JP7351228B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、雰囲気中に含まれるガスを検出するガスセンサに関し、特に、測定時に感温抵抗素子を加熱するタイプのガスセンサに関する。
ガスセンサは、雰囲気中に含まれる測定対象ガスの濃度を検出するものであり、中でも、ヒータ抵抗によってサーミスタなどの感温抵抗素子を加熱するタイプのガスセンサは小型化に優れている。例えば、特許文献1に記載されたガスセンサは、検知センサと補正センサを備えており、補正センサの出力値を参照することによって、検知センサの経時変化による測定誤差をキャンセルしている。これにより、検知センサを所定の温度に加熱した場合の抵抗値が経時変化によって初期状態からずれている場合であっても、このずれを考慮した演算を行うことによって、より正確なガス濃度を算出することが可能となる。
特開2015-227821号公報
しかしながら、特許文献1に記載のガスセンサでは、感温抵抗素子を所定の温度に加熱した場合の抵抗値の経時変化については補正されるものの、感温抵抗素子の感度についての経時変化は考慮されていない。このため、経時変化によって感温抵抗素子の感度が初期状態からずれている場合には、検出誤差が生じるという問題があった。
したがって、本発明は、測定時に感温抵抗素子を加熱するタイプのガスセンサにおいて、経時変化による感温抵抗素子の感度誤差を校正することによって、より正確なガス濃度を算出することを目的とする。
本発明によるガスセンサは、測定対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する第1の感温抵抗素子と第1の感温抵抗素子を加熱する第1のヒータ抵抗を含むセンサ部と、センサ部から出力される検出電圧に基づいて、測定対象ガスの濃度を算出する信号処理回路とを備え、信号処理回路は、第1の感温抵抗素子を第1の温度に加熱した場合に得られる検出電圧のレベルと、第1の感温抵抗素子を第1の温度とは異なる第2の温度に加熱した場合に得られる検出電圧のレベルに基づいて、測定対象ガスの濃度を算出する際に用いる第1の感温抵抗素子の感度情報を校正することを特徴とする。
本発明によれば、第1の感温抵抗素子を2種類の温度に加熱し、それぞれの場合に得られる検出電圧のレベルに基づいて感度情報を校正していることから、第1の感温抵抗素子の感度が経時変化している場合であっても、より正確なガス濃度を算出することが可能となる。
本発明において、信号処理回路は、検出電圧をデジタル値に変換するADコンバータと、デジタル値に基づいて演算を行うMPUと、MPUから出力される指示値を第1のヒータ抵抗に印加するヒータ電圧に変換するヒータ電圧源とを含むものであっても構わない。これによれば、ADコンバータ、MPU及びヒータ電圧源を含めた制御ループ全体の経時変化をキャンセルすることが可能となる。
本発明において、センサ部は、第1の感温抵抗素子に対して直列に接続された第2の感温抵抗素子と、第2の感温抵抗素子を加熱する第2のヒータ抵抗をさらに含み、検出電圧は、第1の感温抵抗素子と第2の感温抵抗素子の接続点から出力されるものであっても構わない。これによれば、経時変化の影響をハードウェア的にキャンセルすることが可能となる。
本発明において、第1の感温抵抗素子はサーミスタであり、第1の感温抵抗素子を第1の温度に加熱した場合の抵抗値と、第1の感温抵抗素子を第2の温度に加熱した場合の抵抗値の差が1%以下であっても構わない。これによれば、より正確な感度校正を行うことが可能となる。
このように、本発明によれば、経時変化による感温抵抗素子の感度誤差が校正されることから、より正確なガス濃度を算出することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態によるガスセンサ1の構成を示す回路図である。 図2は、センサ部10の構成を説明するための上面図である。 図3は、図2に示すA-A線に沿った断面図である。 図4は、ガスセンサ1の動作を説明するためのフローチャートである。 図5は、サーミスタRd1の加熱温度と抵抗値の関係を説明するための模式的なグラフである。 図6は、本発明の第2の実施形態によるガスセンサ2の構成を示す回路図である。 図7は、センサ部10Aの構成を説明するための上面図である。 図8は、図7に示すA-A線に沿った断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるガスセンサ1の構成を示す回路図である。
