JP7367931B2 - 接着性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、接着性組成物、及び該接着性組成物を形成するためのキット、に関する。
齲蝕等により損傷を受けた歯質を修復する際に、各種金属や各種セラミックス等で作られた補綴物が使用されるケースがある。補綴物を用いた歯質の修復は、次の通り行われる。まず、被着面となる歯質および補綴物に前処理材を塗布し、十分に乾燥させる。次いで、補綴物あるいは歯質にセメントを盛りつけ、補綴物を歯質に圧接することにより接着させる。この一連の接着操作の中で前処理材の処理や乾燥に関する工程は、使用する補綴物の種類によって作業手順が異なるだけでなく、器具を持ち替える回数も多いことから、非常に煩雑であった。
近年、このような前処理を使用せずとも接着性を有するセメントが実用化されている。この前処理が不要なセメントは、従来、前処理材に含有されている接着性の成分をセメントに含有させることで、前処理をしなくとも、歯質や卑金属、貴金属、ジルコニアに対する接着性を有する。しかしながら、該セメントはシリカ系セラミックスへの接着性を有していないため、シリカ系セラミックスを被着体とする場合には、依然として前処理が必要であった。
上記セメントにシリカ系セラミックスへの接着性が付与されていない理由は、シリカ系セラミックスに対する接着性の成分である加水分解性基含有シランカップリング材を有効な状態でセメント中に保持することが非常に困難であることにある。加水分解性基含有シランカップリング材は、酸性条件下において分解、縮合し、不活性化する性質を有している。従って、加水分解性基含有シランカップリング材をセメント中に添加すると、セメント中に含有されるシリカ系フィラーの表面酸点の影響で不活性化してしまう。
このような状況下、特許文献1には、酸性基を有する重合性単量体(a)、酸性基を有しない重合性単量体(b)、重合開始剤(c)、及びフィラー(d)を含む第一剤と酸性基を有しない重合性単量体(b)、塩基性フィラー(e)、重合促進剤(f)、及びアルコキシ基を有するシランカップリング材(g)を含む第二剤とから構成される2ペースト硬化性組成物が開示されている。しかしながら、本文献においては、シランカップリング材(g)と共存させるフィラーとして塩基性フィラー以外を配合した例の記載はなく、シリカ系フィラーのような表面酸点を有するフィラーを含有していると十分な効果は発揮されない。一方で、シリカ系フィラーはガラスフィラー等の塩基性フィラーと比較して安定性に優れ、粒子の形状やサイズ等を制御しやすいため、ペーストの粘度調整や硬化物の審美性向上等、様々な目的でセメントに添加され、非常に広く用いられている。
また、特許文献2には、(1)少なくとも一種類以上のラジカル重合性基を有し、かつ、ケイ素原子に結合するC~C40の直鎖または分岐鎖のフェニル基を含みうるアルキレン鎖が、ケイ素原子からβ位炭素に不飽和結合を含むことを特徴とする有機シラン化合物、(2)ホスホン酸基含有重合性単量体、(3)多価カルボン酸基含有重合性単量体、(4)重合性単量体、(5)水、(6)水溶性有機溶媒、及び(7)重合開始剤を含むことを特徴とする医科歯科用硬化性組成物が提案されている。そして、特許文献2には、前記医科歯科用硬化性組成物の保管安定性は、良好であることが示されている。
特許第6346086号公報 特開2019-64937号公報
特許文献2に記載された前記(1)の有機シラン化合物は、分子内に有機材料と反応結合する官能基、および無機材料と反応結合する官能基を同時に有する有機ケイ素化合物であるから、広義のシランカップリング材であると言えるものであるが、アルコキシシランのような従来の一般的なシランカップリング材とは異なり、アルコキシ基のような加水分解性の基を有しない(以下、特許文献2に記載された(1)の有機シラン化合物を「非加水分解性シランカップリング材」ともいう)。しかしながら、上記医科歯科用硬化性組成物は、溶媒として水および水溶性有機溶媒を含んでおり、これらを含まない組成物について前記効果は検証されていない。特に、歯科用セメントに使用する場合、水や水溶性有機溶媒などの溶媒は実質的に含有しない。そこで、本発明者等が上記非加水分解性シランカップリング材を含み、水や水溶性有機溶媒を実質的に含有しない接着組成物の性能評価を行ったところ、接着性能が十分に発揮されないこと、すなわち、上記特許分件2記載の医科歯科用硬化性組成物においては、接着性能を発現させるために水や水溶性有機溶媒の存在が不可欠であることを確認した。従って本発明の目的は、無機フィラー・非加水分解性シランカップリング材が共存する接着性組成物であって、使用する無機フィラーの種類によらず、さらに、水や水溶性有機溶媒を実質的に含有しない条件下であっても高い接着性が発現でき、高い保存安定性が発揮できる接着性組成物、接着性組成物キット、歯科用材料および歯科用材料キットを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、非加水分解性シランカップリング材、無機フィラーを含む歯科用接着性組成物にルイス酸を配合した場合には、水や水溶性有機溶媒を実質的に含有せずとも良好な接着強さと保存安定性が得られることを見出した。また、ルイス酸の代わりに、酸性化合物とルイス酸前駆体を配合させてルイス酸を発生させることで上記効果が発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち第一の本発明は、
下記式(1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、若しくは、置換又は無置換のアルケニル基から選択されるいずれかの基であり、R~Rは水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、若しくは、置換又は無置換のアルケニル基から選択されるいずれかの基であり、R、RおよびRは、いずれかの基と結合して環を形成してもよく、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子であり、Yは炭素数1~20の直鎖又は分枝を有するアルキレン基であり、nは0~2の整数である。)
で示される非加水分解性シランカップリング材(A)
トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)及びトリスペンタフルオロフェニルボランからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物からなるルイス酸(B)、又は酸性化合物{但し、前記ルイス酸(B)を除く。}(b1)及び電子求引性基置換テトラアリールボレート化合物からなるルイス酸前駆体(b2)と、
無機フィラー(C)と、
(メタ)アクリル酸エステル系の酸性基非含有重合性単量体(D)と、
重合開始剤(E)と、
を含む接着性組成物である。

上記第一の本発明の接着性組成物は、以下の態様を好適に採り得る。
(1)前記酸性化合物(b1)が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸及び酸性基含有重合単量からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記ルイス酸前駆体(b2)が、ホウ素原子に結合した4つのアリール基の各々に対し、少なくとも1つ以上の水素原子が電子求引性基で置換された電子求引性基置換テトラアリールボレート化合物であること。
(2)前記無機フィラー(C)がシリカ系フィラーであること。
(3)上記接着性組成物が、
第一の部分組成物と、前記第一の部分組成物と物理的に接触不可能な状態の第二の部分組成物との組み合わせから構成され、
前記第一の部分組成物には、少なくとも前記非加水分解性シランカップリング材(A)が含まれ、且つ
前記第二の部分組成物には、少なくとも前記ルイス酸(B)が含まれる
こと。
(4)上記(3)の接着性組成物において、前記第一の部分組成物には、さらに前記フィラー(C)が含まれること。
(5)上記接着性組成物が、
第一の部分組成物と、前記第一の部分組成物と物理的に接触不可能な状態の第二の部分組成物との組み合わせから構成され、
前記第一の部分組成物には、少なくとも前記酸性化合物(b1)が含まれ、且つ
前記第二の部分組成物には、少なくとも前記ルイス酸前駆体(b2)が含まれる
こと。
(6)上記(5)の接着性組成物において、前記第一又は第二の部分組成物には、さらに前記非加水分解性シランカップリング材(A)及び前記フィラー(C)が含まれること。
第二の本発明は、上記第一の本発明の接着性組成物を含むことを特徴とする歯科用接着組成物である。
さらに第三の本発明は、上記(5)~(8)の接着性組成物を含むことを特徴とする歯科用接着材料キットである。
本発明の接着性組成物は、フィラーの種類や粒径を問わず、温度環境や酸性条件下でも高い接着性を示すと共に、良好なセラミックスへの接着性を発現することができる。
