JP5476515B2 - 細胞を投与するデバイス - Google Patents

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Description

本出願は、2007年10月9日に出願した米国仮特許出願第60/978518号の利益を主張する。
本発明は、細胞が必要な個体の身体部分に細胞を投与するのに適したデバイスに関する。また、本発明は、このようなデバイスの異なる治療的用途に関する。
細胞治療は、個体の組織における皮膚または血管の傷などの傷を、上記傷を治療するのに適した細胞を個体に投与することによって、治すことを目的としている。
傷部位に細胞を投与するさまざまな方法が存在している。例えば、個体における皮膚の傷または火傷の場合において、例えば非特許文献1に記載されているように、自己皮膚線維芽細胞(autologous dermal fibroblasts)は、生体適合性格子(biocompatible lattice)に培養され、生体適合性格子は、その後に個体に移植される。この技術に関連する主な欠点は、移植前に格子に移植するために皮膚線維芽細胞に必要である長い培養時間にある。
Coulomb et al. (1998) Plast. Reconstr. Surg. 101:1891-1903
血管の傷の治療の場合において、細胞は、例えば微小針が設けられた血管形成バルーンカテーテル(例えばInfiltrator(登録商標)を用いて、傷部位に注入される。しかしながら、この技術の欠点は、細胞を投与している間に血流が阻害されることである。さらに、この技術は、大血管の手順(protocol)に適しておらず、この技術自体が害を及ぼす。
したがって、本発明の目的は、これら欠点を克服できるデバイス及び方法を提供することである。
このため、本発明は、細胞治療用デバイスに関し、当該デバイスは、生体組織に付けられるように設計されており、少なくとも堅固で好ましくは生体適合性を有する第1壁部であって当該壁部と上記組織との間にキャビティを形成するように設計された第1壁部を有し、かつ、上記キャビティに治療物質を供給する手段をさらに備える。
上記デバイスの形態において、上記供給手段は、供給カテーテルに接続して上記物質を供給して供給後に当該供給手段を通って供給された物質が漏洩することを防止するためのバルブを備えている。
上記デバイスの別の形態において、デバイスの2つのほぼ反対側の端部それぞれに1つある少なくとも2つのバルブがある。
上記デバイスの別の形態において、カテーテル部分は、取り外し可能な方式で、供給カテーテルを分岐するように設けられている。
別の形態において、上記デバイスは、少なくとも多孔性部分を有する第2壁部をさらに備えており、キャビティは、上記第1及び第2壁部間に形成されており、治療薬は、上記多孔性部分を通って投与され、多孔性部分は、微小穿孔材料で、ウィードファブリック(weed fabric)で及び/またはコラーゲンで形成されており、上記第2壁部は、生体適合性を有し好ましくは生体吸収性材料である。
上記デバイスの別の形態において、上記第1及び第2壁部の一方、好ましくは第1壁部は、他方を向く面において、浮彫状のパターンを備えている。
別の形態において、上記デバイスは、ほぼシリンダ状をなしており、第1壁部は、堅固な内壁部であり、第2壁部は、外壁部である。好ましくは、外壁部は、2つの堅固な環状端部と、上記端部間にある上記多孔性部分と、を有している。さらに、拡張手段は、好ましくは上記デバイスに設けられており、内壁部に径方向外方の圧力をもたらし、上記内壁部を上記外壁部に推進させ、そしてデバイスに径方向拡張をもたらす傾向がある。好ましくは、拡張手段は、弾性手段である。同様に好ましくは、拡張手段は、ステント型である。
別の形態において、上記デバイスは、ほぼ平坦形状をなしている。この場合において、第2壁部の多孔性部分は、周辺堅固部分によって囲まれており、上記周辺部分は、好ましくは粘着面を有して上記多孔性部分を皮膚創傷に当接して維持する。
上記デバイスのさらに別の形態において、キャビティを充填する治療薬は、好ましくは歯肉線維芽細胞である細胞の懸濁液である。
さらなる形態において、上記デバイスは、血管の傷のような生物学的導管の傷、中空臓器の傷または平坦創傷の治療に使用される。