図1に示すように、第1の実施形態によるガスセンサ1は、センサ部10と信号処理回路20を備えている。特に限定されるものではないが、本実施形態によるガスセンサ1は、雰囲気中におけるCOガスの濃度を検出するものである。
センサ部10は、測定対象ガスであるCOガスの濃度を検出するための熱伝導式のセンサであり、センサ部S1,S3を有している。センサ部S1は、第1の感温抵抗素子であるサーミスタRd1及びこれを加熱するヒータ抵抗MH1からなる。センサ部S3は、第3の感温抵抗素子であるサーミスタRd3からなる。

図1に示すように、抵抗R1とサーミスタRd1は、定電圧電源26とグランドとの間に直列に接続されている。同様に、抵抗R2とサーミスタRd3は、定電圧電源26とグランドとの間に直列に接続されている。サーミスタRd1,Rd3は、例えば、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の抵抗温度係数を持つ材料からなる。このうち、サーミスタRd1はCOガスの濃度を検出するものであり、サーミスタRd3は環境温度を検出するものである。
サーミスタRd1は、ヒータ抵抗MH1によって加熱される。ヒータ抵抗MH1によるサーミスタRd1の加熱温度は例えば150℃である。サーミスタRd1を加熱した状態で測定雰囲気中にCOガスが存在すると、その濃度に応じてサーミスタRd1の放熱特性が変化する。かかる変化は、サーミスタRd1の抵抗値の変化となって現れる。このため、抵抗R1とサーミスタRd1の接続点に現れる検出電圧Vgは、COガスの濃度によって変化する。一方、抵抗R2とサーミスタRd3の接続点からは、センサ部S3の検出電圧Vtが出力される。検出電圧Vtは環境温度を示している。検出電圧Vg,Vtは、いずれも信号処理回路20に入力される。
信号処理回路20は、第1インピーダンス変換部21、第2インピーダンス変換部22、ADコンバータ(ADC)23、MPU24、ヒータ電圧源25及び定電圧電源26を備えている。第1インピーダンス変換部21は、検出電圧Vgをインピーダンス変換してADコンバータ23に供給する回路であり、例えば差動アンプなどを用いることができる。第2インピーダンス変換部22は、検出電圧Vtをインピーダンス変換してADコンバータ23に供給する回路であり、例えばボルテージフォロアなどを用いることができる。
ADコンバータ23は、インピーダンス変換された検出電圧Vg,Vtをデジタル値に変換し、その値をMPU24に供給する。MPU24は、検出電圧Vgのデジタル値に基づいて所定の演算を行い、これによって現在のCOガスの濃度を示す出力信号Voutを算出する。かかる演算には、検出電圧Vgを出力信号Voutに変換するための変換式又は変換テーブルが用いられる。また、MPU24は、検出電圧Vtのデジタル値に基づいて所定の演算を行い、これによってヒータ電圧源25に指示値を与える。ヒータ電圧源25は、指示値に基づいてヒータ抵抗MH1に印加する制御電圧Vmh1を生成する。
MPU24は、測定動作時においては、環境温度に関わらずサーミスタRd1が所定の温度(例えば150℃)に加熱されるよう、指示値を算出する。一方、MPU24は、キャリブレーション動作時においては、サーミスタRd1が2種類の温度に加熱されるよう、指示値を算出する。キャリブレーション動作の詳細については後述する。
図2は、センサ部10の構成を説明するための上面図である。また、図3は、図2に示すA-A線に沿った断面図である。尚、図面は模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係、デバイス相互間の厚みの比率などは、本実施形態の効果が得られる範囲内で現実の構造とは異なっていても構わない。
センサ部10は、COガスの濃度に応じた放熱特性の変化に基づいてガス濃度を検出する熱伝導式のセンサであり、図2及び図3に示すように、2つのセンサ部S1,S3と、これらセンサ部S1,S3を収容するセラミックパッケージ51を備えている。
セラミックパッケージ51は、上部が開放された箱形のケースであり、上部にはリッド52が設けられている。リッド52は複数の通気口53を有しており、これにより、雰囲気中のCOガスがセラミックパッケージ51内に流入可能とされている。尚、図面の見やすさを考慮して、図2においてはリッド52が省略されている。
特に限定されるものではないが、本実施形態においては単一の基板61上に2つのセンサ部S1,S3が集積されている。基板61には、2つのセンサ部S1,S3にそれぞれ対応する2つのキャビティ61a,61cが形成されている。
