉱、及び磁鉄鉱からなる群から選ばれたいずれか1以上からなる(1)又は(2)に記載の高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
(4)前記配合原料が更に微粉状炭材を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
(5)カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を加熱処理して、該カオリンを脱水反応させることで、ポゾラン反応性を有する鉄含有原料を得ることを特徴とするポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法。
本発明の高炉用非焼成塊成鉱の製造方法によれば、配合原料としてポゾラン反応性物質を別途添加するかわりに、ポゾラン反応性を発現させた鉄含有原料を用いることで、十分な養生後強度が得られるようになる。そのため、要求される強度を維持する範囲でセメント添加量の低減を図ることができるようになる。
また、本発明のポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法によれば、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石からポゾラン反応性を有する鉄含有原料を得ることができることから、上記のような高炉用非焼成塊成鉱の製造以外にも、例えば、焼結鉱を得る際の鉄含有原料として用いたり、焼成ペレットを得る際の鉄含有原料として用いるなど、ポゾラン反応性を有する新たな鉄含有原料として様々な用途への展開も可能である。
図1は、カオリン試薬を熱分析したときの重量変化を表すグラフである。 図2は、実施例で使用した鉄鉱石を熱分析したときの重量変化を表すグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明は、鉄含有原料及びバインダーを含む配合原料を水分調整した後に塊成物に成形し、所定の期間で養生して高炉用非焼成塊成鉱(以下、単に「非焼成塊成鉱」と言う)を製造するにあたり、バインダーとしてセメントを用い、鉄含有原料の少なくとも一部として、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を用いて、この粉状鉄鉱石を加熱処理し、カオリンを脱水反応させて、配合原料とするものである。
一般に、バインダーとしてのセメント添加量を減らした場合、十分な養生後強度を維持するのが難しくなる。養生後強度を改善するためには、セメント水和物の中で強度発現に寄与するカルシウムシリケート水和物(CSH)の生成を促進させることが重要となり、下記式1で示されるポゾラン反応を発生させる。すなわち、下記式2で示されるセメント水和反応により生成したCa(OH)とSiOとを反応させて、カルシウムシリケート水和物(CSH)が生成するようにする〔笠井:コンクリート工学, 21, (1983) 100.〕。
Figure 2019173059
鉄鉱石中には、脈石成分としてSiOが石英やカオリン〔Al2Si2O5(OH)4〕として含まれる。ところが、これらは通常ポゾラン反応性をほとんど示さない。また、鉱物形態として、一般にガラス質のものは比較的反応性が高く、石英のような結晶質のものは反応し難いことが知られている〔深谷、露木:セメント・コンクリート材料科学, 技術書院 (2003).〕。そこで、本発明者らは、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を加熱処理してカオリンを脱水させて、結晶構造を変化させることで、ポゾラン反応性が付与されることを見出した。すなわち、カオリンが熱分解を開始する温度以上で加熱処理してカオリンを脱水反応させて、ポゾラン反応性を有する鉄含有原料として用いることで、セメントの硬化を促進して、非焼成塊成鉱の養生後強度を向上させる。なお、カオリンについては、鉱物としてカオリナイトと称されるが、組成(基本化学式)が共通することから、これらを同義のものとして本明細書ではカオリンとして表記する。
ここで、図1には、試薬のカオリン(SIGMA-ALDRICH社製カオリン試薬)10mgをArの200mL/min気流雰囲気下で昇温速度20℃/minにより熱分析を行ったときの重量変化を表すグラフが示されている。これから分かるように、カオリンは380℃付近から脱水が開始して600℃付近で終了する。そのため、粉状鉄鉱石中のカオリンを脱水反応させる加熱処理は、この温度範囲(380〜600℃)に含まれてカオリンが熱分解を開始する温度以上とする必要があり、好ましくは400℃以上であり、より好ましくはカオリンが完全に脱水する600℃以上で行うようにするのがよい。加熱処理の温度の上限については特に制限されないが、効果が飽和することや経済性の観点から言えば800℃を上限とすることができる。また、加熱処理を行う際には特に雰囲気調整をする必要はなく、大気雰囲気で行うことができる。加熱手段についても特に制限はなく、例えば、電気炉加熱や赤外線加熱等により行うことができる。更に、加熱処理の時間については、粉状鉄鉱石の重量変化がなくなる時間を目安にすることができるが、一般には5分以上30分以下程度であれば十分である。
