JP7350238B2 - ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体、その製造装置及びその製造方法、並びに、鼓膜治療デバイス及び創部治療デバイス - Google Patents

ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体、その製造装置及びその製造方法、並びに、鼓膜治療デバイス及び創部治療デバイス Download PDF

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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/78Connective tissue peptides, e.g. collagen, elastin, laminin, fibronectin, vitronectin, cold insoluble globulin [CIG]

Description

本発明は、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体、その製造装置及びその製造方法、並びに、鼓膜治療デバイス及び創部治療デバイスに関する。
本発明者等は、これまでに、コラーゲンビトリゲル膜において、平面状の薄膜のみならず、平面状の厚膜の製造方法及び製造装置を開発してきた(例えば、特許文献1参照。)。更に、本発明者等は、管状や糸状のコラーゲンビトリゲル膜の製造方法も開発してきた(例えば、特許文献2~3参照。)。
そして、再生医療の分野では、創傷部に貼付したアテロコラーゲンビトリゲル膜が、組織再生に有用であることが動物実験により実証されてきている(例えば、特許文献4参照。)。
特許第5892611号公報 特許第4677559号公報 国際公開第2018/211877号 国際公開第2014/208525号
しかしながら、創傷部へのアプローチは、ピンセットや内視鏡下でアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体の一端を挟んで把持して移動する手段しかなかったため、ハンドリングが困難なことがあった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、ハンドリング性能に優れたハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体、その製造装置及びその製造方法、並びに、鼓膜治療デバイス及び創部治療デバイスを提供する。
本発明は以下の態様を含む。
[1]把持用糸部と面部とを備え、これらが一体成型されてなる、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体。
[2]一方面と他方面とを貫通した複数の貫通孔を有する、[1]に記載のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体。
[3]前記ハイドロゲルはアテロコラーゲンゲルであり、前記ビトリゲルはアテロコラーゲンビトリゲルである、[1]又は[2]に記載のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体。
[4]枠部と、前記枠部の上下それぞれを挟む上面フィルム及び下面フィルムと、前記上面フィルムを貫通する筒部と、を備えた、[1]~[3]のいずれか一つに記載のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体の製造装置。
[5]枠部と、前記枠部の上下それぞれを挟む上面フィルム及び下面フィルムと、前記上面フィルムを貫通する筒部と、を備えた製造装置の前記筒部よりゾルを注入する工程Aと、前記ゾルを静置しゲル化し、ハイドロゲル膜を得る工程Bと、前記ハイドロゲル膜に紫外線を照射する工程Cと、前記ハイドロゲル膜を乾燥させる工程Dと、を有する、ハイドロゲル膜乾燥体の製造方法。
[6]前記工程Dにおいて、前記ハイドロゲル膜から前記筒部及び前記下面フィルムを外して、前記ハイドロゲル膜を乾燥させる、[5]に記載のハイドロゲル膜乾燥体の製造方法。
[7]前記工程Dの後、下面フィルム側から枠部にゾルを重層する工程Eと、重層したゾルを静置しゲル化し、重層したハイドロゲル膜を得る工程Fと、前記重層したハイドロゲル膜を乾燥させる工程Gと、前記重層したハイドロゲル膜乾燥体に紫外線を照射する工程Hと、を有する、[6]に記載のハイドロゲル膜乾燥体の製造方法。
[8][5]~[7]のいずれか一つに記載のハイドロゲル膜乾燥体の製造方法を用いて得られたハイドロゲル膜乾燥体を水和してビトリゲル膜を得る工程Iと、前記ビトリゲル膜を乾燥させビトリゲル膜乾燥体を得る工程Jと、を有する、ビトリゲル膜乾燥体の製造方法。
[9][1]~[3]のいずれか一つに記載のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を含む、鼓膜治療デバイス。
[10][9]に記載の鼓膜治療デバイスの把持用糸部を把持して、外耳側から中耳側へ、前記鼓膜治療デバイスを鼓膜穿孔に通す工程と、前記鼓膜穿孔を通った前記鼓膜治療デバイスを中耳側から外耳側へ引き、前記鼓膜治療デバイスの面部を鼓膜の中耳側の面に貼付する工程を有する、鼓膜穿孔の治療方法。
[11][1]~[3]のいずれか一つに記載のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を含む、創部治療デバイス。
[12][11]に記載の創部治療デバイスの把持用糸部を開放創から組織深部へ刺して、前記創部治療デバイス固定する工程を有する創部の治療方法。
本発明によれば、ハンドリング性能に優れたハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体及びその製造技術を提供することができる。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の斜視図である。 (a)貫通孔を有するハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の斜視図である。(b)図2(a)のb-b’線における矢視断面図である。 本実施形態のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体の一例を示す図である。 本実施形態の製造装置の一例を示す図である。 実施例1における製造装置の写真である。 実施例1における製造装置の筒部よりアテロコラーゲンゾルを注入した状態の写真である。 実施例1における製造装置に注入したアテロコラーゲンゾルがゲル化した状態の写真である。 実施例1における紫外線照射したアテロコラーゲンゲルの写真である。 