JP7307525B2 - ガスセンサ - Google Patents

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本発明はガスセンサに関し、特に、経時変化による測定誤差をキャンセル可能なガスセンサに関する。
ガスセンサによる検出対象ガスの検出感度は、時間の経過に伴って変化することがある。このため、経時変化による影響(ドリフト)をキャンセルしなければ、検出対象ガスの正しい濃度を測定することができない。例えば、特許文献1には、ガスセンサの検出信号と基準値を比較して雰囲気の汚染度を出力する装置において、基準値を検出信号に近づくように更新する基準値更新手段と、基準値更新手段の更新条件を汚染度に応じて変化させる更新条件決定手段を備えた装置が開示されている。
特開2006-53163号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたガスセンサでは、検出対象ガスが高濃度に存在する状況下においても基準値の更新が実行されることから、ガスセンサの検出信号の変化がドリフトによるものなのか、或いは、実際に検出対象ガスの濃度が変化したためであるのか判別が困難であり、このため、基準値を正しく補正することができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、経時変化による影響をより正確にキャンセル可能なガスセンサを提供することである。
本発明によるガスセンサは、雰囲気中に含まれる検出対象ガスの濃度に応じた検出信号を生成するセンサ部と、センサ部の経時変化を補正するドリフト補正値及び検出信号に基づいて、検出対象ガスの濃度を示す出力信号を生成する信号処理回路と、を備え、信号処理回路は、検出対象ガスの濃度が所定の条件を満たさない場合に、ドリフト補正値の更新動作を禁止することを特徴とする。
本発明によれば、検出対象ガスの濃度が所定の条件を満たさない場合にドリフト補正値の更新動作が禁止されることから、例えば、検出対象ガスが平常時よりも高濃度に存在する状況下におけるドリフト補正値の更新動作を防止することができる。これにより、ドリフトをより正確にキャンセルすることが可能となる。
本発明において、信号処理回路は、所定の周期で、検出対象ガスの濃度が所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たす場合に、ドリフト補正値の更新動作を実行するものであっても構わない。これによれば、ドリフト補正値を定期的に更新することが可能となる。
本発明において、所定の条件は、検出対象ガスの濃度変化が所定の範囲内に収まっていることであっても構わない。これによれば、検出対象ガスの濃度が安定している状況下でドリフト補正値の更新動作を行うことが可能となる。
本発明において、信号処理回路は、検出信号とリファレンス電圧を比較する差動アンプと、少なくとも差動アンプの出力に基づいて出力信号を演算する制御部とを含むものであっても構わない。これによれば、検出信号のレベルを高感度に検出することが可能となる。
本発明において、ドリフト補正値の更新動作は、リファレンス電圧の補正を含むものであっても構わない。これによれば、ダイナミックレンジを十分に確保することが可能となる。
本発明において、ドリフト補正値の更新動作は、出力信号を演算するための演算式の補正を含むものであっても構わない。これによれば、ドリフトを高精度にキャンセルすることが可能となる。
このように、本発明によるガスセンサは、経時変化による影響をより正確にキャンセルすることが可能となる。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるガスセンサ10の構成を示す回路図である。 図2は、第1のセンサS1の構成を説明するための上面図である。 図3は、図2に示すA-A線に沿った断面図である。 図4は、第2のセンサS2の構成を説明するための上面図である。 図5は、図4に示すB-B線に沿った断面図である。 図6は、第1~第4の制御電圧Vmh1~Vmh4の波形の一例を示すタイミング図である。 図7は、第1のセンサS1及び第2のセンサS2の経時変化による影響(ドリフト)を説明するためのグラフである。 図8は、ガスセンサ10の動作のメインルーチンを示すフローチャートである。 図9は、タイマ動作の一例を示すフローチャートである。 図10は、環境判定動作(ステップS3)の一例を示すフローチャートである。 図11は、ドリフト補正値の更新動作(ステップS6)の一例を示すフローチャートである。 図12は、ガス濃度測定動作(ステップS8)の一例を示すフローチャートである。 図13は、ドリフト補正値の更新タイミングを説明するためのグラフである。 図14は、経時変化によるCOガスの検出誤差を示すグラフである。 図15は、経時変化によるCOガスの検出誤差を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるガスセンサ10の構成を示す回路図である。
図1に示すように、本実施形態によるガスセンサ10は、センサ部Sと信号処理回路20を備えている。特に限定されるものではないが、本実施形態によるガスセンサ10は、雰囲気中におけるCOガス及びCOガスの濃度を検出するものであり、後述するように、経時変化による影響(ドリフト)をキャンセルすることが可能である。
センサ部Sは、第1のセンサS1、第2のセンサS2及び第3のセンサS3を含む。
第1のセンサS1は、第1の検出対象ガスであるCOガスの濃度を検出するための接触燃焼式のガスセンサであり、第1のサーミスタRd1と第2のサーミスタRd2が電源配線間(Vcc配線とGND配線との間)に直列に接続された構成を有している。第1及び第2のサーミスタRd1,Rd2は、例えば、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の抵抗温度係数を持つ材料からなる。このうち、第1のサーミスタRd1は触媒CTで覆われており、第2のサーミスタRd2はダミー触媒DCTで覆われている。
