JPH08208172A - マンコンベアの安全表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】マンコンベアの乗客に踏段の終端部で降り口で
あることを明示して注意を喚起し、乗降板に足を引っか
けたりする等の事故を未然に防止してマンコンベアへの
乗客の安全な乗降を確保する。 【構成】無端状に多数連結されて走行移動するマンコン
ベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設けられ、外部
から電力が供給される複数個の表示手段と、踏段が降り
口に近づいたことを検出すると作動する位置検出手段
と、位置検出手段が作動すると、各表示手段を表示駆動
する制御手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばエスカレータや
動く歩道等のマンコンベアの乗降口における安全表示装
置に係り、特にマンコンベアの乗客に踏段の終端部で降
り口であることを明示して注意を喚起し、マンコンベア
への乗客の安全な乗降を確保できるようにしたマンコン
ベアの安全表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図１１は、この種のマンコンベアの一種
である従来の一般的なエスカレータの機器構成例を示す
斜視図、図１２は図１１のエスカレータの断面図、図１
３および図１４は図１２の踏段の拡大図である。

【０００３】すなわち、図１１に示すように、無端状に
多数連結されて走行移動する踏段１を備えたエスカレー
タは、駆動装置２ａからの動力が駆動チェーン２ｂを介
して伝達され、踏段駆動輪２ｃを回転させる。

【０００４】また、踏段駆動輪２ｃと下部にある踏段従
動輪３との間には、エンドレスの踏段チェーン４が取り
付けられて連続的に回転し、この踏段チェーン４により
連結された多数の踏段１を階段状に配列しながら走行移
動させて、乗降板５から乗り込んだ乗客を、建物の上階
側、あるいは下階側に搬送するようになっている。

【０００５】一方、踏段１の移動には、エスカレータの
表面が出ている時には、図１２に示す上段ガイドレール
６ａに沿って走行し、下側の見えない部分の移動では、
下段ガイドレール６ｂ、中段ガイドレール６ｃに沿って
走行する。

【０００６】また、踏段チェーン４には、前輪７、後輪
８の４個のローラを有する踏段１が取り付けられ、人の
乗る踏段クリート９が水平を保つように製作された上段
ガイドレール６ａ上をローラが走行する。

【０００７】さらに、前輪７は、踏段チェーン４によ
り、そのシャフトＡ１０がそれぞれ連結されている。さ
らにまた、後輪８は、踏段１に取り付けられている。

【０００８】ところで、このようなエスカレータにおい
ては、踏段１上の乗客が踏段１から降りる時に、乗降口
付近で降り口であることの表示がないため、乗降板５に
足を引っかけたりする事故が発生する危険性がある。

【０００９】そこで、最近では、このような事故の発生
を未然に防止するために、乗り降りの際に降り口の付近
において、踏段１の裏面下方に照明を取り付け、そのス
テップ間の隙間からの光によって、乗客に降り口が近づ
いたことの注意を喚起したり、あるいは案内放送装置を
設けて、乗り降りの注意を放送したりする等の、種々の
処置を施してきている。

【００１０】しかしながら、このような方法では、乗客
の危険防止にある程度の効果はあるものの、どの乗客の
目にも止まると言った程のアピール度はなく、視覚的に
強い印象を受けないことから、乗客に対する注意や警告
の効果が薄いものとなっている。

【００１１】また、案内放送により注意を促しても、乗
客が会話中であったり、あるいは携帯ラジオ等をイアホ
ーンで聞いたりしている場合等には、放送が聞き取れ
ず、危険防止に何らの効果も得られない。こうしたこと
から、現在でも、エスカレータ等のマンコンベアにおい
ては、危険防止のため、乗客に対するより適切な処置の
出現が常に望まれている。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
マンコンベアの安全処置方法においては、乗客が乗降板
に足を引っかけたりする等の事故の発生を防止すること
ができず、乗客の安全を確保する上で問題があった。

【００１３】本発明の目的は、マンコンベアの乗客に踏
段の終端部で降り口であることを明示して注意を喚起
し、乗降板に足を引っかけたりする等の事故を未然に防
止してマンコンベアへの乗客の安全な乗降を確保するこ
とが可能なマンコンベアの安全表示装置を提供すること
にある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項１に係る発明のマンコンベアの安全
表示装置は、無端状に多数連結されて走行移動するマン
コンベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設けられ、
外部から電力が供給される複数個の表示手段と、踏段が
降り口に近づいたことを検出すると作動する位置検出手
段と、位置検出手段が作動すると、各表示手段を表示駆
動する制御手段とを備えて成る。

