JP5835144B2 - 高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法 - Google Patents

高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法に関する。
従来、製鉄所は、各種集塵装置等から回収される多種の含鉄、含炭ダストを配合し、セメント系の時効性バインダーを添加して混錬、成型して非焼成のペレットやブリケットを製造し、高炉原料として使用してきた。
これらの高炉用非焼成含炭塊成鉱は、高炉までの輸送及び高炉装入時の粉化に耐えるための一定の冷間圧潰強度が必要である。そのため、製鉄ダスト等を造粒機により造粒する際には、ダストの粒度分布を適正範囲に調整し、石灰石、セメントなどのバインダーに水分を添加し、造粒した後、養生し硬化させることにより強度を確保してきた。
また、これらの高炉用非焼成含炭塊成鉱は、高炉内で、高炉シャフト部のガス条件と温度条件下で反応を受け劣化するので、順調な高炉操業のためには、一定の熱間圧潰強度が必要である。
また、これらの高炉用非焼成含炭塊成鉱は、内装するカーボンにより高炉内の還元反応を起こす結果、還元率が向上するため、高炉操業時の還元材比の低減のため、内装カーボンの増量が図られてきた。
以上のことより、高炉用非焼成含炭塊成鉱は、内装カーボン量が多く、かつ、冷間圧潰強度と熱間圧潰強度が高いものが望まれる。
高炉用非焼成含炭ペレットの冷間圧潰強度をあげる方法として、「微粉状鉄含有原料と粉状炭材に水硬性バインダーを添加し、かつ、全原料中の炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%となるように前記微粉状炭材の配合割合を調整し、さらに、水分を調整しつつ混合、造粒した後、養生処理することにより、冷間圧潰強度85kg/cm2(8300kN/m2)以上の高炉用非焼成含炭ペレットを製造する方法であって、前記養生処理は、前記造粒後のペレットを一次養生用ヤードで12〜48時間大気中に放置した後、該ペレットを二次養生用シャフト炉に装入し、該シャフト炉内で、60〜90℃の温度と5時間以上の処理時間で蒸気吹込処理を行い、その後、引き続き連続して、乾燥処理を行い、かつ前記蒸気吹込処理と前記乾燥処理の総処理時間が8時間以内となるようにする」発明がある(特許文献1)。
又、高炉操業における還元材比の低減を目的とし、「含酸化鉄原料とカーボン系炭材を配合しバインダーを加えて混錬、成型、養生してなるカーボン内装非焼成塊成鉱において、鉄鉱石類の被還元酸素を還元し金属鉄とするために必要な理論炭素量の80〜120%のカーボンを含有し、かつ常温での圧潰強度7850kN/m2 以上となるようにバインダーを選択して混錬、成型、養生してなることを特徴とする高炉用のカーボン内装非焼成塊成鉱。」の発明が提案されている(特許文献2)。
又、高炉法やDR法(直接還元法)に使用される炭材内装非焼成ブリケットの還元後の強度の低下を目的に、「成型、乾燥後の空隙率を15〜25%であるとする炭材内装非焼成ブリケット」の提案がある(特許文献3)。
又、全鉄原料の粒度、微粉状炭材の配合割合を調整し、かつ、微粉状炭材のメジアン径を調整することにより、高炉用原料ペレットとして要求される50kg/cm2(4900kN/m2)以上の冷間強度を維持するとともに、高炉操業時の還元材比を大幅に低減できるだけの十分な炭素含有量を有し、還元後の圧潰強度7kg/cm2(690kN/m2)以上を有する、非焼成含炭ペレット製造方法が提案されている(特許文献4)。
特開2009−161791号公報 特開2003−342646号公報 特開昭62−290833号公報 特開2008−95177号公報 特開平8‐189926号公報