触媒CTは、γアルミナなどに白金(Pt)を担持させたものを、バインダーとともにペースト状にして、塗布・焼成を行ったものを用いることができる。尚、担持させる材料としては、金(Au)又はパラジウム(Pd)などの触媒金属であっても構わない。一方、ダミー触媒DCTは、白金(Pt)などの触媒金属を含まないγアルミナなどからなり、第1のサーミスタRd1と第2のサーミスタRd2の熱容量を一致させる目的で設けられる。
触媒CTは、第1のヒータ抵抗MH1によって所定の温度に加熱されると、検出対象ガスであるCOガスと雰囲気中のOガスの反応(燃焼)を促進させ、COガスに変化させる。その際に生じる反応熱は第1のサーミスタRd1に伝導し、その抵抗値を変化させる。これに対し、ダミー触媒DCTは、第2のヒータ抵抗MH2によって所定の温度に加熱されても、COガスの燃焼を促進させないため、第2のサーミスタRd2の抵抗値は、第2のヒータ抵抗MH2による加熱のみを反映したものとなる。
したがって、第1のサーミスタRd1と第2のサーミスタRd2の接続点から出力される第1の検出信号Vd1は、測定環境雰囲気中におけるCOガスの濃度に応じたレベルとなる。第1の検出信号Vd1は、信号処理回路20に入力される。
第2のセンサS2は、第2の検出対象ガスであるCOガスの濃度を検出するための熱伝導式のガスセンサであり、第3のサーミスタRd3と第4のサーミスタRd4が電源配線間(Vcc配線とGND配線との間)に直列に接続された構成を有している。
第3のサーミスタRd3は、第3のヒータ抵抗MH3によって加熱される。第3のヒータ抵抗MH3による第3のサーミスタRd3の加熱温度は例えば150℃である。第3のサーミスタRd3を加熱した状態で測定雰囲気中にCOガスが存在すると、その濃度に応じて第3のサーミスタRd3の放熱特性が変化する。かかる変化は、第3のサーミスタRd3の抵抗値の変化となって現れる。第3のサーミスタRd3の加熱温度が150℃である場合、第3のサーミスタRd3の抵抗値は、COガスの濃度に応じて第1の感度で変化する。第1の感度は、第3のサーミスタRd3と第4のサーミスタRd4の接続点に現れる第2の検出信号Vd2の電位を十分に変化させることが可能な感度を有している。
第4のサーミスタRd4は、第4のヒータ抵抗MH4によって加熱される。第4のヒータ抵抗MH4による第4のサーミスタRd4の加熱温度は例えば300℃である。第4のサーミスタRd4を加熱した状態で測定雰囲気中にCOガスが存在しても、第4のサーミスタRd4の抵抗値はほとんど変化しない。これは、第4のサーミスタRd4の加熱温度が300℃である場合、第4のサーミスタRd4の抵抗値は、COガスの濃度に応じて第2の感度で変化するものの、第2の感度は第1の感度よりも大幅に低く、好ましくは第1の感度の1/10以下、より好ましくはほぼゼロだからである。このため、COガスの濃度が変化しても、第4のサーミスタRd4の抵抗値はほとんど変化しない。
したがって、第3のサーミスタRd3と第4のサーミスタRd4の接続点から出力される第2の検出信号Vd2は、測定環境雰囲気中におけるCOガスの濃度に応じたレベルとなる。第2の検出信号Vd2は、信号処理回路20に入力される。
第3のセンサS3は温度センサであり、第5のサーミスタRc1と抵抗R1が電源配線間(Vcc配線とGND配線との間)に直列に接続された構成を有している。第5のサーミスタRc1と抵抗R1の接続点から出力される温度信号Vc1は、信号処理回路20に入力される。
信号処理回路20は、差動アンプ21,22、ボルテージフォロア23、ADコンバータ(ADC)24、DAコンバータ(DAC)25及び制御部26を備えている。
差動アンプ21は、第1の検出信号Vd1と第1のリファレンス電圧Vref1を比較し、その差を増幅する回路である。差動アンプ21から出力される第1の増幅信号Vamp1は、ADコンバータ24に入力される。差動アンプ22は、第2の検出信号Vd2と第2のリファレンス電圧Vref2を比較し、その差を増幅する回路である。差動アンプ22から出力される第2の増幅信号Vamp2は、ADコンバータ24に入力される。ボルテージフォロア23は、温度信号Vc1を受け、そのインピーダンスを下げてADコンバータ24に入力する役割を果たす。
ADコンバータ24は増幅信号Vamp1,Vamp2及び温度信号Vc1をデジタル変換し、その値を制御部26に供給する。一方、DAコンバータ25は、制御部26から供給される各種デジタル信号をアナログ変換することによって、リファレンス電圧Vref1,Vref2を生成するとともに、第1~第4のヒータ抵抗MH1~MH4にそれぞれ供給する第1~第4の制御電圧Vmh1~Vmh4を生成する役割を果たす。DAコンバータ25と第1~第4のヒータ抵抗MH1~MH4の間には、ボルテージフォロアなどの増幅回路を接続しても構わない。
図2は、第1のセンサS1の構成を説明するための上面図である。また、図3は、図2に示すA-A線に沿った断面図である。尚、図面は模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係、デバイス相互間の厚みの比率などは、本実施形態の効果が得られる範囲内で現実の構造とは異なっていても構わない。
第1のセンサS1は、COガスの触媒反応に基づいてガス濃度を検出する接触燃焼式のガスセンサであり、図2及び図3に示すように、2つの検出部30A,40Aと、これら検出部30A,40Aを収容するセラミックパッケージ51を備えている。
セラミックパッケージ51は、上部が開放された箱形のケースであり、上部にはリッド52が設けられている。リッド52は複数の通気口53を有しており、これにより、雰囲気中のCOガスがセラミックパッケージ51内に流入可能とされている。尚、図面の見やすさを考慮して、図2においてはリッド52が省略されている。
検出部30Aは、基板31と、基板31の下面及び上面にそれぞれ形成された絶縁膜32,33と、絶縁膜33上に設けられた第1のヒータ抵抗MH1と、第1のヒータ抵抗MH1を覆うヒータ保護膜34と、ヒータ保護膜34上に設けられた第1のサーミスタRd1及びサーミスタ電極35と、第1のサーミスタRd1及びサーミスタ電極35を覆うサーミスタ保護膜36と、サーミスタ保護膜36上に設けられた触媒CTを備える。