【００１５】また、請求項２に係る発明のマンコンベア
の安全表示装置は、無端状に多数連結されて走行移動す
るマンコンベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設け
られた複数個の表示手段と、踏段が降り口に近づいたこ
とを検出すると作動する位置検出手段と、マンコンベア
のトラスに踏段の走行方向に沿って設けられた照明手段
と、踏段の蹴上げ部分の表面に設けられ、外部からの
光、または照明手段からの光を受光して発電を行ない、
各表示手段に電力を供給する電源手段と、位置検出手段
が作動すると、各表示手段を表示駆動する制御手段とを
備えて成る。

【００１６】さらに、請求項３に係る発明のマンコンベ
アの安全表示装置は、無端状に多数連結されて走行移動
するマンコンベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設
けられた複数個の表示手段と、踏段が降り口に近づいた
ことを検出すると作動する位置検出手段と、マンコンベ
アの踏段の後輪ローラに連動させて設けられ、踏段の走
行に伴って発電を行ない、各表示手段に電力を供給する
発電機とを備えて成る。

【００１７】ここで、特に上記各表示手段は、踏段クリ
ートの上面に“ＥＸＩＴ”等の所定の文字の形態に配列
するように設けることが望ましい。また、上記各表示手
段として発光ダイオード（ＬＥＤ）を用いることが望ま
しい。

【００１８】さらに、上記各表示手段は、踏段クリート
に穴を開けて当該穴の中に埋設し、かつ当該穴の開口部
に、各表示手段からの光を踏段クリートの上面に投光す
るレンズを設けることが望ましい。

【００１９】また、上記位置検出手段としてリミットス
イッチを用いることが望ましい。さらに、上記照明手段
として蛍光灯を用い、また電源手段としてソーラバッテ
リを用いることが望ましい。

【００２０】

【作用】従って、まず、請求項１に係る発明のマンコン
ベアの安全表示装置においては、踏段が降り口に近づく
と位置検出手段が作動し、その間、制御手段によって各
表示手段が表示駆動されることにより、乗客に踏段の終
端部で降り口であることを明示して注意を喚起し、乗降
板に足を引っかけたりする事故を未然に防止して、マン
コンベアの安全性を高めることができる。

【００２１】また、請求項２に係る発明のマンコンベア
の安全表示装置においては、上記作用に加えて、マンコ
ンベアの踏段が上面を移動する間は、外部からの照明に
よって電源手段に光が供給され、また踏段が下側の見え
ない部分を移動している間は、照明手段によって電源手
段に光が供給され、その発電によって電源手段から各表
示手段へ電力が供給されることにより、踏段外部からの
直接の電力の供給を不要とすることができ、外部からは
照明手段のみへの電力供給だけで済むことになる。

【００２２】さらに、請求項３に係る発明のマンコンベ
アの安全表示装置においては、上記作用に加えて、マン
コンベアの踏段の後輪ローラに設けた発電機が、踏段の
走行に伴って発電を行ない、その発電によって発電機か
ら各表示手段へ電力が供給されることにより、踏段外部
からの直接の電力の供給を不要とすることができる。

【００２３】以上により、マンコンベアの乗客に、踏段
の終端部で降り口であることを強力に明示して注意を喚
起し、乗降板に足を引っかけたりする等の事故を未然に
防止して、マンコンベアへの乗客の安全な乗降を確保す
ることができる。

【００２４】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。 （第１の実施例）図１は本発明の第１の実施例によるマ
ンコンベアであるエスカレータの安全表示装置の構成例
を示す上面図、図２は図１のＢ−Ｂ拡大断面図、図３は
図１のＡ−Ａ拡大断面図、図４は図１のＢ−Ｂ断面図、
図５はエスカレータのトラスを示す断面図、図６はエス
カレータのトラスを示す上面図、図９はエスカレータの
発光ダイオード（以下、ＬＥＤと称する）を点滅させる
ための回路図であり、図１１乃至図１４と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。

【００２５】すなわち、本実施例では、図１に示すよう
に、エスカレータの踏段１全ての踏段クリート９の上面
には、複数個の表示手段であるＬＥＤ１２を、所定の文
字の形態（本例では、“ＥＸＩＴ”）に配列するように
埋設している。

