JP3613419B2 - 支保工の裏込方法及び裏込材充填用袋体 - Google Patents

支保工の裏込方法及び裏込材充填用袋体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネル掘削工事において、支保工と地山との間を裏込して地山のゆるみを防止するための裏込方法及び、当該裏込方法において使用するための裏込材充填用袋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トンネルの掘削工事においては、図1に示すように、掘削されたトンネルの内側に支保工2を構築し、当該支保工2の外側に通水性の袋体1を装着し、当該袋体1内にモルタルなどの裏込材を充填して硬化させ、支保工2と地山3との空隙を埋めて地山を支持することが行われている。(例えば特開平3−208992号など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの方法においては、袋体1はアーチ型の支保工2の上部から側上部にかけて装着されるため、袋体1内にモルタルなどの裏込材を注入したとき、その充填の初期において裏込材は図2(a)に示すように袋体1の下部に滞留し、支保工2による袋体1の支持が不安定となる。
【0004】
しかも袋体1はほゞ支保工の幅と同程度の径を有するものが使用されるため、裏込材の充填前に袋体1が偏平に折畳まれた状態では、図2(b)に実線で示すように、袋体1の折畳み幅が支保工2の幅よりも大きくなる。この袋体1に裏込材を充填することにより鎖線Aに示されるように膨んで支保工2と地山3との間を裏込材を充填した袋体1が満たすべきところ、裏込材が袋体1のいずれかの側部に偏ると、鎖線Bに示されるように支保工2からはみだした部分に裏込材が入り、その裏込材の重量により袋体1が側方にずれて、支保工2から側方にずり落ちる可能性がある。
【0005】
袋体1を幅方向に折畳むことにより袋体1を支保工2の幅内に収めることも可能ではあるが、その折畳み状態が開いて膨む過程において袋体1が複雑な動きをし、支保工2からのずり落ちを防ぐことは困難である。
【0006】
また袋体1を粘着テープや接着剤などで支保工2に固着することも行われているが、その固着部分で袋体1を支持しつつ、図2(b)の鎖線Bに示されるように側方に大きく偏椅した袋体1を、支保工2からずり落ちさせようとする裏込材の重量に抗して、袋体1の膨脹力により再度支保工2の上部の正しい位置に復帰させるように作用するので、袋体1には過大の力が作用し、固着部が剥がれたり袋体1が破断したりする恐れがある。
【0007】
また袋体1を紐体で支保工2に結紮することによりずり落ちを防止することもできるが、当該紐体で結紮した位置では袋体1が当該紐体で押えられて括れて十分に膨まず、地山3を支えることができない。またゴム等の伸長可能な紐体では、袋体1のずり落ちを防止することができない。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、袋体1に裏込材を充填する際に、袋体1が側方にずれたり支保工2からずり落ちたりすることがなく、支保工2の外側に支持された状態のままで適切に膨むことができ、地山3と支保工2との空隙を埋めて、地山を適切に支えることができる方法及び、袋体1を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
而して本発明の第一の裏込方法の発明は、支保工の外側に、通水性を有する筒状袋を部分的に長さ方向に内面を解離可能の固着部において固着して少くとも一つの縮小された筒状部を形成した袋体を装着し、当該袋体の筒状部内に裏込材を圧入して膨ませ、次いでその裏込材の圧力により前記固着部を解離させて筒状部を拡大させ、筒状袋全体に裏込材を充填し、支保工と地山との空隙を埋めて地山を支持することを特徴とするものである。
【0010】
この発明の方法においては、前記筒状袋における固着部として、筒状袋の長さ方向に線状に形成されて袋体に複数の筒状部が形成されたものを使用し、その筒状部に裏込材内を圧入することにより前記固着部が解離し、当該筒状部と前記固着部を介して隣接する筒状部とが合体して、拡大された新たな筒状部を形成することができる。
【0011】
