JP7237733B2 - ダンパー部材、リニアアクチュエータ、およびダンパー部材の製造方法 - Google Patents

ダンパー部材、リニアアクチュエータ、およびダンパー部材の製造方法 Download PDF

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本発明は、可動体を固定体に対して相対移動させるリニアアクチュエータに用いられるダンパー部材およびその製造方法、ならびに、ダンパー部材を備えたリニアアクチュエータに関する。
リニアアクチュエータとして、固定体および可動体と、可動体を駆動する磁気駆動機構を備えるとともに、可動体と固定体とをダンパー部材を介して接続したものがある。特許文献1には、この種のリニアアクチュエータが開示されている。特許文献1のリニアアクチュエータは、固定体に対して可動体を軸線方向に移動可能に支持するバネ部材と、固定体と可動体とを接続するゲル状ダンパー部材を備えている。
特開2018-88805号公報
可動体と固定体とをゲル状ダンパー部材によって接続する構造においては、可動体の振動特性のばらつきを低減させるために、ゲル状ダンパー部材のダンパー特性のばらつきを小さくすることが好ましい。ゲル状ダンパー部材のダンパー特性は、ゲル状ダンパー部材の寸法によって決まる。例えば、可動体が振動する際にゲル状ダンパー部材がせん断方向に変形するように構成した場合に、ゲル状ダンパー部材のバネ定数は、ゲル状ダンパー部材の振動方向(せん断方向)の寸法によって決まる。従って、リニアアクチュエータの振動性能を精度良く管理するため、ゲル状ダンパー部材の寸法を精度良く管理することが求められる。
従来、ゲル状ダンパー部材は、熱硬化成型機によって射出成型されている。しかしながら、射出成型で製造した製品には、ゲート痕が形成されたり、パーティングライン上にバリが形成されるため、耐久性が低下するおそれがある。そこで、ディスペンサーを使用してゲル材料を注型した後に熱硬化させる製造方法も提案されている。しかしながら、注型により製造する場合、ディスペンサーから吐出するゲル材料の吐出量のばらつきが大きい。その結果、ゲル状ダンパー部材の寸法のばらつきが大きくなってしまい、ダンパー特性のばらつきを低減させることが困難である。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、可動体と固定体とを接続するダンパー部材としてゲル状ダンパー部材を用いる場合に、ゲル状ダンパー部材の寸法のばらつきを低減させることにより、ダンパー性能のばらつきを抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るダンパー部材は、第1部材と、前記第1部材の外周側に配置され、前記第1部材に対して相対移動可能な第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との隙間に配置され、前記第1部材と前記第2部材を接続するゲル状ダンパー部材と、を備え、少なくとも前記第1部材および前記第2部材のいずれかは、前記ゲル状ダンパー部材の寸法を規定する縁部と、前記縁部に対して前記ゲル状ダンパー部材とは反対側に設けられた余剰ゲル収容部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1部材と第2部材とをゲル状ダンパー部材によって接続した構造のダンパー部材において、第1部材と第2部材の少なくとも一方に設けられた縁部によって、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)が規定される。例えば、第1部材と第2部材の隙間に硬化前のゲル材料を注型する際、縁部から余剰ゲル収容部へゲル材料を溢れさせることにより、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)を縁部の位置によって規定できる。このようにすると、部品の形状によってゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)を規定できる。すなわち、ディスペンサーからゲル材料を吐出する際の吐出量のばらつきが大きくても、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)は縁部の位置によって決まるので、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)のばらつきを低減させることができる。従って、ゲル状ダンパー部材のダンパー性能のばらつきを抑制できる。
また、本発明は、第1部材と第2部材とをゲル状ダンパー部材によって接続した構造のダンパー部材であるため、ゲル状ダンパー部材を固定体および可動体に直接固定する必要がなく、第1部材と第2部材の一方を可動体に固定し、第1部材と第2部材の他方を固定体に固定することによって可動体と固定体とを接続できる。従って、可動体と固定体とをダンパー部材によって接続する際にゲル状ダンパー部材の接着工程を行う必要がない。よって、ダンパー部材の取付工程に要する時間を短縮できる。
本発明において、前記第1部材は、筒状の第1側壁を備え、前記第2部材は、前記第1側壁の外周側に配置される筒状の第2側壁を備え、前記ゲル状ダンパー部材は、前記第1側壁と前記第2側壁の間に配置され、前記縁部は、前記第1側壁または前記第2側壁の軸線方向の端部の全周に設けられ、前記余剰ゲル収容部は、前記縁部に対して前記ゲル状ダンパー部材とは反対側において全周に設けられている構成を採用することができる。このように、筒状の側壁の端部に縁部を設けることにより、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)を容易に規定できる。また、縁部および余剰ゲル収容部を全周に設けることにより、縁部から溢れた余剰のゲル材料を周方向に均等に配置できる。従って、ダンパー性能の周方向のばらつきが少ない。また、このダンパー部材をリニアアクチュエータに用いた場合に、リニアアクチュエータの動作を安定化できる。
