以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下の説明においては、図1で規定する方向(上下方向、前後方向、左右方向)を説明に用いる。
図1に示されるように、洗浄システム1は、浸漬槽2と、キャリーテーブル(搬送装置)3と、食器洗浄機(洗浄機)4と、リフト装置5と、ワゴン6と、を備えている。洗浄システム1では、浸漬槽2、キャリーテーブル3、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6が、左右方向に一列に配置されている。本実施形態の洗浄システム1では、食器Dが収容される食器ラック(被洗浄物)Lが右側から左側に向かって移動するように、右側から順番に、キャリーテーブル3、食器洗浄機4、リフト装置5及びワゴン6が配置されている。
浸漬槽2は、食器Dが浸漬される水を貯留する。浸漬槽2では、食器Dの予備洗浄(付着物の除去等)が行われる。浸漬槽2において水に浸漬された食器Dは、キャリーテーブル3に載置されている食器ラックLに収容される。食器ラックLは、皿や茶碗等の食器Dが並べられる格子状の部材である。
キャリーテーブル3は、浸漬槽2の左隣りに、浸漬槽2に隣接して配置されている。キャリーテーブル3は、食器ラックLを食器洗浄機4に搬送する。図1~図3に示されるように、キャリーテーブル3は、基台(載置部)10と、基台10を支持する四つの脚部19と、搬送機構11と、第1センサ(検知部)14と、コントローラ(制御装置)12と、を有している。
基台10は、食器ラックLが載置されるテーブルである。基台10は、食器ラックLが載置される載置面10aを有している。基台10には、載置面10aから突出すると共に食器ラックLの搬送方向に沿って延在する、食器ラックLを摺動させる摺動部16が設けられている。摺動部16は、載置面10aにねじ等によって固定された、例えば、ポリアセタール樹脂により形成されたプレート状の部材によって構成されている。摺動部16は、食器ラックLに対する摺動性を良好にする部材であれば材料を問わず、ポリアセタール樹脂以外の材料によっても形成が可能である。
摺動部16は、搬送方向において浸漬槽2側に配置される第1摺動部16Aと、食器洗浄機4側に配置される第2摺動部16Bと、を有している。第1摺動部16A及び第2摺動部16Bのそれぞれは、搬送方向に直交する前後方向に対に設けられている。第1摺動部16A,16Aの載置面10aからの突出量(例えば、10mm)は、第2摺動部16B,16Bの載置面10aからの突出量(例えば、5mm)と比べて大きい。なお、第1摺動部16A,16Aの載置面10aからの突出量と、第2摺動部16B,16Bの載置面10aからの突出量とは、同じ(例えば、5mm)であってもよい。搬送方向において、第1摺動部16Aと第2摺動部16Bとは所定の間隔をあけて設けられている。第2摺動部16B,16Bの高さ位置は、食器洗浄機4のラックレール25(後述)と同じ高さに設定されている。
なお、上記の摺動部16は、載置面10aを絞り加工等によって隆起させることにより形成してもよい。この場合も、食器ラックLとの接触抵抗が低減されるので、食器ラックLを搬送し易くできる。基台10の載置面10aは、食器洗浄機4側に緩やかに傾斜させてもよい。この場合であっても、摺動部16は水平方向に延在するように形成される。摺動部16を取付部材によって形成する場合には、テーパ状の部材が用いればよい。
基台10の下方には、空の食器ラックLを収容する収容領域Sが形成されている。収容領域Sには、食器ラックLを載置する載置板13が設けられている。載置板13の主面(食器ラックLの載置面)は、水平となるように配置されてもよいし、前方に下方傾斜するように配置されてもよい。なお、載置板13の主面が前方に下方傾斜していると、食器ラックLの取り出しが容易となる。
基台10は、載置面10aの前後方向における後方には、載置面10aから立設する第1立ち上げ部10dが形成されている。また、載置面10aは、食器洗浄機4に接続される部分を除き、載置面10aから立設する立ち上げ部10b,10c,10d,10eが形成されている。載置面10aの後方に形成される立ち上げ部10dの高さは55mmであり、載置面10aの前方及び右方(浸漬槽2側)に形成される立ち上げ部10b,10c,10eの高さよりも高くなるように形成されている、なお、ある立ち上げ部10bと立ち上げ部10bとの接続部、立ち上げ部10dと立ち上げ部10eとの接続部、立ち上げ部10bと立ち上げ部10eとの接続部は、溶接により接合されている。