このように本発明の接着性組成物が上記効果を奏する理由について詳細は不明であるが本発明者らは以下のとおり推測している。本発明の接着性組成物で用いられているシランカップリング材は、アルコキシ基を有さない。そのため、フィラーの表面酸点による分解・縮合が抑制され、高い保存安定性を示すものと推測される。一方でルイス酸は非加水分解性シランカップリング材のケイ素原子に結合した炭素のβ位の不飽和結合に対して作用すると推測される。不飽和結合が活性化され脱離し易くなり、セラミックス表面のシラノール基がシランカップリング材のケイ素原子を攻撃し結合が形成されると同時に、アルケンが脱離すると推測される。このため本発明の接着性組成物は保存安定性とセラミックスへの高い接着強度とを両立することが可能となったものと推測される。
また、ルイス酸を直接存在させず、酸性化合物とルイス酸前駆体の組み合わせることで、これらが混合された時点でルイス酸を発生させることができるため同様の効果を期待できる。特に本発明の接着性組成物は、酸性化合物とルイス酸前駆体とを分包し、使用時に混合するように配合することでさらに保存安定性を向上させることができる。
従って、本発明の接着性組成物は、シリカ系セラミックス用の前処理不要歯科用セメントとして好適に用いることができる。
I.接着性組成物
本発明の接着性組成物は、非加水分解性シランカップリング材(A)、ルイス酸(B)、若しくは酸性化合物(b1)及びルイス酸前駆体(b2)、および無機フィラー(C)を含むことを特徴とする。以下、本発明の接着性組成物の各成分について詳細に説明する。
<非加水分解性シランカップリング材(A)>
本発明の接着性組成物において、前記式(1)で示される非加水分解性シランカップリング材(A)(以下、単に「非加水分解性シランカップリング材」とも言う)は、ルイス酸(B)によって活性化され、シリカ系セラミックス修復物と接着する機能を有する。
前記式中、Rは水素原子またはメチル基であり、
は置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、若しくは、置換又は無置換のアルケニル基から選択されるいずれかの基であり、
~Rは水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、若しくは、置換又は無置換のアルケニル基から選択されるいずれかの基である。
上記アルキル基としては、直鎖状あるいは分岐状のいずれであっても良い。該アルキル基を構成する炭素数としては、1~30であることが好ましく、1~5であることがより好ましい。かかるアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基等が上げられる。また、上記アルキル基は置換基を有していても良い。置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;ニトロ基;シアノ基;フェニル基、ニトロフェニル基、クロロフェニル基等の炭素数6~10のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1~5のアルコキシ基;アセチル基等の炭素数2~5のアシル基;テトラヒドロフラニル基等が例示される。
上記シクロアルキル基としては、基を構成する炭素数が3~14であることが好ましい。また、環構造としては、単環構造、あるいは、2もしくは3つの単環が結合した多環構造が好ましい。かかるシクロアルキル基として具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基等が上げられる。また、上記シクロアルキル基は置換基を有していても良い。置換基としては、上記アルキル基の置換基として例示された基、および、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~5のアルキル基が例示される。
上記アリール基としては、基を構成する炭素数が6~14であることが好ましい。また、環構造としては、単環構造、および、2もしくは3つの単環が縮合した縮合多環構造が好ましい。かかるアリール基として具体的には、フェニル基、ナフチル基等が上げられる。また、上記アリール基は置換基を有していても良い。置換基としては、上記シクロアルキル基の置換基として例示された基を挙げることができる。
上記アラルキル基としては、基を構成する炭素数が7~20であることが好ましい。かかるアラルキル基として具体的には、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル、フェニルブチル基等が上げられる。また、上記アラルキル基は置換基を有していても良い。置換基としては、上記シクロアルキル基で例示した置換基を挙げることができる。
上記アルケニル基としては、基を構成する炭素数が2~20であることが好ましい。かかるアルケニル基として具体的には、エテニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が上げられる。また、上記アルケニル基は置換基を有していても良い。置換基としては、上記シクロアルキル基で例示した置換基を挙げることができる。
上記複素環基としては、基を構成する原子数が3~14であることが好ましい。また、環構造としては、単環構造、および、2もしくは3つの単環が縮合した縮合多環構造が好ましい。かかる複素環基として具体的には、ピロール、ピリジル、ピリミジル、イミダゾール、フラニル、オキサゾリウム、チオフェニル基等が上げられる。また、上記複素環基は置換基を有していても良い。置換基としては、上記シクロアルキル基の置換基として例示された基を挙げることができる。
また、上記R~Rはいずれかの基と結合して環を形成してもよい。
また前記式(1)におけるXは、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子である。
また前記式(1)におけるYは、炭素数1~20の直鎖又は分枝を有するアルキレン基である。かかるアルキレン基として具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ウンデシレン基等が挙げられる。また、上記アルキレン基は置換基を有していても良い。置換基としては、上記シクロアルキル基の置換基として例示された基を挙げることができる。
さらにnは、0~2の整数である。
前記式(1)における非加水分解性シランカップリング材の中でもRは水素原子またはメチル基が好ましく、Rは、無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基が好ましく、R~はRは、水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基が好ましく、nは、1つ以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本発明の接着性組成物として好適に使用される非加水分解性シランカップリング材(A)としては、3-(トリアリルシリル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(トリメタリルシリル)プロピル(メタ)アクリレート、3-(メチルジアリルシリル)プロピルメタクリレート、3-(メチルジメタリルシリル)プロピル(メタ)アクリレート、5-(トリアリルシリル)ペンチルメタ(メタ)アクリレート、5-(トリメタリルシリル)ペンチルメタクリレート、5-(メチルジアリルシリル)ペンチル(メタ)アクリレート、5-(メチルジメタリルシリル)ペンチル(メタ)アクリレート、7-(トリアリルシリル)へプチル(メタ)アクリレート、7-(トリメタリルシリル)へプチル(メタ)アクリレート、7-(メチルジアリルシリル)へプチル(メタ)アクリレート、7-(メチルジメタリルシリル)へプチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特に3-(トリアリルシリル)プロピルメタクリレート、3-(メチルジメタリルシリル)プロピルメタクリレートが好適である。これらの非加水分解性シランカップリング材(A)は工業的に入手可能なものをそのまま用いることができる。

非加水分解性シランカップリング材(A)の含有量は本発明の接着性組成物が、後述する他の重合性単量体を含有する場合、接着性及び硬化性の観点から、非加水分解性シランカップリング材(A)、及び他の重合性単量体の合計100質量部に対して1~40質量部の範囲で用いることが好ましく、3~30質量部がより好ましく、5~25質量部であることが特に好ましい。
<ルイス酸(B)>
本発明の接着性組成物において、ルイス酸(B)は、非加水分解性シランカップリング材(A)を活性化する機能を有する。かるルイス酸として具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)、トリスペンタフルオロフェニルボラン等の有機金属化合物等が挙げられる。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。

ルイス酸の中でも、上記非加水分解性シランカップリング材(A)との反応性、接着性組成物中での安定性の観点からトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリスペンタフルオロフェニルボランを好適に用いることができる。これらのルイス酸は工業的に入手可能なものをそのまま用いることができる。
ルイス酸(B)の含有量は非加水分解性シランカップリング材(A)への十分な活性を付与する観点から、非加水分解性シランカップリング材(A)1molに対して0.005~1molが好ましく、0.01~0.5molがより好ましく、0.05~0.2molが特に好ましい。
また、本発明の接着性組成物において、ルイス酸(B)の代わりに、酸性化合物(b1)とルイス酸前駆体(b2)とを組み合わせて用いることも可能である。酸性化合物(b1)とルイス酸前駆体(b2)とが反応しルイス酸を生成するため、これらの組み合わせは、ルイス酸と同様の機能を有する。
<酸性化合物(b1)>
本発明の接着性組成物において、酸性化合物(b1)は、ルイス酸前駆体と反応しルイス酸を生成する機能を有する。酸性化合物はルイス酸を生成できるものである限り時に制限はなく、本発明の接着性組成物に用いることができる。かかる酸性化合物としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酸性基含有重合単量体等が挙げられる。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの酸性化合物の中でも自身が重合して接着性に寄与できる点で酸性基を有する重合性単量体を用いることが好ましい。酸性基を有する重合性単量体とは、分子内に、カルボキシル基又はその酸無水物基、ホスホノオキシ基等の酸性基を有する重合性単量体である。これらの酸性基を有する重合性単量体は、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することができる。酸性基を有する重合性単量体としては、分子内に1個のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体、分子内に複数のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体、分子内にホスホノオキシ基を有する一官能性重合性単量体(一官能性ラジカル重合性リン酸エステルと呼ぶことがある)、及びこれらの酸性基を有する多官能性(二官能性以上の)重合性単量体などが挙げられる。
分子内に1個のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、N-(メタ)アクリロイルグリシン、N-(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレート、6-(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン-1,2,6-トリカルボン酸、O-(メタ)アクリロイルチロシン、N-(メタ)アクリロイルチロシン、N-(メタ)アクリロイルフェニルアラニン、N-(メタ)アクリロイル-p-アミノ安息香酸、N-(メタ)アクリロイル-o-アミノ安息香酸、p-ビニル安息香酸、2-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N-(メタ)アクリロイル-5-アミノサリチル酸、N-(メタ)アクリロイル-4-アミノサリチル酸等及びこれらの化合物のカルボキシル基を酸無水物基化した化合物が挙げられる。
分子内に複数のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体の例としては、11-(メタ)アクリロイルオキシウンデカン-1,1-ジカルボン酸、10-(メタ)アクリロイルオキシデカン-1,1-ジカルボン酸、12-(メタ)アクリロイルオキシドデカン-1,1-ジカルボン酸、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキサン-1,1-ジカルボン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-3’-メタクリロイルオキシ-2’-(3,4-ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート、4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテートアンハイドライド、4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)トリメリテート、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、4-(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、4-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメリテート、4-(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリテート、4-(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、6-(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン-1,2,6-トリカルボン酸無水物、6-(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン-2,3,6-トリカルボン酸無水物、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボニルプロピオノイル-1,8-ナフタル酸無水物、4-(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン-1,8-トリカルボン酸無水物、9-(メタ)アクリロイルオキシノナン-1,1-ジカルボン酸、13-(メタ)アクリロイルオキシトリデカン-1,1-ジカルボン酸、11-(メタ)アクリルアミドウンデカン-1,1-ジカルボン酸などが挙げられる。
分子内にホスホノオキシ基を有する一官能性重合性単量体(一官能性ラジカル重合性リン酸エステルと呼ぶことがある)の例としては、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2-(メタ)アクリルアミドエチルジハイドロジェンホスフェート等が挙げられる。
その他の酸性基を有する一官能性重合性単量体として、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、10-スルホデシル(メタ)アクリレート等の分子内にスルホ基を有する一官能性重合性単量体などが挙げられる。
前記酸性基を有する多官能性の重合性単量体としては、特に限定されないが、ビス(6-(メタ)アクリロイルオキシヘキシル)ハイドロジェンホスフェート、ビス(10-(メタ)アクリロイルオキシデシル)ハイドロジェンホスフェート、ビス{2-(メタ)アクリロイルオキシ-(1-ヒドロキシメチル)エチル}ハイドロジェンホスフェート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートハロドロジェンホスフェート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートハロドロジェンホスフェート等が好適なものとして例示される。
これらの酸性基を有する重合性単量体の中でも、接着性の観点から一官能性ラジカル重合性リン酸エステルが好ましく、さらに10-(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェートがより好ましい。
酸性化合物(b1)の含有量は、シランカップリング材に十分な活性を付与する観点から、後述するルイス酸前駆体(b2)1molに対して1~100molが好ましく、2~50molがさらに好ましく、5~30molが特に好ましい。
さらに、酸性化合物(b1)が酸性基を有する重合性単量体の場合、シランカップリング材に十分な活性を付与する観点から、重合性単量体中、1~40質量部が好ましく、9~30質量部がさらに好ましく、10~25質量部が特に好ましい。酸性基を有する重合性単量体が上記範囲で含有されれば、後述するルイス酸前駆体(b2)と酸性基が反応して必要な量のルイス酸を生成させることができる。
<ルイス酸前駆体(b2)>
本発明の接着性組成物において、ルイス酸前駆体(b2)は、上記酸性化合物(b1)と反応しルイス酸を生成する機能を有する。ルイス酸前駆体は酸性化合物と反応してルイス酸を生成できるものである限り制限されず、本発明の接着性組成物に用いることができる。ルイス酸前駆体として具体的には、電子求引性基置換テトラアリールボレート化合物等が挙げられる。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
