JP7362820B1 - モータカバー - Google Patents
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Abstract
Description
鞍乗型車両は、ユニットスイング式の自動二輪車であり、車体フレームに前端を軸支されて後方に延びるスイングフレームの後端に後輪が軸支される。
ステータコアは、ボルトによりスイングフレームのメインアームに固定され、ロータの回転軸がモータの回転駆動軸であり、メインアームに回転自在に軸支される。
該モータカバーは、モータの外周と側方を覆う有底円筒状の鋳造品である。
しかし、出力増加などによりモータが大型化すると、発熱量も多くなるため、より冷却性能の向上が要求されている。
ステータコアにインシュレータを介して巻き付けられたステータコイルが周方向に複数配列されて環状に構成されたステータと、前記ステータの内側に磁石を保持して回転駆動軸とともに回転自在に軸支されたロータと、からなるモータを、前記回転駆動軸の軸方向の一方の側から覆うモータカバーであって、
前記ステータの外周を覆う周壁と前記ステータおよび前記ロータの軸方向外側を覆う側壁とからなり、
前記側壁の前記ステータコイルに対向する部分に肉厚を厚くした側壁厚肉部が形成されることを特徴とするモータカバーである。
前記側壁厚肉部の前記ステータコイルに対向する面には、リブが突出して形成される。
前記ステータコイルの温度を検出する温度センサが、前記ステータコイルの前記側壁厚肉部と対向する面に配設され、
前記リブのうち前記温度センサに対向する部分は、前記温度センサと干渉しないように、他の部分より突出長が短い。
前記ステータコイルの温度を検出する温度センサが、前記ステータコイルの前記側壁厚肉部と対向する面に配置され、
前記側壁厚肉部の前記温度センサに対向する箇所には、前記リブは設けられていない。
前記側壁厚肉部は周方向に連続して環状に形成され、
前記周壁に肉厚を厚くした周壁厚肉部が形成され、
前記周壁厚肉部は前記側壁厚肉部と連続している。
前記モータカバーを鋳造成形する際には、溶湯を流入する湯口部を前記周壁厚肉部に相当するキャビティに繋げる。
前記周壁厚肉部は、前記周壁の周方向複数個所で径方向に突出して形成された厚肉部で構成される。
前記モータは、前記回転駆動軸を車幅方向に指向させて車両に搭載され、
前記周壁厚肉部は、前記周壁のうち少なくとも車両進行方向前側に形成される。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係る鞍乗型車両である自動二輪車1の左側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、矢印FRは前方を,矢印RRは後方を、矢印LHは左方を,矢印RHは右方を示すものとする。
図1をおいて、自動二輪車1の車体フレーム2は、フロントフォーク10を回動可能に支承するヘッドパイプ3と、同ヘッドパイプ3から後下がりに延びるメインフレーム4と、ヘッドパイプ3の下部から下方に延びて下端で曲がって後方に延びた後に斜め後上方に延びる左右一対のダウンフレーム5と、メインフレーム4の中間部から斜め後上方に延びる左右一対のシートレール6とを備え、ダウンフレーム5の斜め後上方に延びる後側部位5rの下部にメインフレーム4の後端が連結し、後側部位5rの上端がシートレール6に連結している。
シートレール6にシート8が支持されている。
ヘッドパイプ3に支承されたフロントフォーク10の下端に前輪11が軸支され、フロントフォーク10の枢軸の上端に操向ハンドル12が設けられている。
スイングフレーム21の後端に後輪25が軸支される。
スイングフレーム21の後部に突設されたブラケット21bとシートレール6との間にはリヤクッション16が介装されている。
スイングフレーム21の下部には起伏可能にスタンド17が設けられている。
モータ30には、モータ出力軸である回転駆動軸45の軸方向外側(左側)から有底円筒状のモータカバー50が被せられる。