特許文献1記載の発明によれば、高炉用非焼成含炭ペレットが内装するカーボン量が多く、冷間圧潰強度の高い非焼成含炭ペレットを得ることができるが、成型後の一次養生後に、更に二次養生用シャフト炉において、蒸気吹込養生とその後の乾燥処理が必要となり、設備費及び処理費が高くなるという問題がある。又、この文献では、高炉用非焼成含炭塊成鉱の熱間圧潰強度についての言及はない。
特許文献2記載の発明によれば、一般に還元ガスの温度とガス組成(ηCO=CO2/(CO+CO2))との関係から、酸化鉄の還元反応の進行が制約される高炉シャフト部の熱保存帯と還元反応平衡帯においても、900〜1100℃の温度領域で、非焼成塊成鉱中の酸化鉄は、内装するカーボンにより還元反応を起こす結果、還元率が向上するため、高炉操業時の還元材比の低減効果が期待できる。
しかしながら、この方法では、非焼成塊成鉱に内装するC含有量は、酸化鉱を還元し金属鉄とするために必要な理論炭素量(以下、C当量ということもある)で120%以下(全カーボン含有量(T.C)は約15質量%以下に相当する)に制限され、これ以上C含有量を増加すると、非焼成塊成鉱の冷間圧潰強度および熱間圧潰強度が損なわれるという問題がある。
さらに、この方法では、炭材を内装した非焼成塊成鉱の冷間圧潰強度を維持するために、生石灰に代えて、早強ポルトランドセメントなどのセメント系のバインダーを使用するため、バインダーの添加量を増加させると吸熱反応であるセメントの脱水反応により高炉内のシャフト部での昇温速度が低下するだけでなく、低温での還元停滞域(低温熱保存帯)を発生させ、高炉用鉄原料として装入する焼結鉱の高炉内の還元粉化を助長させてしまう点が問題である。
特許文献3記載の発明によれば、炭材内装非焼成ブリケットの高炉における還元時の強度低下を抑制できる効果がある程度期待できる。
しかしながら、炭材内装非焼成ブリケットの成型、乾燥後の空隙率は、原料や炭材の性状、粒度により影響され、空隙率を15〜25%の範囲にコントロールするのは難しく、原料等の制約を受けるという問題がある。
特許文献4記載の発明によれば、全原料中の粒度を2mm以下とし、全原料中炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%となるように微粉状炭材の配合割合を調整し、炭材のメジアン径を100〜150μmとすることにより、冷間圧潰強度、還元後圧潰強度が良好であり、高い還元材比低減効果を有する非焼成含炭塊成鉱を製造することができる。
しかしながら、この方法では、全原料中の粒度を2mm以下とし、炭材のメジアン径を100〜150μmとしなければならず、原料と炭材の両面からの制約があり、又、早強セメントを10%以上添加することとなると、この非焼成含炭塊成鉱を高炉にて使用する量を増加させた場合、高炉に投入されるスラグ量も増加する問題がある。また、早強セメントは400〜500℃で脱水反応(吸熱反応)が進行するため、セメント10%を添加した含炭塊成鉱の過剰使用は高炉内の温度を低下させ、高炉内装入物の昇温遅れ、還元遅れが生じる問題がある。
高炉用非焼成含炭塊成鉱は、内装カーボン量が多く、かつ、冷間圧潰強度と熱間圧潰強度が高いものが望まれる。
冷間圧潰強度は、水硬性バインダーを添加することで、所定以上の強度をもたせることができるが、高炉内では水硬性バインダーは分解してしまい、熱間強度の維持の役に立たない。又、水硬性バインダーは高炉内の脱水反応(吸熱反応)により、過剰な使用は高炉内の温度を低下させ、高炉内装入物の昇温遅れ、還元遅れが生じるという課題がある。
高炉に装入される鉱石の80%〜95%を占める燒結鉱は、高炉炉頂から炉内に装入された後、シャフト上部、シャフト下部で熱履歴を受けながら下降し、ガス条件と温度条件下で反応を受け劣化しながら1200℃程度の融着帯上面に達し、軟化溶融を開始する。
燒結鉱は、高炉に装入される前に焼成され、高炉挿入前に一度、熱履歴を受けているのに対し、高炉用非焼成含炭塊成鉱は、何ら、装入前に熱履歴を受けていない。従って、高炉用非焼成含炭塊成鉱においては、炉内に装入された後のシャフト上部、シャフト下部での熱履歴による劣化は、一度、熱履歴を受けた燒結鉱の劣化とは、異なると考えられる。