電子求引性基置換テトラアリールボレート化合物とは、テトラアリールボレート化合物のアリール基上の置換基の少なくとも1つに電子求引性基を有する化合物である。具体的には、下記式(2)で示される化合物を用いることが好適である。
上記式(2)中、Z~Zのうち少なくとも1つはハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基等の電子求引性基である。これらの電子求引性基を有することにより、前記酸性化合物との反応により、テトラアリールボラン化合物となり、ルイス酸としての機能が発現する。電子求引性基の数は多いほど、前記酸性化合物との反応性が高くなるため好ましく、ホウ素原子に結合した4つのアリール基の各々に対し、少なくとも1つ以上の水素原子が電子求引性基で置換された電子求引性基置換テトラアリールボレート化合物であることが好ましい。
上記式(2)中、Lは、金属陽イオン、4級アンモニウムイオン、4級ピリジニウムイオン、4級キノリニウムイオン、または、ホスホニウムイオンである。
上記式(2)における金属陽イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属陽イオン;マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属陽イオン等が挙げられる。また、4級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン等が挙げられる。4級ピリジニウムイオンとしては、メチルピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオンなどが挙げられる。4級キノリニウムイオンとしては、メチルキノリニウムイオン、エチルキノリニウムイオン、ブチルキノリウムイオンなどが挙げられる。ホスホニウムイオンとしては、テトラブチルホスホニウムイオン、メチルトリフェニルホスホニウムイオン等の第4級ホスホニウムイオンなど挙げられる。
上記式(2)で示されるアリールボレート化合物の好適例としては、テトラフェニルボレートのナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
上記電子求引性基置換アリールボレート化合物の好適例としては、テトラ(3,5-トリフルオロメチルフェニルボレート)又は、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
ルイス酸前駆体(b2)の含有量は、シランカップリング材に十分な活性を付与する観点から、非加水分解性シランカップリング材1molに対して0.005~1molが好ましく、0.01mol~0.5molがより好ましく、0.05mol~0.2molが特に好ましい。
<無機フィラー(C)>
本発明の接着性組成物において、無機フィラー(C)は組成物の機械強度を向上させる機能を有する。従来の歯科材料等で使用されている無機フィラーが特に制限なく利用できる。また、無機フィラーは1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組合せて用いてもよい。
無機フィラーの形状は特に限定されず、不定形の粒子であってもよいし、球状の粒子であってもよい。また、無機フィラーの平均粒径は特に限定されるものではないが、0.01μm~100μm程度が好ましく、0.1μm~50μm程度がより好ましい。
本実施形態の接着性組成物において、特に好適に使用される無機フィラーを例示すれば、シリカ-チタニア、シリカ-ジルコニア等のケイ素を構成元素として含む複合酸化物;タルク、モンモリロナイト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム等のケイ素を構成元素として含む粘土鉱物或いはケイ酸塩類(以下、上記複合酸化物、及び上記粘土鉱物或いはケイ酸塩類を総称して「シリカ系フィラー」とも言う);フッ化イッテルビウム、フッ化イットリウム、ケイ酸塩ガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、ランタンガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス等を挙げることができる。これらの無機フィラーは、重合性単量体とのなじみを良くし、得られる硬化体の機械的強度や耐水性を向上させるために、シランカップリング材等の表面処理剤で表面処理して使用されることもある。(表面処理した無機フィラーの方が好ましい?)前記シリカ系フィラーは、化学的安定性に優れており、シランカップリング材等での表面処理が容易である点から好ましく、シリカ-チタニア、シリカ-ジルコニア等ケイ素を構成元素として含む複合酸化物が特に好ましい。
無機フィラー(C)の含有量は、目的とする用途に応じて適宜決定すればよい。中でも、歯科用材料、特に歯科用セメントに使用する場合には、歯科用セメントに含まれる重合性単量体成分100質量部に対して、65~1000質量部配合することが好ましい。練和性や硬化体の機械的強度の観点からは、歯科用セメントに含まれる重合性単量体成分100質量部に対して、150~400質量部とすることがより好ましい。
<酸性基非含有重合性単量体(D)>
酸性基非含有重合性単量体(以下、「非酸性モノマー」と称す場合がある)(D)は、分子内に少なくとも1つのラジカル重合性不飽和基を有し、酸性基を有しないものであれば、特に限定されない。重合性の観点及び生体への安全性の観点からは、(メタ)アクリル酸エステル系の酸性基非含有重合性単量体が好適に使用される。非酸性モノマーは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。好適に使用できる非酸性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス〔4-(3-メタクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2-ビス(メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート等を挙げことができる。
なお、本実施形態の接着性組成物が歯科用材料などとして使用される場合のように、接着性組成物の硬化体に、より優れた機械的強度が要求されることがある。この場合、非酸性モノマーとしては、複数のラジカル重合性基を有する二、三または四官能性ラジカル重合性単量体を用いることが好ましい。
酸性基非含有重合性単量体(D)の含有量は、目的とする用途に応じて適宜決定すればよい。中でも、歯科用材料、特に歯科用セメントに使用する場合には、歯科用セメントに含まれる総フィラー100質量部に対して、10~100質量部が好ましく、15~80質量部がさらに好ましく、20~70質量部が特に好ましい。
<重合開始剤(E)>
重合開始剤(E)は、組成物を重合、硬化させる働きを持つ。重合開始剤(E)として、例えば、光重合開始剤、化学重合開始剤、熱重合開始剤が挙げられる。歯科用接着剤やセメントでは、口腔内での操作性の観点から、光重合開始剤と化学重合開始剤が特に用いられる。これらは特に制限されることなく公知のものが使用できる。これら重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
代表的な光重合開始剤として、α-ジケトン類、ケタール類、チオキサントン類、(ビス)アシルホスフィンオキシド類、α-アミノアセトフェノン類が挙げられる。また、一般的に、α-ジケトン類およびチオキサントン類は、アミン類と併用されることで重合開始剤として作用する。これら重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
α-ジケトン類としては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、2,3-ペンタンジオンが挙げられる。
ケタール類としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタールが挙げられる。
チオキサントン類としては、例えば、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントンが挙げられる。
(ビス)アシルホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ジベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、トリス(2,4-ジメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、トリス(2-メトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイル-ビス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシドおよびアシルホスフィンオキシド化合物が挙げられる。
