JP7367918B2 - 塩化ビニル系重合体組成物、その製造方法及びその用途 - Google Patents
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<1>(A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を含有してなる塩化ビニル系重合体組成物であって、前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーが下記(a)乃至(c)の条件を全て満たし、前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体が、ビニルエステル系モノマーとエチレンモノマーとの共重合体であり、前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーの含有量が、(A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体の合計質量に対し、3質量%以上30質量%以下である塩化ビニル系重合体組成物。
(a)前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーの結晶化度が42.7%以上、90.0%以下である。
(b)前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成する糖鎖の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されており、その置換度が0.56以上2.52以下である。
(c)前記(A)化学修飾セルロースナノファイバー及びセルロースナノファイバーのセルロースが、リグノセルロースである。
(d)前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルの含有率が3質量%以上、85質量%以下である。
(e)前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルのアセチル基が、鹸化反応によって水素原子に置換されており、その鹸化度が0%以上95%以下である。
(f)(D)塩化ビニル系共重合体を構成するエチレン酢酸ビニル系共重合体が前記(d)と(e)の条件を満たすエチレン酢酸ビニル系共重合体であり、その含有率が0.3質量%以上、40質量%以下である。
(g)(E)塩化ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルの含有率が0.3質量%以上、30質量%以下である。
(1)解繊処理後に下記(a)乃至(c)の要件を満たす(A)化学修飾セルロースナノファイバーとなる(A1)化学修飾パルプ、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を選定する工程、
(a)(A)化学修飾セルロースナノファイバーの結晶化度が42.7%以上、90.0%以下である。
(b)(A)化学修飾セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成する糖鎖の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されており、その置換度が0.56以上2.52以下である。
(c)(A)化学修飾セルロースナノファイバー及びセルロースナノファイバーのセルロースが、リグノセルロースである。
(2)前記工程(1)で選定された(A1)化学修飾パルプと(B)塩化ビニル系重合体と(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体とを、前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーの含有量が、(A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体の合計質量に対し、3質量%以上30質量%以下であるように配合する工程、
(3)前記工程(2)で配合された(A1)化学修飾パルプと(B)塩化ビニル系重合体と(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体とを混練し、同時に(A1)化学修飾パルプを解繊し、(A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を含有する塩化ビニル系重合体組成物を得る工程、
前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体が、ビニルエステル系モノマーとエチレンモノマーとの共重合体であることを特徴とする塩化ビニル系重合体組成物の製造方法。
リグノパルプは、リグノセルロースを含むパルプを意味する。
本発明の塩化ビニル系重合体組成物は、(A)化学修飾セルロースナノファイバー(以下、「本件化学修飾MFC」ともいう)及び(B)塩化ビニル系重合体を含有してなり、必要に応じ(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を含有し、本件化学修飾MFCが、下記(a)乃至(c)の条件を全て満たすことを特徴とする。
(a)(A)化学修飾セルロースナノファイバーの結晶化度が42.7%以上、90.0%以下である。
(b)(A)化学修飾セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成する糖鎖の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されており、その置換度が0.56以上2.52以下である。
