JP6922529B2 - 表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
以下の説明では、シランカップリング剤で表面処理した酸化亜鉛粒子を、表面処理酸化亜鉛粒子と称する。
S・M/σ2≧0.05・・・(1)
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法は、酸化亜鉛粒子の比表面積S(単位:m2/g)と、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M(単位:mg/kg)と、酸化亜鉛粒子10質量部と純水90質量部とを1時間混合して調製したスラリーの導電率σ(単位:μS/cm)と、が、下記式(1)を満たしているかを判定する第1の工程を含む。
S・M/σ2≧0.05・・・(1)
酸化亜鉛粒子を含むスラリーのpHが上記範囲であることにより、シランカップリング剤による酸化亜鉛粒子の表面処理反応の均一性・均質性が良好となり、分散性が高く、紫外線遮蔽性能に優れる表面処理酸化亜鉛粒子を得ることができる。
上述のように、酸化亜鉛粒子10質量部と純水90質量部とを1時間混合し、酸化亜鉛粒子を含むスラリーを調製する。pH計(商品名:D−51、株式会社堀場製作所製)を用いて、得られたスラリーのpHを測定する。
なお、第1の工程の前に、比表面積S(単位:m2/g)、ナトリウム含有量M(単位:mg/kg)、および、スラリーの導電率σ(単位:μS/cm)を測定する場合には、これらの測定を行う順番は、特に限定されない。
表面処理前の酸化亜鉛粒子が、上記式(1)を満たしている場合、後述する第3の工程にて、その酸化亜鉛粒子を表面処理することにより、性質が一様な表面処理酸化亜鉛粒子を得ることができる。
なお、第2の工程を経た酸化亜鉛粒子は、洗浄に用いた純水を除去して、第3の工程に供される。洗浄に用いた純水を除去した後に、乾燥してから、第3の工程に供されてもよい。
アルコキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、下記一般式(2)で表されるシランカップリング剤のうち、化粧料に使用可能なものが挙げられる。
R1Si(OR2)3・・・(2)
(R1は、炭素原子数1〜18のアルキル基、フルオロアルキル基またはフェニル基、R2は、炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)
これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シランカップリング剤の混合量は、酸化亜鉛粒子に対して2質量%以上かつ10質量%以下であることが好ましい。シランカップリング剤の混合量が上記範囲であることにより、シランカップリング剤による酸化亜鉛粒子の表面処理反応の均一性・均質性が良好となり、分散性が高く、紫外線遮蔽性能に優れる表面処理酸化亜鉛粒子を得ることができる。
本実施形態の表面処理酸化亜鉛粒子は、本実施形態の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法によって得られた表面処理酸化亜鉛粒子である。すなわち、本実施形態の表面処理酸化亜鉛粒子は、酸化亜鉛粒子の表面が、アルコキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理された表面処理酸化亜鉛粒子であって、酸化亜鉛粒子が、下記式(1)を満たす。
S・M/σ2≧0.05・・・(1)
(Sは酸化亜鉛粒子の比表面積(単位:m2/g)、Mは酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量(単位:mg/kg)、σは酸化亜鉛粒子10質量部と純水90質量部とを1時間混合して調製したスラリーの導電率(単位:μS/cm)である。)
本実施形態の分散液は、本実施形態の表面処理酸化亜鉛粒子と、分散媒と、を含有する。
なお、本実施形態の分散液は、粘度が高いペースト状の分散体も含む。
分散媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、オクタノール、グリセリン等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;ナチュラルオイル、エステル油、シリコーンオイル等が挙げられる。
これらの分散媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの分散媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの分散媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
d50の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
d90の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
分散液における表面処理酸化亜鉛粒子の含有量の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
分散液の粘度の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
すなわち、上記塗膜の450nmにおける透過率は、40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。塗膜の450nmにおける透過率の上限値は特に限定されず、100%以下であってもよく、90%以下であってもよく、80%以下であってもよい。
