JP2023170162A - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】乗客コンベア(エスカレーターや動く歩道等)の踏板に乗って歩行している利用者を特定し、更に特定した利用者に対して、積極的に安全確保の意識付け、言い換えれば注意喚起を行うことができる新規な乗客コンベアを提供する。【解決手段】利用者が乗客コンベアを歩行していることを踏板の振動を振動検出手段によって検出し、この検出された振動情報に基づいて利用者特定手段によって踏板上を歩行している利用者を特定し、更にこの特定された利用者に対して安全確保意識付け手段によって安全確保のための意識付けを行う。【選択図】図3
Description
本発明は、「エスカレーター」や「動く歩道」に代表される乗客コンベアに係り、特に利用客が踏板を歩行する行為を抑制することができる乗客コンベアに関する。
乗客コンベアの一つであるエスカレーターにおいては、基本的にエスカレーターの利用者が踏板上に立ち止まって移動することを前提としている。しかしながら、実際には踏板上を歩行する利用者が多いのが現状である。このため、利用者の歩行に伴ない、前方にいる利用者に接触したり、歩行(駆け上がり、駆け下り)によって躓きや転倒したりするという課題がある。特に、他の利用者に接触することにより、互いにバランスを崩して事故につながる恐れが高くなる。このような事象は動く歩道においても同様であるが、以下では代表してエスカレーターについて説明を行う。
このような課題に対して、例えば、特開2005-272030号公報(特許文献1)には、以下のようなエスカレーターの音声案内装置が示されている。特許文献1においては、乗り場側乗降口、及び降り場側乗降口の間を移動する踏板と、上端部が踏板に対して同一方向、及び同一速度で移動する移動手摺と、踏板に乗って移動する利用客に向けられた指向性スピーカーとを備えた音声案内装置が示されている。そして、この音声案内装置は、指向性スピーカーによって、エスカレーターの踏板に乗って歩行している利用者に対して、エスカレーター利用中の安全確保のための注意を促す内容が放送される。
例えば、「移動中は手摺におつかまり下さい」、「ステップの黄色い線の内側にお乗り下さい」、「ステップの上を歩かないで下さい」等の放送を行うことによって、踏板に乗って歩行中の利用者に対して、指向性スピーカーからの案内放送を伝えて、エスカレーターを利用している利用者の安全確保のための注意を喚起するようにしている。
ところが、この特許文献1では、単に指向性スピーカーを利用して案内放送を行っているだけであり、エスカレーターの踏板に乗って歩行している利用者に対して、十分な安全確保を意識付けるための対策とは言えない、という課題を有している。
このため、積極的にエスカレーターの踏板に乗って歩行している利用者を特定し、更に特定した利用者に対して、積極的に安全確保の意識付け(安全確保の呼び掛けや注意喚起)を行うことができる乗客コンベアが望まれている。以下、安全確保の呼び掛けや注意喚起をまとめて、特別な場合を除き注意喚起情報として説明を進める。
本発明の目的は、乗客コンベア(エスカレーターや動く歩道等)の踏板に乗って歩行している利用者を特定し、更に特定した利用者に対して、積極的に安全確保の意識付け、言い換えれば注意喚起を行うことができる新規な乗客コンベアを提供することにある。
本発明においては、無端状に形成された複数の踏板と、踏板の左右両側に設けられ、立設された一対の欄干と、踏板を走行させる駆動装置と、踏板の振動から利用者が歩行していることを検出する踏板に沿って配置された複数の振動検出手段と、検出された振動検出信号に基づいて、踏板の上を歩行している利用者の位置を特定する利用者位置特定手段と、特定された利用者に対して、安全確保のための注意喚起情報を与える注意喚起生成手段とを備えた、ことを特徴としている。
本発明によれば、乗客コンベアの踏板に乗って歩行している利用者を特定し、この特定した利用者に対して、積極的に安全確保の注意喚起を行うことができる、という新たな作用、効果を奏することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
図1は本発明が適用される乗客コンベアとしてのエスカレーターの構成を示しているが、この他にも上述したように、動く歩道も類似した構成となっている。
図1において、エスカレーター1は、上階2の床面2Fと下階3の床面3Fとに跨る枠体4と、この枠体4内に敷設された前輪ガイドレール5及び後輪ガイドレール6と、これら前輪ガイドレール5及び後輪ガイドレール6に、案内輪である前輪7Aと後輪7Bが案内されて循環移動する複数の踏板7と、これら踏板7を駆動する駆動装置8と、この駆動装置8の駆動(運転)を制御したり、注意喚起を促すためにスピーカーSPを作動させたりする制御装置9と、枠体3の踏板7の進行方向両側に位置する部分に立設した欄干10と、この欄干10の周縁に案内され、踏板7と同期して循環駆動される移動手摺11とを有している。
