本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は後述する実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、単に本実施例は本発明の開示が完全となるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
図面において、様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。
また、本明細書において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」または「上部に」あるとする時、これは、他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「真上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。同時に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」または「下部に」あるとする時、これは、他の部分「真下に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分「真下に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。
一実施形態において、研磨層を含み、前記研磨層は、亜鉛(Zn)を含み、前記亜鉛(Zn)の濃度は、前記研磨層の全体重量を基準として0.5ppm~40ppm重量部である研磨パッドを提供する。
前記研磨パッドは、半導体素子の製造工程に適用される工程部品であって、最近、半導体素子の高集積化によって精巧な工程コントロールが伴わなければならない要素の一つである。前記研磨パッドは、研磨対象に直接的な研磨効果を伝達する研磨層を含み、前記研磨層の成分と物理的特性などは、前記研磨対象の研磨品質および研磨結果に直接的な影響を与える要素である。一実施形態に係る前記研磨パッドは、前記研磨層として亜鉛(Zn)を含み、その濃度が前記研磨層の全体重量を基準として0.5ppm~40ppm重量部である研磨層を含むことにより、これによる電気的、物理的特性が前記研磨対象の研磨に最適化可能な効果を実現することができる。
図1は、一実施形態に係る前記研磨パッドの断面を概略的に示す図である。図1の(a)を参照する時、前記研磨パッド100は、前記研磨層10を含み、前記研磨層10の一面上にクッション層20を含むことができる。前記研磨層10は、所定の厚さを有するシート状であって、研磨対象の被研磨面に直接または間接的に接触する研磨面として機能する第1面11を含み、前記第1面11の裏面である第2面12を含むことができる。
一実施形態において、前記クッション層20は、その厚さが約0.5mm~約2.5mm、例えば、約0.8mm~約2.5mm、例えば、約1.0mm~約2.5mm、例えば、約1.0mm~約2.0mm、例えば、約1.2mm~約1.8mmであってもよい。
図1の(b)を参照する時、一実施形態において、前記研磨パッド200は、前記研磨層10および前記クッション層20を含み、前記研磨層10と前記クッション層20との界面に配置される第1接着層30をさらに含むことができる。例えば、前記第1接着層30は、熱-融着(heat-sealing)接着剤に由来できるが、これに限定されるものではない。
前記研磨パッド200は、前記研磨層10の第2面12上に配置された第2接着層40をさらに含むことができる。前記第2接着層40は、前記研磨パッドを研磨装置の定盤上に付着させるための構成であって、前記研磨層10の前記第2面12の真上に配置されてもよく、図1の(b)のように、前記研磨層10上のクッション層20などのその他の層上に配置されてもよい。例えば、前記第2接着層40は、減圧(Pressure sensitive)接着剤に由来できるが、これに限定されるものではない。
前記クッション層20は、前記研磨層10の前記第2面12上に配置されて、前記研磨層10を支持しながら前記研磨工程中の被研磨面に伝達される外部圧力または衝撃を緩和する役割を果たすことができる。これにより、前記研磨パッド100を適用した研磨工程で研磨対象に対する損傷および欠陥の発生を防止するのに寄与することができる。
一実施形態において、前記研磨パッドは、その最上位層と最下位層を貫通する貫通領域を含むことができる。前記貫通領域は、前記研磨パッドの使用中に研磨終点検出のための構成であって、所定の波長条件の光がこれを透過することができる。一実施形態において、前記貫通領域には光透過ウィンドウが配置される。前記光透過ウィンドウは、約500nm~約700nmの波長のいずれか1つの波長の光に対する透過率が約30%超過、例えば、約40%~約80%であってもよい。
前記研磨層は、ウレタン系プレポリマーを含む予備組成物の硬化物を含むことができる。一実施形態において、前記予備組成物は、硬化剤および発泡剤をさらに含むことができる。前記「プレポリマー(prepolymer)」とは、硬化物の製造において、成形しやすいように重合度を中間段階で中止させた比較的低い分子量を有する高分子を意味する。前記プレポリマーは、それ自体で加熱および/または加圧などの追加的な硬化工程を経るか、または他の重合性化合物、例えば、異種のモノマーまたは異種のプレポリマーのような追加化合物と混合して反応させた後、最終硬化物に成形される。
一実施形態において、前記ウレタン系プレポリマーは、イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて製造される。
前記ウレタン系プレポリマーの製造に使用されるイソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを使用することができる。一実施形態において、前記イソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネートを含むことができる。