また、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石は、好ましくは粒径0.125mm以下に粉砕したものを用いるのがよい。このような粒径に調整された(粒度調整された)ものを用いることで、比表面積が大きく反応性が高くなることから、養生後強度をより向上させることができる。ここで、粒度調整方法については特に制限はない。例えば、破砕方法として、ボールミル破砕やローラープレス破砕等を挙げることができ、また、分級方法としては、篩分けや風力分級等を挙げることができ、これらはそれぞれ組み合わせて行うようにしてもよい。また、粉状鉄鉱石の粒度調整は、加熱処理の前に行ってもよく、加熱処理後に行ってもよいが、カオリンの脱水反応がより効率的に行われるようにする観点から、好ましくは、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を粒径0.125mm以下に粉砕した後、加熱処理を行うようにするのがよい。
カオリンを含む粉状鉄鉱石について、脈石としてカオリンを含んだものであればよく、鉄鉱石の種類としては褐鉄鉱のほか、例えば赤鉄鉱や磁鉄鉱等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を含むものであってもよい。一般にAl成分が高い鉄鉱石はカオリンを含んでいる場合が多いため、化学成分値からカオリンの有無について便宜的に判断することもできる。ただし、Al成分はギブサイト〔Al(OH)3〕等として存在する場合もあるため、図1に示したような熱重量測定により380℃から600℃の温度範囲で脱水による重量減少が観測されるものを選定するのが望ましい。
ここで、380℃から600℃の温度範囲での重量減少を脱水重量として、AlSi(OH)→AlSi+2HOの反応式(1)から、粉状鉄鉱石中のカオリン含有量を求めることができる。そのため、このカオリン含有量を指標にして、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石の配合原料中での配合割合を決めるようにしてもよい。例えば、バインダーとして用いるセメントと粉状鉄鉱石中のカオリン含有量とが質量比で1:0.4〜1:1.1となるようにするのがよく、これによってポゾラン反応が効率的に行われるようにすることができる。なお、鉄鉱石の品種によっても異なるが、一般にカオリン含有量は0.1〜8質量%程度である。
本発明においては、鉄含有原料として、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石以外のものを併用するようにしてもよい。一般に、非焼成塊成鉱の配合原料としては、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80%以上を占めるような微粉状鉄含有原料が用いられるが、本発明ではこれらを混合するようにしてもよい。このような微粉状鉄含有原料としては、例えば、製鉄プロセスにおいて発生する焼結ダストや高炉ダスト等の含鉄ダストをはじめ、ペレットフィード(ペレット用原料)として用いられる微粉状鉄鉱石や、スラッジ、スケール粉、粉状鉄鉱石を破砕機で予め粉砕したものなどを挙げることができる。
また、バインダーとして用いるセメントについては特に制限はなく、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント(早強セメント)のようなポルトランドセメントのほか、高炉セメント、アルミナセメント等を挙げることができる。
更に、本発明においては、配合原料として粉状炭材を含めるようにしてもよい。鉄含有原料中の被還元酸素を還元して金属鉄とするために必要な粉状炭材を添加して含炭非焼成塊成鉱とすることで、高炉操業時の還元材比の低減を図ることができる。このような粉状炭材については、一般に粒径が1mm以下のものが用いられ、また、具体例としては、高炉一次灰、コークスダスト、粉コークス、石炭等を挙げることができる。
本発明では、加熱処理によりカオリンを脱水反応させてポゾラン反応性を有する粉状鉄鉱石を鉄含有原料として用いることから、フライアッシュのようなポゾラン反応性物質を別途添加する必要がない。そのため、粉状炭材を含む場合で言えば、要求される養生後強度によっても異なるが、鉄含有原料の全てがポゾラン反応性を有する粉状鉄鉱石としたときに、配合原料中での鉄含有原料が60質量%以上87質量%以下、バインダーとしてのセメントが3質量%以上10質量%以下、粉状炭材が10質量%以上30質量%以下となるような配合比率を一例として示すことができる。なお、本発明は、フライアッシュのようなポゾラン反応性物質の添加を排除するものではないことは勿論である。