(c)(A)化学修飾セルロースナノファイバー及びセルロースナノファイバーのセルロースが、リグノセルロースである。
本件化学修飾MFCの解繊原料となる(A1)化学修飾パルプ(以下、「本件解繊原料」という)について説明する。
以下、本件解繊原料の製造方法について説明する。
本発明における(B)塩化ビニル系重合体は、塩化ビニルの単独重合体又は、塩化ビニルと、塩化ビニルと共重合可能な他のビニル系単量体との共重合体、さらには、塩化ビニル、必要により共重合可能な他のビニル系単量体、及び多官能性モノマーとの共重合による部分架橋された塩化ビニル系重合体などが挙げられる。
本発明における(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体は、ビニルエステル系モノマーとエチレンモノマーとの共重合体であり、下記(d)と(e)の条件を満たす。
(d)前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルの含有率が3質量%以上、85質量%以下である。
(e)前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルのアセチル基が、鹸化反応によって水素原子に置換されており、その鹸化度が0%以上95%以下である。
またエチレン酢酸ビニル系共重合体の鹸化度は0%以上、95%以下であり、好ましくは0%以上、90%以下である。鹸化度が95%以下であれば、本件解繊原料との相溶化性を発現できる。
本発明の成形品の強度特性の面から、(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体の含有率が0.3質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、30質量%以下であることが特に好ましい。
また本発明における前記(B)塩化ビニル系重合体は、その全て若しくは一部(好ましくは10質量%以上、90質量%以下)が(E)塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合してなる塩化ビニル系共重合体(以下、(E)塩化ビニル系共重合体)であると、本件解繊原料の解繊性、本発明の成形品の強度特性の面から好ましい。
本発明における(D)塩化ビニル系共重合体は、前記エチレン酢酸ビニル系共重合体(C)に塩化ビニルがグラフト重合してなるグラフト共重合体である。(D)塩化ビニル系共重合体は、特に制限はないが、用いられるエチレン酢酸ビニル系共重合体の種類および酢酸ビニル含量によって種々の性能を有するポリマーが得られる。
本発明における(E)塩化ビニル系共重合体は、塩化ビニルモノマー、及び、酢酸ビニルモノマーを適当な割合で共重合して得ることができる。
本発明で用いる(E)塩化ビニル系共重合体は、本件解繊原料との相溶化性の面から、(E)塩化ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルの含有率が0.3質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、25質量%以下であることが特に好ましい。
本発明における解繊助剤は、セルロース系繊維の一部の水酸基の水素原子が、一般式:R-CO-(式中、Rは炭素数1~4のアルキル基、又は、電子供与性の置換基を有してもよいフェニル基を示す。)で表されるアシル基で置換された本件解繊原料を解繊するために好ましく使用される解繊助剤であって、下記一般式(1):R1-CO-N(R2)-R3(式中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素原子、若しくは炭素数1~4アルキル基を示すか、又はR1とR3とが一緒になって炭素数3~11のアルキレン基を示す。R2は、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数2~4のアシル基を示す。)で表されるアミド化合物を主成分とする解繊助剤である。
(1)解繊処理後に前記(a)乃至(c)の要件を満たす本件化学修飾MFCとなる本件解繊原料及び本件塩化ビニル組成物を選定する工程、
(2)前記工程(1)で選定された本件解繊原料と、塩化ビニル系重合体、必要に応じエチレン酢酸ビニル系共重合体等を含有する組成物(以下、本件塩化ビニル系組成物ともいう)を配合する工程、
(3)前記工程(2)で配合された本件解繊原料と本件塩化ビニル組成物系重合体とを混練し、同時に本件解繊原料を解繊し、ミクロフィブリル化して、本件化学修飾MFC及び本件塩化ビニル系組成物を含有する本発明の塩化ビニル系重合体組成物を得る工程。
本発明の製造方法で製造した塩化ビニル系重合体組成物を用いて、本発明の成形体を製造することができる。成形体を製造する際には、塩化ビニル系重合体組成物を、例えば、粉末状、シート状、板状、フィルム状等の各種形状に加工したものを成形材料として使用することができる。
Ac:アセチル基
TUKP:トドマツ由来の未漂白クラフトパルプ
AcTUKP:TUKP中の一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたTUKP
AcMFTUKP:TUKP中の一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換され、かつ、ミクロフィブリル化された繊維