前輪ガイドレール5及び後輪ガイドレール6は、枠体3の形状に沿った形状とされ、これに沿って踏板7が案内されて循環移動している。踏板7は、踏板チェーンによって無端状に連結されており、この踏板チェーンは、枠体3に軸支された駆動スプロケット12と従動スプロケット13間に巻き掛けられている。
そして、駆動スプロケット12は制御装置9で制御される駆動装置8によって駆動される。そして、これら駆動装置8、制御装置9、駆動スプロケット12、従動スプロケット13は、踏板7への乗降を行う上部乗降床14及び下部乗降床15によって覆われている。
更に、踏板7は、前輪ガイドレール5及び後輪ガイドレール6における傾斜角度に沿った傾斜角度で上側に前輪7Aを軸支し、下側に後輪7Bを軸支している。そして前輪7Aは、支軸が踏板チェーン17に連結されて強制的に前輪ガイドレール5に沿って走行する。他方、後輪7Bは前輪7Aに追従する車輪であり、自重によって後輪ガイドレール6に沿って走行するものである。
この他に、枠体3の下部には、意匠効果を上げるために、外装板16を設けており、下階側にエスカレーターが設置される場合には、必要に応じて、この外装板16に下階側エスカレーター用の照明器具を取付けている。
次に、上述したエスカレーターに対して、利用者が踏板7に対して歩行している場合を図2に基づき説明する。尚、図面の関係からエスカレーター1を小さく描いている。
図2においては、静止している利用者P1に対して、利用者P2が歩行しながら移動して利用者P1を追い抜こうとしている。この状態で、利用者P2が利用者P1に接触することにより、互いにバランスを崩して転倒したりして事故につながる恐れが高くなる。
このため、本実施形態では歩行している利用者P2を特定するために、利用者の歩行による踏板7の振動を検出することを特徴の一つとしている。踏板7の振動を検出するためには種々の方法があるが、本実施形態では、圧電素子型振動センサ、電磁式振動センサ、静電容量式振動センサ等の振動検出センサ(振動検出手段)を使用することができる。もちろんこれ以外の振動センサを使用することができるものであり、要は利用者が歩行していることを検出できるものであれば、種類や形式は問わないものである。
次に振動検出手段の配置位置について説明を行うが、本実施形態では以下の3通りの配置位置を提案している。
図3は、前輪ガイドレール5、後輪ガイドレール6を構成するガイドレールGRに対して、前輪7Aと後輪7Bが転動する側とは反対側(重力方向で下側)に、振動検出センサ17a~17nが配置、固定されている。このため、利用者P2の歩行に起因する踏板7の振動は、前輪7A、及び後輪7Bを介してガイドレールGRに伝達され、更にはガイドレールGRから振動検出センサ17に伝達される。これによって、利用者P2が歩行していることを検出することができる。
尚、踏板7が繰り出される最初の踏板7に対応する位置、若しくはもう1つ先の踏板に対応する位置までは、振動検出センサは配置されていない。これは、踏板7の配置ピッチ寸法、及びエスカレーターの運転速度と歩行者速度を考慮すると、歩行に起因する振動の検出に支障がないためである。
次に、図4に基づいて振動検出センサ17a~17nの振動検出方法について説明する。図4は、1個の振動検出センサ17の出力波形を示しており、利用者P2が歩行している時の振動検出信号の推移を示している。
利用者P2が踏板7に踏み出す前は、利用者P2の歩行による振動が発生しないので、振動検出センサ17にはバックグラウンドレベルの振動が発生している。この時の振動検出センサ17の出力信号の値は閾値より小さいものである。
一方、利用者P2が歩行することによって踏板7に衝撃が作用すると、踏板7には、これに対応して振動が発生し、この時の振動検出センサ17の出力信号の値は閾値より大きくなる。
更に、利用者P2が歩行することによって踏板7から衝撃が除かれると、利用者P2の歩行による振動が発生しないので、振動検出センサ17にはバックグラウンドレベルの振動が発生する。この時の振動検出センサ17の出力信号の値は閾値より小さいものである。
したがって、信号比較器によって、閾値を基準として振動検出信号を比較することで、利用者P2が歩行しているか、或いは静止しているかどうかを判断することができる。例えば、振動検出信号が電圧で検出される場合は、周知の電圧比較器を用いれば良い。
また、振動検出センサ17は、踏板7の配置されている間隔毎(踏板の配置ピッチ)に、踏板7の進行方向に沿って配置されており、利用者P2が歩行している移動方向と移動位置を検出することができる構成とされている。