実施例1における把持用糸部のアテロコラーゲンゲルの写真である。 実施例1における把持用糸部のアテロコラーゲンゲルをガラス化した写真である。 実施例1における面部のアテロコラーゲンゲルをガラス化する状態を示す写真である。 実施例1におけるガラス化した把持用糸部付きアテロコラーゲンゲル膜乾燥体の写真である。 実施例1における再水和した把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜の写真である。 実施例1における再ガラス化した把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体の写真である。 実施例2における製造装置の写真である。 実施例2における製造装置の筒部よりアテロコラーゲンゾルを注入した状態の写真である。 実施例2における製造装置に注入したアテロコラーゲンゾルがゲル化した状態の写真である。 実施例2における紫外線照射したアテロコラーゲンゲルの写真である。 実施例2における把持用糸部のアテロコラーゲンゲルの写真である。 実施例2における把持用糸部のアテロコラーゲンゲルをガラス化した写真である。 実施例2における面部のアテロコラーゲンゲルをガラス化する状態を示す写真である。 (a)実施例2におけるガラス化した面部のアテロコラーゲンゲルの写真である。(b)実施例2におけるワッシャー(枠部)内にアテロコラーゲンゾルを重層した状態を示す写真である。(c)実施例2における重層したアテロコラーゲンゾルがゲル化した状態を示す写真である。 実施例2における重層したアテロコラーゲンゲルをガラス化した写真である。 (a)実施例2における再水和した把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜の写真である。(b)実施例2における再水和した把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜の写真である。(c)実施例2における再水和後、穴の開いたビニールに把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜を置いた状態を示す写真である。(d)(c)の後、把持用糸部を下にして再ガラス化する状態を示す写真である。 (a)実施例2における再ガラス化後の把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体の面部の写真である。(b)実施例2における再ガラス化後の把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体の面部の写真である。(c)実施例2における再ガラス化後の把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体の把持用糸部の写真である。 (a)実施例3における外科用バイポーラにて、ラット肝臓の表面を熱凝固した写真である。(b)実施例3におけるビトリゲル膜で肝臓の創傷部を被覆した写真である。 (a)実施例3における処置7日後のビトリゲル膜非被覆群における肝臓創部の写真である。(b)実施例3における処置7日後のビトリゲル膜被覆群における肝臓創部の写真である。 実施例3における処置7日後のビトリゲル膜非被覆群における肝臓創部の切片染色像である。 実施例3における処置7日後のビトリゲル膜被覆群における肝臓創部の切片染色像である。 実施例4における側頭骨手術モデルの写真である。 実施例4における各ビトリゲル膜を用いた内視鏡下耳科手術所要時間のグラフである。 (a)-(d)実施例4における内視鏡下耳科手術に用いた各ビトリゲル膜の写真である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
≪ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体≫
1実施形態において、本発明は、把持用糸部と面部とを備え、これらが一体成型されてなる、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を提供する。
図1は、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の斜視図である。ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、把持用糸部101と面部102とを備え、これらが一体成型されてなる。
把持用糸部を有することで、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を水平方向だけではなく、垂直方向にも移動させやすくなる。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体は、面部と把持用糸部をコラーゲンゾル等で接着して作製することもできたが、接着結合した部分の強度やしなやかさに劣るのみならず作製の再現性も悪かった。
一方、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、把持用糸部101と面部102とが一体成型されているため、操作性良く用いることができる。
更に強度の観点から、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、紫外線照射により、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100内の高分子化合物同士の架橋構造を有していることが好ましい。
本明細書において、「ゾル」とは、液体を分散媒とする分散質のコロイド粒子(サイズ:約1~数百nm程度)が、特に高分子化合物で構成されるものを意味する。ゾルとしてより具体的には、天然高分子化合物や合成高分子化合物の水溶液が挙げられる。これら高分子化合物が化学結合により、架橋が導入されて網目構造をとった場合は、その網目に多量の水を保有した半固形状態の物質である、「ハイドロゲル」に転移する。すなわち、「ハイドロゲル」とは、ゾルをゲル化させたものを意味する。
ハイドロゲルの原料となるゾルとしては、生体適合性を有する材料であればよく、例えば、ゲル化する細胞外マトリックス由来成分、フィブリン、寒天、アガロース、セルロース等の天然高分子化合物、及びポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、poly(II-hydroxyethylmethacrylate)/polycaprolactone等の合成高分子化合物が挙げられる。
