JP7357985B1 - アシスト装置及びアシスト装置を搭載した台車 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2は台車本体2の荷台12の裏面にアシスト用のモーター付き車輪15を配設し、所定のトルクが検出されるとモータ3を駆動させて車輪15を回転させアシストするというものである。
また、特許文献2では台車1の車輪とは無関係に別のアシスト用のモーター付き車輪15を配設するため、既存の台車に後付けすることは可能かもしれないものの、車輪15は常時接地する構成であるため、モータ3が駆動していない場合には車輪15は単に連れ回りすることとなり、台車走行の際の抵抗になってしますし、万一モータ3への電源供給が遮断された場合には台車の動き出しの際の大きな抵抗にもなる。また、常時車輪15が接地していると台車が動いている際に車輪15の振動も拾ってしまうこととなる。
このようなことから、既存の台車に取り付けることが可能で、アシストしていない台車の通常走行においてアシスト装置のタイヤが接地しないアシスト装置及びそのようなアシスト装置を搭載した台車が望まれていた。
これによって、アシスト装置のペダル部材を踏み込むことで、格納位置に配置されたタイヤが路面等に接地し、ペダル部材を踏み込み続けることで接地したタイヤが回転して台車の動き出しの際に推進力を与えることができ、これによって動き出しの際の台車を押し出す操作がアシストされることとなって台車の押し出しが楽になる。
アシストしていない状態では、リンク部材は初期状態で第1の揺動位置にあり、タイヤは上動して接地しておらず格納状態となっている。ペダル部材を踏み込むことペダル部材が変位し、付勢部材の付勢力に抗してチェーンが引っ張られる。チェーンはリンク部材に取り付けられた第1のスプロケット及び第2のスプロケットに巻回され、かつ付勢部材によって張力を与えられているためチェーンが引っ張られるとリンク部材には回転軸を中心とした下方への押し下げ力が作用する。これによってタイヤが接地するとともに、ペダル部材を踏み込み続けることでチェーンを介して第2のスプロケットと同軸のタイヤが回転して台車の動き出しのアシストをする。
上記において、
「台車の荷台裏面又は荷台後端部に取り付けて使用される」とはアシスト装置の配置位置についてであり、アシスト装置はこれらの位置にあると、作業者がペダルを踏み込みやすく、台車の荷台に運搬物を載置する支障にもなりにくい。荷台裏面や荷台後端部はこれら両方にまたがってアシスト装置が配置されるようにしてもよい。
「チェーン」は、例えばローラチェーンやサイレントチェーンを用いることができる。
「第1の揺動位置」はペダル部材との関係ではペダル部材を踏み込む前の位置であり、「第2の揺動位置」はペダル部材を踏み込んでリンク部材が変位した位置である。踏み込みの量によって第2の揺動位置は変わる。リンク部材を「第1の揺動位置」から「第2の揺動位置方向」へと変位させる際にはペダル部材を地上面に着くまで完全に最後まで踏み込む必要はない。タイヤはリンク部材が第2の揺動位置に至る途中で接地するため、それ以後の踏み込みの力はタイヤを回転させる力となるため、所望の回転力を与えるべくペダル部材を任意の踏み込み量で踏み込めばよい。もちろん最後まで踏み込んでもよい。
このように駆動伝達機構の3つの鋼製部材が直列に配置されると、アシスト装置の全高を低く抑えることができ、台車の荷台裏面のような狭い空間であってもアシスト装置を配設しやすくなる。
手段3として前記チェーンは前記ペダル部材と前記第1のスプロケットの間と、前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットの間に架設されているようにした。
このような駆動伝達機構の配置とすれば、リンク部材を押し下げるような力が作用しやすく、そのためタイヤの下動がスムーズに行われることとなる。
手段4として、前記第1のスプロケットの回転軸は前記リンク部材の前記回転軸と同軸であるようにした。
これによってアシスト装置の前後方向長さをコンパクトにすることができる。
手段5として、前記リンク部材は第2の付勢部材によって前記第1の揺動位置方向に付勢されているようにした。
これによって、ペダル部材を踏み込んでいないときに、確実にリンク部材を第1の揺動位置側に揺動させておく(タイヤを格納状態とする)ことができる。第2の付勢部材がなくともリンク部材に重量配分によっては重心が回転軸よりも台車前方側に存在すればリンク部材は第1の揺動位置側に揺動するが、このように第2の付勢部材を配置すれば重心位置を気にせずに設計でき、また第1の揺動位置と第2の揺動位置との間の変位速度も素早くなる。