つまり、個々の振動検出センサ7の出力信号の時間的な変化を追跡すれば、利用者がどの方向に移動(上方向に移動、或いは下方向に移動)しているかを判断することができる。更に、振動検出センサ7の配置位置が既知であるため、振動検出センサ17が振動を検出した位置を求めることで、利用者P2がどの位置に移動しているかを判断することができ、利用者の追跡が可能となる。
図5に、利用者P2の移動によって生じる夫々の振動検出センサ17a~17nの検出信号の推移を示している。図5は、踏板7が上階方向に移動している状態で、利用者P2がこれも上階方向に歩行している場合を示している。尚、説明の便宜上から踏板7は静止した状態を想定しているが、実際は、踏板7は移動している。
エスカレーターを利用するため、利用者P2が歩行を開始して踏板7を登っていくと、それに伴って、先ず下側の振動検出センサ17aの検出信号が発生し、次の踏板7に登ると振動検出センサ17bの検出信号が発生し、順番に振動検出センサ17c、17d、17e…17nから検出信号が発生する。
したがって、これらの振動検出センサ17a~17nの検出信号の発生順番と、振動検出センサ17a~17nの配置位置から、利用者P2の歩行の有無、その歩行の方向、及び利用者P2の位置を推定することができる。つまり、振動検出センサ17a~17nの検出信号が連続的に検出されれば、利用者P2が歩行していることがわかる。また、振動検出センサ17a~17nの検出信号の検出順序から利用者P2の歩行の方向がわかる。更に、振動検出センサ17a~17nの何れの検出信号かを判断することで利用者P2の現在の位置を推定することができる。
更に、振動検出センサ17a~17nの検出信号の時間的な発生間隔によって利用者P2の歩行速度を推定することができ、また検出信号の抜けによって、段飛び等の利用者P2の行動を推定することができる。これらの推定事項によって、通常の歩行動作に対する注意喚起に比べて、より強い注意喚起を行うこともできる。尚、これらの注意喚起については、後述する。
以上に説明した実施形態では、ガイドレールGRに振動検出センサ17a~17nを取り付けたものであるが、ガイドレールGRとは別にエスカレーターの枠体3に振動検出センサ17a~17nを取り付けることも可能である。図6にその一例を示している。尚、ガイドレールGRや構成部材18に振動検出センサ17a~17nを設けると、設置上の構成が簡単になる、電力線による電力供給上の構成が簡単になる。
図6において、ガイドレールGRには、枠体3の構成部材18が位置しており、この構成部材18によってガイドレールGRが支持されている。構成部材18のガイドレールGRとは反対側(重力方向で下側)には、上述した形態と同様の振動検出センサ17a~17nが取り付けられている。
したがって、利用者P2の歩行に起因する踏板7の振動は、前輪7A、及び後輪7Bを介してガイドレールGRに伝達され、更にはガイドレールGRから構成部材18を介して振動検出センサ17に伝達される。これによって、利用者P2が歩行していることを検出することができる。
このような構成によっても図3に示したような構成と同様に、個々の振動検出センサ17a~17nの出力の時間的な変化を追跡すれば、利用者P2が歩行していることが推定できる、また利用者P2がどの方向に移動(上方向に移動、或いは下方向に移動)しているかを判断することができる、更に振動検出センサ17a~17nの配置位置が既知であるため、振動検出センサ17a~17nが振動を検出した位置を求めることで、利用者P2がどの位置に移動しているかを判断することができ利用者の追跡が可能となるといった作用、効果を奏することができる。
以上に説明した2つの例では、ガイドレールGRや枠体3の構成部材18に振動検出センサ17a~17nを取り付けたものであるが、これとは別に、踏板7に直接的に振動検出センサ17a~17nを取り付けることも可能である。図7にその一例を示している。
図7において、踏板7の裏面(利用者によって乗られる表面とは反対側の面)には、上述した形態と同様の振動検出センサ17a~17nが取り付けられている。したがって、利用者P2の歩行に起因する踏板7の振動は、直接的に振動検出センサ17に伝達される。これによって、利用者P2が歩行していることを検出することができる。このように、踏板7に直に振動検出センサ17a~17nを設けると、振動の検出感度を高めることが可能となる。