なお、立ち上げ部10b,10c,10eの高さは30mmである。
搬送機構11は、食器ラックLを基台10上で移動させる。搬送機構11は、アーム部材11Aと、支持部11Bと、チェーン11Cと、スプロケット11D,11Dと、駆動部11Eと、を有している。搬送機構11は、ハウジング17に収容されている。ハウジング17は、基台10の後方に配置されており、基台10の載置面10aよりも上方に突出して設けられている。
アーム部材11Aは、食器ラックLを押圧する部材であって、載置面10a上を回動可能となるように、支持部11Bに支持されている。支持部11Bは、チェーン11Cに平行に配置されたガイドレール(図示せず)に沿って左右方向に移動可能に設けられると共に、チェーン11Cの一部に固定的に連結されている。チェーン11C,11Cは、二つのスプロケット11D,11Dに巻回されている。駆動部11Eは、例えばギアモータである。駆動部11Eの回転軸には、一方のスプロケット11Dが軸支されている。
アーム部材11Aは、アーム部材11Aの先端が食器洗浄機4に向く状態とキャリーテーブル3の前側に向く状態との間で回動可能となるように、ねじりバネ(図示せず)を介して支持部11Bに固定されている。ねじりバネは、平面視において半時計回り(左回り)に回動する方向にアーム部材11Aを付勢している。すなわち、ねじりバネは、ハウジング17から進出する方向にアーム部材11Aを付勢している。アーム部材11Aは、ねじりバネの作用によってシャッタ(図示せず)等の規制部材に接触しない限り、ハウジング17の外側である載置面10a上の進出領域に進出するようになっている。アーム部材11Aは、平面視において載置面10aに重複する進出領域と、載置面10aから退避した退避領域との間で移動可能に設けられており、食器ラックLの押し出しをしないときには、退避領域に退避されている。
アーム部材11Aは、駆動部11Eによって駆動されるスプロケット11D及びチェーン11Cに連動することによって左右方向に移動する。アーム部材11Aは、食器ラックLを搬送するときに、ハウジング17内から載置面10a上に進出し、待機状態においてはハウジング17内に退避する。より詳細には、アーム部材11Aは、載置面10a上の食器ラックLの食器洗浄機4側への移動が第1センサ14によって検知されたタイミング、又は、操作部18においてスタートボタンB1が押下されたタイミングで載置面10a上に進出する。
アーム部材11Aは、食器ラックLの浸漬槽2側の端部(搬送方向の右側の端部)に当接して、食器洗浄機4に向けて食器ラックLを押し出す。アーム部材11Aの先端、すなわち、食器ラックLに当接する部分には、ベアリング(図示せず)が設けられもよい。ベアリングは1つだけ設けられてもよいし、2つ以上設けられてもよい。ベアリングが2つ以上設けられる場合には、食器ラックLの壁面(アーム部材11Aが当接する面)が狭い場合であっても、当該壁面にベアリングを接触させることを容易にできる。アーム部材11Aは、食器ラックLを食器洗浄機4に搬送すると(すなわち、食器ラックLを押し出す押出位置に到達すると)、ハウジング17の内部の退避領域の一部である待機位置に戻る。
上述したように、第1センサ14は、載置面10aに食器ラックLが載置されたことを検知する。第1センサ14は、第2摺動部16B,16Bの浸漬槽2側の端部を境界に食器洗浄機4側の領域に配置された食器ラックLを検知可能に配置される。本実施形態の第1センサ14は、赤外線の反射角度から距離を検知するモーションセンサであり、それぞれの設置位置の前方に位置する食器ラックLの有無を検知する。第1センサ14は、食器ラックLの検知方向が水平面から傾いた状態となるように配置されている。すなわち、第1センサ14の検出光は、水平面に対し所定の角度をなす方向に出射される。第1センサ14は、検知結果をコントローラ12に出力する。
コントローラ12は、キャリーテーブル3の動作全般を制御する。コントローラ12は、例えば、ハウジング17内に収容されている。コントローラ12は、食器洗浄機4のコントローラ35(後述)と通信可能に接続されている。コントローラ12は、第1センサ14による食器ラックLの検知に基づいて、搬送機構11による食器ラックLの搬送を開始させる。
