JP7368213B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
従来、トレッド踏面に区画形成された陸部に、タイヤ幅方向に延在する複数本のスリット状サイプを設けた空気入りタイヤが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような構成によれば、スリット状サイプにより形成される陸部のエッジ成分等により、湿潤路面での空気入りタイヤのグリップ性能を向上させることができる。
特開2001-71712号公報
しかしながら、上記のような空気入りタイヤにおいては、使用によりトレッド踏面の摩耗が進展した際に陸部の圧縮剛性が高くなり、陸部の接地性が低下してしまう虞がある。
それゆえ本発明は、摩耗進展時における陸部の接地性を向上した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
一態様において、本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に区画されたタイヤ周方向に延在するリブ状陸部を備える空気入りタイヤであって、
前記リブ状陸部は、前記トレッド踏面に開口するスリット状サイプと、前記スリット状サイプの底部からタイヤ径方向内側に向けて延在する少なくとも1本のピン状サイプと、を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、摩耗進展時におけるリブ状陸部の圧縮剛性をピン状サイプによって低減することができるので、摩耗進展時におけるリブ状陸部の接地性を向上させることが可能となる。
ここで、「トレッド踏面」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填して、最大負荷荷重を負荷した際に路面と接地することとなるトレッド表面の、タイヤ周方向全域にわたる面をいう。また、「スリット状サイプ」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態での、トレッド踏面における開口幅が2mm未満の切込み(スリット)をいう。また、「ピン状サイプ」とは、トレッド踏面視(平面視)での直径(最大径)よりも深さ(タイヤ径方向長さ)が大きい穴を意味する。
また、本明細書において、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。また、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
上記の空気入りタイヤとしては、前記スリット状サイプは、タイヤ幅方向に延在していることが好ましい。
かかる構成によれば、ピン状サイプが露出するまでのタイヤ幅方向のエッジ成分を増大させることができる。
上記の空気入りタイヤとしては、前記スリット状サイプは、前記トレッド踏面に開口する開口部から前記底部までの間に分岐部を有することが好ましい。
かかる構成によれば、摩耗進展過程でスリット状サイプの本数を増やすことができるとともに、ピン状サイプを広い範囲に配置し易く、また、ピン状サイプの数も増やし易くなる。
他の態様において、本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に区画されたタイヤ周方向に延在するリブ状陸部を備える空気入りタイヤであって、
前記リブ状陸部は、前記トレッド踏面に開口する溝部と、前記溝部の溝底からタイヤ径方向内側に向けて延在する少なくとも1本のピン状サイプと、を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、摩耗進展時におけるリブ状陸部の圧縮剛性をピン状サイプによって低減することができるので、摩耗進展時におけるリブ状陸部の接地性を向上させることが可能となる。
上記の空気入りタイヤとしては、前記溝部は、タイヤ幅方向に延在していることが好ましい。
かかる構成によれば、ピン状サイプが露出するまでのタイヤ幅方向のエッジ成分を増大させることができる。
上記の空気入りタイヤとしては、前記溝部は、前記トレッド踏面に開口する開口部から前記底部までの間に分岐部を有することが好ましい。