本発明者は、高炉用非焼成含炭塊成鉱が高炉内のガスと温度条件下でどのように劣化するかを検討した。その結果、非焼成含炭塊成鉱が高炉内では、900℃で最も強度が低下することを見出した。
従来技術において、前記の特許文献1〜5を含め、非焼成含炭塊成鉱の高炉内熱履歴に対応した強度について言及した記載はない。
本発明の目的は、非焼成含炭塊成鉱が高炉内で最も強度が低下する温度領域(900℃)で、高い熱間強度を維持することが可能な高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法を提供することである。
本発明者は、鉄含有原料の粒径を適切化することで(50μm以下の含有割合)、非焼成含炭塊成鉱が高炉内で受ける熱履歴において、最も強度が低下する温度領域(900℃)での熱間強度を維持することができることを見出した。
本発明は、この知見に基づいて上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 鉄含有原料と炭材含有原料を水硬性バインダーと水を用い、加圧・成型して塊成化する高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法であって、
前記鉄含有原料の50μm以下の粒径が25質量%以上60質量%以下であり、
前記炭材含有原料が前記鉄含有原料と前記炭材含有原料の合計に対し、15質量%以上30質量%以下(但し、無煙炭、高炉ダスト、オイルコークスのいずれか1種15〜20%を除く。)であることを特徴とする高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
(2) 前記水硬性バインダーの使用量は、前記鉄含有原料と前記炭材含有原料の合計に対し、外数で、1質量%以上5質量%以下であることを特徴とする(1)に記載の高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
(3) 前記鉄含有原料の50μm以下の粒径が25質量%以上60質量%以下となるように、微粉砕したローブリバー鉱石の配合量を調整することを特徴とする(1)又は(2)に記載の高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
非焼成含炭塊成鉱が高炉内で最も強度が低下する温度領域(900℃)で、高い熱間強度を維持することが可能な高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法を提供することができる。
高炉用非焼成含炭塊成鉱の熱間圧潰強度の測定装置を示す図。 高炉用非焼成含炭塊成鉱の熱間圧潰強度の測定条件を示す図。 高炉用非焼成含炭塊成鉱の温度と熱間圧潰強度の関係を示す図。 高炉用非焼成含炭塊成鉱の細粒鉱石と熱間圧潰強度の関係を示す図。 高炉用非焼成含炭塊成鉱の熱間反応後の試料断面を示す図。(A)は比較例、(B)は、本発明実施例。
(冷間圧潰強度と熱間圧潰強度の優れた高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造について)
本発明は、鉄含有原料と、炭材含有原料と、水硬性バインダーを有する原料に水分を添加して混合、造粒することにより、冷間圧潰強度と熱間圧潰強度の優れた高炉用非焼成含炭塊成鉱を製造する方法である。ここで、鉄含有原料と炭材含有原料はともにペレタイジングまたはブリケッティングにより成型が可能な粒度であって、たとえば2mm以下である。
高炉用非焼成含炭塊成鉱の原料を混合、造粒する造粒設備は、特に限定する必要はなく、原料の混錬、加水、造粒、製品篩の機能を有するものであればよく、混錬機、造粒機などは、特に限定されるものではない。