【００２６】この場合、ＬＥＤ１２は、例えば図２に示
すように、踏段クリート９に穴を開けて、この穴の中に
ＬＥＤ１２を埋め込み、その穴の開口部にレンズ１３を
取り付けている。なお、このレンズ１３は、投光機能の
みでなく、ＬＥＤ１２の保護機能も兼ねている。

【００２７】一方、図３および図４に示すように、踏段
１の蹴上げ部分の裏側には、踏段１が降り口に近づいた
ことを検出すると作動する位置検出リミットスイッチ１
４を、踏段クリート９と平行に取り付けている。

【００２８】また、図５および図６に示すように、トラ
ス１１の端にある踏段駆動輪２ｃと踏段従動輪３の手前
には、位置検出リミットスイッチ用レール１５を、それ
ぞれ同一直線上に並ばないように上段ガイドレール６ａ
の間に取り付けている。

【００２９】一方、各ＬＥＤ１２には、図９に示すよう
に、電源（本例では、外部の電源）３０から電力を供給
するようにしている。また、コントローラ１８は、位置
検出リミットスイッチ１４が作動すると、電源３０から
各ＬＥＤ１２への電力供給を許容して、各ＬＥＤ１２を
表示駆動する（本例では、点滅する）ようにしている。

【００３０】次に、以上のように構成した本実施例のエ
スカレータの安全表示装置の作用について説明する。無
端状に多数連結されて走行移動するエスカレータの踏段
１には、踏段クリート９に複数個のＬＥＤ１２が埋め込
まれており、踏段１が位置検出リミットスイッチ用レー
ル１５に近づくと位置検出リミットスイッチ１４が作動
する。

【００３１】すると、この間、コントローラ１８によ
り、電源３０から各ＬＥＤ１２へ電力が供給されて、Ｌ
ＥＤ１２が点滅し、レンズ１３を通して踏段クリート９
の上面から投光される。

【００３２】また、位置検出リミットスイッチ用レール
１５が、同一直線上に並んでいないことにより、上り方
向、下り方向それぞれの降り口でのみＬＥＤ１２が点滅
することになる。

【００３３】これにより、踏段クリート９に配列された
ＬＥＤ１２が点滅することで、非常に目立ち、視覚的に
変化に富み、その存在を乗客の目に強く印象付け、踏段
１の終端部で降り口であることを明示して注意を喚起す
ることができる。そのため、乗降板に足を引っかけたり
する等の事故を未然に防止して、マンコンベアの安全性
が著しく高まることになる。

【００３４】上述したように、本実施例のエスカレータ
の安全表示装置は、エスカレータの踏段１全ての踏段ク
リート９の上面に所定の文字の形態（“ＥＸＩＴ”）に
配列するように埋設され、電源（外部電源）３０から電
力が供給される複数個のＬＥＤ１２と、ＬＥＤ１２から
の光を踏段クリート９の上面に投光するレンズ１３と、
踏段１の蹴上げ部分の裏側に踏段クリート９と平行に取
り付けられ、踏段１が降り口に近づいたことを検出する
と作動する位置検出リミットスイッチ１４と、トラス１
１の端にある踏段駆動輪２ｃと踏段従動輪３の手前に、
それぞれ同一直線上に並ばないように上段ガイドレール
６ａの間に取り付けられた位置検出リミットスイッチ用
レール１５と、位置検出リミットスイッチ１４が作動す
ると、電源３０から各ＬＥＤ１２への電力供給を許容し
て各ＬＥＤ１２を表示駆動する（点滅する）コントロー
ラ１８とから構成したものである。

【００３５】従って、踏段１が降り口に近づくと位置検
出リミットスイッチ１４が作動し、その間、コントロー
ラ１８によって各ＬＥＤ１２が表示駆動されることによ
り、乗客に踏段１の終端部で降り口であることを明示し
て注意を喚起することができるため、乗降板に足を引っ
かけたりする等の事故を未然に防止して、エスカレータ
の安全性を高めることが可能となる。

【００３６】（第２の実施例）図７は本発明の第２の実
施例によるマンコンベアであるエスカレータの安全表示
装置の構成例を示す断面図、図８はエスカレータの踏段
１を示す概要図であり、図１乃至図６と同一要素には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。

【００３７】すなわち、本実施例では、図７に示すよう
に、エスカレータのトラス１１の中の上段ガイドレール
６ａと中段ガイドレール６ｃの間には、踏段１の走行方
向に沿って、照明手段である蛍光灯１６を設けている。