基板31は、適度な機械的強度を有し、且つ、エッチングなどの微細加工に適した材質であれば特に限定されるものではなく、シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、ガラス基板などを用いることができる。基板31には、第1のヒータ抵抗MH1による熱が基板31への伝導するのを抑制するため、平面視で第1のヒータ抵抗MH1と重なる位置にキャビティ31aが設けられている。キャビティ31aにより基板31が取り除かれた部分は、メンブレンと呼ばれる。メンブレンを構成すれば、基板31を薄肉化した分だけ熱容量が小さくなるため、より少ない消費電力で加熱を行うことが可能となる。
絶縁膜32,33は、酸化シリコン又は窒化シリコンなどの絶縁材料からなる。絶縁膜32,33として例えば酸化シリコンを用いる場合には、熱酸化法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの成膜法を用いればよい。絶縁膜32,33の膜厚は、絶縁性が確保される限り特に限定されず、例えば0.1~1.0μm程度とすればよい。特に、絶縁膜33は、基板31にキャビティ31aを形成する際のエッチング停止層としても用いられるため、当該機能を果たすのに適した膜厚とすればよい。
第1のヒータ抵抗MH1は、温度によって抵抗率が変化する導電性物質からなり、比較的高融点の材料からなる金属材料、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。また、イオンミリングなどの高精度なドライエッチングが可能である導電材質であることが好ましく、特に、耐腐食性が高い白金(Pt)を主成分とすることがより好適である。また、絶縁膜33との密着性を向上させるために、Ptの下地にチタン(Ti)などの密着層を形成することが好ましい。
第1のヒータ抵抗MH1の上部には、ヒータ保護膜34が形成される。ヒータ保護膜34の材料としては、絶縁膜33と同じ材料を用いることが望ましい。第1のヒータ抵抗MH1は、数十度から数百度にまで上昇し、次に常温へ下がるという激しい熱変化を繰り返し生じるため、絶縁膜33及びヒータ保護膜34にも強い熱ストレスがかかり、この熱ストレスを継続的に受けると層間剥離やクラックといった破壊につながる。しかしながら、絶縁膜33とヒータ保護膜34を同じ材料によって構成すれば、両者の材料特性が同じであり、且つ、密着性が強固であることから、異種材料を用いた場合と比べて、層間剥離やクラックといった破壊が生じにくくなる。ヒータ保護膜34の材料として酸化シリコンを用いる場合、熱酸化法やCVD法などの方法により成膜すればよい。ヒータ保護膜34の膜厚は、第1のサーミスタRd1及びサーミスタ電極35との絶縁が確保される膜厚であれば特に限定されず、例えば0.1~3.0μm程度とすればよい。
第1のサーミスタRd1は、複合金属酸化物、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ゲルマニウムなどの負の抵抗温度係数を持つ材料からなり、スパッタ法、CVDなどの薄膜プロセスを用いて形成することができる。第1のサーミスタRd1の膜厚は、目標とする抵抗値に応じて調整すればよく、例えばMnNiCo系酸化物を用いて室温での抵抗値(R25)を2MΩ程度に設定するのであれば、一対のサーミスタ電極35間の距離にもよるが0.2~1μm程度の膜厚に設定すればよい。ここで、感温抵抗素子としてサーミスタを用いているのは、また、白金測温体などに比べて抵抗温度係数が大きいことから、大きな検出感度を得ることができるためである。また、薄膜構造であることから、第1のヒータ抵抗MH1及び触媒CTの発熱を効率よく検出することも可能となる。
サーミスタ電極35は、所定の間隔を持った一対の電極であり、一対のサーミスタ電極35間に第1のサーミスタRd1が設けられる。これにより、一対のサーミスタ電極35間における抵抗値は、第1のサーミスタRd1の抵抗値によって決まる。サーミスタ電極35の材料としては、第1のサーミスタRd1の成膜工程および熱処理工程などのプロセスに耐えうる導電性物質であって、比較的高融点の材料、例えば、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)又はこれら何れか2種以上を含む合金などが好適である。
第1のサーミスタRd1及びサーミスタ電極35は、サーミスタ保護膜36で覆われる。尚、第1のサーミスタRd1と還元性を持つ材料を接触させて高温状態にすると、サーミスタから酸素を奪って還元を引き起こし、サーミスタ特性に影響を与えてしまう。これを防止するためには、サーミスタ保護膜36の材料としては、シリコン酸化膜等の還元性を持たない絶縁性酸化膜であることが望ましい。
図2に示すように、第1のヒータ抵抗MH1の両端は、サーミスタ保護膜36の表面に設けられた電極パッド37a,37bにそれぞれ接続される。また、サーミスタ電極35の両端は、サーミスタ保護膜36の表面に設けられた電極パッド37c,37dにそれぞれ接続される。これらの電極パッド37a~37dは、ボンディングワイヤ55を介して、セラミックパッケージ51に設けられたパッケージ電極54に接続される。パッケージ電極54は、セラミックパッケージ51の裏面に設けられた外部端子56を介して、図1に示す信号処理回路20に接続される。
触媒CTは、γアルミナなどに白金(Pt)などの触媒金属を担持させたものであり、第1のヒータ抵抗MH1によって所定の温度に加熱されると、雰囲気中の可燃性ガスとOガスの反応(燃焼)を促進させる。例えば、第1の検出対象ガスであるCOガスが存在すると、雰囲気中のOガスとの反応(燃焼)を促進させ、COガスに変化させる。その際に生じる反応熱は第1のサーミスタRd1に伝導し、第1のサーミスタRd1の抵抗値を変化させる。
このように、検出部30Aは、第1のヒータ抵抗MH1、第1のサーミスタRd1及び触媒CTが基板31上に積層された構成を有していることから、第1のヒータ抵抗MH1によって生じる熱が触媒CT及び第1のサーミスタRd1に効率よく伝わるとともに、触媒CTの反応熱が第1のサーミスタRd1に効率よく伝わる。