・パス:二軸混練機に被混練物(試験材料)を供給し、混練機にかける回数を「パス」と呼ぶ。したがって、例えば、「1パス」は1回混練機にかけたことを意味し、「1パス目」は、最初に(1回目として)試験材料を混練にかけたことを意味し、「2パス目」は、1回混練機にかけた材料を次いで、2回目として混練機にかけたことを意味する。
・押出:混練機(押し出し機ともいう)に被処理物(試験材料)を供給し、混練処理を行うことを意味する。
以下の実施例及び比較例において、原材料として以下のものを使用した。
(1)樹脂
・塩化ビニル(以下、「PVC」という):大洋塩ビ製、TH-1000、粉状
・酢酸ビニル(けん化度:0)含量26質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体を13質量%含有するエチレン酢酸ビニル共重合体に塩化ビニル87質量%がグラフト重合してなる塩化ビニル系共重合体(以下、「EVA-G-PVC」という):大洋塩ビ製、粉状
・エチレン酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」という):酢酸ビニル(けん化度:0)含量42質量%のエチレン酢酸ビニル共重合体
・エチレン酢酸ビニル共重合体90%けん化物(以下、「EVOH」という):上記EVAの90%けん化物
・塩化ビニル―酢酸ビニル系共重合体(以下、「VCAC」という):塩化ビニル91.1質量%と酢酸ビニル8.9質量%が共重合してなる塩化ビニル系共重合体
(2)繊維
・AcTUKP:一部の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されたトドマツ由来の未漂白クラフトパルプ、DS=0.86、結晶化度=81.3%
(3)解繊助剤
・ε-カプロラクタム
(4)添加剤
・Ca-Zn系複合安定剤
・過塩素酸バリウム(以下、「過塩素酸塩」とも表記する)
(偏光顕微鏡による繊維含有組成物中の繊維の解繊状態及び分散状態の観察)
(a)観察用試料の作製
(1)繊維含有組成物より約2mm角の試験片を切り出した。
(2)スライドグラス上に試験片を乗せ、その上にカバーグラスを乗せた。
(3)190℃に加熱したプレス機で5分間、5MPaで加圧し、試験片を薄片化した。
(4)薄片化したサンプルを氷水に着けて急冷し、観察用試料を得た。
得られた観察用試料について、観察装置(システム偏光顕微鏡 OLYMPUS BX51)で、クロスニコル、温度23℃、相対湿度50%で観察した。
得られた塩化ビニル系樹脂組成物を185℃の温度のロールで3分間混練し、ロール混練シートを作製した。得られたロール混練シートを、185℃にて、圧力15MPaの条件で20分間プレス成形し、成形品を作製した。
JIS-K7161に準拠し、測定を実施した。
JIS-K7171に準拠し、測定を実施した。
測定は温度範囲-100~200℃、昇温速度5℃/minにて行った。
JIS-R1611に準拠し、測定を実施した。
旧JISK67601981に準拠し、測定を実施した。
UL94垂直燃焼性試験(V-0,1,2)に準拠し、試験を実施した。
走査範囲0~100℃で測定し、傾きは0~60℃で算出した。
AcTUKP、PVC及びEVAの混合物を二軸混練機で溶融混練した。その後、得られた混練物にPVCを加えて希釈混練して、AcTUKP、PVC及びEVAを含有する組成物を得た。
(1パス目:溶融混練)
組成比がAcTUKP/PVC/EVA/安定剤=96.9/87/13/5の混合物を、シリンダー温度を175℃に加熱し、ベントを設けた二軸混練機に通すことにより溶融混練を行った。
96.9:混合物の全質量中に占めるAcTUKPの質量割合を表記したものである。
87:混合物の全質量中のPVCの質量割合を表記したものである。
13:混合物の全質量中のEVAの質量割合を表記したものである。
5:混合物の全質量中の安定剤の質量割合を表記したものである。
上記1パス済の混練物にPVCを加えて、組成比がPVC/(上記1パス混練物)=75/25の混合物とし、これを二軸混練機で溶融混練(シリンダー温度175℃)し、実施例1のPVC系重合体組成物を得た。得られたPVC系重合体組成物の組成比はAcTUKP/PVC/EVA/安定剤=10.0/83.9/1.8/4.3であった。
1パス目の樹脂をEVA-G-PVCにしたこと、1パス目のシリンダー温度を185℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のPVC系重合体組成物を得た。
(1パス目:溶融混練)
組成比がAcTUKP/EVA-G-PVC/安定剤=96.9/100/5の混合物を、シリンダー温度を175℃に加熱し、ベントを設けた二軸混練機に通すことにより溶融混練を行った。
上記1パス済の混練物にPVCを加えて、組成比がPVC/(上記1パス混練物)=75/25の混合物とし、これを二軸混練機で溶融混練(シリンダー温度175℃)し、実施例2のPVC系重合体組成物を得た。得られたPVC系重合体組成物の組成比はAcTUKP/PVC/EVA-G-PVC/安定剤=10.0/71.8/13.9/4.3であった。
1パス目の樹脂をEVA-G-PVC及びEVOHとしたこと、1パス目のシリンダー温度を170℃にしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3のPVC系重合体組成物を得た。
(1パス目:溶融混練)
組成比がAcTUKP/EVA-G-PVC/EVOH/安定剤=96.9/90/10/5の混合物を、シリンダー温度を170℃に加熱し、ベントを設けた二軸混練機に通すことにより溶融混練を行った。
