JP7360848B2 - アクチュエータの製造方法 - Google Patents
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アクチュエータを分解せずに型部材を除去することができる。このような製造方法は、ゲル状ダンパー部材を刃でカットすることに起因する寸法精度の悪化や端面品質の悪化が発生しない。従って、ゲル状ダンパー部材の品質を向上させることができ、複雑な形状や精密な形状のゲル状ダンパー部材を成型することもできる。また、支持体と可動体の間に直接ゲル状ダンパー部材を成型するので、アクチュエータを組み立てる際に柔らかいゲル状ダンパー部材を組み立てる必要がなく、取扱いが容易な型部材を組み立てればよい。従って、アクチュエータを自動組立により製造することが可能になるので、アクチュエータの製造の効率化を図ることができる。
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係るアクチュエータ1Aの斜視図である。図2は、実施形態1のアクチュエータ1Aの断面図である。図3は、実施形態1のアクチュエータ1Aの分解斜視図である。実施形態1において、第1方向Z、第2方向Xおよび第3方向Yは互いに直交する方向である。また、第2方向Xの一方側にX1を付し、第2方向Xの他方側にX2を付し、第3方向Yの一方側にY1を付し、第3方向Yの他方側にY2を付し、第1方向Zの一方側にZ1を付し、第1方向Zの他方側にZ2を付して説明する。
図1、図2および図3に示すように、実施形態1のアクチュエータ1Aにおいて、支持体2は、カバー11とホルダ60とを有しており、カバー11の内側に、図2に示す可動体3および磁気駆動機構6が配置されている。カバー11は、第1方向Zの一方側Z1に位置する第1カバー部材16と、第1カバー部材16に対して第1方向Zの他方側Z2から重なる第2カバー部材17とを有する。第1カバー部材16、ホルダ60および第2カバー部材17を第1方向Zに重ねた状態で、一方の対角位置に配置したネジ18によって第1方向Zで締結することにより、支持体2が形成されている。なお、支持体2の他方の対角位置には、アクチュエータ1Aを各種機器に搭載する際、機器のフレームに対して止めるネジ(図示せず)が配置される。
図4は、実施形態1のアクチュエータ1Aの磁気駆動機構6、ヨーク85、およびホルダ60の分解斜視図である。図2、図4に示すように、磁気駆動機構6は、コイル7と、コイル7に対して第1方向Zで対向する磁石8とを有している。コイル7は、第2方向Xで並列するように2つ配置されている。コイル7は、第3方向Yに長辺701(有効部分)が延在する長円形状の空芯コイルであり、第1方向Zを厚み方向とする扁平コイルである。コイル7は、ホルダ60に保持されている。
図2、図4に示すように、ホルダ60は、2つのコイル保持穴66、67が第2方向Xで並列するように形成されており、コイル保持穴66、67にコイル7が配置されている。コイル保持穴66、67は貫通穴であり、第3方向Yの両端部に受け部661、671が形成されている。従って、コイル保持穴66、67に第1方向Zの他方側Z2からコイル7を装着すると、コイル7の短辺702(無効部分)が受け部661、671によって第1方向Zの一方側Z1で支持される。この状態で、コイル7は接着剤等によってホルダ60に固定される。
図2、図4に示すように、可動体3は、磁石8と、磁石8を保持するヨーク85を備えている。ヨーク85は、コイル7に対して第1方向Zの一方側Z1で対向する第1板部860を備えた第1ヨーク86と、コイル7に対して第1方向Zの他方側Z2で対向する第2板部870を備えた第2ヨーク87とを有する。磁石8は、第1ヨーク86の第1板部860のコイル7と対向する面、および第2ヨーク87の第2板部870のコイル7と対向する面に保持されてコイル7に第1方向Zで対向している。なお、第1板部860と第2板部870の少なくとも一方にのみ磁石8が保持される構成とすることもできる。
図2に示すように、支持体2と可動体3とが第1方向Zで対向する個所にはゲル状ダンパー部材9が配置されている。実施形態1では、ゲル状ダンパー部材9として、可動体3の第1ヨーク86と支持体2の第1カバー部材16とが第1方向Zで対向する個所に第1ゲル状ダンパー部材91が配置され、可動体3の第2ヨーク87と支持体2の第2カバー部材17とが第1方向Zで対向する個所に第2ゲル状ダンパー部材92が配置されている。より具体的には、第1ゲル状ダンパー部材91は、第1ヨーク86の第1板部860と第1カバー部材16の凹部166、167の底部との間に2つ配置され、第2ゲル状ダンパー部材92は、第2ヨーク87の第2板部870と第2カバー部材17の凹部176、177の底部との間に2つ配置されている。
図5は、実施形態1のアクチュエータ1Aの製造方法を模式的に示す説明図である。図5(a)は組立ステップを示し、図5(b)は充填ステップを示し、図5(c)は硬化ステップを示し、図5(d)は型部材除去ステップを示し、図5(e)は完成したアクチュエータ1Aを示す。実施形態1のアクチュエータ1Aを製造する際には、支持体2と可動体3を組み立てた状態でゲル状ダンパー部材9を成型する。そのため、ゲル状ダンパー部