図1及び図2に示されるように、操作部18は、ハウジング17を形成するパネルの一部に配置されている。操作部18には、搬送機構11の動作を開始させるスタートボタンB1、及び、搬送機構11の動作を停止させる停止ボタンB2等が配置されている。
図1に示されるように、食器洗浄機4は、キャリーテーブル3の左隣りに、キャリーテーブル3に隣接して配置されている。食器洗浄機4は、食器ラックLに収容されている食器Dを洗浄する。図1及び図4に示されるように、食器洗浄機4は、ステンレス製のパネルで覆われた洗浄機本体20を有している。洗浄機本体20は、洗浄室21が形成された上側部分20Aと、機械室22が形成された下側部分20Bとに仕切られている。
洗浄機本体20の上側部分20Aには、洗浄室21の開閉を行うための箱型のドア23が設けられている。ドア23は、前部23A及び側部23B,23Cを含んで構成されている。ドア23は、洗浄室21を開閉可能であると共に、上下方向に移動自在に設けられている。ドア23は、前部23Aの前方において水平方向に延在するハンドル24Aによって上下動する。ドア23は、上下方向において最下高さ位置に位置して、洗浄室21を閉じる閉位置(図4に示す位置)と、上下方向において最高高さ位置に位置して、洗浄室21を開く開位置(図1に示す位置)と、の間で移動する。
ハンドル24Aの両端には、左右一対の回動アーム24B,24Bの先端が固定されている。回動アーム24B,24Bは、ドア23の側部23B,23Cに沿って斜めに配置されている。回動アーム24B,24Bには、ドア23の側部23B,23Cに沿って配置されたリンク部24Cの一端が回動自在に連結され、リンク部24Cの他端は、軸ピンを介してドア23に連結されており、ハンドル24Aの回動運動に対してドア23が上下運動可能となっている。
洗浄室21内には、ラックレール25が着脱自在に配置されている。キャリーテーブル3から搬出された食器ラックLは、ラックレール25上に載置される。洗浄室21の上部には、放射状に延びる3本のアームからなる上側洗浄ノズル26Aと、2本のアームからなる上側すすぎノズル27Aとがそれぞれ回転自在に配置されている。同様に、洗浄室21の下部には、放射状に延びる3本のアームからなる下側洗浄ノズル26Bと、2本のアームからなる下側すすぎノズル27Bとがそれぞれ回転自在に配置されている。食器ラックLに並べられた食器Dは、上側洗浄ノズル26A及び下側洗浄ノズル26Bによって上下から洗浄水が噴射され、上側すすぎノズル27A及び下側すすぎノズル27Bによって上下からすすぎ水が噴射される。
洗浄水タンク28には、洗浄水吸込口を介して洗浄ポンプ29が接続されている。洗浄ポンプ29の吐出口には、洗浄水吐出管30が接続されている。洗浄水吐出管30は、第1洗浄水吐出管30Aと第2洗浄水吐出管30Bとに分岐して、第1洗浄水吐出管30Aは上側洗浄ノズル26Aに接続され、第2洗浄水吐出管30Bは下側洗浄ノズル26Bに接続されている。
機械室22内には、外部から給水管(図示せず)を介してすすぎ水が供給されるすすぎ水タンク31が配置されている。すすぎ水タンク31には、すすぎ水吸込管32を介してすすぎポンプ33が接続されている。すすぎポンプ33の吐出口には、すすぎ水吐出管34が接続されている。すすぎ水吐出管34は、第1すすぎ水吐出管34Aと第2すすぎ水吐出管34Bとに分岐して、第1すすぎ水吐出管34Aは上側すすぎノズル27Aに接続され、第2すすぎ水吐出管34Bは下側すすぎノズル27Bに接続されている。第1すすぎ水吐出管34Aは、第1洗浄水吐出管30A内に配置されている。すなわち、第1洗浄水吐出管30A及び第1すすぎ水吐出管34Aは、二重管構造を成している。
機械室22内には、食器洗浄機4の動作全般を制御するコントローラ35が内蔵された電装ボックス(図示せず)などが収容されている。コントローラ35は、洗浄が終了したことを示す終了信号を、キャリーテーブル3のコントローラ12に出力する。
食器洗浄機4は、熱交換ユニット36を備えている。熱交換ユニット36は、洗浄機本体20の洗浄室21から排出された水蒸気を凝縮して、水蒸気の包含量が減少した空気を外部に排出する。食器洗浄機4は、洗浄機本体20を支持する四つの脚部37を備えている。
