JP7350233B2 - 乗客コンベア - Google Patents

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Description

本発明は、循環移動する無端搬送体により乗客を搬送する乗客コンベアに関する。
エスカレータや動く歩道といった乗客コンベアは、乗降口と搬送部とを備える。乗降口は、通路の始端部と終端部とに設けられる(乗り口及び降り口)。搬送部は、無端搬送体を備え、無端搬送体が通路に沿って循環移動することにより、乗客を搬送する。乗客は、乗り口から無端搬送体の始端部(乗客受け入れ部)まで移動し、無端搬送体に乗り込むと、無端搬送体により搬送され、しかる後、無端搬送体の終端部(乗客送り出し部)に到達すると、降り口まで移動し、そのまま移動して乗客コンベアを後にする。
無端搬送体は動いており、降り口はもちろん静止しており、両者間に速度差が生じる。このため、通常、乗客は、降り口が近くなってくると、注意をし始め、降り口への移動時に一定の注意を払う。しかし、何らかの理由で注意が欠如し、何の心積もりもないまま降り口に到着する場合もある。この場合、乗客は、突然の事態に焦燥感を抱くこととなる。
これについては、降り口付近において「立ち止まらずにお進みください。」等の音声案内を行う音声案内部を設けるといった対策が既に実施されている。しかし、近年は、イヤフォンやヘッドフォンを装着している乗客が増えている。このような周囲の環境音を遮断してしまっている乗客にとって、音声案内による注意喚起は有効でない。
そこで、この解決策として、降り口の先端部(コム)に配置される光源を備え、この発光をもって降り口であることを表示する表示部を備える乗客コンベア(特許文献1)や、降り口付近の無端搬送体の下方に配置される光源を備え、踏段間の隙間から放出される光をもって無端搬送体の終端部であることを表示する表示部を備える乗客コンベアが提案されている。
実開平3-33880号のマイクロフィルム
しかし、これら表示部は、降り口付近に設けられ、乗客が表示部による表示を明確に認識するのは、降り口に到着する間際である。すなわち、これら表示部は、乗客に対し、注意喚起のための十分な時間を与えるものではない。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、早い段階で注意喚起することにより、乗客が確実にかつ余裕を持って降り口への到着に備えることができ、降り口への移動時の安全性を高めることができる乗客コンベアを提供することを課題とする。
本発明に係る乗客コンベアは、
通路に沿って循環移動する無端搬送体と、降り口とを備える乗客コンベアであって、
降り口付近に設けられ、無端搬送体に乗っている乗客に対し、降り口であること又は無端搬送体の終端部であることを表示する表示部と、
表示部よりも無端搬送体の上流側に設けられ、無端搬送体に乗っている乗客に対し、表示部とは異なる表示態様をもって表示部を補完する表示を行う補完表示部とを備える
乗客コンベアである。
ここで、本発明に係る乗客コンベアの一態様として、
無端搬送体は、複数の踏段が無端状に連結されて構成され、
表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、無端搬送体の下方に配置される光源を備え、踏段間の隙間から放出される光をもって表示を行う
との構成を採用することができる。
また、本発明に係る乗客コンベアの他態様として、
無端搬送体は、全長に亘って所定の間隔を有して形成される透光部を備え、
表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、無端搬送体の下方に配置される光源を備え、透光部から放出される光をもって表示を行う
との構成を採用することができる。
また、本発明に係る乗客コンベアの別の態様として、
無端搬送体の側方に通路に沿って配置され、ハンドレールを循環移動可能に支持する欄干を備え、
表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、無端搬送体の下方に配置される光源を備え、無端搬送体の側縁部及び欄干の下部間の隙間から放出される光をもって表示を行う
との構成を採用することができる。
また、本発明に係る乗客コンベアのさらに別の態様として、
無端搬送体の側方に通路に沿って配置され、ハンドレールを循環移動可能に支持する欄干を備え、
表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、欄干又は欄干の内部に配置される光源を備え、欄干から放出される光をもって表示を行う
との構成を採用することができる。
また、本発明に係る乗客コンベアのさらに別の態様として、
補完表示部は、通路に沿って長尺にかつ表示部に繋がるように設けられ、色の変化をもってグラデーション表示を行う
との構成を採用することができる。
本発明によれば、表示部による表示に先立ち、降り口から表示部よりも離れた箇所で補完表示部による表示が行われる。このため、本発明によれば、早い段階で注意喚起することにより、乗客が確実にかつ余裕を持って降り口への到着に備えることができ、降り口への移動時の安全性を高めることができる。