アームカバー22は、有底円筒状のモータカバー50に対応する部分に開口22hが形成されていて、アームカバー22をメインアーム21Mの左側開口に被せると、モータカバー50が開口22hから左方に突出する(図4参照)。
環状に構成されたステータ31の内側にロータ41が挿入されている。
ステータ31は、分割コア型であり、周方向に複数分割されて放射状に配列された複数のステータコア32の各々に、樹脂製の絶縁体であるボビン状のインシュレータ33を介してステータコイル34が巻き付けられている。
ステータコア32は、インシュレータ33より径方向外側に突出して円弧状をなす外側円弧状端部32aが形成されており、隣り合うステータコア32の外側円弧状端部32aどうしが結合して全体で円環状をなしている。
円環状に形成されるステータコア32の外側円弧状端部32aは、周方向6か所でボルト37によりメインアーム21Mに締結される(図3参照)。
図4を参照して、ロータ41は、回転駆動軸45の端部に円筒ボス部42を介して円環状のロータコア43が嵌着され、ロータコア43には周方向に間隔を存して磁石44が嵌装されている。
図4を参照して、回転駆動軸45の左端には、雄ねじが形成されていて、嵌入されたロータ41の円筒ボス部42を雄ねじに螺合したナット46がワッシャ47を介して締め付けて、ロータ41を回転駆動軸45に一体に締結する。
図示しないが、バッテリからの直流電力をインバータが三相交流電力に変換して、三相電線35によりモータ30のステータコイル34に三相交流電力を供給することで、モータ30を駆動する。
フランジ部33b,33cは、筒状部33aの開口端が外周に広がるように延出して矩形板状をなしている。
インシュレータ33の外側フランジ部33bは、筒状部33aに巻き付けられたステータコイル34の径方向外側端部に沿って接しており、インシュレータ33の内側フランジ部33cは、筒状部33aに巻き付けられたステータコイル34の径方向内側端面に沿って接している。
温度センサ60は、最下位のステータコア32にインシュレータ33の筒状部33aに巻き付けられたステータコイル34の左側面に沿って設けられている。
一方で、図3を参照して、メインアーム21Mの配置されたモータ30の周囲4か所にボルト締結穴21hが設けられている。
モータカバー50の円筒状の周壁51および円板状の側壁52のカバー中心軸Lcは、モータ30の回転駆動軸45の軸中心と略一致する。
図4を参照して、側壁52におけるステータ31の周方向に複数配列されたステータコイル34が対向する円環状部分に、肉厚を厚くした側壁厚肉部52Tが形成されている。
したがって、側壁厚肉部52Tは、図5に示されるように、周方向に連続してカバー中心軸Lcを中心とする周方向に連続した円環状を形成する(図5で散点模様が施されている)。
図6に示されるように、3条のリブ52a,52b,52cは、側壁52の裏面に形成される。
したがって、図4および図6に示されるように、3条のリブ52a,52b,52cのうち内側のリブ52aと外側のリブ52cの間のリブ52bと外側のリブ52cの下側の一部に、温度センサ60に干渉しないように、切欠き52bv,52cvが形成されて突出長が他の部分より短くなっている。
図5および図6を参照して、モータカバー50の周壁51には、その車両進行方向前側に周方向複数個所で径方向外側に突出して厚肉に形成された周壁厚肉部51Tが形成されている。
5つの周壁厚肉部51Tは厚肉のまま側壁52の前記側壁厚肉部52Tに連続している。
なお、図5および図6では、モータカバー50の肉厚を厚くした部分に散点模様を施している。
図5に示すように、散点模様が施された厚肉部分は、すべて連続している。
したがって、周壁51の車両進行方向前側に形成された5つの周壁厚肉部51Tは走行風を受けて放熱性が増す。
かかる放熱による冷却構造は、先行技術文献にも開示されているところであるが、本発明では、更なる冷却性能の向上を図ったものである。
図4および図5に示すように、モータカバー50は、側壁52のステータコイル34に対向する部分に肉厚を厚くした側壁厚肉部52Tが形成されるので、発熱したステータコイル34からの放射熱を、モータカバー50の側壁厚肉部52Tが効率良く吸収して外部に放熱することができ、高い冷却性能を有する。
