JP7364890B2 - シート表皮、シートおよびシート表皮の製造方法 - Google Patents

シート表皮、シートおよびシート表皮の製造方法 Download PDF

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本発明は、シート表皮、シートおよびシート表皮の製造方法に関する。
従来、シート表皮として、表皮と、第1ワディングと、シートヒータと、第2ワディングとを積層することにより構成されたものが知られている(特許文献1)。この技術では、シートヒータは、基材と、基材に配設されたヒータ線とを備え、基材には、対向して端縁より外側に突出する略U字形状の折り返し部が設けられている。シート表皮にキルティング加工を施す際には、シートヒータの折り返し部を基材の端縁より外側に突出させた状態で、対向する折り返し部の根元部分の間を横方向に縫製し、また、シートカバーの端部近傍を縫製する際には、折り返し部を折り返して、基材の端縁と折り返し部の根元部分との間の領域を縦方向に縫製する。これにより、縫製時において、縫製針によりヒータ線が傷つけられることがなく、ヒータ線の断線を防止できるようになっている。
国際公開第2014/091710号
ところで、従来のシートヒータは、折り返し部が外側に突出して設けられているので、1枚の布状の素材から基材を効率良く取ることができず、生産性が低下したり、製造コストが増大したりする可能性があった。また、シート表皮は、シートパッドを覆ったときに一部が浮いたり、凹んだりすると、シートの見た目が悪くなることがある。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、シートの見た目を良くすることができるシート表皮、シートおよびシート表皮の製造方法を提供することを目的とする。
また、生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることを目的とする。
また、ヒータの発熱部のずれを抑制することを目的とする。
また、シート内のスペースを有効に利用することを目的とする。
前記した目的を達成するためのシート表皮は、シートパッドに形成された吊り込み溝に吊り込まれる第1方向に延びる吊り込み部を有し、前記シートパッドを覆うシート表皮であって、前記吊り込み部から前記第1方向に直交する第2方向の一方に延びてシート表皮の表面を構成する第1外側表皮部と、前記吊り込み部から前記第2方向の他方に延びて前記第1外側表皮部とともにシート表皮の表面を構成する第2外側表皮部と、前記第1外側表皮部の裏側に配置される第1内側表皮部と、前記第2外側表皮部の裏側に配置される第2内側表皮部と、前記第1外側表皮部と前記第1内側表皮部の間に配置される第1発熱部と、前記第2外側表皮部と前記第2内側表皮部の間に配置される第2発熱部と、前記第1発熱部と前記第2発熱部を接続する接続部であって、前記第1発熱部および前記第2発熱部の前記第1方向の幅内に位置する接続部とを有する面状のヒータと、を備え、前記第1内側表皮部は、前記接続部を通す第1挿通孔を有し、前記第2内側表皮部は、前記接続部を通す、前記第1方向に連続して延びる第2挿通孔を有する。
このようなシート表皮において、前記吊り込み部は、重ねられた状態の前記第1外側表皮部および前記第1内側表皮部と、重ねられた状態の前記第2外側表皮部および前記第2内側表皮部とが、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔との間で第1縫合部により結合され、前記第1縫合部は、前記第1方向における前記接続部が配置される範囲で前記第1方向に連続していることを特徴とする。
このような構成によれば、外側と内側の表皮部が、接続部が配置される範囲で第1方向に連続する第1縫合部により結合されているので、吊り込み部をシートパッドの吊り込み溝に入れた際にシート表皮の浮きや凹みを抑制することができ、シートの見た目を良くすることができる。また、ヒータの接続部が発熱部の幅内に位置するので、1枚の布状の素材からヒータの基材を効率良く取ることができ、シート表皮の生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
前記したシート表皮において、前記ヒータは、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、前記ヒータ基布は、前記第1発熱部を構成する第1布部と、前記第2発熱部を構成する第2布部とを含み、前記第1布部と前記第1内側表皮部、および/または、前記第2布部と前記第2内側表皮部は、前記第1縫合部とは異なる第2縫合部で結合されている構成とすることができる。
これによれば、第2縫合部によりヒータの発熱部を内側表皮部や内側表皮部と結合される外側表皮部に対して固定することができるので、ヒータの発熱部のずれを抑制することができる。
前記したシート表皮において、前記第2縫合部は、所定の間隔をあけて複数形成されている構成とすることができる。
これによれば、必要な箇所だけを縫い付ければ済むため、シート表皮の製造コストを抑制することができる。
前記したシート表皮において、前記第1挿通孔は、前記第1方向に延びる第1孔部と、前記第1孔部から前記第1内側表皮部の縁まで前記第2方向に延びる第2孔部とを有する構成とすることができる。
これによれば、接続部を第1挿通孔に簡単に通すことができるので、シート表皮の生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
前記したシート表皮において、前記ヒータは、前記第1方向に並んだ複数の前記接続部を有し、前記接続部は、前記吊り込み部とともに前記吊り込み溝に入る部分であり、前記第1内側表皮部は、複数の前記接続部に対応して設けられた複数の前記第1挿通孔を有する構成とすることができる。
これによれば、シート内のスペースを有効に利用することができる。
前記したシート表皮において、前記ヒータは、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、前記接続部は、前記吊り込み部とともに前記吊り込み溝に入る部分であり、前記ヒータ基布の一部と前記ヒータ線の一部だけからなる構成とすることができる。
これによれば、接続部を薄くできるので、接続部を吊り込み部とともにシートパッドの吊り込み溝に入れた際にシート表皮の浮き等を抑制することができ、シートの見た目を良くすることができる。
前記したシート表皮は、前記第1外側表皮部および前記第1内側表皮部の前記第1方向における両側に配置される一対の第3表皮部を備え、前記第1縫合部は、前記第1外側表皮部、前記第1内側表皮部、前記第2外側表皮部および前記第2内側表皮部を結合する第1部分と、前記第1外側表皮部、前記第1内側表皮部および前記第3表皮部を結合する一対の第2部分とが連続して略U字形状をなしている構成とすることができる。
これによれば、各表皮部を連続して縫って第1縫合部を形成することにより、第1外側表皮部、第1内側表皮部、第2外側表皮部、第2内側表皮部および第3表皮部をまとめて結合することができるので、シート表皮の生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
前記したシート表皮において、前記第1外側表皮部および前記第2外側表皮部は、シート表皮の表面を構成する表側部材と、前記表側部材の裏側に配置される裏側部材とを有し、前記裏側部材、前記第1内側表皮部および前記第2内側表皮部は、発泡弾性体からなる構成とすることができる。
前記した目的を達成するためのシートは、シートフレームと、前記吊り込み溝を有し、前記シートフレームを覆うシートパッドと、前記シート表皮と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、シートの見た目を良くすることができる。また、シートの生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
前記した目的を達成するためのシート表皮の製造方法は、前記シート表皮の製造方法であって、前記第1発熱部を前記第1内側表皮部の表側に配置する第1配置工程と、前記接続部を前記第1挿通孔に通す挿通工程と、前記第1外側表皮部と前記第1内側表皮部を重ねることで、前記第1発熱部を前記第1外側表皮部と前記第1内側表皮部の間に配置する第1重畳工程と、前記第2外側表皮部と前記第2内側表皮部を重ねる第2重畳工程と、前記接続部を折り返して前記第2発熱部を前記第1内側表皮部の裏側に配置し、重ねられた状態の前記第1外側表皮部および前記第1内側表皮部と、重ねられた状態の前記第2外側表皮部および前記第2内側表皮部とを、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔の間の位置で前記第1方向に連続して縫い合わせる縫合工程と、前記第2発熱部を前記第2挿通孔に通して前記第2内側表皮部と前記第2外側表皮部の間に配置する第2配置工程と、を含むことを特徴とする。
このような方法によれば、外側と内側の表皮部の、接続部と重なる部分を第1方向に連続して縫い合わせるので、縫い合わせた部分をシートパッドの吊り込み溝に入れた際にシート表皮の浮きや凹みを抑制することができ、シートの見た目を良くすることができる。
前記したシート表皮の製造方法において、前記ヒータが、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、前記ヒータ基布が、前記第1発熱部を構成する第1布部を含む構成で、前記第1配置工程の後であって前記第1重畳工程の前に、前記第1布部と前記第1内側表皮部とを縫い合わせる第1仮縫合工程を含んでいてもよい。
これによれば、ヒータの第1発熱部を第1内側表皮部に対して固定することができるので、ヒータの第1発熱部のずれを抑制することができる。
前記したシート表皮の製造方法において、前記ヒータが、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、前記ヒータ基布が、前記第2発熱部を構成する第2布部を含む構成で、前記第2配置工程の後、前記第2布部と少なくとも前記第2内側表皮部とを縫い合わせる第2仮縫合工程を含んでいてもよい。