手段6として、前記リンク部材にかかる質量に対する重心位置は前記回転軸よりも台車前方寄りにあるようにした。
このような構成であれば、第2の付勢部材がなくともリンク部材は第1の揺動位置側に揺動することができ、タイヤを接地していないタイヤ格納状態に配置することができる。
例えば、回転軸の位置を調節したり、例えば重錘体をリンク部材の回転軸よりも台車前方寄りに取り付けるようにすることで実現できる。
つまり、第2のスプロケットはタイヤの台車に対する前進方向に回転させ、一方で第1のスプロケットはそれとは逆の回転となっている状態である。第1の回転方向は台車に対して後退方向に回転する方向となる。
このような駆動伝達機構であると、一本のチェーンのみで第2のスプロケットをタイヤを台車の前進方向に回転させるように回転させるような駆動伝達機構を構築することができる。
手段8として、前記駆動伝達機構は第1の前記チェーンによって前記第1のスプロケットが第1の回転方向に回転するとともに、前記第2のスプロケットが前記第1のスプロケットとの間に巻回された第2の前記チェーンによって前記第1のスプロケットと同じ回転方向に回転して前記タイヤを台車の後退方向に回転させる後退方向へのアシスト機構を構成するようにした。
これによって第2のスプロケットを第1のスプロケットの回転方向と同じ回転方向であるタイヤの台車に対する後退方向に回転させることができる。
手段9として、前記駆動伝達機構は前記前進方向へのアシスト機構と前記後退方向へのアシスト機構を択一的に切り替える切り替え機構を備えているようにした。
これによって、台車の使用状況に応じて駆動切り替え機構を操作してタイヤを台車の前進方向か後退方向か適宜選択することができる。
これによって、ペダルが踏み込みの初期位置に戻った際に第2のスプロケットが駆動されてタイヤが回転方向と逆に回転してしまうことが防止される。
手段11として、前記付勢部材の付勢力は調節可能であるようにした。
これによって、リンク部材が第1の揺動位置と第2の揺動位置を揺動する速さに応じて、あるいはペダル踏み込みの際のペダルの重さに応じて、あるいはリンク部材が第2の付勢部材によって第1の揺動位置方向に付勢されている場合には第2の付勢部材との付勢力の関係等に応じて適宜付勢部材の付勢力を調整することができ、アシスト装置を最適な操作状態に設定することができる。
このようなアシスト装置5は台車の出荷の際に当初からアシスト装置を取り付けるようにしてもよく、既存の台車にブラケットのような取り付け具を介してアシスト装置を取り付けてもよい。
図1に示すように、本実施の形態の台車1は荷台2と2つの前輪3Aと2つの後輪3Bを備え、荷台の後端寄りには人が手で押すための取っ手4が立設されている。荷台2の後端かつ裏面位置にはアシスト装置5が配設されている。アシスト装置5は荷台2の裏面に対してブラケット6によって吊り下げ支持されている。以下、アシスト装置5の構成の一例について説明する。
図2~図5に示すように、アシスト装置5は荷台2裏面の荷台2の後端に面した位置に取着されたブラケット6にリンク7A、7Bを介して配設されている。平行に配置された左右一対のリンク7A、7Bはブラケット6に対して第1の回転軸8を中心に揺動可能に取り付けられている。本実施の形態では後方から目視した際に右側に配置される側をリンク7Aとし、左側に配置される側をリンク7Bとする。リンク7A、7Bはいずれも長方形形状の合金製板体からなり、リンク7Bの方がリンク7Aより長尺に構成されている。図2に示すようにリンク7Aは前方寄りで第1の回転軸8に支持され後方(つまり、台車1の荷台2後端方向)に延出されている。図3に示すようにリンク7Bはリンク7Aよりも中央寄りで第1の回転軸8に支持され後方に延出されている。
第1の回転軸8に隣接した後方位置には左右のリンク7A、7B間に架設された合金製の間隔保持フレーム10が配設されている。間隔保持フレーム10の上面中央位置にはコイルばね11が配設されている。コイルばね11は荷台2の裏面に対して付勢状態で配設されており、その付勢力によってリンク7A、7Bは間隔保持フレーム10を介して第1の回転軸8を中心として下方に向かって押し下げられ、図2のようにリンク7A、7Bは第1の回転軸8の後方が若干斜め上方向に押し上げられている。