ゲル化する細胞外マトリックス由来成分としては、例えば、コラーゲン(I型、II型、III型、V型、XI型等)、マウスEHS腫瘍抽出物(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン等を含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、プロテオグリカン、ゼラチン等が挙げられ、これらに限定されない。それぞれのゲル化に至適な塩等の成分、その濃度、pH等を選択し所望のハイドロゲルを製造することが可能である。また、原料を組み合わせることで、様々な生体内組織を模倣したハイドロゲルを得ることができる。
中でも、ゾルとしては、ゲル化する細胞外マトリックス由来成分が好ましく、コラーゲンがより好ましい。また、コラーゲンの中でもより好ましい原料としては、ネイティブコラーゲン又はアテロコラーゲンを例示でき、アテロコラーゲンがさらに好ましい。
なお、「ビトリゲル」とは、従来のハイドロゲルを、ハイドロゲル内の自由水を完全に除去した後に結合水の部分除去を進行させる、ガラス化(vitrification)をした後に再水和して得られる安定した状態にあるゲルのことを指し、本発明者によって、「ビトリゲル(vitrigel)(登録商標)」と命名されている。
また、本明細書においては、ガラス化工程の直後であり再水和の工程を経ていないハイドロゲルの乾燥体に対しては、単に「ハイドロゲル乾燥体」とした。そして、当該ガラス化工程の後に再水和の工程を経て得られたゲルを「ビトリゲル」として区別して表し、そのビトリゲルをガラス化させて得られた乾燥体を「ビトリゲル乾燥体」とした。従って、「ビトリゲル」は水和体である。
また、本明細書において、用語「ビトリゲル」を用いる際には、用語「(登録商標)」を省略して用いる場合がある。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100における面部102は、平面であっても曲面であっても凹凸面であってもよく、用途に応じて使い分けられる。面部102の厚さは、必要に応じて適宜設定することができ、例えば0.1μm~5mmであってもよく、例えば2μm~1mmであってもよく、例えば20μm~400μmであってもよい。さらに、面部102の厚さは均一であっても不均一であってもよい。例えば、面部102の厚さは、放射状あるいは同心円状など様々な形状で不均一にすることができる。
面部102の面積は、必要に応じて適宜設定することができ、例えば1mm~400cmであってもよく、例えば20mm~40cmであってもよく、例えば80mm~4cmであってもよい。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、一方面と他方面とを貫通した複数の貫通孔を有していてもよい。即ち、面部102は、一方面と他方面とを貫通した複数の貫通孔を有していてもよい。図2(a)は、貫通孔を有するハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の斜視図である。図2(b)は図2(a)のb-b’線における矢視断面図である。ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、一方面110と他方面120とを有する。また、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、一方面110と他方面120とを貫通した貫通孔130を複数有する。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、貫通孔を有することにより、凹凸面に密着させることが容易である。また、凹凸面が生体の創部であり、凹凸面から浸出液が滲出する場合であっても、貫通孔を通して浸出液を通過させることができるため、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の凹凸面への密着を維持することができる。なお、本明細書において、「貫通孔を有するハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体」を「多孔質のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体」という場合がある。
また、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の一方面における貫通孔の開口面積は、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の他方面における貫通孔の開口面積と、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
例えば、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の一方面における貫通孔の開口面積は、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の他方面における貫通孔の開口面積よりも小さくてもよい。この場合、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の一方面の面積は、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の他方面の面積よりも大きいことになる。このようなハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100を凹凸面に密着させる場合、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の一方面側を凹凸面に対向するように密着させると、他方面側を凹凸面に対向するように密着させた場合よりも良好に密着させることができる傾向にある。
また、例えば、凹凸面が生体の創部である場合、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の一方面において、貫通孔の開口面積は小さくても開口しているため、貫通孔を通して浸出液を通過させることができ、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の凹凸面への密着を維持することができる。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の一方面における貫通孔の開口面積が、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の他方面における貫通孔の開口面積と異なっている場合、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の一方面における貫通孔の開口面積と、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の他方面における貫通孔の開口面積との比は、例えば、100:1~1:100程度であってもよく、50:1~1:50であってもよく、10:1~1:10であってもよい。