これによれば、ヒータの第2発熱部を第2内側表皮部に対して固定することができるので、ヒータの第2発熱部のずれを抑制することができる。
本発明によれば、シートの見た目を良くすることができる。
また、生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
また、ヒータの発熱部のずれを抑制することができる。
また、シート内のスペースを有効に利用することができる。
実施形態に係るシートの斜視図である。 シートフレームとシートパッドの斜視図である。 シートクッション表皮の分解斜視図である。 シートクッション表皮を下側から見た図である。 シートクッション表皮の内側スラブに設けられたスリットを示す図である。 シートクッション表皮のヒータを示す図である。 シートクッション表皮の第2横吊り込み部をシートクッションパッドの吊り込み溝に吊り込んだ状態を示す断面図である。 シートバック表皮の分解斜視図である。 シートバック表皮を後側から見た図である。 シートバック表皮の内側スラブに設けられたスリットを示す図である。 シートバック表皮のヒータを示す図である。 シートバック表皮の横吊り込み部をシートバックパッドの吊り込み溝に吊り込んだ状態を示す断面図である。 シートクッション表皮の製造方法の一例を示す図(a),(b)である。 シートクッション表皮の製造方法の一例を示す図(a),(b)である。 シートクッション表皮の製造方法の一例を示す図(a),(b)である。 シートクッション表皮の製造方法の一例を示す図(a)~(c)である。 シートバック表皮の製造方法の一例を示す図(a),(b)である。 シートバック表皮の製造方法の一例を示す図(a),(b)である。 シートバック表皮の製造方法の一例を示す図(a),(b)である。 シートバック表皮の製造方法の一例を示す図(a)~(c)である。 参考形態に係るシートバック表皮の分解斜視図である。 シートバック表皮を後側から見た図(a)と、ヒータがタグピンによってスラブに留められた状態を示す断面図(b)である。 シートバック表皮の横吊り込み部をシートバックパッドの吊り込み溝に吊り込んだ状態を示す断面図である。 シートバック表皮の製造方法の他の例を示す図(a),(b)である。 シートバック表皮の製造方法の他の例を示す図(a),(b)である。 シートバック表皮の製造方法の他の例を示す図(a),(b)である。 変形例に係るシートクッション表皮を下側から見た図である。 変形例に係るシートバック表皮を後側から見た図である。
次に、実施形態について説明する。
図1に示すように、実施形態に係るシートは、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されており、シートクッションS1と、シートバックS2と、ヘッドレストS3とを有している。車両用シートSは、図2に示すようなシートフレームFと、シートフレームFを覆うシートパッドPと、シートフレームFおよびシートパッドPを覆うシート表皮SK(図1参照)とを備えている。
シートフレームFは、シートクッションフレームF1とシートバックフレームF2を有し、シートパッドPは、シートクッションパッドP1とシートバックパッドP2を有し、シート表皮SKは、シートクッション表皮SK1とシートバック表皮SK2を有している。シートクッションS1は、シートクッションフレームF1をシートクッションパッドP1で覆い、これらにシートクッション表皮SK1を被せることで構成されており、シートバックS2は、シートバックフレームF2をシートバックパッドP2で覆い、これらにシートバック表皮SK2を被せることで構成されている。
シートクッションフレームF1は、一対のサイドフレーム11と、フロントフレーム12と、リアフレーム13とを備えている。フロントフレーム12は、サイドフレーム11の前部同士を連結し、リアフレーム13は、サイドフレーム11の後部同士を連結している。サイドフレーム11の間には、荷重を受ける支持部材30が配置されている。支持部材30は、左右に交互に屈曲しながら前後に延びる複数の金属ワイヤと、金属ワイヤと一体に成形された樹脂部とを有し、フロントフレーム12とリアフレーム13に架け渡された状態で配置されている。
なお、本実施形態において、前後、左右、上下は、シートに座った者から見た、前後、左右、上下を基準とする。また、本実施形態においては、左右方向が「第1方向」に相当し、シートクッションS1については前後方向が「第2方向」に相当し、シートバックS2については上下方向が「第2方向」に相当するものとする。第2方向は、第1方向に直交する方向である。
シートバックフレームF2は、一対のロアサイドフレーム22と、パイプフレーム23と、ロアフレーム24と、架橋フレーム25とを備えている。パイプフレーム23は、一対のアッパーサイドフレーム23Aと、アッパーサイドフレーム23Aの上端同士を連結するアッパーフレーム23Bとを有する。アッパーサイドフレーム23Aは、ロアサイドフレーム22に接続され、ロアサイドフレーム22とともにサイドフレーム21を構成している。アッパーフレーム23Bには、ヘッドレストS3を取り付けるための一対のブラケット26が固定されている。ロアフレーム24は、サイドフレーム21の下部同士を連結しており、架橋フレーム25は、アッパーフレーム23Bの下方に配置されてサイドフレーム21の上部同士を連結している。サイドフレーム21の間には、荷重を受ける受圧部材40が配置されている。
シートクッションパッドP1は、上側の面に形成された吊り込み溝50を有している。吊り込み溝50は、シートクッション表皮SK1が吊り込まれる溝であり、一対の縦溝51と、第1横溝52と、第2横溝53とを有している。縦溝51は、左右に離間して配置され、前後に延びている。第1横溝52は、縦溝51の後端同士をつなぐように左右に延び、第2横溝53は、第1横溝52の前方に配置されて縦溝51をつなぐように左右に延びている。シートクッションパッドP1には、シートクッション表皮SK1を吊り込むための吊りワイヤ55(図7参照)がインサート成形により埋設されている。吊りワイヤ55は、シートクッション表皮SK1を吊り込むため、吊り込み溝50内で部分的に露出している。
また、シートバックパッドP2は、前側の面に形成された略U字形状の吊り込み溝60を有している。吊り込み溝60は、シートバック表皮SK2が吊り込まれる溝であり、一対の縦溝61と、横溝62とを有している。縦溝61は、左右に離間して配置されて上下に延び、横溝62は、縦溝61の上端同士をつなぐように左右に延びている。シートバックパッドP2には、シートバック表皮SK2を吊り込むための吊りワイヤ65(図12参照)がインサート成形により埋設されている。吊りワイヤ65は、シートバック表皮SK2を吊り込むため、吊り込み溝60内で部分的に露出している。
図3に示すように、シートクッション表皮SK1は、表皮材110と、外側スラブ120と、面状のヒータ130と、内側スラブ140とを備えている。
表皮材110は、シートクッション表皮SK1の表面のうち上側の面を構成する部材であり、皮革からなる。表皮材110は、第1表皮材111と、第1表皮材111の後方に配置される第2表皮材112と、第1表皮材111および第2表皮材112の左右に配置される一対の第3表皮材113と、第2表皮材112の後方に配置される第4表皮材114とを有している。
外側スラブ120は、表皮材110の裏側、具体的には下側に配置される部材であり、発泡弾性体の一例としてのウレタンフォームからなる。外側スラブ120は、第1表皮材111の下側に配置される第1外側スラブ121と、第2表皮材112の下側に配置される第2外側スラブ122と、第3表皮材113の下側に配置される一対の第3外側スラブ123と、第4表皮材114の下側に配置される第4外側スラブ124とを有している。
図7に示すように、第1表皮材111と第1外側スラブ121は、重ねられて縫合されることで、第1外側表皮部151を構成している。また、第2表皮材112と第2外側スラブ122は、重ねられて縫合されることで、第2外側表皮部152を構成している。すなわち、第1外側表皮部151は、第1表皮材111と、第1外側スラブ121とを有し、第2外側表皮部152は、第2表皮材112と、第2外側スラブ122とを有している。第1表皮材111、第2表皮材112は、「表側部材」に相当し、第1外側スラブ121、第2外側スラブ122は、「裏側部材」に相当する。
第1外側表皮部151は、後述する第2横吊り込み部163から前後方向の一方、具体的には前方に延びてシートクッション表皮SK1の表面のうち上側の面を構成する。また、第2外側表皮部152は、第2横吊り込み部163から前後方向の他方、具体的には後方に延びて第1外側表皮部151とともにシートクッション表皮SK1の表面のうち上側の面を構成する。
図4に示すように、第3表皮材113、第3外側スラブ123、第4表皮材114および第4外側スラブ124は、互いに縫合されることで、略U字形状の第3外側表皮部153を構成している。第3外側表皮部153は、左右のサイド部153Aと、リア部153Bとを有している。左右のサイド部153Aは、「一対の第3表皮部」に相当する。サイド部153Aは、第3表皮材113と第3外側スラブ123により構成される部分であり、前後に延びている。サイド部153Aは、外側表皮部151,152および内側スラブ140(141,142)の左右方向における両側に配置されている。リア部153Bは、第4表皮材114と第4外側スラブ124により構成される部分であり、左右に延びている。リア部153Bは、第2外側表皮部152および後述する第2内側スラブ142の後側に配置されている。
内側スラブ140は、第1内側スラブ141と、第2内側スラブ142とを有している。第1内側スラブ141は、「第1内側表皮部」に相当し、第2内側スラブ142は、「第2内側表皮部」に相当する。第1内側スラブ141および第2内側スラブ142は、外側スラブ120と同様にウレタンフォームからなる。内側スラブ140の厚みは、外側スラブ120の厚みよりも大きい。一例として、内側スラブ140の厚みは、8mmであり、外側スラブ120の厚みは、2mmである。