材9の外形を規定する型部材4を用意し、支持体2と可動体3とを組み立てる際に、支持体2と可動体3とが第1方向Zで対向する箇所に型部材4を配置して組み立てる。実施形態1では、支持体2と可動体3を組み立てると、支持体2に配置されるコイル7と可動体3に配置される磁石8によって磁気駆動機構6が構成される。
部材4を溶解させる。型部材4を溶かした溶液は、排出孔13から支持体2の外部へ排出する。これにより、図5(e)に示すように、型部材4が支持体2の内側から除去され、ゲル状ダンパー部材9が残る。型部材4の排出後には、排出孔13は、ゲル状ダンパー部材9を囲む空間と支持体2の外部の空間とを連通する孔になっている。
以上説明したように、実施形態1のアクチュエータ1Aは、支持体2および可動体3と、支持体2と可動体3とを接続するゲル状ダンパー部材9と、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動機構6と、を有する。支持体2には、ゲル状ダンパー部材9が配置される空間と外部とを連通させる排出孔13が設けられている。また、実施形態では、支持体2に、ゲル状ダンパー部材9が接合されている部位を貫通する注入孔12が設けられている。
と可動体3の間に挟んだ状態に組み立てる。従って、アクチュエータ1Aに型部材4を容易に組み込むことができ、容易に中空部5を形成できる。また、支持体2と可動体3とのギャップが型部材4の寸法によって決まるため、支持体2と可動体3とのギャップの寸法精度を向上させることができる。
図6は、変形例のアクチュエータ1Aの製造方法を模式的に示す説明図である。図6(a)は変形例の組立ステップを示し、図6(b)は完成したアクチュエータ1Aを示す。変形例では、組立ステップを行う前に、型部材4の内周面(充填されるゲル材料10に触れる部分)に不溶性膜90を形成しておく。これにより、図6(a)に示すように、組立ステップによって内面に不溶性膜90が設けられた中空部5が形成される。不溶性膜90は、例えば、シリコーン薄膜である。
(全体構成)
図7は、本発明の実施形態2に係るアクチュエータ1Bの断面図である。実施形態2において、軸線Lは可動体3の中心軸線である。また、軸線Lが延在する方向(軸線L方向)の一方側をL1とし、軸線L方向の他方側をL2とする。実施形態2のアクチュエータ1Bは、全体として、軸線L方向に延びる円筒状である。実施形態2では、可動体3が支持体2に対して軸線L方向に振動する。可動体3と支持体2は、可動体3と支持体2との径方向の隙間に配置されるゲル状ダンパー部材9によって接続される。
支持体2は、金属製のケース20と、ケース20に保持される樹脂製の第1ホルダ40および第2ホルダ50と、コイルホルダ70を備える。ケース20は、軸線L方向に延びる筒状ケース21と、筒状ケース21のL1側の端部に固定される第1端板22と、筒状ケース21のL2側の端部に固定される第2端板23を備える。筒状ケース21には、コイル線が接続される基板24が固定される。
環状部42の内周側に配置される枠部分45と、環状部42と枠部分45とを接続する接続部46を備えている。コイルホルダ70は、第1ホルダ40にL1側から固定されるホルダ固定部71と、ホルダ固定部71からL2側へ突出するコイル固定部72を備える。ホルダ固定部71は、周方向に離間した複数個所からL1側へ突出するフック73を備えている。フック73の先端は、筒状ケース21の縁に係止される。
可動体3は、支持体2の径方向の中心において軸線L方向に延びるシャフト31と、シャフト31の軸線L方向の略中央に固定される磁石8と、磁石8にL1側で重なる第1ヨーク32と、磁石8にL2側で重なる第2ヨーク33を備える。第2ヨーク33は、磁石8のL2側の面に接着等の方法で固定される第1磁性板34と、第1磁性板34にL2側から当接する第2磁性板35を備える。
磁気駆動機構6は、支持体2に配置されるコイル7と、可動体3に配置される磁石8を備える。磁石8は円筒状であり、軸線L方向においてN極とS極とに分極するように着磁されている。磁石8の外周側には、コイルホルダ70に設けられたコイル固定部72が磁石8と同軸に配置される。従って、磁石8とコイル7は同軸に配置される。磁気駆動機構6は、コイル7に通電することにより、可動体3を軸線L方向に駆動する駆動力を発生させる。
実施形態2において、ゲル状ダンパー部材9は、可動体3と支持体2の径方向の隙間において全周に連続して配置される。実施形態2では、ゲル状ダンパー部材9は、可動体3に設けられた内周側部分と、支持体2に設けられた外周側部分との間に直接成形される。ゲル状ダンパー部材9は、シャフト31のL1側の端部に取り付けられた第1錘部材36の大径部分361(内周側部分)と第1ホルダ40の枠部分45(外周側部分)との間に配置される第1ゲル状ダンパー部材93、および、シャフト31のL2側の端部に取り付けられた第2錘部材37の大径部分371(内周側部分)と第2ホルダ50の枠部分56(外周側部分)との間に配置される第2ゲル状ダンパー部材94を備える。第1ゲル状ダンパー部材93および第2ゲル状ダンパー部材94は、径方向の厚さが一定の円筒状部材であり、軸線L方向の寸法(高さ)も一定である。