しかも、本発明によれば、表示部及び補完表示部は、互いに異なる表示態様である。このため、本発明によれば、表示部による表示を補完表示部による表示と明確に区別して認識することができ、ひいては、降り口であること又は無端搬送体の終端部であることを明確に認識することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエスカレータの、無端搬送体から降り口への移行領域の一部断面側面図である。 図2(a)は、無端搬送体の斜視図である。図2(b)は、無端搬送体及び降り口の境界付近の平面図である。 図3は、図1のA-A線断面図である。 図4は、実施形態1に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の平面図である。 図5は、実施形態1の変形例に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の平面図である。 図6は、実施形態2に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の平面図である。 図7は、実施形態2の変形例に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の平面図である。 図8は、実施形態3に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の平面図である。 図9は、実施形態4に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の平面図である。 図10は、実施形態4の変形例に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の平面図である。 図11は、実施形態5に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の一部断面側面図である。 図12は、実施形態5の変形例に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の一部断面側面図である。 図13は、実施形態6に係る表示部及び補完表示部を備えるエスカレータであって、図1に対応する箇所の一部断面側面図である。
<全体構成>
以下、本発明に係る実施形態として、乗客コンベアの一つであるエスカレータの各実施形態について説明するが、まずはこれに先立ち、エスカレータの全体構成について説明する。
図1に示すように、エスカレータ1は、トラス(図示しない)と、乗降口3と、搬送部4と、ハンドレール部5と、制御部(図示しない)とを備える。トラスは、エスカレータ1の自重及び積載荷重を支える構造体である。乗降口3は、トラスの両端部の上部に設けられる。搬送部4は、トラスに支持され、踏面が通路に沿って移動することにより、乗客をその位置に立たせたまま歩かせることなく搬送する。ハンドレール部5も、トラスに支持され、通路の左右に通路に沿って設けられる。制御部は、エスカレータ1の各部に対する制御を行い、エスカレータ1の円滑な運行を制御する。
乗降口3は、トラスの水平端部の上部に設けられる。乗降口3は、フロアプレート30を備える。フロアプレート30は、乗降口3の床を構成し、通路の端部(始端部及び終端部)を構成する。フロアプレート30の先端部には、櫛歯状のコム31が取り付けられる。コム31は、左右方向において複数に分割され、それぞれが矩形状(長方形状)を有する。複数のコム31,…は、左右方向に並んで配置されることにより、フロアプレート30の先端部に沿った左右方向に長い帯状となる。フロアプレート30の先端(コム31の先端)は、乗降口3と搬送部4との境界を画する。
搬送部4は、無端搬送体40を備える。無端搬送体40は、複数の踏段(ステップ)41,…が踏段チェーン42を介して無端状に連結されたものである。無端搬送体40は、トラス内にトラスの長手方向に沿って循環移動可能に配置される。無端搬送体40は、トラス内に配置される駆動モータ(図示しない)の駆動に伴って踏段チェーン42が循環移動することにより、一方向又は反対方向に循環移動する。
図2(a)に示すように、踏段41は、踏板部41aと、ライザ部(縦板部)41bと、ヨーク部41cとを備える。踏板部41aは、水平面に沿った板状であり、上面が踏面となる。ライザ部41bは、踏板部41aの後端から垂下する板状であり、円弧面状に湾曲しつつ下方に延びる。ヨーク部41cは、踏板部41aの側縁とライザ部41bの側縁とを連結する補強材である。ヨーク部41cは、左右に一対設けられる。
図2(b)に示すように、踏段41の踏板部41aの上面には、複数の凸条41d,…が形成される。凸条41dは、踏板部41aの後端から先端にかけて、踏段41の奥行方向に沿って設けられる。凸条41dは、踏段41の幅方向に所定の間隔を有して並列し、踏板部41aの上面全面に設けられる。これにより、踏板部41aの上面は、凸条41dが凸部となり、凸条41d,41d間が凹部となる凹凸部41eを備える。