またこの発明においては、前記袋体として、単一の筒状部と、当該筒状部に連続した面状の固着部とを有するものを使用し、前記筒状部に裏込材を圧入することにより、前記固着部が筒状部に近い部分から順次解離して筒状部が拡大するものとすることもできる。
【0012】
次に、本発明の第一の裏込材充填用袋体の発明は、前記裏込方法に使用する袋体であって、通水性を有する筒状袋を、部分的に長さ方向に内面を解離可能に固着して、少くとも一つの縮小された筒状部を形成したことを特徴とするものである。
【0013】
この袋体においては、前記筒状袋における固着部が、筒状袋の長さ方向に線状に形成されて、袋体に複数の筒状部が形成されているものとすることができる。またこの袋体は、単一の筒状部と、当該筒状部に連続した面状の固着部とを有しているものであってもよい。
【0014】
次に本発明の第二の裏込方法の発明は、支保工の外側に通水性を有する筒状袋よりなる袋体を折畳んだ状態で装着し、当該支保工と袋体とを張力により不可逆的に伸長可能の紐体で所定間隔毎に結紮し、前記袋体内に裏込材を圧入して前記紐体を伸長せしめつつ袋体を膨脹せしめ、支保工と地山との空隙を埋めて地山を支持することを特徴とするものである。
【0015】
この方法においては、紐体の端末同士を重複させてその外側からかしめ、袋体を膨脹させることにより紐体がかしめ部分でずれることにより不可逆的に伸長させることができる。
【0016】
また紐体の一部を折畳んでその重合部分を解離可能に固着し、袋体を膨脹させることにより前記紐体の固着部分が解離して、不可逆的に伸長せしめることもできる。
【0017】
またこの方法においてはは、前記紐体が不可逆的に伸長して前記袋体が膨んだ状態で、紐体を破断せしめることが好ましい。
【0018】
またこの方法においては、袋体に巻回した紐体に紐状体を止着し、当該紐状体を前記支保工に巻回することにより、袋体を支保工に対して取付けることを特徴とするものである。
【0019】
さらにこの第二の方法では、袋体は単なる筒状袋であっても差支えないが、前記第一の方法の発明と同様の部分的に固着部を形成した裏込材充填用袋体を使用することがより好ましい。
【0020】
また本発明の第二の袋体の発明は、通水性を有する筒状袋に、張力により不可逆的に伸長可能の紐体を巻回し、当該紐体に支保工に巻回する紐状体を止着したことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を、図面に基いて説明する。図3は本発明の袋体1の一形態を示すものであって、(a)はその袋体1の横断面図であり、(b)はその使用状態を示すものである。
【0022】
この袋体1は筒状織物などの通気性を有する筒状袋4よりなっており、両側部の内面が固着部5において筒状袋4の長さ方向に線状に固着され、長さ方向に延びる二つの筒状部6a,6bを形成している。
【0023】
筒状袋4の径は特に限定されるものではないが、支保工2と地山3とを強固に支持するためには、支保工2の幅とほゞ同程度とするのが好ましい。支保工2の幅とほゞ同程度とは、支保工2の幅±30%程度である。筒状袋4の径が小さいと支保工2及び地山3に強固に接触することができず、また径が過大であると本発明においても支保工2からずり落ちる恐れがある。
【0024】
固着部5は筒状部6内に裏込材を充填して内圧を作用させたとき、その充填時の最大圧力に近い内圧によって解離し得るように固着されている。かかる固着の手段としては、筒状袋4の両側部を縫合して固着することができ、また適宜の接着剤で接着し、又はホチキスなどで固定することもできる。
【0025】
筒状部6a,6bの大きさは、最大の筒状部6aの径が支保工2の幅の2/3以下とするのが適当である。筒状部6aの径が支保工2の幅の2/3であると、これを偏平に折畳んだときにその折畳み幅がほゞ支保工2の幅に一致し、それ以下であれば、筒状部6aが支保工2の側縁からはみだすことがない。
【0026】
而してこの袋体1を使用して裏込めを行うには、二つの筒状部6a,6bが重なるように偏平に折畳み、これを支保工2の外側に装着する。この状態が図3(b)に実線で示されている。このとき袋体1が弛まないように、長手方向にテンションをかけながら、袋体1の両端をベルトなどで支保工2に固定するのが好ましい。
【0027】
また袋体1の上端には、ループ状のベルトなどを固着し、当該ベルトなどを支保工2の上部中央部における突合わせ部に形成されたフランジなどに引っ掛け、袋体1の重量を支えるようにするのが好ましい。
【0028】
