JP7357256B2 - 山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造 - Google Patents

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本発明は、山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造に関し、特に、トンネルの掘削内壁面と、鋼製支保工の外周面との間に介在して設けられて、これらを密着させる山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造に関する。
山岳トンネル工法においては、例えばトンネル覆工型枠(セントル)を用いて二次覆工を施工するのに先立って、吹付けコンクリートや吹付モルタルによる一次覆工が、トンネルの掘削内壁面に施工されるようになっており、一次覆工は、掘削直後のトンネルの掘削内壁面からの荷重を、トンネルの軸方向に間隔をおいて周方向に延設させて設置された複数本の鋼製支保工により支持させた状態で、これらの鋼製支保工の間隔部分に吹付けコンクリートや吹付モルタルを所定の厚さで吹き付けることによって形成されることになる。
このため、鋼製支保工は、トンネルの掘削内壁面に沿って周方向に延設させた状態で、当該掘削内壁面に強固に密着させて、効率良く掘削内壁面からの荷重を支持できるようにすることが望ましことから、特にトンネルの上部のアーチ形状部分においては、建て込まれた鋼製支保工の外周面と掘削内壁面との間に生じた間隔部分に、モルタル等の硬化性充填材を注入充填して硬化させることにより、これらを密着させるようにしている。
また、建て込まれた鋼製支保工の外周面と掘削内壁面とを密着させる工法として、好ましくはコンタクトバック工法が知られており、このコンタクトバック工法では、建て込まれた鋼製支保工の外周面と掘削内壁面との間の間隔部分に、モルタル等の硬化性充填材が注入充填される例えば布製の充填袋体を配設し、配設した充填袋体に、好ましくはノンブリージング性を備える速硬性のモルタルを充填することにより膨張させて、膨張した充填袋体を、鋼製支保工の外周面及び掘削内壁面の双方に密着させることで、これらの一体化を図るようになっている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2001-12198号公報 特開2004-27495号公報
しかしながら、従来のコンタクトバック工法では、充填袋体は、硬化性充填材が注入充填された際に、円柱形状となるように膨張するものとなっており、例えば複数のゴムバンドを用いて鋼製支保工に係止されて取り付けられている状態では、その重量によって鋼製支保工から転げ落ちるようにして位置ずれを生じやすくなり、鋼製支保工と掘削内壁面とを安定した状態で一体化して密着させることが困難になる場合がある。
また、特許文献1では、充填袋体の下面に、鋼製支保工の幅よりもやや小さな間隔をおいて幅方向に対をなす固定部を、充填袋体の長さ方向に間隔をおいて複数設けておき、例えばH形鋼からなる鋼製支保工のフランジの側縁部と固定部とを、締付け金具を用いて締付けて固定することによって、充填袋体を鋼製支保工に取り付ける方法が採用されているが、例えば充填袋体を安定した状態で取り付けるために、固定部や締付け金具の数を増やすと、充填袋体の取り付け作業に多くの手間を要することになる。
本発明は、多くの手間を要することなく、充填袋体を鋼製支保工の外周面に簡易に取り付けることを可能にすると共に、硬化性充填材が注入充填されて膨張する充填袋体を、安定した状態で掘削内壁面に密着させて、掘削内壁面と鋼製支保工との一体化を図ることのできる山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造を提供することを目的とする。
本発明は、山岳トンネル工法において、上部にアーチ形状部分を含む断面形状を有するトンネルの掘削内壁面と、該掘削内壁面に沿って設置される鋼製支保工の外周面との間に介在して設けられて、これらを密着させる鋼製支保工の密着構造であって、前記鋼製支保工の外周面に一体として取り付けられた面状ファスナーを形成する内側ファスナー面材と、該内側ファスナー面材に係合される外側ファスナー面材と、該外側ファスナー面材に一体として取り付けられた充填袋体とを含んで構成されており、該充填袋体は、伸縮性を備える布地を用いて形成されていると共に、前記鋼製支保工の外周面に沿った周方向の伸縮性が小さく、周方向と垂直な方向の伸縮性が大きくなっている布地を用いて形成されており、前記面状ファスナーを介して前記鋼製支保工の外周面に周方向に延設して取り付けられた前記充填袋体に、流動性を有する硬化性充填材を供給して硬化させることにより、硬化性充填材の供給によって膨張した前記充填袋体の外周部分をトンネルの掘削内壁面に密着させて、掘削内壁面からの荷重を前記鋼製支保工に支持させる山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