そして、本発明においては、上記のようにポゾラン反応性を有する粉状鉄鉱石を鉄含有原料の少なくとも一部に用いること以外は、公知の方法と同様にして非焼成塊成鉱を製造することができる。すなわち、例えば、配合原料を所定の配合量となるようにホッパーから切り出して、必要に応じてボールミル等の粉砕機で粉砕し、レディゲミキサーやアイリッヒミキサー等の混錬機を用いて、水を加えて水分量を調整しながら混錬する。その際、水分含有量は、ペレット(塊成物)にした際に9〜14質量%程度となるようにするのが一般的である。次いで、例えば、パンペレタイザー等の造粒機で造粒し、更に、振動篩等で篩い分けして、造粒したペレット(塊成物)を得る。このとき、配合原料を構成する各原料を粉砕した後、配合して配合原料としてもよい。また、水分調整して混錬した配合原料を造粒機による造粒して塊成物にするかわりに、例えば、圧縮成型機を用いてブリケットにしたり、押出し成型機により押出し成型するなどして塊成物を得るようにしてもよい。
次いで、上記のようにして得られた塊成物を所定の期間養生して、非焼成塊成鉱を得ることができる。その際、粉状鉄鉱石中に含まれたカオリンを脱水させてポゾラン反応性を付与したことで、養生過程でポゾラン反応によりCSHの生成を増加させることができる。
ここで、非焼成塊成鉱の製造では、一次養生と二次養生との2段階で行われるのが一般的である。一次養生は、塊成物が粉化することなく通常のハンドリングに耐え得る強度であって、かつ、塊成物の粒子間で強固な結合が進行して多数の塊成物が塊状化するまでには至らない範囲で強度を発現させるものである。この一次養生の養生時間(期間)は、一般に2〜3日間程度である。
一次養生後は、塊成物を解砕して、高炉での使用に耐え得る強度が発現するまで二次養生を行う。例えば、一次養生後、山積みされた塊成物の積み重ね(ペレット等のパイル)を崩すことで、個々の塊成物を分離させつつ、塊成物を一次養生ヤードから二次養生ヤードへ移動させる。その際、一次養生後の塊成物を二次養生のヤード等に積み付けるときに解砕されるようにしてもよい。この二次養生の養生時間(期間)は、一般に2週間程度である。また、二次養生によって最終的に必要となる強度(養生後強度)として、一般的には、塊成物1個あたりの圧壊強度で980N/p以上であるのが望ましい。
このように、軽微な相互付着のとき(一次養生)に解砕操作(解砕処理)を含めることで、その後は付着が起こらないため、ヤード等への直接の積み付けで養生(二次養生)が可能になる。
また、本発明において得られたポゾラン反応性を有する鉄含有原料は、上述したような高炉用非焼成塊成鉱の製造以外にも用いることができる。すなわち、カオリンを含む粉状鉄鉱石を加熱処理して、カオリンを脱水反応させることで、鉄含有原料でありながら、ポゾラン反応性を付与させることができることから、例えば、焼結鉱を得る際の鉄含有原料として用い、併せて生石灰または消石灰を添加することで、その製造過程での擬似造粒子の冷間強度を高めることができるようになる。また、焼成ペレットの製造過程においても生石灰または消石灰と併用することで、焼成前の生ペレットの冷間強度を高めることができるようになる。
本発明について、実施例に基づきながら具体的に説明する。なお、本発明はこれらの内容に制限されるものではない。
(実施例1)
カオリンを含有する鉄鉱石として豪州産褐鉄鉱を用い、炭材としてコークス粉を用い、バインダーとして早強セメントを用いて、以下のようにして非焼成塊成鉱を製造する実験I(実験No.1〜9)を行った。これらの原料は表1に示した化学成分を有する。原料配合比率は、実験No.1〜8では、豪州産褐鉄鉱を75mass%、コークス粉を20mass%、及び早強セメントを5mass%とし(以下、配合比1とする)、実験No.9では、豪州産褐鉄鉱を72mass%、コークス粉を20mass%、及び早強セメントを8mass%とした(以下、配合比2とする)。また、豪州産褐鉄鉱については、表2に示したように、粉砕と篩分けにより粒径1mm以下、同0.25mm以下、同0.125mm以下、及び同0.045mm以下の4条件で粒度調整した。コークス粉の粒径は1mm以下である。
Figure 2019173059