基板61の裏面には絶縁膜62が設けられている。また、基板61の上面には、絶縁膜63と、絶縁膜63上に設けられたヒータ抵抗MH1と、ヒータ抵抗MH1を覆うヒータ保護膜64と、キャビティ61a,61cと重なる位置においてそれぞれヒータ保護膜64上に設けられたサーミスタRd1,Rd3及びサーミスタ電極35,65と、サーミスタRd1,Rd3及びサーミスタ電極35,65を覆うサーミスタ保護膜66とが設けられている。
基板61は、適度な機械的強度を有し、且つ、エッチングなどの微細加工に適した材質であれば特に限定されるものではなく、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、ガラス基板などを用いることができる。絶縁膜62,63は、酸化シリコン又は窒化シリコンなどの絶縁材料からなる。ヒータ抵抗MH1は、比較的高融点の材料からなる金属材料、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。サーミスタRd1,Rd3は、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の抵抗温度係数を持つ材料からなる。ここで、感温抵抗素子としてサーミスタを用いているのは、白金測温体などに比べて抵抗温度係数が大きいことから、大きな検出感度を得ることができるためである。ヒータ保護膜64の材料としては、絶縁膜63と同じ材料を用いることができる。
サーミスタ電極35,65は、所定の間隔を持った一対の電極であり、一対のサーミスタ電極35間にサーミスタRd1が設けられ、一対のサーミスタ電極65間にサーミスタRd3が設けられる。これにより、一対のサーミスタ電極35,65間における抵抗値は、それぞれサーミスタRd1,Rd3の抵抗値によって決まる。サーミスタ電極35,65の材料としては、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。
図2に示すように、ヒータ抵抗MH1の両端は電極パッド37a,37bにそれぞれ接続される。また、サーミスタ電極35の両端は電極パッド37c,37dにそれぞれ接続され、サーミスタ電極65の両端は電極パッド67a,67bにそれぞれ接続される。これらの電極パッドは、ボンディングワイヤ55を介して、セラミックパッケージ51に設けられたパッケージ電極54に接続される。パッケージ電極54は、セラミックパッケージ51の裏面に設けられた外部端子56を介して、図1に示す信号処理回路20に接続される。
以上が本実施形態によるガスセンサ1の構成である。次に、本実施形態によるガスセンサ1の動作について説明する。
本実施形態によるガスセンサ1は、COガスの熱伝導率が空気の熱伝導率と大きく異なっている点を利用し、COガスの濃度によるサーミスタRd1の放熱特性の変化を検出電圧Vgとして取り出す。本実施形態によるガスセンサ1は、環境温度が変化しても、サーミスタRd1の加熱温度が一定となるよう、検出電圧Vtに基づいて制御電圧Vmh1のレベルが調整される。さらに、本実施形態によるガスセンサ1は、出力信号Voutの算出において、サーミスタRd1の経時変化による感度誤差がキャンセルされるよう、検出電圧Vgに基づいて出力信号Voutを算出する際に用いる感度情報、つまり、変換式や変換テーブルをキャリブレーション動作によって校正する。
図4は、本実施形態によるガスセンサ1の動作を説明するためのフローチャートである。
ガスセンサ1の動作においては、まずキャリブレーション動作が行われる(ステップS10)。キャリブレーション動作は、環境温度や測定対象ガスの濃度が安定した状態で、サーミスタRd1を2種類の温度に加熱し、それぞれの場合に得られる検出電圧Vgに基づいてサーミスタRd1の感度情報を算出する動作である。キャリブレーション動作は、ガスセンサ1の起動時に実行する他、起動後においても一定期間ごとに実行しても構わない。