あるいは、本発明において前記第1部材は、筒状の第1側壁を備え、前記第2部材は、前記第1側壁の外周側に配置される筒状の第2側壁を備え、前記ゲル状ダンパー部材は、前記第1側壁と前記第2側壁の間に配置され、前記縁部は、前記第1側壁または前記第2側壁の軸線方向の端部を切り欠いた切欠き部に設けられ、前記余剰ゲル収容部は、少なくとも、前記切欠き部が設けられた周方向位置に設けられている構成を採用することができる。このように、筒状部の端部を切り欠いた切欠き部に縁部を設けることにより、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)を容易に規定できる。例えば、切欠き部からゲル材料を溢れさせることによってゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)を規定でき、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)のばらつきを容易に低減させることができる。また、切欠き部および余剰ゲル収容部を周方向の一部のみに設けることができるので、ダンパー部材の設計の自由度を高めることができる。
この場合に、前記余剰ゲル収容部は、全周に設けられていることが好ましい。このようにすると、切欠き部を周方向の一部のみに設けた場合であっても、縁部から溢れた余剰のゲル材料を周方向に均等に配置できる。従って、ダンパー性能の周方向のばらつきが少ない。また、このダンパー部材をリニアアクチュエータに用いた場合に、リニアアクチュエータの動作を安定化できる。
本発明において、前記第1側壁は、円筒状であり、前記第2側壁は、円筒状であり、且つ、前記第1側壁と同軸に配置されることが好ましい。このようにすると、ゲル状ダンパー部材の径方向の厚さを均等にすることができる。従って、ゲル状ダンパー部材の径方向
のバネ定数を全周にわたって均一にすることができるので、ダンパー性能の周方向のばらつきが少ない。
本発明において、前記第2側壁の外周側に配置される第3側壁、および、前記第2側壁と前記第3側壁とを接続する接続部を備え、前記縁部は、前記第2側壁に設けられ、前記余剰ゲル収容部は、前記第2側壁と前記第3側壁との間に設けられた凹部であり、前記接続部は、リブを備えていることが好ましい。このようにすると、第2部材の外周側に余剰ゲル収容部を設けた場合に、第2部材の剛性を高めることができる。従って、ダンパー部材の耐久性を高めることができる。
本発明において、前記第1側壁の内周側に配置される第3側壁、および、前記第1側壁と前記第3側壁とを接続する接続部を備え、前記縁部は、前記第1側壁に設けられ、前記余剰ゲル収容部は、前記第1側壁と前記第3側壁との間に設けられた凹部であり、前記接続部は、リブを備えていることが好ましい。このようにすると、第1部材の内周側に余剰ゲル収容部を設けた場合に、第1部材の剛性を高めることができる。従って、ダンパー部材の耐久性を高めることができる。
次に、本発明のリニアアクチュエータは、固定体と、可動体と、前記可動体を駆動する磁気駆動機構と、前記固定体と前記可動体とを接続する上記のダンパー部材と、を有し、前記第1部材と前記第2部材の一方は、前記可動体に固定され、前記第1部材と前記第2部材の他方は、前記固定体に固定されることを特徴とする。
本発明によれば、固定体と可動体とを接続するダンパー部材は、ダンパー性能を発揮するゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)のばらつきが小さいため、ダンパー性能のばらつきが小さい。よって、リニアアクチュエータの振動性能のばらつきが少ないので、リニアアクチュエータの動作を安定化することができる。
本発明において、前記可動体は、軸線方向に延びるシャフトを備え、前記シャフトは、前記第1部材に設けられた軸孔に固定され、前記固定体は、前記シャフトの外周側に配置されるホルダを備え、前記第2部材は、前記ホルダに固定され、前記磁気駆動機構は、前記シャフトに固定される磁石と、前記磁石の外周側に配置されるとともに前記ホルダに固定されるコイルと、を備える構成を採用することができる。このようにすると、シャフトおよび磁石を備えた可動体と、ホルダおよびコイルを備えた固定体とをダンパー部材によって接続して、可動体が軸線L方向に振動する際にゲル状ダンパー部材がせん断方向に変形するリニアアクチュエータを形成できる。従って、簡素な構造でありながら、リニアアクチュエータ1の動作を安定化することができる。
本発明において、前記可動体は、前記軸線方向に延びるシャフトを備え、前記シャフトは、前記第1部材に設けられた軸孔に固定され、前記固定体は、前記軸線方向に延びるケースと、前記ケースの前記軸線方向の一端に固定される第1ホルダと、前記ケースの前記軸線方向の他端に固定される第2ホルダを備え、前記ダンパー部材は、前記シャフトの一端と前記第1ホルダとを接続する第1ダンパー部材、および、前記シャフトの他端と前記第2ホルダとを接続する第2ダンパー部材を備え、前記磁気駆動機構は、前記シャフトに固定される磁石と、前記磁石の外周側に配置されるとともに前記第1ホルダまたは前記第2ホルダに固定されるコイルと、を備える構成を採用することができる。このようにすると、シャフトおよび磁石を備えた可動体と、ホルダおよびコイルを備えた固定体とをシャフトの両端の2箇所において上記のダンパー部材によって接続できるため、リニアアクチュエータ1の動作を安定化することができる。
次に、本発明のダンパー部材の製造方法は、治具に第1部材および第2部材を当接させ
るとともに、前記第1部材と前記第2部材の間に所定の隙間が形成されるように前記第1部材と前記第2部材を位置決めする第1ステップと、前記隙間に硬化前のゲル材料を注型し、前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方に設けられた縁部から溢れた前記ゲル材料を、前記隙間に対して前記縁部とは反対側に設けられた余剰ゲル収容部に収容する第2ステップと、前記ゲル材料を硬化させてゲル状ダンパー部材を形成する第3ステップと、前記第1部材と前記第2部材を前記ゲル状ダンパー部材によって接続したダンパー部材を、前記治具から取り外す第4ステップと、を行うことを特徴とする。
本発明によれば、第1部材と第2部材とをゲル状ダンパー部材によって接続した構造のダンパー部材を製造するにあたって、治具を用いて第1部材と第2部材とを組み立て、第1部材と第2部材の隙間にゲル材料を注型して硬化させる。その際、第1部および第2部材の少なくとも一方に設けられた縁部を越える余剰のゲル材料を縁部から溢れさせる。従って、ゲル材料の吐出量のばらつきが大きくても、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)のばらつきを低減させることができるので、ダンパー性能のばらつきが小さいゲル状ダンパー部材を備えたダンパー部材を製造できる。