第1内側スラブ141は、第1外側表皮部151の下側に配置される部分であり、略T字形状の第1スリット143を有している。第1スリット143は、「第1挿通孔」に相当する。図5に示すように、第1スリット143は、ヒータ130の後述する接続部130Cを通すための孔であり、左右に延びる第1孔部143Aと、前後に延びる第2孔部143Bとを有している。第2孔部143Bは、第1孔部143Aの左右方向における中央付近から第1内側スラブ141の後縁まで延びている。第1スリット143は、複数の接続部130Cに対応して複数、具体的には2つが左右に並んだ状態で設けられている。
第2内側スラブ142は、第2外側表皮部152(図7参照)の下側に配置される部分であり、第2スリット144と、第3スリット145とを有している。第2スリット144は、「第2挿通孔」に相当する。第2スリット144は、複数の接続部130Cを通すための孔であり、左右に連続して延びる長尺状に形成されている。第3スリット145は、ヒータ130の後述する延出部130Dを通すための孔であり、左右に連続して延びる長尺状に形成されている。第2スリット144および第3スリット145は、第2内側スラブ142に1つずつ設けられている。
なお、図5では、スリット143~145が所定の幅を有しているが、スリット143~145は、内側スラブ141,142に形成した切り込みであってもよい。
図6に示すように、ヒータ130は、第1発熱部130Aと、第2発熱部130Bと、複数の接続部130Cと、延出部130Dとを有している。
図7に示すように、第1発熱部130Aは、第1外側表皮部151と第1内側スラブ141の間に配置される部分であり、第2発熱部130Bは、第2外側表皮部152と第2内側スラブ142の間に配置される部分である。
図6に戻り、接続部130Cは、第1発熱部130Aと第2発熱部130Bを接続する部分であり、2つが左右に並んだ状態で設けられている。接続部130Cは、第1発熱部130Aおよび第2発熱部130Bの左右の幅内に位置している。詳しくは、接続部130Cは、第1発熱部130Aの左右の幅内に位置しており、かつ、第2発熱部130Bの左右の幅内に位置している。また、接続部130Cは、左右の幅が第1発熱部130Aおよび第2発熱部130Bよりも小さい。詳しくは、接続部130Cの左右の幅は、第1発熱部130Aの左右の幅よりも小さく、かつ、第2発熱部130Bの左右の幅よりも小さい。接続部130Cは、後述する吊り込み部160(図7参照)とともに、シートクッションパッドP1の吊り込み溝50に入る部分である。
延出部130Dは、第2発熱部130Bの後端から延出する部分である。延出部130Dは、第3スリット145(図4参照)を通してシートクッション表皮SK1の下側に引き出されている。
ヒータ130は、不織布からなるヒータ基布131と、通電により発熱するヒータ線132とを備えて構成されている。
ヒータ線132は、ヒータ基布131に支持されている。ヒータ線132は、例えば、ヒータ基布131に接着剤などによって貼り付けられることでヒータ基布131に固定されている。ヒータ線132は、延出部130Dから延び出て、車両に設けられた図示しない電源装置に接続される。
ヒータ基布131は、第1発熱部130Aを構成する第1布部131Aと、第2発熱部130Bを構成する第2布部131Bと、接続部130Cを構成する接続布部131Cと、延出部130Dを構成する延出布部131Dとを有している。すなわち、ヒータ基布131は、第1布部131Aと、第2布部131Bとを含む構成である。
接続部130Cは、接続布部131C(ヒータ基布131の一部)と、ヒータ線132の接続布部131Cを通る部分(ヒータ線132の一部)だけからなる。すなわち、接続部130Cには、ヒータ線132を除くと、接続布部131Cを構成する不織布の層以外の層、例えば、薄いウレタンフォームの層などは設けられていない。
図4に示すように、第1布部131Aと第1内側スラブ141は、重ねられて縫合されることで形成された第1仮縫合部181で結合されている。第1仮縫合部181は、所定の間隔をあけて複数形成されている。詳しくは、第1仮縫合部181は、左右に延びる、第1横縫合部181A、第2横縫合部181Bおよび第3横縫合部181Cを含んでなる。第1横縫合部181Aは、第1布部131Aと第1内側スラブ141の後端部のうちの左端部同士を結合する部分であり、第2横縫合部181Bは、第1布部131Aと第1内側スラブ141の後端部のうちの右端部同士を結合する部分である。また、第3横縫合部181Cは、第1布部131Aと第1内側スラブ141の前端部同士を結合する部分である。第1横縫合部181Aと第2横縫合部181Bとは、左右方向に所定の間隔をあけて形成されており、第3横縫合部181Cと、第1横縫合部181Aおよび第2横縫合部181Bとは、前後方向に所定の間隔をあけて形成されている。
また、第2布部131Bと第2内側スラブ142は、重ねられて縫合されることで形成された第2仮縫合部182で結合されている。第2仮縫合部182は、所定の間隔をあけて複数形成されている。詳しくは、第2仮縫合部182は、前後に延びる、第1縦縫合部182Aおよび第2縦縫合部182Bを含んでなる。第1縦縫合部182Aは、第2布部131Bと第2内側スラブ142の左端部同士を結合する部分であり、第2縦縫合部182Bは、第2布部131Bと第2内側スラブ142の右端部同士を結合する部分である。第1縦縫合部182Aと第2縦縫合部182Bとは、左右方向に所定の間隔をあけて形成されている。
仮縫合部181,182は、「第2縫合部」に相当する。仮縫合部181,182は、後述する本縫合部191,192とは異なる縫合部である。すなわち、各縫合部181,182,191,192は、別々に形成されている。
シートクッション表皮SK1は、シートクッションパッドP1の吊り込み溝50(図2参照)に吊り込まれる吊り込み部160を有している。吊り込み部160は、縦溝51に吊り込まれる一対の縦吊り込み部161と、第1横溝52に吊り込まれる第1横吊り込み部162と、第2横溝53に吊り込まれる第2横吊り込み部163とを有している。第2横吊り込み部163は、発明に係る「吊り込み部」に相当する。
縦吊り込み部161は、前後に延びている。縦吊り込み部161の前部は、重ねられた状態の第1外側表皮部151および第1内側スラブ141と、第3外側表皮部153の左右のサイド部153Aとが、シートクッション表皮SK1を吊り込み溝50に吊り込むためのトリムコード171Aとともに、第1本縫合部191の第2部分191Bにより結合されて構成されている。また、縦吊り込み部161の後部は、重ねられた状態の第2外側表皮部152および第2内側スラブ142と、左右のサイド部153Aとが、トリムコード171Bとともに、第2本縫合部192の第4部分192Bにより結合されて構成されている。
第1横吊り込み部162および第2横吊り込み部163は、左右に延びている。第1横吊り込み部162は、重ねられた状態の第2外側表皮部152および第2内側スラブ142と、第3外側表皮部153のリア部153Bとが、トリムコード172A,172Bとともに、第2本縫合部192の第3部分192Aにより結合されて構成されている。また、第2横吊り込み部163は、重ねられた状態の第1外側表皮部151および第1内側スラブ141と、重ねられた状態の第2外側表皮部152および第2内側スラブ142とが、トリムコード173とともに、第1本縫合部191の第1部分191Aにより結合されて構成されている。第1本縫合部191は、「第1縫合部」に相当する。
第1本縫合部191は、第1部分191Aと、左右一対の第2部分191Bとが連続して縫われた略U字形状をなしている。第1部分191Aは、第1外側表皮部151、第1内側スラブ141、第2外側表皮部152および第2内側スラブ142を結合する部分であり、第1スリット143(第1孔部143A)と第2スリット144との間で左右に延びている。第1部分191Aは、左右方向におけるヒータ130の接続部130Cが配置される範囲で左右方向に連続している。接続部130Cは、第1部分191Aを前後に跨ぐように配置されている。第2部分191Bは、第1外側表皮部151、第1内側スラブ141および左右のサイド部153Aを結合する部分であり、前後に延びている。
第2本縫合部192は、第3部分192Aと、左右一対の第4部分192Bとが連続して縫われた略U字形状をなしている。第3部分192Aは、第2外側表皮部152、第2内側スラブ142および第3外側表皮部153のリア部153Bを結合する部分であり、左右に延びている。ヒータ130の延出部130Dは、第3部分192Aを前後に跨ぐように配置されている。第4部分192Bは、第2外側表皮部152、第2内側スラブ142および左右のサイド部153Aを結合する部分であり、前後に延びている。
本縫合部191,192および仮縫合部181,182は、ヒータ線132(図6参照)と異なる位置に配置されている。
図8に示すように、シートバック表皮SK2は、表皮材210と、外側スラブ220と、面状のヒータ230と、内側スラブ240とを備えている。
表皮材210は、シートバック表皮SK2の表面のうち前側の面を構成する部材であり、皮革からなる。表皮材210は、第1表皮材211と、第1表皮材211の上方に配置される第2表皮材212と、第2表皮材212の左右に配置される一対の第3表皮材213とを有している。
外側スラブ220は、表皮材210の裏側、具体的には後側に配置される部材であり、ウレタンフォームからなる。外側スラブ220は、第1表皮材211の後側に配置される第1外側スラブ221と、第2表皮材212の後側に配置される第2外側スラブ222と、第3表皮材213の後側に配置される一対の第3外側スラブ223とを有している。
図12に示すように、第1表皮材211と第1外側スラブ221は、重ねられて縫合されることで、第1外側表皮部251を構成している。また、第2表皮材212と第2外側スラブ222は、重ねられて縫合されることで、第2外側表皮部252を構成している。第1表皮材211、第2表皮材212は、「表側部材」に相当し、第1外側スラブ221、第2外側スラブ222は、「裏側部材」に相当する。
第1外側表皮部251は、後述する横吊り込み部262から上下方向の一方、具体的には下方に延びてシートバック表皮SK2の表面のうち前側の面を構成する。また、第2外側表皮部252は、横吊り込み部262から上下方向の他方、具体的には上方に延びて第1外側表皮部251とともにシートバック表皮SK2の表面のうち前側の面を構成する。