貫通孔の軸線方向に垂直な面の形状(以下、貫通孔の断面形状という場合がある。)は特に限定されず、例えば、三角形、四角形(正方形、長方形、台形含む)、五角形、六角形、七角形、八角形等の多角形;円形、楕円形、略円形、楕円形、略楕円形、半円形、扇形等が挙げられる。1つの貫通孔において、貫通孔の断面形状は一定であってもよく、途中で変化してもよい。また、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は形状が異なる複数種類の貫通孔を有していてもよい。
本明細書において、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の貫通孔の直径とは、貫通孔の軸線方向に垂直な面の断面積のうち、最も広い断面積と同じ面積の円を想定し、当該円の直径をいうものとする。本実施形態のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100が有する貫通孔の直径は0.1μm~5mmであってもよく、1μm~2mmであってもよく、10μm~1mmであってもよい。
貫通孔の直径は一定でなくてもよい。例えば、直径が異なる複数種類の貫通孔が混在していてもよい。あるいは、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の位置により、貫通孔の直径が異なっていてもよい。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100において、貫通孔の密度は、必要に応じて適宜設定することができ、1~1,000,000個/cmであってもよく、1~10,000個/cmであってもよく、1~100個/cmであってもよい。なお、貫通孔の直径が0.1μm程度である場合には、貫通孔の密度は1,000,000個/cmより更に多くてもよい。
また、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の位置により、貫通孔の密度が異なっていてもよい。例えば、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の中央部分では周囲よりも貫通孔の密度が高い構成としてもよい。あるいは、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の中央部分では周囲よりも貫通孔の密度が低い構成としてもよい。
貫通孔130の形成方法は、特に限定されず、ハイドロゲル膜又はビトリゲル膜の状態のときに、トレパン等、円筒形の刃物等を用いてくり抜いて貫通孔を形成する方法や、レーザー照射でくり抜いて貫通孔を形成する方法等が挙げられる。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100における把持用糸部101は、面部102とともに一体成型されるものである。把持用糸部101の長さは、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100の用途によって異なるが、1mm~10cmであってもよく、2mm~5cmであってもよく、5mm~2cmであってもよい。
また、把持用糸部101の太さとしては、円断面の直径として、1μm~2mmであってもよく、5μm~500μmであってもよく、10μm~100μmであってもよい。さらに、把持用糸部101の太さは、均一であっても不均一であってもよい。例えば、把持用糸部101の太さは、面部102側を太くして先端側を細くするなど所望の部位で不均一にすることができる。
ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体100は、複数の把持用糸部101を有していてもよい。例えば、図3(a)に示されるように、一方の面に複数の把持用糸部101を有していてもよく、図3(b)に示されるように、両方の面に把持用糸部101を有していてもよい。
また、操作性の観点から、把持用糸部をつける位置を面部の中心からずらすこともできる。
<用途>
本実施形態のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体は、面部と一体成型された把持用糸部を有しているため、例えば、適用部位に到達させるまでに複雑な操作を有する手術等に好適に用いられる。具体的には、食道を介して食道内壁に適用する場合や、耳道を介して鼓膜に適用する場合、さらに様々な創部に固定する場合に好適に用いられる。
[鼓膜治療デバイス]
本実施形態の鼓膜治療デバイスは、上記本実施形態のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を含む。鼓膜治療において、本実施形態のデバイスは、その形状から鼓膜穿孔の治療に好適に用いられる。難治性中耳炎では、鼓膜穿孔は自然治癒せず、通常筋膜を利用するが、患者侵襲が大きく、手術手技も困難であった。
本実施形態の鼓膜治療デバイスは、患者侵襲が少なく、手術を容易とすることができる。
[鼓膜穿孔の治療方法]
本実施形態の鼓膜穿孔の治療方法は、本実施形態の鼓膜治療デバイスの把持用糸部を把持して、外耳側から中耳側へ、前記鼓膜治療デバイスを鼓膜穿孔に通す工程と、前記鼓膜穿孔を通った前記鼓膜治療デバイスを中耳側から外耳側へ引き、前記鼓膜治療デバイスの面部を鼓膜の中耳側の面に貼付する工程を有する。
[創部治療デバイス]
本実施形態の創部治療デバイスは、上記本実施形態のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を含む。本実施形態のデバイスは、把持用糸部をピンとして用いることで開放創に固定することができる。また、把持用糸部が、コラーゲンで製造されている場合には、止血効果を有し、細胞の足場となり、組織再生に必要な細胞の遊走を促進するため、従来は必須であった血液製剤無しに創部への固定が可能である。
[創部の治療方法]
本実施形態の創部の治療方法は、本実施形態の創部治療デバイスの把持用糸部を開放創から組織深部へ刺して、前記創部治療デバイス固定する工程を有する。例えば、肝臓癌切除療法において、肝切除面を縫い寄せることはできないため、開放創のまま手術を終えることになり、出血や病的癒着のリスクが高い。一方、本実施形態の治療方法によれば、容易に創部を本実施形態の創部治療デバイスで被覆することができる。
≪製造装置≫
1実施形態において、枠部と、前記枠部の上下それぞれを挟む上面フィルム及び下面フィルムと、前記上面フィルムを貫通する筒部と、を備えた製造装置を提供する。本実施形態の製造装置は、上述したハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を製造するものである。