前記イソシアネート化合物は、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-toluenediisocyanate、2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-toluenediisocyanate、2,6-TDI)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(naphthalene-1,5-diisocyanate)、パラ-フェニレンジイソシアネート(p-phenylenediisocyanate)、トリジンジイソシアネート(tolidinediisocyanate)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'-diphenylmethanediisocyanate)、ヘキサメチレンジイソシアネート(hexamethylenediisocyanate)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(dicyclohexylmethanediisocyanate)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(4,4'-dicyclohexylmethanediisocyanate、H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記「ポリオール(polyol)」とは、分子あたり、ヒドロキシ基(-OH)を少なくとも2以上含む化合物を意味する。一実施形態において、前記ポリオール化合物は、ヒドロキシ基が2個である2価のアルコール化合物すなわち、ジオール(diol)またはグリコール(glycol)を含むことができる。
前記ポリオール化合物は、例えば、ポリエーテル系ポリオール(polyether polyol)、ポリエステル系ポリオール(polyester polyol)、ポリカーボネート系ポリオール(polycarbonate polyol)、アクリル系ポリオール(acryl polyol)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記ポリオール化合物は、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリプロピレンエーテルグリコール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール(DEG)、ジプロピレングリコール(DPG)、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記ポリオール化合物は、約100g/mol~約3,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。例えば、前記ポリオールは、約100g/mol~約3,000g/mol、例えば、約100g/mol~約2,000g/mol、例えば、約100g/mol~約1,800g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。
一実施形態において、前記ポリオール化合物は、重量平均分子量(Mw)が約100g/mol以上、約300g/mol未満の低分子量ポリオールと、重量平均分子量(Mw)が約300g/mol以上、約1800g/mol以下の高分子量ポリオールとを含むことができる。一実施形態において、前記高分子量ポリオールは、重量平均分子量(Mw)が約500g/mol以上、約800g/mol以下の第1高分子量ポリオール;および重量平均分子量(Mw)が約800g/mol超過、約1,800g/mol以下の第2高分子量ポリオールを含むことができる。この場合、前記ポリオール化合物は、前記ウレタン系プレポリマー中にて適切な架橋構造を形成することができ、前記ウレタン系プレポリマーを含む予備組成物が所定の工程条件下に硬化して形成された研磨層が前述した効果を実現するのにより有利であり得る。前記ウレタン系プレポリマーは、約500g/mol~約3,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。前記ウレタン系プレポリマーは、例えば、約600g/mol~約2,000g/mol、例えば、約800g/mol~約1,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。前記ウレタン系プレポリマーが前述した重量平均分子量(Mw)に相応する重合度を有する場合、前記予備組成物が所定の工程条件下で硬化して形成された研磨層が前述した優れた研磨特性を実現するための化学的結合構造を有するのにより有利であり得る。
一実施形態において、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのイソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネート化合物を含むことができ、前記芳香族ジイソシアネート化合物は、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)および2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)を含むことができる。また、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのポリオール化合物は、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)およびジエチレングリコール(DEG)を含むことができる。