一方、検出部40Aは、基板41と、基板41の下面及び上面にそれぞれ形成された絶縁膜42,43と、絶縁膜43上に設けられた第2のヒータ抵抗MH2と、第2のヒータ抵抗MH2を覆うヒータ保護膜44と、ヒータ保護膜44上に設けられた第2のサーミスタRd2及びサーミスタ電極45と、第2のサーミスタRd2及びサーミスタ電極45を覆うサーミスタ保護膜46と、サーミスタ保護膜46上に設けられたダミー触媒DCTを備える。
基板41は、検出部30Aに用いられる基板31と同様の材料からなるとともに、同様の構成を有している。つまり、平面視で第2のヒータ抵抗MH2と重なる位置にキャビティ41aが設けられ、これにより、第2のヒータ抵抗MH2による熱が基板41へ伝導するのを抑制している。絶縁膜42,43の材料についても絶縁膜32,33と同様であり、酸化シリコン又は窒化シリコンなどの絶縁材料が用いられる。絶縁膜42,43の厚みも絶縁膜32,33と同様である。
また、第2のヒータ抵抗MH2、ヒータ保護膜44、第2のサーミスタRd2、サーミスタ電極45及びサーミスタ保護膜46についても、検出部30Aに用いられる第1のヒータ抵抗MH1、ヒータ保護膜34、第1のサーミスタRd1、サーミスタ電極35及びサーミスタ保護膜36とそれぞれ同じ構成を有している。第2のヒータ抵抗MH2の両端は、サーミスタ保護膜46の表面に設けられた電極パッド47a,47bにそれぞれ接続される。また、サーミスタ電極45の両端は、サーミスタ保護膜46の表面に設けられた電極パッド47c,47dにそれぞれ接続される。これらの電極パッド47a~47dは、ボンディングワイヤ55を介して、セラミックパッケージ51に設けられたパッケージ電極54に接続される。
ダミー触媒DCTは、白金(Pt)などの触媒金属を含まない他は、触媒CTと同じ構成を有している。したがって、ダミー触媒DCTに触媒作用はなく、あくまで検出部30Aと検出部40Aの熱容量を一致させる目的で設けられる。
以上の構成を有する検出部30A,40Aは、いずれもウェハ状態で多数個同時に作製され、ダイシングによって個片化された後、ダイペースト(図示せず)を用いてセラミックパッケージ51に固定される。その後、電極パッド37a~37d,47a~47dと、対応するパッケージ電極54を、ワイヤボンディング装置を用いてボンディングワイヤ55で接続する。ボンディングワイヤ55の材料としては、Au、Al、Cuなど、抵抗の低い金属が好適である。
最後に、接着性樹脂(図示せず)などを用いて、外気との通気口53を有するリッド52をセラミックパッケージ51に固定する。この際、接着性樹脂(図示せず)の硬化加熱時に、接着性樹脂に含まれる物質がガスとなって発生するが、通気口53により容易にパッケージ外へ放出されるため、検出部30A,40Aに影響を与えることはない。
このようにして完成した第1のセンサS1は、外部端子56を介して信号処理回路20や電源に接続される。
図4は、第2のセンサS2の構成を説明するための上面図である。また、図5は、図4に示すB-B線に沿った断面図である。尚、図面は模式的なものであり、説明の便宜上、厚みと平面寸法との関係、デバイス相互間の厚みの比率などは、本実施形態の効果が得られる範囲内で現実の構造とは異なっていても構わない。
第2のセンサS2は、COガスの濃度に応じた放熱特性の変化に基づいてガス濃度を検出する熱伝導式のガスセンサであり、図4及び図5に示すように、2つの検出部30B,40Bと、これら検出部30B,40Bを収容するセラミックパッケージ51を備えている。
図4及び図5に示すように、第2のセンサS2は、触媒CT及びダミー触媒DCTを備えていない点を除き、基本的に、図2及び図3に示した第1のセンサS1と同じ構成を有している。このため、第1のセンサS1と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
検出部30Bは、第1のセンサS1に含まれる検出部30Aに対応する部分であり、触媒CTが省略され、且つ、第1のヒータ抵抗MH1及び第1のサーミスタRd1が第3のヒータ抵抗MH3及び第3のサーミスタRd3に置き換えられている点において、検出部30Aと相違する。その他の基本的な構成は、検出部30Aと同じである。
検出部40Bは、第1のセンサS1に含まれる検出部40Aに対応する部分であり、ダミー触媒DCTが省略され、且つ、第2のヒータ抵抗MH2及び第2のサーミスタRd2が第4のヒータ抵抗MH4及び第4のサーミスタRd4に置き換えられている点において、検出部40Aと相違する。その他の基本的な構成は、検出部40Aと同じである。
このような構成を有する第2のセンサS2は、外部端子56を介して信号処理回路20や電源に接続される。
尚、上記の例では、第1のセンサS1と第2のセンサS2を別個のセラミックパッケージ51内に配置しているが、1つのセラミックパッケージ51内に第1のセンサS1と第2のセンサS2を配置しても構わない。さらには、温度センサである第3のセンサS3を第1のセンサS1又は第2のセンサS2と同じセラミックパッケージ51内に配置しても構わない。
以上が本実施形態によるガスセンサ10の構成である。次に、本実施形態によるガスセンサ10の動作について説明する。
図6は、第1~第4の制御電圧Vmh1~Vmh4の波形の一例を示すタイミング図である。
図6に示すように、本実施形態においては、制御電圧Vmh1,Vmh2と制御電圧Vmh3,Vmh4を交互に活性レベルとする。そして、制御電圧Vmh1,Vmh2を活性化させたタイミングで第1の検出信号Vd1をサンプリングし、制御電圧Vmh3,Vmh4を活性化させたタイミングで第2の検出信号Vd2をサンプリングする。特に限定されるものではないが、制御電圧Vmh1,Vmh2,Vmh4によるヒータ抵抗MH1,MH2,MH4の加熱温度は300℃であり、制御電圧Vmh3によるヒータ抵抗MH3の加熱温度は150℃である。第1のセンサS1と第2のセンサS2の間における熱干渉がほとんどない場合には、制御電圧Vmh1~Vmh4を同時に活性化しても構わない。また、図6に示す例では、制御電圧Vmh1~Vmh4がいずれも活性化していないタイミングで温度信号Vc1のサンプリングを行っている。温度信号Vc1のサンプリングは、電源投入後、制御電圧Vmh1~Vmh4の活性化に先立って実行される。
