JP7122200B2 - 外転型回転電機および巻上機 - Google Patents
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Description
そのため、回転電機においても小型化(高トルク密度化)が求められる。回転電機の高トルク密度化の手段の一つとして、外転型回転電機がある。外転型回転電機は、回転子が、固定子の外周側に配置されているため、回転子と固定子間の間隙(ギャップ)の半径を大きくできる。また、外転型回転電機は、回転子が外側にあるため1極分の周長が長くなり大きな磁石を配置できるという特徴がある。このため、外転型回転電機は、内転型回転電機に対し、高トルク密度化が可能となる。
しかし、外転型回転電機は、主な発熱源であるコイルが内径側に位置するため、コイルの配置スペースが小さくなることで放熱面積も小さくなり、回転電機内の温度が高くなる。よって、小型・軽量の外転型回転電機を実現するには、外転型回転電機の冷却性能向上が必要となる。
特許文献1の技術は、外転型回転電機において、固定子の内周側の空間に固定子で発生する熱を放熱するための放熱フィンを設けている。また、この内周側空間の空気を排気するため回転子の回転子フレーム内部に回転翼を設けている。この構成により、回転子内部の放熱を促進することができるため、冷却性能を向上させることができる。
また、特許文献2の技術は、特許文献1と同様に、外転型回転電機において、固定子の内周側の空間に固定子で発生する熱を伝導して放熱するための放熱フィンを設け、さらにこの内部空間内に回転軸と一緒に回転するファンを設けている。このような構成により、特許文献1と同様に、回転子内径側の放熱を促進することができるため、冷却性能を向上させることができる。
このように、特許文献1および2に記載された外転型回転電機の場合、組立前の加工および組立作業が大変であり、作業工数、作業時間がかかるという問題を残している。なお、フィンのフレームへの加圧が不十分であると、フィンとフレームとの間に空気層が形成され、熱抵抗が大きくなり十分な冷却性能を得られない可能性がある。
まず、図1~図3を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。図1は、本発明の第1の実施例における外転型回転電機を採用した巻上機の軸方向の半分の断面を示す図である。すなわち、図1では、軸の中心から上半分の断面図を示しており、下半分の断面の記載は省略している。図2は、本発明の第1の実施例における外転型回転電機の斜視図である。図3は、本発明の第1の実施例における外転型回転電機の放熱フィンの固定方法(取付け方法)を示す図である。
回転子5は、回転子コア2と、永久磁石3と、回転子フレーム4とで構成される。永久磁石3は、回転子コア2の内径側に取付けられている。
固定子9は、固定子コア6とコイル7と、固定子フレーム8とで構成されている。固定子フレーム8は、固定子コア6とコイル7を取付けており、回転子5の外周面を覆う部分を有している。固定子9の外周面と回転子5の内周側に取付けられている永久磁石3との間は、所定の間隙を設けて配置されている。
軸中心(図1の一点鎖線)に設けられた回転軸12と、回転子5の回転子フレーム4の軸側端部は回転軸12に固定されている。これにより、回転軸12と、回転子5とが一体として回転可能になっている。また、回転軸12は、固定子9の固定子フレーム8と軸受10を介して取付けられており、回転軸12は軸中心まわりに回転が可能になっている。固定子フレーム8は、回転子5の外周面を覆う部分も設けており、これにより回転電機内に塵埃(ごみや埃、鉄粉など)が入り込むことを防止している。
なお、図1の実施例では、軸受10の他に、回転を安定させるために補助軸受11を設けている。しかし、この補助軸受11は必ずしも必要ではなく、軸受10をより固定子9の軸方向中心側に配置しても良い。
このような構成により、固定子9の内径側空間部13の熱をフィン吸熱部16が吸熱し、固定子フレーム外面に配備されているフィン放熱部17に熱を伝導し外部空間に放熱する。これにより、固定子フレーム8の内部(内径側空間部13)の温度を低減させ、結果的に回転電機内部の温度を低減する(冷却する)ことができる。この放熱フィン15は、フィン放熱部17を有しているため、放熱面積が大きく、冷却能力は向上する。
なお、フィン吸熱部16は、熱伝導を効率良く行わせるために内部で固定子フレーム8と接触するように構成するのが好ましい。なお、この接触がなくても一定の冷却は可能である。また、フィン放熱部17もできるだけ固定子フレーム8と近接させ、接触するようにした方が固定子フレーム8の部分も冷却に使用できるので冷却性能が向上する。
そのため、固定子9の内面部の狭い空間における固定のための加工が不要となり、かつ狭い空間内における固定作業も不要になる。また、固定子フレーム8の外側の端面は平面であり加工が容易であり、確実に放熱フィン15を固定することができるので、冷却効果が高い。加えて、フィン放熱部17自体が大きな面積を有しているので、冷却能力は向上する。
また、本発明では、図に示した固定方法のみでなく、その他の方法でも良い。例えば、溶接や接着による固定方法なども使用可能である。つまり、放熱フィンを固定子フレームの外側面に確実に固定することができるものであればどのような手段でも使用することができる。