ここで支保工2に接触した側の筒状部6aに裏込材を圧入すると、図3(b)に鎖線Aで示すように筒状部6aが膨脹する。このとき筒状部6aは、これを偏平に折畳んだ状態における折畳み幅は、支保工2の幅にほゞ一致していてはみ出していないので、筒状部6aの膨み方に多少のむらがあったとしても、袋体1が支保工2からずり落ちるようなことはなく、支保工2の外周に接触した状態で膨脹する。
【0029】
なお袋体1に裏込材を圧入する際には、地山3に近い側の筒状部6bから圧入することもでき、また両筒状部6a,bに同時に圧入することも可能であるが、袋体1を安定して膨らませるためには、支保工2に接触した側の筒状部6aから圧入するのが好ましい。
【0030】
この膨脹の際に、図3(b)では筒状部6aが地山3に押付けられているが、これは必ずしも必要ではなく、地山3に接触しなくても差支えない。また他方の筒状部6bは、図面では最初の折畳み状態を維持したままであるが、この折畳み状態は必ずしも維持されている必要はなく、筒状部6aが膨脹する際に折畳み状態が崩れたり変形したりしても差支えない。
【0031】
而して筒状部6aに裏込材を充填し、筒状部6aが十分に膨脹したならば、さらに裏込材に圧力をかけて筒状部6a内を加圧する。これにより固着部5が解離し、裏込材が筒状部6b内に流入し、筒状部6aと筒状部6bとが合体して一体の筒状袋4となる。そしてさらに裏込材が圧入されて図3(b)に鎖線Bで示すように筒状袋4全体に充填される。
【0032】
この状態で裏込材の圧力を保持すると、裏込材中の水分が筒状袋4の布目から排出されて濃縮され、硬化して、支保工2と地山3との間に強固な裏込を形成し、地山3のゆるみを阻止する。
【0033】
図4は本発明における袋体1の他の例を示すものであって、(a)は筒状袋4の二カ所に固着部5a,5bが形成され、筒状部6a,6b,6cを三つ形成したものである。なお固着部の数をさらに増して、さらに多数の筒状部を形成することもできる。
【0034】
この例においては、筒状部6aに裏込材を圧入し、筒状部6a内を加圧したとき、先ず筒状部6a,6b間の固着部5aが解離して、筒状部6aと筒状部6bとが合体し、より大きな筒状部となる。次いでさらに裏込材を圧入してその筒状部を加圧すると、さらに次の固着部5bが解離して筒状部6cをも含めた全筒状部6a,6b,6cが合体して一体の筒状袋4となる。
【0035】
このように筒状部6の数を多くすることにより、単一の筒状部6の大きさを小さいものとして、支保工2からのずり落ちをより確実に防止することができると共に、固着部5が解離する前後の裏込材を圧入している筒状部6の容量の変化を少くし、固着部5が解離する衝撃で袋体1が動いて支保工2からずり落ちる可能性をも少くすることができる。
【0036】
また図4(b)は、図3(a)に示された袋体1における筒状部6bに相当する部分を、全体に亙って縫着又は接着などにより固着して、一体の固着部5を形成したものであって、単一の筒状部6と、当該筒状部6に連続した面状の固着部5とよりなっている。
【0037】
この例においては、筒状部6に裏込材を圧入して筒状部6内を加圧したとき、先ず固着部5が筒状部6に近い部分から順次解離して筒状部6が拡大し、最終的に固着部5が全て解離したときには固着部5が全て筒状部6に吸収され、全体が一体の筒状袋4となる。
【0038】
この例によれば、袋体1の筒状部6が徐々に拡大して最終的な筒状袋4になるので、その袋体1の膨みかたがスムーズであり、支保工2の外側においてより安定したものとなる。
【0039】
図5乃至図8は、本発明の第二の裏込方法及び当該方法に使用する袋体の発明を示すものである。図5はその一例を示すものであって、(a)は支保工2に袋体1を取付けた状態を示している。
【0040】
すなわち支保工2に適宜の間隔をおいて紐状体7が巻回されており、その支保工2の外側に沿って偏平に折畳まれた袋体1が配置され、当該袋体1は前記紐状体7に固着されている。袋体1は折畳み幅が支保工2の両側縁からはみ出ないように折畳まれていることが好ましいが、その折畳み形状は特に限定されることはなく、適当に折畳めばよい。
【0041】
なお袋体1は、紐状体7を固着したものを予め用意しておき、これを支保工2に沿って配置して紐状体7で取付けることにより、袋体1を支保工2に対して装着することができる。
【0042】