これらの配合原料のうち、実験No.5〜8の豪州産褐鉄鉱(以下、単に鉄鉱石と言う)は、粒度調整後に大気雰囲気下で600℃、30分間の加熱処理を行ったものである。図2は、事前にこの鉄鉱石の重量変化(TG)を確認したときの結果であり、カオリン試薬(SIGMA-ALDRICH社製カオリン試薬)の場合の重量変化と、これらの熱分析の際の温度プロファイルを併せて示している。先の図1からも分かるように、カオリンは380℃付近から脱水が開始し、600℃付近で終了することから、380℃から600℃までの間の重量減少を脱水重量として、前述の反応式(1)からカオリン含有量を求めることができる。すなわち、この温度範囲での鉄鉱石の重量変化は0.99%であり、反応式(1)の結晶水の脱離がこれに相当するとして、この実施例で使用した鉄鉱石のカオリン含有量は7.0mass%になる。なお、図2における熱重量測定は、いずれも10mgを測定試料として、Arの200mL/min気流雰囲気下で熱分析したものである。
Figure 2019173059
上記実験No.1〜9の配合原料は、それぞれ混錬機を用いて水を加えて水分量を調整しながら混錬し、ディスクペレタイザーによりペレット(塊成物)を作製した。得られたペレットは平均粒径が15mmであり、また、ペレット中の水分量は10〜13mass%の範囲であった。そして、作製したペレットは14日間の自然養生を行って、養生後圧潰強度を測定した。ここで、養生後圧潰強度は、JIS M8718に準拠して測定した。すなわち、試料(ペレット)1個に対して規定の加圧盤速度(12mm/min)で圧縮荷重をかけ、ペレットが破壊した時点の圧縮荷重の最大値を圧潰強度とした。この測定を実験No.ごとにサンプル数60個で実施し、それぞれの平均値を算出した。結果を表2に示す。
表2では、配合原料中の鉄鉱石を加熱処理していない実験No.1〜4の養生後ペレットと加熱処理をしている実験No.5〜8の養生後ペレットとについて、鉄鉱石の粒度が同じもので圧潰強度を比較し、その強度向上効果代を記している。これによれば、加熱処理した鉄鉱石を配合原料に用いることで、鉄鉱石の粒度が同じものと比べていずれも養生後強度が増しており、加熱処理によって鉄鉱石にポゾラン反応性が付与されたためと考えられる。なかでも、鉄鉱石の粒度が0.125mm以下(実験No.7)及び0.045mm以下(実験No.8)の場合にその強度向上効果が顕著であり、セメント添加量が8%である実験No.9の養生後ペレットと同等の強度を発現させることができた。つまり、本発明によれば、セメント添加量を減らしても養生後強度を確保することができる。
(実施例2)
粒径0.045mm以下に粒度調整した鉄鉱石(豪州産褐鉄鉱)を表3に示した各温度で30分間加熱する加熱処理を行うようにした以外は実施例1と同様にして、実験No.10〜14に係る養生後のペレットの圧潰強度を測定した。結果を表3に示す。なお、ここでは、実施例1における実験No.4の場合と比較して、それぞれの強度向上効果代を記している。
Figure 2019173059
表3に示した結果から分かるように、配合原料中の鉄鉱石を300℃で加熱処理した場合(実験No.10)には、加熱処理を行っていない場合(実験No.4)の養生後強度と差はなかった。これは、鉄鉱石中のカオリンが脱水反応を生じなかったためと考えられる。また、鉄鉱石の加熱処理を400℃以上で行った場合(実験No.11〜14)には、加熱処理を行っていない場合(実験No.4)に比べていずれも養生後強度が増しており、加熱処理によって鉄鉱石にポゾラン反応性が付与されたためと考えられる。なかでも、加熱処理の温度が高くなるにつれてその強度向上効果代が増していた。ただし、加熱処理の温度が600℃以降では強度向上効果が飽和する傾向を示した。

Claims (5)

  1. 鉄含有原料及びバインダーを含む配合原料を水分調整した後に塊成物に成形し、所定の期間で養生して高炉用非焼成塊成鉱を製造する方法であって、
    前記バインダーとしてセメントを用い、前記鉄含有原料の少なくとも一部として、カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を用いて、該粉状鉄鉱石を加熱処理し、カオリンを脱水反応させて、配合原料とすることを特徴とする高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
  2. 前記粉状鉄鉱石を粒径0.125mm以下に粉砕した後、前記加熱処理を行う請求項1に記載の高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
  3. 前記粉状鉄鉱石が、褐鉄鉱、赤鉄鉱、及び磁鉄鉱からなる群から選ばれたいずれか1以上からなる請求項1又は2に記載の高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
  4. 前記配合原料が更に微粉状炭材を含む請求項1〜3のいずれかに記載の高炉用非焼成塊成鉱の製造方法。
  5. カオリンを含んだ粉状鉄鉱石を加熱処理して、該カオリンを脱水反応させることで、ポゾラン反応性を有する鉄含有原料を得ることを特徴とするポゾラン反応性鉄含有原料の製造方法。
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