さらに、本発明の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造は、前記充填袋体が、前記外側ファスナー面材から延設する部分が、前記外側ファスナー面材の幅よりも大きな幅を有していることで、弛んだ状態で設けられていることにより、硬化性充填材の供給によって膨張するようになっていることが好ましい。
さらにまた、本発明の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造は、前記充填袋体が、筒状に形成した筒状袋材を、前記外側ファスナー面材に重ね合わせて接合することによって、前記外側ファスナー面材に一体として取り付けられていることが好ましい。
また、本発明の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造は、前記充填袋体が、前記外側ファスナー面材を底面部分として、これの両側縁部から伸縮部分を連続して延設させることにより、前記外側ファスナー面材に一体として取り付けられていることが好ましい。
さらに、本発明の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造は、前記充填袋体が、前記鋼製支保工の周方向に連設して、複数体取り付けられていることが好ましい。
本発明の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造によれば、多くの手間を要することなく、充填袋体を鋼製支保工の外周面に簡易に取り付けることを可能にすると共に、硬化性充填材が注入充填されて膨張する充填袋体を、安定した状態で掘削内壁面に密着させて、掘削内壁面と鋼製支保工との一体化を図ることができる。
図1は、本発明の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造を説明する山岳トンネルの横断面図である。 図2は、図1のA-Aに沿った拡大断面図である。 図3(a)、(b)は、充填袋体を鋼製支保工に取り付ける状況を説明する拡大断面図である。 図4は、注入口部材が取り付けられた充填袋体の端部を説明する斜視図である。 図5(a)は、硬化性充填材が充填される前の状態の充填袋体の平面図、図5(b)は、図5(a)のB-Bに沿った断面図である。 鋼製支保工の密着構造の他の形態を説明する断面図である。 充填袋体の他の形態を説明する断面図である。
本発明の好ましい一実施形態に係る山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造10は、図1に示すように、例えばNATM工法等の公知の山岳トンネル工法によって掘削された、上部にアーチ形状部分を含む断面形状を有するトンネルとして、好ましくは馬蹄形の断面形状を有するトンネル30における、天頂部31を中心とした上部の例えば周方向120°の領域Rにおいて、鋼製支保工20の外周面をトンネル30の掘削内壁面32に密着させて、これらの一体化を図ることができるようにする構造として採用されたものである。本実施形態の密着構造10は、多くの手間を要することなく、硬化性充填材15(図2参照)が充填される充填袋体11を、鋼製支保工20の外周面に簡易に取り付けることを可能にすると共に、硬化性充填材15が注入充填されて膨張した充填袋体11を、安定した状態で掘削内壁面32に密着させて、掘削内壁面32と鋼製支保工20との一体化を図ることで、掘削内壁面32からの荷重を鋼製支保工20に、効率良く支持させることができるようにする機能を備えている。
そして、本実施形態の鋼製支保工の密着構造10は、山岳トンネル工法において、上部にアーチ形状部分を含む断面形状を有するトンネル30の掘削内壁面32と、掘削内壁面32に沿って設置される鋼製支保工20の外周面との間に介在して設けられて、これらを密着させる密着構造であって、図2にも示すように、鋼製支保工20の外周面に一体として取り付けられた面状ファスナー12を形成する内側ファスナー面材13と、内側ファスナー面材13に係合される外側ファスナー面材14と、外側ファスナー面材14に一体として取り付けられた充填袋体11とを含んで構成されており、面状ファスナー12を介して鋼製支保工20の外周面に周方向に延設して取り付けられた充填袋体11に、流動性を有する硬化性充填材15(図2参照)を供給して硬化させることにより、硬化性充填材15の供給によって膨張した充填袋体11の外周部分をトンネル30の掘削内壁面32に密着させて、掘削内壁面32からの荷重を鋼製支保工20に支持させるようになっている。