他の実施形態において、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのイソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネート化合物および脂環族ジイソシアネート化合物を含むことができ、例えば、前記芳香族ジイソシアネート化合物は、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)および2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)を含み、前記脂環族ジイソシアネート化合物は、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)を含むことができる。また、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのポリオール化合物は、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)およびジエチレングリコール(DEG)を含むことができる。
前記予備組成物において、前記ウレタン系プレポリマーを製造するための全体成分中の前記イソシアネート化合物の総量100重量部対比、前記ポリオール化合物の総量が約100重量部~約250重量部であってもよく、例えば、約120重量部~約250重量部であってもよく、例えば、約120重量部~約240重量部であってもよく、例えば、約150重量部~約240重量部であってもよく、例えば、約190重量部~約240重量部であってもよい。
前記予備組成物において、前記ウレタン系プレポリマーを製造するための前記イソシアネート化合物が前記芳香族イソシアネート化合物を含み、前記芳香族イソシアネート化合物が2,4-TDIおよび2,6-TDIを含む場合、前記2,6-TDIの含有量は、前記2,4-TDI100重量部対比、約1重量部~約40重量部であってもよく、例えば、約1重量部~約30重量部であってもよく、例えば、約3重量部~約28重量部であってもよく、例えば、約1重量部~約10重量部であってもよい。
前記予備組成物において、前記ウレタン系プレポリマーを製造するための前記イソシアネート化合物が前記芳香族イソシアネート化合物および前記脂環族イソシアネート化合物を含む場合、前記脂環族イソシアネート化合物の含有量は、前記芳香族イソシアネート化合物全体100重量部対比、約5重量部~約30重量部であってもよく、例えば、約10重量部~約25重量部であってもよい。前記予備組成物は、イソシアネート基の含有量(NCO%)が約6重量%~約12重量%、例えば、約6重量%~約10重量%、例えば、約6重量%~約9重量%であってもよい。前記イソシアネート基の含有量は、前記予備組成物の全体重量中にてウレタン反応せず自由反応基として存在するイソシアネート基(-NCO)の重量の百分率を意味する。前記予備組成物のイソシアネート基の含有量(NCO%)は、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのイソシアネート化合物およびポリオール化合物の種類および含有量、前記ウレタン系プレポリマーを製造する工程の温度、圧力、時間などの工程条件、および前記ウレタン系プレポリマーの製造に用いられる添加剤の種類および含有量などを総和的に調節して設計可能である。
前記添加剤の種類は、界面活性剤、pH調整剤、バインダー、酸化防止剤、熱安定剤、分散安定剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。前記「界面活性剤」、「酸化防止剤」などの名称は、当該物質の主な役割を基準として任意に指し示す名称であり、それぞれの当該物質が必ずしも当該名称の役割に限る機能だけを行うわけではない。
一実施形態に係る前記研磨パッドが、その研磨層が前述した濃度の亜鉛(Zn)を含み、これと同時に、前述した構造および化学的組成を満足することにより、これを半導体素子の製造工程に適用する時、最適な研磨性能を実現することができる。前記研磨層の化学的組成に起因した成分と所定の濃度の亜鉛(Zn)が相互作用することにより、前記研磨層の研磨面がシリコン(Si)、銅(Cu)、またはタングステン(W)を含む半導体基板の研磨に適した電気的特性を示すのに有利であり得る。
前記研磨層は、金属を含むことができる。前記金属は、金属粒子、金属イオン、または金属塩の形態で前記研磨層に含まれる。前記金属塩は、金属有機塩または金属無機塩であってもよい。
前記金属の酸化数は、+1~+3であってもよい。例えば、前記金属の酸化数は、+2~+3であってもよい。このような酸化数を有する金属が含まれることにより、前記研磨層の研磨性能が大きく向上できる。具体的には、前記研磨層がこのような酸化数を有する金属を含む場合、その研磨面が研磨対象である半導体基板との接触状態で、前記半導体基板を適正水準の研磨率で平坦に研磨させるための最適な電位条件を形成することができる。
具体的には、前記金属は、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
より具体的には、前記研磨層は、亜鉛(Zn)を含むことができる。前記亜鉛(Zn)は、前記研磨層に無機塩または有機塩の形態で含まれる。例えば、前記亜鉛(Zn)の酸化数は、+2であってもよい。
前記研磨層に含まれた亜鉛(Zn)の濃度は、前記研磨層の全体重量を基準として約0.5ppm~約40ppm重量部、例えば、約1ppm~約40ppm重量部、例えば、約2ppm~約40ppm重量部、例えば、約2ppm~約30ppm重量部であってもよい。
前記研磨層は、鉄(Fe)をさらに含むことができる。前記鉄(Fe)は、前記研磨層に無機塩または有機塩の形態で含まれる。この時、前記鉄(Fe)の酸化数は、+2であってもよい。前記鉄(Fe)の酸化数は、+3であってもよい。
前記研磨層に含まれた鉄(Fe)の濃度は、前記研磨層の全体重量を基準として約1ppm~約40ppm重量部、例えば、約1ppm~約10ppm重量部、例えば、約2ppm~約30ppm重量部、例えば、約2ppm~20ppm重量部、例えば、約4ppm~約40ppm重量部、例えば、約4ppm~約20ppm重量部であってもよい。
前記研磨層は、アルミニウム(Al)をさらに含むことができる。前記アルミニウム(Al)は、前記研磨層に無機塩または有機塩の形態で含まれる。この時、前記アルミニウム(Al)の酸化数は、+3であってもよい。