塗膜の450nmにおける透過率の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
塗膜の290nm〜320nmにおける平均透過率の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
塗膜のSPF値の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
本実施形態の組成物は、本実施形態の表面処理酸化亜鉛粒子と、樹脂と、分散媒と、を含有してなる。
添加剤としては、例えば、重合開始剤、分散剤、防腐剤等が挙げられる。
本実施形態の化粧料は、本実施形態の表面処理酸化亜鉛粒子および本実施形態の分散液の少なくとも一方を含有してなる。
油性原料としては、例えば、油脂、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油類等が挙げられる。
化粧料における表面処理酸化亜鉛粒子の含有量の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
紫外線、特に長波長紫外線(UVA)を効果的に遮蔽し、粉っぽさやきしみの少ない良好な使用感を得るためには、日焼け止め化粧料における表面処理酸化亜鉛粒子の含有量の下限は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。また、日焼け止め化粧料における表面処理酸化亜鉛粒子の含有量の上限は、50質量%以下であってもよく、40質量%以下であってもよく、30質量%以下であってもよい。日焼け止め化粧料における表面処理酸化亜鉛粒子の含有量の上限値および下限値は、任意に組み合わせることができる。
「酸化亜鉛粒子の選定」
酸化亜鉛粒子として、平均粒子径:35nmの市販品Zを用いた。
全自動比表面積測定装置(商品名:Macsorb HM Model−1201、マウンテック社製)を用いたBET法により、酸化亜鉛粒子の比表面積Sを測定した。
次の方法により、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量Mを測定した。トールビーカーに酸化亜鉛粒子を0.5g、純水80g、濃硝酸10mlを添加して、撹拌子を用いて撹拌し、酸化亜鉛粒子を溶解させた。この溶解液をメスフラスコに移し、純水で200mLに定容した。得られた水溶液を用いて、偏光ゼーマン原子吸光光度計(型番:Z−2000、日立ハイテク社製)により、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量Mを測定した。
次の方法により、酸化亜鉛粒子10質量部と純水90質量部とを1時間混合して調製したスラリーの導電率σを測定した。酸化亜鉛粒子10質量部と、純水90質量部とを、攪拌子を用いて、1時間、攪拌、混合し、酸化亜鉛粒子を含むスラリーを調製した。攪拌を続けたまま、得られたスラリーの導電率σを、導電率計(商品名:ES−12、堀場製作所社製)を用いて測定した。
以上の測定の結果、酸化亜鉛粒子の比表面積S=30m2/g、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M=1400mg/kg、スラリーの導電率σ=1034μS/cm、S・M/σ2=0.04であった。この酸化亜鉛粒子は、S・M/σ2≧0.05を満たしていなかった。
そこで、純水による酸化亜鉛粒子の洗浄を繰り返して、比表面積S=30m2/g、ナトリウム含有量M=56mg/kg、スラリーの導電率σ=85.6μS/cm、S・M/σ2=0.23である酸化亜鉛粒子A1を得た。酸化亜鉛粒子A1の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
なお、洗浄は、酸化亜鉛粒子が30質量%となるように純水を添加し、ドラム缶型攪拌機で1時間攪拌する操作を3回行った。
純水による洗浄を経て得られた酸化亜鉛粒子A1を乾燥した。
酸化亜鉛粒子A1の100質量部をヘンシェルミキサーに投入した。酸化亜鉛粒子A1をヘンシェルミキサーで撹拌しながら、酸化亜鉛粒子A1に、オクチルトリエトキシシラン(商品名:KBE−3083、信越化学社製)5質量部、純水0.375質量部、およびイソプロピルアルコール7.125質量部の混合液を添加した。これらの混合物をヘンシェルミキサー内で混合し、1時間撹拌した。
次いで、得られた混合物をジェットミルで粉砕し、この粉砕粉を100℃で乾燥することにより、実施例1の表面処理酸化亜鉛粒子B1を得た。
表面処理酸化亜鉛粒子B1を10質量部と、分散剤(商品名:KF−6028、信越化学社製)を2質量部と、デカメチルシクロペンタシロキサン88質量部とを、攪拌機により4000rpmで撹拌し、実施例1の分散液C1を得た。
実施例1において、洗浄回数を2回に減らした以外は実施例1と同様にして、酸化亜鉛粒子を含むスラリーを調製した。
その結果、比表面積S=30m2/g、ナトリウム含有量M=70mg/kg、スラリー導電率σ=186.7μS/cm、S・M/σ2=0.06の酸化亜鉛粒子A2を得た。酸化亜鉛粒子A2の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、酸化亜鉛粒子A2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の表面処理酸化亜鉛粒子B2と、実施例2の分散液C2とを得た。
酸化亜鉛粒子として、平均粒子径:44nmの市販品Yを用いた。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粒子の比表面積S、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量Mおよびスラリーの導電率σを測定した。
