JP7367589B2 - 表面処理金属酸化物粒子、分散液、化粧料および表面処理金属酸化物粒子の製造方法 - Google Patents
表面処理金属酸化物粒子、分散液、化粧料および表面処理金属酸化物粒子の製造方法 Download PDFInfo
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Description
これらの金属酸化物粒子を化粧料に適用する場合、金属酸化物粒子の表面状態を化粧品の性状に合わせたり、金属酸化物粒子の触媒活性を抑えたりするために、金属酸化物粒子の表面処理が行われている。このような金属酸化物粒子の表面処理剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸、ジメチコンやハイドロゲンジメチコン等のシリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン等のアルコキシ基を有するシランカップリング剤等が用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
さらに、上記のような金属酸化物粒子は、置換基が異なる表面処理剤を用いることにより、粒子表面の性質を容易に変更可能である。以下の説明では、シランカップリング剤で表面処理した金属酸化物粒子を表面処理金属酸化物粒子と称する。
また、上記表面処理金属酸化物粒子を含む化粧料を肌に塗布した時に、ざらつき感が感じられる場合があり、感触に関する品質が安定し難いという課題があった。
上記金属酸化物粒子は紫外線遮蔽性を有し、
上記表面処理された金属酸化物粒子の105℃、3時間における乾燥減量が0.5質量%以下であり、
上記表面処理された金属酸化物粒子の固体29Si CP/MAS-核磁気共鳴(NMR)分光法で測定したスペクトルにおいて、-30ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分値を100としたときに、-50ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合を、-40ppmから-50ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合で除した値が0.5以上5.0以下であり、乾式粒径D98(μm)をBET換算粒子径(nm)で除した値(D98(μm)/BET換算粒子径(nm))が0.01以上5以下であり、下記方法で測定した塗膜のSPF値が30以上である、表面処理金属酸化物粒子を提供する。
(測定方法)
表面処理金属酸化物粒子を10質量%含有させた分散液を、石英ガラス板状に分散液の厚さが12μmとなるように塗布し、15分間自然乾燥させて塗膜を得て、得られた塗膜のSPF値をSPFアナライザーで測定する。
上記金属酸化物粒子は紫外線遮蔽性を有し、
上記表面処理された金属酸化物粒子の105℃、3時間における乾燥減量が0.5質量%以下であることを判定する第1の工程と、
上記表面処理された金属酸化物粒子の固体29Si CP/MAS-核磁気共鳴(NMR)分光法で測定したスペクトルにおいて、-50ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合を、-40ppmから-50ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合で除した値が、0.5以上5.0以下を満たしているかを判定する第2の工程と、を含む、表面処理金属酸化物粒子の製造方法を提供する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。例えば、特に制限の無い限り、材料、量、種類、数、サイズ、比率、温度等の条件等を、必要に応じて変更、追加および省略してもよい。以下に述べる実施形態間において、互いの好ましい例を交換したり、共有したりしてもよい。
本実施形態の表面処理金属酸化物粒子は、シランカップリング剤で表面処理された紫外線遮蔽性を有する金属酸化物粒子である。前記金属酸化物粒子は紫外線遮蔽性を有し、表面処理された金属酸化物粒子の105℃、3時間における乾燥減量が0.5質量%以下である。さらに、この表面処理された金属酸化物粒子を、固体29Si CP/MAS-核磁気共鳴(NMR)分光法で測定したスペクトルにおいて、-30ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分値を100としたときに、-50ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合を、-40ppmから-50ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合で除した値が、0.5以上5.0以下である。さらに、この表面処理された金属酸化物粒子の乾式粒径D98(μm)をBET換算粒子径(nm)で除した値(D98(μm)/BET換算粒子径(nm))が0.01以上5以下である。