また、本実施形態では、充填袋体11は、各々の鋼製支保工20において、鋼製支保工20の周方向Yに連設して、複数体取り付けられている。本実施形態では、好ましくは馬蹄形の断面形状を有するトンネル30における、天頂部31を中心とした周方向Yの例えば上部120°の領域Rにおいて、鋼製支保工20の周方向Yに連設して、4体の充填袋体11が取り付けられている。
さらに、本実施形態では、充填袋体11は、外側ファスナー面材14とは別体として、筒状に形成した筒状袋材16を、外側ファスナー面材14に重ね合わせて接合することによって、外側ファスナー面材14に一体として取り付けられている。
本実施形態では、トンネル30の掘削内壁面32に沿って設置される鋼製支保工20は、例えばH型鋼を、トンネル30の掘削内壁面32に沿った形状となるように曲折加工することによって形成することができる。鋼製支保工20は、トンネル30の切羽面に近接する領域において、トンネル30の掘削作業の進行に伴って、公知の施工方法によりトンネル30の掘削内壁面32に沿うように配設されて、トンネル30の掘進方向X(図2参照)に、例えば100cm程度の間隔をおいて、外周面となる外側フランジ20aを、トンネル30の掘削内壁面32に対向させた状態で、順次設置されることになる。設置された各々の鋼製支保工20における、外側フランジ20aによる外周面と、トンネル30の掘削内壁面32との間には、間隔が生じているので、これらの間隔部分を間詰めするようにして、充填袋体11を用いた本実施形態の密着構造10が設けられることになる。
本実施形態の鋼製支保工の密着構造10を構成する面状ファスナー12は、例えばマジックテープ(登録商標)として知られる公知のメカニカルファスナーを用いることができる。面状ファスナー12は、基材シート13aに多数のフックを立設させた状態で固着した雄側ファスナー材13と、基材シート14aに多数のループを立設させた状態で固着した雌側ファスナー材14とからなり、例えば雄側ファスナー材を内側ファスナー面材13として、例えば基材シート13aを接着剤を介して鋼製支保工20に固着することによって、鋼製支保工20の外側フランジ20aによる外周面を覆うようにして、当該外周面20aに一体として強固に固着して取り付けることができる。また、例えば雌側ファスナー材を外側ファスナー面材14として、これの外周面に、後述する充填袋体11を、例えば接着剤を介して一体として強固に固着して取り付けることができる。内側ファスナー面材13は、鋼製支保工20の外側フランジ20aによる外周面における、トンネル30の掘進方向Xの幅の全体を覆って固着されている必要は必ずしも無く、例えば掘進方向Xの幅の半分程度を覆って固着されている場合でも、外側ファスナー面材14を係着させることで、後述する充填袋体11を、鋼製支保工20の外周面20aに安定した状態で取り付けることが可能になる。
本実施形態では、鋼製支保工の密着構造10を構成する充填袋体11は、例えば外側ファスナー面材14とは別体として筒状に形成された筒状袋材16からなり、筒状袋材16は、好ましくは伸縮性を備える布地を用いて形成されている。また筒状袋材16は、これの底面部分16aを、外側ファスナー面材14の基材シート14aに重ね合わせて、例えば接着剤を介して接合することによって、外側ファスナー面材14に一体として強固に固着して取り付けることができる。筒状袋材16の底面部分16aが接合された外側ファスナー面材14もまた、鋼製支保工20の外側フランジ20aによる外周面における、トンネル30の掘進方向Xの幅の全体を覆うものである必要は必ずしも無く、例えば半分程度の幅の部分を覆うものてある場合でも、内側ファスナー面材13に係着されることで、当該外側ファスナー面材14と一体となった充填袋体11を、鋼製支保工20の外周面20aに安定した状態で取り付けることが可能になる。
充填袋体11となる筒状袋材16は、好ましくは止水性を備え、フレキシブルで充填性に優れると共に、作業性に優れた布地として、例えばテトロン糸等のポリエステル糸を用いた布地による、布製袋として形成することができる。筒状袋材16を、ポリエステル糸を用いた布地による布製袋とすることにより、強度が大きく、軽量で、且つ屈強性に優れた筒状袋材16による充填袋体11を形成することが可能になる。
また、筒状袋材16は、図5(a)に示すように、鋼製支保工20の外側フランジ20aの長さ方向に沿った縦長方向の長さが例えば2000~2500mm、横幅が例えば190mmとなっている、縦長帯状の平面形状を備えるように形成することができる。筒状袋材16は、好ましくは図5(b)に示すように、外側ファスナー面材14の基材シート14aに重ね合わせて接合される底面部分16aのシート材と、これよりも横幅が大きな上方の伸縮部分16bのシート材とが、これらのシート材の側縁部及び端縁部を互いに縫製することによって接合されて、これらの内側に、硬化性充填材15を供給して充填するための空間を保持している。