本発明に係る高炉用非焼成含炭塊成鉱には、例えば、非焼成含炭ペレット、非焼成含炭ブリケット等がある。ペレットとしては、例えば、ディスクペレタイザーにより球状に成型するものがあり、ブリケットとしては、くぼみの型を備え相対する一対の成型ロールで成型する左右対称のピロー型ブリケットやアーモンド型ブリケットがあるがこれらに限定されるものではない。
成型直後の生の非焼成含炭塊成鉱は、その後の高炉までの輸送及び高炉装入時の粉化に耐えるための一定の強度が必要である。そのため、成型後の生の高炉用非焼成含炭塊成鉱は、セメント等の無機バインダーと水との水硬反応を進めるために養生する。養生後の冷間圧潰強度としては、非焼成含炭ペレット(直径約10〜15mm)では、5000kN/m2以上が好ましく、非焼成含炭ブリケット(約20〜25cc)では、1000N/サンプル以上が好ましい。
圧潰強度の測定は、JIS M8718「鉄鉱石ペレット圧潰強度試験方法」に準じて、試料1個に対して、規定の加圧速度で圧縮荷重をかけることにより、破壊した時の荷重値を測定する。
非焼成含炭塊成鉱は、高炉内では、高炉シャフト部の熱保存帯と還元反応平衡帯におけるガス条件と温度条件下で反応を受け劣化するが、順調な高炉操業のためには、一定の熱間圧潰強度の維持が必要である。反応後の熱間圧潰強度としては、非焼成含炭ペレット(直径約10〜15mm)では、700kN/m2以上が好ましく、非焼成含炭ブリケット(約20〜25cc)では、100N/サンプル以上が好ましい。
熱間圧潰強度の測定は、高炉内の還元反応を荷重下で模擬できる還元試験装置を用い、高炉シャフト部の熱保存帯と還元反応平衡帯における還元ガス組成(CO31.4%、CO2;14%、N2;54.5%)及び温度(900〜1200℃)とほぼ同じ条件で還元試験を実施し、非焼成含炭塊成鉱の反応後の圧潰強度をJIS M8718「鉄鉱石ペレット圧潰強度試験方法」に準じて行う。
前記鉄含有原料としては、鉄鉱石を所定の粒度に粉砕したもの、又は、ペレットフィードを使用することができる。又、製鉄プロセスにおいて多量に発生するダストを集塵機などで回収した含鉄ダストやスラッジ、スケール等も使用することができる。これらの鉄含有原料は、1mm以上はほとんどなく、粒径250μm以下が全体の80%以上を占める。
本発明は、鉄含有原料の粒径(50μm以下)を適切化することで、非焼成含炭塊成鉱が高炉内で、最も強度が低下する温度領域(900℃)での熱間強度を維持することを特徴としている。即ち、鉄含有原料の粒径を適切にすることにより、還元過程で生成する鉄のネットワーク化を促進することで、非焼成含炭塊成鉱の熱間圧潰強度を向上させるができる。
具体的には、鉄含有原料の粒径50μm以下の比率を25質量%から60質量%の範囲とする。これは、実施例で詳細に説明するように、最も強度が低下する900℃において25質量%以上で所要の700kN/m2を満足するようになる。一方、60質量%を超えると900℃での強度向上効果が小さくなるだけでなく、1100℃以上では強度が低下するようになる。さらに、粒径50μm以下の比率を35質量%から50質量%の範囲であれば、幅広い温度範囲で高温強度を高く保つことができ、より好ましい。
前記炭材含有原料としては、所定粒度に粉砕した粉コークス、粉石炭、及びコークスダスト並びに粉コークスを含有する高炉一次灰などの粉状の固形炭材などがある。
炭材含有原料の配合量は、原料全質量に対し、10%以上が好ましく、これによって含炭塊成鉱中の酸化鉄を含炭塊成鉱中に内在する炭材のみで概ね還元でき、その結果迅速に還元できる。さらに、15%以上がより好ましく、18%以上が特に好ましい。これは、含炭塊成鉱中の酸化鉄を還元してもなお余剰の炭素分のガス化により、高炉内にて、非焼成ペレット以外の鉄原料(例えば焼結鉱)の還元を促進し、省エネルギー化及び低CO2化が期待できる。残留する炭素分がその近傍に存在する焼結鉱の還元を促進するためである。
炭材含有原料の配合量が過大となると、冷間強度、熱間強度の維持が困難となるため、15%以下が好ましい。