図4、図5等に示すように、タイヤユニット15はタイヤホイール15aとタイヤホイールを包囲する合成ゴム製のタイヤ15bを備えており、タイヤホイール15aの左右位置には図10(b)に示す外周に噛み合い歯18が形成された合金製の雄型スプロケット16A、16Bが固着されている。雄型スプロケット16A、16Bは後述する雌型リング23A、23Bと組み合わされて噛み合いクラッチを構成する部材である。後方から目視した際にタイヤユニット15の右側に配置される側を雄型スプロケット16Aと雌型リング23Aとし、同左側に配置される側を雄型スプロケット16Bと雌型リング23Bとする。タイヤ15bと雄型スプロケット16Bの間にはタイヤホイール15aに固着された合金製の駆動伝達ディスク17が配設されている。
図3~図5に示すように、後退側回転伝達機構21は第2の回転軸13に対して回動自在な第2のチェーンスプロケット22Bと合金製の雌型リング23Bとホイール24とから構成されている。ホイール24は図示しないワンウェイクラッチ機構を内蔵しており、ホイール24に取り付けられた雌型リング23Bは一方向のみに回転が許容される。雌型リング23Aと雌型リング23Bの回転方向は互いに逆方向となる。図10(a)に示すように雌型リング23Aと雌型リング23Bはリングの内周に雄型スプロケット16A、16Bの噛み合い歯18と凹凸関係で噛合される雌型25が形成されている。雄型スプロケット16Aと雌型リング23A、雄型スプロケット16Bと雌型リング23Bが軸方向に移動してそれぞれ噛み合い、あるいは離間することで噛み合いクラッチが構成されることとなる。
このような構成において、切り替えレバー26の操作部26bを操作して切り替えレバー26をレール30に沿って左右方向に移動させることで、駆動伝達ディスク17とともにタイヤユニット15が第2の回転軸13上を移動し、左右いずれかの雄型スプロケット16A、16Bが対応する雌型リング23A、23Bに嵌合されてタイヤユニット15(タイヤ15b)に前進側回転伝達機構20又は後退側回転伝達機構21の駆動が伝達されることとなる。
図2及び図3に示すように、ペダル27A、27Bは初期位置では、第1のレバー27部aが第3の回転軸14位置を支点として斜め上方後方に向かって延出され、第2のレバー部27bは斜め上方前方に延出される。そして、第1のレバー27部aを下動させることで第2のレバー部27bを回転させ第2のレバー部27bの先端を後方に向かって変位させるようにする。
まず、前進側回転伝達機構20について説明する。
図2及び図5に示すように、右側のペダル27Aに連結されたチェーンCは、第1のチェーンスプロケット9Aの上方に導かれ、第1のチェーンスプロケット9Aを巻回して反転し、第2のチェーンスプロケット22Aの上方に導かれ、第2のチェーンスプロケット22Aを巻回して再び反転しリンク7Aの前方に導かれている。リンク7Aの前方位置には案内コマ35が配設され、案内コマ35には前後方向に進退するロッド36Aが配設されている。チェーンC先端はロッド36Aの後端に連結されている。
ロッド36Aの前方位置には雌ネジ39が進退可能に螺合されており、ロッド36Aの外周位置にはコイルばね37が挿嵌されている。コイルばね37は雌ネジ39と案内コマ35の間に付勢状態で配置され、ロッド36Aは雌ネジ39を介して常時前方方向に付勢されている。これによって前進側回転伝達機構20のチェーンCは張力を与えられてペダル27Aを初期位置方向に付勢する。
このようなチェーンCの巻回パターンであれば第1のチェーンスプロケット9Aと第2のチェーンスプロケット22Aの回転方向は逆となり、右側のペダル27Aの踏み込みによって第2のチェーンスプロケット22Aと同軸に固定されたタイヤ15bは前転する。
図3及び図5に示すように、左側のペダル27Bに連結された第1のチェーンC1は、第1のチェーンスプロケット9Bの上方に導かれ、第1のチェーンスプロケット9Bを巻回し、反転せずに第1のチェーンスプロケット9Bの前方下方位置に配置されたプーリー38を介して前方に導かれている。リンク7Bの前方位置には案内コマ35に挿通されて前後方向に進退するロッド36Bが配設されており、第1のチェーンC1先端がロッド36の後端に連結されている。第1のチェーンC1は前進側回転伝達機構20側と同様にコイルばね37によって張力を与えられてペダル27Aを初期位置方向に付勢する。案内コマ35とロッド36Bとコイルばね37の構成は前進側回転伝達機構20の案内コマ35とロッド36Aとコイルばね37と同じであるので詳しい説明を省略する。