そして、第1の検出信号Vd1が信号処理回路20にサンプリングされると、制御部26による演算が実行され、CO濃度を示す出力信号OUT1が外部に出力される。また、第2の検出信号Vd2が信号処理回路20にサンプリングされると、制御部26による演算が実行され、CO濃度を示す出力信号OUT2が外部に出力される。演算の詳細については後述する。
図7は、第1のセンサS1及び第2のセンサS2の経時変化による影響(ドリフト)を説明するためのグラフである。
図7には、平常時において第1のセンサS1が示すCO濃度検出値の経時変化と、平常時において第2のセンサS2が示すCO濃度検出値の経時変化が示されている。平常時においては、大気中におけるCO濃度はほぼゼロであり、初期状態(Time=0)においては正しい値を示している。同様に、平常時においては、大気中におけるCO濃度は約400ppmであり、初期状態(Time=0)においては正しい値を示している。
しかしながら、時間の経過に伴って、第1のセンサS1が示すCO濃度検出値や第2のセンサS2が示すCO濃度検出値が変化し、実際のCO濃度及び実際のCO濃度とは異なる値を示してしまう。しかも、その経時変化量は、最初の約1年(Time=360)でCO濃度が約+50ppm、CO濃度が約+600ppmであり、誤差レベルを大きく超えた無視できない変化量である。このため、このようなドリフトを随時補正しなければ、正しいCO濃度及びCO濃度を測定することはできない。
ドリフトの補正は、所定の周期で実行することにより、常に正しく補正された状態を維持することができる。しかしながら、ドリフト補正値の更新タイミングによっては、補正量が不適切となってしまう。例えば、平常時に比べてCOガス又はCOガスが高濃度に存在する状況下でドリフト補正値の更新を行うと、現在のガス濃度に起因する成分がドリフト補正値に重畳してしまうため、ドリフト成分だけを正しく補正することができなくなってしまう。この点を考慮し、本実施形態によるガスセンサ10では、ドリフト補正値を更新する前に、ドリフト補正値の更新に適した環境であるか否かを判定し、ドリフト補正値の更新に適した環境であることを条件として、ドリフト補正値の更新を実行する。
以下、ドリフト補正値の更新動作を含む、ガスセンサ10の動作についてより詳細に説明する。
図8は、ガスセンサ10の動作のメインルーチンを示すフローチャートである。
まず、ガスセンサ10に電源が投入され、或いは、リセット動作が実行されると、信号処理回路20内で初期設定が実行されるとともに(ステップS1)、センサ部Sが安定化するまで待機する(ステップS2)。その後、ドリフト補正値の更新に適した環境であるか否かを判定する環境判定を実行する(ステップS3)。環境判定(ステップS3)の詳細については後述するが、ドリフト補正値の更新に適した環境であると判定(パス判定)された場合には、ドリフト補正フラグがLレベルにクリアされ、ドリフト補正値の更新に適した環境ではないと判定(フェイル判定)された場合には、ドリフト補正フラグがHレベルに維持される。
このため、環境判定(ステップS3)においてパス判定がされると、ドリフト補正フラグの判定を経て(ステップS4:L)、温度補正(ステップS5)及びドリフト補正値の更新(ステップS6)が実行される。ドリフト補正値の更新(ステップS6)に先立って温度補正(ステップS5)を行っているのは、ドリフト補正値に温度による影響が重畳するのを防止するためである。そして、ドリフト補正値の更新(ステップS6)が完了した後、温度補正(ステップS7)及びガス濃度測定(ステップS8)が実行され、ガス濃度測定によって得られた値、つまり、出力信号OUT1,OUT2が外部に出力される(ステップS9)。ドリフト補正値の更新(ステップS6)及びガス濃度測定(ステップS8)の詳細については後述する。
これに対し、環境判定(ステップS3)においてフェイル判定がされると、ドリフト補正フラグの判定の結果(ステップS4:H)、温度補正(ステップS5)及びドリフト補正値の更新(ステップS6)はパスされる。
そして、データの出力(ステップS9)が完了すると、ドリフト補正フラグの値が判定され(ステップS10)、LレベルであればステップS7に戻り(ステップS10:L)、HレベルであればステップS3に戻る(ステップS10:H)。ドリフト補正フラグは、図8に示すメインルーチンから独立して実行されるタイマ動作によって、周期的にHレベルに活性化される。
図9は、タイマ動作の一例を示すフローチャートである。
タイマ動作においては、メインルーチンとは別にカウント動作が実行され(ステップS11)、現在のカウント値に基づき、規定時間が経過したか否かが判定される(ステップS12)。その結果、規定時間が経過していない場合、つまり、カウント値が所定値に達していない場合には、ステップS11に戻ってカウント動作を継続する。一方、規定時間が経過している場合、つまり、カウント値が所定値に達している場合には、カウント値をクリアするとともに(ステップS13)、ドリフト補正フラグをHレベルにセットする(ステップS14)。その後、ステップS11に戻ってカウント動作を再開する。このような動作を繰り返すことにより、ドリフト補正フラグは、所定の周期でHレベルにセットされる。ドリフト補正フラグをセットする周期については特に限定されないが、ドリフト補正値の更新に適した周期、例えば、24時間周期とすることができる。
図10は、環境判定動作(ステップS3)の一例を示すフローチャートである。
環境判定動作においては、まず、当該動作が電源投入後又はリセット後における1回目の動作であるか否かが判定され(ステップS31)、1回目の動作である場合には(ステップS31:Y)、以降の動作をパスする。ここで、電源投入後又はリセット後においては、ドリフト補正フラグがLレベルに初期化されていることから、ドリフト補正フラグの判定の結果(ステップS4:L)、温度補正(ステップS5)及びドリフト補正値の更新(ステップS6)が必ず行われる。これにより、電源投入後又はリセット後においては、1回目のガス濃度測定(ステップS8)を実行する前に、必ずドリフト補正値が更新されることになる。但し、本発明においてこの点は必須でなく、ステップS31の判定動作を省略しても構わない。