また、本発明は、血管の傷のような生物学的導管の傷、中空臓器の傷または平坦創傷の治療に使用される歯肉線維芽細胞に関し、当該歯肉線維芽細胞は、上記デバイスを用いて投与される。
また、本発明は、生物学的導管もしくは中空臓器の傷を治療することを目的とした腔内インプラントを製造するための、または平坦創傷を治療することを目的とした硬膏を製造するための上記デバイスの使用に関する。
一形態において、本発明は、とりわけ、血管の傷を治療することを目的とした血管内インプラントを製造するための上記デバイスの使用に関する。
また、本発明は、生物学的導管もしくは中空臓器の傷を治療することまたは平坦創傷を治療することを目的とした薬剤を製造するための例えば歯肉線維芽細胞などの細胞の使用に関し、細胞は、上記デバイスを用いて投与される。
一形態において、本発明は、とりわけ、例えば肉線維芽細胞などの細胞を血管の傷の治療を対象とした薬剤を製造するために使用することに関し、細胞は、上記デバイスを用いて投与される。
また、本発明は、細胞治療が必要な患者を治療する方法に関し、上記細胞治療に適した治療的に有効な量の細胞は、上記デバイスを用いて投与される。
本発明は、患者における生物学的導管または中空臓器における傷、特に血管の傷を治療する方法に関し、当該方法は、
− 上記デバイスを生物学的導管または中空臓器における傷部位、特に血管の傷部位に位置付ける工程と、
− 上記デバイスを上記創傷の治療に適した細胞、特に肉線維芽細胞の懸濁液で充填する工程と、
− 少なくとも所定期間であって、治療に有効な量の細胞が傷の方向に移動されるのに十分なかつ/または細胞が治療的に有効なパラクリン(paracrine)効果を与えるのに十分な所定期間について所定位置にデバイスを維持する工程と、
を備える。
同様に、本発明は、患者における平坦創傷、特に皮膚創傷を治療する方法に関し、当該方法は、
− 上記デバイスを平坦創傷の部位に位置付ける工程と、
− 上記デバイスを上記創傷の治療に適した細胞、特に肉線維芽細胞の懸濁液で充填する工程と、
− 少なくとも所定期間であって、治療に有効な量の細胞が創傷の方向に移動されるのに十分なかつ/または細胞が治療的に有効なパラクリン効果を与えるのに十分な所定期間について所定位置にデバイスを維持する工程と、
を備える。
好ましい形態において、上記デバイスは、単一使用のみに適している、すなわち、デバイスは、デバイスがすでに個体における細胞治療に使用されていると二度目に再使用されない。
血管内の所定位置にある本発明における第1実施形態のデバイスを示す長手方向部分断面図である。 本発明におけるデバイスを設置するためにバルーンを使用した図1と同様の図である。 図1または図2におけるデバイスを示す横断面図である。 同一デバイスを示す長手方向断面図である。 皮膚のような平坦面の所定位置にある本発明における第2実施形態のデバイスを示す斜視図である。 図5におけるデバイスを示す平面図である。
定義
本明細書で対象としているような「細胞治療法」は、例えば歯肉線維芽細胞を用いて、個体の組織における例えば血管の傷または皮膚の創傷などの傷を、上記傷を治療するのに適した細胞を上記個体に投与することによって、治すことに関する。
本明細書で対象としているような「治療薬」は、傷の治療を推進させる、促進させる、または改善する能力を有する任意の薬に関する。薬は、成長因子及びサイトカインからなるグループから選択された化合物のような、溶液中の化合物であってもよい。また、薬は、細胞懸濁液であってもよい。
本明細書で対象としているような細胞治療のための「細胞懸濁液」は、これら細胞の存続及び状況に応じてこれら細胞の成長を維持する媒体中の細胞よりなる液体化合物に関する。このような媒体は、当業者に既知である。
本明細書で対象としているような「生物学的導管」は、機能が身体内で流体またはガスを導く人体または動物の体内に見られる任意の導管に関する。生物学的導管は、とりわけ、血管の、消化器の、呼吸器のまたは泌尿生殖器の導管を包含する。
本明細書で対象としているような「生物学的導管の傷」は、上記導管の内壁における損傷または疾病に関する。
