JP7188126B2 - 高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法 - Google Patents

高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を、混練、成形、養生して含炭非焼成ペレットを製造する、高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法に関する。
製鉄プロセスにおいて用いられる高炉用鉄原料は、焼結鉱が主流である。焼結鉱は、平均粒度が約2~3mmの粉状鉄鉱石を主とする鉄含有原料と、石灰石や珪石等の副原料と、粉コークスや無煙炭等の炭材とを配合して、水分を調整しながら混合、造粒して擬似造粒子(1mm以上の核粒子の表面に0.5mm以下の微粉粒子が付着した造粒物)とし、その後、焼結機で焼成する焼成型塊成化プロセスにより製造される。
一方、製鉄プロセスにおいて多量に発生する焼結ダスト、高炉ダスト等の集塵機で回収された集塵ダスト、スラッジ、スケール粉等の微粉状ダスト等のダストも、塊成化することにより、高炉用鉄原料として用いられる。これらのダストは、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80質量%以上を占める微粉状鉄含有原料である。上記のような焼成型塊成化プロセスによりダストから焼結鉱を製造しようとすると、造粒した後焼成する際に造粒物が崩壊してしまい、焼結機に充填された造粒物の層である原料充填層の通気性が悪化し、生産性が低下してしまう。このため、粒径0.25mm以下の微粉粒子が全体の80%以上を占める微粉状鉄含有原料を塊成化する場合には、焼成型塊成化プロセスではなく、セメント等の水硬性バインダーと共に水を添加し、造粒して球状のペレットに成形した後、養生して強度を高めて塊成ペレットを得る非焼成型の塊成化プロセスを用いるのが一般的である。
非焼成型塊成化プロセスによれば、焼結機で焼成する焼成型塊成化プロセスでは不可能である炭材の塊成ペレット内への添加が可能となる。このため、近年、高炉操業時の還元材比の低減を目的とし、非焼成型塊成化プロセスを利用した含炭非焼成塊成ペレットの製造方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、鉄鉱石、または、製鉄所で発生した多種の含鉄、含炭系集塵ダストからなる含酸化鉄原料に、鉄鉱石類の被還元酸素を還元して金属鉄とするために必要な理論炭素量の80~120%のカーボン量(ペレットの全原料中のカーボン含有量:10~15質量%程度)に相当するカーボン系炭材を配合し、早強ポルトランドセメントを加えて混練、成形した後、7日間の養生により、常温での圧潰強度が7850kN/m(80kg/cmに相当)以上の含炭非焼成ペレットを製造する方法が提案されている。
なお、一般にペレットの圧潰強度は、JIS M8718「鉄鉱石ペレット圧かい強度試験方法」に準じて、被測定試料1個に対して、規定の加圧速度で圧縮荷重を掛けることにより被測定試料を破壊させたときに測定される荷重値で表されるが、特許文献1では、強度指数として、単位断面積当たりの荷重値(kN/m)で表示されている。
特開2003-342646号公報
ここで、高炉内での還元反応を促進するためには、含炭非焼成ペレットの全原料中の炭素含有割合を増加させることが望ましい。しかし、全原料中の炭素含有割合を増加させると、含炭非焼成ペレットの圧潰強度が低下し、高炉での使用に適さなくなる。このため、上記特許文献1のような含炭非焼成ペレットでは圧潰強度の低下を抑制するため、全原料中の炭素含有割合を15質量%未満に制限せざるを得なかった。そのため、含炭非焼成ペレット中の酸化鉄の直接還元は進んでも、含炭非焼成ペレット以外に高炉に装入される焼結鉱等の主要な高炉用鉄含有原料の還元を十分に促進することができない等の課題が残る。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、炭素含有割合を15質量%以上としても含炭非焼成ペレットの圧潰強度の低下を抑制することが可能な、新規かつ改良された高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法であって、微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を水分調整した後に、配合原料を造粒してペレットを成形し、ペレットの養生中、水硬性バインダーの反応率が60%以上97%以下であるときに、ペレットへの送風を開始してペレットを乾燥させる、高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法が提供される。
