JP4067419B2 - 閉鎖型細胞培養システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、損傷部位の細胞組織を生体内(in−vivo)で増殖させ、損傷部位の組織再生を誘導させるシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から体損傷部の治療に際しては、損傷部における異物等の不要物を除去した後に、消毒剤等で消毒を行い、治療に適した創傷被覆剤等を損傷部に被覆し、細胞増殖による皮膚の自己再生を図っている。しかしながら、皮膚の自己再生では治癒に時間がかかることや、創傷部での感染症の発生等、種々の克服できない困難な問題が存在する。
【0003】
かかる問題点を解決するために、近年再生医工学として、損傷部の近傍の細胞を採取して生体外(in vitro)で増殖させて、体外で目的とする組織や臓器を再構築し、それを欠損部に戻す方法、すなわち培養による自家組織移植方法が行われている。例えば、細胞増殖用培地の容器と創傷被覆材システムとを含む細胞培養システムに関するもの(例えば、特許文献1参照)、創傷治療に有効な産生物質とヒト繊維芽細胞とを含む培養皮膚代替物に関するもの(例えば、特許文献2参照)、等がある。これらの方法は、いずれも平面的な組織に対する方法としては有効なものであるが、多層細胞(例えば、表皮細胞と真皮細胞の多層細胞)の培養が困難なこと、また細胞の増殖速度が遅いことなど、解決しなければならない問題が種々残っている。
【0004】
さらに、厚い組織については、生体内細胞とは組織構造が異なることや、血管が欠如しているため、酸素あるいは栄養補給の困難さから、細胞の生着率はそれほど高いものとはいえない状況である。加えて、複雑な三次元の立体構造を有する組織、損傷部では困難なものであり、また、処置中における感染症の発生を回避することはできず、従来問題とされている点をいまだ解決するものとはなっていないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】
特表2001−507218号公報
【特許文献2】
特開2002−200161号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、上記の現状に鑑み、再生医工学において、損傷部、すなわちin vivoで効率的な細胞組織の早期の増殖を行うと共に、処置中において損傷部での細菌による感染症の発生を回避した組織細胞培養システムを提供することを課題とする。
【0007】
かかる課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を加えた結果、欠損損傷部の傷口において、壊死組織等の不要物を除去した後、細胞増殖の足場となる生体吸収性材料を欠損スペースに埋植して、欠損部を外部から閉鎖させると共に、その閉鎖部分へ細胞培養に適した溶液を循環させれば、その場で効率的に欠損部組織の再生を行うことができることに着目し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[1]本発明は、基本的には、体表面の組織欠損部、又は体内の組織欠損部を外部から密閉するための密閉手段と、前記密閉手段により密閉されることにより得られる閉鎖部へ、前記密閉手段を介して灌流液を導入するための、前記密閉手段に取り付けられた灌流液導入チューブと、前記灌流液導入チューブにより前記閉鎖部へ導入された灌流液を、前記密閉手段を介して排出するための、前記密閉手段に取り付けられた灌流液排出チューブと、を具備する、閉鎖型細胞培養システムに関する。
[2]本発明の好ましい態様は、前記密閉手段が、粘着シートであり、前記灌流液導入チューブ及び前記灌流液排出チューブは、前記粘着シートを貫通する、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[3]本発明の好ましい態様は、前記灌流液導入チューブに供給される灌流液を収容した容器と、前記容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器とを、さらに具備する、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[4]本発明の好ましい態様は、前記灌流液導入チューブに供給される複数種類の灌流液をそれぞれ収容した複数の容器と、前記複数の容器から前記灌流液導入チューブへ供給される灌流液の種類を切り替えるための活栓と、前記活栓により切り替えられた容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器と、を、さらに具備する、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[5]本発明の好ましい態様は、前記灌流液導入チューブに供給される灌流液を収容した容器と、前記灌流液を収容した容器と前記密閉手段との間の灌流液の流路に設けられ、前記容器から前記閉鎖部へ供給される灌流液に含まれるガス分圧の調整を行うためのガス交換器とを、さらに具備する、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[6]本発明の好ましい態様は、前記灌流液排出チューブから排出される灌流液の排出を促すためのポンプと、前記ポンプの排出量を制御するための圧力センサーとを、さらに具備する、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[7]本発明の好ましい態様は、上層ディスク及び下層ディスクを具備する二層ディスクを、さらに具備し、前記灌流液導入チューブは、前記下層ディスク下部に灌流液を導くために、前記密閉手段、前記上層ディスク、及び前記下層ディスクをこの順で貫通し、前記灌流液排出チューブは、前記上層ディスク及び下層ディスクの間の空間に存在することとなる灌流液を前記密閉手段の外部へ排出するために、前記密閉手段、及び前記上層ディスクを貫通する、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[8]本発明の好ましい態様は、前記灌流液導入チューブに供給される複数種類の灌流液をそれぞれ収容した複数の容器と、前記複数の容器から前記灌流液導入チューブへ供給される灌流液の種類を切り替えるための活栓と、前記活栓により切り替えられた容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器と、前記灌流液を収容した容器と前記密閉手段との間の灌流液の流路に設けられ、前記容器から前記閉鎖部へ供給される灌流液に含まれるガス分圧の調整を行うためのガス交換器と、前記灌流液排出チューブから排出される灌流液の排出を促すためのポンプと、前記ポンプの排出量を制御するための圧力センサーと、上層ディスク及び下層ディスクを具備する二層ディスクを、さらに具備し、前記灌流液導入チューブは、前記下層ディスク下部に灌流液を導くために、前記密閉手段、前記上層ディスク、及び前記下層ディスクをこの順で貫通し、前記灌流液排出チューブは、前記上層ディスク及び下層ディスクの間の空間に存在することとなる灌流液を前記密閉手段の外部へ排出するために、前記密閉手段、及び前記上層ディスクを貫通し、前記密閉手段が、粘着シートであり、前記灌流液導入チューブ及び前記灌流液排出チューブは、前記粘着シートを貫通する、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[9]本発明の好ましい態様は、前記灌流液導入チューブ、及び前記灌流液排出チューブは、灌流用2重ルーメンカテーテルと接続される、上記[1]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[10]本発明の好ましい態様は、前記灌流用カテーテルは、バルーン付カテーテルであ る、上記[9]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
[11]本発明の好ましい態様は、体表面の組織欠損部、又は体内の組織欠損部を外部から密閉するための密閉手段と、前記密閉手段を介して密閉手段の内側へ灌流液を導入するための灌流液導入チューブと、前記灌流液導入チューブにより導入された灌流液が供給される生体吸収性材料と、前記灌流液導入チューブにより前記生体吸収性材料へ供給された灌流液を、前記密閉手段を介して排出するための灌流液排出チューブと、を具備する、閉鎖型細胞培養システムに関する。
[12]本発明の好ましい態様は、前記灌流液導入チューブに供給される複数種類の灌流液をそれぞれ収容した複数の容器と、前記複数の容器から前記灌流液導入チューブへ供給される灌流液の種類を切り替えるための活栓と、前記活栓により切り替えられた容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器と、前記灌流液を収容した容器と前記密閉手段との間の灌流液の流路に設けられ、前記容器から前記閉鎖部へ供給される灌流液に含まれるガス分圧の調整を行うためのガス交換器と、前記灌流液排出チューブから排出される灌流液の排出を促すためのポンプと、前記ポンプの排出量を制御するための圧力センサーと、上層ディスク及び下層ディスクを具備する二層ディスクを、さらに具備し、前記灌流液導入チューブは、前記下層ディスク下部に灌流液を導くために、前記密閉手段、前記上層ディスク、及び前記下層ディスクをこの順で貫通し、前記灌流液排出チューブは、
前記上層ディスク及び下層ディスクの間の空間に存在することとなる灌流液を前記密閉手段の外部へ排出するために、前記密閉手段、及び前記上層ディスクを貫通し、前記密閉手段が、粘着シートであり、前記灌流液導入チューブ及び前記灌流液排出チューブは、前記粘着シートを貫通する、上記[11]に記載の閉鎖型細胞培養システムに関する。
【0009】
すなわち本発明は、欠損部そのものを外部から密閉することによる閉鎖型の溶液灌流部とし、細菌からの感染を防御し、その部分へ細胞培養に適した溶液を循環させること、また灌流液の成分を適宜変えることにより、殺菌、細胞培養を連続して行える点に特徴を有するものである。
【0010】