化粧料は、一般に水中油型(oil in water:W/O型)または油中水型(water in oil:O/W型)の剤型で用いられる。上記積分割合を除した値が0.5以上5.0以下を満たさない表面処理金属酸化物粒子が油相に配合された化粧料は、表面処理金属酸化物粒子中のOH基数が多いため、肌に塗布されて乾燥される過程で、油相中で表面処理金属酸化物粒子同士が凝集して、肌に所望の紫外線遮蔽性を付与することができなくなる。
まず、表面処理金属酸化物粒子2gを用意する。この表面処理金属酸化物粒子は、乾燥条件下で保管されている粒子であることが好ましい。この粒子を105℃に設定した乾燥機で3時間加熱し、加熱後の質量を測定し、その質量減少率を乾燥減量(質量%)とすることができる。
すなわち、乾燥減量は、下記の式(3)より得ることができる。
表面処理金属酸化物粒子の乾燥減量(質量%)=(加熱前の表面処理金属酸化物粒子の質量-加熱後の表面処理金属酸化物粒子の質量)/加熱前の表面処理金属酸化物粒子の質量×100 (3)
BET換算粒子径(nm)=6000/(BET比表面積(m2/g)×ρ(g/cm3) (4)
式(4)中、ρは金属酸化物粒子の密度である。
例えば、酸化亜鉛のρは5.61g/cm3であり、酸化チタンのρは4.23g/cm3である。
また、BET比表面積とは、全自動比表面積測定装置(商品名:Macsorb HM Model-1201、マウンテック社製)を用い、BET法により測定された値を意味する。
前記表面処理金属酸化物粒子のBET比表面積は任意に選択できるが、1.5m2/g以上であることが好ましく、2.5m2/g以上であることがより好ましく、4m2/g以上であることがさらに好ましい。また、表面処理金属酸化物粒子のBET比表面積は、65m2/g以下であることが好ましく、60m2/g以下であることがより好ましい。必要に応じて、表面処理金属酸化物粒子のBET比表面積は、50m2/g以下であってもよく、30m2/g以下であってもよく、10m2/g以下であってもよい。表面処理金属酸化物粒子のBET比表面積の上記上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
表面処理金属酸化物粒子のBET比表面積が1.5m2/g以上65m2/g以下であれば、化粧料に配合した場合に透明性と紫外線遮蔽性に優れる。
化粧料に配合した場合の透明性を高くしたい場合には、上記表面処理金属酸化物粒子のBET比表面積は8m2/g以上であることが好ましく、15m2/g以上であることがより好ましく、20m2/g以上であることがさらに好ましい。一方、化粧料に配合した場合のUVAの遮蔽性を大きくしたい場合には、上記表面処理金属酸化物粒子のBET比表面積は8m2/g未満であることが好ましく、7.5m2/g以下であることがより好ましく、7.0m2/g以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の表面処理金属酸化物粒子の平均一次粒子径は任意に選択できるが、15nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。また、上記表面処理金属酸化物粒子の平均一次粒子径は715nm以下であることが好ましく、650nm以下であることがより好ましい。
表面処理金属酸化物粒子の平均一次粒子径が15nm以上715nm以下であれば、化粧料に配合した場合に透明性と紫外線遮蔽性に優れる。
化粧料に配合した場合の透明性を高くしたい場合には、上記表面処理金属酸化物粒子の平均一次粒子径は135nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。一方、化粧料に配合した場合のUVAの遮蔽性を大きくしたい場合には、上記表面処理金属酸化物粒子の一次粒子径は135nmを超えることが好ましく、140nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。
なお、表面処理金属酸化物粒子同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではない。この凝集体を構成している表面処理金属酸化物粒子(一次粒子)を所定数測定し、平均一次粒子径とする。
ピークの有無の検出については、詳細には、アルコキシ基を有するシランカップリング剤の構造を考慮し、「有機化合物のスペクトルによる同定法、第6版」を用いて、アルコキシ基のピークを同定すればよい。
これらのピークは、アルコキシ基を有するシランカップリング剤であるオクチルトリエトキシシランをFT-IRで測定したときに、900cm-1~1300cm-1の範囲で検出されるピークである。
また、本明細書において、950cm-1においてピークが検出されないとは、950cm-1を範囲に含むピークが検出されないことを意味する。すなわち、950cm-1をピークトップとするピークが検出されない、という意味ではない。1170cm-1、1100cm-1、1080cm-1についても同様である。
なお、「フーリエ変換式赤外分光光度計」を「FT-IR」と略記する場合がある。
アルコキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された金属酸化物粒子をFT-IRを測定した場合に、このアルコキシ基に由来するピークが観察されないということは、シランカップリング剤のアルコキシ基が残留していないことを意味する。
本実施形態における、原料として使用される金属酸化物粒子は、紫外線遮蔽性を有していれば特に限定されない。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子、酸化セリウム粒子等を用いることができる。化粧料に一般的に使用されていることから、金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛粒子と酸化チタン粒子がより好ましい。UV-A領域の紫外線遮蔽性に優れる点において、酸化亜鉛粒子がさらに好ましい。
金属酸化物粒子のBET比表面積の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径が15nm以上715nm以下であれば、化粧料に配合した場合に透明性と紫外線遮蔽性に優れる。
化粧料に配合した場合の透明性を高くしたい場合には、上記金属酸化物粒子の平均一次粒子径は135nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。一方、化粧料に配合した場合のUVAの遮蔽性を大きくしたい場合には、上記金属酸化物粒子の一次粒子径は135nmを超えることが好ましく、140nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。
また、上記金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、以下の方法で求めてもよい。すなわち、上記金属酸化物粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて観察した場合に、金属酸化物粒子を所定数、例えば、200個、あるいは100個を選び出す。そして、これら金属酸化物粒子各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を算術平均する。
なお、金属酸化物粒子同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではない。この凝集体を構成している金属酸化物粒子(一次粒子)を所定数測定し、平均一次粒子径とする。
本実施形態におけるシランカップリング剤は、化粧料に使用可能なシランカップリング剤であれば特に限定されない。
例えば、シランカップリング剤としては、下記一般式(5)で表されるシランカップリング剤のうち、化粧料に使用可能なものが挙げられる。
R1Si(OR2)3 (5)
(但し、R1は、炭素数1~18のアルキル基、フルオロアルキル基またはフェニル基、R2は、炭素数1~4のアルキル基を示す。)
アルキルアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-プロピルトリプロポキシシラン、n-プロピルトリブトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン(トリエトキシカプリリルシラン)、n-オクタデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
フルオロアルコキシシランとしては、例えば、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記範囲で金属酸化物粒子をシランカップリング剤で表面処理することにより、分散性に優れ、紫外線遮蔽性に優れる表面処理粒子が得られやすいため好ましい。上記シランカップリング剤の配合量は、製造時に加えられて使用される量であってもよい。
本実施形態の表面処理金属酸化物粒子の製造方法は、特に限定されず、任意に選択できる。表面処理に用いる成分に応じて、乾式処理や湿式処理等の公知の方法で、前記粒子の製造を適宜実施することができる。
まず、原料としての金属酸化物粒子をヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等のミキサー中で撹拌しながら、シランカップリング剤を液滴下あるいはスプレー噴霧にて加え、その後、一定時間高速強撹拌する。その後、撹拌を続けながら、70℃から200℃の温度にて、加熱処理する。次いで、所望のD98が得られるように、解砕処理する。なお、加熱温度や攪拌時間は、用いる材料やシランカップリング剤によって、必要に応じて選択できる。
本実施形態の表面処理金属酸化物粒子の製造方法では、D98/換算径を0.01以上5以下となるように解砕処理することにより、表面処理金属酸化物粒子のざらつき感を抑制することができ、表面処理金属酸化物粒子を化粧料に使用した場合の使用感を向上させることができる。
本実施形態の分散液は、本実施形態の表面処理金属酸化物粒子と、分散媒と、を含有する。
なお、本実施形態の分散液は、粘度が高いペースト状の分散体も含む。