本発明において、前記第2ステップでは、前記ゲル材料をディスペンサーから前記隙間へ吐出し、前記余剰ゲル収容部の容積が、前記ディスペンサーの吐出ばらつきより大きいことが好ましい。このようにすると、余剰ゲル収容部からゲル材料が溢れることを防止できる。
本発明によれば、第1部材と第2部材とをゲル状ダンパー部材によって接続した構造のダンパー部材において、第1部材と第2部材の少なくとも一方に設けられた縁部によって、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)が規定される。従って、ディスペンサーからゲル材料を吐出する際の吐出量のばらつきが大きくても、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)は縁部の位置によって決まるので、ゲル状ダンパー部材の寸法(高さ)のばらつきを低減させることができる。従って、ゲル状ダンパー部材のダンパー性能のばらつきを抑制できる。
本発明の実施形態1に係るリニアアクチュエータの断面図である。 図1のリニアアクチュエータをL1側から見た分解斜視図である。 図1のリニアアクチュエータをL2側から見た分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係るダンパー部材の平面図および断面斜視図である。 図4(a)および(b)のダンパー部材の製造方法の説明図である。 実施形態2に係るダンパー部材の断面図である。 実施形態3に係るダンパー部材の平面図および断面図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、軸線Lとは可動体3の中心軸線である。また、軸線Lが延在する方向(軸線L方向)の一方側をL1とし、軸線L方向の他方側をL2として説明する。
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1に係るリニアアクチュエータの断面図である。図2は、図1のリニアアクチュエータ1をL1側から見た分解斜視図である。図3は、図1のリニアアクチュエータ1をL2側から見た分解斜視図である。図1~図3に示すように、リニアアクチュエータ1は、固定体2および可動体3と、固定体2と可動体3とを接続するダン
パー部材10と、固定体2に対して可動体3を軸線L方向に相対移動させる磁気駆動機構6を備える。磁気駆動機構6は、磁石61およびコイル62を備える。本形態では、可動体3に磁石61が配置され、固定体2にコイル62が配置される。なお、磁石61とコイル62の配置を逆にしてもよい。可動体3は、L1側の端部およびL2側の端部の各位置において、ダンパー部材10を介して固定体2と接続される。
(固定体)
固定体2は、金属製のケース20と、ケース20に保持される第1ホルダ4および第2ホルダ5を備える。ケース20は、軸線L方向に延びる筒状ケース21と、筒状ケース21のL1側の端部に固定される第1端板22と、筒状ケース21のL2側の端部に固定される第2端板23を備える。第1ホルダ4および第2ホルダ5は、筒状ケース21の内側に配置される。第1ホルダ4には、コイル62が固定されるとともに、ダンパー部材10が接続される。第2ホルダ5には、ダンパー部材10が接続される。本形態では、第1ホルダ4および第2ホルダ5は樹脂製であり、ケース20は金属製である。
第1ホルダ4のL1側の端部には、外周側へ突出する凸部40が形成されている。第1ホルダ4は、筒状ケース21のL1側の縁に設けられた切欠き24に凸部40を嵌め込むことにより、筒状ケース21に対して位置決めされる。第1端板22を筒状ケース21に取り付ける際、凸部40は、第1端板22の外周縁に設けられた切欠き25に嵌合する。同様に、第2ホルダ5のL2側の端部には、外周側へ突出する凸部50が形成されている。第2ホルダ5は、筒状ケース21のL2側の縁に設けられた切欠き26に凸部50を嵌め込むことにより、筒状ケース21に対して位置決めされる。第2端板23を筒状ケース21に取り付ける際、凸部50は、第2端板23の外周縁に設けられた切欠き27に嵌合する。
第1ホルダ4は、中央に円形の開口部41が設けられた環状部42と、環状部42の外周縁からL1側へ突出する円筒部43と、環状部42の内周部分からL2側へ突出するコイル固定部46を備える。図1に示すように、円筒部43および環状部42の外周面は同一径の円筒面であり、筒状ケース21に内接する。円筒部43の内周側には、内壁部44と、円筒部43と内壁部44とを接続するリブ45が形成されている。内壁部44は、径方向で反対側の2箇所において外周側へ突出する形状をしており、他の部分は、円弧状に形成されている。開口部41および内壁部44の内側には、ダンパー部材10が配置される。
コイル固定部46は、コイル62が巻かれる筒状の胴部461と、胴部461のL1側の端部から外周側へ突出する第1フランジ部462と、胴部461のL2側の端部から外周側へ突出する第2フランジ部463を備える。第1フランジ部462は、環状部42と一体に形成され、環状部42からL2側へ突出する。環状部42には、コイル線が接続される基板63が固定される。基板63は、環状部42の外周面に設けられた凹部47に配置される。
第2ホルダ5は、中央に円形の開口部51が設けられた環状部52と、環状部52の外周縁からL1側へ突出する第1円筒部53と、環状部52の外周縁からL2側へ突出する第2円筒部54と、第1円筒部53の周方向の一部からL1側へ突出する突出部55を備える。突出部55の先端は、第1ホルダ4の凹部47に配置される。第2円筒部54の内周側には、内壁部56と、第2円筒部54と内壁部56とを接続するリブ57が形成されている。内壁部56は、径方向で反対側の2箇所において外周側へ突出する形状をしており、他の部分は、円弧状に形成されている。開口部51および内壁部56の内側には、ダンパー部材10が配置される。図1に示すように、第1円筒部53、環状部52、および第2円筒部54の外周面は同一径の円筒面であり、筒状ケース21に内接する。
(可動体)