【００３８】また、図８に示すように、踏段１の蹴上げ
部分の表面には、電源手段であるソーラバッテリ１７を
取り付ける。このソーラバッテリ１７は、外部からの
光、または蛍光灯１６からの光を受光して発電を行な
い、各ＬＥＤ１２に電力を供給するものである。

【００３９】すなわち、本実施例では、図９における電
源３０として、前述した外部の電源に代えて、ソーラバ
ッテリ１７を設け、各ＬＥＤ１２には、ソーラバッテリ
１７から電力を供給するようにしている。

【００４０】次に、以上のように構成した本実施例のエ
スカレータの安全表示装置の作用について説明する。踏
段１が上面を移動する間は、外部の照明によって、踏段
１に取り付けられたソーラバッテリ１７に光が供給さ
れ、また踏段１が下側の見えない部分を移動している間
は、下段ガイドレール６ｂ、中段ガイドレール６ｃに沿
って走行し、蛍光灯１６によって、踏段１に取り付けら
れたソーラバッテリ１７に光が供給される。

【００４１】そして、ソーラバッテリ１７での光電変換
による発電によって、ソーラバッテリ１７から各ＬＥＤ
１２へ電力が供給され、踏段１が位置検出リミットスイ
ッチ用レール１５に近づいて、位置検出リミットスイッ
チ１４が作動する。

【００４２】すると、コントローラ１８により、電源３
０であるソーラバッテリ１７から各ＬＥＤ１２へ電力が
供給されて、ＬＥＤ１２が点滅し、レンズ１３を通して
踏段クリート９の上面から投光される。

【００４３】これにより、踏段クリート９に配列された
ＬＥＤ１２が点滅することで、非常に目立ち、視覚的に
変化に富み、その存在を乗客の目に強く印象付け、踏段
１の終端部で降り口であることを明示して注意を喚起す
ることができる。そのため、乗降板に足を引っかけたり
する等の事故を未然に防止して、エスカレータの安全性
が著しく高まることになる。

【００４４】また、踏段のＬＥＤ１２への、外部電源か
らの直接の電力の供給を不要とすることができるため、
外部電源からは蛍光灯１６のみへの電力供給だけで済む
ことになる。

【００４５】上述したように、本実施例のエスカレータ
の安全表示装置は、エスカレータの踏段１全ての踏段ク
リート９の上面に所定の文字の形態（“ＥＸＩＴ”）に
配列するように埋設された複数個のＬＥＤ１２と、ＬＥ
Ｄ１２からの光を踏段クリート９の上面に投光するレン
ズ１３と、踏段１の蹴上げ部分の裏側に踏段クリート９
と平行に取り付けられ、踏段１が降り口に近づいたこと
を検出すると作動する位置検出リミットスイッチ１４
と、トラス１１の端にある踏段駆動輪２ｃと踏段従動輪
３の手前に、それぞれ同一直線上に並ばないように上段
ガイドレール６ａの間に取り付けられた位置検出リミッ
トスイッチ用レール１５と、エスカレータのトラス１１
の中の上段ガイドレール６ａと中段ガイドレール６ｃの
間に、踏段１の走行方向に沿って設けられた蛍光灯１６
と、踏段１の蹴上げ部分の表面に取り付けられ、外部か
らの光、または蛍光灯１６からの光を受光して発電を行
ない、各ＬＥＤ１２に電力を供給するソーラバッテリ１
７と、位置検出リミットスイッチ１４が作動すると、ソ
ーラバッテリ１７から各ＬＥＤ１２への電力供給を許容
して各ＬＥＤ１２を表示駆動する（点滅する）コントロ
ーラ１８とから構成したものである。

【００４６】従って、踏段１が降り口に近づくと位置検
出リミットスイッチ１４が作動し、その間、コントロー
ラ１８によって各ＬＥＤ１２が表示駆動されることによ
り、乗客に踏段１の終端部で降り口であることを明示し
て注意を喚起することができるため、乗降板に足を引っ
かけたりする等の事故を未然に防止して、マンコンベア
の安全性を高めることが可能となる。

【００４７】また、各ＬＥＤ１２への外部電源からの電
力供給を不要とすることが可能となるため、外部電源か
らは蛍光灯１６のみへの電力供給だけで済む。 （第３の実施例）図１０は本発明の第３の実施例による
マンコンベアであるエスカレータの安全表示装置の構成
例を示す断面図（図１におけるＢ−Ｂでの断面図に相当
する）であり、図１乃至図９と同一要素には同一符号を
付してその説明を省略し、ここでは異なる部分について
のみ述べる。