分散媒としては、例えば、水、アルコール類、エステル類、エーテル類、ナチュラルオイル、エステル油、シリコーンオイル等が好適に用いられる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、オクタノール、グリセリン等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
環状炭化水素としては、例えば、シクロヘキサン等が挙げられる。
アミド類としては、例えば、ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアセトアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
鎖状ポリシロキサン類としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
変性ポリシロキサン類としては、例えば、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
すなわち、上記塗膜の450nmにおける透過率が、40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。透過率の上限値は特に限定されず、100%以下であってもよく、90%以下であってもよく、80%以下であってもよい。塗膜の450nmにおける透過率の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
本実施形態の組成物は、本実施形態の表面処理粒子と、樹脂と、分散媒と、を含有する。
添加剤としては、例えば、重合開始剤、分散剤、防腐剤等が挙げられる。
本実施形態の一実施形態の化粧料は、本実施形態の表面処理金属酸化物粒子、本実施形態の分散液および本実施形態の組成物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する。
油性原料としては、任意に選択でき、例えば、油脂、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油類等が挙げられる。
日焼け止め化粧料において、紫外線を、特に長波長紫外線(UVA)を効果的に遮蔽し、かつ、粉っぽさやきしみの少ない良好な使用感を得るためには、表面処理金属酸化物粒子の含有量を調整することも好ましい。例えば、日焼け止め化粧料における表面処理金属酸化物粒子の含有量の下限は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。また、日焼け止め化粧料における表面処理粒子の含有量の上限は、50質量%以下であってもよく、40質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよい。日焼け止め化粧料における表面処理粒子の含有量の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。また上記範囲の中で、5質量%~15質量%や、10質量%~20質量%など、好ましい範囲を任意に選択することができる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分岐鎖状軽パラフィン、ワセリン、セレシン等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
「表面処理金属酸化物粒子の作製」
酸化亜鉛粒子(BET比表面積:30m2/g、住友大阪セメント社製)100質量部と、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE-3083、信越化学社製)8質量部と、純水0.6質量部と、イソプロピルアルコール34.2質量部との混合液をヘンシェルミキサー内で混合した。
次いで、その混合液を80℃にてイソプロピルアルコールが除去されるまで乾燥した。
実施例1の表面処理酸化亜鉛粒子10質量部と、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(商品名:KF-6028、信越化学社製)2質量部と、デカメチルシクロペンタシロキサン(商品名:SH245、東レ・ダウコーニング社製)88質量部とを、攪拌機を用いて4000rpmで撹拌し、実施例1の分散液を得た。
実施例1において、120℃にて3時間乾燥する替わりに、120℃にて2時間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
実施例1で得られた表面処理酸化亜鉛粒子を用いる替わりに、実施例2の表面処理酸化亜鉛粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の分散液を得た。
実施例1において、BET比表面積が30m2/gの酸化亜鉛粒子を用いる替わりに、BET比表面積が45m2/gの酸化亜鉛粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
実施例1で得られた表面処理酸化亜鉛粒子を用いる替わりに、実施例3の表面処理酸化亜鉛粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の分散液を得た。