かかる構成によれば、摩耗進展過程で溝部の本数を増やすことができるとともに、ピン状サイプを広い範囲に配置し易く、また、ピン状サイプの数も増やし易くなる。
本発明によれば、摩耗進展時における陸部の接地性を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを模式的に示す展開図である。 図1の陸部の一部を示す斜視図である。 図1の陸部の変形例を示すタイヤ周方向断面図である。 本発明の他の実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを模式的に示す展開図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に例示説明する。ここで、空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)の内部構造等については、従来のものと同様の構造とすることができる。一例としては、該タイヤは、一対のビード部と、該一対のビード部に連なる一対のサイドウォール部と、該一対のサイドウォール部間に配置されたトレッド部とを有するものとすることができる。また、該タイヤは、一対のビード部間をトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されたベルトと、を有するものとすることができる。以下、特に断りのない限り、寸法等は、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした際の寸法等を指し、各要素のトレッド踏面視での寸法等は、基準状態におけるトレッド踏面の展開図上で測定されるものとする。
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを模式的に示す展開図である。
図1に示すように、本例のタイヤは、トレッド踏面1に、タイヤ周方向に延在する複数本(図示例では4本)の周方向溝2(2a、2b、2c、2d)と、タイヤ幅方向に延在する複数本の幅方向溝3と、を有している。また、トレッド踏面1には、周方向溝2、トレッド端TE及び幅方向溝3等によって区画された複数本(図示例では3本)のリブ状陸部4(4a、4b、4c)と、複数のブロック状陸部5とが設けられている。なお、本明細書においては、スリット状サイプ6によりリブ状陸部4がタイヤ周方向に分断されている場合であっても、幅方向溝で完全に分断されていなければ、リブ状陸部に含めるものとしている。ここで、「周方向溝」とは、タイヤ周方向に延在し、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態での、上記トレッド踏面1における開口幅が、2mm以上の溝をいう。また、「幅方向溝」とは、タイヤ幅方向に延在し、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態での、上記トレッド踏面1における開口幅が、2mm以上のものをいう。また、「トレッド端」とは、上記トレッド踏面1のタイヤ幅方向両側の最外側点をいう。
この例では、周方向溝2a、2bは、タイヤ赤道面CLを境界としたタイヤ幅方向の一方の半部に位置しており、他の周方向溝2c、2dは、タイヤ赤道面CLを境界としたタイヤ幅方向の他方の半部に位置している。そして、この例では、タイヤ赤道面CL上に1本のリブ状陸部4bと、各タイヤ幅方向半部に1本ずつのリブ状陸部4a、4cとが配置されている。図1に示した例では、周方向溝2の本数は、4本であるが、1~3本又は5本以上とすることもできる。従って、リブ状陸部4の数も、1本、2本又は4本以上とすることができる。なお、トレッド踏面1に少なくとも1本のリブ状陸部4(例えば、リブ状陸部4a)が設けられていればよく、他のリブ状陸部4(例えば、リブ状陸部4b、4c)は、ブロック状陸部であってもよい。また、ブロック状陸部5の数も適宜変更可能である。複数のブロック状陸部5は、全て同一の形状であってもよいし、相互に異なる形状であってもよい。また、トレッド端TE側に位置し、周方向に配列された複数のブロック状陸部5で構成される陸部列は、リブ状陸部としてもよい。