図9に示すように、第3表皮材213と第3外側スラブ223は、重ねられて縫合されることで、第3外側表皮部253を構成している。第3外側表皮部253は、「一対の第3表皮部」に相当する。第3外側表皮部253は、上下に延び、第1外側表皮部251および後述する第1内側スラブ241の左右方向における両側に配置されている。
内側スラブ240は、第1内側スラブ241と、第2内側スラブ242とを有している。第1内側スラブ241は、「第1内側表皮部」に相当し、第2内側スラブ242は、「第2内側表皮部」に相当する。第1内側スラブ241および第2内側スラブ242は、ウレタンフォームからなる。一例として、内側スラブ240の厚みは、8mmであり、外側スラブ220の厚みは、2mmである。
第1内側スラブ241は、第1外側表皮部251の後側に配置される部分であり、略T字形状の第1スリット243を有している。第1スリット243は、「第1挿通孔」に相当する。図10に示すように、第1スリット243は、ヒータ230の後述する接続部230Cを通すための孔であり、左右に延びる第1孔部243Aと、上下に延びる第2孔部243Bとを有している。第2孔部243Bは、第1孔部243Aの左右方向における中央付近から第1内側スラブ241の上縁まで延びている。第1スリット243は、2つの接続部230Cに対応して2つが左右に並んだ状態で設けられている。
第2内側スラブ242は、第2外側表皮部252(図12参照)の後側に配置される部分であり、第2スリット244を有している。第2スリット244は、「第2挿通孔」に相当する。第2スリット244は、接続部230Cを通すための孔であり、左右に連続して延びる長尺状に形成されている。第2スリット244は、第2内側スラブ242に1つだけ設けられている。
なお、図10では、スリット243,244が所定の幅を有しているが、スリット243,244は、内側スラブ241,242に形成した切り込みであってもよい。
図11に示すように、ヒータ230は、第1発熱部230Aと、第2発熱部230Bと、複数の接続部230Cとを有している。
図12に示すように、第1発熱部230Aは、第1外側表皮部251と第1内側スラブ241の間に配置される部分であり、第2発熱部230Bは、第2外側表皮部252と第2内側スラブ242の間に配置される部分である。
図11に戻り、接続部230Cは、第1発熱部230Aと第2発熱部230Bを接続する部分であり、2つが左右に並んだ状態で設けられている。接続部230Cは、第1発熱部230Aおよび第2発熱部230Bの左右の幅内に位置している。また、接続部230Cは、左右の幅が第1発熱部230Aおよび第2発熱部230Bよりも小さい。接続部230Cは、後述する吊り込み部260(図12参照)とともに、シートバックパッドP2の吊り込み溝60に入る部分である。
ヒータ230は、不織布からなるヒータ基布231と、ヒータ基布231に支持されるヒータ線232とを備えて構成されている。
ヒータ基布231は、第1発熱部230Aを構成する第1布部231Aと、第2発熱部230Bを構成する第2布部231Bと、接続部230Cを構成する接続布部231Cとを有している。
接続部230Cは、接続布部231Cと、ヒータ線232の接続布部231Cを通る部分だけからなる。すなわち、接続部230Cには、ヒータ線232を除くと、接続布部231Cを構成する不織布の層以外の層は設けられていない。
図9に示すように、第1布部231Aと第1内側スラブ241は、重ねられて縫合されることで形成された第1仮縫合部281で結合されている。第1仮縫合部281は、左右の接続部230Cの下端付近とその間の部分を除いた、第1布部231Aの略全周にわたって連続的に縫合されることで形成されている。また、第2布部231Bと第2内側スラブ242は、重ねられて縫合されることで形成された第2仮縫合部282で結合されている。第2仮縫合部282は、第2布部231Bの左端部、上端部および右端部にわたって略U字形状に連続的に縫合されることで形成されている。仮縫合部281,282は、「第2縫合部」に相当する。仮縫合部281,282は、後述する本縫合部291,292とは異なる縫合部である。
シートバック表皮SK2は、シートバックパッドP2の吊り込み溝60(図2参照)に吊り込まれる吊り込み部260を有している。吊り込み部260は、縦溝61に吊り込まれる一対の縦吊り込み部261と、横溝62に吊り込まれる横吊り込み部262とを有している。横吊り込み部262は、発明に係る「吊り込み部」に相当する。
縦吊り込み部261は、上下に延びている。縦吊り込み部261は、重ねられた状態の第1外側表皮部251および第1内側スラブ241と、左右の第3外側表皮部253とが、トリムコード271A,271Bとともに、第1本縫合部291の第2部分291Bにより結合されて構成されている。
横吊り込み部262は、左右に延びている。横吊り込み部262は、重ねられた状態の第1外側表皮部251および第1内側スラブ241と、重ねられた状態の第2外側表皮部252および第2内側スラブ242とが、トリムコード272とともに、第1本縫合部291の第1部分291Aにより結合されて構成されている。第1本縫合部291は、「第1縫合部」に相当する。
第1本縫合部291は、第1部分291Aと、左右一対の第2部分291Bとが連続して縫われた略U字形状をなしている。第1部分291Aは、第1外側表皮部251、第1内側スラブ241、第2外側表皮部252および第2内側スラブ242を結合する部分であり、第1スリット243(第1孔部243A)と第2スリット244との間で左右に延びている。第1部分291Aは、左右方向におけるヒータ230の接続部230Cが配置される範囲で左右方向に連続している。接続部230Cは、第1部分291Aを上下に跨ぐように配置されている。第2部分291Bは、第1外側表皮部251、第1内側スラブ241および左右の第3外側表皮部253を結合する部分であり、上下に延びている。
第2本縫合部292は、略U字形状の第3部分292Aと、一対の第4部分292Bとが連続して縫われている。第3部分292Aは、第2外側表皮部252および第2内側スラブ242の左端部、上端部および右端部を結合する部分であり、第4部分292Bは、第2外側表皮部252および第2内側スラブ242の下端部の左右の部分と、左右の第3外側表皮部253の上端部を結合する部分である。
本縫合部291,292および仮縫合部281,282は、ヒータ線232(図11参照)と異なる位置に配置されている。
次に、シート表皮SKの製造方法について、表皮材110,210、外側スラブ120,220、ヒータ130,230および内側スラブ140,240の縫製を中心に説明する。なお、以下で説明する各工程の順序は、一例であり、適宜変更しても構わない。
まず、シートクッション表皮SK1の製造方法について説明する。
図13(a)に示すように、第1表皮材111と第1外側スラブ121を重ねて縫合することで(破線参照)、第1外側表皮部151を形成する。また、第2表皮材112と第2外側スラブ122を重ねて縫合することで、第2外側表皮部152を形成する。また、第3表皮材113と第3外側スラブ123をそれぞれ重ねて縫合するとともに、第4表皮材114と第4外側スラブ124を重ねて縫合し、これらを互いに縫合して結合することで、第3外側表皮部153を形成する。
次に、図13(b)に示すように、第2外側表皮部152と第2内側スラブ142を重ねる(第2重畳工程)。そして、第2外側表皮部152と第2内側スラブ142の前端部同士を、第2スリット144よりも前側の位置で縫合する(破線参照)。
次に、図14(a)に示すように、ヒータ130の第1発熱部130Aと第1内側スラブ141を重ねて、第1発熱部130Aを第1内側スラブ141の表側に配置する(第1配置工程)。そして、第1配置工程の後であって後述する第1重畳工程の前に、第1布部131Aと第1内側スラブ141とを縫い合わせて複数の第1仮縫合部181(181A~181C)を形成する(第1仮縫合工程)。
次に、図14(a)から(b)に示すように、接続部130Cを第1内側スラブ141の第1スリット143に通す(挿通工程)。詳しくは、接続部130Cを第1スリット143の第2孔部143Bから差し入れ、第1孔部143Aから出るように通す。これを各接続部130Cについて行う。
次に、図15(a)に示すように、第1外側表皮部151と第1内側スラブ141を重ねることで、第1発熱部130Aを第1外側表皮部151と第1内側スラブ141の間に配置する(第1重畳工程)。
そして、第1外側表皮部151と第1内側スラブ141を縫合する。詳しくは、まず、接続部130Cを折り返して第2発熱部130Bを第1内側スラブ141の裏側に配置する。そして、破線の矢印で示すように、第1外側表皮部151と第1内側スラブ141の左右および前後の端部同士を連続して縫合する。なお、このとき、ヒータ130の第1布部131Aの左右の端部などを第1外側表皮部151および第1内側スラブ141とともに縫合してもよい。
次に、図15(b)に示すように、重ねられた状態の第1外側表皮部151および第1内側スラブ141、重ねられた状態の第2外側表皮部152および第2内側スラブ142、並びに、第3外側表皮部153を、トリムコード171A,173(図4参照。図15では図示省略)とともに、連続して縫い合わせて第1本縫合部191を形成する(縫合工程)。
詳しくは、まず、第1外側表皮部151および第1内側スラブ141の左右一方の端部と、第3外側表皮部153の左右一方のサイド部153Aとを前後に沿って縫い合わせ、一方の第2部分191Bを形成する。次に、第1外側表皮部151および第1内側スラブ141の後端部と、第2外側表皮部152および第2内側スラブ142の前端部とを、第1スリット143と第2スリット144の間の位置で左右に沿って連続して縫い合わせ、第1部分191Aを形成する。そして、第1外側表皮部151および第1内側スラブ141の左右他方の端部と、左右他方のサイド部153Aとを前後に沿って縫い合わせ、他方の第2部分191Bを形成する。
次に、図16(a)に示すように、第2発熱部130Bを第2スリット144に通して第2内側スラブ142と第2外側表皮部152の間に配置する(第2配置工程)。また、延出部130Dを第3スリット145に通して第2内側スラブ142の裏側に引き出す。