キャリブレーション動作においては、まず、制御電圧Vmh1を第1のレベル(V1)に設定することによって、サーミスタRd1を第1の温度(T1)に加熱する(ステップS11)。そして、この状態で得られる検出電圧Vgのレベル(Vg1)を記録する(ステップS12)。次に、制御電圧Vmh1を第2のレベル(V2)に設定することによって、サーミスタRd1を第2の温度(T2)に加熱する(ステップS13)。そして、この状態で得られる検出電圧Vgのレベル(Vg2)を記録する(ステップS14)。V1とV2の差は、サーミスタRd1が第1の温度(T1)に加熱された場合の抵抗値(r1)と、サーミスタRd1が第2の温度(T2)に加熱された場合の抵抗値(r2)の差(r1-r2)が1%以下となるよう、つまり、(r1-r2)/r1≦1%となるよう調整することが好ましい。これは、サーミスタRd1の抵抗値は温度に対して直線的ではなく曲線的に変化するため、抵抗値の差(r1-r2)を小さく設定することによって、直線近似するためである。一例として、第1の温度(T1)を150.0℃とし、第2の温度(T2)を150.1℃又は149.9℃とすることができる。
そして、ステップS12で記録した検出電圧Vgのレベル(Vg1)と、ステップS14で記録した検出電圧Vgのレベル(Vg2)に基づいて感度情報を算出し、更新する。ここで、第1の温度(T1)が測定動作時における加熱温度であり、第2の温度(T2)が測定動作時における加熱温度から僅かにずれた温度であるとすれば、サーミスタRd1を第1の温度(T1)に加熱した状態で得られる検出電圧Vgのレベル(Vg1)は、測定対象ガスの濃度が基準値である場合に得られる値に相当し、サーミスタRd1を第2の温度(T2)に加熱した状態で得られる検出電圧Vgのレベル(Vg2)は、測定対象ガスの濃度が基準値とは異なる濃度である場合に得られる値に相当する。つまり、ステップS13,S14は、ガス検出を行っている状態を擬似的に再現する動作と言える。
一例として、ステップS11,S12はCOガスの濃度が大気中と同じ400ppmである場合のガス検出動作を再現し、ステップS13,S14はCOガスの濃度が大気中より高い例えば10000ppmである場合のガス検出動作を再現しても構わない。この場合、COガスの濃度が400ppmである場合の検出電圧Vgのレベル(Vg1)と、COガスの濃度が10000ppmである場合の検出電圧Vgのレベル(Vg2)から、サーミスタRd1の感度を算出することができる。
図5は、サーミスタRd1の加熱温度と抵抗値の関係を説明するための模式的なグラフである。
図5に示す特性Aは、初期状態におけるサーミスタRd1の特性を示しており、加熱温度が高くなるほど抵抗値が低下する。そして、測定雰囲気中に存在するCOガスの濃度が高くなるほど放熱性が低下することから、サーミスタRd1がより高温となり、これによって抵抗値が低下する。かかる抵抗値の変化は、検出電圧Vgとして現れる。特性Aにおいては、サーミスタRd1を第1の温度(T1)に加熱した場合の抵抗値は(r1)であり、これに対応する検出電圧Vgは(Vg1)である。一方、サーミスタRd1を第2の温度(T2)に加熱した場合の抵抗値は(r2A)であり、これに対応する検出電圧Vgは(Vg2A)である。したがって、MPU24は、Vg1-Vg2Aを算出することにより、サーミスタRd1の感度、つまり、特性Aの傾きを特定することができる。
図5に示す特性Bは、経時変化した状態におけるサーミスタRd1の特性を示している。特性Bにおいては、サーミスタRd1を第1の温度(T1)に加熱した場合の抵抗値は(r1)であり、これに対応する検出電圧Vgは(Vg1)である。一方、サーミスタRd1を第2の温度(T2)に加熱した場合の抵抗値は(r2B)であり、これに対応する検出電圧Vgは(Vg2B)である。したがって、MPU24は、Vg1-Vg2Bを算出することにより、サーミスタRd1の感度、つまり、特性Bの傾きを特定することができる。
図5に示す例では、経時変化によってサーミスタRd1の感度が低下しているが、上述したキャリブレーション動作を行うことにより、サーミスタRd1の現在の感度を特定することが可能となる。
一連のキャリブレーション動作(ステップS10)が完了した後、実際に測定対象ガスの濃度を測定する測定動作を行う(ステップS20)。測定動作は、所定期間ごとに間欠的に行っても構わない。測定動作においては、制御電圧Vmh1を第1のレベル(V1)に設定することによって、サーミスタRd1を第1の温度(T1)に加熱する(ステップS21)。そして、この状態で得られる検出電圧Vgのレベルから出力信号Voutを算出するとともに、測定回数のカウントを行う(ステップS22)。出力信号Voutの算出においては、キャリブレーション動作によって得られた感度情報、つまり変換式又は変換テーブルを用いる。かかる動作は、測定動作を終了するまで繰り返し実行する(ステップS23,S24)。