更に、このような構成によっても図3に示したような構成と同様に、個々の振動検出センサ17a~17nの出力の時間的な変化を追跡すれば、利用者P2が歩行していることが推定できる、また利用者P2がどの方向に移動(上方向に移動、或いは下方向に移動)しているかを判断することができる、更に振動検出センサ17a~17nの配置位置が既知であるため、振動検出センサ17a~17nが振動を検出した位置を求めることで、利用者P2がどの位置に移動しているかを判断することができ利用者の追跡が可能となるといった作用、効果を奏することができる。
ところで、上述した実施形態では、夫々の踏板7に対応して振動検出センサ17a~17nを設けているが、これより多い振動検出センサを配置しても良く、またこれより少ない振動検出センサを配置しても良いものであり、要は利用者P2の歩行を検出できる数の振動検出センサを設ければ良いものである。
次に振動検出センサ17a~17nにおける電力供給方法と検出信号の伝送方法について説明する。
図8は、図3における実施形態の電力供給方法と信号伝送方法を示しているが、図6の実施形態も同じ方法を採用することができる。
図8において、夫々の振動検出センサ17a~17nには、電力供給線(有線)19と接続されており、この電力供給線19は制御装置9から電力を供給されている。これは、振動検出センサ17a~17nが、ガイドレールGRに固定的に取り付けられているので電力線だけで電力を供給でき、これらの構成を簡単化できる効果を奏する。制御装置9は電圧レギュレータを備えており、この電圧レギュレータによって、振動検出センサ17a~17nに適切となる電圧に調整されている。
更に、これと並行して信号伝送線20が設けられており、検出信号は制御装置9に送られて、内部の演算処理部で上述した制御を実行される。信号伝送線20は、外部ノイズの浸入を抑制するため、シールド線を使用するのが望ましい。更には、振動検出センサ17a~17nに、RFモジュールのような送信手段(図示せず)を設け、検出信号を無線によって制御装置9に送ることもできる。
図9は、図7における実施形態の電力供給方法と信号伝送方法を示している。図9において、踏板7の裏面に設けられた夫々の振動検出センサ17a~17nの夫々の引出線21は、パンタグラフ(集電器)21Aを介して電力供給線(有線)19と接続されており、この電力供給線19は制御装置9から電力を供給されている。
これは、振動検出センサ17a~17nが、踏板7と一緒に移動するため、パンタグラフ21Aを介さないと電力線だけで電力を供給できないからである。パンタグラフ21Aも踏板7と一緒に移動することはもちろんである。更に、振動検出センサ17a~17nに、RFモジュールのような送信手段(図示せず)を設け、検出信号を無線によって制御装置9に送る構成とされている。
図8、図9に示す実施形態では、振動検出センサ17a~17nに電力を供給するために電力供給線19を使用しているが、振動検出センサ17a~17nに電池を内蔵することによって電力を供給するにしても良い。この場合は、定期的に電池を交換するか、定期的に充電を行ってやれば良い。
次に、歩行している利用者P2に対しての注意喚起(安全確保の呼びかけ)の方法について説明する。
図10は、音声による注意喚起を行う方法を示しており、欄干10の壁面に踏板7の移動方向に沿って、複数のスピーカー23a~23k…23nを設けたことを特徴としている。このスピーカー23a~23nは、薄型のスピーカーを用いるのが好ましく、例えば、最近提案されているピエゾ式のフィルム状スピーカー等を用いることもできる。
これらのスピーカー23a~23nは、振動検出センサ17a~17nによって検出される利用者P2の歩行に対応して動作するものであり、利用者P2が歩行することによる移動に合わせて、スピーカー23a~23nの少なくとも一つ以上が選択的に動作されるものである。つまり、利用者P2の移動を追跡し、追跡した利用者P2の位置付近のスピーカーで注意喚起を報知するものである。このように、歩行する利用者P2を特定して聴覚的な注意喚起情報を与えるようにしている。
スピーカー23a~23nからは、「エスカレーターでの歩行は、他のお客様に対して危険です。止まって下さい。」といった、歩行している利用者P2を特定した注意喚起情報であり、これによって積極的な安全確保の呼びかけを行うことができる。
図11は、照明による注意喚起を行う方法を示しており、欄干10の下側に位置しているスカートガード23の上面側、又はスカートガード23自体や欄干10自体に踏板7の移動方向に沿って、複数の照明灯24a~24f…24nを設けたことを特徴としている。この照明灯24a~24nは、LED等を使用するのが好ましく、例えば、「赤」、「黄」、「青」の光源を選択的に用いている。
これらの照明灯24a~24nは、振動検出センサ17a~17nによって検出される利用者P2の歩行に対応して動作するものであり、利用者P2が歩行することによる移動に合わせて、照明灯24a~24nの少なくとも一つ以上が選択的に発光されるものである。つまり、利用者P2の移動を追跡し、追跡した利用者P2の位置付近の照明灯24で注意喚起を報知するものである。