第1のチェーンスプロケット9Bと同軸に配置された第1のチェーンスプロケット9Cと第2のチェーンスプロケット22Bの間には第2のチェーンC2が巻回されている。
このような第1及び第2のチェーンC2の巻回パターンであれば第1のチェーンスプロケット9Bと第2のチェーンスプロケット22Bの回転方向は同じになり、左側のペダル27Bの踏み込みによって第2のチェーンスプロケット22Bと同軸に固定されたタイヤ15bは後転する。
コイルばね11の付勢力に抗してペダル27A、27Bを踏み込むことでリンク7A、7Bは後方側が下がってタイヤ15bが地上面Gに接地するようになる。タイヤ15bが地上面Gに接地した後もペダル27A、27Bを踏み込み続けることでタイヤ15bによるアシストが実行される。本実施の形態では第1のレバー27部aの上端が回転して地上面Gに接地し、リンク7A、7Bの後方がもっとも下がった状態を第2の揺動位置とする。
尚、図2や図3においては、チェーンCの第1のチェーンスプロケット9A、9B、9Cと第2のチェーンスプロケット22A、22Bへの巻回した状態の理解をしやすくするために仮想線で表現している。
図6に示すように、ペダル27Aが初期位置にある場合においては、リンク7Aはコイルばね11の付勢力を付与されて後方側が上がっており、タイヤ15bは上動して接地していない格納位置に配置されている。この状態で台車1が走行していれば、タイヤ15bは接地していないため、タイヤ15bの接地抵抗や接地することによって回転する際に生じる振動等の不具合はない。
この状態で作業者がペダル27Aを踏み込むと、第1の回転軸8よりも後方側に加重されるため、第1の揺動位置にあるリンク7Aは第2の揺動位置方向に揺動して第1の回転軸8を回動中心に下動を開始しタイヤ15bが接地することとなる。そして、ペダル27Aをそのまま踏み続けるとチェーンCが引っ張られて第1のチェーンスプロケット9Aを介して第2のチェーンスプロケット22Aに駆動が伝達され、第2のチェーンスプロケット22Aと同軸にあるタイヤ15bは図7に示すように矢印方向に前転させることとなる。これによって台車1への前方方向の動き出しの際のアシストをすることができる。次いで、ペダル27Aから足を離すとコイルばね37によってチェーンCが引き戻され、ペダル27Aは回転して初期位置に復帰する。このとき、ホイール24のワンウェイクラッチ機構によって第2のチェーンスプロケット22Aの駆動はタイヤ15bには伝達されないため、ペダル27Aのみが初期位置に復帰する。ペダル27Aへの踏み込み力が消失することでコイルばね11の付勢力によってリンク7Aは第1の揺動位置方向に揺動してタイヤ15bは上動する(接地しなくなる)。
図8に示すように、ペダル27Bが初期位置にある場合においては、リンク7Bはコイルばね11の付勢力を付与されて後方側が上がっており、タイヤ15bは上動して接地していない格納位置に配置されている。この状態で台車1が走行していれば、タイヤ15bが接地していないため、タイヤ15bの接地抵抗や接地することによって回転する際に生じる振動等はない。この点は前進側の機構と同様である。
この状態で作業者がペダル27Bを踏み込むと、第1の回転軸8よりも後方側に加重されるため、第1の揺動位置にあるリンク7Bは第2の揺動位置方向に揺動して第1の回転軸8を回動中心に下動を開始しタイヤ15bが接地することとなる。この点も前進側の機構と同様である。
そして、ペダル27Bをそのまま踏み続けると第1のチェーンC1が引っ張られて第1のチェーンスプロケット9Bは後転方向に回転する。この回転に同期して第1のチェーンスプロケット9Cも回転し駆動は第2のチェーンC2を介して第2のチェーンスプロケット22Bに伝達され、第2のチェーンスプロケット22Bと同軸にあるタイヤ15bは図7に示すように矢印方向に後転させることとなる。これによって台車1への後方方向の動き出しの際のアシストをすることができる。次いで、ペダル27Aから足を離すとコイルばね37によって第1のチェーンC1が引き戻され、ペダル27Aは回転して初期位置に復帰する。このとき、ホイール24のワンウェイクラッチ機構によって第2のチェーンスプロケット22Aの駆動はタイヤ15bには伝達されないため、ペダル27Aのみが初期位置に復帰する。ペダル27Bへの踏み込み力が消失することでコイルばね11の付勢力によってリンク7Bは第1の揺動位置方向に揺動してタイヤ15bは上動する(接地しなくなる)。