図1に示されるように、リフト装置5は、食器洗浄機4の左隣りに、食器洗浄機4に隣接して配置されている。リフト装置5は、食器洗浄機4から搬出された食器ラックLを、ワゴン6の所定位置に移載する。図5及び図6に示されるように、リフト装置5は、本体40と、リフト41と、駆動機構7と、を備えている。本体40は、フレーム40aと、前後方向において互いに対向して配置されている一対の側部42a,42bを有している。一対の側部42a,42bは、パネル状の部材である。本体40は、一対の側部42a,42bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。本体40には、食器洗浄機4側の開口の上側の一部を覆う側部42cが設けられている。リフト装置5は、本体40を支持する四つの脚部47を備えている。
リフト41は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動する。駆動機構は、例えば、駆動モータ、スプロケット、チェーン等を含んで構成されている。リフト41は、食器ラックLをワゴン6に搬出するベルト43a,43bを有している。リフト41は、食器洗浄機4による洗浄が完了した際、食器洗浄機4のラックレール25(図4参照)と同じ高さ位置で待機している。リフト41は、食器洗浄機4から食器ラックLが搬出されて、食器ラックLの一部がリフト41上に位置したことが第3センサ(図示せず)で検知されると、ベルト43a,43bを作動させて食器ラックLを取り入れる。
リフト41は、食器ラックLを取り入れると、ワゴン6において食器ラックLが収容されていない棚部(段)に食器ラックLを移載する。リフト41は、ベルト43a,43bを作動させて、食器ラックLをワゴン6に送り出す。ワゴン6の各棚部における空き状況は、リフト装置5の、例えば、天板及び底板に設けられた第4センサ(図示せず)によって検知される。更に、リフト41には、第5センサ44(図5参照)が設けられている。第5センサ44は、リフト41のワゴン6側の端部に配置されている。第5センサ44は、ワゴン6の食器ラックLの移載先において、食器ラックLの有無を検知する。リフト41は、第5センサ44において移載先に食器ラックLが検知されなかった場合に、移載先に食器ラックLを移載する。
駆動機構7は、食器洗浄機4のドア23を閉位置及び開位置に駆動させる。駆動機構7は、駆動モータ60と、一対のスプロケット(図示せず)と、チェーン(図示せず)と、スライダ63と、連結部材64と、を有している。駆動機構7は、リフト装置5の背面側に設けられている。
駆動モータ60は、例えば、ギアモータである。駆動モータ60は、例えば、リフト装置5の上部に配置されている。駆動モータ60の動作は、キャリーテーブル3のコントローラ12によって制御される。スプロケットには、駆動モータ60の出力軸が接続されている。スプロケットは、スプロケットの回転に応じて、チェーンを介して従動して回転する。チェーンは、一対のスプロケットに掛け渡されている。
スライダ63は、チェーンに接続されている。スライダ63は、チェーンの移動に応じて上下方向に移動する。スライダ63は、上下方向に沿って延在しているガイドレール65に接続されており、ガイドレール65に沿って移動する。連結部材64は、スライダ63とドア23とを連結している。連結部材64は、前後方向に沿って延在している。連結部材64の一端部は、スライダ63に固定されており、連結部材64の他端部は、軸ピン(図示せず)を介してドア23に連結されている。連結部材64には、支持部材(図示せず)が設けられている。支持部材は、連結部材64とドア23の下端部とに接続されており、ドア23が上昇するときにドア23を下方から支持する。
図1に示されるように、ワゴン6は、リフト装置5の左隣りに、リフト装置5に隣接して配置されている。ワゴン6は、複数(本実施形態では4個)の食器ラックLを収納可能である。ワゴン6は、リフト装置5によって食器ラックLが収容される。ワゴン6は、リフト装置5に着脱可能に設けられている。
図7に示されるように、ワゴン6は、互いに対向して配置されている一対の側部50a,50bと、一対の側部50a,50bの上端部に設けられている上部51と、一対の側部50a,50bの下端部に設けられている底部52と、を有している。一対の側部50a,50bは、パネル状の部材により形成されている。ワゴン6は、一対の側部50a,50b、上部51及び底部52によって、食器ラックLを収容する収容空間が形成されている。ワゴン6は、一対の側部50a,50bの対向方向に直交する水平方向の両側が開口している。