可動体3は、固定体2の径方向の中心において軸線L方向に延びるシャフト31と、シャフトの軸線L方向の略中央に固定される磁石61と、磁石61にL1側で重なる第1ヨーク32と、磁石61にL2側で重なる第2ヨーク33を備える。磁石61は円筒状であり、軸線L方向においてN極とS極とに分極するように着磁されている。シャフト31は、固定体2の径方向の中心において軸線L方向に延びている。第1ホルダ4および第2ホルダ5は、シャフト31の外周側に配置される。磁石61の外周側には、第1ホルダ4に設けられたコイル固定部46が磁石61と同軸に配置される。従って、磁石61とコイル62は同軸に配置される。
第1ヨーク32は、外径寸法が磁石61の外径寸法よりわずかに大きい磁性板である。第1ヨーク32の外周面は、磁石61の外周面より径方向外側に張り出している。第1ヨーク32は、磁石61のL1側の面に接着等の方法で固定されている。第2ヨーク33は、2枚の磁性板(第1磁性板34、第2磁性板35)によって構成される。第1磁性板34は、磁石61に軸線L方向の他方側L2に配置される端板部341と、端板部341の外縁から軸線L方向の一方側L1に延在する円筒状の側板部342とを備えている。第2磁性板35は、第1磁性板34の端板部341よりわずかに小さな円板状である。第2磁性板35は、第1磁性板34の端板部341にL1側で積層され、端板部341に溶接されている。第2ヨーク33は、第2磁性板35が磁石61のL2側の面に接着等の方法で固定されている。
(ダンパー部材)
図4(a)は、本発明の実施形態に係るダンパー部材10の平面図であり、図4(b)は、本発明の実施形態に係るダンパー部材10の断面斜視図(図4(a)のA-A位置で切断した断面斜視図)である。ダンパー部材10は、シャフト31と第1ホルダ4との間、および、シャフト31と第2ホルダ5との間の2箇所に配置される。シャフト31と第1ホルダ4とを接続するダンパー部材10(第1ダンパー部材)と、シャフト31と第2ホルダ5とを接続するダンパー部材10(第2ダンパー部材)は同一の構成であり、軸線L方向Lで逆向きに配置される。以下、シャフト31と第1ホルダ4とを接続するダンパー部材10を例にとってその構成を説明する。図4(a)および(b)に示すダンパー部材10の軸線L方向の向きは、シャフト31と第1ホルダ4との間に配置される場合の向きである。
ダンパー部材10は、円筒状の第1側壁11と、第1側壁11の外周側に配置される第2側壁12と、第2側壁12の外周側に配置される第3側壁13と、第1側壁11と第2側壁12の間に配置されるゲル状ダンパー部材14と、第2側壁12と第3側壁13のL2側の端部を接続する環状の接続部15と、第3側壁13のL1側の端部から径方向外側へ突出するフランジ部16を備える。本形態では、第1側壁11、第2側壁12、および第3側壁13は円筒状であり、同軸に配置される。フランジ部16は、径方向で反対側の2箇所に配置される。接続部15は、径方向に延びるリブ17を備えている。リブ17は、第2側壁12および第3側壁13に接続され、等角度間隔で4箇所に配置される。
ダンパー部材10は、第1部材110と、第2部材120と、ゲル状ダンパー部材14の3部材によって構成される。本形態では、第1部材110は金属製であり、第2部材120は樹脂製である。なお、第1部材110と第2部材120は上記の材質に限定されるものではなく、他の材質であってもよい。後述するように、第1部材110は可動体3に固定されるため、第1部材110を金属製にすることで可動体3の質量を大きくすることができ、錘としての機能を持たせることができる。
第1部材110は、第1側壁11を備えている。本形態では、第1部材110は第1側壁11のみからなる。第2部材120は、第2側壁12、第3側壁13、接続部15、およびフランジ部16を備える。第1部材110と第2部材120は別体の部品である。ゲル状ダンパー部材14は、第1部材110と第2部材120との隙間に配置され、第1部材110と第2部材120を接続する。本形態では。ゲル状ダンパー部材14は、シリコーンゲルからなる。例えば、ゲル状ダンパー部材14として、針入度が90度から110度のシリコーンゲルを用いることができる。
ゲル状ダンパー部材14は、第1側壁11と第2側壁12の間にゲル材料を注型して熱硬化させることにより製造される。従って、ゲル状ダンパー部材14は、接着剤を用いることなく、ゲル状ダンパー部材14自身の接着力によって、第1側壁11と第2側壁12に固定される。図1に示すように、第2側壁12の軸線L方向の高さは、第1側壁11の軸線L方向の高さより小さい。また、第1側壁11は、L1側の端部が第2側壁12よりL1側へ突出し、L2側の端部が第2側壁12よりL2側へ突出する。
後述するように、ゲル材料を注型する際は、第1側壁11と第2側壁12の間の隙間S(図5参照)のL2側を治具によって塞いだ状態とする。そのため、第1側壁11と第2側壁12の間から溢れる余剰のゲル材料は、軸線L方向の高さが低い側の側壁である第2側壁12の外周側へ溢れる。第2側壁12の外周側には、余剰のゲル材料を収容する余剰ゲル収容部18が設けられている。余剰ゲル収容部18は、第2側壁12に対してゲル状ダンパー部材14とは反対側に配置される。余剰ゲル収容部18は、第2側壁12と第3側壁13の間に設けられた環状の凹部である。余剰ゲル収容部18には、溢れたゲル材料が硬化した余剰ゲル部材140が配置される。
第2側壁12は、ゲル状ダンパー部材14の軸線L方向の寸法(高さ)を規定する縁部121を備えている。上記のように、ゲル材料は第2側壁12のL1側の端部から外周側へ溢れるため、ゲル状ダンパー部材14の軸線L方向の寸法(高さ)は、第2側壁12のL1側の端部によって規定される。すなわち、第2側壁12のL1側の端部が、ゲル状ダンパー部材14の軸線L方向の寸法(高さ)を規定する縁部121を備えている。本形態では、第2側壁12のL1側の端部の軸線L方向の高さは全周で等しい。従って、縁部121は、第2側壁12のL1側の端部の全周に設けられている。
(ダンパー部材の取付構造)
シャフト31と第1ホルダ4とを接続するダンパー部材10(第1ダンパー部材)は、L1側から第1ホルダ4に組付けられる。第1ホルダ4の開口部41には、ダンパー部材10の第3側壁13が配置される。また、第1ホルダ4の内壁部44の内側にフランジ部16が配置され、第1ホルダ4の環状部42に対してL1側からフランジ部16が当接して、ボルト160によってフランジ部16が環状部42に固定される。これにより、第2部材120が第1ホルダ4に固定され、ダンパー部材10が固定体2に接続される。