本発明によれば、炭素含有割合を15質量%以上としても含炭非焼成ペレットの圧潰強度の低下を抑制することができ、高炉用鉄含有原料として使用することができる。
非焼成型塊成化プロセスによる高炉用含炭非焼成ペレットの製造工程を示す概略説明図である。 造粒後のペレットを示す模式図である。 造粒水分が過剰に添加されたときのペレット及び養生後のペレットの状態を示す模式図である。 微粉状炭材の含有割合と造粒後のペレットの水分量との一関係を示すグラフである。 微粉状炭材の含有割合とセメント反応後のペレットの圧潰強度との一関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る高炉用含炭非焼成鉱の製造方法を実施したときの、養生前のペレット及び養生後のペレットの状態を示す模式図である。 送風開始タイミングでのセメント水和反応率と養生後のペレットの圧潰強度との一関係例を示すグラフである。 ペレット水分減少量とセメント水和反応率との関係の一例を示すグラフである。 養生時間と、ペレットの水分量及びセメント反応率との関係の一例を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.非焼成型塊成化プロセスによる高炉用含炭非焼成ペレットの製造>
まず、図1に基づいて、非焼成型塊成化プロセスによる高炉用含炭非焼成ペレットの製造工程について説明する。図1は、非焼成型塊成化プロセスによる高炉用含炭非焼成ペレットの製造工程を示す概略説明図である。
高炉用含炭非焼成ペレットの製造は、まず、原料槽10であるホッパーから、微粉状鉄含有原料及び微粉状炭材が所定の配合量となるように切り出される。微粉状鉄含有原料としては、例えば、焼結ダスト、高炉ダスト等の集塵機で回収された集塵ダスト、スラッジ、スケール粉等の微粉状ダストが用いられる。微粉状炭材としては、例えば、集塵粉コークスが用いられる。原料槽10から切り出された微粉状鉄含有原料及び微粉状炭材は、ボールミル等の粉砕機20により最大粒度が1mm以下になるように粉砕される。その後、バインダー槽30から、粉砕機20により粉砕された原料に対して、ポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメントや高炉水砕スラグを主成分とする微粉末とアルカリ刺激剤からなる時効性バインダー等の水硬性バインダー(以下、単にセメントと称す。)が添加され、配合原料が生成される。
配合原料は、ダウミキサー等の混練機40により、造粒水分を添加することにより水分調整して、混練される。混練機40にて混練された配合原料は、パンペレタイザー等の造粒機50により造粒され、球形のペレットに成形される。造粒されたペレットは、振動篩60にて所定の粒径で分離される。例えば、振動篩60では、粒径12mm以上のペレットと粒径12mm未満のペレットとに篩い分けられる。
振動篩60により篩い分けられたペレットのうち、粒径12mm以上のペレットは、養生ヤード70に積み付けられる。養生ヤード70での養生は、ペレット5を積み付けて放置する大気養生でもよく、積み付けたペレット5に蒸気を吹き込む蒸気養生でもよい。図1に示す養生ヤード70には、積み付けたペレット5を送風乾燥するための送風設備が設けられている。送風設備は、送風機71と、送風機71から送り出された空気の流路となる配管73と、配管73を通り送り出された空気を積み付けられたペレット5へ向かって排出する送風口75とを有する。送風口75は、積み付けられたペレット5の下方に設けられており、積み付けられたペレット5の下方から送風が行われる。
養生ヤード70にて乾燥させたペレットは、振動篩80等で再度篩い分けされた後、篩上の成品が高炉90へ装入される。
<2.ダスト粒子の結合強化>
[2-1.メカニズム]