一対の側部50a,50bのそれぞれの内面には、互いに対向する位置に、一対の支持レール53a,53bが設けられている。一対の支持レール53a,53bは、食器ラックLを支持する。一対の支持レール53a,53bは、ワゴン6において食器ラックLを収容する棚部を構成している。支持レール53a,53bは、上下方向において所定の間隔をあけて複数配置されている。一方の側部50aの外面には、作業者によって把持可能な操作ハンドル54a,54bが設けられている。底部52には、ワゴン6がリフト装置5から取り外されたときにワゴン6を移動自在とする4個のローラ55a,55b,55c,55dと、ワゴン6がリフト装置5に取り付けられたときにワゴン6を設置(固定)する設置機構56a,56bと、が設けられている。
図8に示されるように、キャリーテーブル3と食器洗浄機4とは、連結部材70を介して連結されている。より詳細には、図9(A)及び図9(B)に示されるように、連結部材70は、食器洗浄機4の側面に接触させる第1面71と、キャリーテーブル3の基台10における側面に接触させる第2面72と、第1面71と第2面72とを接続する第3面73と、キャリーテーブル3の基台10における下面に接触させる第4面74と、を有している。第4面74においては、ねじ75等によってキャリーテーブル3の基台10に固定される。第3面73の距離(第1面71と第2面72との距離)は、キャリーテーブル3と食器洗浄機4と適切に連結したときの距離となるように設定されている。連結部材70は、板状部材をプレス加工等によって折り曲げることによって形成されている。このような連結部材70は、キャリーテーブル3と食器洗浄機4との連結を強固にし、設置後の位置ずれを防止できる。
なお、洗浄システム1は、位置ずれを防止する連結部材70に代えて又は加えて、図10(A)及び図10(B)に示されるような連結部材70A及び連結部材70Bを設けてもよい。
図10(A)に示されるように、連結部材70Aは、キャリーテーブル3の脚部19と食器洗浄機4の脚部37又は食器洗浄機4の脚部37とリフト装置5の脚部47とを連結する部材である。更に詳細には、連結部材70Aは、食器洗浄機4の脚部37を内挿可能な孔部と、キャリーテーブル3の脚部19又はリフト装置5の脚部47を支持する支持部と、を有している。連結部材70Aは、孔部に脚部37を内挿した状態で、キャリーテーブル3の脚部19又はリフト装置5の脚部47を支持する。上述したような連結部材70Aであっても、キャリーテーブル3と食器洗浄機4との連結、又は食器洗浄機4とリフト装置5との連結を強固にし、設置後の位置ずれを防止できる。
図10(B)に示されるように、連結部材70Bは、食器洗浄機4の熱交換ユニット36の側面36aと、リフト装置5の背面(側部42b)とを連結する部材である。連結部材70Bは、板状部材がL字状に折り曲げられた部材である。連結部材70Bは、食器洗浄機4及びリフト装置5の一方に溶接等によって固定されている。例えば、リフト装置5に固定されている場合、リフト装置5から飛び出る連結部材70Bを側面36aに隙間なくくっつけた状態で設置することで、食器洗浄機4とリフト装置5とを平行に配列することができる。なお、連結部材70Bは、キャリーテーブル3と食器洗浄機4との連結にも適用可能である。上述したような連結部材70Bであっても、キャリーテーブル3と食器洗浄機4との連結、又は食器洗浄機4とリフト装置5との連結を強固にし、設置後の位置ずれを防止できる。
また、食器洗浄機4とリフト装置5との連結は、図11(A)及び図11(B)に示されるような連結機構80,180を適用してもよい。
図11(A)に示されるように、連結機構80は、ハンドル81と、引っ掛け部材82とを有している。引っ掛け部材82は、本体部82aと引っ掛け部82bとを有している。ハンドル81と引っ掛け部材82とは接続されており、ハンドル81の回動に連動して引っ掛け部材82が回動する。引っ掛け部材82は、フレーム40aに設けられており、ハンドル81を回動させると、引っ掛け部材82がフレーム40aの開口部40abから飛び出すように設けられている。開口部40abは、引っ掛け部82bが通過不能な第1開口部P1と引っ掛け部82bが通過可能な第2開口部P2とを有している。なお、図示しないが、フレーム40aに対向する位置には、リフト装置5のフレーム50c(図7参照)が配置される。