【００４８】すなわち、本実施例では、図１０に示すよ
うに、踏段１の後輪８のシャフトＢ１９には、ギヤ２０
を取り付け、さらにこのギヤ２０に、発電機２１を連動
させて取り付けている。この発電機２１は、踏段１の走
行に伴って発電を行ない、各各ＬＥＤ１２に電力を供給
するものである。

【００４９】すなわち、本実施例では、図９における電
源３０として、前述した外部の電源に代えて、発電機２
１を設け、換言すれば、前述した第２の実施例における
ソーラバッテリ１７の代わりに、踏段１に発電機２１を
取り付けて、各ＬＥＤ１２には、発電機２１から電力を
供給するようにしている。

【００５０】次に、以上のように構成した本実施例のエ
スカレータの安全表示装置の作用について説明する。踏
段１に取り付けた発電機２１は、踏段１が走行すること
により、後輪８に連動しているシャフトＢ１９、ギヤ２
０が回転し、発電機２１が回転する。

【００５１】そして、発電機２１の回転による発電によ
って、発電機２１から各ＬＥＤ１２へ電力が供給され、
踏段１が位置検出リミットスイッチ用レール１５に近づ
いて、位置検出リミットスイッチ１４が作動する。

【００５２】すると、コントローラ１８により、電源３
０である発電機２１から各ＬＥＤ１２へ電力が供給され
て、ＬＥＤ１２が点滅し、レンズ１３を通して踏段クリ
ート９の上面から投光される。

【００５３】これにより、踏段クリート９に配列された
ＬＥＤ１２が点滅することで、非常に目立ち、視覚的に
変化に富み、その存在を乗客の目に強く印象付け、踏段
１の終端部で降り口であることを明示して注意を喚起す
ることができる。そのため、乗降板に足を引っかけたり
する等の事故を未然に防止して、エスカレータの安全性
が著しく高まることになる。

【００５４】また、踏段のＬＥＤ１２への、外部電源か
らの直接の電力の供給を不要とすることができる、すな
わち踏段１の外部からの電力が不要となる。上述したよ
うに、本実施例のエスカレータの安全表示装置は、エス
カレータの踏段１全ての踏段クリート９の上面に所定の
文字の形態（“ＥＸＩＴ”）に配列するように埋設され
た複数個のＬＥＤ１２と、ＬＥＤ１２からの光を踏段ク
リート９の上面に投光するレンズ１３と、踏段１の蹴上
げ部分の裏側に踏段クリート９と平行に取り付けられ、
踏段１が降り口に近づいたことを検出すると作動する位
置検出リミットスイッチ１４と、トラス１１の端にある
踏段駆動輪２ｃと踏段従動輪３の手前に、それぞれ同一
直線上に並ばないように上段ガイドレール６ａの間に取
り付けられた位置検出リミットスイッチ用レール１５
と、踏段１の後輪８のシャフトＢ１９にギヤ２０を介し
て連動させて取り付けられ、踏段１の走行に伴って発電
を行ない、各ＬＥＤ１２に電力を供給する発電機２１
と、位置検出リミットスイッチ１４が作動すると、発電
機２１から各ＬＥＤ１２への電力供給を許容して各ＬＥ
Ｄ１２を表示駆動する（点滅する）コントローラ１８と
から構成したものである。

【００５５】従って、踏段１が降り口に近づくと位置検
出リミットスイッチ１４が作動し、その間、コントロー
ラ１８によって各ＬＥＤ１２が表示駆動されることによ
り、乗客に踏段１の終端部で降り口であることを明示し
て注意を喚起することができるため、乗降板に足を引っ
かけたりする等の事故を未然に防止して、マンコンベア
の安全性を高めることが可能となる。

【００５６】また、踏段１の走行によって各ＬＥＤ１２
に電力を供給することができるため、各ＬＥＤ１２への
外部電源からの電力供給を不要とすることが可能とな
る。尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではな
く、次のようにしても同様に実施できるものである。

【００５７】（ａ）上記各実施例では、各ＬＥＤ１２
は、踏段クリート９の上面に“ＥＸＩＴ”なる文字の形
態に配列するように埋設した場合について説明したが、
何らこれに限らず、各ＬＥＤ１２は、踏段クリート９の
上面に、その他の所定の文字の形態に配列するように埋
設してもよい。