実施例1において、120℃にて3時間乾燥する替わりに、120℃にて2時間乾燥し、BET比表面積が30m2/gの酸化亜鉛粒子を用いる替わりに、BET比表面積が45m2/gの酸化亜鉛粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
実施例1で得られた表面処理酸化亜鉛粒子を用いる替わりに、実施例4の表面処理酸化亜鉛粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の分散液を得た。
酸化亜鉛粒子(BET比表面積:60m2/g、住友大阪セメント社製)100質量部と、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE-3083、信越化学社製)12質量部と、純水0.6質量部と、イソプロピルアルコール34.2質量部との混合液をヘンシェルミキサー内で混合した。
次いで、その混合液を80℃にてイソプロピルアルコールが除去されるまで乾燥した。
酸化亜鉛粒子(BET比表面積:20m2/g、住友大阪セメント社製)100質量部と、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE-3083、信越化学社製)6質量部と、純水0.6質量部と、イソプロピルアルコール34.2質量部との混合液をヘンシェルミキサー内で混合した。
次いで、その混合液を80℃にてイソプロピルアルコールが除去されるまで乾燥した。
酸化亜鉛粒子(BET比表面積:8m2/g、住友大阪セメント社製)100質量部と、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE-3083、信越化学社製)6質量部と、純水0.6質量部と、イソプロピルアルコール34.2質量部との混合液をヘンシェルミキサー内で混合した。
次いで、その混合液を80℃にてイソプロピルアルコールが除去されるまで乾燥した。
実施例1において、120℃にて3時間乾燥する替わりに、100℃にて1時間乾燥したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の表面処理酸化亜鉛粒子を得た。
実施例1で得られた表面処理酸化亜鉛粒子を用いる替わりに、比較例1の表面処理酸化亜鉛粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の分散液を得た。
酸化亜鉛粒子(BET比表面積:45m2/g、住友大阪セメント社製)100質量部と、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE-3083、信越化学社製)8質量部と、純水0.6質量部と、イソプロピルアルコール34.2質量部との混合液をヘンシェルミキサー内で混合した。
次いで、その混合液を80℃にてイソプロピルアルコールが除去されるまで乾燥した。
(NMRの測定)
実施例1~実施例7および比較例1~比較例2で得られた表面処理酸化亜鉛粒子について、固体29Si CP/MAS-核磁気共鳴(NMR)分光法で、スペクトルを測定した(測定条件:CPMAS法、観測周波数:79.42MHz、観測幅:23.83KHz、コンタクトタイム:5ms、試料回転数:5KHz、測定温度:27℃、パルスディレイ:5s、積算回数:16000)。実施例1の測定結果を図1に示す。比較例1の測定結果を図2に示す。
実施例1~実施例7および比較例1~比較例2で得られた表面処理酸化亜鉛粒子について、それぞれ2gを105℃に設定した乾燥機で3時間加熱した。加熱前後の質量を測定し、質量減少率を得て、乾燥減量(質量%)とした。すなわち、乾燥減量を、下記の式(3)で得られる値とした。結果を表1に示す。
表面処理金属酸化物粒子の乾燥減量(質量%)=(加熱前の表面処理金属酸化物粒子の質量-加熱後の表面処理金属酸化物粒子の質量)/加熱前の表面処理金属酸化物粒子の質量×100 (3)
実施例1~実施例7および比較例1~比較例2で得られた表面処理酸化亜鉛粒子のD98について、レーザ回折式粒度分布測定装置(型式:Mastersizer 3000、Malvern社製)を用いて、乾式で体積粒度分布を測定した。結果を表1に示す。
実施例1~実施例7および比較例1~比較例2で得られた表面処理酸化亜鉛粒子のBET比表面積について、全自動比表面積測定装置(商品名:Macsorb HM Model-1201、マウンテック社製)を用い、BET法により測定した。結果を表1に示す。
また、上記(4)式から算出したBET換算粒子径を表1に示す。
実施例1~実施例7および比較例1~比較例2で得られた表面処理酸化亜鉛粒子の感触を次のようにして評価した。表面処理酸化亜鉛粒子を、親指と人差し指で取り、すり合わせた時のざらつき感の有無を評価した。ざらつき感がないものを「〇」と評価し、ざらつき感があるものを「×」と評価した。結果を表1に示す。
実施例1~実施例7および比較例1~比較例2で得られた分散液を、それぞれ石英ガラス板上に分散液の厚さが12μmとなるように塗布し、15分間自然乾燥させて塗膜を形成した。