次に、図7により、本発明の第2の実施例を説明する。図7は、本発明の第2の実施例における外転型回転電機を採用した巻上機の軸方向の半分の断面を示す図である。図7の実施例の場合、基本的な構成は図1の場合と同じであり、同様の構成部分には同一の符号を用いて、その詳細な説明を省略する。図7の説明は、主に図1の実施例との差異部分を中心に説明する。図7の実施例と図1の実施例との大きな違いは、軸、固定子、および回転子の取付けの違いである。また、放熱フィンの構成にも違いがある。
次に、図8により、本発明の第3の実施例について説明する。図8は、本発明の第3の実施例における外転型回転電機の斜視図である。この図8の実施例の基本的な構成は、第1の実施例(図1~図3)と同様の構成である。図8についても、同様の構成部分には同一の符号を用い、その詳細な説明は省略する。図8の説明は、上述した実施例との差異部分を中心に説明する。
次に、図9により、本発明の第4の実施例を説明する。図9は、本発明の第4の実施例における外転型回転電機の斜視図である。上述の図8の場合と同様、基本的な構成は第1の実施例(図1~図3)、第2の実施例(図7)と同様の構成である。図9についても、同一または同様の機能を有する構成部分には同一の符号を用いて、その詳細な説明を省略する。図9の実施例の説明は、主に上述の実施例との差異部分を中心に説明する。
次に、図10により、本発明の第5の実施例を説明する。図10は、本発明の第5の実施例における外転型回転電機を採用した巻上機の軸方向の半分の断面図である。基本的な構成は第1の実施例(図1~図3)と同様の構成である。図10についても、同一または同様の機能を有する構成部分には同一の符号を用いて、その詳細な説明を省略する。図10の実施例の説明は、主に上述した実施例との差異部分を中心に説明する。
上記した本発明の実施例では、特許文献1に記載されたような送風翼や、特許文献2に記載されたようなファンを設けていないが、本発明は、このような回転翼や、ファンを設けても良い。上述した本発明の実施例において、さらに送風翼や、ファンを設けることにより、より一層冷却能力を向上させることができる。
Claims (14)
- 軸と、該軸の軸中心まわりに回転可能な回転子フレームと、該回転子フレームの内周側に取付けた回転子コアおよび永久磁石を備えた回転子と、前記軸のまわりに設け内径側に内径側空間部を有する固定子フレームと、前記永久磁石と所定の空隙を有して前記回転子の内径側に配置され前記固定子フレームに取付けられた固定子コアおよびコイルを備えた固定子と、前記内径側空間部に放熱フィンと、を有する外転型回転電機であって、
前記放熱フィンは、前記固定子フレームの前記内径側空間部から前記軸に平行に前記固定子フレームの外側の端面を超えて延伸するフィン吸熱部と前記フィン吸熱部の熱を前記固定子フレームの外側で放熱するフィン放熱部とが一体に形成されており、前記放熱フィンを固定子フレームの外側から前記内径側空間部に挿入し、該挿入された前記放熱フィンの前記フィン放熱部と前記固定子フレームの前記端面とを固定したことを特徴とする外転型回転電機。 - 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記固定はネジを用いて行う外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記外転型回転電機は全閉型である外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記軸は回転軸であり、前記回転子フレームは該回転軸まわりに固定され、前記固定子は前記回転軸の回転を可能にする軸受を有する外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記軸は固定軸であり、前記回転子フレームは該固定軸まわりを回転可能にする軸受を有する外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記放熱フィンの表面を粗面に加工した外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記放熱フィンは、複数枚のフィンが連結されたフィンユニットを構成している外転型回転電機。
- 請求項7に記載された外転型回転電機において、前記放熱フィンが前記固定子に放射状に配置され、前記固定子フレームの外側端面に固定されている外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記軸の前記軸中心から前記フィン吸熱部の端面までの位置よりも前記軸中心からフィン放熱部までの位置が大きくなるようにした前記フィン放熱部を有する外転型回転電機。
- 請求項9に記載された外転型回転電機において、前記放熱フィンは断面がL字状である外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記放熱フィンは、前記フィン吸熱部と前記フィン放熱部とを高熱伝導材で連結した外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記放熱フィンは、前記フィン吸熱部と前記フィン放熱部とが略直交して接合されている外転型回転電機。
- 請求項12に記載された外転型回転電機において、前記フィン放熱部は重力方向に配置されている外転型回転電機。
- 請求項1に記載された外転型回転電機において、前記回転子フレームの外側にロープを巻付けるためのシーブと、前記固定子フレームに前記回転子フレームの回転を抑制するためのブレーキと、を設けた巻上機。
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