非焼成型塊成化プロセスにおけるダスト粒子の結合強化のメカニズムは、以下のように推定される。非焼成型塊成化プロセスでは、焼結ダスト、高炉ダスト等の集塵機で回収された集塵ダスト、スラッジ、スケール粉等の微粉状ダスト等のダストを微粉状鉄含有原料として、当該微粉状鉄含有原料、微粉状炭材及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を水分調整した後に、配合原料からペレットを造粒する。ペレットは、例えば15mm程度の粒径を有する。
養生前のペレット5の一部を拡大してみると、図2に示すように、養生前のペレット5では、ダスト粒子5aやセメント粒子5b等の各粒子間に、添加された水Wが行き渡っている状態となっている。なお、図2ではペレット5に含まれている微粉状炭材の記載は省略している。
ここで、養生前のペレットは、輸送過程及び積み付けたときに壊れないために、所定強度(2daN程度)を有することが必要である。ペレット強度は、造粒過程で調整でき、造粒水分の増加に伴い、造粒後のペレット強度は上昇する。一方で、造粒水分の必要以上の添加は、養生でのセメント反応後のペレットの圧潰強度の低下を招く。これは、ダスト粒子5aの結合が弱いために生じる。
つまり、図3上側に示すように、セメント粒子5bの水和反応に必要な水分量に対して造粒水分Wが配合原料に必要以上に添加されると、余剰水分が生じてしまう。このとき、ダスト粒子5a等の各粒子間に造粒水分Wが行き渡るため、造粒水分W中に存在するセメント粒子5bの存在範囲も広範囲となる。
ダスト粒子5a同士の結合は、セメント粒子5bの水和反応により生じるセメント水和物5cがダスト粒子5a間に介在することにより行われるが、セメント粒子5bの存在範囲が広範囲に広がると、ダスト粒子5a同士の結合に寄与しない場所でもセメント粒子5bの水和反応が起きる。その結果、養生後のペレットは、図3下側に示すように、余剰の造粒水分Wが残存し、セメント水和物5cがダスト粒子5a間の結合に寄与しない場所にも散在している状態となり、ダスト粒子5a同士の結合が弱くなる。このように、造粒水分Wが必要以上に添加されると、セメント反応後のペレットの圧潰強度が低下する。
一方で、高炉内での還元反応を促進するためには、微粉状炭材を増加させる必要がある。微粉状炭材は疎水性を有することから、造粒するためには配合原料へ添加する造粒水分を増加せざるを得ない。したがって、図4に示すように、微粉状炭材の含有割合(すなわち、炭素含有割合)が増加するほど、造粒後のペレットの水分は増加する。このため、微粉状炭材の含有割合の増加は、図3に示したように造粒水分Wが必要以上に添加される状況を生じさせることとなり、図5に示すように、微粉状炭材の含有割合が増加するほどセメント反応後のペレットの圧潰強度が低下することになる。
そこで、本発明者は、ダスト粒子の結合を強化させることについて鋭意検討した結果、ペレットの養生の途中で、ペレットへの送風を開始してペレットを乾燥させることによってペレットの圧潰強度が向上することを見出した。
このペレットの圧潰強度の向上の理由は、以下のように推定される。ペレットの水分は、セメント粒子との水和反応により養生中に徐々に減少する。ペレットの養生の途中でペレットへの送風を開始すると、ダスト粒子間の間隔の比較的広い部分から優先的に乾燥されていく。図6上側に示すように、ダスト粒子5a間やダスト粒子5aとセメント水和物5cとの間の比較的狭い空隙に水分Wとセメント粒子5bとが残っている状態となる。このダスト粒子5a間やダスト粒子5aとセメント水和物5cとの間の狭い空隙において水分Wとセメント粒子5bとが水和反応し、セメント水和物5cを生成する。その結果、図6下側に示すように、ダスト粒子5a同士がセメント水和物5cで結合される。
ここで、ペレットへの送風の開始タイミングは、養生後のペレットの圧潰強度が向上する、セメント粒子の水和反応の反応率(以下、「セメント水和反応率」ともいう。)が60%以上97%以下であるときとする。なお、セメント水和反応率は後述する方法で把握するものとする。図7に、送風開始タイミングでのセメント水和反応率と養生後のペレットの圧潰強度との一関係例を示す。なお、図7は、炭素含有割合が35質量%、セメント含有割合が10質量%である配合原料の場合の例である。ここでは、養生後のペレットに対して求められる圧潰強度を100daNとする。