また、一般的に細胞はある表面に接着することにより分裂して増殖していくことより、細胞増殖には細胞が接着する足場が望ましい。本発明においては、かかる足場として、欠損部に生体吸収性材料を埋植して、細胞増殖を促進させたものである。したがって、本発明の好ましい態様は、上記した発明において、閉鎖環境内に生体吸収性材料を埋植して、欠損部組織細胞の再生を促進させる閉鎖型細胞培養システムである。
【0011】
このような細胞増殖の足場となる生体吸収性材料としては、例えば、ポリグリコール酸繊維、乳酸グリコール酸共重合体繊維あるいはスポンジ、グリコール酸カプロラクトン共重合体繊維、ポリ乳酸繊維あるいはスポンジ、乳酸カプロラクトン共重合体、ポリカプロラクトン繊維、ポリジオキサン繊維、コラーゲン繊維あるいはスポンジ、ゼラチンスポンジ、フィブリン繊維スポンジ、多糖類繊維あるいはスポンジ、リン酸三カルシウム多孔体ビーズ、炭酸カルシウム多孔体ビーズ、ハイドロキシアパタイト等を挙げることができる。
【0012】
本発明の閉鎖型細胞培養システムでは、閉鎖環境内における細胞培養には、かかる細胞増殖が効果的に行われるように、細胞増殖に適した溶液が灌流される。したがって、本発明の好ましい態様は、上記したいずれかの発明において、細胞培養に適した溶液が、自己血から分離した血漿溶液血清、血小板濃厚血清、血漿液製剤、血小板濃厚血清、血漿分画製剤、血血液蛋白分画成分溶液、プラズマエキスパンダー、浸透圧等張輸液、細胞培養培地である閉鎖型細胞培養システムである。
【0013】
さらに、本発明の好ましい態様は、上記したいずれかの発明において、循環させる溶液成分を治療段階ごとに変化させることにより、欠損部の鎮痛、消毒、各再生目的組織にとって適した細胞増殖環境を構築し、プログラム化された閉鎖型細胞培養システムである。すなわち、欠損部における細胞培養を有効的に行うためには、細胞増殖のための閉鎖環境を最も効果的なものに設定することが望ましい。したがって、この態様に係る本発明は、かかる要求に対応でき、欠損部の鎮痛、消毒、各再生目的組織にとって適した細胞増殖環境を容易に構築し得るようにした点に特徴を有するものである。
【0014】
また、細胞の培養環境は、細胞の培養に伴いそのpH値、炭酸ガス分圧、酸素分圧が種々変化する。したがって、細胞培養に適した溶液の組成を循環させるとしても、閉鎖環境は、常に細胞培養に最適な環境にしておかなければならない。そのためには、センサーで閉鎖環境の培養液内の物理的要因、すなわちpH値、炭酸ガス分圧、酸素分圧をモニターし、その信号により培養環境の入口側に設けたガス交換器を制御し、リアルタイムで培養液の変化に合せて閉鎖環境のガス分圧の調整をおこない、細胞培養環境を最適化しておくのが好ましい。したがって、本発明の好ましい態様は、上記したいずれかの発明において、閉鎖環境の入口サイドに、閉鎖環境のpH値、炭酸ガス分圧、酸素分圧を測定するモニター装置を具備したガス交換装置を組み込み、モニター装置からの信号に基づき、ガス濃度を自動調整して細胞培養環境を最適化する閉鎖型細胞培養システムである。
【0015】
また、本発明の好ましい態様は、上記したいずれかの発明において、閉鎖環境内の圧力を持続的あるいは間欠的に制御させた閉鎖型細胞培養システムである。すなわち、閉鎖環境内の圧力を、たとえば圧力維持装置により種々変化させることにより、陽圧状態では神経組織等の成長に必要な空間を確保することができ、また陰圧状態では体液の滲出を促し、損傷部表面の細胞増殖をより促進させることが可能となる。さらに間欠的に陰圧に制御することで、閉鎖環境内の体積の一時的な縮小により、均一かつ効率的な閉鎖環境内の環流液の置換を行うことが可能となる。
【0016】
また、広範囲の重度火傷については、損傷部に重大な体液水分損失が生じることがある。したがって、本発明の閉鎖型細胞培養システムを用いて損傷部の細胞培養を行う場合には、灌流液の浸透圧を火傷による損傷部表面を適切に保つことが可能な浸透圧調整済みの溶液を灌流液として循環させることが望ましい本発明の好ましい態様は、上記したいずれかの発明において、外部に浸透圧調整済みの灌流液を循環させるための回路を設けた閉鎖型細胞培養システムである。
【0017】
さらにまた、本発明の閉鎖型細胞培養システムを用いて損傷部の細胞培養を行う場合において、損傷部が、神経細胞断裂等の比較的深部の損傷であり、そのような神経細胞培養あるいは血管細胞培養の場合には、低侵襲でのアクセスが望ましい。かかるアクセスのためには、穿刺針の形態を採用するのがよい。したがって、本発明の好ましい態様は、上記したいずれかの発明において、穿刺デバイスとバルーンカテーテルの組合せにより、体腔内深部または臓器内に細胞培養スペースを作る形態である閉鎖型細胞培養システムである。
【0018】
すなわち、神経組織細胞や血管組織細胞の増殖には、それが増殖するための空隙が確保されていなければならない。そのための空間を作成するのに穿刺針とその内腔を通過するバルーン付カテーテルの組合せで体内の目的部に到達させ、バルーンを拡張することにより目的細胞の増殖に適した空隙を作成させる。またそれにより効果的に損傷部に生体吸収性材料を留置することができる特徴を有するのである。