凸条41dは、踏板部41aの先端及び後端において、端部が突出したものが1つおきに設けられる。これにより、踏板部41aの先端及び後端は、凸条41dの端部位置が交互に変位して千鳥状となる凹凸端部41f,41gを備える。隣り合う踏段41,41は、乗降口3の近傍では、踏板部41a,41aの上面同士が面一となり、水平に連なるが、この状態において、一方の踏段41の先端側の凹凸端部41fと、他方の踏段41の後端側の凹凸端部41gとは、所定の隙間を有して非接触状態で噛み合う。
図3に示すように、ハンドレール部5は、ハンドレール50と、欄干51とを備える。ハンドレール50は、移動手摺とも呼ばれ、可撓性を有する無端状である。ハンドレール50は、無端搬送体40と連動して循環移動する。欄干51は、無端搬送体40の側方に無端搬送体40の長手方向に沿って配置される。欄干51は、下辺部がトラス2に支持され、ハンドレール50を循環移動可能に支持する。ハンドレール50及び欄干51は、通路の両側に通路に沿って一対設けられる。
欄干51は、欄干パネル52と、スカートガード53と、外装材54と、デッキカバー55と、ハンドレールガイド56とを備える。欄干パネル52は、ハンドレール50の上辺部である往路部分50A及び下辺部である復路部分50B間に縦に配置され、通路に面する。スカートガード53は、欄干パネル52よりも内側に欄干パネル52の下辺部の高さ位置から下方に縦に配置され、通路に面する。外装材54は、欄干パネル52よりも外側に欄干パネル52の下辺部の高さ位置から下方に縦に配置され、スカートガード53と所定の間隔を有して縦に配置される。デッキカバー55は、スカートガード53及び外装材54間の上部開放部を閉鎖するように脱着自在に取り付けられる。ハンドレールガイド56は、ハンドレール50の往路部分50A及び復路部分50Bのそれぞれを案内支持する。このように、欄干51は、スカートガード53、外装材54及びデッキカバー55に囲まれる内部空間を有する。ハンドレール50の復路部分50Bは、内部空間に収容され、外部から遮蔽される。
図1に示すように、エスカレータ1は、さらに、表示部6と、補完表示部7とを備える。表示部6は、降り口3付近に設けられ、降り口3であること又は無端搬送体40の終端部であることを表示するためのものである。補完表示部7は、表示部6よりも無端搬送体40の上流側に設けられ、表示部6を補完するためのものである。
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る表示部6及び補完表示部7を備えるエスカレータ1について説明する。
図4に示すように、表示部6は、無端搬送体40の下方に、より詳しくは、降り口3付近の無端搬送体40の下方に配置される。表示部6は、光源を備える。光源は、図中の四角の破線枠の大きさを有する基板の上面に実装される。光源は、たとえば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のLED素子を備えて構成される多色LEDである。複数のLEDが基板の上面に互いに所定の間隔を有して二次元配列で配置される。
補完表示部7も、表示部6と同様の構成である。補完表示部7は、無端搬送体40の下方に、より詳しくは、無端搬送体40の下方であって、無端搬送体40の長手方向に沿って長尺にかつ表示部6に繋がるように配置される。補完表示部7は、光源を備える。光源は、図中の四角の破線枠の大きさを有する基板の上面に実装される。光源は、たとえば、多色LEDである。複数のLEDが基板の上面に互いに所定の間隔を有して二次元配列で配置される。なお、補完表示部7は、無端搬送体40の長手方向においていくつかに分割されていてもよい。
表示部6及び補完表示部7の各基板は、図示しない電源線ないし信号線を介して制御部に電気的に接続される。これにより、光源(複数の発光体(LED)の集合体)は、制御部により、点灯、点滅、消灯が制御される。なお、表示部6及び補完表示部7は、その他、各種の公知の形態のものを採用することができる。
表示部6及び補完表示部7から照射された光は、前後において隣り合う踏段41,41間の隙間(図2(b)の一方の踏段41の先端側の凹凸端部41f及び他方の踏段41の後端側の凹凸端部41g間の隙間)を通って踏段41の上方に放出される(放出光6a,7a~7d)。これにより、表示部6及び補完表示部7は、踏段41,41間の隙間から放出される光をもって表示を行う。一例として、放出光7aの色は赤色であり、放出光7bの色は橙色であり、放出光7cの色は黄色であり、放出光7dの色は黄緑色であり、放出光6aの色は緑色である。表示部6及び補完表示部7は、これら色の変化をもってグラデーション表示を行う。
以上のとおり、実施形態1に係るエスカレータ1によれば、表示部6による表示に先立ち、降り口3から表示部6よりも離れた箇所で補完表示部7による表示が行われる。このため、実施形態1に係るエスカレータ1によれば、早い段階で注意喚起することにより、乗客が確実にかつ余裕を持って降り口3への到着に備えることができ、降り口3への移動時の安全性を高めることができる。