このように、歩行する利用者P2を特定して視覚的に注意喚起情報を与えるようにしている。尚、振動検出センサ17a~17nと照明灯24a~24nは、踏み段7の進行方向で見て同じ位置に設けられており、利用者P2の歩行を検出した振動検出センサ17に対応する照明灯24が点灯されるように構成されており、図11では、照明灯24c~24eが点灯されている。(利用者の表示は省略している。)
ここで、「赤」は急いで歩行している、或いは飛び段で歩行している利用者P2に対する注意喚起の表示であり、「黄」は普通の速度で歩行している利用者P2に関する注意喚起の表示であり、「青」は静止して利用者に対する表示である。このように、歩行している利用者P2を特定した注意喚起であり、これによって積極的な安全確保の呼びかけを行うことができる。
ここで、「赤」は急いで歩行している、或いは飛び段で歩行している利用者P2に対する注意喚起の表示であり、「黄」は普通の速度で歩行している利用者P2に関する注意喚起の表示であり、「青」は静止して利用者に対する表示である。このように、歩行している利用者P2を特定した注意喚起であり、これによって積極的な安全確保の呼びかけを行うことができる。
図12は、振動による注意喚起を行う方法を示しており、踏板7の裏面側に振動付与機構25a~25c…25nを設けたことを特徴としている。この振動付与機構25a~25nは、取付性、取扱性の観点からピエゾ方式の振動器が好ましい。
これらの振動付与機構25a~25nは、振動検出センサ17a~17nによって検出される利用者P2の歩行に対応して動作するものであり、利用者P2が歩行することによる移動に合わせて、振動付与機構25a~25nの少なくとも一つが選択的に起振されるものである。このように、歩行する利用者P2を特定して触覚的に注意喚起情報を与えるようにしている。
次に、上述した注意喚起を行う制御装置9の構成について説明を行う。図13は制御装置9を構成する主な構成要素を示している。図13において、制御装置9はマイクロコンピュータを主たる構成要素として備えている。
マイクロコンピュータは、演算機能を備える中央演算ユニット(CPU)9aと、CPU9aを動作させるプログラム、演算に必要な定数等が記憶された不揮発性メモリ(ROM)9bと、演算処理の演算結果や、演算処理で必要な情報を一時的に記憶する揮発性メモリ(RAM)9cと、振動検出センササ17a~17nからの検出信号を入力するための入力回路9dと、CPU9aで演算された制御信号を電気信号に変換して出力するための出力回路9eとを備えている。
出力回路9eには、スピーカー22a~22n、照明灯24a~24n、振動付与機構25a~25nが接続され、歩行している利用者P2に対して、上述したような注意喚起情報を与えるための動作を実行する。尚、これらの注意喚起は、1つだけ実行されてでも良いし、組み合わされて実行されても良い。
次に、CPU9aおいて、上述した制御動作を実行する機能ブロックについて説明する。この機能ブロックは図14に示すように、少なくとも、歩行動作検出ブロック26、利用者位置推定ブロック27、注意喚起生成ブロック28から構成されている。機能ブロックは、ROM9bに記憶されたプログラムをCPU9aで実行することによって得られる制御機能である。
歩行動作検出ブロック26は、振動検出センサ17からの検出信号によって、利用者P2が歩行していることを検出する機能を備えた制御ブロックである。この歩行動作検出ブロック26は、振動検出センサ17a~17nの信号検出信号を抽出し、検振動出信号が連続的に検出されると利用者P2が歩行していると判断している。
また、利用者位置推定ブロック27は、歩行動作検出ブロック26で検出した振動検出センサ17a~17nの振動検出信号の検出順序から利用者P2の歩行の方向を判断する。更に、振動検出センサ17a~17nの何れの振動検出信号かを判断することで利用者P2の現在の位置を推定する。尚、利用者が歩行しているので、現在の踏板7の位置から先の踏板7を現在位置と推定することも可能である。
ここで、実際には、歩行動作検出ブロック26と利用者位置推定ブロック7は、組み合わされて、上述した制御が実行されるので、利用者位置推定ブロック27に歩行動作検出ブロック26が組み込まれていると見做すことができる。
また、注意喚起生成ブロック28においては、歩行している利用者P2に対して、推定された利用者の位置に存在する注意喚起手段(スピーカー、照明灯、振動付与手段)を動作させ、利用者P2に注意喚起情報を与える。これらは、スピーカー23の音声生成信号、照明灯24の照明生成信号、振動付与手段の振動生成信号で生成される注意喚起情報である。