図4は、本実施形態の製造装置の一例を示す図である。図4に示すように、製造装置200は、4つの脱着可能な部材として、枠部210と、枠部210の上下それぞれを挟む上面フィルム220及び下面フィルム230と、上面フィルム220を貫通する筒部240と、を備える。
後述するように、ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体の製造にあたっては、まず、上面フィルム220と下面フィルム230で枠部210を挟み、筒部240よりゾルを注入してゲル化した後、紫外線をゲル全体に照射する。次いで、筒部240を除去し、ゲルを反転して、把持用糸部をガラス化する。続いて、下面フィルム230を除去して面部をガラス化し、その後、再水和及び再ガラス化することで、結合部が無く、把持用糸部と面部が一体化されたハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体が得られる。
製造装置200を構成する、枠部210、上面フィルム220、下面フィルム230、及び筒部240の材質は、例えば、ガラス材料、ポリアクリレート(アクリル樹脂)、ポリスチレン、ナイロン、ステンレス等が挙げられ、これらに限定されない。
ガラス材料としてより具体的には、例えば、ソーダ石灰ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、バイコール(登録商標)ガラス、石英ガラス等が挙げられる。ポリアクリレート(アクリル樹脂)としてより具体的には、例えば、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)等が挙げられる。
枠部210の形状は、製造対象のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体の形状に合わせて設定される。例えば、三角形、四角形(正方形、長方形、台形含む)、五角形、六角形、七角形、八角形等の多角形;円形、楕円形、略円形、楕円形、略楕円形、半円形、扇形等が挙げられる。
また、枠部210の高さは、製造対象のハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体の厚さに合わせて設定される。ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体を厚くしたい場合は、枠部210の高さを高くすることが好ましい。
筒部240は、上面フィルム220を貫通した状態で、上面フィルム220に固着されている。筒部240は、枠部210へゾルを注入するための注入口となる。
[ハイドロゲル膜乾燥体の製造方法]
1実施形態において、本発明は、枠部と、枠部の上下それぞれを挟む上面フィルム及び下面フィルムと、上面フィルムを貫通する筒部と、を備えた製造装置の筒部よりゾルを注入する工程Aと、前記ゾルを静置しゲル化し、ハイドロゲル膜を得る工程Bと、前記ハイドロゲル膜に紫外線を照射する工程Cと、前記ハイドロゲル膜を乾燥させる工程Dと、を有するハイドロゲル膜乾燥体の製造方法を提供する。
[工程A]
工程Aは、製造装置の筒部よりゾルを注入する工程である(図6参照。)。
工程Aで注入するゾルがコラーゲンゾルである場合、コラーゲンゾルは至適な塩濃度を有するものとして、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、HBSS(Hank’s Balanced Salt Solution)、基礎培養液、無血清培養液、血清含有培養液等を用いて、調製したものを用いることができる。また、コラーゲンのゲル化の際の溶液のpHは、例えば6~8とすることができる。また、コラーゲンゾルの調製は例えば4℃程度で行えばよい。
特に無血清培養液を用いる場合、他動物血清成分中に含まれる、生体の創部への適用に適さない物質(例えば、抗原、病原因子等)がハイドロゲルに含まれることを回避できる。このため、無血清培養液を用いて得られたハイドロゲル膜は、医療用に好適に用いられる。
また、ハイドロゲルを製造するためのコラーゲンゾルの濃度は、0.1~1.0質量%であることが好ましく、0.2~0.6質量%であることがより好ましい。コラーゲンゾルの濃度が上記下限値以上であることにより、ゲル化が弱すぎず、また、コラーゲンゾルの濃度が上記上限値以下であることにより、均一なコラーゲンゲルからなるハイドロゲルを得ることができる。
[工程B]
工程Bは、ゾルを静置しゲル化し、ハイドロゲル膜を得る工程である(図7参照。)。
ゾルを保温する温度は、用いるゾルの種類に応じて適宜調製することができる。例えば、ゾルがコラーゲンゾルである場合、ゲル化する際の保温は、用いるコラーゲンの動物種に依存したコラーゲンの変性温度より低い温度とすることができ、一般的には20℃以上37℃以下の温度で保温することで数分から数時間でゲル化を行うことができる。
[工程C]
工程Cは、ハイドロゲル膜に紫外線を照射する工程である(図8参照。)。紫外線の照射には、公知の紫外線照射装置を使用することができる。照射エネルギーは、単位面積あたりの総照射量が、0.1mJ/cm~6000mJ/cmであることが好ましく、10mJ/cm~4000mJ/cmであることがより好ましく、100mJ/cm~3000mJ/cmであることが更に好ましく、200mJ/cm~1500mJ/cmであることが特に好ましい。
総照射量が上記の範囲であることにより、ハイドロゲル膜乾燥体、又は続く再水和により得られるビトリゲル膜乾燥体の透明度及び強度を特に好ましいものとすることができる。
単位面積あたりの紫外線総照射量が同一であるとき、ハイドロゲル膜への紫外線の照射を、複数回に分割して繰り返して行うことで、ハイドロゲル膜乾燥体、又は続く再水和により得られるビトリゲル膜乾燥体の透明度及び強度をより高めることができる。
ハイドロゲル膜への紫外線の照射を繰り返す場合、紫外線の照射部位を、ハイドロゲル膜の面部と把持用糸部とに分けて照射して、その総照射量を、ハイドロゲル膜への単位面積あたりの紫外線総照射量としてもよい。
紫外線の照射を、ハイドロゲル膜に行うことで、強度と透明度が高まるのは、ハイドロゲル膜内の高分子化合物同士が、紫外線によって架橋されるためであると考えられる。
[工程D]
工程Dは、ハイドロゲル膜を乾燥させる工程である(図10~図11参照。)。
ハイドロゲル膜を乾燥させることにより、ハイドロゲル膜内の自由水を完全に除去し、さらに結合水の部分除去を進行させることができる。
このガラス化工程(ハイドロゲル膜内の自由水を完全に除去した後に、結合水の部分除去を進行させる工程)の期間を長くするほど、再水和した際には透明度、強度に優れたビトリゲル膜を得ることができる。