同様に、シャフト31と第2ホルダ5とを接続するダンパー部材10(第2ダンパー部材)は、L2側から第2ホルダ5に組付けられる。第2ホルダ5の開口部51には、ダンパー部材10の第3側壁13が配置される。また、第2ホルダ5の内壁部56の内側にフランジ部16が配置され、第2ホルダ5の環状部52に対してL1側からフランジ部16が当接して、ボルト160によってフランジ部16が環状部52に固定される。これにより、第2部材120が第2ホルダ5に固定され、ダンパー部材10が固定体2に接続される。
シャフト31と第1ホルダ4とを接続するダンパー部材10(第1ダンパー部材)は、シャフト31のL1側の端部に固定される。また、シャフト31と第2ホルダ5とを接続
するダンパー部材10(第2ダンパー部材)は、シャフト31のL2側の端部に固定される。ダンパー部材10の第1側壁11の内側には、軸孔19が形成されている。軸孔19は、シャフト31側に設けられた小径部191と、シャフト31側とは反対側に設けられた大径部192と、小径部191と大径部192とを接続する段部193を備える。シャフト31のL1側の端部およびL1側の端部の各位置において、ダンパー部材10をシャフト31に固定するボルト310は、シャフト31とは反対側から大径部192へ挿入され、シャフト31の端部に設けられたねじ孔にねじ止めされる。これにより、第1部材110がシャフト31に固定され、ダンパー部材10が可動体3に接続される。
シャフト31と第1ホルダ4とを接続するダンパー部材10(第1ダンパー部材)と、シャフト31と第2ホルダ5とを接続するダンパー部材10(第2ダンパー部材)は、可動体3を構成する第1ヨーク32、磁石61、および第2ヨーク33を軸線L方向の両側から挟んでいる。図1に示すように、シャフト31と第1ホルダ4とを接続するダンパー部材10の第1側壁11は、第1ヨーク32に対してL1側から当接する。また、シャフト31と第2ホルダ5とを接続するダンパー部材10の第1側壁11は、第2ヨーク33の端板部341に対してL2側から当接する。
シャフト31と第1ホルダ4とを接続するダンパー部材10(第1ダンパー部材)と、シャフト31と第2ホルダ5とを接続するダンパー部材10(第2ダンパー部材)において、ゲル状ダンパー部材14は、いずれも、第1部材110と第2部材120の間で全周にわたって軸線L方向に延びている。ゲル状ダンパー部材14は、径方向の厚さが一定の円筒状部材であり、軸線L方向の寸法(高さ)高さも一定である。可動体3が固定体2に対して軸線L方向に振動する際、ゲル状ダンパー部材14は、可動体3の移動に追従してせん断方向に変形する。
(リニアアクチュエータの動作)
リニアアクチュエータ1は、コイル62に通電することにより、磁気駆動機構6が、可動体3を軸線L方向に駆動する駆動力を発生させる。コイル62への通電を切ると、可動体3は、ゲル状ダンパー部材14の復帰力によって原点位置へ戻る。従って、コイル62への通電を断続的に行うことにより、可動体3は、軸線L方向で振動する。
(ダンパー部材の製造方法)
図5は、図4(a)および(b)のダンパー部材10の製造方法の説明図である。ダンパー部材10の製造に用いる治具90は、円形凹部91と、円形凹部91の底面中央から突出するピン92を備える。円形凹部91の底面は、ピン92を囲む中央の領域が環状に凹んでいる。ダンパー部材10の製造方法は、治具90に対して第1部材110および第2部材120とを組み付ける第1ステップと、ゲル材料を注型する第2ステップと、ゲル材料を加熱硬化させる第3ステップと、治具90からダンパー部材10を取り外す第4ステップと、を含む。
第1ステップでは、治具90の表面に第1部材110および第2部材120を当接させるとともに、第1部材110と第2部材120の間に径方向の隙間Sが形成されるように第1部材110と第2部材120を位置決めする。図5に示すように、第1ステップでは、円形凹部91の中央から突出するピン92を第1部材110の軸孔19に挿入し、第1部材110を円形凹部91の底面にL1側から当接させる。第1部材110は、円形凹部91の底面中央の領域を環状に凹ませた環状凹部へ挿入され、環状凹部の底面に当接する。また、円形凹部91の内周面に第2部材120を内接させるとともに、第2部材120の接続部15を円形凹部91の底面の外周領域に当接させる。これにより、第1部材110と第2部材120が軸線L方向および径方向に位置決めされ、第1部材110と第2部材120の間には、環状の隙間Sが形成される。環状の隙間Sは全周にわたって形成され
、径方向の幅が全周で一定である。
第2ステップでは、第1部材110と第2部材120との間に形成された径方向の隙間Sに硬化前のゲル材料を注型し、第2部材120に設けられた縁部121から溢れたゲル材料を、隙間Sに対して縁部121とは反対側(本形態では、外周側)に設けられた余剰ゲル収容部18に収容する。図5に示すように、第2ステップでは、ディスペンサー93から一定量のゲル材料を隙間Sへ吐出する。本形態では、隙間Sの径方向内側に配置された第1側壁11よりも、隙間Sの径方向外側に配置された第2側壁12の方が治具90からの高さが低いため、第2側壁12の外周側に設けられた余剰ゲル収容部18にゲル材料が溢れる。これにより、隙間Sに収容されるゲル材料の表面は、第2側壁12の縁部121と略同一の高さになる。余剰ゲル収容部18の容積は、ディスペンサー93の吐出ばらつきより大きく設定されている。
第3ステップでは、ゲル材料を治具90ごと加熱し、規定の温度で規定の時間維持することにより、ゲル材料を硬化させる。これにより、隙間Sにはゲル状ダンパー部材14が形成される。また、余剰ゲル収容部18に入ったゲル材料も硬化し、余剰ゲル部材140が形成される。
第4ステップでは、完成したダンパー部材10を治具90から取り外す。例えば、治具90の第1部材110が当接する面および第2部材120が当接する面に突き出しピンを配置するための貫通孔を設けておき、突き出しピンを用いてダンパー部材10を治具90から取り外す。これにより、第1部材110と第2部材120がゲル状ダンパー部材14によって接続されたダンパー部材10が得られる。
(本形態の動作および主な効果)