図7に示すように、ペレットへの送風の開始タイミングでのセメント水和反応率が高くなるほど養生後のペレットの圧潰強度は高くなるが、セメント水和反応率がほぼ100%となる付近では養生後のペレットの圧潰強度が急激に低下する。セメント水和反応率が低いときに送風を開始すると、セメント粒子の水和反応に必要な水分も送風により除去されてしまい、養生後のペレット強度を所望の強度まで高めることができない。一方、セメント水和反応が終了した後(すなわち、セメント水和反応率100%)に送風を開始すると、図3下側に示すような余剰水を乾燥させるだけとなり、養生後のペレット強度の向上効果は得られない。養生後のペレットに対して求められる圧潰強度を100daNとした場合には、図7より、ペレットへの送風の開始タイミングは、セメント水和反応率が60%以上97%以下であるときとすればよい。
このように、セメント水和反応率が60%以上97%以下であるときに、ペレットへの送風を開始してペレットを乾燥させることにより、ダスト粒子の結合が強化されるので、炭素含有割合を15質量%以上としても含炭非焼成ペレットの圧潰強度を高めることが可能となる。
[2-2.送風開始タイミングの判定]
セメント水和反応率が60%以上97%以下であるときにペレットへの送風を開始するが、セメント水和反応率を直接把握することはできない。セメント水和反応にはペレット中の水分が使われるため、セメント水和反応率に応じてペレットの水分含有量が変化する。セメント水和反応率と反応に使われる水分量(ペレットの水分減少量)には比例関係があると推定されるので、造粒後のペレットの水分量の経時的な変化を測定し、初期をセメント水和反応率0%、ペレットの水分量が変化しなくなったときをセメント水和反応率100%として、ペレットの水分減少量とセメント水和反応率の比例関係を予め求めておく。
(a.セメント水和反応率とペレットの水分減少量との関係)
セメント水和反応率とペレットの水分減少量との関係は、配合原料のセメント含有割合に応じて変化する。図8に、セメント水和反応率とペレットの水分減少量との関係の一例を示す。図8には、配合原料のセメント含有割合が8質量%、10質量%、12質量%のときのセメント水和反応率とペレットの水分減少量との関係を示している。図8は、セメント含有割合を変えてペレットを造粒し、前述した方法でペレットの水分減少量とセメント水和反応率との比例関係をそれぞれ求めたものである。
図8より、配合原料のセメント含有割合が多いほど、セメント水和反応に必要な水分量が多くなるため、同じセメント水和反応率でもセメント含有割合が多いほど、ペレットの水分減少量は多くなる傾向があることがわかる。
このように、配合原料のセメント含有割合毎にセメント水和反応率とペレットの水分減少量との比例関係を予め取得しておき、送風開始タイミングの判定において、配合原料のセメント含有割合に応じた関係が使用される。
(b.送風開始タイミング判定方法)
送風開始タイミングは、養生開始時と養生中のペレットの水分量を測定し、セメント含有割合に応じて予め取得されたセメント水和反応率とペレットの水分減少量との比例関係に基づき、算出されたペレットの水分減少量に対応するセメント水和反応率を特定することにより判定される。
養生開始時及び養生中のペレットの水分量の測定は、まず、養生ヤードに積み付けられたペレットをサンプリングして行われる。サンプリングは、ペレットの積山高さ方向と幅方向との複数箇所で行われる。例えば、ペレットの積山高さに対して1/4、2/4、3/4、4/4の積山高さ方向の4つの位置それぞれにおいて、幅方向に等間隔に4つの位置でペレットを採取する。この場合、ペレットは16箇所で採取されることになる。なお、ペレットをサンプリングする位置及び採取位置の数はかかる例に限定されず、適宜設定され得る。
採取したペレットの水分測定は、例えば、採取したペレットを105℃の恒温槽に60分載置したときの重量変化により求めることができる。複数箇所でペレットをサンプリングした場合には、採取されたすべてのペレットをまとめて水分測定してもよく、採取位置毎にペレットの水分を測定した後、各測定値の平均を算出してもよい。なお、採取したペレットの水分測定も、他の公知の手法により実施してもよい。
養生開始時と養生中のペレットの水分量が測定されると、予め取得されたセメント水和反応率とペレットの水分減少量との関係に基づき、算出されたペレットの水分減少量に対応するセメント水和反応率が特定される。例えば、配合原料のセメント含有割合が10質量%のペレットにおいて水分減少量が5.5質量%であったとすると、図8より、セメント反応率は80%であることを特定できる。