α-アミノアセトフェノン類としては、例えば、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-ベンジル-2-ジエチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジエチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ペンタノン、2-ベンジル-2-ジエチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ペンタノンが挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、重合性単量体100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましく、0.05~3質量部であることがより好ましい。
アミン類としては、例えば、芳香族アミン、脂肪族アミンが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
アミン類としては、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジ-n-ブチルアニリン、N,N-ジベンジルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、p-ブロモ-N,N-ジメチルアニリン、m-クロロ-N,N-ジメチルアニリン、p-ジメチルアミノベンズアルデヒド、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N-ジメチルアンスラニックアシッドメチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、N,N-ジヒドロキシエチル-p-トルイジン、p-ジメチルアミノフェネチルアルコール、p-ジメチルアミノスチルベン、N,N-ジメチル-3,5-キシリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N,N-ジメチル-α-ナフチルアミン、N,N-ジメチル-β-ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルヘキシルアミン、N,N-ジメチルドデシルアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、2,2’-(n-ブチルイミノ)ジエタノール等の第三級アミン類が挙げられ、反応性の観点からp-ジメチル安息香酸エチルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸アミルエステルが好ましい。
アミン類の含有量は、重合性単量体100質量部に対して、0.01~5質量部が好ましく、0.02~5質量部がより好ましく、0.05~2質量部がさらに好ましい。
化学重合開始剤としては、酸化剤、還元剤、必要に応じて遷移金属錯体を組み合わせた化学重合開始剤が挙げられる。
酸化剤としては有機過酸化物及び無機過酸化物が挙げられる。これら酸化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
代表的な有機過酸化物として、ヒドロペルオキシド、ペルオキシエステル、ケトンペルオキシド、ペルオキシケタール、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ペルオキシジカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、ヒドロペルオキシド、ペルオキシエステルが特に好ましく、本発明の組成物を長期保存の観点から、ペルオキシエステルが最も好ましい。有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、ヒドロペルオキシドとしては、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-ヘキシルヒドロペルオキシド、p-メンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。
ペルオキシエステルとは、R-C(=O)-O-O-R’(ただし、R、R’は任意の有機基)またはR-O-C(=O)-O-O-R’(ただし、R、R’は任意の有機基)で示される構造を有する化合物である。本実施形態の化学重合開始剤では、このような構造を有するペルオキシエステルが特に制限なく使用できる。好適に使用できるペルオキシエステルを具体的に例示すれば、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシデカノエート、t-ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、t-ヘキシルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシラウレート、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルペルオキシベンゾエート、2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシ-3-メチルベンゾエート、t-ブチルペルオキシベンゾエート等を挙げことができる。これらの中でも、重合活性及び保存安定性の観点から、10時間半減期温度が80℃以上のペルオキシエステルが好適に用いられ、t-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシラウレート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート等が特に好適に用いられる。
ケトンペルオキシドとしては、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシドなどが挙げられる。
ペルオキシケタールとしては、例えば、1,1-ビス(t-ヘキシルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロデカン、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレレート、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパンなどが挙げられる。
ジアルキルペルオキシドとしては、例えば、α,α-ビス(t-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、t-ブチルクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン-3などが挙げられる。
ジアシルペルオキシドとしては、例えば、イソブチリルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアリルペルオキシド、スクシニックアシッドペルオキシド、m-トルオイルベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどが挙げられる。
ペルオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ-n-プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルペルオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ-2-メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ(3-メチル-3-メトキシブチル)ペルオキシジカーボネートなどが挙げられる。
無機過酸化物としては、ペルオキソ二硫酸塩及びペルオキソ二リン酸塩などが挙げられ、これらの中でも、硬化性の点で、ペルオキソ二硫酸塩が好ましい。ペルオキソ二硫酸塩の具体例としては、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アルミニウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムが挙げられる。
有機過酸化物及び無機過酸化物の含有量は、硬化性の観点から、重合性単量体100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましく、0.05~2質量部であることがより好ましい。