また、トレッド踏面1に設けられるトレッドパターンは、タイヤ赤道面CLに対して対称であってもよいし、非対称であってもよい。また、当該トレッドパターンは、タイヤ赤道面CL上の1点を基準とした点対称形状であってもよいし、非対称であってもよい。
ここで、周方向溝2の溝幅(トレッド踏面視において、溝の延在方向に対して垂直に測った開口幅)は、例えば、2mm以上、30mm以下とすることができ、特に、5mm以上、15mm以下とすることが好ましい。また、周方向溝2の溝深さ(最大深さ)は特には限定されないが、例えば4mm以上、20mm以下とすることができる。
本例では、図1に示すトレッド踏面視において、周方向溝2は、いずれも、タイヤ周方向に沿って(傾斜せずに)延在しているが、例えば、周方向溝2の少なくとも1本がタイヤ周方向に対して傾斜して延在していてもよい。また、図示例では、周方向溝2は、いずれも、タイヤ周方向に沿って直線状に延在しているが、例えば、周方向溝2の少なくとも1本がジグザグ状に屈曲していたり、蛇行するように湾曲したりしていてもよい。
また、幅方向溝3の溝幅(トレッド踏面視において、溝の延在方向に対して垂直に測った開口幅)は、特には限定されないが、例えば、2mm以上、20mm以下とすることができ、特に、2mm以上、15mm以下とすることが好ましい。また、幅方向溝3の溝深さ(最大深さ)は、特には限定されないが、例えば2mm以上、20mm以下とすることができる。
本例では、図1に示すトレッド踏面視において、幅方向溝3は、いずれも、タイヤ幅方向に沿って(傾斜せずに)延在しているが、例えば、幅方向溝3の少なくとも1本がタイヤ幅方向に対して傾斜して延在していてもよい。また、図示例では、幅方向溝3は、いずれも、タイヤ幅方向に沿って直線状に延在しているが、例えば、幅方向溝3の少なくとも1本がジグザグ状に屈曲していたり、蛇行するように湾曲したりしていてもよい。
リブ状陸部4は、タイヤ幅方向に隣接する2本の周方向溝2によって区画されるか、周方向溝2とトレッド端TEとによって区画される。なお、本例の3本のリブ状陸部4(4a、4b、4c)は全て周方向溝2(2a、2b、2c、2d)によって区画されている。
本例では、3本のリブ状陸部4のタイヤ幅方向両側に、それぞれ複数のブロック状陸部5が周方向に並べて設けられている。本例のブロック状陸部5は、周方向溝2a、2d、トレッド端TE及び幅方向溝3によって区画されている。ブロック状陸部5の形状は、周方向溝2および幅方向溝3の形状に応じて変更可能である。
本例において、3本のリブ状陸部4(4a、4b、4c)のうち、タイヤ幅方向中央に位置するリブ状陸部4bには、複数本のスリット状サイプ6と、各スリット状サイプ6の底部6aから径方向内側に向けて延在するピン状サイプ7とが設けられている。複数本のスリット状サイプ6は、タイヤ周方向に間隔を空けて配置されている。タイヤ周方向に隣接する2本のスリット状サイプ6間の間隔(タイヤ周方向の間隔)は、特に限定さない。図2は、タイヤ幅方向中央に位置するリブ状陸部4bに設けられた1本のスリット状サイプ6及び当該スリット状サイプ6の底部6aに設けられた2本のピン状サイプ7を示す斜視図である。なお、ピン状サイプ7が設けられていないスリット状サイプ6を有していてもよいし、1本または3本以上のスリット状サイプ6が底部6aに設けられたスリット状サイプ6を有していてもよい。
図1、2に示すスリット状サイプ6は、タイヤ幅方向に沿って(タイヤ幅方向に対して平行に)一直線状に延在している。スリット状サイプ6は、リブ状陸部4bの幅方向全体にわたって延在している。つまり、スリット状サイプ6の延在方向の両端部はそれぞれ、周方向溝2b、2cに連通している。なお、スリット状サイプ6は、タイヤ幅方向に対して傾斜して斜めに延在してもよいし、タイヤ周方向に延在していてもよい。また、スリット状サイプ6の延在方向における何れか一方の端部または両方の端部が、リブ状陸部4b内で終端していてもよい。また、リブ状陸部4(4a、4b、4c)のうち、スリット状サイプ6及びピン状サイプ7を有しないリブ状陸部4があってもよいし、全てのリブ状陸部4がスリット状サイプ6及びピン状サイプ7を有するようにしてもよい。また、ブロック状陸部5の構成は特に限定されず、スリット状サイプ及び/又はピン状サイプを設けてもよいし、設けなくてもよい。