(1)作業者が台車1を前進させる際に荷台2の荷物が非常に重い場合に、アシスト装置5のペダル27Aを踏み込むだけでタイヤ15bが下降して地上面Gに接地し、回転して前進側の駆動をアシストするため、動き出しの際の台車1を前に押し出す力が軽減される。後退側も同様である。
(2)アシスト装置5は台車1に対して後付けすることができるため、既存の台車1に適用することができる。
(3)ペダル27A(27B)を踏み込んでいないとタイヤは接地しないため、タイヤの接地抵抗や接地することによって回転する際に生じる振動等がなくなる。
(4)台車1の前進の際だけでなく後退も際にもアシスト装置5を用いることができる。
(5)作業者は目の前の切り替えレバー26を操作するだけでが簡単にアシスト装置5の前進側と後退側を切り替えることができる。
(6)アシスト装置5はペダル27A(27B)を踏み込む力だけで前進側と後退側を切り替えることができ、特に電気的な動力を必要としない。
(7)コイルばね37(とロッド36A、36B)はリンク7A、7Bの長手方向に水平に延出されるため、アシスト装置5の上下幅はそれほど大きくならず、コンパクトに収まるため、狭い荷台2下にもストレスなく配置できる。
(8)チェーンC(C1)はまず第1のチェーンスプロケット9A、9Bの上方から巻回されるため、ペダル27A(27B)を踏み込んだ際にリンク7A、7Bを上から押し下げる力が作用しやすく装置の応答性がよくなる。
(9)コイルばね37の付勢力はコイルばね11の付勢力に応じて適宜ロッド36に対する雌ネジ39の位置をずらして適宜調整することができる。
・上記の構成は一例であって、適宜部材の形状や部材点数を変更して実施してもよい。また付勢部材としてのコイルばね11、37の付勢力を適宜変更してもよい。例えば、アシスト装置5が前進方向のみアシストするように構成してもよい。その場合には切り替えレバー26や噛み合いクラッチを構成する雄型スプロケット16A(16B)と雌型リング23A(23B)は不要となる。
・上記ではリンク7A、7Bを第1の揺動位置に配置するために、コイルばね11を使用したが、リンク7A、7Bの第1の回転軸8よりも前方側の重量を重くすることで重心をずらし、第1の回転軸8よりも前方に重心が来るようにして、コイルばね11を用いないように実現してもよい。そのために、例えば重錘体を第1の回転軸8よりも前方側に配置するようにしてもよい。
・上記では付勢手段としてコイルばね11、37を用いたが、それ以外のばね手段を用いてもよい。
・上記のタイヤ15bを前進側、後退側に回転させる機構は一例であって、他のスプロケットとチェーンの配置の伝達機構を用いて実現するようにしてもよい。
・アシスト装置5は上記では台車1の後方にも露出するような構成であったが、ペダル27A、27B以外を完全に台車1の荷台2の裏面に隠すようにしてもよい。
・台車1の出荷の際に当初からアシスト装置5を取り付けても、既存の台車1にアシスト装置5を取り付けてもよい。
また、意匠出願への変更出願により、全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。
Claims (10)
- 台車の荷台裏面や荷台後端部に取り付けて使用される前記台車の動き出しの際に駆動力を付与するためのアシスト装置において、
前記荷台の裏面側に回転可能に取り付けられ、回転軸を中心に第1の揺動位置と第2の揺動位置の間を往復動可能なリンク部材と、
前記リンク部材に対して回転可能に取着されたペダル部材と、
第1のスプロケットと第2のスプロケットがそれぞれ前記リンク部材に対して回転可能に取着され、前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットにチェーンが巻回され、前記リンク部材の前記回転軸側から順に前記第1のスプロケット、前記第2のスプロケット、前記ペダル部材の順に配列されて構成された駆動伝達機構と、
前記リンク部材が前記第1の揺動位置にあると接地せず、前記第2の揺動位置方向に変位することで接地する前記第2のスプロケットの回転軸と同軸に取着されたタイヤと、を備え、
前記ペダル部材には前記チェーンの基部側が連結され、前記チェーンの先端側は付勢部材によって付勢されることで前記第1のスプロケット及び前記第2のスプロケットを介して前記ペダル部材に対して付勢力が付与され、