第2配置工程の後、図16(b)に示すように、第2布部131Bと第2内側スラブ142とを縫い合わせて複数の第2仮縫合部182(182A,182B)を形成する(第2仮縫合工程)。なお、このとき、第2外側表皮部152を一緒に縫ってもよい。
そして、図16(c)に示すように、第2外側表皮部152および第2内側スラブ142と、第3外側表皮部153とを、トリムコード171B,172A,172B(図4参照。図16では図示省略)とともに、連続して縫い合わせて第2本縫合部192を形成する。
詳しくは、まず、第2外側表皮部152および第2内側スラブ142の左右一方の端部と、第3外側表皮部153の左右一方のサイド部153Aとを前後に縫い合わせ、一方の第4部分192Bを形成する。次に、延出部130Dを縫合ライン上から退かせて、第2外側表皮部152および第2内側スラブ142の後端部と、第3外側表皮部153のリア部153Bとを左右に縫い合わせ、第3部分192Aを形成する。そして、第2外側表皮部152および第2内側スラブ142の左右他方の端部と、左右他方のサイド部153Aとを前後に縫い合わせ、他方の第4部分192Bを形成する。
次に、シートバック表皮SK2の製造方法について説明する。
図17(a)に示すように、第1表皮材211と第1外側スラブ221を重ねて縫合することで、第1外側表皮部251を形成する。また、第2表皮材212と第2外側スラブ222を重ねて縫合することで、第2外側表皮部252を形成する。また、第3表皮材213と第3外側スラブ223をそれぞれ重ねて縫合することで、第3外側表皮部253を形成する。
次に、図17(b)に示すように、第2外側表皮部252と第2内側スラブ242を重ねる(第2重畳工程)。そして、第2外側表皮部252と第2内側スラブ242の下端部同士を、第2スリット244よりも下側の位置で縫合する。
次に、図18(a)に示すように、ヒータ230の第1発熱部230Aと第1内側スラブ241を重ねて、第1発熱部230Aを第1内側スラブ241の表側に配置する(第1配置工程)。そして、第1布部231Aと第1内側スラブ241とを縫い合わせて第1仮縫合部281を形成する(第1仮縫合工程)。
次に、図18(b)に示すように、接続部230Cを第1内側スラブ241の第1スリット243に通す(挿通工程)。
次に、図19(a)に示すように、第1外側表皮部251と第1内側スラブ241を重ねることで、第1発熱部230Aを第1外側表皮部251と第1内側スラブ241の間に配置する(第1重畳工程)。
そして、第1外側表皮部251と第1内側スラブ241を縫合する。詳しくは、まず、接続部230Cを折り返して第2発熱部230Bを第1内側スラブ241の裏側に配置する。そして、第2発熱部230Bを縫合ライン上から退かせて、破線の矢印で示すように、第1外側表皮部251と第1内側スラブ241の左右および上下の端部同士を連続して縫合する。なお、このとき、ヒータ230の第1布部231Aの左右の端部などを第1外側表皮部251および第1内側スラブ241とともに縫合してもよい。
次に、図19(b)に示すように、重ねられた状態の第1外側表皮部251および第1内側スラブ241、重ねられた状態の第2外側表皮部252および第2内側スラブ242、並びに、第3外側表皮部253を、トリムコード271A,271B,272(図9参照。図19では図示省略)とともに、連続して縫い合わせて第1本縫合部291を形成する(縫合工程)。
詳しくは、まず、第2発熱部230Bを縫合ライン上から退かせて、第1外側表皮部251および第1内側スラブ241の左右一方の端部と、左右一方の第3外側表皮部253とを上下に沿って縫い合わせ、一方の第2部分291Bを形成する。次に、第1外側表皮部251および第1内側スラブ241の上端部と、第2外側表皮部252および第2内側スラブ242の下端部とを、第1スリット243と第2スリット244の間の位置で左右に沿って連続して縫い合わせ、第1部分291Aを形成する。そして、第2発熱部230Bを縫合ライン上から退かせて、第1外側表皮部251および第1内側スラブ241の左右他方の端部と、左右他方の第3外側表皮部253とを上下に沿って縫い合わせ、他方の第2部分291Bを形成する。
次に、図20(a)に示すように、第2発熱部230Bを第2スリット244に通して第2内側スラブ242と第2外側表皮部252の間に配置する(第2配置工程)。
次に、図20(b)に示すように、第2布部231Bと第2内側スラブ242とを縫い合わせて第2仮縫合部282を形成する(第2仮縫合工程)。なお、このとき、第2外側表皮部252を一緒に縫ってもよい。
そして、図20(c)に示すように、第2外側表皮部252および第2内側スラブ242と、第3外側表皮部253とを連続して縫い合わせて第2本縫合部292を形成する。
以上説明した本実施形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
外側表皮部151,152,251,252と内側スラブ141,142,241,242の、ヒータ130,230の接続部130C,230Cと重なる部分を左右に連続して縫い合わせることで、外側表皮部151,152,251,252と内側スラブ141,142,241,242とが、接続部130C,230Cが配置される範囲で左右に連続する第1本縫合部191,291(第1部分191A,291A)により結合されている。これにより、縫い合わせた部分を含む吊り込み部163,262をシートパッドPの吊り込み溝50,60に入れた際にシート表皮SKの浮きや凹みを抑制することができるので、車両用シートSの見た目を良くすることができる。
なお、シート表皮を構成する部材を、ヒータの接続部を避けるように不連続に縫合した場合には、シート表皮をシートパッドの吊り込み溝に吊り込んだ際に縫合されていない部分が変形して、シート表皮の表面に浮きや凹みが発生する可能性がある。このような浮きや凹みが発生すると、車両用シートの表面に不要な凹凸ができてしまうことになるので、車両用シートの見た目が悪くなる可能性がある。
また、本実施形態によれば、ヒータ130,230の接続部130C,230Cが発熱部130A,130B,230A,230Bの幅内に位置するので、1枚の布状の素材からヒータ130,230の基材であるヒータ基布131,231を効率良く取ることができる。これにより、シート表皮SKの生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
また、ヒータ130,230の第1布部131A,231Aと第1内側スラブ141,241が縫い合わせられ、本縫合部191,192,291,292とは異なる第1仮縫合部181,281で結合されているので、第1仮縫合部181,281によりヒータ130,230の第1発熱部130A,230Aを第1内側スラブ141,241や、第1内側スラブ141,241と結合される第1外側表皮部151,251に対して固定することができる。これにより、第1発熱部130A,230Aのずれを抑制することができる。
同様に、第2布部131B,231Bと第2内側スラブ142,242が縫い合わせられ、本縫合部191,192,291,292とは異なる第2仮縫合部182,282で結合されているので、第2仮縫合部182,282によりヒータ130,230の第2発熱部130B,230Bを第2内側スラブ142,242や、第2内側スラブ142,242と結合される第2外側表皮部152,252に対して固定することができる。これにより、第2発熱部130B,230Bのずれを抑制することができる。
また、シートクッション表皮SK1の仮縫合部181,182が所定の間隔をあけて複数形成されているので、ヒータ130の発熱部130A,130Bを内側スラブ141,142に対して固定するのに、例えば、布部131A,131Bの略全周を内側スラブ141,142に縫い付ける必要がなく、必要な箇所だけを縫い付ければ済む。これにより、シート表皮SKの製造コストを抑制することができる。また、仮縫合部181,182が断続的に形成されているので、内側スラブ141,142の変形がヒータ130のヒータ基布131によって阻害されにくいので、ヒータ130を備えるシートクッション表皮SK1の変形のしやすさをより向上させることができる。これにより、シート表皮SKが被せられた車両用シートSの座り心地を向上させることができる。
また、第1スリット143,243が、第1孔部143A,243Aから第1内側スラブ141,241の縁まで延びる第2孔部143B,243Bを有するので、ヒータ130,230の接続部130C,230Cを第1スリット143,243に簡単に通すことができる。これにより、シート表皮SKの生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
また、ヒータ130,230が左右に並んだ複数の接続部130C,230Cを有する
ので、例えば、シートパッドPの、複数の接続部130C,230Cの間に対応するスペースに、空気を流すための通気路を設けたり、電線を配置したりすることができる。これにより、車両用シートS内のスペースを有効に利用することができる。
また、接続部130C,230Cがヒータ基布131,231の一部とヒータ線132,232の一部だけからなるので、接続部130C,230Cを薄くすることができる。これにより、接続部130C,230Cを吊り込み部163,262とともにシートパッドPの吊り込み溝50,60に入れた際にシート表皮SKの浮き等を抑制することができるので、車両用シートSの見た目を良くすることができる。
また、各表皮部を連続して縫って略U字形状をなす第1本縫合部191,291を形成することにより、第1外側表皮部151,251、第1内側スラブ141,241、第2外側表皮部152,252、第2内側スラブ142,242および第3外側表皮部153,253をまとめて結合することができる。これにより、シート表皮SKの生産性を向上させたり、製造コストを抑制したりすることができる。
また、ヒータ130,230が外側表皮部151,152,251,252(意匠面)の輪郭の内側の位置で仮縫合部181,182,281,282によって内側スラブ141,142,241,242に留められているので、外側表皮部151,152,251,252や内側スラブ141,142,241,242の変形がヒータ130,230によって阻害されにくい。これにより、ヒータ130,230を備えるシート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。