本明細書で対象としているような「中空臓器」または空洞臓器は、キャビティを備える任意の臓器に関する。中空臓器は、とりわけ、心臓及び胆嚢(biliary vesicle)または膀胱のような小胞器官を包含する。
本明細書で対象としているような「中空臓器の傷」は、上記導管の内壁における損傷または疾病に関する。
特に、本明細書で対象としているような「血管の傷」は、血管壁、好ましくは動脈壁の傷に関しており、この傷は、これら壁の損傷が異常に瘢痕化すると発生する。損傷は、低酸素状態、脂質過負荷、血流力学要因、粉瘤または高血圧のようなさまざまな原因からなる。異常な瘢痕化は、とりわけ、細胞外基質の分解と合成との間の不均衡に起因し、不均衡は、病的な血管再構築を引き起こす。異常な瘢痕化の徴候は、血管肥大(例えば動脈瘤)、エラスチンの損失及び血管収縮(例えば狭窄であり、アテローム発生または再狭窄、特に血管形成術後の再狭窄の場合に発生する)を包含する。
本明細書で対象としているような「平坦創傷」は、組織の平坦面にもたらされる任意の創傷である。平坦創傷は、とりわけ、皮膚創傷を包含する。
本明細書で対象としているような「皮膚創傷」は、表皮及び/または真皮の任意の裂傷に関する。
本発明における皮膚創傷は、特に、慢性創傷、褥瘡、静脈性潰瘍、火傷、及び放射線治療を含む偶然または医学的に関連する創傷から構成されるグループから選択される。
さらに、本発明における皮膚創傷は、同様に、外科創傷、すなわち外科手術中に自発的に形成された創傷であってもよい。このような外科創傷は、とりわけ、形成及び再建的手術または(例えば肥大症傷痕などの)傷痕修正創傷の過程で発生する創傷を包含する。
本発明における形成及び再建的手術は、例えば乳腺手術、開腹手術、鼻科外科手術、耳科外科手術、または皮膚創傷の除去などの任意のタイプであってもよい。本明細書で対象としているように、皮膚創傷は、遺伝的に傾向がある個体に見られる異常皮膚形成に、または胚形成中における異常皮膚形成の結果に関し、とりわけ、巨大母斑、口唇裂及びケロイドを包含する。
本明細書で対象としているような「平坦創傷の治療」または「皮膚創傷」は、創傷部位における治療の推進、促進または改善に関し、特に、創傷部位における機能性皮膚の形成に関する。
本明細書で対象としているような「機能性皮膚」は、非創傷皮膚領域に対して、特に皮膚の機械的性質及び皮膚のバリア機能を回復した皮膚に関する。
本明細書で対象としているような「歯肉線維芽細胞」は、歯肉の軟質結合組織内で移動可能であり、粘着可能でありかつ増殖可能である間葉細胞であって、これにより機械的応力、バクテリア感染、またはpH及び温度の変化のようなさまざまな侵襲にさらされる歯肉組織の完全性を維持する間葉細胞に関する。歯肉線維芽細胞は、とりわけ、Gogly et al., (1997) Clin. Oral Invest. 1:147-152; Gogly et al. (1998) Biochem. Pharmacol. 56:1447-1454; and Ejeil et al. (2003) J. Periodontol. 74:188-195に記載されている。
環境状態に応じて、歯肉線維芽細胞は、細胞の表現型を調節することと、基質成分または基質関連酵素を増殖、移動、合成することと、が可能である。
歯肉線維芽細胞は、コラーゲン(例えばI、III、V、VI、VII、XII型)、弾性繊維(オキシタラン、エラウニン及びエラスチン)、プロテオグリカン及びグルコサミノグリカン(例えばデコリン、バイグリカン)、糖タンパク(例えばフィブロネクチン、テネイシン)を合成する。同時に、歯肉線維芽細胞は、高分子化合物(基質分解酵素:MMPs)を分解することが可能な酵素を合成するが、MMPsの活性体を抑制する酵素(分解酵素抑制剤:TIMPs)を合成する。このため、歯肉線維芽細胞は、細胞外基質の再構成における重要な主体である。
歯肉線維芽細胞を採取し、培養しかつ保存する手順は、当業者によく知られており、特に、Naveau et al. (2006) J. Periodontol. 77:238-47に記載されている。
好ましい実施形態
図1から図4は、本発明におけるデバイスの第1実施形態を示しており、この実施形態は、血管の傷を治療するのに適している。