【0019】
また、肝臓、膵臓、腎臓などの実質臓器においても同様の方法で培養スペースを設けて目的細胞を各臓器内で培養することにより、機能の低下あるいは不全状態の臓器内で、体外細胞培養技術による細胞培養以上により優れた機能構造を有する細胞を増殖させることができる。
【0020】
また、本発明は損傷部における細胞培養に際し、効果的に有効な薬剤を投与し得る方法を提供するものである。すなわち、本発明が提供する閉鎖型細胞培養システムにおいては、各細胞の増殖に最適な培地成分への変換や、より治癒を促進させるために細胞増殖因子や、血管増殖因子を灌流液に添加して欠損部を灌流させることができる。したがって、本発明の好ましい態様は、上記したいずれかの発明を用い、灌流液中に治療薬剤を溶解させ、欠損部位の治療を促進させる薬剤の投与方法である。治療薬剤の変更時に薬剤が混合して不適切な薬剤の配合問題の発生を避けるために、この場合にあっては、閉鎖環境に間欠的に陰圧サイクルを施すことにより、閉鎖環境での細胞培養スペース内を循環する灌流液を積極的に入れ替え、均一かつ効率的な薬剤溶液の交換を行うことができる。
【0021】
かかる場合に投与し得る薬剤としては、消毒剤、局所麻酔剤、消炎鎮痛剤、抗生物質製剤、末梢血管拡張剤、各種細胞増殖因子製剤、神経増殖因子製剤、血管増殖因子製剤(癌細胞摘出時には、各種細胞増殖抑制因子製剤)、免疫抑制剤等を挙げることができる。
【0022】
またこれらの薬剤のみならず、各種細胞接着性分子、例えば、フィブロネクチン、ヒドロネクチン等を灌流液中に含有させてもよい。また遺伝子を導入させることもでき、そのような遺伝子としては、ネイキッドDNA、アデノウイルスベクター遺伝子、レトロウイルスベクター遺伝子、リポゾーム埋抱遺伝子、ハイドロゲル埋抱遺伝子等を挙げることができる。
【0023】
さらに本発明の別の態様としての請求項10に記載の発明は、予め自己の細胞を採取し、体外でその細胞を培養増殖させた後に灌流液に懸濁し、灌流システムを通じて閉鎖型培養システムに戻すことにより、損傷部細胞培養からの治療を行うと同時に、体外で培養した組織と複合的に培養増殖、生着を行うことにより損傷部の治癒を促進させる細胞の移送と増殖方法でもある。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明が提供する閉鎖型細胞培養システムについて、図面を参照にしながら詳細に説明をして行く。
【0025】
図1は、本発明が提供する閉鎖型細胞培養システムを説明するための概略分解模式図である。すなわち、本発明が提供する閉鎖型細胞培養システム(1)は、基本的には、体表面もしくは体内の組織欠損部(2)を外部から密閉することにより細菌等の侵入を防御した閉鎖環境となし、当該閉鎖した組織欠損部へ細胞培養に適した溶液を循環させることにより欠損部組織の再生を行うことを特徴とする閉鎖型細胞培養システムである。
【0026】
より具体的には、本発明が提供する閉鎖型細胞培養システム(1)(図中においては閉鎖状態を解除した、模式的展開図で示してある)は、体表面もしくは体内の組織欠損部(2)を外部から密閉する手段(3)(図中においてはサージカルフィルム等の粘着シート)により細菌等の侵入を防御した閉鎖環境、すなわち、体表面の組織欠損部(2)をサージカルフィルム(3)により被覆密閉することにより閉鎖環境を作り出し、その閉鎖した組織欠損部(2)へ細胞培養に適した溶液を灌流液導入チューブ(10)(図中、矢印A方向)より導入して、灌流液排出チューブ(11)(図中、矢印B方向)へ灌流させる。
【0027】
灌流液導入チューブ(10)よりシステム(1)内に灌流された灌流液は、ディスク2(5)を介して例えば表皮用生体吸収性材料(6)へ浸漬し、浸漬された灌流液がその下方で体組織欠損部(2)へ埋没させた埋没生体吸収性材料(7)にさらに浸漬し、その場で体組織欠損部(2)における細胞に細胞増殖に適した環境を与えることとなり、細胞増殖を効率的に行うこととなる。
【0028】
一方、埋没生体吸収性材料(7)を浸漬し、さらに体組織欠損部(2)を満たした灌流液は、ディスク1(4)およびディスク2(5)の間の空域を通って、ディスク1(4)に設けられた灌流液排出チューブ(11)より排出され、灌流が完了する。
【0029】
なお、システム内に設けたディスク1(4)とディスク2(5)の2層ディスクは、それぞれ灌流液導入チューブ(10)および灌流液排出チューブ(11)を保持する機構を有すればよく、またその材料も非透水性のプラスチック等でチューブと一体で成形することができる。
【0030】
以上に説明したように、本発明のシステム(1)による体組織欠損部での閉鎖環境内への灌流液の循環により、体組織欠損部には、細胞が接着する足場となる生体吸収性材料により、効率的に細胞増殖をが促進させ、細胞増殖が完了した段階では、足場となる生体吸収性材料が分解吸収されており、滅菌状態で体欠損部の組織の再生が行われるのである。
【0031】