更に、振動検出センサ17a~17nの検出信号の時間的な発生間隔によって利用者P2の歩行速度を推定することができ、また検出信号の抜けによって、段飛び等の利用者P2の行動を推定することができる。これらの推定事項によって、通常の歩行動作に対する注意喚起に比べて、より強い注意喚起を行うこともできる。
例えば、「赤」は急いで歩行している、或いは飛び段で歩行している利用者P2に対する注意喚起の表示であり、「黄」は普通の速度で歩行している利用者P2に関する注意喚起の表示であり、「青」は静止して利用者に対する表示である。このように、歩行している利用者P2を特定した注意喚起であり、これによって積極的な安全確保の呼びかけを行うことができる。
以上述べた通り、本発明によれば、無端状に形成された複数の踏板と、踏板の左右両側に設けられ、立設された一対の欄干と、踏板を走行させる駆動装置と、踏板の振動から利用者が歩行していることを検出する踏板に沿って配置された複数の振動検出手段と、検出された振動検出信号に基づいて、踏板の上を歩行している利用者の位置を特定する利用者位置特定手段と、特定された利用者に対して、安全確保のための注意喚起情報を与える注意喚起生成手段とを備えた、ことを特徴としている。
これによれば、乗客コンベアの踏板に乗って歩行している利用者を特定し、この特定した利用者に対して、積極的に安全確保の注意喚起を行うことができる、という新たな作用、効果を奏することができる。
尚、本発明は上記したいくつかの実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。各実施例の構成について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
1…エスカレーター、2…上階、3…下階、4…枠体、5…前輪ガイドレール、6…後輪ガイドレール、7…踏板、7A…前輪、7B…後輪、8…駆動装置、9…制御装置、10…欄干、11…移動手摺、12…駆動スプロケット、13…従動スプロケット、14…上部乗降床、15…下部乗降床、17a~17n…振動検出センサ、18…枠体の構成部材、19…電力供給線、20…信号伝送線、21…引出線、21A…パンタグラフ、22a~22n…スピーカー、23…スカートガード、24a~24n…照明灯、25a~25n…振動付与機構。
Claims (16)
- 無端状に形成された複数の踏板と、
前記踏板の左右両側に設けられ、立設された一対の欄干と、
前記踏板を走行させる駆動装置と、
前記踏板の振動から利用者が歩行していることを検出する前記踏板に沿って配置された複数の振動検出手段と、
検出された振動検出信号に基づいて、前記踏板の上を歩行している前記利用者の位置を特定する利用者位置特定手段と、
特定された前記利用者に対して、安全確保のための注意喚起情報を与える注意喚起生成手段とを備えた
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項1に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、前記踏板に設けられた案内輪を案内するガイドレールに取り付けられている
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項1に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、前記踏板に設けられた案内輪を案内するガイドレールを支える枠体に取り付けられている
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項2、又は請求項3に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、前記踏板が配置された間隔毎に設けられている
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項2、又は請求項3に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、電力供給線によって電力が供給される
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項2、又は請求項3に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、自身に内蔵された電池によって電力が供給される
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項2、又は請求項3に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段からの振動検出信号は、信号伝送線、或いは無線によって前記利用者位置特定手段に伝送される