一方、環境判定動作が2回目以降である場合には(ステップS31:N)、ガス濃度測定(ステップS8)で測定したCO濃度及びCO濃度の履歴を参照し、これらの変化が所定の範囲内であるか否かが判定される(ステップS32,S33)。参照する履歴の数については特に限定されないが、例えば、直近10回分の履歴を参照することができる。また、所定の範囲の設定についても特に限定されないが、平常状態であることが推認できる範囲に設定すれば良い。一例として、ステップS32に関しては、参照した履歴(例えば直近10回分)におけるCO濃度の最大値と最小値の差が2ppm以下であることを条件とすることができ、ステップS33に関しては、参照した履歴(例えば直近10回分)におけるCO濃度の最大値と最小値の差が50ppm以下であることを条件とすることができる。これに加え、或いは、これに代えて、参照した履歴が示すCO濃度及びCO濃度がいずれも所定値以下であることを条件としても構わない。
そして、CO濃度及びCO濃度の変化がいずれも所定の範囲内であると判定された場合には(ステップS32:Y、且つ、ステップS33:Y)、ドリフト補正フラグがLレベルにクリアされ(ステップS34)、環境判定動作(ステップS3)を終了する。したがって、この場合には、メインルーチンのステップS4において、ドリフト補正フラグがLレベルと判定されるため、温度補正(ステップS5)及びドリフト補正値の更新(ステップS6)が実行される。これにより、CO濃度及びCO濃度が平常状態であることを条件として、ドリフト補正値を更新することが可能となる。
これに対し、CO濃度又はCO濃度の変化が所定の範囲を超えていると判定された場合には(ステップS32:N、又は、ステップS33:N)、ドリフト補正フラグをクリアすることなく、環境判定動作(ステップS3)を終了する。また、ステップS8で算出した履歴の数が所定数(例えば10個)に満たない場合にも、ドリフト補正フラグをクリアすることなく、環境判定動作(ステップS3)を終了しても構わない。したがって、これらの場合には、メインルーチンのステップS4において、ドリフト補正フラグがHレベルと判定されるため、温度補正(ステップS5)及びドリフト補正値の更新(ステップS6)がスキップされる。これにより、CO濃度及びCO濃度が大きく変化している環境下では、ドリフト補正値の更新動作を禁止することが可能となる。
このように、本実施形態においては、CO濃度及びCO濃度が大きく変化している環境下(フェイル判定)においてはドリフト補正値の更新動作を禁止し、CO濃度及びCO濃度が平常状態であること(パス判定)を条件としてドリフト補正値の更新を許可していることから、ドリフト補正値をより正確に更新することが可能となる。
そして、環境判定動作(ステップS3)においてパス判定されると、温度補正(ステップS5)を行った後、実際にドリフト補正値の更新が行われる(ステップS6)。温度補正(ステップS5)は、温度信号Vc1を参照することによって、環境温度に基づく第1及び第2の検出信号Vd1,Vd2のドリフトをキャンセルする動作である。具体的には、温度信号Vc1に基づいて、第1及び第2のリファレンス電圧Vref1,Vref2を変化させることにより温度補正を行う。これに加え、或いは、これに代えて、第1及び第2の増幅信号Vamp1,Vamp2のデジタル変換値を出力信号OUT1,OUT2に換算する際の演算式に補正を加えることによって、温度補正を行っても構わない。これらの点は、ステップS7の温度補正においても同様である。
図11は、ドリフト補正値の更新動作(ステップS6)の一例を示すフローチャートである。
ドリフト補正値の更新動作は、まず、平常時において第1の検出信号Vd1が示すべきレベルと、第1の検出信号Vd1の実際のレベルを比較し、その差を取得することにより、現在のドリフト量を計測する。具体的には、平常時において第1の検出信号Vd1が示すべきレベルを第1のリファレンス電圧Vref1に設定し、差動アンプ21によって第1の検出信号Vd1と第1のリファレンス電圧Vref1を比較する(ステップS60)。第1の検出信号Vd1と第1のリファレンス電圧Vref1の差は、第1のセンサS1のドリフト量Vdft1を示している(Vdft1=Vd1-Vref1)。
そして、第1のセンサS1のドリフト量Vdft1がDAコンバータ25の分解能以上であるか否かを判定し(ステップS61)、第1のセンサS1のドリフト量Vdft1がDAコンバータ25の分解能以上であれば(ステップS61:Y)、制御部26からDAコンバータ25に供給されるデジタル値を1ビット以上変化させることによって、第1のリファレンス電圧Vref1を補正する(ステップS62,S63)。さらに、DAコンバータ25の分解能未満の成分については、ADコンバータ24の出力値を用いた制御部26の演算式に補正を加えることによって、第1の出力信号OUT1の値を補正する(ステップS64)。
一例として、電源電圧Vccが3Vであり、DAコンバータ25のビット数が16ビットである場合、DAコンバータ25の分解能は約46μV(=3V/216)である。そして、差動アンプ21のゲインが50倍であるとすれば、第1の増幅信号Vamp1のレベルが約2300μV(=46μV×50)以上であれば、制御部26からDAコンバータ25に供給されるデジタル値を変化させることによって、ドリフト補正が可能となる。したがって、この例では、ステップS61にて第1の増幅信号Vamp1のレベルが+2300μV以上、又は、-2300μV以下であるか否かを判定すればよい。そして、第1の増幅信号Vamp1のレベルが+2300μV以上、又は、-2300μV以下であれば(ステップS61:Y)、制御部26にてVamp1/2300μVを演算し(ステップS62)、得られた商に基づいて第1のリファレンス電圧Vref1を補正するとともに(ステップS63)、剰余に基づいて第1の出力信号OUT1の値を補正する(ステップS64)。これにより、DAコンバータ25の分解能を超える精度でドリフト補正を行うことが可能となる。
但し、本発明において、第1のリファレンス電圧Vref1の補正(ステップS63)と、第1の出力信号OUT1の補正(ステップS64)の両方を行うことは必須でなく、第1のリファレンス電圧Vref1の補正(ステップS63)のみを行っても構わないし、第1の出力信号OUT1の補正(ステップS64)のみを行っても構わない。