図2に体表面から本発明の閉鎖型組織培養システム(20)をアクセスした概略断面を示した。すなわち、外傷、火傷、褥瘡などの傷害の場合には、表皮(21)および真皮(22)を含め体組織が欠損し、その傷害部が体表面に露出している。この場合には、被覆フィルム(23)がついた本発明の閉鎖型組織培養システム(20)の2層ディスク創面アダプター(24)を傷害面に充て、灌流液を灌流させる。なお、この場合においても、細胞増殖の必要な組織には、細胞増殖を促進させる適当な足場生体材料(25)として、生体吸収性材料を埋植させて細胞増殖部(26)を作成させておくのがよい。
【0032】
この場合にあっては、灌流液は閉鎖型組織培養システム(20)の中央部に設けた灌流液入口(28)より灌流されて損傷部に流れ、生体吸収性材料である足場生体材料(25)につたわり、周辺部に拡散する。その後、周辺部単端(27)より2層ディスク(24)の間隙を通り、灌流液出口(29)より排液として排出される。
【0033】
したがって、傷害面が密閉状態であることより細菌等からの感染が防止でき、灌流液ならびに足場生体材料により、損傷部での細胞増殖が効果的に行われることとなる。
【0034】
この体表面へアクセスする本発明の閉鎖型組織培養システムは、個々の傷害部の大きさにあわせ、所望のサイズに設計することができる。したがって、広範囲の火傷などの場合にあっては、2層ディスクを有する本発明の閉鎖型組織培養システムを複数組合せることにより火傷の面積と形状に合わせ、同時に各システムへ灌流液を灌流させ、単独使用の場合と同様の効果を上げることができる。
【0035】
一方、神経細胞断裂あるいは血管組織の断裂等、体内の比較的深部の損傷部における細胞増殖を行う場合には、低侵襲でのアクセスが望ましいことより、穿刺針の形態の閉鎖型細胞培養システムが使用される。具体的には、神経組織細胞や血管組織細胞増殖のための空隙を穿刺針とその内腔を通過するバルーン付カテーテルの組合せで作成し、そのバルーンで拡張させた部位に足場生体材料を留置させ、灌流用カテーテルにより灌流液を循環することができる。なお、この場合に使用する穿刺針は、柔軟に屈曲することができ、細胞増殖を目的とする損傷部に添ったカテーテルの留置が行えるよう構成されている。
【0036】
かかる体内の比較的深部の損傷部、例えば、神経細胞断裂あるいは血管組織の断裂等における細胞増殖のための本発明のシステムによる細胞増殖の概念を図3〜図6により示した。すなわち図3に示すような穿刺針(30)を用い、皮膚表面より穿刺針を刺し、細胞増殖のための空隙を構築する目的部まで先端を導入させ、穿刺針の先端孔よりバルーンカテーテルを、穿刺針先端を後退させながらカテーテルバルーン部(31)を露出させてバルーン部(32)を膨張させる。
【0037】
次いで、バルーンの膨張により細胞増殖のための空隙部(組織内スペース)を作成した後、図4に示すように、バルーンを縮小させてバルーンカテーテルのみを抜去する。その後細胞増殖の足場となる生体吸収性材料(33)を穿刺針(30)内腔から挿入する。なお生体吸収性材料は、予めルーメン内に含んでいるカテーテルを、穿刺針を通じて留置することもできる。
【0038】
細胞増殖の足場となる生体吸収性材料を損傷部に留置し、生体吸収性材料埋入用カテーテルを抜去した後、図5に示すように細胞増殖に適する灌流液を灌流させるための、灌流用2重ルーメンカテーテル(34)を挿入し、次いで灌流用カテーテル(34)のみを残し、穿刺針を体内より引き抜き、灌流液の入口(35)と出口(36)を灌流システムに接続し、灌流を開始する。かかる状態を、図6に模式的に示した。
【0039】
以上記載のように、本発明の閉鎖型細胞培養システムを使用することにより、体表面もしくは体内の組織欠損部を外部から密閉し、細菌等の侵入を防御した閉鎖環境とすることができ、当該閉鎖した組織欠損部へ細胞培養に適した溶液を循環させることで欠損部の細胞増殖を行い、組織の再生を行うことが可能となる。
【0040】
また本発明が提供する閉鎖型細胞培養システムは、循環させる溶液成分を段階ごとの変化させることにより、欠損部の鎮痛、消毒、各再生目的組織にとって適した細胞増殖環境を構築させることもできるものである。例えばそのような手段として、模式的な概念図として図7に示すように、細胞培養灌流液の入った複数の容器(40)(図にあっては2個)からその灌流液の種類を切り換えることができる3方活栓(41)を通り、流量調節器(42)により流量を制御した後、患者(46)に設けた閉鎖型細胞培養システム(閉鎖型培養器)(43)内を灌流した後、ポンプ(44)を通って排液容器に灌流後の培養液を廃棄(45)することができる。
【0041】
この場合には、例えば圧力センサーなどを用いてポンプの排出量を制御することができ、それにより細胞増殖を行う目的損傷部の圧力を一定に保つこともできる。
【0042】
この複数の灌流液を使用する場合においては、単に細胞増殖に適した複数の成分を灌流させるばかりでなく、汚染されている創傷部を消毒する殺菌剤、あるいは細菌類の増殖を抑制させるための抗生物質を初期の段階で灌流させること、さらには、よりよい治癒の促進を目的として各種細胞増殖因子、神経増殖因子、血管増殖因子(癌細胞摘出時には、各種細胞増殖抑制因子)等を含有する灌流液を灌流させることができる。
【0043】