還元剤としては、例えば、アミン類、芳香族スルフィン酸塩、チオ尿素化合物、アリールボレート化合物などが挙げられる。還元剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
アミン類としては、光重合開始剤の項に記載の化合物を用いることができる。それらの中でも、化学重合開始剤として用いられるアミン類としてはN-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートを好適に用いることができる。
芳香族スルフィン酸化合物として好適に使用できるものを例示すれば、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,6-ジメチルベンゼンスルフィン酸、2,6-ジイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸のナトリウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等を挙げることができる。これら芳香族スルフィン酸塩の中でも、反応性の高さ、重合性単量体への溶解性の高さから、ベンゼンスルフィン酸塩、および、パラトルエンスルフィン酸塩が好ましい。
芳香族スルフィン酸塩の含有量は、重合性単量体100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.2~4質量部がより好ましく、0.5~3質量部がさらに好ましい。
チオ尿素化合物として好適に使用できるものを例示すれば、チオ尿素、メチルチオ尿素、エチルチオ尿素、n-プロピルチオ尿素、イソプロピルチオ尿素、シクロヘキシルチオ尿素、ベンジルチオ尿素、フェニルチオ尿素、アセチルチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、アダマンチルチオ尿素、1-(2-ピリジル)-2-チオ尿素、1-(2-テトラヒドロフルフリル)-2-チオ尿素、N,N’-ジメチルチオ尿素、N,N’-ジエチルチオ尿素、N,N’-ジ-n-プロピルチオ尿素、N,N’-ジ-イソプロピルチオ尿素、N,N’-ジシクロヘキシルチオ尿素、N,N’-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、トリ-n-プロピルチオ尿素、トリイソプロピルチオ尿素、トリシクロヘキシルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラ-n-プロピルチオ尿素、テトライソプロピルチオ尿素、テトラシクロヘキシルチオ尿素、エチレンチオ尿素、4,4’-ジメチルエチレンチオ尿素等を挙げることができる。これらチオ尿素化合物の中でも、反応性の高さ、重合性単量体への溶解性の高さから、アセチルチオ尿素またはベンゾイルチオ尿素が好ましい。
チオ尿素化合物の含有量は、重合性単量体100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.2~4質量部がより好ましく、0.5~3質量部がさらに好ましい。
アリールボレート化合物は、ルイス酸前駆体(b2)で用いられる電子求引性基置換アリールボレート化合物とは別成分として添加される。
アリールボレート化合物は、分子中に少なくとも1個のホウ素-アリール結合を有する化合物であれば特に限定されないが、下記一般式(3)で示される化合物を用いることが好適である。
上記式(3)中、Lは、金属陽イオン、4級アンモニウムイオン、4級ピリジニウムイオン、4級キノリニウムイオン、または、ホスホニウムイオンである。
これらのイオンとして好適なものとしては、金属陽イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属陽イオン;あるいは、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属陽イオン、4級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオンなど、4級ピリジニウムイオンとしては、メチルピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオンなど、4級キノリニウムイオンとしては、メチルキノリニウムイオン、エチルキノリニウムイオン、ブチルキノリウムイオンなど、ホスホニウムイオンとしては、テトラブチルホスホニウムイオン、メチルトリフェニルホスホニウムイオン等の第4級ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
上記式(3)で示されるアリールボレート化合物の好適例としては、テトラフェニルボレートのナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
アリールボレート化合物は、重合性単量体100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.2~4質量部がより好ましく、0.5~3質量部がさらに好ましい。
遷移金属錯体としては、第4周期遷移金属化合物が挙げられる。
遷移金属錯体は、ルイス酸(B)が第4周期遷移金属化合物の場合は別成分として添加される。
第4周期遷移金属化合物において、第4周期の遷移金属とは、周期表第4周期の3~12族の金属元素であり、好ましくは、バナジウム(V)、銅(Cu)である。これらの遷移金属元素は、各々が複数の価数を取りうるが、安定に存在できる価数のもの、例えば、V(III~V)、Cu(I、II)の化合物が、有機過酸化物および還元剤と組み合わされて化学重合開始剤として使用される。
このような第4周期遷移金属化合物の具体例としては、四酸化二バナジウム(IV)、酸化バナジウムアセチルアセトナート(IV)、シュウ酸バナジル(IV)、硫酸バナジル(IV)、オキソビス(1-フェニル-1,3-ブタンジオネート)バナジウム(IV)、ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム、塩化銅(I)、臭化銅(I)、塩化銅(II)、酢酸銅(II)、硫酸銅(II)、アセチルアセトン銅(II)等を挙げることができ、これらは、単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
これらの中でも、+IV及び/又は+V価のバナジウム化合物または+I及び/+II価の銅化合物がより好ましく、最も好ましいものは+IV価のバナジウム化合物または+II価の銅化合物である。
遷移金属錯体の含有量は、重合性単量体100質量部に対して、0.001~5質量部が好ましく、0.005~1質量部がより好ましく、0.01~0.5質量部がさらに好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の接着性組成物では、上述した(A)~(E)に示す5成分以外にも、必要に応じてその他任意の成分を更に組み合わせて用いてもよい。このような任意な成分としては、フィラーとして無機フィラー(C)以外にも、有機フィラーや有機無機複合フィラーを用いてもよい。なお、これらのフィラーは無機フィラー(C)に加え、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
好適に使用できる有機フィラーとしては、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル-メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体等を挙げることができる。
有機無機複合フィラーとしては、重合性単量体と無機充填材とを複合化させた、有機無機複合フィラーが好適に使用できる。複合化方法は、特に限定されず、また、中実なものであっても、細孔を有するものであってもよい。硬化体の機械的強度の観点からは、国際公開第2013/039169号パンプレットに記載されているような、無機凝集粒子の表面が有機重合体で被覆され、且つ細孔を有する有機無機複合フィラーを使用することが好ましい。
有機フィラーおよび有機無機複合フィラーを用いる際は、無機フィラー(C)100質量部に対して、10~1000質量部配合することが好ましく、20~400質量部とすることがより好ましい。
<本発明の接着性組成物の構成>
本実発明の接着性組成物は、歯科用セラミックス修復物との接着に用いられる。前記した各成分を適宜混合し本発明の接着性組成物として用いれば良いが、長期保存安定性の点、臨床時の操作性の点から、組成物を構成する各成分が、互いに化学的に接触不可能な状態に維持された2つ以上の部分組成物の組合せとし、使用時にこれらを混合して用いることが好ましい。
なお、本願明細書において、「化学的に接触不可能な状態」とは、(1)一の組成物と他の組成物とが「物理的に接触不可能な状態」である場合、あるいは、(2)一の組成物と他の組成物とが物理的に接触可能な状態であっても、一の組成物と他の組成物との間で一方向あるいは双方向の分子拡散が生じない場合を意味する。後者(2)の具体例としては、組成物を保管する際の温度環境において、一の組成物と他の組成物とが完全に固化した状態で互いに接触している状態などが挙げられる。