以上のように、本形態のダンパー部材10は、第1部材110と、第1部材110の外周側に配置され、第1部材110に対して軸線L方向に相対移動可能な第2部材120と、第1部材110と第2部材120との径方向の隙間Sに配置され、第1部材110と第2部材120を接続するゲル状ダンパー部材14と、を備える。第1部材110と第2部材120のうち、外周側に配置される第2部材120には、ゲル状ダンパー部材14の寸法を規定する縁部121と、縁部121に対してゲル状ダンパー部材14とは反対側(外周側)に設けられた余剰ゲル収容部18が設けられている。
本形態によれば、第1部材110と第2部材120とをゲル状ダンパー部材14によって接続した構造のダンパー部材10において、第2部材120に設けられた縁部121によって、ゲル状ダンパー部材14の寸法(軸線L方向の高さ)が規定される。例えば、第1部材110と第2部材120の隙間Sに硬化前のゲル材料を注型する際、縁部121から余剰ゲル収容部18へゲル材料を溢れさせることにより、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)を縁部121の位置によって規定できる。このようにすると、第2部材120の形状によってゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)を規定できる。すなわち、ディスペンサー93からゲル材料を吐出する際の吐出量のばらつきが大きくても、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)は縁部121の位置によって決まるので、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)のばらつきを低減させることができる。従って、ゲル状ダンパー部材14のダンパー性能のばらつきを抑制できる。
また、本形態は、第1部材110と第2部材120とをゲル状ダンパー部材14によって接続した構造のダンパー部材10であるため、ゲル状ダンパー部材14を固定体2および可動体3に直接固定する必要がなく、第1部材110と第2部材120の一方を可動体3に固定し、第1部材110と第2部材120の他方を固定体2に固定することによって可動体3と固定体2とを接続できる。従って、可動体3と固定体2とをダンパー部材10
によって接続する際にゲル状ダンパー部材14の接着工程を行う必要がない。よって、ダンパー部材10の取付工程に要する時間を短縮できる。
本形態では、第1部材110は、筒状の第1側壁11を備え、第2部材120は、第1側壁11の外周側に配置される筒状の第2側壁12を備え、ゲル状ダンパー部材14は、第1側壁11と第2側壁12の間に配置される。また、縁部121は、第2側壁12の軸線L方向の端部の全周に設けられ、余剰ゲル収容部18は、縁部121に対してゲル状ダンパー部材14とは反対側(外周側)において全周に設けられている。このように、筒状の側壁の端部に縁部121を設けることにより、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)を容易に規定できる。また、縁部121および余剰ゲル収容部18を全周に設けることにより、縁部121から溢れた余剰のゲル材料を周方向に均等に配置できる。従って、ダンパー性能の周方向のばらつきが少ない。また、このダンパー部材10をリニアアクチュエータ1に用いた場合に、リニアアクチュエータ1の動作を安定化できる。
本形態では、第1側壁11および第2側壁12は円筒状であり、第1側壁11と第2側壁12は同軸に配置されるため、ゲル状ダンパー部材14の径方向の厚さを均等にすることができる。従って、ゲル状ダンパー部材14の径方向のバネ定数が全周にわたって均一であるため、ダンパー性能の周方向のばらつきが少ない。
本形態では、余剰ゲル収容部18は、第2部材120における第2側壁12と第3側壁13との間に設けられた凹部であり、第2側壁12と第3側壁13とを接続する接続部15は、リブ17を備えている。従って、第2部材120に余剰ゲル収容部18を設けた構成でありながら、第2部材120の剛性を高めることができる。従って、ダンパー部材10の耐久性を高めることができる。
次に、本形態のリニアアクチュエータ1は、固定体2と可動体3とを上記のダンパー部材10によって接続する。すなわち、本形態のリニアアクチュエータ1は、シャフト31および磁石61を備えた可動体3と、第1ホルダ4およびコイル62を備えた固定体2とをダンパー部材10によって接続して、可動体3が軸線L方向に振動する際にゲル状ダンパー部材14をせん断方向に変形させる。従って、可動体3の振動時にせん断変形してダンパー性能を発揮するゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)のばらつきが小さいため、ダンパー性能のばらつきが小さい。よって、リニアアクチュエータ1の動作を安定化することができる。
本形態のリニアアクチュエータ1では、シャフト31の一端と第1ホルダ4とを接続する第1ダンパー部材10、および、シャフト31の他端と第2ホルダ5とを接続する第2ダンパー部材10を備えており、固定体2と可動体3とが、可動体3の軸線L方向の一端および他端の2箇所でダンパー部材10を介して固定体2と接続される。従って、リニアアクチュエータ1の動作を安定化することができる。
次に、本形態のダンパー部材10の製造方法は、治具90に第1部材110および第2部材120を当接させるとともに、第1部材110と第2部材120の間に所定の隙間Sが形成されるように第1部材110と第2部材120を位置決めする第1ステップと、隙間Sに硬化前のゲル材料を注型し、第1部材110および第2部材120の少なくとも一方に設けられた縁部121から溢れたゲル材料を、隙間Sに対して縁部121とは反対側に設けられた余剰ゲル収容部18に収容する第2ステップと、ゲル材料を硬化させてゲル状ダンパー部材14を形成する第3ステップと、第1部材110と第2部材120をゲル状ダンパー部材14によって接続したダンパー部材10を、治具90から取り外す第4ステップと、を行う。