【００５８】（ｂ）上記各実施例では、表示手段とし
て、ＬＥＤを用いた場合について説明したが、何らこれ
に限らず、表示手段として、その他の要素を用いた場合
についても、本発明を同様に適用して同様の効果が得ら
れることは言うまでもない。

【００５９】（ｃ）上記各実施例では、各ＬＥＤ１２
は、踏段クリート９に穴を開けて当該穴の中に埋設し、
かつこの穴の開口部に、各ＬＥＤ１２からの光を踏段ク
リート９の上面に投光するレンズ１３を設けた場合につ
いて説明したが、レンズ１３を設けることは、本発明に
必要不可欠な要件ではなく、必要に応じて設ければよい
ものである。

【００６０】（ｄ）上記各実施例では、位置検出手段と
して、リミットスイッチを用いた場合について説明した
が、何らこれに限らず、位置検出手段として、その他の
要素を用いた場合についても、本発明を同様に適用して
同様の効果が得られることは言うまでもない。

【００６１】（ｅ）上記第２の実施例では、照明手段と
して蛍光灯を用い、また電源手段としてソーラバッテリ
を用いた場合について説明したが、何らこれに限らず、
照明手段、あるいは電源手段として、その他の要素を用
いた場合についても、本発明を同様に適用して同様の効
果が得られることは言うまでもない。

【００６２】

【発明の効果】以上説明したように、まず、請求項１に
係る発明によれば、無端状に多数連結されて走行移動す
るマンコンベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設け
られ、外部から電力が供給される複数個の表示手段と、
踏段が降り口に近づいたことを検出すると作動する位置
検出手段と、位置検出手段が作動すると、各表示手段を
表示駆動する制御手段とを備えるようにしたので、マン
コンベアの乗客に踏段の終端部で降り口であることを明
示して注意を喚起し、乗降板に足を引っかけたりする等
の事故を未然に防止してマンコンベアへの乗客の安全な
乗降を確保することが可能なマンコンベアの安全表示装
置が提供できる。

【００６３】また、請求項２に係る発明によれば、無端
状に多数連結されて走行移動するマンコンベアの踏段全
ての踏段クリートの上面に設けられた複数個の表示手段
と、踏段が降り口に近づいたことを検出すると作動する
位置検出手段と、マンコンベアのトラスに踏段の走行方
向に沿って設けられた照明手段と、踏段の蹴上げ部分の
表面に設けられ、外部からの光、または照明手段からの
光を受光して発電を行ない、各表示手段に電力を供給す
る電源手段と、位置検出手段が作動すると、各表示手段
を表示駆動する制御手段とを備えるようにしたので、マ
ンコンベアの乗客に踏段の終端部で降り口であることを
明示して注意を喚起し、乗降板に足を引っかけたりする
等の事故を未然に防止してマンコンベアへの乗客の安全
な乗降を確保すると共に、各表示手段への外部からの電
力供給を不要とすることが可能なマンコンベアの安全表
示装置が提供できる。

【００６４】さらに、請求項３に係る発明によれば、無
端状に多数連結されて走行移動するマンコンベアの踏段
全ての踏段クリートの上面に設けられた複数個の表示手
段と、踏段が降り口に近づいたことを検出すると作動す
る位置検出手段と、マンコンベアの踏段の後輪ローラに
連動させて設けられ、踏段の走行に伴って発電を行な
い、各表示手段に電力を供給する発電機とを備えるよう
にしたので、マンコンベアの乗客に踏段の終端部で降り
口であることを明示して注意を喚起し、乗降板に足を引
っかけたりする等の事故を未然に防止してマンコンベア
への乗客の安全な乗降を確保すると共に、各表示手段へ
の外部からの電力供給を不要とすることが可能なマンコ
ンベアの安全表示装置が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるマンコンベアであるエスカレータ
の安全表示装置の第１の実施例を示す上面図。