また、養生時間とペレットの水分減少量との関係を予め求めておくことにより、養生時間によって送風開始タイミングを決定することができる。図9に、養生時間と、ペレットの水分減少量及びセメント反応率との関係の一例を示す。なお、図9は、セメント含有割合が10質量%である配合原料の場合の例である。図9の養生時間は、ペレットの積み付け終了時点を0[hr]として表している。
図9では、養生時間の経過により、ペレットの水分減少量及びセメント反応率がどのように変化するかを把握することが可能となる。図9より、セメント水和反応率が60%以上97%以下とするには、養生時間が45~70[hr]経過したときにペレットへの送風を開始すればよいことがわかる。このような関係性が予め取得されている場合には、養生中のペレットの水分量を測定することなく、ペレットの積み付け終了時点からの経過時間に基づいて送風を開始すればよい。
以上、本実施形態に係る高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法について説明した。本実施形態によれば、セメント水和反応率が60%以上97%以下であるときに、ペレットへの送風を開始してペレットを乾燥させる。これにより、ダスト粒子の結合を強化し、炭素含有割合を15質量%以上である場合にも含炭非焼成ペレットの圧潰強度を高めることができる。
上記実施形態に係る高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法の効果を検証するため、養生中のペレットへの送風状況を変化させたときの、養生後のペレットの圧潰強度を調べた。実施例で用いたペレットは、炭素含有割合が35質量%である配合原料を用いて、造粒水分量13質量%で製造されたものである。セメント含有量は10質量%であり、ペレット水和反応率100%となるペレットの水分量は6質量%であった。
本検証では、養生中のペレットへ送風を行わない場合(比較例1)と、養生中のペレットへの送風を行う場合(比較例2~5、実施例1~4)とについて、送風の有無及び送風開始時のセメント水和反応率と養生後のペレットの圧潰強度との関係を調べた。表1に検証結果を示す。なお、養生後のペレットに求められる圧潰強度は100daNとした。
Figure 0007188126000001
表1に示すように、セメント水和反応率60%~97%のときに養生中のペレットに対して送風を開始した実施例1~4では、養生後のペレットの圧潰強度は100daN以上となった。
セメント水和反応率0%~41%のときに養生中のペレットに対して送風を開始した比較例2~4では、送風のタイミングが早すぎて、養生後のペレットの圧潰強度は求められる圧潰強度まで向上しなかった。
セメント水和反応率100%のときに養生中のペレットに対して送風を開始した比較例5では、余剰水を乾燥させるだけとなり、圧潰強度の向上効果は得られず、比較例1の養生中のペレットに送風を行わない場合と同じとなった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
5 ペレット
5a ダスト粒子
5b セメント粒子
5c セメント水和物
10 原料槽
20 粉砕機
30 バインダー槽
40 混練機
50 造粒機
60、80 振動篩
70 養生ヤード
71 送風機
73 配管
75 送風口
90 高炉

Claims (1)

  1. 微粉状鉄含有原料、微粉状炭材、及び水硬性バインダーを含んだ配合原料を水分調整した後に、前記配合原料からペレットを成形し、前記ペレットを養生ヤードに積み付けて養生する高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法であって
    前記ペレットの養生中、前記水硬性バインダーの反応率が60%以上97%以下であるときに、前記養生ヤードに積み付けられたペレットの下方に設けられた送風設備の配管の送風口から、前記ペレットへの送風を開始して前記ペレットを乾燥させる、高炉用含炭非焼成ペレットの製造方法。
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