血管1は、図1、図2及び図4において、長手方向断面で示されており、図3において、横断面で示されている。治療デバイス2は、上記血管の内部キャビティにおいて血管の傷部位に沿って配置されている。
図1から図4のデバイス2は、全体的に管状をなしている。デバイスは、拡張可能であり、デバイスは、血管の傷部位に向けて移動され、そして拡張され、デバイスの外径D2は、血管の内径と一致する。もちろん、この外径は、血管が一定の直径も完全な縁断面も有していないため、デバイス全体に沿って変化してもよい。
デバイスは、ほぼ管状である2つの壁部21、22を備えており、1つの第1壁部21と1つの壁部22とは、それぞれ内側と外側とにある。2つの壁部は、壁部共通の長手方向端部において共に結合されており、キャビティ24は、2つの壁部間に形成される。キャビティは、好ましくは加圧下で、治療薬を有する物質3を収容している。
内壁部21は、堅固であり、図においてドットで示されている物質3は、内壁部21を通って漏洩することが防止されている。内壁部は、生体分解性である。
一方、外壁部は、血管の損傷部位と接触する部分25において、多孔性部分である。この多孔性部分25は、治療薬が通るように浸透させて治療薬を損傷部位に投薬するように設計されている。
この多孔性部分25の長手方向端部それぞれを越えて、外壁部22の長手方向端部には、2つの堅固部分26がある。これら堅固部分26が血管の壁部4と接触するように設けられているため、堅固部分は、外壁部22と壁部4との間において多孔性部分25を通って浸透する薬が漏洩することを防止する。
デバイス2がほぼ管状であるため、配置されると、デバイスは、治療中における血液流動Fを可能とする。そして、干渉は、患者に対する創傷性障害を抑制し、はるかに小さい期間及びはるかに少ない機器を必要とする。
図1に特に示されるように、デバイス2は、デバイスの径方向拡張を定めかつ治療に沿ってデバイスの拡張を維持するために用いられるステント6を備えている。特に、ステント6は、キャビティが空の場合でさえも血管の壁部4と接触する外壁部22を維持するように設計されている。拡げられた血管に使用されるステントに関して、このようなステント6は、強度が血管を拡げるよりもデバイス2を維持するために必要でないため、軽量な設計となっている。
これらステントは、自己拡張可能であり、例えばステントは、例えば20℃または25℃の手術室の温度で減少した直径で維持されており、そして、形状記憶を用いて、約37℃の患者の身体温度で大きな直径を引き起こす。
図2に示すように、自己拡張可能でない場合、ステントは、まずバルーンによって拡張され、ステントにおいて残存する弾性は、内壁部21を外壁部22に向けて推進させることによって、キャビティを空にすることを補償する。
デバイスを所定位置で解放すると、キャビティは、ほぼ空になっている。デバイスには、図4に示すように、キャビティを充填する手段7が設けられている。これら手段は、供給カテーテル(図示略)に接続するパイプ部分72と、キャビティ24を充填した後にパイプ部分72を通る物質の漏洩を防止するバルブ71と、を備えている。状況に応じて、デバイスには、排出パイプ部分と排出バルブとを備える第2充填手段が設けられており、十分な圧力がキャビティ24に達すると、バルブは、開放するように設計されており、特に過剰量の物質は、排出パイプを通って解放される。
図5及び図6は、平坦創傷、特に皮膚創傷を治療するのに適した第2実施形態を示している。
この第2実施形態において、デバイス2は、ほぼ平坦形状である。また、このデバイス2は、1つの第1壁部21と1つの第2壁部22とを有しており、2つの壁部は、壁部の共通する周辺部分26において共に結合され、キャビティ24は、2つの壁部間に形成されている。キャビティは、好ましくは加圧下で、治療薬を有する物質を収容するのに適している。第1壁部21は、堅固であり、物質は、第1壁部21を通って漏洩することが防止されている。
第2壁部22は、平坦面10と接触することが意図されている一方、第1壁部は、同様に、平坦面10の創傷領域101を環境の侵食から保護する。第2壁部22は、多孔性部分25を備えており、多孔性部分は、創傷領域101と接触し、多孔性部分を通して治療薬を浸透させて治療薬を創傷領域に分注するように設計されている。