ここで、本実施形態では、充填袋体11となる筒状袋材16は、伸縮性を備える布地として、当該筒状袋材16が取り付けられる鋼製支保工20の外周面20aに沿った、周方向Yの伸縮性が小さく、周方向Yと垂直な方向(掘進方向X)の伸縮性が大きくなっている布地を用いて形成されていることが好ましい。これによって、筒状袋材16による充填袋体11に供給されて充填された流動状態の硬化性充填材15が、その重量により充填袋体11の下部に溜まり易くなって偏ることでバランスが崩れて、膨張した充填袋体11がトンネル30の掘削内壁面32に密着し難くなるのを、効果的に回避することが可能になる。筒状袋材16における鋼製支保工20の外周面20aに沿った周方向Yの伸縮性を小さくすると共に、周方向Yと垂直な掘進方向Xの伸縮性を大きくすることを可能にする布地としては、例えば、ポリエステル糸を使用している縦方向が、強度が大きく伸縮性が小さいため寸法安定性が高くなっており、ナイロン特殊加工糸を使用している横方向が、伸縮性が大きくなっている布地として知られる、例えば商品名「グラウトジャケット」(大嘉産業株式会社製)を用いることができる。
また、本実施形態では、充填袋体11となる筒状袋材16の長手方向の一方の端縁部には、図4に示すように、縫製部分を貫通ずるようにして、筒状袋材16よりも小径の、筒状袋材16と同様の布地からなる筒状の注入口部材17が取り付けられている。注入口部材17は、注入口17aを筒状袋材16の外側に突出させると共に、挿入側部分を好ましくは300mm程度以上、筒状袋材16の内部に挿入した状態で取り付けられている。これによって、流動状態の硬化性充填材15が充填袋体11の内部に供給充填される際に、注入口部材17における、充填袋体11の内側に挿入された部分を、逆止弁として機能させることが可能になる。注入口部材17には、筒状袋材16による充填袋体11が、面状ファスナー12を介して鋼製支保工20の外周面20aに取り付けられた後に、例えば硬化性充填材15の圧送ポンプから延設する、圧送配管の先端の供給ノズル(図示せず)が接続されて、硬化性充填材15を、筒状袋材16による充填袋体11の内部に圧送供給することが可能になる。
本実施形態では、筒状袋材16による充填袋体11に供給されて充填される、流動性を有する硬化性充填材15として、例えば公知のコンタクトバック工法に用いる硬化性充填材と同様の、高流動で超速硬性のモルタル充填材を用いることができる。モルタル充填材は、ブリージングがなく、短時間での強度発現性に優れると共に、長期間にわたって強度が増進するものを用いることが好ましい。
そして、本実施形態では、例えばトンネル30の切羽面に近接する領域において、トンネル30の掘削内壁面32に沿うようにして建て込まれた、H型鋼による鋼製支保工20に対して、図3(a)、(b)に示すように、面状ファスナー12を形成する内側ファスナー面材13が取り付けられた外側フランジ20aによる外周面に、外側ファスナー面材14を内側ファスナー面材13に着脱可能に係着させるだけの簡易な作業によって、当該外側ファスナー面材14と一体となった筒状袋材16による充填袋体11を、鋼製支保工20の外周面20aに、これの周方向に沿った所定の位置にスムーズに取り付けることができる。
すなわち、外側ファスナー面材14を内側ファスナー面材13に係着させたり、係着を開放したりしながら、充填袋体11の位置を容易に調整して、充填袋体11を、鋼製支保工20の外周面20aに沿った所定の位置に、スムーズに取り付けることができる。これによって、本実施形態では、例えば図1に示すように、4体の充填袋体11を、トンネル30の上部の周方向120°の領域Rにおいて、注入口部材17を上端側に配置すると共に、注入口部材17が配置された部分に間隔をおいた状態で、左右に2体ずつ、対称に配置して取り付けることができる。
4体の充填袋体11を、内側ファスナー面材13及び外側ファスナー面材14による面状ファスナー12を介して、鋼製支保工20の外周面20aの所定の位置に取り付けたら、各々の充填袋体11に、圧送ポンプから注入口部材17を介して硬化性充填材15を供給して充填することにより、充填袋体11を膨張させて、充填袋体11の外周部分をトンネル30の掘削内壁面32に密着させる。本実施形態では、充填袋体11は、内側ファスナー面材13及び外側ファスナー面材14による面状ファスナー12を介して、広い面積で面状に係着して鋼製支保工20の外周面20aに取り付けられているので、掘削内壁面32に密着するまで、位置ずれ等を生じることなく、安定した状態で膨張変形することができる。これらによって、本実施形態によれば、充填袋体11に充填された硬化性充填材15が硬化することで、鋼製支保工20とトンネル30の掘削内壁面32とを強固に一体化させて、掘削内壁面32からの荷重を、鋼製支保工20に、効率良く支持させることが可能になる。