そしてその袋体1と支保工2とを紐体8で結紮している。この紐体8は袋体1及び支保工2に巻回した状態で金属スリーブ9に通し、この金属スリーブ9をかしめることにより固定されている。そしてその紐体8の端末部は金属スリーブ9から相当の長さに亙って延びており、その端末にはストッパー10が取付けられている。
【0043】
而してこの紐体8に張力が作用すると、前記金属スリーブ9のかしめ部分で紐体8がずれることにより、紐体8は端末部の余剰長さに亙って不可逆的に伸長することができるようになっている。
【0044】
そして図8に示されるように、支保工2の外側に配置された袋体1が、間隔をおいた複数箇所において紐体8で結紮された状態となっている。
【0045】
ここで袋体1内に裏込材を圧入して袋体1を膨ませると、その袋体1を結紮した紐体8に張力が作用し、その張力により金属スリーブ9によるかしめ部分においてずれて、紐体8の輪が伸長する。この紐体8の伸長は、紐体8の張力が小さい間は全く生じることがなく、張力の大きさが所定の大きさとなったときに突然に生じるものであり、且つ一旦生じた伸長が回復することはなく、不可逆的な伸長である。
【0046】
而して袋体1は紐体8を伸長させながら膨脹し、この状態が図5(b)に示されている。そして紐体8は最終的にはストッパー10により伸長が停止せしめられ、この頃には袋体1はほゞ最大限に膨脹して、支保工2と地山3との間に嵌合された状態となる。
【0047】
この状態でも袋体1は支保工2と地山3とに強く密着しており、このまま裏込材を硬化させてもよいが、この状態では袋体1は紐体8に結紮されているためにその結紮個所において括れが生じており、その括れの個所において地山3との間に隙間が生じる。
【0048】
従って袋体1が十分に膨んだ状態において、図5(c)に示すように適宜の破断個所13において紐体8を破断せしめ、紐体8による抑制を解除して袋体1を十分に膨脹せしめるのが好ましい。
【0049】
紐体8を破断させる手段としては、紐体8を刃物などで切断することもできるが、紐体8の強度を調整することにより、又は紐体8の適宜の個所を部分的に弱化せしめておくことにより、裏込材の圧入圧力による張力で紐体8を破断せしめることもできる。またストッパー10を、強く引張ることにより金属スリーブ9を通過可能のものとすることにより、紐体8がかしめ部分を抜けて破断するようにすることもできる。
【0050】
前記紐状体7及び紐体8としては、紐、ロープ、テープ、ベルトなどを使用することができる。また支保工2に巻回された紐体8と、袋体1を結紮する紐状体7とは、別個のものである必要はなく、両者を一本の連続した紐などで構成し、その一部を紐体8として袋体1を結紮し、他の一部を紐状体7として支保工2に巻回することもできる。
【0051】
図6は第二の方法における他の例を示すものであって、袋体1を結紮する紐体8の一部を折畳んで、その重合部分11を解離可能に固着している。固着の手段としては縫合、接着剤による接着などによることができ、また全体に亙って連続的に固着してもよく、断続的に固着することもできる。
【0052】
なおこの例では紐体8の両端は、支保工2の両側部において固着部12で紐状体7に固着されているが、先の図5の例のように袋体1および支保工2に巻回しても差支えない。また図5の例において、この例のように紐体8の両端を固着部12で紐状体7に固着した構造とすることも可能である。
【0053】
而してこの例において袋体1内に裏込材を充填し、袋体1が膨脹すると、紐体8に張力が作用し、その張力により前記紐体8の重合部分11の固着が解離して不可逆的に伸長し、袋体1の膨脹を許容する。この状態が図6(b)に実線で示されている。
【0054】
そして紐体8が伸長しつつ袋体1が膨脹し、図6(b)に鎖線で示すように支保工2及び地山3に圧接する。このとき先の例の場合と同様に紐体8が破断個所13で破断するのが好ましい。紐体8はその適宜の個所で破断してもよいが、前記重合部分11の先端が分離したものとし、重合部分11が全て解離したときに紐体8が両側に分離して、破断するようにすることができる。
【0055】
この第二の方法の発明においては、紐状体7は必ずしも必要なものではないが、この紐状体7により袋体1を支保工2に装着する操作を容易ならしめることができる。また図6のように、袋体1を結紮した紐体8を紐状体7に固着して、予め紐状体7を袋体1に取付けておくことにより、紐状体7を支保工2に取り付けることによって袋体1及び紐体8をも所定の状態で支保工2に装着することができる。