上記1パス済の混練物にPVCを加えて、組成比がPVC/(上記1パス混練物)=75/25の混合物とし、これを二軸混練機で溶融混練(シリンダー温度175℃)し、実施例3のPVC系重合体組成物を得た。得られたPVC系重合体組成物の組成比はAcTUKP/PVC/EVA-G-PVC/EVOH/安定剤=10.0/80.6/3.6/1.5/4.3であった。
1パス目の樹脂をPVC及びVCACとしたこと、1パス目のシリンダー温度を185℃としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のPVC系重合体組成物を得た。
(1パス目:溶融混練)
組成比がAcTUKP/PVC/VCAC/安定剤=96.9/38.7/61.3/5の混合物を、シリンダー温度を185℃に加熱し、ベントを設けた二軸混練機に通すことにより溶融混練を行った。
上記1パス済の混練物にPVCを加えて、組成比がPVC/(上記1パス混練物)=75/25の混合物とし、これを二軸混練機で溶融混練(シリンダー温度175℃)することで実施例4のPVC系重合体組成物を得た。得られたPVC系重合体組成物の組成比はAcTUKP/PVC/VCAC/安定剤=10.0/77.1/8.6/4.3であった。
AcTUKP、PVC、εカプロラクタム及び水の混合物を二軸混練機で混練し、脱水処理を行い、次いで(2パス目で)上記1パス混合物を溶融混練し、残存する水を排出した。その後、得られた混練物にPVCを加えて溶融混練して、AcTUKP及びPVCを含有する組成物を得た。
(1パス目:脱水押出)
組成比がAcTUKP/PVC/εカプロラクタム/水/安定剤=12.6/12.4/15/20/0.6の混合物を、シリンダー温度を80℃~130℃に傾斜加熱し、ベントを設けた二軸混練機に通すことにより脱水押出を行った。
シリンダー温度を105℃に設定した二軸混練機に、上記1パス混合物を通すことによって混練押出を行った。残存する水及びεカプロラクタムを排出し、更に混練物について80℃の温水で2時間の洗浄を行った。洗浄後の混練物の組成比はAcTUKP/樹脂=38/62であった。
上記2パス済みの混合物にPVCを加えて、組成比がPVC/(上記2パス混練物)=66.7/33.3の混合物とし、これを二軸混練機で溶融混練(シリンダー温度175℃)し、実施例5のPVC系重合体組成物を得た。得られたPVC系重合体組成物の組成比はAcTUKP/PVC/安定剤=10.0/85.7/4.3であった。
1パス目のPVCをEVA-G-PVCとしたこと、2パス目のシリンダー温度を95℃のしたこと及び過塩素酸塩を3パス目の前に添加したこと以外は実施例5と同様にして、実施例6のPVC系重合体組成物を得た。
(1パス目:脱水押出)
組成比がAcTUKP/EVA-G-PVC/εカプロラクタム/水/安定剤=12.6/12.4/15/20/0.6の混合物を、シリンダー温度を80℃~130℃に傾斜加熱し、ベントを設けた二軸混練機に通すことにより脱水押出を行った。
シリンダー温度を95℃に設定した二軸混練機に、上記1パス混合物を通すことにより混練押出を行った。残存する水及びεカプロラクタムを排出し、更に混練物について80℃の温水で2時間の洗浄を行った。洗浄後の混練物の組成比はAcTUKP/樹脂=50/50であった。
上記2パス済の混練物にPVC及び過塩素酸塩を加えて、組成比がPVC/(上記2パス混練物)/過塩素酸塩=75/25/0.87の混合物とし、これを二軸混練機で溶融混練(シリンダー温度175℃)し、樹脂組成物を得た。得られたPVC系重合体組成物の組成比はAcTUKP/PVC/EVA-G-PVC/安定剤及び過塩素酸塩=10.0/71.7/13.9/4.4であった。成形品の作製について、得られた組成物に過塩素酸塩をPVC系重合他組成物/過塩素酸塩=100/1.5で添加し、前記条件に従って成形品を作製した。
2パス後の操作について、PVCを加えシリンダー温度130℃で希釈混練を行い、その後80℃で温水洗浄したこと、過塩素酸塩を3パス前に添加しないこと以外は、実施例6と同様にして実施例7のPVC系重合体組成物を得た。
(1パス目:脱水押出)
組成比がAcTUKP/EVA-G-PVC/εカプロラクタム/水/安定剤=12.6/12.4/15/20/0.6の混合物を、シリンダー温度を80℃~130℃に傾斜加熱し、ベントを設けた二軸混練機に通すことにより脱水押出を行った。
シリンダー温度を95℃に設定した二軸混練機に、上記1パス混合物を通すことにより混練押出を行った。残存する水及びεカプロラクタムを排出し、押出後の混練物の組成比はAcTUKP/樹脂(εカプロラクタムが残存)=30/70であった。
上記2パス済の混練物にPVCを加えて、組成比がPVC/(上記2パス混練物)=75/25の混合物とし、これを二軸混練機で溶融混練(シリンダー温度130℃)し、更に80℃の温水で2時間の洗浄を行うことで樹脂組成物を得た。得られたPVC系重合体組成物の組成比はAcTUKP/PVC/EVA-G-PVC/安定剤=10.0/71.8/13.9/4.3であった。成形品の作製について、得られた組成物に過塩素酸塩をPVC系重合他組成物/過塩素酸塩=100/1.5で添加し、前記条件に従って成形品を作製した。
PVC/安定剤=100/5の混合物について、二軸混練機で溶融押出(シリンダー温度175℃)を行った。工程を図15に示す。
PVC/EVA-G-PVC/安定剤=79.8/15.4/4.8の混合物について、二軸混練機で溶融押出(シリンダー温度175℃)を行った。工程を図16に示す。
実施例2、実施例6、比較例1について、それぞれ成形体のビカット軟化温度及び熱伝導率の測定を行った。結果を表に示す。