フレーム50cには、フレーム40aに形成される開口部40abと同様の開口部が形成されている。フレーム50cとフレーム40aとが隣接するように食器洗浄機4及びリフト装置5が配置されると、第1開口部P1を進出した引っ掛け部82bが、フレーム50cの第一開口部を通過し、フレーム50cに収容される。フレーム50cに収容される引っ掛け部82bは、フレーム40a及びフレーム50cの対向方向への移動が第2開口部によって規制される。これにより、食器洗浄機4とリフト装置5とが連結される。
図11(B)に示されるように、連結機構180は、ハンドル181と、引っ掛け部材182とを有している。引っ掛け部材182は、本体部182aと引っ掛け部182bとを有している。ハンドル181と引っ掛け部材182とは接続されており、ハンドル181の回動に連動して引っ掛け部材182が回動する。引っ掛け部材182は、フレーム40aに設けられており、ハンドル181を回動させると、引っ掛け部材182がフレーム40aの開口部40abから飛び出すように設けられている。フレーム50cには、フレーム40aに形成される開口部40abと同様の開口部50caが形成されている。フレーム50cとフレーム40aとが隣接するように食器洗浄機4及びリフト装置5が配置されると、開口部40abを進出した引っ掛け部182bが、フレーム50cの開口部50caを通過し、フレーム50cに収容される。フレーム50cに収容された引っ掛け部182bは、フレーム40a及びフレーム50cの対向方向への移動がフレーム50cによって規制される。これにより、食器洗浄機4とリフト装置5とが連結される。
連結機構80,180による連結は、浸漬槽2とキャリーテーブル3との間、キャリーテーブル3と食器洗浄機4との間、リフト装置5とワゴン6との間にも適用が可能である。
また、リフト装置5とワゴン6の連結は、図12(A)及び図12(B)に示されるような連結機構90を適用してもよい。すなわち、連結機構90は、リフト装置5に設けられたステンレス鋼の突起部91と、ワゴン6に形成された嵌合部92の底面に設けられたマグネットキャッチ93又はマグネットボールと、を備えてもよい。この構成であっても、リフト装置5の一部とワゴン6の一部とを強固にくっつけることができるので、両者の位置決めが容易に可能となる。
連結機構90による連結は、浸漬槽2とキャリーテーブル3との間、キャリーテーブル3と食器洗浄機4との間、食器洗浄機4とリフト装置5との間にも適用が可能である。
続いて、洗浄システム1の動作について説明する。作業者は、浸漬槽2において食器Dの予備洗浄を行い、食器ラックLに食器Dを収容する。作業者は、食器ラックLに食器Dを収容すると、摺動部16上の食器ラックLを食器洗浄機4側に押し出して(スライドさせる)、食器ラックLの右端が第2摺動部16Bの浸漬槽2側の端部に位置するまで押し出す。第2摺動部16Bの浸漬槽2側の端部に、食器ラックLの右端が位置するように押し出された食器ラックLは、第1センサ14によって検知される。コントローラ12は、第1センサ14によって食器ラックLが検知されたとき、搬送機構11の駆動部11Eを制御して、アーム部材11Aによる食器ラックLの搬送を開始させる。
なお、本実施形態の洗浄システム1では、作業者によってスタートボタンB1を押下された場合も、コントローラ12は、搬送機構11の駆動部11Eを制御して、アーム部材11Aによる食器ラックLの搬送を開始させる。コントローラ12は、アーム部材11Aが食器洗浄機4へ食器ラックLを押し出す押出位置に到達したことを検知すると、検知後所定時間後に、駆動機構7の駆動モータ60を作動させる。これにより、食器洗浄機4のドア23が閉められてドア23が閉位置に位置する。食器洗浄機4は、ドア23が閉位置となると、洗浄動作を開始する。食器洗浄機4は、洗浄動作が終了すると、終了信号をコントローラ12に出力する。コントローラ12は、終了信号を受け取ると、駆動機構7の駆動モータ60を作動させる、これにより、食器洗浄機4のドア23が開けられてドア23が開位置に位置する。
食器洗浄機4のドア23が開位置となると、キャリーテーブル3によって新たな食器ラックLが食器洗浄機4に搬入される。これにより、洗浄後の食器ラックLは、新たな食器ラックLによってリフト装置5に押し出されて、リフト装置5のリフト41に搬出される。リフト41は、食器ラックLをワゴン6において空いている棚部に移載する。