【0056】
また紐状体7及び紐体8を予め袋体1に取付けた構造として、図7に示すような構造を取ることができる。図7(a)はその一例であって、金属スリーブ9により不可逆的に伸長可能とした紐体8を袋体1に巻回し、袋体1の両側部において紐体8に紐状体7の端末を固着したものである。この紐状体7を支保工2に巻回して両端を適宜の手段で接続することにより、袋体1を支保工2に装着することができる。
【0057】
また図7(b)は他の例であって、1本の連続した紐14の二か所に結び目14aを形成して輪14bを作り、当該輪14bの先端に針金のリング15を連結しており、前記結び目14aを袋体1の両側部に位置せしめて、紐14における結び目の間の部分14c及び両端部14dで袋体1を囲繞し、金属スリーブ9で不可逆的に伸長可能としている。
【0058】
この例においては、紐14における部分14c及び両端部14dが前記紐体8の機能を有し、輪14bの部分が紐状体7となる。そして輪14bと間の部分14c都で支保工2を囲繞し、両リング15を捩り合わせることにより、袋体1を支保工2に装着することができる。
【0059】
【作用】
本発明の第一の方法においては、袋体1が十分な径を有する筒状袋4よりなっており、且つ解離可能の固着部5により小径の筒状部6が形成されているので、裏込材充填の初期においては小径の筒状部6に裏込材が充填され、袋体1が支保工2からはみ出してずり落ちたり、局部的に過度に大量の裏込材が集中することがなく、袋体1が支保工2の外側に沿った状態のままで筒状部6に裏込材が充填され、ある程度まで袋体1が膨む。
【0060】
然る後筒状部6にほゞ裏込材が充填され、圧力がかかると、固着部5が解離することにより筒状部6が拡大し、より大量の裏込材が充填されてより大きく膨脹するが、一旦全体に亙って膨脹して裏込材を充填された筒状部6が拡大するのであるから、局部的な裏込材の過度の集中が生じることがなく、また支保工2の外側面からの過度のはみ出しも生じない。
【0061】
また第二の方法においては、支保工2とその外側に配置された袋体1とが紐体8で結紮されており、袋体1が支保工2の外側から脱落したり不用意に移動したりすることがない。そして袋体1内に裏込材を充填して膨脹させたとき、紐体8が不可逆的に伸長することにより袋体1の膨脹を許容しつつ、その袋体1を支保工2の所定の位置に拘束し、袋体1がその膨脹に伴って支保工2からずり落ちたり過度に不均一に膨脹するのが防止される。
【0062】
【発明の効果】
従って本発明によれば、トンネル掘削工事において支保工2と地山3との間を裏込するに当り、袋体1に裏込材を充填する際に袋体1がずれたり支保工2からずり落ちたりすることがなく、支保工2の外側に支持された状態のままで適切に膨むことができ、地山3と支保工2との間を強固に裏込し、地山3を適切に支えることができる。
【0063】
なお以上の説明においては、前記第一の方法と第二の方法とは別個の方法として説明してきたが、これらの二つの方法を一体のものとして、同時に実施することもできる。
【0064】
すなわち、支保工2の外側に、第一の方法において使用される固着部5で縮小された筒状部6を有する袋体1を配置し、その袋体1と支保工2とを第二の方法により紐体8で結紮するのである。
【0065】
而してこの方法で袋体1の筒状部6内に裏込材を充填すると、第一の方法に基いて支保工2に沿って筒状部6が膨脹すると共に、第二の方法に基いて結紮した紐体8が不可逆的に伸長する。そして袋体1における固着部5の解離と紐体8の不可逆的な伸長とが並行して生じつつ、筒状部6が拡大しながら袋体1が膨脹し、支保工2と地山3との間に裏込されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支保工と地山とが裏込されたトンネルの横断面図
【図2】従来の袋体における問題点を示す図面
【図3】第一の方法の発明を示すものであって、(a)は袋体の一例を示す横断面図、(b)は実施状態を示す横断面図である。
【図4】第一の方法の発明において使用する袋体の他の二つの例を示す横断面図
【図5】第二の方法の発明の実施の一形態を示す横断面図であって、(a)は支保工に袋体を装着した状態、(b)は袋体が膨脹しつつある状態、(c)は袋体の膨脹が完了した状態を示す。
【図6】第二の方法の発明の実施の他の形態を示す横断面図であって、(a)は支保工に袋体を装着した状態を示し、(b)は袋体が膨脹する状態を示すものである。