また、ヒータ130,230が内側スラブ141,142,241,242の輪郭の内側の位置で内側スラブ141,142,241,242に留められているので、内側スラブ141,142,241,242の変形がヒータ130,230によって阻害されにくい。これにより、シート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。
また、ヒータ130,230が本縫合部191,192,291,292の内側の位置で内側スラブ141,142,241,242に留められているので、外側表皮部151,152,251,252や内側スラブ141,142,241,242の変形がヒータ130,230によって阻害されにくい。これにより、シート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。
また、ヒータ130,230が、内側スラブ141,142,241,242に留められ、外側表皮部151,152,251,252には直接留められていないので、外側表皮部151,152,251,252の変形がヒータ130,230によって阻害されにくい。これにより、シート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。
また、第1発熱部130A,230Aが第1内側スラブ141,241の輪郭の内側の位置で第1内側スラブ141,241に留められているので、第1内側スラブ141,241の変形が第1発熱部230Aによって阻害されにくい。また、第2発熱部130B,230Bが第2内側スラブ142,242の輪郭の内側の位置で第2内側スラブ142,242に留められているので、第2内側スラブ142,242の変形が第2発熱部230Bによって阻害されにくい。これにより、シート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。
次に、参考形態について説明する。なお、以下では、先に説明した実施形態と同様の点については、例えば、同様の構成要素に同一の符号を付すなどして適宜説明を省略し、先に説明した実施形態と異なる点について詳細に説明する。
シートに備えられるヒータは変形しにくいため、ヒータを備えるシート表皮の変形のしやすさを向上できることが望まれる。そこで、ここでは、ヒータを備えるシート表皮の変形のしやすさを向上させることを目的とする。
図21に示すように、シートバック表皮SK2は、表皮材210と、スラブ420と、面状のヒータ230とを備えている。表皮材210は、「外側表皮材」に相当し、スラブ420は、「内側表皮材」に相当する。
表皮材210は、第1表皮材211と、第2表皮材212と、一対の第3表皮材213とを有している。すなわち、表皮材210は、第1表皮材211と、第2表皮材212とを含む構成である。第1表皮材211は、「第1外側表皮材」に相当し、第2表皮材212は、「第2外側表皮材」に相当する。図23に示すように、第1表皮材211は、横吊り込み部262から下方に延びてシートバック表皮SK2の表面を構成する。また、第2表皮材212は、横吊り込み部262から上方に延びて第1表皮材211とともにシートバック表皮SK2の表面を構成する。図21に戻り、第3表皮材213は、第1表皮材211の左右方向における両側に配置されている。
スラブ420は、表皮材210の裏側に配置される部材であり、ウレタンフォームからなる。スラブ420は、第1表皮材211の裏側に配置される第1スラブ421と、第2表皮材212の裏側に配置される第2スラブ422と、第3表皮材213の裏側に配置される一対の第3スラブ423とを有している。すなわち、スラブ420は、第1スラブ421と、第2スラブ422とを含む構成である。第1スラブ421は、「第1内側表皮材」に相当し、第2スラブ422は、「第2内側表皮材」に相当する。一例として、スラブ420の厚みは、10mmである。
ヒータ230は、スラブ420の裏側に配置される。詳しくは、ヒータ230は、第1スラブ421の裏側に配置される第1発熱部230Aと、第2スラブ422の裏側に配置される第2発熱部230Bと、第1発熱部230Aと第2発熱部230Bを接続する2つの接続部230Cとを有している。
図22(a)に示すように、シートバック表皮SK2は、吊り込み部260を有し、吊り込み部260は、一対の縦吊り込み部261と、横吊り込み部262とを有している。
縦吊り込み部261は、重ねられた状態の第1表皮材211および第1スラブ421と、重ねられた状態の第3表皮材213および第3スラブ423とが、トリムコード271A,271Bとともに、第1本縫合部291の第2部分291Bにより互いに結合されて形成されている。また、横吊り込み部262は、重ねられた状態の第1表皮材211および第1スラブ421と、重ねられた状態の第2表皮材212および第2スラブ422とが、トリムコード272とともに、第1本縫合部291の第1部分291Aにより互いに結合されて形成されている。
表皮材210とスラブ420は、スラブ420の輪郭に沿って結合された本縫合部291,292により結合されている。詳しくは、第1表皮材211と第1スラブ421は、第1スラブ421の左右および上の輪郭に沿って結合された第1本縫合部291により結合され、第2表皮材212と第2スラブ422は、第2スラブ422の左右および上下の輪郭に沿って結合された第2本縫合部292により結合されている。本形態において、本縫合部291,292は、「結合部」に相当する。
本形態において、第1本縫合部291の第1部分291Aは、第1表皮材211、第1スラブ421、第2表皮材212および第2スラブ422を結合する部分であり、左右に延びている。また、第2部分291Bは、第1表皮材211、第1スラブ421、第3表皮材213および第3スラブ423を結合する部分であり、上下に延びている。また、第2本縫合部292の第3部分292Aは、第2表皮材212および第2スラブ422の左端部、上端部および右端部を結合する部分であり、第4部分292Bは、第2表皮材212および第2スラブ422の下端部の左右の部分と、左右の第3表皮材213および第3スラブ423の上端部を結合する部分である。
ヒータ230は、表皮材210およびスラブ420の輪郭の内側の位置でタグピン80によってスラブ420に留められている。
図22(b)に示すように、タグピン80は、衣類などの商品にタグを取り付ける場合などに使用されるものと同様の部材であり、軸部81と、軸部81の両端部に設けられた抜け止め部82とを有している。タグピン80は、軸部81がヒータ230のヒータ基布231とスラブ420とを貫通し、一方の抜け止め部82がヒータ基布231の裏側に配置され、他方の抜け止め部82がスラブ420の表側に配置されることで、ヒータ230をスラブ420に留めている。このようなタグピン80は、図示しないタグガンを用いて容易に取り付けることができる。タグピン80(軸部81)は、ヒータ線232(図21参照)と異なる位置に配置されている。
図22(a)に戻り、ヒータ230は、第1発熱部230A(第1布部231A)が、第1表皮材211および第1スラブ421の輪郭の内側の位置でタグピン80によって第1スラブ421に留められ、第2発熱部230B(第2布部231B)が、第2表皮材212および第2スラブ422の輪郭の内側の位置でタグピン80によって第2スラブ422に留められている。
さらに説明すると、ヒータ230は、本縫合部291,292の内側の位置でタグピン80によってスラブ420に留められている。詳しくは、第1発熱部230Aは、略U字形状の第1本縫合部291の内側の位置でタグピン80によって第1スラブ421に留められている。また、第2発熱部230Bは、第2本縫合部292の内側の位置でタグピン80によって第2スラブ422に留められている。
また、ヒータ230は、タグピン80によってスラブ420に留められ、表皮材210には直接留められていない。詳しくは、第1発熱部230Aは、タグピン80によって第1スラブ421に留められ、第1表皮材211には直接留められていない。また、第2発熱部230Bは、タグピン80によって第2スラブ422に留められ、第2表皮材212には直接留められていない。
ヒータ230とスラブ420を留める部分は、所定の間隔をあけて複数が断続的に形成されている。すなわち、タグピン80は、所定の間隔をあけて複数が断続的に配置されている。
詳しくは、第1発熱部230Aにおいて、タグピン80は、第1布部231Aの四隅に1つずつ配置されている。そして、第1布部231Aの上端部に配置された2つのタグピン80は、左右方向に所定の間隔をあけて配置され、第1布部231Aの下端部に配置された2つのタグピン80は、左右方向に所定の間隔をあけて配置されている。また、別の言い方をすると、第1布部231Aの左端部に配置された2つのタグピン80は、上下方向に所定の間隔をあけて配置され、第1布部231Aの右端部に配置された2つのタグピン80は、上下方向に所定の間隔をあけて配置されている。第2発熱部230Bにおいても同様である。
次に、本形態に係るシートバック表皮SK2の製造方法について説明する。
図24(a)に示すように、まず、ヒータ230の第1発熱部230Aを、第1スラブ421の裏側に配置する。そして、第1発熱部230A(第1布部231A)を、タグピン80によって第1スラブ421の輪郭の内側の位置で第1スラブ421に留める(第1留め工程)。
次に、図24(b)に示すように、第1発熱部230Aが留められた第1スラブ421を、第1表皮材211の裏側に配置する。そして、第1表皮材211と第1スラブ421を、第1表皮材211の輪郭に沿って結合する(第1結合工程)。詳しくは、まず、接続部230Cを折り返して第2発熱部230Bを第1発熱部230Aの裏側に配置する。そして、第2発熱部230Bを縫合ライン上から退かせて、破線の矢印で示すように、第1表皮材211と第1スラブ421の左右および上下の端部同士を縫合する。
また、図25(a)に示すように、後述する第2結合工程の前に以下の工程を行う。すなわち、第2スラブ422を第2表皮材212の裏側に配置し、第2表皮材212と第2スラブ422の、第1表皮材211および第1スラブ421に隣接する側の端部同士を結合する(第3結合工程)。具体的には、第2表皮材212と第2スラブ422の下端部同士を縫合する。また、第3スラブ423を、第3表皮材213の裏側に配置し、第3表皮材213と第3スラブ423を、第3表皮材213の輪郭に沿って結合する。具体的には、第3表皮材213と第3スラブ423を、第3表皮材213の輪郭に沿って縫合する。