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項1に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、前記踏板に設けられている
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項8に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、電力供給線からパンタグラフを介して電力が供給される
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項8に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段は、自身に内蔵された電池によって電力が供給される
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項8に記載の乗客コンベアであって、
前記振動検出手段からの振動検出信号は、信号伝送線、或いは無線によって前記利用者位置特定手段に伝送される
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項2、請求項3、請求項8の何れか1項に記載の乗客コンベアであって、
前記利用者位置特定手段は、前記振動検出手段からの振動検出信号が連続的に検出されると前記利用者が歩行していると判断する機能を備えている
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項12に記載の乗客コンベアであって、
前記利用者位置特定手段は、前記振動検出手段からの振動検出信号が何れの前記振動検出手段の振動検出信号かを判断することで、前記利用者の現在の位置を推定する機能を備えている
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項13に記載の乗客コンベアであって、
前記注意喚起生成手段は、前記欄干に沿って配置された複数のスピーカーであり、
前記利用者位置特定手段によって推定された前記利用者の現在の位置付近に位置する前記スピーカーによって注意喚起情報を報知する
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項13に記載の乗客コンベアであって、
前記注意喚起生成手段は、前記欄干の基部に設けられたスカートガードに沿って配置された複数の照明灯であり、
前記利用者位置特定手段によって推定された前記利用者の現在の位置付近に位置する前記照明灯を点灯させることによって注意喚起情報を報知する
ことを特徴とする乗客コンベア。 - 請求項13に記載の乗客コンベアであって、
前記注意喚起生成手段は、前記踏板に設けられた振動付与手段であり、
前記利用者位置特定手段によって推定された前記利用者の現在の位置に対応する前記踏板の前記振動付与手段を振動さることによって注意喚起情報を報知する
ことを特徴とする乗客コンベア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022081705A JP2023170162A (ja) | 2022-05-18 | 2022-05-18 | 乗客コンベア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022081705A JP2023170162A (ja) | 2022-05-18 | 2022-05-18 | 乗客コンベア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023170162A true JP2023170162A (ja) | 2023-12-01 |
Family
ID=88928031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022081705A Pending JP2023170162A (ja) | 2022-05-18 | 2022-05-18 | 乗客コンベア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023170162A (ja) |
-
2022
- 2022-05-18 JP JP2022081705A patent/JP2023170162A/ja active Pending
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