温度センサやセンサ支持部材との干渉を容易に避けることができ、冷却性能の低下を抑制しながら、モータカバー50の軸方向の幅を抑えてモータ30の大型化を避けることができる。
なお、溶湯を流入する湯口部を側壁厚肉部52Tに相当するキャビティに繋げても、略同様の効果を有する。
20…パワーユニット、21…スイングフレーム、21M…メインアーム、21h…ボルト締結穴、22…アームカバー、23…動力伝達機構、25…後輪、26…後車軸、
30…モータ、31…ステータ、32…ステータコア、32a…外側円弧状端部、33…インシュレータ、33a…筒状部、33b…外側フランジ部、33c…内側フランジ部、34…ステータコイル、35…三相電線、37…ボルト、
41…ロータ、42…円筒ボス部、43…ロータコア、44…磁石、45…回転駆動軸、46…ナット、47…ワッシャ、
50…モータカバー、51…周壁、51b…締結ボス部、51T…周壁厚肉部、52…側壁、52T…側壁厚肉部、52a,52b,52c…リブ、55…ボルト、
60…温度センサ、70…センサ支持部材。
Claims (8)
- ステータコア(32)にインシュレータ(33)を介して巻き付けられたステータコイル(34)が周方向に複数配列されて環状に構成されたステータ(31)と、前記ステータ(31)の内側に磁石(44)を保持して回転駆動軸(45)とともに回転自在に軸支されたロータ(41)と、からなるモータ(30)を、前記回転駆動軸(45)の軸方向の一方の側から覆うモータカバー(50)であって、
前記ステータ(31)の外周を覆う周壁(51)と前記ステータ(31)および前記ロータ(41)の軸方向外側を覆う側壁(52)とからなり、
前記側壁(52)の前記ステータコイル(34)に対向する部分に肉厚を厚くした側壁厚肉部(52T)が形成されることを特徴とするモータカバー。 - 前記側壁厚肉部(52T)の前記ステータコイル(34)に対向する面には、リブ(52a,52b,52c)が突出して形成されることを特徴とする請求項1に記載のモータカバー。
- 前記ステータコイル(34)の温度を検出する温度センサ(60)が、前記ステータコイル(34)の前記側壁厚肉部(52T)と対向する面に配設され、
前記リブ(52a,52b,52c)のうち前記温度センサ(60)に対向する部分は、前記温度センサ(60)と干渉しないように、他の部分より突出長が短いことを特徴とする請求項2に記載のモータカバー。 - 前記ステータコイル(34)の温度を検出する温度センサ(60)が、前記ステータコイル(34)の前記側壁厚肉部(52T)と対向する面に配置され、
前記側壁厚肉部(52T)の前記温度センサ(60)に対向する箇所には、前記リブは設けられていないことを特徴とする請求項2に記載のモータカバー。 - 前記側壁厚肉部(52T)は周方向に連続して環状に形成され、
前記周壁に肉厚を厚くした周壁厚肉部(51T)が形成され、
前記周壁厚肉部(51T)は前記側壁厚肉部(52T)と連続していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のモータカバー。 - 前記モータカバー(50)を鋳造成形する際には、溶湯を流入する湯口部を前記周壁厚肉部(51T)に相当するキャビティに繋げることを特徴とする請求項5に記載のモータカバー。
- 前記周壁厚肉部(51T)は、前記周壁(51)の周方向複数個所で径方向外側に突出して厚肉に形成されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のモータカバー。
- 前記モータ(30)は、前記回転駆動軸(45)を車幅方向に指向させて車両に搭載され、
前記周壁厚肉部(51T)は、前記周壁(51)のうち少なくとも車両進行方向前側に形成されることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載のモータカバー。
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