しかも、実施形態1に係るエスカレータ1によれば、表示部6及び補完表示部7は、互いに異なる表示態様(表示色)である。このため、実施形態1に係るエスカレータ1によれば、表示部6による表示を補完表示部7による表示と明確に区別して認識することができ、ひいては、降り口3であること又は無端搬送体40の終端部であることを明確に認識することができる。
また、実施形態1に係るエスカレータ1によれば、表示部6及び補完表示部7は、無端搬送体40の移動方向に沿って表示色が次第に変化するグラデーション表示を行う。このため、実施形態1に係るエスカレータ1によれば、高い審美性を有するエスカレータを提供することができ、また、乗客に高揚感を与えることができる。
<実施形態1の変形例>
図5に示すように、補完表示部7は、表示部6に繋がる長尺のものではなく、表示部6からある程度離れた箇所(たとえば降り口3から数メートル離れた箇所)に配置されるものであってもよい。この場合、一例として、放出光7aの色は赤色である。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る表示部6及び補完表示部7を備えるエスカレータ1について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
図6に示すように、表示部6は、無端搬送体40の下方に、より詳しくは、降り口3付近の無端搬送体40の左右の側縁部の下方に側縁部に沿って配置される。図中の縦長の四角の破線枠の大きさを有する基板の上面に、複数のLEDが互いに所定の間隔を有して二次元配列又は一次元配列で配置される。
補完表示部7も、表示部6と同様の構成である。補完表示部7は、無端搬送体40の下方に、より詳しくは、無端搬送体40の下方であって、無端搬送体40の左右の側縁部の長手方向に沿って長尺にかつ表示部6に繋がるように配置される。図中の縦長の四角の破線枠の大きさを有する基板の上面に、複数のLEDが互いに所定の間隔を有して二次元配列又は一次元配列で配置される。なお、補完表示部7は、無端搬送体40の長手方向においていくつかに分割されていてもよい。
表示部6及び補完表示部7から照射された光は、無端搬送体40の側縁部及び欄干51の下部(スカートガード53)間の隙間(図3参照)を通って踏段41の上方に放出される(放出光6a,7a~7d)。これにより、表示部6及び補完表示部7は、無端搬送体40の側縁部及び欄干51の下部(スカートガード53)間の隙間から放出される光をもって表示を行う。一例として、放出光7aの色は赤色であり、放出光7bの色は橙色であり、放出光7cの色は黄色であり、放出光7dの色は黄緑色であり、放出光6aの色は緑色である。表示部6及び補完表示部7は、これら色の変化をもってグラデーション表示を行う。
このように、実施形態2に係るエスカレータ1によっても、実施形態1に係るエスカレータ1が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
<実施形態2の変形例>
図7に示すように、補完表示部7は、表示部6に繋がる長尺のものではなく、表示部6からある程度離れた箇所(たとえば降り口3から数メートル離れた箇所)に配置されるものであってもよい。この場合、一例として、放出光7aの色は赤色である。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係る表示部6及び補完表示部7を備えるエスカレータ1について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1及び実施形態2と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1及び実施形態2についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
図8に示すように、表示部6及び補完表示部7は、実施形態1に係る表示部6と、実施形態2に係る補完表示部7の組み合わせである。なお、表示部6は、無端搬送体40の長手方向における幅が小さくなっており、無端搬送体40の幅方向に沿う放出光6aは、フロアプレート30の先端付近の1つのみとなる。
このように、実施形態3に係るエスカレータ1によっても、実施形態1に係るエスカレータ1が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。加えて、実施形態3に係るエスカレータ1によれば、降り口3に向かう無端搬送体40の先端縁部及び左右の側縁部がコ字状に縁取られるようにかつグラデーション的に彩られる。このため、実施形態3に係るエスカレータ1によれば、さらに審美性を高めることができる。
<実施形態4>
次に、実施形態4に係る表示部6及び補完表示部7を備えるエスカレータ1について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1ないし実施形態3と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1ないし実施形態3についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