従来から、ペレット中の酸化鉄を還元するのに必要な理論上の炭素量に対する炭素含有量の比を「炭素等量」と定義し、炭素による酸化鉄の還元度の目安としている。従来は、高炉用原料として要求される冷間圧潰強度4900kN/m2以上を維持するためには、炭素含有量を15質量%(炭素当量で1.2に相当)に制限せざるを得なかった(特許文献2参照)。しかし、本発明では、前記微粉状鉄含有原料の粒径(50μm以下)を適切化することで、微粉状鉄含有原料に15質量%以上30質量%以下の微粉状炭材を添加することもできる。
前記水硬性バインダーとは、原料中に含有する水分や添加水分との水和反応により硬化することにより造粒物の冷間圧潰強度を高める機能を有するバインダーを意味する。水硬性バインダーとしては、高炉水砕スラグを主成分とする微粉末とアルカリ刺激剤からなる時効性バインダーや、ポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメント等があるが、これらに限定されるものではない。
水硬性バインダーを添加することにより、高炉用非焼成含炭塊成鉱の必要な冷間圧潰強度は維持できる。例えば、高炉用非焼成含炭ペレットの場合、一般的に全原料質量に対し、10質量%程度の水硬性バインダーが添加される。
しかし、水硬性バインダーの添加は、高炉のスラグ量を増加し、必要エネルギーの増加、発生CO2量の増加をもたらす。又、水硬性バインダーは高炉内の400〜500℃にて吸熱反応を伴って脱水反応が進行するため、バインダーの過度な添加は高炉内の低温化を招き、高炉の効率が低下する。
本発明では、前記微粉状鉄含有原料の粒径(50μm以下)を適切化することにより、従来に比べ、より少ない1質量%以上5質量%以下の水硬性バインダーの添加量で冷間圧潰強度と熱間圧潰強度の優れた高炉用非焼成含炭塊成鉱を製造することができる。
(非焼成含炭塊成鉱が高炉内で、最も強度が低下する温度領域(900℃)での熱間強度について)
前述のように、従来、反応後の熱間圧潰強度としては、非焼成含炭ペレット(直径約10〜15mm)では、700kN/m2以上が好ましく、非焼成含炭ブリケット(約20〜25cc)では、100N/サンプル以上が好ましいとされてきた(前記特許文献4参照)。
しかし、高炉用非焼成含炭塊成鉱は、高炉に装入された後、高炉内を降下する際に、過酷な温度条件とガス条件に晒され劣化するが、劣化の過程が荷重下で調査されたことはない。高炉用非焼成含炭塊成鉱は、鉄含有原料と炭材含有原料を造粒剤(セメント)と水を用い、加圧・成型して塊成化されているので、高炉装入後は、まず、脱水がおこり、次に、水硬性バインダー(セメント)の分解により、その結合力を失い、強度が低下していくと考えられる。そして、高炉内の熱保存帯(900℃〜1000℃)で長時間(2時間〜3時間)、過酷な雰囲気で加熱された後、融着帯(1200℃〜1400℃)に達し、軟化・溶融し、融け落ちる。
本発明者等は、高炉用非焼成含炭塊成鉱が高炉に装入された後、融着帯に到着するまでの過程で、どのように劣化していくのかについて調査した。
熱間強度の測定試験は、特許文献5に記載の鉱石の荷重軟化試験方法に準じて行った。図1に高炉用非焼成含炭塊成鉱の熱間圧潰強度の測定装置を示す。反応内管1(Φ73mm)と反応外管2の間に所定の反応性ガスを入口3から流入し、反応内管1の底より、反応管1の中に導入する。反応内管1の下部にアルミナボール5を敷き詰め、その上に、焼結鉱350gと非焼成含炭ペレット150gから成る試料6を充填し、その上にさらにアルミナボール5を充填する。反応内管1のカーボン側壁と試料の間に繊維状セラミックス10をはさむ。アルミナボール5と繊維状セラミックス10を配置することにより、試料と反応内管1の反応を防止する。試料は、カーボン製押し棒9により荷重を98kN/m2(1kgf/cm2)一定を受けながら、加熱装置7により加熱され、試料温度は、熱電対8により測定する。反応後のガスは反応後ガス出口4により反応内管1から、外部に排出される。