以上の測定の結果、酸化亜鉛粒子の比表面積S=24m2/g、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M=2400mg/kg、スラリーの導電率σ=1370μS/cm、S・M/σ2=0.03であった。この酸化亜鉛粒子は、S・M/σ2≧0.05を満たしていなかった。
そこで、純水による酸化亜鉛粒子の洗浄を繰り返して、比表面積S=24m2/g、ナトリウム含有量M=81mg/kg、スラリー導電率σ=67.1μS/cm、S・M/σ2=0.43の酸化亜鉛粒子A3を得た。酸化亜鉛粒子A3の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
なお、洗浄は、酸化亜鉛粒子が30質量%となるように純水を添加し、ドラム缶攪拌機で1時間攪拌する洗浄を3回行った。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、酸化亜鉛粒子A3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の表面処理酸化亜鉛粒子B3と、実施例3の分散液C3とを得た。
実施例3において、洗浄回数を2回に減らした以外は実施例3と同様にして、酸化亜鉛粒子を含むスラリーを調製した。
その結果、比表面積S=24m2/g、ナトリウム含有量M=97mg/kg、スラリー導電率σ=75.7μS/cm、S・M/σ2=0.41の酸化亜鉛粒子A4を得た。酸化亜鉛粒子A4の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、酸化亜鉛粒子A4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の表面処理酸化亜鉛粒子B4と、実施例4の分散液C4とを得た。
酸化亜鉛粒子として、平均粒子径:53nmの市販品Xを用いた。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粒子の比表面積S、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量Mおよびスラリーの導電率σを測定した。
以上の測定の結果、酸化亜鉛粒子の比表面積S=20m2/g、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M=101mg/kg、スラリーの導電率σ=81.2μS/cm、S・M/σ2=0.31であった。この酸化亜鉛粒子は、S・M/σ2≧0.05を満たしていた。
そこで、純水による酸化亜鉛粒子の洗浄を行わず、市販品Xを酸化亜鉛粒子A5とした。酸化亜鉛粒子A5の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、酸化亜鉛粒子A5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の表面処理酸化亜鉛粒子B5と、実施例5の分散液C5とを得た。
酸化亜鉛粒子として、平均粒子径:106nmの市販品Wを用いた。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粒子の比表面積S、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量Mおよびスラリーの導電率σを測定した。
以上の測定の結果、酸化亜鉛粒子の比表面積S=10m2/g、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M=31mg/kg、スラリーの導電率σ=82μS/cm、S・M/σ2=0.05であった。この酸化亜鉛粒子は、S・M/σ2≧0.05を満たしていた。
そこで、純水による酸化亜鉛粒子の洗浄を行わず、市販品Wを酸化亜鉛粒子A6とした。酸化亜鉛粒子A6の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、酸化亜鉛粒子A6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の表面処理酸化亜鉛粒子B6と、実施例6の分散液C6とを得た。
酸化亜鉛粒子として、平均粒子径:71nmの市販品Vを用いた。
実施例1と同様にして、酸化亜鉛粒子の比表面積S、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量Mおよびスラリーの導電率σを測定した。
以上の測定の結果、酸化亜鉛粒子の比表面積S=15m2/g、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M=48mg/kg、スラリーの導電率σ=65μS/cm、S・M/σ2=0.17であった。この酸化亜鉛粒子は、S・M/σ2≧0.05を満たしていた。
そこで、純水による酸化亜鉛粒子の洗浄を行わず、市販品Vを酸化亜鉛粒子A7とした。酸化亜鉛粒子A7の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、酸化亜鉛粒子A7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の表面処理酸化亜鉛粒子B7と、実施例7の分散液C7とを得た。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、実施例1の洗浄前の酸化亜鉛粒子Zを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の表面処理酸化亜鉛粒子B8と、比較例1の分散液C8とを得た。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、実施例3の洗浄前酸化亜鉛粒子Yを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の表面処理酸化亜鉛粒子B9と、比較例2の分散液C9とを得た。