そして、カウント値があらかじめ設定された規定値に達した場合、カウント値をリセットした後(ステップS25)、キャリブレーション動作(ステップS10)に戻る。これにより、測定動作を所定回数行うたびにキャリブレーション動作が実行されることから、経時変化による感度誤差を考慮した測定動作を行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によるガスセンサ1は、サーミスタRd1の経時変化による感度誤差がキャリブレーション動作によって校正されることから、より正確なガス濃度の測定が可能となる。しかも、キャリブレーション動作時においては、ヒータ電圧源25から出力される制御電圧Vmh1を2種類にレベルに設定していることから、第1インピーダンス変換部21、ADコンバータ23、MPU24及びヒータ電圧源25を含めた制御ループ全体の経時変化がキャンセルされる。
図6は、本発明の第2の実施形態によるガスセンサ2の構成を示す回路図である。
図6に示すように、第2の実施形態によるガスセンサ2は、図1に示したセンサ部10がセンサ部10Aに置き換えられている点において、第1の実施形態によるガスセンサ1と相違している。その他の基本的な構成は第1の実施形態によるガスセンサ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
センサ部10Aは、図1に示した抵抗R1がセンサ部S2に置き換えられている点において、図1に示したセンサ部10と相違している。センサ部S2は、第2の感温抵抗素子であるサーミスタRd2及びこれを加熱するヒータ抵抗MH2からなる。ヒータ抵抗MH2によるサーミスタRd2の加熱温度は例えば300℃である。この場合、サーミスタRd2を加熱した状態で測定雰囲気中にCOガスが存在しても、サーミスタRd2の抵抗値はほとんど変化しない。これは、300℃の温度環境下では、COガスの熱伝導率と空気の熱伝導率にほとんど差がないからである。サーミスタRd2とサーミスタRd1は直列に接続されており、その接続点から検出電圧Vgが出力される。
図7は、センサ部10Aの構成を説明するための上面図である。また、図8は、図7に示すA-A線に沿った断面図である。尚、図面は模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係、デバイス相互間の厚みの比率などは、本実施形態の効果が得られる範囲内で現実の構造とは異なっていても構わない。
図7及び図8に示すように、センサ部10Aは、図2及び図3に示したセンサ部10にセンサ部S2が追加された構成を有している。図7及び図8に示す例では、センサ部S1とセンサ部S2の間にセンサ部S3が配置されている。
特に限定されるものではないが、本実施形態においては単一の基板61上に3つのセンサ部S1~S3が集積されている。基板61には、3つのセンサ部S1~S3にそれぞれ対応する3つのキャビティ61a~61cが形成されている。
基板61の上面には、絶縁膜63と、絶縁膜63上に設けられたヒータ抵抗MH1,MH2と、ヒータ抵抗MH1,MH2を覆うヒータ保護膜64と、キャビティ61a~61cと重なる位置においてそれぞれヒータ保護膜64上に設けられたサーミスタRd1~Rd3及びサーミスタ電極35,45,65と、サーミスタRd1~Rd3及びサーミスタ電極35,45,65を覆うサーミスタ保護膜66とが設けられている。
サーミスタ電極45は、所定の間隔を持った一対の電極であり、一対のサーミスタ電極45間にサーミスタRd2が設けられる。これにより、一対のサーミスタ電極45間における抵抗値は、サーミスタRd2の抵抗値によって決まる。図7に示すように、ヒータ抵抗MH2の両端は電極パッド47a,47bにそれぞれ接続される。また、サーミスタ電極45の両端は電極パッド47c,47dにそれぞれ接続される。
以上が本実施形態によるガスセンサ2の構成である。本実施形態によるガスセンサ2は、環境温度が変化しても、サーミスタRd1,Rd2の加熱温度がそれぞれ一定となるよう、検出電圧Vtに基づいて制御電圧Vmh1,Vmh2のレベルが調整される。さらに、本実施形態によるガスセンサ2は、出力信号Voutの算出において、サーミスタRd1,Rd2の経時変化による感度誤差がキャンセルされるよう、検出電圧Vgに基づいて出力信号Voutを算出する際に用いる感度情報をキャリブレーション動作によって校正する。