本形態によれば、第1部材110と第2部材120とをゲル状ダンパー部材14によって接続した構造のダンパー部材10を製造するにあたって、治具90を用いて第1部材110と第2部材120とを組み立て、第1部材110と第2部材120の隙間Sにゲル材料を注型して硬化させる。その際、第2部材120に設けられた縁部121を越える余剰のゲル材料を縁部121から溢れさせることにより、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)は縁部121の位置によって規定する。ゲル材料の吐出量のばらつきが大きくても、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)のばらつきを低減させることができるので、ダンパー性能のばらつきが小さいゲル状ダンパー部材14を備えたダンパー部材10を製造できる。
また、本形態では、第2ステップにおいてゲル材料を隙間Sへ吐出するディスペンサー93の吐出ばらつきより、余剰ゲル収容部18の容積を大きくしているので、余剰ゲル収容部18からゲル材料が溢れることを防止できる。
[実施形態2]
図6は、実施形態2のダンパー部材10Aの断面図である。実施形態1では、ゲル状ダンパー部材14の内周側に配置される第1部材110と外周側に配置される第2部材120のうち、第2部材120の縁部121から外周側へゲル材料を溢れさせる構造であったが、内周側へゲル材料を溢れさせる構造とすることもできる。図6に示すように、実施形態2のダンパー部材10Aは、同軸に配置される円筒状の第1側壁11Aおよび第2側壁12Aと、第1側壁11Aの内周側において第1側壁11Aと同軸に配置される第3側壁13Aを備える。
第1部材110Aは、第1側壁11Aおよび第3側壁13Aと、第1側壁11Aと第3側壁13Aを接続する接続部15Aを備える。第1側壁11Aと第3側壁13Aの間には、第1側壁11Aに対してゲル状ダンパー部材14とは反対側(内周側)に、余剰ゲル収容部18Aが形成されている。第2部材120Aは、第2側壁12Aと、第2側壁12Aから外周側へ突出するフランジ部16を備える。本形態では、第1側壁11AのL1側の先端の位置が第2側壁12AのL1側の先端より低い位置にあり、ゲル状ダンパー部材14の軸線L方向の高さを規定する縁部111Aは、第1側壁11AのL1側の端部に設けられている。
実施形態2の構成においても、実施形態1と同様に、ディスペンサー93からゲル材料を吐出する際の吐出量のばらつきが大きくても、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)は縁部111Aの位置によって決まるので、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)のばらつきを低減させることができる。従って、ゲル状ダンパー部材14のダンパー性能のばらつきを抑制できる。
なお、第1部材110および第2部材120のいずれか一方でなく、第1部材110および第2部材120の両方に、ゲル状ダンパー部材14の寸法を規定する縁部と、縁部に対してゲル状ダンパー部材14とは反対側に設けられた余剰ゲル収容部と、を設けた構成にすることもできる。
[実施形態3]
図7(a)は、実施形態3のダンパー部材10Bの平面図であり、図7(b)は、実施形態3のダンパー部材10Bの断面図(図7(a)のB-B断面図)である。実施形態1、2では、ゲル状ダンパー部材14の寸法を規定する縁部が全周に設けられているが、実施形態3では、周方向の一部のみに設ける構造を採用している。図7(a)および(b)に示すように、実施形態2のダンパー部材10Bは、円筒状の第1側壁11Bと、第1側壁11Bの外周側に配置される第2側壁12Bと、第2側壁12Bの外周側の周方向の一
部に配置される第3側壁13Bを備える。第3側壁13Bは、接続部15Bによって第2側壁12Bと接続される。第2側壁12Bと第3側壁13Bの間には、余剰ゲル収容部18Bが設けられている。第1部材110Bは第1側壁からなり、第2部材120Bは、第2側壁12B、第3側壁13B、接続部15B、およびフランジ部16を備えている。
実施形態3では、ゲル状ダンパー部材14の軸線L方向の高さを規定する縁部121Bは、第2側壁12Bの軸線L方向の端部を切り欠いた切欠き部122に設けられている。また、余剰ゲル収容部18Bは、少なくとも、切欠き部122が設けられた周方向位置に設けられている。
実施形態3の構成では、余剰のゲル材料が切欠き部122から余剰ゲル収容部18Bへ溢れて、ゲル状ダンパー部材14の軸線L方向の高さは、縁部121Bによって規定される。従って、実施形態1と同様に、ディスペンサー93からゲル材料を吐出する際の吐出量のばらつきが大きくても、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)は縁部121Bの位置によって決まるので、ゲル状ダンパー部材14の寸法(高さ)のばらつきを低減させることができる。従って、ゲル状ダンパー部材14のダンパー性能のばらつきを抑制できる。
なお、図7に示す形態では、余剰ゲル収容部18Bが周方向の一部のみに設けられているが、実施形態3においても、余剰ゲル収容部18Bを全周に設けることができる。余剰ゲル収容部18Bを全周に設けることにより、縁部121Bから溢れた余剰のゲル材料を周方向に均等に配置できる。従って、ダンパー性能の周方向のばらつきを少なくすることができる。
[他の実施形態]
実施形態2と同様に、余剰ゲル収容部を第1側壁の内周側に配置した構成において、第1側壁に切欠き部を設けて、切欠き部から余剰のゲル材料を溢れされる構成を採用することができる。
1…リニアアクチュエータ、2…固定体、3…可動体、4…第1ホルダ、5…第2ホルダ、6…磁気駆動機構、10、10A,10B…ダンパー部材、11、11A、11B…第1側壁、12、12A、12B…第2側壁、13、13A、13B…第3側壁、14…ゲル状ダンパー部材、15、15A、15B…接続部、16…フランジ部、17…リブ、18、18A、18B…余剰ゲル収容部、19…軸孔、20…ケース、21…筒状ケース、22…第1端板、23…第2端板、31…シャフト、32…第1ヨーク、33…第2ヨーク、34…第1磁性板、35…第2磁性板、40…凸部、41…開口部、42…環状部、43…円筒部、44…内壁部、45…リブ、46…コイル固定部、47…凹部、50…凸部、51…開口部、52…円筒部、52…環状部、53…第1円筒部、54…第2円筒部、55…突出部、56…内壁部、57…リブ、61…磁石、62…コイル、63…基板、90…治具、91…円形凹部、92…ピン、93…ディスペンサー、110、110A、110B…第1部材、111A…縁部、120、120A、120B…第2部材、121、121B…縁部、122…切欠き部、140…余剰ゲル部材、160…ボルト、191…小径部、192…大径部、193…段部、310…ボルト、341…端板部、342…側板部、461…胴部、462…第1フランジ部、463…第2フランジ部、L…軸線、L1…軸線方向の一方側、L2…軸線方向の他方側、S…第1部材と第2部材の隙間