乾燥方法としては、例えば、風乾、密閉容器内で乾燥(容器内の空気を循環させ、常に乾燥空気を供給する)、シリカゲルを置いた環境下で乾燥する等、種々の方法を用いることができる。例えば、風乾の方法としては、10℃、40%湿度で無菌に保たれたインキュベーターで2日間乾燥させる、又は、無菌状態のクリーンベンチ内で一昼夜、室温で乾燥する等の方法を例示することができる。
乾燥効率の観点から、工程Dにおいて、ハイドロゲル膜から筒部及び前記下面フィルムを外して、前記ハイドロゲル膜を乾燥させることが好ましい。更に、ハイドロゲル膜の面部と把持用糸部とに分けて乾燥させることがより好ましい。例えば、工程Cの後、筒部をハイドロゲル膜から外して把持用糸部を乾燥させた後、下面フィルムをハイドロゲル膜から剥がして面部を乾燥させることが更に好ましい。把持用糸部の先端と面部との癒着を防止する観点から、ハイドロゲル膜の把持用糸部が下に垂れ下がるように反転させた状態で乾燥させることが特に好ましい。
上記工程(A)~(D)を経ることにより、把持用糸部及び面部が一体成型されたハイドロゲル膜乾燥体が得られる(図12参照。)。
面部を厚くして製造したい場合には、本実施形態の製造方法は、更に、前記工程Dの後、下面フィルム側から枠部にゾルを重層する工程Eと、重層したゾルを静置しゲル化し、重層したハイドロゲル膜を得る工程Fと、前記重層したハイドロゲル膜を乾燥させる工程Gと、前記重層したハイドロゲル膜乾燥体に紫外線を照射する工程Hと、を有することが好ましい。
[工程E]
工程Eは、工程Dの後、下面フィルム側から枠部にゾルを重層する工程である(図22(b)参照。)。工程Dを経ることにより、最初に注入されたゾルをゲル化した後にガラス化して得られたハイドロゲル膜乾燥体の厚みは、乾燥前の100分の1以下になっている。そのため、工程Dにおいて、下側フィルムを剥がして乾燥させた後、工程Eにおいて、枠部に生じたスペースにゾルを重層することが可能となる(図22(b)参照。)。
[工程F]
工程Fは、重層したゾルを静置しゲル化し、重層したハイドロゲル膜を得る工程である(図22(c)参照。)。ゲル化の詳細については、工程Bと同様である。
[工程G]
工程Gは、重層したハイドロゲル膜を乾燥させる工程である(図23(a)参照。)。乾燥方法については、工程Dと同様である。
[工程H]
工程Hは、重層したハイドロゲル膜乾燥体に紫外線を照射する工程である(図23(a)参照。)。工程Hを経ることにより、面部において、一層目と二層目との間の結合を強めることができる(図23(b)~図23(d)参照。)。紫外線照射の詳細については、工程Cと同様である。
工程E~工程Hは、繰り返してもよく、繰り返すことにより、面部を更に厚くすることができる。
[ビトリゲル膜乾燥体の製造方法]
1実施形態において、本発明は、上述したハイドロゲル膜乾燥体の製造方法を用いて得られたハイドロゲル膜乾燥体を水和してビトリゲル膜を得る工程Iと、前記ビトリゲル膜を乾燥させビトリゲル膜乾燥体を得る工程Jと、を有する、ビトリゲル膜乾燥体の製造方法を提供する。
[工程I]
工程Iは、工程A~工程D又は工程A~工程Hを経て製造されたハイドロゲル膜乾燥体を水和してビトリゲル膜を得る工程である。水和に用いられる水溶液としては、滅菌水、生理食塩水、PBS等が挙げられる。水溶液を適宜交換して水和を繰り返すことが好ましい。
[工程J]
工程Jは、ビトリゲル膜を乾燥させビトリゲル膜乾燥体を得る工程である。乾燥方法については、工程Dと同様である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]把持用糸部付きビトリゲル膜の製造
1.4つの脱着可能な部材(筒部、筒部内腔の断面と同一形状の孔を有する上面フィルム、枠部、下面フィルム)を準備した。
具体的には、筒部として、長さ1cmに切断した1mLピペット(内径3mm、外径4.5mm)を用意した。筒部内腔の断面と同一形状の孔を有する上面フィルムとして、中心に直径2.5mmトレパンで孔を開けた正方形ビニール(50mm×50mm)を用意した。枠部として、ポリスチレン製ワッシャー(岸本工業製、サイズ:内径25.24mm、外径31mm、透明)を用意した。下面フィルムとして、正方形ビニール(50mm×50mm)を用意した。これらを、使用前に70%エタノールで殺菌してクリーンベンチ内で乾かした。
2.長さ1cmの1mLピペット(筒部)を、上面フィルムの孔と同心となるように、両面テープで固定した。
3.ワッシャー(枠部)の下面に、下面フィルムを両面テープで貼り付け、上面に長さ1cmの1mLピペットを付着させてなる上面フィルムを両面テープで貼り付けた(図5参照。)。
4.アテロコラーゲンゾルの調製:氷上で、無血清培養液3mLを、コニカルチューブ50mLに分注し、次にブタアテロコラーゲン溶液7mLを加え、3回ピペッティングを行い、0.7%アテロコラーゲンゾルを調製した。0.7%アテロコラーゲンゾルを満たしたシリンジに留置針を取り付け、当該ゾルを1mLピペットの内腔からワッシャー内と1mLピペット内が満ちるように注入した(図6参照。)。
5.ゲル化:37℃の5%COインキュベーター内に、アテロコラーゲンゾルを注入した製造装置を2時間放置してゲル化した(図7参照。)。
6.UV照射:製造装置の上面(1mLピペット部)を下にして、コニカルチューブに設置し、下面フィルムの裏面側からUVを800mJ/cm照射した(図8(a)参照。)。次いで、製造装置の面部を垂直に設置してUVを800mJ/cm照射した後、製造装置の把持用糸部が反転するように製造装置の面部を垂直に再設置して再度UVを800mJ/cm照射した(図8(b)参照。)。
7.ピペット除去:1mLピペットを上面フィルムから除去し、把持用糸部を形成させる円柱状アテロコラーゲンゲルを得た(図9参照。)。
8.ガラス化(把持用糸部):1mLピペットを除去した製造装置を、把持用糸部を形成させる円柱状アテロコラーゲンゲルが垂れ下がるように、反転させて、コニカルチューブに設置した。把持用糸部を形成させる円柱状アテロコラーゲンゲルの先端にキムワイプを吸着させて垂れ下げた状態で、このコニカルチューブを、恒温恒湿機(温度10℃、湿度40%)内に設置した(図10参照。)。
9. ガラス化(面部):製造装置の下面フィルムを除去し、アテロコラーゲンゲル膜の上面を露出させた。このコニカルチューブを、再度、恒温恒湿機(温度10℃、湿度40%)内に設置した(図11参照。)。
10. 把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜の作製:ガラス化した把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体を、ワッシャー(枠部)と上面フィルムから取り出した(図12参照。)。この乾燥体を、滅菌水10mLを注入したペトリディッシュ内に10分間沈めた。滅菌水を交換し、この操作を3回繰り返して再水和することで、把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜を作製した。把持用糸部が、直径2.5mmの孔を開けたビニールの孔から垂れ下がるように、コニカルチューブ上に把持用糸付きアテロコラーゲンビトリゲル膜を設置した(図13参照。)。