一方、第1のセンサS1のドリフト量Vdft11がDAコンバータ25の分解能未満であれば(ステップS61:N)、第1の出力信号OUT1の補正(ステップS64)のみを行う。本発明においては、この点も必須ではなく、第1のセンサS1のドリフト量Vdft1がDAコンバータ25の分解能未満である場合には、ドリフト補正値の更新を省略しても構わない。
以上により、第1のセンサS1に関するドリフト補正値の更新が完了する。次に、第2のセンサS2に関するドリフト補正値の更新を行う。
第2のセンサS2に関するドリフト補正値の更新動作(ステップS65~S69)は、第1のセンサS1に関するドリフト補正値の更新動作(ステップS60~S64)と同様である。つまり、差動アンプ22によって第2の検出信号Vd2と第2のリファレンス電圧Vref2を比較し(ステップS65)、第2のセンサS2のドリフト量Vdft2(=Vd2-Vref2)がDAコンバータ25の分解能以上であれば(ステップS66:Y)、制御部26からDAコンバータ25に供給されるデジタル値を1ビット以上変化させることによって、第2のリファレンス電圧Vref2を補正し(ステップS67,S68)、DAコンバータ25の分解能未満の成分については、ADコンバータ24の出力値を用いた制御部26の演算式に補正を加えることによって、第2の出力信号OUT2の値を補正する(ステップS69)。一方、第2のセンサS2のドリフト量Vdft2がDAコンバータ25の分解能未満であれば(ステップS66:N)、第2の出力信号OUT2の補正(ステップS69)のみを行う。
以上により、第1のセンサS1及び第2のセンサS2のドリフト補正値が更新される。ここで、「ドリフト補正値」とは、制御部26からDAコンバータ25に出力される、第1及び第2のリファレンス電圧Vref1、Vref2に相当するデジタル値の補正値のみならず、第1及び第2の増幅信号Vamp1,Vamp2に基づいて制御部26が第1及び第2の出力信号OUT1,OUT2を演算する際に使用する演算式の補正値を含む。また、図11においては、第1のセンサS1及び第2のセンサS2の順でドリフト補正値の更新を行っているが、その順序は逆であっても構わない。
このようにしてドリフト補正値が更新されると、図8に示すように、温度補正(ステップS7)を行った後、ガス濃度測定(ステップS8)を実行する。
図12は、ガス濃度測定動作(ステップS8)の一例を示すフローチャートである。
ガス濃度測定においては、まず、COガスの測定タイミングである否かが判定され(ステップS81A)、COガスの測定タイミングであれば(ステップS81A:Y)、COガスの測定動作が実行される(ステップS82A)。COガスの測定動作は、制御電圧Vmh1,Vmh2を活性化させたタイミングで第1の検出信号Vd1に基づき得られる第1の増幅信号Vamp1をサンプリングすることにより行う。この時、すでに第1のリファレンス電圧Vref1に対してはドリフト補正がなされていることから、得られる第1の増幅信号Vamp1のレベルは、ドリフトが補正された状態となる。
このようなCOガスの測定動作を繰り返し実行し、所定回数のサンプリングが完了すると(ステップS83A:Y)、サンプリング回数分だけ得られた複数の増幅信号Vamp1を平均化し、平均値を求める(ステップS84A)。そして、得られた平均値に基づいて演算を行い、COガスの濃度を算出する(ステップS85A)。演算は、平均値をガス検出感度で除算するとともに、得られた値にドリフト補正値を加算又は減算することにより行う。このため、得られるCOガスの濃度は、ドリフトが補正された状態となる。
COガスの測定が終了すると、次に、COガスの測定が実行される。COガスの測定動作は、上述したCOガスの測定動作とほぼ同じである。つまり、COガスの測定タイミングである否かが判定され(ステップS81B)、COガスの測定タイミングであれば(ステップS81B:Y)、COガスの測定動作が実行される(ステップS82B)。COガスの測定動作は、制御電圧Vmh3,Vmh4を活性化させたタイミングで第2の検出信号Vd2に基づき得られる第2の増幅信号Vamp2をサンプリングすることにより行う。この時、すでに第2のリファレンス電圧Vref2に対してはドリフト補正がなされていることから、得られる第2の増幅信号Vamp2のレベルは、ドリフトが補正された状態となる。
このようなCOガスの測定動作を繰り返し実行し、所定回数のサンプリングが完了すると(ステップS83B:Y)、サンプリング回数分だけ得られた複数の増幅信号Vamp2を平均化し、平均値を求める(ステップS84B)。そして、得られた平均値に基づいて演算を行い、COガスの濃度を算出する(ステップS85B)。演算は、平均値をガス検出感度で除算するとともに、得られた値にドリフト補正値を加算又は減算することにより行う。このため、得られるCOガスの濃度は、ドリフトが補正された状態となる。
さらに、得られたCOガスの濃度に対して補正を行うことにより、雰囲気中における実際のCOガスの濃度に換算する(ステップS86B)。これは、第2のリファレンス電圧Vref2のレベルが平常時におけるCOガスの濃度に相当するレベルに設定されているためであり、平常時におけるCOガスの濃度(例えば400ppm)を加算する補正を行うことにより、雰囲気中における実際のCOガスの濃度への換算を行う。このような補正動作は、COガスに対しても行っても構わない。
以上により、COガスの濃度及びCOガスの濃度が検出される。尚、図12においては、COガス及びCOガスの順で濃度検出を行っているが、その順序は逆であっても構わないし、交互にサンプリングを行っても構わない。また、平均値の算出においては、全ての値の平均を取る必要はなく、例えば、最大値と最小値を除いて平均を取っても構わない。さらには、平均値を取ることなく、COガス及びCOガスの測定動作をそれぞれ1回だけ行っても構わない。
このようにしてガス濃度測定動作(ステップS8)が完了すると、COガスの濃度を示す第1の出力信号OUT1及びCOガスの濃度を示す第2の出力信号OUT2を外部に出力する(ステップS9)。その後、再びドリフト補正フラグの判定(ステップS10)を行い、ドリフト補正フラグがLレベルであればステップS7に戻り、ドリフト補正フラグがHレベルであればステップS3に戻る。