図2に高炉用非焼成含炭塊成鉱の熱間圧潰強度の測定条件を示す。ガス組成と温度は、高炉のシャフト部における条件を模したものである。
熱間強度の測定試験に用いた高炉用非焼成含炭塊成鉱は、鉄含有原料76質量%と炭材含有原料24質量%を水硬性バインダー(セメント)5質量%(外数)を用いて成型したペレット(径13mm)である。鉄含有原料は、ペレットフィードと粉砕ローブリバー鉱石を3:1に混合したものであり、その粒度構成を表1に示す。炭材含有原料は、径が250μm以下の粉コークスである。
図2において、試験開始から60分経過したA点(600℃)で、試験を中断し、N=33.9L/minで冷却後、還元後試料の圧潰強度をJIS M8718に準じて測定し、600℃における試料の熱間圧潰強度とした。再度、新たな試料により試験を初めから開始し、試験開始からB点(800℃)で試験を中断し、800℃における試料の熱間圧潰強度を測定した。同様にして、C点(900℃)、D点(1000℃)、E点(1100℃)、F点(1200℃)でそれぞれ試験を中断し、還元後試料の圧潰強度を測定して、それぞれの温度における試料の熱間圧潰強度とした。
図3に測定して得られた高炉用非焼成含炭塊成鉱の温度と熱間圧潰強度の関係を示す。試料は、A点(600℃)からC点(900℃)に向け、熱間圧潰強度は低下している。これは、高炉に装入された高炉用非焼成含炭塊成鉱は、脱水がおこり、次に、造粒剤(セメント)の分解により、その結合力を失い、強度が低下しているものと考えられる。
C点(900℃)から、より高温のD点(1000℃)、E点(1100℃)になると、熱間圧潰強度は、向上している。高炉の炉内温度が、900℃〜1200℃の領域は、熱保存帯であり、2〜3時間かけて、鉱石が間接還元される領域である。即ち、高炉用非焼成含炭塊成鉱は、炉内のCOガスにより、間接還元され、一部、メタリックが発生して、強度が向上したものと考えられる。このことは、後述する図5で、高炉用非焼成含炭塊成鉱の熱間反応後の試料断面に金属鉄ネットワークが生成されていることにより、説明される。
図3において、熱間圧潰強度はC点(900℃)で最も低下している。高炉内の900℃付近で、非焼成含炭塊成鉱の強度が低下すると、この近辺の通気抵抗が増加し、高炉操業に支障をきたす。従って、非焼成含炭塊成鉱は、最も強度が低下する温度領域(900℃)での熱間強度を管理基準である700kN/m2以上に維持することが重要であることがわかった。
この場合、細粒鉱石(0.05mm以下)を多量配合すると、鉱石と還元ガスとの接触面積が広くなり、900℃近辺での還元率が向上して含炭塊製鉱の金属化率が向上すると考えられる、また本試験では、高炉内を模擬するため、荷重をかけて測定を行っているが、この場合、還元が進行し金属化率が高いほど、荷重により金属鉄同士がネットワークを形成するため、熱間強度は向上すると考えられる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これに限られるものではない。
細粒鉱石(50μm以下)を多量配合した鉄含有原料を用いる試験を行った。鉄含有原料76質量%と炭材含有原料24質量%を水硬性バインダー(セメント)1質量%〜5質量%(外数)を用いて混練後、ディスクペレタイザーにより含炭ペレット(径13mm)を成型した。
鉄含有原料は、ペレットフィードと粉砕ローブリバー鉱石を3:1に混合したものである。その際、ペレットフィードは粉砕を行わずそのままの粒度で用いた。一方、ローブリバーは、50μm以下に微粉砕したものと1000μm以下に粉砕したそれとを適宜混合して表2に示す粒度構成となるようにした。
炭材含有原料は、径が250μm以下の粉コークスである。
(鉄含有原料の50μm以下の比率について)