11.再ガラス化:このコニカルチューブを、再度、恒温恒湿機(温度10℃、湿度40%)内に設置し、把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜を再ガラス化した。
12. 把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体の作製:恒温恒湿機から取り出して、再ガラス化した把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜乾燥体を得た(図14参照。)。
[実施例2]把持用糸部付き2倍厚コラーゲンビトリゲル膜の製造
1.4つの脱着可能な部材(筒部、筒部内腔の断面と同一形状の孔を有する上面フィルム、枠部、下面フィルム)を準備した。
具体的には、筒部として、長さ1cmに切断したサフィード 延長チューブ(テルモ SF-ET1725L 50cm 1.7mL、内径:約2.3mm、外径:約4.0mm)を用意した。筒部内腔の断面と同一形状の孔を有する上面フィルムとして、中心に直径2.5mmトレパンで孔を開けた正方形ビニール(50mm×50mm)を用意した。枠部として、ポリスチレン製ワッシャー(岸本工業製、サイズ:内径25.24mm、外径31mm、透明)を用意した。下面フィルムとして、正方形ビニール(50mm×50mm)を用意した。これらを、使用前に70%エタノールで殺菌してクリーンベンチ内で乾かした。
2.長さ1cmのチューブ(筒部)を、上面フィルムの孔と同心となるように、両面テープで固定した。
3.ワッシャー(枠部)の下面に、下面フィルムを両面テープで貼り付け、上面に長さ1cmのチューブを付着させてなる上面フィルムを両面テープで貼り付けた(図15参照。)。
4.アテロコラーゲンゾルの調製:氷上で、無血清培養液3mLを、コニカルチューブ50mLに分注し、次にブタアテロコラーゲン溶液7mLを加え、3回ピペッティングを行い、0.7%アテロコラーゲンゾルを調製した。0.7%アテロコラーゲンゾルを満たしたシリンジに留置針を取り付け、当該ゾルをチューブの内腔からワッシャー内とチューブ内が満ちるように注入した(図16参照。)。
5.ゲル化:37℃の5%COインキュベーター内に、アテロコラーゲンゾルを注入した製造装置を2時間放置してゲル化した(図17参照。)。
6.UV照射:製造装置の上面(チューブ部)を下にして、コニカルチューブ上に設置し、下面フィルムの裏面側からからUVを800mJ/cm照射した(図18(a)参照。)。次いで、製造装置の面部を垂直に設置してUVを800mJ/cm照射した後、製造装置の把持用糸部が反転するように製造装置の面部を垂直に再設置して再度UVを800mJ/cm照射した(図18(b)参照。)。
7. チューブ除去:チューブを上面フィルムから除去し、把持用糸部を形成させる円柱状アテロコラーゲンゲルを得た(図19参照。)。
8.ガラス化(把持用糸部):チューブを除去した製造装置を、把持用糸部を形成させる円柱状アテロコラーゲンゲルが垂れ下がるように、反転させて、ラックの枠間隙に設置した。把持用糸部を形成させる円柱状アテロコラーゲンゲルの先端にキムワイプを吸着させて垂れ下げた状態で、約1時間静置した(図20参照。)。その後、製造装置をコニカルチューブ上に移して、恒温恒湿機(温度10℃、湿度40%)内に設置した。
9. ガラス化(面部):製造装置の下面フィルムを除去し、アテロコラーゲンゲル膜の上面を露出させた。このコニカルチューブを、再度、恒温恒湿機(温度10℃、湿度40%)内に設置した(図21参照。)。
10. 把持用糸部付き2倍厚アテロコラーゲンビトリゲル膜の作製:把持用糸部が垂れ下がるように設置し、ワッシャーが付着したままのガラス化した把持用糸部付きアテロコラーゲンゲル膜乾燥体(図22(a)(ゾル注入前)参照。)のワッシャー内へ、「4.アテロコラーゲンゾルの調製」で調製したコラーゲンゾル1mLを重層し、ワッシャー内全体に広げた。その後、37℃の5%COインキュベーター内に2時間放置して、把持用糸部付きアテロコラーゲンゲル膜乾燥体のワッシャー内に重層したアテロコラーゲンゾルをゲル化させた(図22(b)(ゾル注入後)、図22(c)(ゲル化後)参照。)。
11. ガラス化とUV照射(2倍厚面部):把持用糸部付きアテロコラーゲンゲル膜乾燥体のワッシャー内に重層したアテロコラーゲンゲルを恒温恒湿機(温度10℃、湿度40%)内に設置し、ガラス化して把持用糸部付き2倍厚アテロコラーゲンゲル膜乾燥体を作製した後、2倍厚面部の上方からUVを400mL/cm照射した。この把持用糸部付き2倍厚アテロコラーゲンゲル膜乾燥体から、ワッシャーと製造装置の上面フィルムを除去し(図23参照。) 、この乾燥体を、滅菌水10mLを注入したペトリディッシュ内に10分間沈めた。滅菌水を交換し、この操作を3回繰り返して再水和した。コニカルチューブ上にビニールを敷き、把持用糸部がこのビニールに開けた直径2.5mmの孔から垂れ下がるように、把持用糸部付き2倍厚アテロコラーゲンゲル膜を設置した(図24参照。)。
12.再ガラス化:このコニカルチューブを、再度、恒温恒湿機(温度10℃、湿度40%)内に設置し、把持用糸部付き2倍厚アテロコラーゲンゲル膜を再ガラス化した。
13. 把持用糸部付き2倍厚アテロコラーゲンゲル膜乾燥体の作製:恒温恒湿機から取り出して、再ガラス化した把持用糸部付き2倍厚アテロコラーゲンゲル膜乾燥体を得た(図25参照。)。
[実施例3]把持用糸部付きビトリゲル膜を用いた止血及び組織再生を促進する方法
ラットの肝臓手術で切除した切除面を、実施例1で作製した把持用糸部付きビトリゲル膜の面部で覆い、把持用糸付ビトリゲル膜の把持用糸部で残った肝臓内部に固定し、止血及び組織再生を促進する方法を開発した。
具体的には、ラット肝臓の表面より外科用バイポーラにて熱凝固しながら直径4mmの穴を作製した後(図26(a)参照。)、注射針を用いて当該穴から更に深部の肝組織内に把持用糸を挿入しつつ、ビトリゲル膜で肝臓の創傷部を被覆した(図26(b)参照。)。
1週間後の肉眼および病理組織学的な観察では、非被覆群の一部では、肝臓創部と壁側腹膜に線維性の癒着が生じていた(図27(a)、図28参照。)。肝臓創部では広範な凝固壊死を伴う線維化と炎症性肉芽組織の形成が見られ、散在性に異物型巨細胞浸潤が見られた(図27(a)、図28参照。)。
把持用糸部付きビトリゲル被覆群では肝臓創部と壁側腹膜との癒着は見られなかった(図27(b)、図29参照。)。創部の凝固壊死部と炎症性肉芽組織、線維化の程度は非被覆群と比較し小型であった。肝組織内に貫通した把持部周囲の線維化は軽微であった。ビトリゲル周囲に明瞭な異物型巨細胞浸潤は見られなかった。