本実施形態によるガスセンサ2の基本的な動作は、第1の実施形態によるガスセンサ1の動作と同じである。まず、測定動作時においては、センサ部S1に含まれるサーミスタRd1と、センサ部S2に含まれるサーミスタRd2を互いに異なる温度に加熱する。例えば、サーミスタRd1を150℃に加熱し、サーミスタRd2を300℃に加熱する。これにより、サーミスタRd1の抵抗値はCOガスの濃度に応じて変化する一方、サーミスタRd2の抵抗値はCOガスの濃度に関わらずほとんど変化しないことから、両者の接続点に現れる検出電圧Vgのレベルは、雰囲気中のCOガスの濃度を示すことになる。このように、本実施形態においては、抵抗R1の代わりにサーミスタRd2を用いていることから、サーミスタRd1,Rd2を所定の温度に加熱した場合の抵抗値の経時変化をハードウェア的にキャンセルすることができる。
さらに、キャリブレーション動作時においては、環境温度や測定対象ガスの濃度が安定した状態で、サーミスタRd1,Rd2をそれぞれ2種類の温度に加熱し、それぞれの場合に得られる検出電圧Vgに基づいてサーミスタRd1,Rd2の感度情報を算出する。これにより、サーミスタRd1の経時変化による感度誤差だけではなく、サーミスタRd2の経時変化による感度誤差についても校正することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態は、COガスを検出するための熱伝導式のガスセンサを例に説明したが、本発明がこれに限定されるものではなく、COガスなどの可燃性ガスを検出するための接触燃焼式のガスセンサに応用することも可能である。この場合、サーミスタRd1の表面に可燃性ガスの燃焼を促進する触媒を設ければ良い。
また、上記実施形態においては感温抵抗素子としてサーミスタを用いているが、サーミスタ以外の感温抵抗素子を用いても構わない。
1,2 ガスセンサ
10,10A センサ部
20 信号処理回路
21 第1インピーダンス変換部
22 第2インピーダンス変換部
23 ADコンバータ
24 MPU
25 ヒータ電圧源
26 定電圧電源
35,45,65 サーミスタ電極
37a~37d,47a~47d,67a,67b 電極パッド
51 セラミックパッケージ
52 リッド
53 通気口
54 パッケージ電極
55 ボンディングワイヤ
56 外部端子
61 基板
61a~61c キャビティ
62,63 絶縁膜
64 ヒータ保護膜
66 サーミスタ保護膜
MH1,MH2 ヒータ抵抗
R1,R2 抵抗
Rd1~Rd3 サーミスタ
S1~S3 センサ部
Vg,Vt 検出電圧
Vmh1,Vmh2 制御電圧
Vout 出力信号

Claims (4)

  1. 測定対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する第1の感温抵抗素子と、前記第1の感温抵抗素子を加熱する第1のヒータ抵抗を含むセンサ部と、
    前記センサ部から出力される検出電圧に基づいて、前記測定対象ガスの濃度を算出する信号処理回路と、を備え、
    前記信号処理回路は、前記第1の感温抵抗素子を第1の温度に加熱した場合に得られる前記検出電圧のレベルと、前記第1の感温抵抗素子を前記第1の温度とは異なる第2の温度に加熱した場合に得られる前記検出電圧のレベルに基づいて、前記測定対象ガスの濃度を算出する際に用いる前記第1の感温抵抗素子の感度情報を校正することを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記信号処理回路は、前記検出電圧をデジタル値に変換するADコンバータと、前記デジタル値に基づいて演算を行うMPUと、前記MPUから出力される指示値を前記第1のヒータ抵抗に印加するヒータ電圧に変換するヒータ電圧源とを含むことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記センサ部は、前記第1の感温抵抗素子に対して直列に接続された第2の感温抵抗素子と、前記第2の感温抵抗素子を加熱する第2のヒータ抵抗をさらに含み、
    前記検出電圧は、前記第1の感温抵抗素子と前記第2の感温抵抗素子の接続点から出力されることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  4. 前記第1の感温抵抗素子はサーミスタであり、
    前記第1の感温抵抗素子を前記第1の温度に加熱した場合の第1の抵抗値と、前記第1の感温抵抗素子を前記第2の温度に加熱した場合の第2の抵抗値の差が、前記第1の抵抗値の1%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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