以上説明したように、本実施形態に係る洗浄システム1は、第1センサ14によって載置面10aに食器ラックLが載置されたことが検知されると、自動的に食器ラックLの搬送が開始される。これにより、食器ラックLの搬送を開始させるためにスタートボタンB1を押下しなくても済む。この結果、食器Dの洗浄を開始するときの作業性を向上させることができる。
本実施形態に係る洗浄システム1では、第1センサ14は、第2摺動部16Bの浸漬槽2側の端部を境界に食器洗浄機4側の領域に配置された食器ラックLを検知可能に設定されている。これにより、食器ラックLが第2摺動部16Bの浸漬槽2側の端部に載置されれば食器ラックLによる搬送が開始する。すなわち、作業者に第1センサ14における検知範囲を明示的に示すことができる。これらの結果、食器Dの洗浄を開始するときの作業性を向上させることができる。
本実施形態に係る洗浄システム1では、第1摺動部16Aの載置面10aからの突出量は、第2摺動部16Bの載置面10aからの突出量と比べて大きい。このため、第2摺動部16Bに食器ラックLを載置したときの食器ラックLの浸漬槽2側端部が第1摺動部16Aに接触する。すなわち、載置面10aにおける食器ラックLの位置決めが容易となる。そして、当該第1摺動部16Aによって位置決めされた食器ラックLは第1センサ14によって検知される。すなわち、搬送が開始される位置への食器ラックLの位置決めが容易となる。
本実施形態に係る洗浄システム1では、搬送方向において第1摺動部16Aと第2摺動部16Bとに分かれているので、これらを一体的に形成する場合と比べて、部材が長尺化することを抑制できる。これにより、部品単体での反りの発生を低減することができる。
本実施形態に係る洗浄システム1では、載置面10aの前後方向における後方には、載置面10aから立設する立ち上げ部10dが形成されているので、載置面10aを洗浄する際に載置面10aに散水された水が、載置面10a後方から床等に漏れ落ちることを防止することができる。
本実施形態に係る洗浄システム1では、後方に形成される立ち上げ部10dの高さは、他の立ち上げ部10b,10c,10eよりも高くなるように形成されているので、載置面10aを洗浄する際に載置面10aに散水された水が、作業者が特にメンテナンスをしにくい載置面10a後方から床等に漏れ落ちることを防止することができる。
本発明に係る洗浄システムでは、食器洗浄機4とキャリーテーブル3とが、連結部材70を介して連結されている。これにより、食器洗浄機4とキャリーテーブル3とを強固に連結されるので、設置後の位置ずれを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、第1センサ14による食器ラックLの検知をきっかけ(トリガ)としてアーム部材11Aによる食器ラックLの移動を開始させる例を挙げて説明したが、この構成に代えて又は加えて、検知対象に接触することなく検知することが可能な非接触センサ、音声を認識する音声認識装置を備えてもよい。
上記実施形態及び変形例では、洗浄システム1がワゴン6を1台備えている形態を一例に説明した。しかし、洗浄システム1は、複数台のワゴン6を備えていてもよい。
上記実施形態及び変形例では、第1センサがモーションセンサである形態を一例に説明した。しかし、第1センサは、例えば、赤外線の遮断の有無によって検知対象を検知する光電センサ(反射型)、反射によって検知対象を検知する超音波センサ等の他の態様のセンサであってもよい。
上記実施形態及び変形例では、キャリーテーブル3を制御するコントローラ12がキャリーテーブル3のハウジング17の内部に配置される例を挙げて説明したが、食器洗浄機4、リフト装置5、又はワゴン6の何れかに配置される構成であってもよい。
一実施形態に係る洗浄システムは、被洗浄物を洗浄する洗浄機と、被洗浄物を予備洗浄する浸漬槽と洗浄機との間に配置される搬送装置と、搬送装置を制御する制御装置と、を備え、搬送装置は、被洗浄物を載置可能な載置面を有する載置部、を有し、載置面の前後方向における後方には、載置面から立設する立ち上げ部が形成されている。
一実施形態に係る洗浄システムは、被洗浄物を洗浄する洗浄機と、被洗浄物を予備洗浄する浸漬槽と洗浄機との間に配置される搬送装置と、搬送装置を制御する制御装置と、を備え、洗浄機と搬送装置とは、連結部材を介して連結されており、連結部材は、洗浄機の側面に接触させる第1面と、搬送装置における載置部の側面と接触させる第2面と、第1面と第2面とを接続する第3面とを有している。