スリット状サイプ6のサイプ幅(トレッド踏面1において、スリット状サイプ6の延在方向に対して垂直に測った開口幅)は、例えば0.2mm以上、1.0mm以下とすることができ、特に、0.3mm以上、0.7mm以下とすることが好ましい。なお、スリット状サイプ6のサイプ幅は、本例のようにスリット状サイプ6の延在方向に沿って一定であることが好ましいが、延在方向に沿ってサイプ幅が変化してもよい。また、スリット状サイプ6は、トレッド踏面1に開口する開口部6bから底部6aまでタイヤ径方向(スリット状サイプ6の深さ方向)に一直線状に延在していることが好ましいが、これに限られず、スリット状サイプ6は、タイヤ径方向に対して傾斜していてもよいし、また、湾曲部または屈曲部を有していてもよい。また、スリット状サイプ6は、その深さ方向に沿ってサイプ幅が一定であることが好ましいが、深さ方向に沿ってサイプ幅が変化してもよい。また、スリット状サイプ6のサイプ深さ(トレッド踏面1への開口部6bから底部6aまでのタイヤ径方向の長さ)は、例えば、1mm以上、2mm以下とすることができ、特に、3mm以上、15mm以下とすることが好ましい。
ピン状サイプ7は、新品時のトレッド踏面1には露出しておらず、タイヤの使用によりトレッド踏面1が所定の位置(スリット状サイプ6の底部6a)まで摩耗した摩耗進展時に露出するように構成されている。本例のピン状サイプ7は、スリット状サイプ6の底部6aからタイヤ径方向内側に向けて一直線状に延在する円柱状の空間(穴)である。
本例では、各スリット状サイプ6に、同一形状の2本のピン状サイプ7がリブ状陸部4のタイヤ幅方向中心線(本例ではタイヤ赤道面CL上)を挟んで対称に設けられている。ピン状サイプ7の形状、体積(容積)、位置、数は適宜変更可能である。例えば、1本のスリット状サイプ6の底部6aに、1本、又は3本以上のピン状サイプ7を設けてもよい。また、リブ状陸部4及びブロック状陸部5は、ピン状サイプ7が設けられていないスリット状サイプ6を有していてもよい。また、ピン状サイプ7の形状は、本例のような円柱状に限られず、例えば多角柱状としてもよいし、トレッド踏面視で中心から放射状に延在する複数の切込み部を有するY字状もしくはX字状等としてもよい。
本例のピン状サイプ7は、断面(延在方向に垂直な断面)の形状が、ピン状サイプ7の上端から下端まで一定であるが、これに限られず、断面形状が深さ方向に沿って変化する形状であってもよい。例えば、ピン状サイプ7の上端から下端に向けて、連続的もしくは段階的に直径が大きくなる形状であってもよいし、逆に、ピン状サイプ7の上端から下端に向けて、徐々に直径が小さくなる形状であってもよい。
ピン状サイプ7のサイプ径(トレッド踏面視での最大径)は、例えば、0.2mm以上、5mm以下とすることができ、特に、0.3mm以上、2.0mm以下とすることが好ましい。また、ピン状サイプ7のサイプ径は、ピン状サイプ7を形成し易くする点においては、スリット状サイプ6のサイプ幅以下であることが好ましい。なお、図2に示す例では、ピン状サイプ7の直径がスリット状サイプ6のサイプ幅よりも大きい。
ピン状サイプ7のサイプ深さ(ピン状サイプ7の上端から下端までのタイヤ径方向の長さ)は、例えば、0.5mm以上、15mm以下とすることができ、特に、1.0mm以上、5.0mm以下とすることが好ましい。
以上の通り、本実施形態のタイヤは、トレッド踏面1に区画されたタイヤ周方向に延在するリブ状陸部4bを備え、リブ状陸部4bは、トレッド踏面1に開口するスリット状サイプ6と、スリット状サイプ6の底部6aからタイヤ径方向内側に向けて延在する少なくとも1本のピン状サイプ7と、を有する構成としている。かかる構成によれば、ピン状サイプ7を設けたことで、摩耗進展時におけるリブ状陸部4bの圧縮剛性が低減して、トレッド踏面1が路面に食い込み易くなる。なお、例えばピン状サイプ7に代えて、ピン状サイプ7の下端の深さまで延在するスリット状サイプを設けた場合(スリット状サイプ6の深さをピン状サイプ7の下端の深さまで大きくした場合)には、陸部の倒れ込みが発生する虞があるところ、本実施形態ではスリット状サイプ6を適切な深さに維持しながらピン状サイプ7を設けることで、そのような陸部の倒れ込みを抑制することができる。その結果、摩耗進展時におけるリブ状陸部4bの接地性を適切に高めることができる。このように、リブ状陸部4bの接地性を高めることで、例えば、摩耗進展時における湿潤路面でのタイヤのグリップ性能を向上させることができる。