Claims (12)

  1. 第1部材と、
    前記第1部材の外周側に配置され、前記第1部材に対して相対移動可能な第2部材と、
    前記第1部材と前記第2部材との隙間に配置され、前記第1部材と前記第2部材を接続するゲル状ダンパー部材と、を備え、
    少なくとも前記第1部材および前記第2部材のいずれかは、前記ゲル状ダンパー部材の寸法を規定する縁部と、前記縁部に対して前記ゲル状ダンパー部材とは反対側に設けられた余剰ゲル収容部と、を備えることを特徴とするダンパー部材。
  2. 前記第1部材は、筒状の第1側壁を備え、
    前記第2部材は、前記第1側壁の外周側に配置される筒状の第2側壁を備え、
    前記ゲル状ダンパー部材は、前記第1側壁と前記第2側壁の間に配置され、
    前記縁部は、前記第1側壁または前記第2側壁の軸線方向の端部の全周に設けられ、
    前記余剰ゲル収容部は、前記縁部に対して前記ゲル状ダンパー部材とは反対側において全周に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダンパー部材。
  3. 前記第1部材は、筒状の第1側壁を備え、
    前記第2部材は、前記第1側壁の外周側に配置される筒状の第2側壁を備え、
    前記ゲル状ダンパー部材は、前記第1側壁と前記第2側壁の間に配置され、
    前記縁部は、前記第1側壁または前記第2側壁の軸線方向の端部を切り欠いた切欠き部に設けられ、
    前記余剰ゲル収容部は、少なくとも、前記切欠き部が設けられた周方向位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダンパー部材。
  4. 前記余剰ゲル収容部は、全周に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のダンパー部材。
  5. 前記第1側壁は、円筒状であり、
    前記第2側壁は、円筒状であり、且つ、前記第1側壁と同軸に配置されることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のダンパー部材。
  6. 前記第2側壁の外周側に配置される第3側壁、および、前記第2側壁と前記第3側壁とを接続する接続部を備え、
    前記縁部は、前記第2側壁に設けられ、
    前記余剰ゲル収容部は、前記第2側壁と前記第3側壁との間に設けられた凹部であり、
    前記接続部は、リブを備えていることを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載のダンパー部材。
  7. 前記第1側壁の内周側に配置される第3側壁、および、前記第1側壁と前記第3側壁とを接続する接続部を備え、
    前記縁部は、前記第1側壁に設けられ、
    前記余剰ゲル収容部は、前記第1側壁と前記第3側壁との間に設けられた凹部であり、
    前記接続部は、リブを備えていることを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載のダンパー部材。
  8. 固定体と、
    可動体と、
    前記可動体を駆動する磁気駆動機構と、
    前記固定体と前記可動体とを接続する請求項1から7の何れか一項に記載のダンパー部
    材と、
    を有し、
    前記第1部材と前記第2部材の一方は、前記可動体に固定され、
    前記第1部材と前記第2部材の他方は、前記固定体に固定されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  9. 前記可動体は、軸線方向に延びるシャフトを備え、前記シャフトは、前記第1部材に設けられた軸孔に固定され、
    前記固定体は、前記シャフトの外周側に配置されるホルダを備え、前記第2部材は、前記ホルダに固定され、
    前記磁気駆動機構は、前記シャフトに固定される磁石と、前記磁石の外周側に配置されるとともに前記ホルダに固定されるコイルと、を備えることを特徴とする請求項8に記載のリニアアクチュエータ。
  10. 前記可動体は、軸線方向に延びるシャフトを備え、前記シャフトは、前記第1部材に設けられた軸孔に固定され、
    前記固定体は、前記軸線方向に延びるケースと、前記ケースの前記軸線方向の一端に固定される第1ホルダと、前記ケースの前記軸線方向の他端に固定される第2ホルダを備え、
    前記ダンパー部材は、前記シャフトの一端と前記第1ホルダとを接続する第1ダンパー部材、および、前記シャフトの他端と前記第2ホルダとを接続する第2ダンパー部材を備え、
    前記磁気駆動機構は、前記シャフトに固定される磁石と、前記磁石の外周側に配置されるとともに前記第1ホルダまたは前記第2ホルダに固定されるコイルと、を備えることを特徴とする請求項8に記載のリニアアクチュエータ。
  11. 治具に第1部材および第2部材を当接させるとともに、前記第1部材と前記第2部材の間に所定の隙間が形成されるように前記第1部材と前記第2部材を位置決めする第1ステップと、
    前記隙間に硬化前のゲル材料を注型し、前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方に設けられた縁部から溢れた前記ゲル材料を、前記隙間に対して前記縁部とは反対側に設けられた余剰ゲル収容部に収容する第2ステップと、
    前記ゲル材料を硬化させてゲル状ダンパー部材を形成する第3ステップと、
    前記第1部材と前記第2部材を前記ゲル状ダンパー部材によって接続したダンパー部材を、前記治具から取り外す第4ステップと、を行うことを特徴とするダンパー部材の製造方法。
  12. 前記第2ステップでは、前記ゲル材料をディスペンサーから前記隙間へ吐出し、
    前記余剰ゲル収容部の容積が、前記ディスペンサーの吐出ばらつきより大きいことを特徴とする請求項11に記載のダンパー部材の製造方法。
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