またさらに効果的な治療のために局所麻酔剤、消炎鎮痛剤、抗生物質製剤、末梢血管拡張剤、免疫抑制剤等を含有する灌流液を灌流させることができる。
【0044】
また、細胞の培養環境は、細胞の培養に伴ってその培養環境内部のpH値、炭酸ガス分圧、酸素分圧が種々変化する。したがって、培養環境である閉鎖環境は、常に細胞培養に最適な環境にしておくことが好ましい。そのためには、センサーにより閉鎖環境の培養液内の物理的要因、すなわちpH値、炭酸ガス分圧、酸素分圧を測定、モニターするモニター(47)を設け、モニターからの信号により培養環境の入口側に設けたガス交換器(48)を制御し、リアルタイムで培養液の変化に合せて閉鎖環境のガス分圧の調整をおこない、細胞培養環境を最適化しておくことができる。
【0045】
本発明が提供する閉鎖型細胞培養システムは、また病院等で常用されている定圧持続吸引器と輸液バックと輸液チューブ回路を利用して細胞培養に適した灌流液を灌流させることもできる。その模式的な概念を図8として示した。なお、図8において、図中の符号は、図7と同一意味を有する。
【0046】
図8においても、その基本的概念は、図7に示したシステムと同様であり、図7で設けたポンプを通って排液容器に灌流後の培養液を廃棄する部分を、病院等で常用されている定圧持続吸引器(51)に接続した部分が異なるだけである。
【0047】
以上記載のように、本発明は欠損損傷部の傷口において、壊死組織等の不要物を除去した後、細胞増殖の足場となる生体吸収性材料を欠損スペースに埋植させ、欠損部を外部から閉鎖させると共に、その閉鎖部分へ細胞培養に適した溶液を循環させることにより、その場で効率的に欠損部細胞を増殖させ、組織の再生を行うことができる。
【0048】
【実施例】
以下に本発明の細胞増殖の具体例を、実施例により説明する。
実施例1:移植皮膚採取手術後の損傷部の治療
採皮手術後の創面からの出血を、フィブリンスプレーを用いて速やかに止血させ、周辺部を消毒した。次いで、凹んだ部分にコラーゲンビーズを充填した後に中心部に穴のあいた連続気泡コラーゲンシートを創面にそって大きめに形を作り創面に被せた。2層アダプターもコラーゲンシートと同様の形にした後に上に重ねて、アダプターの出入り口のみ開孔したサージカルフィルムを被せてコラーゲンビーズとシートの閉鎖スペースを作成した。採皮個所に痛みのある場合は、局所麻酔剤としてキシロカイン、さらに3種混合の抗生物質の入った血漿製剤を閉鎖スペースに循環させ、3時間後に局所麻酔剤と抗生物質溶液を止めて,塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)に切り換えて灌流した。
【0049】
別途に真皮層の組織を採取し、体外でウシ胎児血清により細かく浮遊培養した繊維芽細胞を患者の血清と交換し灌流した。その細胞混濁溶液を潅流液バックの下の3方活栓より閉鎖型培養器に注入する事により細胞移植を行った。続いて真皮細胞の細胞増殖が終了した時点でbFGFを上皮増殖因子(EGF)に交換して周囲の皮膚表面と均一になるまで上皮細胞を培養した。
【0050】
実施例2:下肢大腿部断裂神経の神経再構築
体表面の皮膚から柔軟に曲げることのできる穿刺針を、神経の断裂個所両端の神経に届くように穿刺する。バルーン長が神経両断端に届く長さのものを選び、バルーンカテーテルを、穿刺針を通じて挿入してバルーンを膨張させ、神経の断端間に空隙を作る。
【0051】
その空隙に神経成長の足場となる平行コラーゲン繊維束をルーメン内に収納したカテーテルより挿入する。さらにこのカテーテルを潅流用細径カテーテルと交換し穿刺針を抜き取り潅流用カテーテルのみを留置する。
【0052】
患者の血液より得た血清に神経増殖因子を10−8モル加え、灌流を開始し、内部の空気が出終わった時点で循環回路に切り換える。
【0053】
灌流時に神経断端間のスペースがつぶれないように、弱い陽圧を維持する。細胞が充分に成長した時点で潅流用カテーテルを抜き取り、完了する。
【0054】
実施例3:重度の火傷の治療
腹部に対する重度の火傷に対して皮膚と死滅組織等を切除した後に、コラーゲン繊維シートで火傷創面を覆い、さらにその上に2層灌流アダプターを取りつける。最初にポピドンヨード液を含む等張血漿増量製剤により創面を消毒する。
【0055】
浸透圧を火傷創面と同等にしたヒト血漿製剤を患者の創面からの体液損失を抑制する為に灌流させる。また感染を予防する為に抗生物質注射液を加えて、さらに患者が痛みを訴える様であれば、局所麻酔剤であるキシロカインを灌流液に注入して鎮痛をおこなう。
【0056】
患者の状態が安定した後にキシロカイン、抗生物質の投与を中止して繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、血小板由来細胞増殖因子(PDGF)、表皮増殖因子等の細胞増殖因子を灌流液に加える。創面の表皮が充分に増殖した時点でこの閉鎖型細胞培養器を取り外し、創面を外気に触れさせながら、残りの自然治癒を待つ。
【0057】
実施例4:
ウサギ肝臓に穿刺針付きのカテーテルイントロデューサーを、超音波断層画像を見ながら穿刺する。イントロデューサーシースを残して穿刺針を抜去し、代わりにフォガティー血栓除去用バルーンカテーテルを挿入し、径が2cm程度となるまでバルーンを膨張させて肝臓内に細胞培養スペースを確保した。バルーンを縮小させた後、そのフォガティーカテーテルを抜き取り、綿状のコラーゲン繊維ペレットの入ったテフロン(登録商標)チューブを培養スペースに挿入し、コラーゲン繊維ペレットを充填した。コラーゲン挿入用のテフロン(登録商標)チューブを抜き去り、灌流用の2重ルーメンの灌流口が培養スペースに位置するように留置し、カテーテルイントロデューサーシースも抜去して2重ルーメンカテーテルのみを残し、縫合により皮膚に固定し、同時にカテーテル創外固定用のフィルムで固定した。
【0058】
当該ウサギの血液より調製した血清を細胞培養スペースに灌流させつつ、30日間ウサギ肝臓内で肝細胞の培養を行った。
【0059】
30日の処理後、ウサギを屠殺し、処理肝臓の剖検の結果、コラーゲン繊維内に肝臓細胞の増殖培養が認められた。
【0060】
【発明の効果】
以上記載のように、本発明の閉鎖型細胞培養システムにより、欠損部を外部から閉鎖させることにより細菌からの感染を防御し、その閉鎖部分へ細胞培養に適した溶液を循環させることにより、その場で効率的に欠損部細胞を増殖させ、組織の再生を行うことができる利点を有している。
【0061】
また、灌流液を種々変化させることにより、細胞増殖因子、あるいは治療用薬剤を効果的に目的の部に投与することができ、より効果的な組織再生を確保し得る利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の閉鎖型細胞培養システムを説明するための模式的概略分解図である。
【図2】体表面に本発明の閉鎖型細胞培養システムをアクセスした概略断面図である。
【図3】体内の深部の損傷部である神経細胞断裂における細胞増殖のための本発明のシステムによる細胞増殖の概念を説明する図である。
【図4】体内の深部の損傷部である神経細胞断裂における細胞増殖のための本発明のシステムによる細胞増殖の概念を説明する図である。
【図5】体内の深部の損傷部である神経細胞断裂における細胞増殖のため、本発明のシステムによる細胞増殖の概念の説明図である。
【図6】体内の深部の損傷部である神経細胞断裂における細胞増殖のため、本発明のシステムによる細胞増殖の概念の説明図である。
【図7】本発明の閉鎖型細胞培養システムにより、複数の灌流液を循環させる場合の模式的な説明図である。
【図8】本発明の閉鎖型細胞培養システムを、定圧持続吸引器と輸液バックと輸液チューブ回路を利用して灌流液を灌流させる場合の模式的な説明図である。
【符号の説明】
1 閉鎖型細胞培養システム
2 体組織欠損部
3 サージカルフィルム
7 埋没生体吸収性材料
20 閉鎖型細胞培養システム
23 被覆フィルム
24 2層ディスク
25 足場生体材料
26 細胞増殖部
30 穿刺針
32 バルーン部
33 生体吸収性材料
34 2重ルーメンカテーテル
40 灌流液バッグ
41 3方活栓
42 流量調節
43 閉鎖型型細胞培養器基
44 ポンプ
45 廃棄
46 患者
47 pH ガスモニター
48 ガス交換器
51 定圧持続吸引器

Claims (12)

  1. 体表面の組織欠損部、又は体内の組織欠損部を外部から密閉するための密閉手段と、
    前記密閉手段により密閉されることにより得られる閉鎖部へ、前記密閉手段を介して灌流液を導入するための、前記密閉手段に取り付けられた灌流液導入チューブと、
    前記灌流液導入チューブにより前記閉鎖部へ導入された灌流液を、前記密閉手段を介して排出するための、前記密閉手段に取り付けられた灌流液排出チューブと、
    を具備する、
    閉鎖型細胞培養システム。
  2. 前記密閉手段が、粘着シートであり、
    前記灌流液導入チューブ及び前記灌流液排出チューブは、前記粘着シートを貫通する、
    請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  3. 前記灌流液導入チューブに供給される灌流液を収容した容器と、
    前記容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器と、
    を、さらに具備する、請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  4. 前記灌流液導入チューブに供給される複数種類の灌流液をそれぞれ収容した複数の容器と、
    前記複数の容器から前記灌流液導入チューブへ供給される灌流液の種類を切り替えるた
    めの活栓と、
    前記活栓により切り替えられた容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器と、
    を、さらに具備する、請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  5. 前記灌流液導入チューブに供給される灌流液を収容した容器と、