なお、本実施形態のタイヤにあっては、スリット状サイプ6の底部6aに連なるピン状サイプ7を設けたことで、ピン状サイプ7を設けない場合と比較して、路面とトレッド踏面1との間の水を、スリット状サイプ6を介してピン状サイプ7に吸い上げることができるので、タイヤの排水性を高めることも可能となる。
ここで、本実施形態のタイヤにあっては、スリット状サイプ6がタイヤ幅方向に延在していることが好ましい。このような構成とすることで、ピン状サイプ7が露出するまでのタイヤ幅方向のエッジ成分(タイヤ周方向に対するエッジ成分)を増大させて、ピン状サイプ7が露出する摩耗進展時までの湿潤路面でのタイヤのグリップ性能を向上させることができる。
なお、スリット状サイプ6は、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在していてもよく、この場合、タイヤ幅方向に対して45°以下の傾斜角度で傾斜して延在していることが好ましく、また、30°以下の傾斜角度で傾斜して延在していることが好ましい。また、スリット状サイプ6は、トレッド踏面視でタイヤ幅方向に沿って一直線状に延在していることが好ましい。一方で、スリット状サイプ6は延在方向に沿って一直線状の形状に限らず、湾曲部または屈曲部を有していてもよい。
ここで、図3は、スリット状サイプ6が、トレッド踏面1に開口する開口部6bから底部6aまでの間に分岐部6cを有する場合の一例を示したものである。図3は、スリット状サイプ6の延在方向に垂直な断面を示している。つまり、図3は、例えば図1に示すようにスリット状サイプ6がタイヤ幅方向に延在している場合におけるタイヤ周方向断面を示している。
図3に示すように、スリット状サイプ6は、トレッド踏面1に開口する開口部6bからタイヤ径方向内側に向かって延在する踏面側サイプ部分6dと、当該踏面側サイプ部分6dから分岐部6cを介して分岐して延在する、分岐サイプ部分6eと、を有している。
踏面側サイプ部分6dは、トレッド踏面1の法線方向(タイヤ径方向)に延在し、分岐サイプ部分6eは、図3のタイヤ周方向断面視で、タイヤ周方向に沿って延在する水平サイプ部分6fと、トレッド踏面1の法線方向に延在する2本の垂直サイプ部分6gとからなる。2本の垂直サイプ部分6gのそれぞれの底部6aに、ピン状サイプ7が設けられている。かかる構成によれば、摩耗進展過程で1本のスリット状サイプ6が分岐して2本になるため、スリット状サイプ6の本数を摩耗進展過程で増やすことができる。また、トレッド踏面1に開口するスリット状サイプ6の開口部6bよりも底部6aの数が増えるとともに、底部6aの位置が広範囲に拡がるため、ピン状サイプ7を広い範囲に配置し易く、また、ピン状サイプ7の数も増やし易くなる。その結果、摩耗進展過程においてスリット状サイプ6の本数が増えることによってエッジ成分を増大させることができ、また、ピン状サイプ7を広い範囲に多く配置することにより摩耗進展時の接地性の向上効果を高めることができる。
なお、上記のスリット状サイプ6及びピン状サイプ7は、例えば、金属板の加工、鋳造、積層造形(3Dプリンター)等により製造することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明は、上記のようなスリット状サイプ6のみならず、スリット状サイプ6よりも溝幅の大きい溝部8にも同様に適用することができる。その場合の空気入りタイヤは、例えば図4に示すように、トレッド踏面1に区画されたタイヤ周方向に延在するリブ状陸部4(4a、4b、4c)を備え、リブ状陸部4bは、トレッド踏面1に開口する溝部8と、溝部8の溝底からタイヤ径方向内側に向けて延在する少なくとも1本のピン状サイプ7と、を有する。ここで、溝部8は、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態での、トレッド踏面1における開口幅が2mm以上の溝をいう。
この空気入りタイヤによっても、図1~3に示すタイヤの場合について説明したのと同様に、ピン状サイプ7を設けたことで、摩耗進展時におけるリブ状陸部4bの圧縮剛性を低減することができるので、摩耗進展時におけるリブ状陸部4bの接地性を適切に高めることができる。