そして、図25(b)に示すように、第2発熱部230Bを第1発熱部230Aの裏側に配置した状態で、結合された第1表皮材211および第1スラブ421と、第2表皮材212および第2表皮材212の裏側に配置された第2スラブ422と、結合された第3表皮材213および第3スラブ423とを結合する(第2結合工程)。
詳しくは、まず、第2発熱部230Bを縫合ライン上から退かせて、第1表皮材211および第1スラブ421の左右一方の端部と、左右一方の第3表皮材213および第3スラブ423とを上下に沿って縫い合わせ、一方の第2部分291Bを形成する。次に、第1表皮材211および第1スラブ421の上端部と、第2表皮材212および第2スラブ422の下端部とを左右に沿って縫い合わせ、第1部分291Aを形成する。そして、第2発熱部230Bを縫合ライン上から退かせて、第1表皮材211および第1スラブ421の左右他方の端部と、左右他方の第3表皮材213および第3スラブ423とを上下に沿って縫い合わせ、他方の第2部分291Bを形成する。
次に、図26(a)に示すように、第2発熱部230Bを、第2スラブ422の裏側に配置する。そして、第2発熱部230Bと第2スラブ422を裏側に向けて持ち上げたり、第2表皮材212を表側に向けてめくったりして、第2発熱部230B(第2布部231B)を、タグピン80によって第2スラブ422の輪郭の内側の位置で第2スラブ422に留める(第2留め工程)。このとき、第2発熱部230Bは、第2表皮材212には留められない。
そして、第2留め工程の後に、図26(b)に示すように、第2表皮材212と第2スラブ422を、第2表皮材212の輪郭に沿って結合する(第4結合工程)。詳しくは、まず、第2表皮材212および第2スラブ422と、左右一方の第3表皮材213および第3スラブ423とを縫い合わせ、一方の第4部分292Bを形成する。そして、第2表皮材212と第2スラブ422とを第2表皮材212の輪郭に沿って略U字形状に縫い合わせ、第3部分292Aを形成する。その後、第2表皮材212および第2スラブ422と、左右他方の第3表皮材213および第3スラブ423とを縫い合わせ、他方の第4部分292Bを形成する。
以上説明した形態によれば、次のような作用効果を得ることができる。
ヒータ230が表皮材210(意匠面)の輪郭の内側の位置でスラブ420に留められているので、ヒータ230が表皮材210の輪郭に沿って留められる場合と比較して、表皮材210やスラブ420の変形がヒータ230によって阻害されにくい。そのため、ヒータ230を備えるシートバック表皮SK2(シート表皮SK)の変形のしやすさを向上させることができる。これにより、シート表皮SKが被せられた車両用シートSの座り心地を向上させることができる。
また、ヒータ230がスラブ420の輪郭の内側の位置でスラブ420に留められているので、ヒータ230がスラブ420の輪郭に沿って留められる場合と比較して、スラブ420の変形がヒータ230によって阻害されにくい。そのため、シート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。これにより、シート表皮SKが被せられた車両用シートSの座り心地を向上させることができる。
また、ヒータ230が、本縫合部291,292よりもスラブ420の内側の位置でスラブ420に留められているので、表皮材210やスラブ420の変形がヒータ230によって阻害されにくい。そのため、シート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。これにより、シート表皮SKが被せられた車両用シートSの座り心地を向上させることができる。
また、ヒータ230が、スラブ420に留められ、表皮材210には直接留められていないので、表皮材210の変形がヒータ230によって阻害されにくい。そのため、シート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。これにより、シート表皮SKが被せられた車両用シートSの座り心地を向上させることができる。
また、ヒータ230とスラブ420を留める部分が断続的に形成されているので、ヒータ230とスラブ420を留める部分が連続的に形成されている場合と比較して、スラブ420の変形がヒータ230によって阻害されにくい。これにより、ヒータ230を備えるシートバック表皮SK2の変形のしやすさをより向上させることができる。
また、ヒータ230がタグピン80によってスラブ420に留められているので、ヒータ230とスラブ420を容易に留めることができる。これにより、シート表皮SKの生産性を向上させることができる。
また、第1発熱部230Aが第1スラブ421の輪郭の内側の位置で第1スラブ421に留められていることで、第1発熱部230Aが対応する第1スラブ421の輪郭に沿って留められる場合と比較して、第1スラブ421の変形が第1発熱部230Aによって阻害されにくい。また、第2発熱部230Bが第2スラブ422の輪郭の内側の位置で第2スラブ422に留められているので、第2発熱部230Bが対応する第2スラブ422の輪郭に沿って留められる場合と比較して、第2スラブ422の変形が第2発熱部230Bによって阻害されにくい。これにより、ヒータ230を備えるシート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。
また、前述した、第1留め工程と、第1結合工程と、第2結合工程と、第2留め工程とを含む製造方法によれば、第1スラブ421の変形がヒータ230の第1発熱部230Aによって阻害されにくいシート表皮SKを製造できるので、ヒータ230を備えるシート表皮SKの変形のしやすさを向上させることができる。これにより、シート表皮SKが被せられた車両用シートSの座り心地を向上させることができる。
また、前述した第3結合工程を含むことで、第2結合工程の前に第2スラブ422と第2表皮材212とを予め結合しておくことができるので、第2結合工程の際に第2スラブ422と第2表皮材212とがずれにくくなる。これにより、シート表皮SKの生産性を向上させることができる。
また、前述した第4結合工程を含むことで、第2スラブ422の変形がヒータ230の第2発熱部230Bによって阻害されにくくなるので、ヒータ230を備えるシート表皮SKの変形のしやすさをより向上させることができる。
なお、本形態では、一例として、シートバック表皮SK2の構成について説明したが、これに限定されず、シートクッション表皮SK1を本形態のシートバック表皮SK2と同様の構成としてもよい。
本発明は前記した形態に限定されるものではなく、適宜変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態では、シートバック表皮SK2の仮縫合部281,282が連続的に形成されていたが、これに限定されず、シートクッション表皮SK1の仮縫合部181,182と同様に、所定の間隔をあけて複数形成されていてもよい。また、シートクッション表皮SK1の仮縫合部が、シートバック表皮SK2の仮縫合部281,282と同様に、連続的に形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、ヒータ130の第1布部131Aと第1内側スラブ141、および、第2布部131Bと第2内側スラブ142の両方が仮縫合部181,182(第2縫合部)で結合されていたが、これに限定されない。例えば、第1布部131Aと第1内側スラブ141、および、第2布部131Bと第2内側スラブ142の一方が仮縫合部(第2縫合部)で結合され、他方が本縫合部で結合されていてもよい。この場合、第1仮縫合工程および第2仮縫合工程の一方を省略することができる。また、第1布部131Aと第1内側スラブ141、および、第2布部131Bと第2内側スラブ142の両方が、仮縫合部ではなく、本縫合部で結合されていてもよい。この場合、第1仮縫合工程および第2仮縫合工程の両方を省略することができる。シートバック表皮SK2についても同様である。
また、前記実施形態では、第1布部131Aと第1内側スラブ141、および、第2布部131Bと第2内側スラブ142が仮縫合部181,182(第2縫合部)によって結合されていたが、これに限定されず、タグピンによって留められていてもよい。例えば、図27に示すように、シートクッション表皮SK1は、第1布部131Aの四隅がタグピン80によって第1内側スラブ141に留められ、第2布部131Bの四隅がタグピン80によって第2内側スラブ142に留められていてもよい。また、図28に示すように、シートバック表皮SK2は、第1布部231Aの四隅がタグピン80によって第1内側スラブ241に留められ、第2布部231Bの四隅がタグピン80によって第2内側スラブ242に留められていてもよい。なお、タグピン80の数や配置などは、適宜変更してもよい。
このように、第1布部と第1内側表皮部、および/または、第2布部と第2内側表皮部は、第2縫合部や、タグピンによって留められた部分を含む、本縫合部とは異なる留め部で結合されていてもよい。また、留め部は、所定の間隔をあけて複数が断続的に形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、第1スリット143,243(第1挿通孔)は、第2孔部143B,243Bが第1孔部143A,243Bの左右方向中央付近から第1内側スラブ141,241の縁まで延びる略T字形状であったが、これに限定されない。例えば、第1挿通孔は、第2孔部が第1孔部の左または右の端から第1内側スラブの縁まで延びる略L字形状であってもよい。
また、前記実施形態では、ヒータ130,230が2つの接続部130C,230Cを有していたが、これに限定されず、接続部は、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、接続部を通す第1挿通孔は、接続部に対応して、接続部と同数設けることができる。また、接続部が1つである場合に限らず、接続部が複数である場合に、第1挿通孔を1つだけ設ける構成としてもよい。