【図7】(a)及び(b)は、それぞれ第二の方法において使用する袋体の形態を示す横断面図である。
【図8】第二の方法において支保工2に袋体1を取付けた状態の正面図
【符号の説明】
1 袋体
2 支保工
3 地山
4 筒状袋
5 固着部
6 筒状部
7 紐状体
8 紐体
9 金属スリーブ
10 ストッパー
11 重合部分
13 破断個所

Claims (13)

  1. 支保工(2)の外側に、通水性を有する筒状袋(4)を部分的に長さ方向に内面を解離可能の固着部(5)において固着して少くとも一つの縮小された筒状部(6)を形成した袋体(1)を装着し、当該袋体(1)の筒状部(6)内に裏込材を圧入して膨ませ、次いでその裏込材の圧力により前記固着部(5)を解離させて筒状部(6)を拡大させ、筒状袋(4)全体に裏込材を充填し、支保工(2)と地山(3)との空隙を埋めて地山(3)を支持することを特徴とする、支保工の裏込方法
  2. 前記筒状袋(4)における固着部(5)が、筒状袋(4)の長さ方向に線状に形成されて袋体(1)に複数の筒状部(6)が形成されており、当該筒状部(6)内に裏込材を圧入することにより前記固着部(5)が解離し、当該筒状部(6)と前記固着部(5)を介して隣接する筒状部(6)とが合体して、拡大された新たな筒状部(6)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の支保工の裏込方法
  3. 前記袋体(1)が、単一の筒状部(6)と、当該筒状部(6)に連続した面状の固着部(5)とを有しており、前記筒状部(6)に裏込材を圧入することにより、前記固着部(5)が筒状部(6)に近い部分から順次解離して筒状部(6)が拡大することを特徴とする、請求項1に記載の支保工の裏込方法
  4. 通水性を有する筒状袋(4)を部分的に長さ方向に内面を解離可能に固着して、少くとも一つの縮小された筒状部(6)を形成したことを特徴とする、支保工の裏込材充填用袋体
  5. 前記筒状袋(4)における固着部(5)が、筒状袋(4)の長さ方向に線状に形成されて、袋体(1)に複数の筒状部(6)が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の支保工の裏込材充填用袋体
  6. 前記袋体(1)が、単一の筒状部(6)と、当該筒状部(6)に連続した面状の固着部(5)とを有していることを特徴とする、請求項4に記載の支保工の裏込材充填用袋体
  7. 支保工(2)の外側に通水性を有する筒状袋(4)よりなる袋体を折畳んだ状態で装着し、当該支保工(2)と袋体(1)とを張力により不可逆的に伸長可能の紐体(8)で所定間隔毎に結紮し、前記袋体(1)内に裏込材を圧入して前記紐体(8)を伸長せしめつつ袋体(1)を膨脹せしめ、支保工(2)と地山(3)との空隙を埋めて地山(3)を支持することを特徴とする、支保工の裏込方法
  8. 紐体(8)の端末同士を重複させてその外側からかしめ、袋体(1)を膨脹させることにより紐体(8)がかしめ部分でずれて不可逆的に伸長することを特徴とする、請求項7に記載の支保工の裏込方法
  9. 紐体(8)の一部を折畳んでその重合部分(11)を解離可能に固着し、袋体(1)を膨脹させることにより前記紐体(8)の重合部分(11)の固着が解離して不可逆的に伸長することを特徴とする、請求項7に記載の支保工の裏込方法
  10. 前記紐体(8)が不可逆的に伸長して前記袋体(1)が膨んだ状態で、紐体(8)を破断せしめることを特徴とする、請求項7,8又は9に記載の支保工の裏込方法
  11. 袋体(1)に巻回した紐体(8)に紐状体(7)を止着し、当該紐状体(7)を前記支保工(2)に巻回することにより袋体(1)を支保工(2)に対して取付けることを特徴とする、請求項7,8,9又は10に記載の支保工の裏込方法
  12. 前記袋体(1)が、請求項4,5又は6に記載の裏込材充填用袋体(1)であることを特徴とする、請求項7,8,9,10又は11に記載の支保工の裏込方法
  13. 通水性を有する筒状袋(4)に、張力により不可逆的に伸長可能の紐体(8)を巻回し、当該紐体(8)に支保工(2)に巻回する紐状体(7)を止着したことを特徴とする、支保工の裏込材充填用袋体
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