また、本願明細書において、「物理的に接触不可能な状態」とは、一の組成物と他の組成物とが両者間での分子拡散を阻害する阻害部材によって分離されている状態を意味する。阻害部材としては、一般的には、容器や袋の素材として好適に用いられる樹脂、ガラス、金属、セラミックスなどの固体部材が用いられるが、一の組成物と他の組成物との間の分子拡散を阻害できるのであれば、液体を用いてもよいし、気体を用いてもよい。「物理的に接触不可能な状態」の典型例としては、たとえば、外気および外光を遮断する容器内に密封された状態で1種類の組成物が保管されている状態が挙げられる。
上記組成物を構成する各成分が、互いに化学的に接触不可能な状態に維持された2つ以上の部分組成物の組合せとする場合、各部分組成物に配分する各成分としては、混合させることで反応が進行する成分同士が各々の部分組成物に振り分けられる様にすることが、保存安定性の点から好ましい。具体的には、前記(B)成分としてルイス酸を用いる場合には、前記非加水分解性シランカップリング材(A)とルイス酸とを別々の部分組成物に含有させることが好ましく、また、前記(B)成分として前記酸性化合物(b1)及び前記ルイス酸前駆体(b2)を用いる場合、酸性化合物とルイス酸前駆体とを別々の部分組成物に含有させることが好ましい。
なお、実用上の観点からは、本実施形態の組成物は2つの部分組成物の組合せから構成されることが好適である。この場合、保存安定性をより高くできる2つの部分組成物の組合せとしては、具体的には、下記に示す組成を有する第一の部分組成物と第二の部分組成物との組み合わせが特に好適であるが、下記の組み合わせに限定されるものではなく、各部分組成物に含有する成分を適宜設定することができる。
・組み合わせの例1
第一の部分組成物:酸性化合物(b1)、無機フィラー(C)、酸性基非含有重合性単量体(D)、重合開始剤(E)
第二の部分組成物:非加水分解性シランカップリング材(A)、ルイス酸前駆体(b2)、無機フィラー(C)、酸性基非含有重合性単量体(D)、重合開始剤(E)
・組み合わせの例2
第一の部分組成物:非加水分解性シランカップリング材(A)、酸性化合物(b1)、無機フィラー(C)、酸性基非含有重合性単量体(D)、重合開始剤(E)
第二の部分組成物:ルイス酸前駆体(b2)、無機フィラー(C)、酸性基非含有重合性単量体(D)、重合開始剤(E)
・組み合わせの例3
第一の部分組成物:非加水分解性シランカップリング材(A)、無機フィラー(C)、酸性基非含有重合性単量体(D)、重合開始剤(E)
第二の部分組成物:ルイス酸(B)、酸性基非含有重合性単量体(D)、重合開始剤(E)
混合後の組成物全体に対する第一の部分組成物及び第二の部分組成物に振り分ける各組成物の割合は、各組成物に配合される各成分の配合量に応じて適宜決定すれば良い。具体的には、振り分けた後の各部分組成物の取り扱いやすさや、該組成物を後述するキット化する際のパッケージ化の容易性等を勘案して適宜決定すれば良い。両成分の質量或いは体積があまりに異なる場合、取扱いにくくなったり、製品パッケージ化が困難となる場合もあり得るため、組成物を構成するために使用される第一の部分組成物と第二の部分組成物の質量比或いは体積比は、第一の部分組成物:第二の部分組成物=1/5~5/1の範囲とすることが好ましく、1/3~3/1の範囲とすることがより好ましく、1/1とすることが特に好ましい。無機フィラー(C)、及び酸性基非含有重合性単量体(D)の両成分への配分比を調整することで第一の部分組成物と第二の部分組成物の質量比或いは体積比を上記範囲内に収めることが可能である。
II.歯科用接着材料キット
上記本発明の接着性組成物を各部分組成物の組み合わせとした場合、各部分組成物を含む歯科用接着材料キットとすることで、臨床時において簡便な操作で接着性組成物の調製、治療を行うことができるため好ましい。歯科用接着材料キットの中でも歯科用セメントキットあるいは歯科用接着剤キットとして特に好適に利用できる。
本発明の接着性組成物を歯科用接着材料キットとする場合において、
第一の部分組成物(以下、「第一剤」とも言う)、及び前記第二の部分組成物(以下、「第二剤」とも言う)に配合する各成分は、例えば前記好適な組み合わせ例1~3の組み合わせ等を好適に採用することができる。
本実施形態の接着性組成物キットは、使用前の状態(保管時)においては、第一の部分組成物と第二の部分組成物とが互いに物理的に接触不可能な状態であれば特に制限されないが、取扱い性などの実用上の観点から、第一の部分組成物および第二の部分組成物の各々がボトル、チューブ、シリンジ、袋などの各種の容器内に入れて(分包して)保管されることが好ましい。言い換えれば、本実施形態の接着性組成物の好適な保管方法は、第一の部分組成物と第二の部分組成物とに分包された状態で保管されることが好ましい。そして、使用時には、第一の部分組成物と第二の部分組成物とを混合する。なお、使用前の状態(保管時)においては、勿論、本実施形態の接着性組成物キットは市場に製品として流通させることができる。
また、上記第一剤、及び第二剤は各々必要量毎に分包しておき、使用時(混合時)に分包された各剤を開封して混合して使用する形態としても良いし、或いは多量の第一剤、及び第二剤を各々別の容器に分包し、使用時には、上記混合比率(質量比或いは体積比)となるように必要量ずつ容器から取り出して混合して、本発明の接着性組成物として使用する形態としても良い。
組成物を構成するために使用される第一の部分組成物と第二の部分組成物の混合比率(質量比或いは体積比)は、情報表示媒体に表示することができる。この混合比情報表示媒体としては、たとえば、紙箱等からなる製品パッケージ;紙媒体および/または電子データとして提供される製品の使用説明書;第一剤および第二剤を各々密封状態で保管する容器(ボトル、シリンジ、包装袋等);紙媒体および/または電子データとして提供される製品カタロ;製品とは別に電子メールや郵便物等により製品利用者に送付される通信文などが挙げられるが、上記以外の態様により製品利用者が認知しうる態様で、製品利用者に提供されてもよい。
また、上記第一剤、及び第二剤は各々必要量毎に分包しておき、使用時(混合時)に分包された各剤を開封して混合して使用する形態としても良いし、或いは多量の第一剤、及び第二剤を各々別の容器に分包し、使用時には、上記混合比率(質量比或いは体積比)となるように必要量ずつ容器から秤量し、秤量された第一剤、及び第二剤を混合して、本発明の接着性組成物として使用する形態としても良い。
第一剤、及び第二剤の混合方法は特に限定されず、練和紙上に第一剤と、第二剤と適量塗布して、両者をヘラで練和する方法、第一剤および第二剤がペースト状である場合において、先端にミキシングチップを接続したシリンジから第一剤と第二剤とを同時に押出す方法、第一剤および第二剤が液状である場合において、第一剤と第二剤とを同一の混和皿に採取する方法等が採用できる。
このような方法で混合することによって得られた本発明の接着性組成物は、シランカップリング材、ルイス酸、全種類の重合性単量体成分を含むため、速やかに或いは予め設定された操作余裕時間をもって重合硬化しシリカ系セラミックスへ接着する。
以下に本発明を、実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものでは無い。本実施例及び比較例では接着性組成物を構成する各成分として以下のものを使用した。
<非加水分解性シランカップリング材(A)>
APS;3-(トリアリルシリル)プロピルメタクリレート
MMPS;3-(メチルジメタリルシリル)プロピルメタクリレート。

<(A)以外のシランカップリング材>
EPS;3-(トリエトキシシリル)プロピリメタクリレート
MPS;3-(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート。
<ルイス酸前駆体(b)>
TFPBNa;テトラ(3,5-トリフルオロメチルフェニル)ボレートのナトリウム塩
TPFBNa;テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩。

<酸性化合物(b)>
PO;リン酸
MDP;10-メタクリルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート。

<ルイス酸化合物(B)>
TPFB;トリ(ペンタフルオロフェニル)ボラン
Sc(OTf)3;トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)。
<無機フィラー(C)>
C1;平均粒径3μmのシリカジルコニア充填材
C2;平均粒径0.2μmのシリカジルコニア充填材。
<酸性基非含有重合単量体(非酸性モノマー)(D)>
BisGMA;2,2-ビス〔4-(3-メタクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン
D-2.6G;2,2-ビス(メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン
3G;トリエチレングリコールジメタクリレート
HEMA;2-ヒドロキシエチルメタクリレート。
<重合開始剤(E)>
CuA;酢酸銅(II)一水和物
BMOV;ビス(マルトラート)オキソバナジウム(IV)
BPT;t-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート
TMBPH:1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロペルオキシド
CQ;カンファーキノン
PhBNa;テトラフェニルホウ素のナトリウム塩
BzTU;ベンゾイルチオ尿素
DMBE;4-ジメチルアミノ安息香酸エチル。
〔実施例1〕
<接着性組成物(第一剤および第二剤)の調製>
非加水分解性シランカップリング材(A)、重合性基を有する酸性化合物(b1)及び重合性単量体(D)の合計が100質量部となる様に、第一剤、第二剤として以下の成分を混合した。
第一剤:(A)APS 10質量部;(b1)MDP 12.5質量部;(C)C1 46.5質量部/C2 70質量部;(D)HEMA 5質量部/D-2.6E 10質量部、3G 12.5質量部;(E)BPT 2質量部/CuA 0.02質量部
第二剤:(b2)TPFBNa 3質量部;(D)BisGMA 30質量部/3G 20質量部/(C)C1:46.5質量部/C2 70質量部;(E)PhBNa 2質量部/BzTU 1質量部
なお上記組成における非加水分解性シランカップリング材(A)1モルに対し、ルイス酸前駆体(b2)を0.086モル使用し、ルイス酸前駆体(b2)1モルに対する酸性化合物(b1)を11.9モル使用した。
第一剤は、非加水分解性シランカップリング材(A)、重合性基を有する酸性化合物(b1)、重合性単量体(D)、及び重合開始剤(E)を混合し、完全に溶解させた後、無機フィラー(C)を混合し、調製した。第二剤は、重合性単量体(D)、及び重合開始剤(E)を混合し、完全に溶解させた後、無機フィラー(C)を混合した後、ルイス酸前駆体(b2)を混合し、調製した。
上記の様にして調製した第一剤および第二剤を質量比1:1で混合して得られた混合組成物およびその硬化体の接着強度を評価した。また、第一剤および第二剤の保存安定性を調べる為に、下記(a)および(b)に示す2種類の接着性組成物を用いてポーセレンに対する接着強さを評価した。結果を表4に示す。
<評価方法>
(a)「調製直後」の接着性組成物
調製後3時間以内の第一剤及び第二剤の組合せからなる接着性組成物。
(b)「保管後」の接着性組成物
上記(a)に示す調製直後の接着性組成物を構成する第一剤及び第二剤を夫々別容器に填入した状態にて、50℃で2週間保管した後の接着性組成物。
(c)ポーセレンに対する接着強さの測定
ポーセレンを注水下、#800の耐水研磨紙で研磨し、平面を削り出した。この平面に圧縮空気を吹き付けて乾燥させた後、直径3mmの円孔の開いた両面テープをそれぞれ固定し、接着面積を規定した。続いて直径8mmの円柱状の金属アタッチメントに、前記方法で調製した接着性組成物を塗布し、両面テープの円孔と金属アタッチメントの面が同心円状になるように、接着性組成物の塗布面をポーセレン面に圧接した。この試験サンプルを37℃の水中にて24時間浸漬した後、万能試験機(AG-I型、島津製作所社製)を用いて、クロスヘッドスピード1mm/mmの条件で荷重を開始し、測定サンプルが破断するまで試験サンプルに荷重を加え、最大荷重から下記式(2)を用いて接着強さを求めた。
・式(2) 接着強さ(MPa)=最大荷重(N)/被着面積(mm)。
<評価結果>
上記した評価方法に基づいて評価を行った結果を、以下に示す。
・ポーセレンに対する接着強さ(MPa); 調製直後:20.1、保管後:18.2
表1に示すような、接着性組成物を調製し、調製直後及び保管後のポーセレン対する接着強さを測定した。上に示されるように、実施例1の接着性組成物は、調製直後及び保管後のいずれにおいてもポーセレンに対する接着強度に良好結果を示した。この結果から、実施例1の接着性組成物は、優れた接着性及び保存安定性を有すことが判った。
〔実施例2~11、比較例1~6〕
以下の表1示す配合とした以外は、実施例1と同様に第一剤、及び第二剤を調製した。第二剤にルイス酸(B)を含む実施例(実施例5、6、11)については、ルイス酸(B)を最後に混合し調製した。実施例、及び比較例における非加水分解性シランカップリング材(A)1モルに対するルイス酸、又はルイス酸前駆体(b2)の使用量(モル)及び、ルイス酸前駆体(b2)1モルに対する酸性化合物(b1)の使用量(モル)は表2に示す通りであった。ポーセレンに対する接着強さの結果を表2に示す。

Claims (9)

  1. 下記式(1)
    (式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、若しくは、置換又は無置換のアルケニル基から選択されるいずれかの基であり、R~Rは水素原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、若しくは、置換又は無置換のアルケニル基から選択されるいずれかの基であり、R、RおよびRは、いずれかの基と結合して環を形成してもよく、Xは酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子であり、Yは炭素数1~20の直鎖又は分枝を有するアルキレン基であり、nは0~2の整数である。)
    で示される非加水分解性シランカップリング材(A)と、
    トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)、トリフルオロメタンスルホン酸イッテルビウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)及びトリスペンタフルオロフェニルボランからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物からなるルイス酸(B)、又は酸性化合物{但し、前記ルイス酸(B)を除く。}(b1)及び電子求引性基置換テトラアリールボレート化合物からなるルイス酸前駆体(b2)と、
    無機フィラー(C)と、
    (メタ)アクリル酸エステル系の酸性基非含有重合性単量体(D)と、
    重合開始剤(E)と、
    を含む接着性組成物。
  2. 前記酸性化合物(b1)が、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸及び酸性基含有重合単量からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ルイス酸前駆体(b2)が、ホウ素原子に結合した4つのアリール基の各々に対し、少なくとも1つ以上の水素原子が電子求引性基で置換された電子求引性基置換テトラアリールボレート化合物である、
    請求項1に記載の接着性組成物。
  3. 前記無機フィラー(C)がシリカ系フィラーである請求項1または2に記載の接着性組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の接着性組成物であって、該組成物が、
    第一の部分組成物と、前記第一の部分組成物と物理的に接触不可能な状態の第二の部分組成物との組み合わせから構成され、
    前記第一の部分組成物には、少なくとも前記非加水分解性シランカップリング材(A)が含まれ、且つ
    前記第二の部分組成物には、少なくとも前記ルイス酸(B)が含まれる
    ことを特徴とする接着性組成物。
  5. 前記第一の部分組成物には、さらに前記フィラー(C)が含まれることを特徴とする請求項4記載の接着性組成物。
  6. 請求項1~3のいずれか一項に記載の接着性組成物を形成するための接着性組成物であって、該組成物が、
    第一の部分組成物と、前記第一の部分組成物と物理的に接触不可能な状態の第二の部分組成物との組み合わせから構成され、
    前記第一の部分組成物には、少なくとも前記酸性化合物(b1)が含まれ、且つ
    前記第二の部分組成物には、少なくとも前記ルイス酸前駆体(b2)が含まれる
    ことを特徴とする接着性組成物。
  7. 前記第一又は第二の部分組成物のいずれかには、さらに前記非加水分解性シランカップリング材(A)及び前記無機フィラー(C)が含まれることを特徴とする請求項6に記載の接着性組成物。
  8. 請求項1~3のいずれか一項に記載の接着性組成物を含むことを特徴とする歯科用接着性組成物。
  9. 請求項4~7のいずれか一項に記載の接着性組成物を含むことを特徴とする歯科用接着材料キット。
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