多孔性部分25は、周辺堅固部分26で囲まれており、上記周辺部分は、好ましくは、粘着面を有して多孔性部分を創傷領域に当接して維持する。
図5における平坦配置において、第2壁部の粘着部分は、キャビティの周囲にあり、第2壁部の多孔性部分は、キャビティの全面に及んでいる。図6における平坦配置において、第2壁部の粘着部分は、キャビティと平坦面との間に配置されており、多孔性部分は、キャビティのこの側面の一部にのみ及ぶ。
有利には、第1壁部は、弾性を有しており、キャビティがいくらかの物質を収容していると、第1壁部は、キャビティ内にある物質に圧力をかけ、圧力は、物質が多孔性部分を通って現れるのに十分となっている。
デバイスには、図5に示すように、キャビティを充填する手段7が設けられている。これら手段は、第1及び第2充填手段7A、7Bを備えている。第1充填手段7Aは、供給カテーテル(図示略)に接続する供給パイプ部分72と、キャビティ24の充填後にパイプ部分72を通って物質が漏洩することを防止するバルブ71と、を備えている。第2充填手段7Bは、排出パイプ部分74と、排出バルブ75と、を備えている。十分な圧力がキャビティ24に達すると、バルブは、開放するように設計されており、特に、過剰量の物質は、排出パイプ74を通って解放される。
キャビティを充填する薬は、好ましくは、細胞の懸濁液である。また、細胞の懸濁液は、治療化合物よりなる。好ましくは、懸濁液にある細胞は、歯肉線維芽細胞である。
有利には、歯肉線維芽細胞は、動脈再構築病変(国際公開第2006/013261号パンフレット)を治療するため、最近では皮膚創傷治療を推進しかつ促進するに示されている。また、有利には、歯肉線維芽細胞は、容易にサンプリングされかつ培養される。さらに、歯肉線維芽細胞は、高膨張速度を有している。したがって、歯肉線維芽細胞は、自己線維芽細胞のほぼ無限の源を提供する。
また、好ましくは、細胞治療に使用される細胞は、自己系である、すなわち、細胞は、投与されることを対象とした個体から採取される。好ましくは、個体は、哺乳類であり、より好ましくは人間である。しかしながら、細胞は、同様に同種異系である、すなわち、細胞は、同種または異種の別の個体から採取され、細胞は、別の種の別の個体から採取される。
デバイス内の細胞数は、好ましくは、10/mlから10/mlである。キャビティが充填されて薬がキャビティを充填する場合のキャビティの容積は、圧力を受けており、薬は、状況に応じて多孔性壁部を通って、傷の方向へ移動する傾向がある。好ましくは、容積は、100μlから20mlである。
本発明におけるデバイスの移植手術は、当業者に明らかである。
例えば、皮膚創傷について、デバイスの多孔性壁部は、創傷に並置されており、例えば粘着手段を介して、密接した状態で維持されている。本発明におけるデバイスを血管に移植することに関して、当業者は、例えばステント移植に採用された一般的な手術にしたがう。簡潔には、シースは、大腿動脈に挿入され、そして、ワイヤは、大動脈を通って進められる。その後、デバイスを運搬するカテーテルは、デバイスが所望部位に達するまでワイヤにわたって進められる。
以下の特許請求の範囲で説明されるように、精密には説明されていない多様な構成及び実施形態が本発明の挟持の下で実施されることは、当業者に明らかである。
例えば、ステントの使用は、強制的に必要ではない。このため、内壁部は、キャビティが空になるにしたがって次第に拡大するのに十分な弾性を有してもよく、したがって、キャビティにおける十分な圧力を維持して多孔性部分25を通って物質を浸透させ、かつ、外壁部22を血管の壁部4に当接したままとする。
好ましくは、ステントは、ポリ乳酸のような吸収性物質で形成されている。吸収性でない場合、ステントは、鋼またはニチノール(Nitrinol)で形成されてもよい。
効能に応じて、第2壁部は、省略されてもよい。そして、キャビティは、組織と第1堅固壁部との間に形成されている。
好ましい実施形態において、上述したデバイスは、単一使用のみに適している、すなわち、デバイスは、デバイスがすでに個体における細胞治療に使用されていると二度目に再使用されない。