セメント配合量を3質量%一定として鉄含有原料の50μm以下を変化させた比較例1〜比較例3及び実施例1〜実施例4について、冷間圧潰強度及び900℃における熱間圧潰強度を表3に示す。細粒鉱石(50μm以下)の使用割合が25質量%以上の実施例1〜実施例4は、900℃における熱間圧潰強度は700kN/m2以上を維持することができた。一方、細粒鉱石(50μm以下)の使用割合が25質量%未満の比較例1〜比較例3は、900℃における熱間圧潰強度は700kN/m2以上を維持することができなかった。
さらに、比較例1、実施例1及び実施例4の試料では、前記図3で示したC点(900℃)以外のA点(600℃)、B点(800℃)、D点(1000℃)、E点(1100℃)、F点(1200℃)における熱間圧潰強度も測定した。その結果を図4に示す。 ここで、実施例4は、細粒鉱石(50μm以下)の含有量が60質量%と高いが、F点(1200℃)における熱間圧潰強度は、比較例1、実施例1の熱間圧潰強度より低い。細粒鉱石(50μm以下)の含有量が過大となると、熱間圧潰強度が低下する傾向にある。
以上のことより、細粒鉱石(50μm以下)の含有量は、25質量%以上60質量%以下が好ましい。
図5(A)に比較例1における900℃の試料断面写真を示す。ウスタイト、金属鉄への還元は均一に進行しているが、900℃の金属鉄が強固に結合したメタルネットワークは見られない。図5(B)に実施例1における900℃の試料断面写真を示す。50μm以下細粒鉱石が還元されたことにより、還元後の金属鉄同士が強固なメタルネットワークを形成しており、非焼成含炭ペレットの反応後強度の飛躍的向上を裏付けている。
(セメント量の削減について)
高炉へのセメント投入によるスラグ量の増加は、高炉操業に悪影響を及ぼすことを鑑み、セメント配合割合を1%まで削減した場合の、冷間圧潰強度及び900℃における熱間強度を、表3の実施例5に示す。その結果、セメントを1%まで削減させたとしても、バインダー効果のある50μm以下の鉱石が多量に存在する場合、冷間圧潰強度は高いレベルを維持することができる。さらに上記理由と同様に、900℃における熱間圧潰強度は700kN/m2以上を維持することができた。
尚、実施例6はセメント量を5質量%と増加させた場合である。熱間強度への向上効果は小さいことから、これを超えるセメント量は塊成鉱のスラグ量を増加させる点で好ましくない。
非焼成含炭塊成鉱が高炉内で最も強度が低下する温度領域(900℃)で、高い熱間強度を維持することが可能な高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法を提供することができる。
1…反応内管、2…反応外管、3…反応性ガス入口、4…反応後ガス出口、5…アルミナボール、6…試料、7…加熱装置、8…熱電対、9…カーボン製押し棒、10…繊維状セラミックス。

Claims (3)

  1. 鉄含有原料と炭材含有原料を水硬性バインダーと水を用い、加圧・成型して塊成化する高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法であって、
    前記鉄含有原料の50μm以下の粒径が25質量%以上60質量%以下であり、
    前記炭材含有原料が前記鉄含有原料と前記炭材含有原料の合計に対し、15質量%以上30質量%以下(但し、無煙炭、高炉ダスト、オイルコークスのいずれか1種15〜20%を除く。)であることを特徴とする高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
  2. 前記水硬性バインダーの使用量は、前記鉄含有原料と前記炭材含有原料の合計に対し、外数で、1質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
  3. 前記鉄含有原料の50μm以下の粒径が25質量%以上60質量%以下となるように、微粉砕したローブリバー鉱石の配合量を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
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