図9に示すように、表示部6及び補完表示部7の配置は、実施形態1に係る表示部6及び補完表示部7と同様である。ここで、実施形態1に係るエスカレータ1が下りの場合、踏段41のライザ部41bが円弧状に湾曲しているため、乗客から踏段41,41間の隙間を通る補完表示部7の放出光7a~7dを確認しにくい場合がある。これは、補完表示部7の出力(光量)を上げることで解決することができる。しかし、別の観点で解決を図るのが実施形態4である。
具体的には、踏段41の踏板部41aには、内外を連通する開口からなる透光部41hが形成される。開口は、踏段41の幅方向に沿って長尺な開口である。あるいは、開口は、複数の孔が所定の間隔を有して踏段41の幅方向に形成されるものであってもよい。開口の形態は特に問わない。ただし、いずれの形態であっても、透光部41hは、開口を透明な樹脂で塞ぐ等、異物侵入防止等の観点から、開放されたままにしないようにするのが好ましい。
表示部6及び補完表示部7から照射された光は、透光部41hを通って踏段41の上方に放出される(放出光6a,7a~7d)。これにより、表示部6及び補完表示部7は、透光部41hから放出される光をもって表示を行う。一例として、放出光7aの色は赤色であり、放出光7bの色は橙色であり、放出光7cの色は黄色であり、放出光7dの色は黄緑色であり、放出光6aの色は緑色である。表示部6及び補完表示部7は、これら色の変化をもってグラデーション表示を行う。
このように、実施形態4に係るエスカレータ1によっても、実施形態1に係るエスカレータ1が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
<実施形態4の変形例>
図10に示すように、補完表示部7は、表示部6に繋がる長尺のものではなく、表示部6からある程度離れた箇所(たとえば降り口3から数メートル離れた箇所)に配置されるものであってもよい。この場合、一例として、放出光7aの色は赤色である。
<実施形態5>
次に、実施形態5に係る表示部6及び補完表示部7を備えるエスカレータ1について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1ないし実施形態4と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1ないし実施形態4についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
図11に示すように、表示部6及び補完表示部7は、欄干51又は欄干51の内部に配置される。一例として、表示部6及び補完表示部7は、欄干パネル52に配置される。たとえば、欄干パネル52がガラス製である場合、表示部6及び補完表示部7は、ガラスに埋め込まれる。あるいは、表示部6及び補完表示部7は、欄干パネル52の外面側に配置されるものであってもよい。また、欄干パネル52がステンレス等の金属材である場合、表示部6及び補完表示部7が欄干パネル2の外面側に配置された上で、欄干パネル52には、内外を連通する開口からなる透光部52aが形成される。別例として、表示部6及び補完表示部7は、スカートガード53の裏面側に配置される。この場合、スカートガード53には、内外を連通する開口からなる透光部53aが形成される。さらに別例として、表示部6及び補完表示部7は、ハンドレールガイド56内に配置される。この場合、ハンドレールガイド56には、内外を連通する開口からなる透光部が形成される。もちろん、表示部6及び補完表示部7は、これらの適宜の組み合わせであってもよい。
表示部6及び補完表示部7から照射された光は、欄干51から側方に放出される。これにより、表示部6及び補完表示部7は、欄干51から放出される光をもって表示を行う。表示部6及び補完表示部7は、実施形態1ないし実施形態4と同様、グラデーション表示を行う。
このように、実施形態5に係るエスカレータ1によっても、実施形態1に係るエスカレータ1が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
<実施形態5の変形例>
図12に示すように、補完表示部7は、表示部6に繋がる長尺のものではなく、表示部6からある程度離れた箇所(たとえば降り口3から数メートル離れた箇所)に配置されるものであってもよい。この場合、一例として、放出光の色は赤色である。
<実施形態6>
次に、実施形態6に係る表示部6及び補完表示部7を備えるエスカレータ1について説明する。なお、以下においては、主として実施形態1ないし実施形態5と異なる点について記載し、同じ点については、実施形態1ないし実施形態5についての記載と同様であるとして、記載を省略する。