前記チェーンは前記ペダル部材から前記第1のスプロケットに対して上方側から巻回され、その後反転して前記第2のスプロケットに対して上方側から巻回され、その後反転して先端側で前記付勢部材に連結されており、前記第1のスプロケットが第1の回転方向に回転するとともに、前記第2のスプロケットが前記第1の回転方向とは逆となる第2の回転方向に回転して前記タイヤを台車の前進方向に回転させる前進方向へのアシスト機構を構成し、
前記ペダル部材を踏み込んで付勢力に抗して前記ペダル部材を変位させる際に、前記リンク部材は前記第1の揺動位置から前記第2の揺動位置方向へと変位して前記タイヤが接地し、前記チェーンによって前記第1のスプロケット及び前記第2のスプロケットは回転させられ、前記第2のスプロケットの回転に伴って前記タイヤが回転することで駆動力を付与するように構成されたことを特徴とする台車のアシスト装置。 - 台車の荷台裏面や荷台後端部に取り付けて使用される前記台車の動き出しの際に駆動力を付与するためのアシスト装置において、
前記荷台の裏面側に回転可能に取り付けられ、回転軸を中心に第1の揺動位置と第2の揺動位置の間を往復動可能なリンク部材と、
第1のスプロケットと第2のスプロケットがそれぞれ前記リンク部材に対して回転可能に取着され、前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットにチェーンが巻回されて構成された駆動伝達機構と、
前記リンク部材が前記第1の揺動位置にあると接地せず、前記第2の揺動位置方向に変位することで接地する前記第2のスプロケットの回転軸と同軸に取着されたタイヤと、
前記リンク部材に対して回転可能に取着されたペダル部材と、を備え、
前記ペダル部材には前記チェーンの基部側が連結され、前記チェーンの先端側は付勢部材によって付勢されることで前記第1のスプロケット及び前記第2のスプロケットを介して前記ペダル部材に対して付勢力が付与され、
前記駆動伝達機構は第1の前記チェーンによって前記第1のスプロケットが第1の回転方向に回転するとともに、前記第2のスプロケットが前記第1のスプロケットとの間に巻回された第2の前記チェーンによって前記第1のスプロケットと同じ回転方向に回転して前記タイヤを台車の後退方向に回転させる後退方向へのアシスト機構を有し、
前記ペダル部材を踏み込んで付勢力に抗して前記ペダル部材を変位させる際に、前記リンク部材は前記第1の揺動位置から前記第2の揺動位置方向へと変位して前記タイヤが接地し、前記チェーンによって前記第1のスプロケット及び前記第2のスプロケットは回転させられ、前記第2のスプロケットの回転に伴って前記タイヤが回転することで駆動力を付与するように構成されたことを特徴とする台車のアシスト装置。 - 前記駆動伝達機構は前進方向へのアシスト機構と前記後退方向へのアシスト機構を択一的に切り替える切り替え機構を備えていることを特徴とする請求項2に記載の台車のアシスト装置。
- 前記リンク部材の前記回転軸から順に前記第1のスプロケット、前記第2のスプロケット、前記ペダル部材の順に配列されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の台車のアシスト装置。
- 前記第1のスプロケットの回転軸は前記リンク部材の前記回転軸と同軸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車のアシスト装置。
- 前記リンク部材は第2の付勢部材によって前記第1の揺動位置方向に付勢されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車のアシスト装置。
- 前記リンク部材にかかる質量に対する重心位置は前記回転軸よりも台車前方寄りにあることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車のアシスト装置。
- 前記第2のスプロケットはワンウェイクラッチを備え一方の回転方向のみに回転力が伝達されることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車のアシスト装置。
- 前記付勢部材の付勢力は調節可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車のアシスト装置。
- 請求項1又は2に記載の台車のアシスト装置を搭載した台車。
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