したがって、本実施形態の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造10によれば、多くの手間を要することなく、充填袋体11を鋼製支保工20の外周面20aに簡易に取り付けることが可能になると共に、硬化性充填材15が注入充填されて膨張する充填袋体11を、安定した状態で掘削内壁面32に密着させて、掘削内壁面32と鋼製支保工20との一体化を図ることが可能になる。
図6は、本発明の鋼製支保工の密着構造の他の実施形態を例示するものである。図6に示す他の実施形態の密着構造10’では、外側ファスナー面材14に一体として取り付けられた充填袋体11’は、外側ファスナー面材14を底面部分11a’として、これの基材シート14aの両側縁部に、伸縮性を備える布地を、例えば縫製により接続することで、外側ファスナー面材14の両側縁部から、当該伸縮性を備える布地による伸縮部分11b’を、連続して延設させている。図6に示す他の実施形態の密着構造10’によっても、内側ファスナー面材13及び外側ファスナー面材14による面状ファスナー12を介して、充填袋体11’が、鋼製支保工20の外周面20aの所定の位置に取り付けられるので、上述の実施形態の鋼製支保工の密着構造10と同様に作用効果が奏される。
なお、本発明は上記の各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
10,10’ 鋼製支保工の密着構造(密着構造)
11,11’,11” 充填袋体
11a’ 底面部分
11b’ 伸縮部分
11b” 外側ファスナー面材から延設する部分
12 面状ファスナー
13 内側ファスナー面材(雄側ファスナー材)
13a 基材シート
14 外側ファスナー面材(雌側ファスナー材)
14a 基材シート
15 硬化性充填材
16 筒状袋材
16a 底面部分
16b 伸縮部分
17 注入口部材
17a 注入口
20 鋼製支保工
20a 外側フランジ(外周面)
30 トンネル
31 天頂部
32 掘削内壁面
X トンネルの掘進方向(掘進方向)
Y 鋼製支保工の周方向(周方向)
R トンネルの上部の周方向120°の領域

Claims (5)

  1. 山岳トンネル工法において、上部にアーチ形状部分を含む断面形状を有するトンネルの掘削内壁面と、該掘削内壁面に沿って設置される鋼製支保工の外周面との間に介在して設けられて、これらを密着させる鋼製支保工の密着構造であって、
    前記鋼製支保工の外周面に一体として取り付けられた面状ファスナーを形成する内側ファスナー面材と、該内側ファスナー面材に係合される外側ファスナー面材と、該外側ファスナー面材に一体として取り付けられた充填袋体とを含んで構成されており、
    該充填袋体は、伸縮性を備える布地を用いて形成されていると共に、前記鋼製支保工の外周面に沿った周方向の伸縮性が小さく、周方向と垂直な方向の伸縮性が大きくなっている布地を用いて形成されており、
    前記面状ファスナーを介して前記鋼製支保工の外周面に周方向に延設して取り付けられた前記充填袋体に、流動性を有する硬化性充填材を供給して硬化させることにより、硬化性充填材の供給によって膨張した前記充填袋体の外周部分をトンネルの掘削内壁面に密着させて、掘削内壁面からの荷重を前記鋼製支保工に支持させる山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造。
  2. 前記充填袋体は、前記外側ファスナー面材から延設する部分が、前記外側ファスナー面材の幅よりも大きな幅を有していることで、弛んだ状態で設けられていることにより、硬化性充填材の供給によって膨張するようになっている請求項1記載の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造。
  3. 前記充填袋体は、筒状に形成した筒状袋材を、前記外側ファスナー面材に重ね合わせて接合することによって、前記外側ファスナー面材に一体として取り付けられている請求項1又は2記載の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造。
  4. 前記充填袋体は、前記外側ファスナー面材を底面部分として、これの両側縁部から伸縮部分を連続して延設させることにより、前記外側ファスナー面材に一体として取り付けられている請求項1又は2記載の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造。
  5. 前記充填袋体は、前記鋼製支保工の周方向に連設して、複数体取り付けられている請求項1~4のいずれか1項記載の山岳トンネル工法における鋼製支保工の密着構造。
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