[実施例4]側頭骨手術モデルでの把持用糸部付きビトリゲル膜の操作性評価
実施例2の方法を用いて、以下の4種類のビトリゲル膜を作製した。
1)把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜(2倍厚)
2)把持用糸部なし アテロコラーゲンビトリゲル膜(2倍厚)
3)把持用糸部付きアテロコラーゲンビトリゲル膜 (3倍厚)
4)把持用糸部なし アテロコラーゲンビトリゲル膜 (3倍厚)
上記4種類のビトリゲル膜を鼓膜再建用コラーゲン膜として用いて、図30の側頭骨手術モデルに対して、内視鏡下耳科手術を行い、所要時間および、操作性を評価した。操作性評価の諸条件は、以下の通りである。結果を表1に示す。
穿孔サイズ:直径4mm
ビトリゲル膜サイズ:直径6mm
使用内視鏡:直径4mm 硬性鏡 オリンパス
耳用麦粒鉗子
ローゼン探針弱弯
Figure 0007350238000001
上記表に対応するグラフを図31に示す。把持糸付き3倍厚が一番操作しやすく、丈夫で適度な弾性があった。
上記手術シミュレーション後、使用したビトリゲル膜を実体顕微鏡で観察し、変形などを評価した。結果を図32に示す。図32(a)は、2倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜の写真であり、図32(b)は、2倍厚の把持用糸部無しビトリゲル膜の写真である。2倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜では、傷がほぼ観察されなかった。一方、2倍厚の把持用糸部無しビトリゲル膜では、鉗子でつかんだ時に生じた傷が観察された。
2倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜は、慣れるととても使いやすく、しなやかなで、細かな凹凸があったとしても被覆対象にフィットした。
2倍厚の把持用糸部無しビトリゲル膜は、角度や引っ掛かり具合がうまくあわないと、きれいに貼り付けることができず、かなりの時間を要することがあった。手術時間にかなり、ばらつきがあり、ビトリゲルに傷ができることが欠点であった。
図32(c)左は、3倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜の写真であり、図32(c)右は、3倍厚の把持用糸部無しビトリゲル膜の写真である。3倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜では、傷が全く観察されなかった。3倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜は、適度な弾性あり、鼓膜に密着させやすいことが確認された。
一方、3倍厚の把持用糸部無しビトリゲル膜では、鉗子でつかんだ時に生じた小さい傷が観察された。3倍厚の把持用糸部無しビトリゲル膜は、2倍厚の把持用糸部無しビトリゲル膜と同様に傷はできるが、厚みがあるため、皴ができにくく回復しやすかった。
図32(d)は、3倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜の把持用糸部をピンセットで保持した状態を示す写真である。
図32(d)に示す様に、ピンセットで保持してもたわみが少なく、貼りやすいことが確認された。3倍厚の把持用糸部付きビトリゲル膜は、ヒトの鼓膜再建材料としては操作性がよく、把持しやすく、傷つきにくく、評価したビトリゲル膜の中で最も優れていた。
鼓膜再建手術において、把持用糸部付きビトリゲル膜を把持して、鼓膜に開いた穴に押し通し、押し通した向こう側(内側)から手前側(外側)に引くことにより、鼓膜に貼付できる。把持用糸部付きビトリゲル膜は、把持用糸を後付けした物よりも、一体成型した物の方が、把持用糸部が外れにくく、かつ、膜を均等に貼ることができる。半透明であるビトリゲル膜は、膜を通して向こう側(内側)を見ながら鼓膜に貼れるので、安心して手術できる。
また、把持用糸付ビトリゲル膜は、水和状態で移植するので、把持用糸を把持した時に、膜が二重に折りたたまれることがある。この点は、(1)膜を厚くし、(2)把持用糸部をつける位置を中心からずらすことで改善されることが確認された。
本発明によれば、ハンドリング性能に優れたハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体、並びに、その製造装置及びその製造方法を提供することができる。
100…ハイドロゲル膜乾燥体又はビトリゲル膜乾燥体、101…把持用糸部、102…面部、110…一方面、120…他方面、130…貫通孔、200…製造装置、210…枠部、220…上面フィルム、230…下面フィルム、240…筒部。

Claims (7)

  1. 把持用糸部と面部とを一体として備え、ビトリゲル膜乾燥体。
  2. 一方面と他方面とを貫通した複数の貫通孔を有する、請求項1に記載のビトリゲル膜乾燥体。
  3. 前記ビトリゲルはアテロコラーゲンビトリゲルである、請求項1又は2に記載のビトリゲル膜乾燥体。
  4. 枠部と、
    前記枠部の上下それぞれを挟む上面フィルム及び下面フィルムと、
    前記上面フィルムを貫通する筒部と、
    を備えた、請求項1~3のいずれか一項に記載のビトリゲル膜乾燥体の製造装置。
  5. 枠部と、前記枠部の上下それぞれを挟む上面フィルム及び下面フィルムと、前記上面フィルムを貫通した筒部と、を備えた製造装置の前記筒部よりゾルを注入する工程Aと、
    前記ゾルを静置しゲル化し、ハイドロゲル膜を得る工程Bと、
    前記ハイドロゲル膜に紫外線を照射する工程Cと、
    前記ハイドロゲル膜を乾燥させる工程Dと、
    を有し、
    前記工程Dにおいて、前記ハイドロゲル膜から前記筒部及び前記下面フィルムを外して、前記ハイドロゲル膜を乾燥させ、
    前記工程Dの後、下面フィルム側から枠部にゾルを重層する工程Eと、
    重層したゾルを静置しゲル化し、重層したハイドロゲル膜を得る工程Fと、
    前記重層したハイドロゲル膜を乾燥させる工程Gと、
    前記重層したハイドロゲル膜乾燥体に紫外線を照射して、ハイドロゲル膜乾燥体を得る工程Hと、
    得られたハイドロゲル膜乾燥体を水和してビトリゲル膜を得る工程Iと、
    前記ビトリゲル膜を乾燥させビトリゲル膜乾燥体を得る工程Jと、
    を有する、ビトリゲル膜乾燥体の製造方法。
  6. 請求項1~3のいずれか一項に記載のビトリゲル膜乾燥体を含む、鼓膜治療デバイス。
  7. 請求項1~3のいずれか一項に記載のビトリゲル膜乾燥体を含む、創部治療デバイス。
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