得られた塗膜について、SPFアナライザーUV-2000S(Labsphere社製)を用いて評価し、SPF値を求めた。結果を表1に示す。
実施例1~実施例7および比較例1、比較例2で得られた表面処理酸化亜鉛粒子について、フーリエ変換式赤外分光光度計(日本分光株式会社製、型番:FT/IR-670 Plus)を用いて、600cm-1から1500cm-1の反射スペクトルをATR法で測定した。
その結果、実施例1~実施例7で得られた表面改質酸化亜鉛粒子については、1170cm-1、1100cm-1、1080cm-1、および950cm-1にピークが検出されなかった。それに対して、比較例1の表面処理酸化亜鉛粒子は、1170cm-1、1100cm-1、1080cm-1、および950cm-1にピークが検出された。
実施例1と比較例1とオクチルトリエトキシシランそのもののFT-IRの測定結果を図3に示す。
また、105℃、3時間における乾燥減量が0.5質量%以下である実施例1~実施例7は、乾燥減量が0.5質量%を超える比較例1よりも、SPF値が高いことが確認された。
また、D98/換算径が0.01以上5以下である実施例1~実施例7の表面処理金属酸化物粒子は、ざらつき感が抑制されていることが確認された。
Claims (7)
- シランカップリング剤で表面処理された金属酸化物粒子であって、
前記金属酸化物粒子は紫外線遮蔽性を有し、
前記表面処理された金属酸化物粒子の105℃、3時間における乾燥減量が0.5質量%以下であり、
前記表面処理された金属酸化物粒子の固体29Si CP/MAS-核磁気共鳴(NMR)分光法で測定したスペクトルにおいて、-30ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分値を100としたときに、-50ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合を、-40ppmから-50ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合で除した値が0.5以上5.0以下であり、
乾式粒径D98(μm)をBET換算粒子径(nm)で除した値(D98(μm)/BET換算粒子径(nm))が0.01以上5以下であり、下記方法で測定した塗膜のSPF値が30以上である、表面処理金属酸化物粒子。
(測定方法)
表面処理金属酸化物粒子を10質量%含有させた分散液を、石英ガラス板状に分散液の厚さが12μmとなるように塗布し、15分間自然乾燥させて塗膜を得て、得られた塗膜のSPF値をSPFアナライザーで測定する。 - フーリエ変換式赤外分光光度計で測定した900cm-1~1300cm-1における反射スペクトルにおいて、前記シランカップリング剤のアルコキシ基に由来するピークが検出されない、請求項1に記載の表面処理金属酸化物粒子。
- 前記シランカップリング剤が、アルキルアルコキシシラン、アリルアルコキシシラン、アルキル基を側鎖に有するポリシロキサンおよびアリル基を側鎖に有するポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の表面処理金属酸化物粒子。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の表面処理金属酸化物粒子と、分散媒と、を含有する、分散液。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の表面処理金属酸化物粒子および請求項4に記載の分散液からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、化粧料。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の表面処理金属酸化物粒子の製造方法であって、
前記金属酸化物粒子は紫外線遮蔽性を有し、
前記表面処理された金属酸化物粒子の105℃、3時間における乾燥減量が0.5質量%以下であることを判定する第1の工程と、
前記表面処理された金属酸化物粒子の固体29Si CP/MAS-核磁気共鳴(NMR)分光法で測定したスペクトルにおいて、-50ppmから-60ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合を、-40ppmから-50ppmの測定範囲におけるスペクトルの積分割合で除した値が、0.5以上5.0以下を満たしているかを判定する第2の工程と、を含む、表面処理金属酸化物粒子の製造方法。 - 前記第1の工程において、前記乾燥減量が0.5質量%を超えていること、および、前記第2の工程において、前記除した値が0.5以上5.0以下の範囲外であることの少なくとも一方が確認された場合、前記乾燥減量が0.5質量%以下となること、および、前記除した値が0.5以上5.0以下の範囲内となることの少なくとも一方を満たすまで、前記シランカップリング剤と前記金属酸化物粒子の混合物を加熱する第3の工程を含む、請求項6に記載の表面処理金属酸化物粒子の製造方法。
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