断方向に変形する。実施形態2においても、実施形態1と同様に、可動体3を振動させた際の共振をゲル状ダンパー部材9によって抑制することができる。また、ゲル状ダンパー部材9のせん断方向のバネ要素を用いることにより、入力信号に対する振動加速度の再現性を向上させることができる。
図8は、実施形態2のアクチュエータ1Bの製造方法を模式的に示す説明図である。図8(a)は充填ステップを示し、図8(b)は型部材除去ステップを示す。実施形態2のアクチュエータ1Bを製造する際には、実施形態1と同様に、支持体2と可動体3の間に中空部5(図8(a)参照)を形成してゲル状ダンパー部材9を直接成型する。そのため、ゲル状ダンパー部材9の外形を規定する型部材4を用意し、支持体2と可動体3とを組み立てる際に、支持体2と可動体3とが径方向で対向する箇所に型部材4を配置して中空部5を形成する。
、図8に示す位置だけでなく、全ての型部材4に溶剤19を到達させることができる位置に適宜設けることができる。
以上説明したように、実施形態2のアクチュエータ1Bは、支持体2および可動体3と、支持体2と可動体3とを接続するゲル状ダンパー部材9と、可動体3を支持体2に対して相対移動させる磁気駆動機構6と、を有する。支持体2には、ゲル状ダンパー部材9が配置される空間と外部とを連通させる排出孔13が設けられている。例えば、第1ゲル状ダンパー部材93のL1側に配置される第1端板22に排出孔13が設けられている。
部、73…フック、75…導線、81、82…磁石、85…ヨーク、86…第1ヨーク、87…第2ヨーク、90…不溶性膜、91…第1ゲル状ダンパー部材、92…第2ゲル状ダンパー部材、93…第1ゲル状ダンパー部材、94…第2ゲル状ダンパー部材、150…切り欠き、151…ランド、155…穴、160…凹部、161…第1壁部、162…第2壁部、163…第3壁部、164…第4壁部、165…凹部、166、167…凹部、170…凹部、171…第1壁部、172…第2壁部、173…第3壁部、174…第4壁部、175…凹部、176、177…凹部、361…大径部分、371…大径部分、401…第1型部材、402…第2枠部材、601…開口部、602…開口部、610…第1壁部、620…第2壁部、630…第3壁部、635…凹部、636…凸部、637…ガイド溝、640…第4壁部、661、671…受け部、701…長辺、702…短辺、860…第1板部、861…第1連結板部、862…第2連結板部、870…第2板部、L…軸線、X…第2方向、Y…第3方向、Z…第1方向
Claims (6)
- 支持体および可動体と、前記支持体と前記可動体とを接続するゲル状ダンパー部材と、
前記可動体を前記支持体に対して相対移動させる磁気駆動機構と、を有するアクチュエータの製造方法であって、
前記支持体と前記可動体とを組み立てる際、前記支持体と前記可動体とが対向する箇所に可溶性の型部材を配置して、前記支持体および前記可動体に面する中空部を形成する組立ステップと、
前記中空部にゲル材料を充填する充填ステップと、
前記中空部に充填された前記ゲル材料を硬化させる硬化ステップと、
前記型部材の外側に溶剤を注入し、前記溶剤で前記型部材を溶かした溶液を前記支持体と前記可動体の間の空間から外部に排出する型部材除去ステップと、を行うことを特徴とするアクチュエータの製造方法。 - 前記支持体または前記可動体に前記中空部に面する注入孔を設けておき、
前記充填ステップでは、前記注入孔から前記ゲル材料を前記中空部へ注入することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの製造方法。 - 前記型部材に注入孔を設けておき、
前記充填ステップでは、前記注入孔から前記ゲル材料を前記中空部へ注入することを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータの製造方法。 - 前記組立ステップを行う前に、前記型部材の内周面に不溶性膜を形成しておき、
前記型部材除去ステップを行うことにより、前記ゲル状ダンパー部材の表面に前記不溶性膜を残存させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のアクチュエータの製造方法。 - 前記型部材は枠状であり、
前記組立ステップでは、前記型部材を前記支持体と前記可動体の間に挟んだ状態に組み立てることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のアクチュエータの製造方法。 - 前記支持体と前記可動体の一方は、軸線方向に延びる内周側部分を備え、前記支持体と前記可動体の他方は、前記内周側部分の外周側を囲む外周側部分を備え、
前記組立ステップでは、前記内周側部分および前記外周側部分の前記軸線方向の一方側および他方側に前記型部材を配置して、前記内周側部分と前記外周側部分との径方向の隙間に前記中空部を形成することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のアクチュエータの製造方法。
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