このような動作を繰り返すことにより、所定の周期(例えば24時間周期)でドリフト補正値の更新を実行しつつ、COガスの測定動作及びCOガスの測定動作を行うことが可能となる。そして、本実施形態においては、環境判定動作(ステップS3)において、ドリフト補正値の更新に適した環境であるか否かが判定され、ドリフト補正値の更新に適した環境であることを条件にドリフト補正値の更新を行っていることから、平常時に比べてCOガスやCOガスの濃度が高い環境など、ドリフト補正値の更新に適さない場合には、ドリフト補正値の更新動作が保留される。このため、ドリフト補正値をより正確に更新することが可能となる。
図13は、ドリフト補正値の更新タイミングを説明するためのグラフであり、COガスの濃度とドリフト補正値の更新タイミングとの関係を示している。
図13に示す例では、タイミング1,2,3でドリフト補正フラグがHレベルに変化しており、これに応答してタイミング1,3においてはドリフト補正値の更新動作が実行されている。これに対し、タイミング2においてはCOガスが高濃度に存在しており、その結果、環境判定動作(ステップS3)においてドリフト補正値の更新に適さない環境であると判定され、ドリフト補正値の更新が保留されている。そして、COガスの濃度が平常時の濃度に安定したタイミング2aにてドリフト補正値の更新が実行されている。このように、本実施形態においては、ドリフト補正値の更新に適さない環境であると判定された場合であっても、ドリフト補正値の更新動作が単にキャンセルされるのではなく、ドリフト補正値の更新に適した環境になるまで保留されることから、ドリフト補正値の更新頻度を維持することが可能となる。
図14は、経時変化によるCOガスの検出誤差を示すグラフである。また、図15は、経時変化によるCOガスの検出誤差を示すグラフである。
図14及び図15に示すように、ドリフト補正を行わない場合、時間の経過に伴って検出誤差が拡大するが、周期的にドリフト補正値を更新することにより、検出誤差をキャンセルできることが分かる。図14及び図15に示す例では、図面の見やすさを考慮して、180日周期でドリフト補正値の更新を行っているが、より高頻度(例えば24時間周期)でドリフト補正値の更新を行えば、ドリフトによる検出誤差をほぼ完全にキャンセルすることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記の実施形態では、COガスを検出する第1のセンサS1とCOガスを検出する第2のセンサS2を備えているが、本発明においてこの点は必須でなく、センサの数や検出対象ガスの種類については特に限定されるものではない。
10 ガスセンサ
20 信号処理回路
21,22 差動アンプ
23 ボルテージフォロア
24 ADコンバータ
25 DAコンバータ
26 制御部
30A,40A,30B,40B 検出部
31,41 基板
31a,41a キャビティ
32,33,42,43 絶縁膜
34,44 ヒータ保護膜
35,45 サーミスタ電極
36,46 サーミスタ保護膜
37a~37d,47a~47d 電極パッド
51 セラミックパッケージ
52 リッド
53 通気口
54 パッケージ電極
55 ボンディングワイヤ
56 外部端子
CT 触媒
DCT ダミー触媒
MH1~MH4 ヒータ抵抗
R1 抵抗
Rc1,Rd1~Rd4 サーミスタ
S センサ部
S1 第1のセンサ
S2 第2のセンサ
S3 第3のセンサ

Claims (6)

  1. 雰囲気中に含まれる検出対象ガスの濃度に応じた検出信号を生成するセンサ部と、
    前記センサ部の経時変化を補正するドリフト補正値及び前記検出信号に基づいて、前記検出対象ガスの濃度を示す出力信号を生成する信号処理回路と、を備え、
    前記信号処理回路は、前記検出対象ガスの濃度が所定の条件を満たすか否かを判定する環境判定動作を周期的に実行し、前記所定の条件を満たす場合には、前記ドリフト補正値の更新動作を実行した後、前記検出対象ガスの濃度測定及び前記出力信号の生成を次の前記環境判定動作を実行するまで繰り返す第1の制御フローを実行し、前記所定の条件を満たさない場合には、前記ドリフト補正値の更新動作を行うことなく、前記検出対象ガスの濃度測定前記出力信号の生成及び前記環境判定動作を繰り返す第2の制御フローを、前記所定の条件を満たすまで実行し、前記第2の制御フローにおいて前記所定の条件を満たした場合には、次の周期的な前記環境判定動作を実行するまで前記第1の制御フローに移行し、電源投入後又はリセット後における1回目の前記環境判定動作においては、前記所定の条件を満たすか否かにかかわらず前記ドリフト補正値の更新動作を実行することを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記環境判定動作は、前記検出対象ガスの濃度測定及び前記出力信号の生成を含むメインルーチンから独立して実行されるタイマ動作によって周期的に実行されることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記所定の条件は、前記検出対象ガスの濃度変化が所定の範囲内に収まっていることであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記信号処理回路は、前記検出信号とリファレンス電圧を比較する差動アンプと、少なくとも前記差動アンプの出力に基づいて前記出力信号を演算する制御部とを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  5. 前記ドリフト補正値の更新動作は、前記リファレンス電圧の補正を含むことを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
  6. 前記ドリフト補正値の更新動作は、前記出力信号を演算するための演算式の補正を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のガスセンサ。
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