【図２】同第１の実施例のエスカレータの安全表示装置
のＢ−Ｂ拡大断面図。

【図３】同第１の実施例のエスカレータの安全表示装置
のＡ−Ａ拡大断面図。

【図４】同第１の実施例のエスカレータの安全表示装置
のＢ−Ｂ断面図。

【図５】同第１の実施例のエスカレータの安全表示装置
におけるエスカレータのトラスを示す断面図。

【図６】同第１の実施例のエスカレータの安全表示装置
におけるエスカレータのトラスを示す上面図。

【図７】本発明によるマンコンベアであるエスカレータ
の安全表示装置の第２の実施例を示す断面図。

【図８】同第２の実施例のエスカレータの安全表示装置
における踏段を示す概要図。

【図９】同各実施例のエスカレータの安全表示装置にお
けるＬＥＤを点滅させるための回路図。

【図１０】本発明によるマンコンベアであるエスカレー
タの安全表示装置の第３の実施例を示す断面図。

【図１１】従来の一般的なエスカレータの機器構成例を
示す斜視図。

【図１２】図１１のエスカレータの断面図。

【図１３】図１２の踏段の拡大図。

【図１４】図１２の踏段の拡大図。

【符号の説明】

１…踏段、 ２ａ…駆動装置、 ２ｂ…駆動チェーン、 ２ｃ…踏段駆動輪、 ３…踏段従動輪、 ４…踏段チェーン、 ５…乗降板、 ６ａ…上段ガイドレール、 ６ｂ…下段ガイドレール、 ６ｃ…中段ガイドレール、 ７…前輪、 ８…後輪、 ９…踏段クリート、 １０…シャフトＡ、 １１…トラス、 １２…ＬＥＤ、 １３…レンズ、 １４…位置検出リミットスイッチ、 １５…位置検出リミットスィッチ用レール、 １６…蛍光灯、 １７…ソーラバッテリ、 １８…コントローラ、 １９…シャフトＢ、 ２０…ギヤ、 ２１…発電機、 ３０…電源。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状に多数連結されて走行移動するマ
   ンコンベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設けら
   れ、外部から電力が供給される複数個の表示手段と、 前記踏段が降り口に近づいたことを検出すると作動する
   位置検出手段と、 前記位置検出手段が作動すると、前記各表示手段を表示
   駆動する制御手段と、 を備えて成ることを特徴とするマンコンベアの安全表示
   装置。
2. 【請求項２】 無端状に多数連結されて走行移動するマ
   ンコンベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設けられ
   た複数個の表示手段と、 前記踏段が降り口に近づいたことを検出すると作動する
   位置検出手段と、 前記マンコンベアのトラスに前記踏段の走行方向に沿っ
   て設けられた照明手段と、 前記踏段の蹴上げ部分の表面に設けられ、外部からの
   光、または前記照明手段からの光を受光して発電を行な
   い、前記各表示手段に電力を供給する電源手段と、 前記位置検出手段が作動すると、前記各表示手段を表示
   駆動する制御手段と、 を備えて成ることを特徴とするマンコンベアの安全表示
   装置。
3. 【請求項３】 無端状に多数連結されて走行移動するマ
   ンコンベアの踏段全ての踏段クリートの上面に設けられ
   た複数個の表示手段と、 前記踏段が降り口に近づいたことを検出すると作動する
   位置検出手段と、 前記マンコンベアの踏段の後輪ローラに連動させて設け
   られ、前記踏段の走行に伴って発電を行ない、前記各表
   示手段に電力を供給する発電機と、 を備えて成ることを特徴とするマンコンベアの安全表示
   装置。
4. 【請求項４】 前記各表示手段は、踏段クリートの上面
   に“ＥＸＩＴ”等の所定の文字の形態に配列するように
   設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれ
   か１項に記載のマンコンベアの安全表示装置。
5. 【請求項５】 前記各表示手段として発光ダイオード
   （ＬＥＤ）を用いたことを特徴とする請求項１乃至請求
   項３のいずれか１項に記載のマンコンベアの安全表示装
   置。
6. 【請求項６】 前記各表示手段は、踏段クリートに穴を
   開けて当該穴の中に埋設し、かつ当該穴の開口部に、各
   表示手段からの光を踏段クリートの上面に投光するレン
   ズを設けるようにしたことを特徴とする請求項１乃至請
   求項３のいずれか１項に記載のマンコンベアの安全表示
   装置。
7. 【請求項７】 前記位置検出手段としてリミットスイッ
   チを用いたことを特徴とする請求項１乃至請求項３のい
   ずれか１項に記載のマンコンベアの安全表示装置。
8. 【請求項８】 前記照明手段として蛍光灯を用い、また
   前記電源手段としてソーラバッテリを用いたことを特徴
   とする請求項２に記載のマンコンベアの安全表示装置。