また、前記実施形態では、表皮材110,210(表側部材および外側表皮材)が皮革からなる構成であったが、これに限定されず、例えば、布地などからなる構成であってもよい。裏側部材、第1内側表皮部、第2内側表皮部および内側表皮材についても同様であり、例えば、ウレタンフォーム以外の発泡弾性体などからなる構成であってもよい。また、前記実施形態では、外側表皮部が、表皮材(表側部材)と外側スラブ(裏側部材)とを有する2層構造であったが、これに限定されず、外側表皮部は、例えば、3層以上の層を有する構造であってもよいし、1層構造であってもよい。
また、前記実施形態では、左右方向が「第1方向」であったが、これに限定されず、例えば、シートクッションについて前後方向が「第1方向」であってもよいし、シートバックについて上下方向が「第1方向」であってもよい。
また、前記実施形態では、シートとして自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、これに限定されず、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載されるシートであってもよい。また、シートは、乗物用シートに限定されず、例えば、家庭で使用されるシートや、施設に設置されるシートなどであってもよい。
また、前記した形態および変形例で説明した各要素は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
50,60 吊り込み溝
111,211 第1表皮材
112,212 第2表皮材
121,221 第1外側スラブ
122,222 第2外側スラブ
130,230 ヒータ
130A,230A 第1発熱部
130B,230B 第2発熱部
130C,230C 接続部
131,231 ヒータ基布
131A,231A 第1布部
131B,231B 第2布部
132,232 ヒータ線
141,241 第1内側スラブ
142,242 第2内側スラブ
143,243 第1スリット
143A,243A 第1孔部
143B,243B 第2孔部
144,244 第2スリット
151,251 第1外側表皮部
152,252 第2外側表皮部
153A サイド部
163 第2横吊り込み部
181,281 第1仮縫合部
182,282 第2仮縫合部
191,291 第1本縫合部
191A,291A 第1部分
191B,291B 第2部分
253 第3外側表皮部
262 横吊り込み部
F シートフレーム
P シートパッド
S 車両用シート
SK シート表皮

Claims (12)

  1. シートパッドに形成された吊り込み溝に吊り込まれる第1方向に延びる吊り込み部を有し、前記シートパッドを覆うシート表皮であって、
    前記吊り込み部から前記第1方向に直交する第2方向の一方に延びてシート表皮の表面を構成する第1外側表皮部と、
    前記吊り込み部から前記第2方向の他方に延びて前記第1外側表皮部とともにシート表皮の表面を構成する第2外側表皮部と、
    前記第1外側表皮部の裏側に配置される第1内側表皮部と、
    前記第2外側表皮部の裏側に配置される第2内側表皮部と、
    前記第1外側表皮部と前記第1内側表皮部の間に配置される第1発熱部と、前記第2外側表皮部と前記第2内側表皮部の間に配置される第2発熱部と、前記第1発熱部と前記第2発熱部を接続する接続部であって、前記第1発熱部および前記第2発熱部の前記第1方向の幅内に位置する接続部とを有する面状のヒータと、を備え、
    前記第1内側表皮部は、前記接続部を通す第1挿通孔を有し、
    前記第2内側表皮部は、前記接続部を通す、前記第1方向に連続して延びる第2挿通孔を有し、
    前記吊り込み部は、重ねられた状態の前記第1外側表皮部および前記第1内側表皮部と、重ねられた状態の前記第2外側表皮部および前記第2内側表皮部とが、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔との間で第1縫合部により結合され、
    前記第1縫合部は、前記第1方向における前記接続部が配置される範囲で前記第1方向に連続していることを特徴とするシート表皮。
  2. 前記ヒータは、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、
    前記ヒータ基布は、前記第1発熱部を構成する第1布部と、前記第2発熱部を構成する第2布部とを含み、
    前記第1布部と前記第1内側表皮部、および/または、前記第2布部と前記第2内側表皮部は、前記第1縫合部とは異なる第2縫合部で結合されていることを特徴とする請求項1に記載のシート表皮。
  3. 前記第2縫合部は、所定の間隔をあけて複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシート表皮。
  4. 前記第1挿通孔は、前記第1方向に延びる第1孔部と、前記第1孔部から前記第1内側表皮部の縁まで前記第2方向に延びる第2孔部とを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート表皮。
  5. 前記ヒータは、前記第1方向に並んだ複数の前記接続部を有し、
    前記接続部は、前記吊り込み部とともに前記吊り込み溝に入る部分であり、
    前記第1内側表皮部は、複数の前記接続部に対応して設けられた複数の前記第1挿通孔を有することを特徴とする請求項4に記載のシート表皮。
  6. 前記ヒータは、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、
    前記接続部は、前記吊り込み部とともに前記吊り込み溝に入る部分であり、前記ヒータ基布の一部と前記ヒータ線の一部だけからなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシート表皮。
  7. 前記第1外側表皮部および前記第1内側表皮部の前記第1方向における両側に配置される一対の第3表皮部を備え、
    前記第1縫合部は、前記第1外側表皮部、前記第1内側表皮部、前記第2外側表皮部および前記第2内側表皮部を結合する第1部分と、前記第1外側表皮部、前記第1内側表皮部および前記第3表皮部を結合する一対の第2部分とが連続して略U字形状をなしていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシート表皮。
  8. 前記第1外側表皮部および前記第2外側表皮部は、シート表皮の表面を構成する表側部材と、前記表側部材の裏側に配置される裏側部材とを有し、
    前記裏側部材、前記第1内側表皮部および前記第2内側表皮部は、発泡弾性体からなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のシート表皮。
  9. シートフレームと、
    前記吊り込み溝を有し、前記シートフレームを覆うシートパッドと、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のシート表皮と、を備えることを特徴とするシート。
  10. シートパッドに形成された吊り込み溝に吊り込まれる第1方向に延びる吊り込み部を有し、前記シートパッドを覆うシート表皮であり、
    前記吊り込み部から前記第1方向に直交する第2方向の一方に延びてシート表皮の表面を構成する第1外側表皮部と、
    前記吊り込み部から前記第2方向の他方に延びて前記第1外側表皮部とともにシート表皮の表面を構成する第2外側表皮部と、
    前記第1外側表皮部の裏側に配置される第1内側表皮部と、
    前記第2外側表皮部の裏側に配置される第2内側表皮部と、
    前記第1外側表皮部と前記第1内側表皮部の間に配置される第1発熱部と、前記第2外側表皮部と前記第2内側表皮部の間に配置される第2発熱部と、前記第1発熱部と前記第2発熱部を接続する接続部であって、前記第1発熱部および前記第2発熱部の前記第1方向の幅内に位置する接続部とを有する面状のヒータと、を備え、
    前記第1内側表皮部が、前記接続部を通す第1挿通孔を有し、
    前記第2内側表皮部が、前記接続部を通す、前記第1方向に連続して延びる第2挿通孔を有する、シート表皮の製造方法であって、
    前記第1発熱部を前記第1内側表皮部の表側に配置する第1配置工程と、
    前記接続部を前記第1挿通孔に通す挿通工程と、
    前記第1外側表皮部と前記第1内側表皮部を重ねることで、前記第1発熱部を前記第1外側表皮部と前記第1内側表皮部の間に配置する第1重畳工程と、
    前記第2外側表皮部と前記第2内側表皮部を重ねる第2重畳工程と、
    前記接続部を折り返して前記第2発熱部を前記第1内側表皮部の裏側に配置し、重ねられた状態の前記第1外側表皮部および前記第1内側表皮部と、重ねられた状態の前記第2外側表皮部および前記第2内側表皮部とを、前記第1挿通孔と前記第2挿通孔の間の位置で前記第1方向に連続して縫い合わせる縫合工程と、
    前記第2発熱部を前記第2挿通孔に通して前記第2内側表皮部と前記第2外側表皮部の間に配置する第2配置工程と、を含むことを特徴とするシート表皮の製造方法。
  11. 前記ヒータが、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、
    前記ヒータ基布が、前記第1発熱部を構成する第1布部を含む構成で、
    前記第1配置工程の後であって前記第1重畳工程の前に、前記第1布部と前記第1内側表皮部とを縫い合わせる第1仮縫合工程を含むことを特徴とする請求項10に記載のシート表皮の製造方法。
  12. 前記ヒータが、ヒータ基布と、前記ヒータ基布に支持されるヒータ線と、を備え、
    前記ヒータ基布が、前記第2発熱部を構成する第2布部を含む構成で、
    前記第2配置工程の後、前記第2布部と少なくとも前記第2内側表皮部とを縫い合わせる第2仮縫合工程を含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載のシート表皮の製造方法。
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