    前記灌流液を収容した容器と前記密閉手段との間の灌流液の流路に設けられ、前記容器から前記閉鎖部へ供給される灌流液に含まれるガス分圧の調整を行うためのガス交換器と、
    を、さらに具備する、請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  6. 前記灌流液排出チューブから排出される灌流液の排出を促すためのポンプと、
    前記ポンプの排出量を制御するための圧力センサーと、
    を、さらに具備する、請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  7. 上層ディスク及び下層ディスクを具備する二層ディスクを、さらに具備し、
    前記灌流液導入チューブは、
    前記下層ディスク下部に灌流液を導くために、前記密閉手段、前記上層ディスク、及び前記下層ディスクをこの順で貫通し、
    前記灌流液排出チューブは、
    前記上層ディスク及び下層ディスクの間の空間に存在することとなる灌流液を前記密閉手段の外部へ排出するために、前記密閉手段、及び前記上層ディスクを貫通する、
    請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  8. 前記灌流液導入チューブに供給される複数種類の灌流液をそれぞれ収容した複数の容器と、
    前記複数の容器から前記灌流液導入チューブへ供給される灌流液の種類を切り替えるための活栓と、
    前記活栓により切り替えられた容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器と、
    前記灌流液を収容した容器と前記密閉手段との間の灌流液の流路に設けられ、前記容器から前記閉鎖部へ供給される灌流液に含まれるガス分圧の調整を行うためのガス交換器と、
    前記灌流液排出チューブから排出される灌流液の排出を促すためのポンプと、
    前記ポンプの排出量を制御するための圧力センサーと、
    上層ディスク及び下層ディスクを具備する二層ディスクを、さらに具備し、
    前記灌流液導入チューブは、
    前記下層ディスク下部に灌流液を導くために、前記密閉手段、前記上層ディスク、及び前記下層ディスクをこの順で貫通し、
    前記灌流液排出チューブは、
    前記上層ディスク及び下層ディスクの間の空間に存在することとなる灌流液を前記密閉手段の外部へ排出するために、前記密閉手段、及び前記上層ディスクを貫通し、
    前記密閉手段が、粘着シートであり、
    前記灌流液導入チューブ及び前記灌流液排出チューブは、前記粘着シートを貫通する、
    請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  9. 前記灌流液導入チューブ、及び前記灌流液排出チューブは、灌流用2重ルーメンカテーテルと接続される、請求項1に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  10. 前記灌流用カテーテルは、バルーン付カテーテルである、請求項9に記載の閉鎖型細胞培養システム。
  11. 体表面の組織欠損部、又は体内の組織欠損部を外部から密閉するための密閉手段と、
    前記密閉手段を介して密閉手段の内側へ灌流液を導入するための灌流液導入チューブと、
    前記灌流液導入チューブにより導入された灌流液が供給される生体吸収性材料と、
    前記灌流液導入チューブにより前記生体吸収性材料へ供給された灌流液を、前記密閉手段を介して排出するための灌流液排出チューブと、
    を具備する、
    閉鎖型細胞培養システム。
  12. 前記灌流液導入チューブに供給される複数種類の灌流液をそれぞれ収容した複数の容器と、
    前記複数の容器から前記灌流液導入チューブへ供給される灌流液の種類を切り替えるための活栓と、
    前記活栓により切り替えられた容器から供給される灌流液の流量を制御するための流量調節器と、
    前記灌流液を収容した容器と前記密閉手段との間の灌流液の流路に設けられ、前記容器から前記閉鎖部へ供給される灌流液に含まれるガス分圧の調整を行うためのガス交換器と、
    前記灌流液排出チューブから排出される灌流液の排出を促すためのポンプと、
    前記ポンプの排出量を制御するための圧力センサーと、
    上層ディスク及び下層ディスクを具備する二層ディスクを、さらに具備し、
    前記灌流液導入チューブは、
    前記下層ディスク下部に灌流液を導くために、前記密閉手段、前記上層ディスク、及び前記下層ディスクをこの順で貫通し、
    前記灌流液排出チューブは、
    前記上層ディスク及び下層ディスクの間の空間に存在することとなる灌流液を前記密閉手段の外部へ排出するために、前記密閉手段、及び前記上層ディスクを貫通し、
    前記密閉手段が、粘着シートであり、
    前記灌流液導入チューブ及び前記灌流液排出チューブは、前記粘着シートを貫通する、
    請求項11に記載の閉鎖型細胞培養システム。
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