溝部8は、タイヤ幅方向に延在していることが好ましい。このような構成とすることで、ピン状サイプ7がトレッド踏面1に露出するまでの摩耗進展過程において、タイヤ幅方向のエッジ成分を増大させて、ピン状サイプ7が露出する摩耗進展時までの湿潤路面でのタイヤのグリップ性能を向上させることができる。
本例の溝部8は、タイヤ幅方向に沿って(タイヤ幅方向に対して平行に)一直線状に延在している。溝部8は、リブ状陸部4bの幅方向の一部に延在している。つまり、溝部8の延在方向の両端部は共に、リブ状陸部4b内で終端している。なお、溝部8は、タイヤ幅方向に対して傾斜して斜めに延在してもよいし、タイヤ周方向に延在していてもよい。また、溝部8の延在方向における何れか一方の端部が、周方向溝2(2b、2c)に連通していてもよい。また、溝部8は、延在方向に沿って一直線状の形状に限らず、湾曲部または屈曲部を有していてもよい。
溝部8の溝幅(トレッド踏面1において、溝部8の延在方向に対して垂直に測った開口幅)は、例えば、2mm以上、10mm以下とすることができる。なお、溝部8の溝幅は、本例のように溝部8の延在方向に沿って一定であることが好ましいが、延在方向に沿って溝幅が変化してもよい。また、溝部8は、その深さ方向に沿って溝幅が変化してもよい。また、溝部8の溝深さ(トレッド踏面1への開口部から底部までのタイヤ径方向の長さ)は、例えば、2mm以上、20mm以下とすることができる。
溝部8は、図3に示すスリット状サイプ6のように、トレッド踏面1に開口する開口部から底部までの間に分岐部を有する構成としてもよい。かかる構成によれば、摩耗進展過程で溝部8の本数を増やすことができるとともに、ピン状サイプ7を広い範囲に配置し易く、また、ピン状サイプ7の数も増やし易くなる。その結果、溝部8によるエッジ成分を増大させることができ、また、ピン状サイプ7による摩耗進展時の接地性の向上効果を高めることができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、上述した実施形態及び変形例に示す具体的な構成に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない限りで、種々の変形、変更が可能である。
1:トレッド踏面 2(2a、2b、2c、2d):周方向溝 3:幅方向溝 4(4a、4b、4c):リブ状陸部 5:ブロック状陸部 6:スリット状サイプ 6a:底部 6b:開口部 6c:分岐部 6d:踏面側サイプ部分 6e:分岐サイプ部分 6f:水平サイプ部分 6g:垂直サイプ部分 7:ピン状サイプ 8:溝部

Claims (5)

  1. トレッド踏面に区画されたタイヤ周方向に延在するリブ状陸部を備える空気入りタイヤであって、
    前記リブ状陸部は、前記トレッド踏面に開口するスリット状サイプと、前記スリット状サイプの底部からタイヤ径方向内側に向けて延在する少なくとも1本のピン状サイプと、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記スリット状サイプは、タイヤ幅方向に延在している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記スリット状サイプは、前記トレッド踏面に開口する開口部から前記底部までの間に分岐部を有する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. トレッド踏面に区画されたタイヤ周方向に延在するリブ状陸部を備える空気入りタイヤであって、
    前記リブ状陸部は、前記トレッド踏面に開口する溝部と、前記溝部の溝底からタイヤ径方向内側に向けて延在する少なくとも1本のピン状サイプと、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 前記溝部は、タイヤ幅方向に延在している、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
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