1 血管(生体組織)、2 デバイス,治療デバイス、3 物質(治療物質)、6 ステント(拡張手段)、7 手段(充填手段)、7A 第1充填手段、7B 第2充填手段、10 平坦面、21 第1壁部,内壁部、22 第2壁部,外壁部、24 キャビティ、25 多孔性部分,部分、26 堅固部分,周辺部分,周辺堅固部分、71 バルブ、72 パイプ部分,供給パイプ部分、74 排出パイプ,排出パイプ部分、75 排出バルブ、101 創傷領域

Claims (15)

  1. 細胞治療のためのデバイスであって、
    当該デバイスは、
    生体組織に付けられるように設計されており、
    少なくとも堅固な第1壁部であって当該第1壁部と前記生体組織との間にキャビティを形成するように設計されている第1壁部と、
    少なくとも多孔性部分を有する第2壁部と、
    前記キャビティに治療物質を供給する供給手段と、を有し、
    前記キャビティは、前記第1及び第2壁部間に形成されており、
    治療薬は、前記多孔性部分を通って投与され、
    前記第2壁部は、生体適合性を有し、
    当該デバイスは、ほぼシリンダ状をなしており、
    前記第1壁部は、堅固な内壁部であり、
    前記第2壁部は、外壁部であり、
    拡張手段は、前記内壁部に径方向外方の圧力をもたらし、前記内壁部を前記外壁部に推進させるために設けられており、当該デバイスの径方向拡張をもたらす傾向があることを特徴とするデバイス。
  2. 前記供給手段は、供給カテーテルに接続して前記治療物質を供給して供給後に当該供給手段を通って供給された前記治療物質が漏洩することを防止するバルブを備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
  3. 当該デバイスの2つのほぼ反対側の端部それぞれに1つある少なくとも2つの前記バルブがあることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
  4. カテーテル部分は、取り外し可能な方式で、前記供給カテーテルを分岐するように設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のデバイス。
  5. 前記多孔性部分は、微小穿孔材料で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のデバイス。
  6. 前記多孔性部分は、ウィードファブリックで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のデバイス。
  7. 前記多孔性部分は、コラーゲンで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のデバイス。
  8. 前記第1及び第2壁部の一方は、前記第1及び第2壁部の他方を向く面において、浮彫状のパターンを備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のデバイス。
  9. 前記外壁部は、2つの堅固な環状端部と、前記環状端部間にある前記多孔性部分と、を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のデバイス。
  10. 前記拡張手段は、弾性手段であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のデバイス。
  11. 前記拡張手段は、ステント型であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のデバイス。
  12. 前記キャビティを充填する治療薬は、細胞の懸濁液であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のデバイス。
  13. 前記懸濁液中の前記細胞は、歯肉線維芽細胞であることを特徴とする請求項12に記載のデバイス。
  14. 生物学的導管または中空臓器における傷の治療に使用されることを特徴とする請求項1から13いずれか1項に記載のデバイス。
  15. 血管の傷の治療に使用されることを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
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