酸化亜鉛粒子として、平均粒子径:132nmの市販品Uを用いた。
実施例1と同様にして、この酸化亜鉛粒子の比表面積S、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量Mおよびスラリーの導電率σを測定した。
以上の測定の結果、酸化亜鉛粒子の比表面積S=8m2/g、酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M=18mg/kg、スラリーの導電率σ=76.2μS/cm、S・M/σ2=0.02であった。この酸化亜鉛粒子を、比較例3の酸化亜鉛粒子A10とした。酸化亜鉛粒子A10の比表面積S、ナトリウム含有量M、スラリーの導電率およびS・M/σ2を表1に示す。
酸化亜鉛粒子A1を用いる替りに、酸化亜鉛粒子A10を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の表面処理酸化亜鉛粒子B10と、比較例3の分散液C10とを得た。
「粒度分布の測定」
実施例1〜実施例7および比較例1〜実施例3で得られた分散液について、粒度分布の累積体積百分率が50%のときの粒径(d50)と、粒度分布の累積体積百分率が90%のときの粒径(d90)とを測定した。分散液における粒度分布の累積体積百分率の測定には、動的光散乱式粒径分布測定装置(型番:LB−550、堀場製作所製)を用いた。結果を表2に示す。
実施例1〜実施例7および比較例1〜実施例3で得られた分散液を、それぞれ石英ガラス板上に厚さが12μmとなるように塗布し、15分間自然乾燥させて塗膜を形成した。
得られた塗膜について、SPFアナライザーUV−1000S(Labsphere社製)を用いて、450nmにおける透過率、290nm〜320nmにおける平均透過率およびSPF値を測定した。
また、得られた塗膜について、SPFアナライザーUV−1000S(Labsphere社製)を用いて、290nm〜400nmの紫外線領域の吸収スペクトルを測定し、得られた吸収スペクトルにおいて290nmから長波長側に積分したとき、積分面積が290nm〜400nmの全領域での積分面積の90%となる波長を臨界波長とした。
以上の結果を表2に示す。
一方、表1および表2の結果から、比較例1〜比較例3の分散液からなる塗膜は、450nmにおける透過率が48%以上かつ72%以下であるが、290nm〜320nmにおける平均透過率が4%以上、SPF値が21以下、臨界波長が370nm以上であった。したがって、比較例1〜比較例3の分散液からなる塗膜は、長波長紫外線(UVA)および短波長紫外線(UVB)の広範囲の紫外線を遮蔽することができるものの、紫外線遮蔽性が低いことが分かった。これは、比較例1〜比較例3の分散液に含まれる表面処理酸化亜鉛粒子は、紫外線遮蔽性が一様でないことを示している。
Claims (7)
- 酸化亜鉛粒子の比表面積S(単位:m2/g)と、前記酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M(単位:mg/kg)と、前記酸化亜鉛粒子10質量部と純水90質量部とを1時間混合して調製したスラリーの導電率σ(単位:μS/cm)と、が、下記式(1)を満たしているかを判定する工程と、
下記式(1)を満たす前記酸化亜鉛粒子を、アルコキシ基を有するシランカップリング剤で表面処理する工程を含むことを特徴とする表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法。
S・M/σ2≧0.05・・・(1) - 前記判定する工程の前に、前記比表面積S(単位:m2/g)、前記酸化亜鉛粒子のナトリウム含有量M(単位:mg/kg)、および、前記スラリーの導電率σ(単位:μS/cm)の群から選択される少なくとも1種の値を測定する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 前記判定する工程において、前記酸化亜鉛粒子が下記式(1)を満たしていないことが確認された場合、前記酸化亜鉛粒子が下記式(1)を満たすまで、前記酸化亜鉛粒子を洗浄する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 前記比表面積Sは、4m2/g以上かつ35m2/g以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 前記シランカップリング剤は、アルキルアルコキシシラン、アリルアルコキシシラン、アルキル基を側鎖に有するポリシロキサンおよびアリル基を側鎖に有するポリシロキサンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 前記シランカップリング剤は、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシランおよびジメトキシジフェニルシラン−トリエトキシカプリリルシランクロスポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 前記表面処理する工程において、前記シランカップリング剤の混合量は、酸化亜鉛粒子に対して2質量%以上かつ10質量%以下である請求項1から6のいずれか1項に記載の表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法。
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