実施例6及び比較例1について、それぞれ成形体の線膨張係数の測定及び難燃性試験を行った。結果を表に示す。
Claims (6)
- (A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を含有してなる塩化ビニル系重合体組成物であって、前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーが下記(a)乃至(c)の条件を全て満たし、前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体が、ビニルエステル系モノマーとエチレンモノマーとの共重合体であり、前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーの含有量が、(A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体の合計質量に対し、3質量%以上30質量%以下である塩化ビニル系重合体組成物。
(a)前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーの結晶化度が42.7%以上、90.0%以下である。
(b)前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成する糖鎖の水酸基の水素原子が、アセチル基で置換されており、その置換度が0.56以上、2.52以下である。
(c)前記(A)化学修飾セルロースナノファイバー及びセルロースナノファイバーのセルロースが、リグノセルロースである。 - 前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体が下記(d)と(e)の条件を満たす請求項1記載の塩化ビニル系重合体組成物。
(d)前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルの含有率が3質量%以上、85質量%以下である。
(e)前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルのアセチル基が、鹸化反応によって水素原子に置換されており、その鹸化度が0%以上95%以下である。 - 前記(B)塩化ビニル系重合体の全て若しくは一部が(D)エチレン酢酸ビニル系共重合体に塩化ビニルがグラフト重合してなる塩化ビニル系共重合体であり、前記(D)塩化ビニル系共重合体が下記(f)の条件を満たす請求項1又は2記載の塩化ビニル系重合体組成物。
(f)前記(D)塩化ビニル系共重合体を構成するエチレン酢酸ビニル系共重合体が前記(d)と(e)の条件を満たし、その含有率が0.3質量%以上、40質量%以下である。 - 前記(B)塩化ビニル系重合体の全てもしくは一部が(E)塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合してなる塩化ビニル系共重合体であり、前記(E)塩化ビニル系共重合体が下記(g)の条件を満たす請求項1又は2記載の塩化ビニル系重合体組成物。
(g)前記(E)塩化ビニル系共重合体を構成する酢酸ビニルの含有率が0.3質量%以上、30質量%以下である。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の塩化ビニル系重合体組成物の製造方法であって、下記(1)乃至(3)の工程を含み、
(1)解繊処理後に下記(a)乃至(c)の要件を満たす(A)化学修飾セルロースナノファイバーとなる(A1)化学修飾パルプ、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を選定する工程、
(a)(A)化学修飾セルロースナノファイバーの結晶化度が42.7%以上、90.0%以下である。
(b)(A)化学修飾セルロースナノファイバーが、セルロースナノファイバーを構成する糖鎖の水酸基の水素原子がアセチル基で置換されており、その置換度が0.56以上2.52以下である。
(c)(A)化学修飾セルロースナノファイバー及びセルロースナノファイバーのセルロースが、リグノセルロースである。
(2)前記工程(1)で選定された(A1)化学修飾パルプと(B)塩化ビニル系重合体と(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体とを、前記(A)化学修飾セルロースナノファイバーの含有量が、(A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体の合計質量に対し、3質量%以上30質量%以下であるように配合する工程、
(3)前記工程(2)で配合された(A1)化学修飾パルプと(B)塩化ビニル系重合体と(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体とを混練し、同時に(A1)化学修飾パルプを解繊し、(A)化学修飾セルロースナノファイバー、(B)塩化ビニル系重合体及び(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体を含有する塩化ビニル系重合体組成物を得る工程、
前記(C)エチレン酢酸ビニル系共重合体が、ビニルエステル系モノマーとエチレンモノマーとの共重合体であることを特徴とする塩化ビニル系重合体組成物の製造方法。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の塩化ビニル系重合体組成物を含んでなることを特徴とする窓枠材。
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