図13に示すように、補完表示部7は、ハンドレール部5の外側(2機又は3機以上のエスカレータ1が並設される場合、隣り合うエスカレータ1,1のハンドレール部5,5間の空間部)に配置される。一例として、ハンドレール部5の外側には、ポール8等の立設体が設置され、補完表示部7は、ポール8の上に取り付けられる。補完表示部7は、たとえば表示灯で構成される。補完表示部7は、実施形態1ないし実施形態5と同様、表示部6と異なる表示態様(表示色)で表示を行う。一例として、補完表示部7は、赤色の光を発する。
このように、実施形態6に係るエスカレータ1によっても、実施形態1に係るエスカレータ1が奏する作用効果と同様の作用効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、表示色(発光色)が異なることにより、表示部6及び補完表示部7の表示態様が異なるようにしている。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、同じ色であっても、表示部6は点灯、補完表示部7は点滅、というような分け方であってもよい。
また、上記実施形態においては、補完表示部7が長尺である場合、グラデーション表示を行うようになっている。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、補完表示部7は、表示部6とは異なる単一の表示色をもって表示を行うものであってもよい。
また、上記実施形態においては、乗客コンベアは、エスカレータである。しかし、本発明は、動く歩道にも適用できることは言うまでもない。なお、動く歩道には、踏段式の無端搬送体を備えるものと、ベルト式の無端搬送体(無端帯状搬送体)を備えるものとがある。
また、物理的に干渉するものでない限り、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に適用すること、以上に記載した技術要素を他の実施形態ないし例に係る技術要素と置換すること、以上に記載した技術要素同士を組み合わせること等は、当然に可能であり、これは、本発明が当然に意図するところである。
1…エスカレータ、2…トラス、3…乗降口、30…フロアプレート、31…コム、4…搬送部、40…無端搬送体、41…踏段、41a…踏板部、41b…ライザ部、41c…ヨーク部、41d…凸条、41e…凹凸部、41f,41g…凹凸端部、41h…透光部、42…踏段チェーン、5…ハンドレール部、50…ハンドレール、50A…往路部分、50B…復路部分、51…欄干、52…欄干パネル、52a…透光部、53…スカートガード、53a…透光部、54…外装材、55…デッキカバー、56…ハンドレールガイド、6…表示部、6a…放出光、7…補完表示部、7a~7d…放出光、8…ポール

Claims (6)

  1. 通路に沿って循環移動する無端搬送体と、降り口とを備える乗客コンベアであって、
    降り口付近に設けられ、無端搬送体に乗っている乗客に対し、降り口であること又は無端搬送体の終端部であることを表示する表示部と、
    表示部よりも無端搬送体の上流側に設けられ、無端搬送体に乗っている乗客に対し、表示部とは異なる表示態様をもって表示部を補完する表示を行う補完表示部とを備える
    乗客コンベア。
  2. 無端搬送体は、複数の踏段が無端状に連結されて構成され、
    表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、無端搬送体の下方に配置される光源を備え、踏段間の隙間から放出される光をもって表示を行う
    請求項1に記載の乗客コンベア。
  3. 無端搬送体は、全長に亘って所定の間隔を有して形成される透光部を備え、
    表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、無端搬送体の下方に配置される光源を備え、透光部から放出される光をもって表示を行う
    請求項1又は請求項2に記載の乗客コンベア。
  4. 無端搬送体の側方に通路に沿って配置され、ハンドレールを循環移動可能に支持する欄干を備え、
    表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、無端搬送体の下方に配置される光源を備え、無端搬送体の側縁部及び欄干の下部間の隙間から放出される光をもって表示を行う
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
  5. 無端搬送体の側方に通路に沿って配置され、ハンドレールを循環移動可能に支持する欄干を備え、
    表示部及び補完表示部のいずれか一方又は両方は、欄干又は欄干の内部に配置される光源を備え、欄干から放出される光をもって表示を行う
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
  6. 補完表示部は、通路に沿って長尺にかつ表示部に繋がるように設けられ、色の変化をもってグラデーション表示を行う
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の乗客コンベア。
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