前記研磨層に含まれたアルミニウム(Al)の濃度は、前記研磨層の全体重量を基準として約2ppm~約50ppm重量部、例えば、約2ppm~約40ppm重量部、例えば、約2ppm~約30ppm重量部、例えば、約2ppm~約20ppm重量部、例えば、約2ppm~約10ppm重量部、例えば、約3ppm~約50ppm重量部、例えば、約3ppm~40ppm重量部、例えば、約3ppm~約30ppm重量部、例えば、約3ppm~約10ppm重量部であってもよい。
前記研磨層に含まれた前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、および前記アルミニウム(Al)の濃度の総和は、前記研磨層の全体重量を基準として約5ppm~約40ppm重量部、例えば、約7ppm~約35ppm重量部、例えば、約5ppm~約30ppm重量部、例えば、約8ppm~20ppm重量部、例えば、約8ppm~約15ppm重量部、例えば、約9ppm~約20ppm重量部、例えば、約8ppm~約15ppm重量部であってもよい。
前記研磨層に含まれた金属の濃度は、次の方法によって測定される。
前記研磨層に含まれた金属の濃度は、ICP-OESによって測定される。
前記ICP-OESで測定された前記研磨パッド内の金属濃度は、研磨層に対して少なくとも5回、同様の方法で測定された数平均値であってもよい。例えば、前記研磨層のランダム位置ごとにサンプルが採取された後、前記サンプルは、酸によって溶解し、前記ICP-OES方式によってそれぞれのサンプルに含まれた金属の質量が測定され、それぞれのサンプルの質量を基準として前記金属の濃度が計算される。前記サンプルの質量は、約0.5g~約3gであってもよい。前記サンプルの質量は、約1gであってもよい。
前記研磨層が硝酸および塩酸に溶け、前記溶液は、約200℃の温度で、約16時間前処理された後、ICP-OESによって、前記金属の濃度が測定される。また、前記研磨層に含まれた金属の濃度は、全体的に均一であり得る。例えば、前記研磨層は、上側からみた時、1cm×1cmの正方形で多数のグリッドが分けられる。前記グリッドの金属濃度は、均一であり得る。前記グリッドにおける金属濃度の標準偏差は、約5ppm以下であってもよい。前記グリッドにおける金属濃度の標準偏差は、約4ppmであってもよい。前記グリッドにおける金属濃度の標準偏差は、約3ppmであってもよい。
本明細書において、前記各金属の濃度において、前述した方法で5回測定した平均値を、前記研磨層の全体重量を基準とする濃度値と定義する。
また、前記サンプルは、前記研磨層の研磨面から全体厚さの1/2の深さまでのランダムな部位から採取される。前記研磨面から1/2の深さまでの部位のサンプルは、前記ICP-OESによって測定され、前記研磨面から1/2の深さまでの金属濃度が測定される。
前記研磨層内の亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)それぞれの濃度は、前記研磨層の全体厚さ範囲にわたって前述した範囲を満足することができる。より具体的には、前記研磨層内の亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)それぞれの濃度は、前記研磨面から前記研磨層の厚さの1/2の深さまでの領域で前述した範囲を満足することができる。
前記研磨層内の亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)の総和の濃度は、前記研磨層の全体厚さ範囲にわたって前述した範囲を満足することができる。より具体的には、前記研磨層内の亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)の総和の濃度は、前記研磨面から前記研磨層の厚さの1/2の深さまでの領域で前述した範囲を満足することができる。
前記亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、およびアルミニウム(Al)それぞれの濃度、またはこれらの総和の濃度が、特に前記研磨面から前記研磨層の厚さの1/2の深さまでの領域で前述した範囲を満足することにより、コンディショナで表面が切削されながら研磨される研磨工程全体にわたって均一な研磨性能を提供する効果を得ることができる。
前記研磨層に含まれた亜鉛(Zn)の濃度は、前記研磨面から前記研磨層の厚さの1/2の深さまでの領域で、全体重量を基準として約0.5ppm~約40ppm重量部、例えば、約1ppm~約40ppm重量部、例えば、約2ppm~約40ppm重量部、例えば、約2ppm~約30ppm重量部であってもよい。
前記研磨層に含まれた鉄(Fe)の濃度は、前記研磨面から前記研磨層の厚さの1/2の深さまでの領域で、全体重量を基準として約1ppm~約40ppm重量部、例えば、約1ppm~約10ppm重量部、例えば、約2ppm~約30ppm重量部、例えば、約2ppm~20ppm重量部、例えば、約4ppm~約40ppm重量部、例えば、約4ppm~約20ppm重量部であってもよい。
前記研磨層に含まれたアルミニウム(Al)の濃度は、前記研磨面から前記研磨層の厚さの1/2の深さまでの領域で、全体重量を基準として約2ppm~約50ppm重量部、例えば、約2ppm~約40ppm重量部、例えば、約2ppm~約30ppm重量部、例えば、約2ppm~約20ppm重量部、例えば、約2ppm~約10ppm重量部、例えば、約3ppm~約50ppm重量部、例えば、約3ppm~40ppm重量部、例えば、約3ppm~約30ppm重量部、例えば、約3ppm~約10ppm重量部であってもよい。
前記研磨層に含まれた前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、および前記アルミニウム(Al)の濃度の総和は、前記研磨面から前記研磨層の厚さの1/2の深さまでの領域で、全体重量を基準として約5ppm~約40ppm重量部、例えば、約7ppm~約35ppm重量部、例えば、約5ppm~約30ppm重量部、例えば、約8ppm~20ppm重量部、例えば、約8ppm~約15ppm重量部、例えば、約9ppm~約20ppm重量部、例えば、約8ppm~約15ppm重量部であってもよい。
特に、前記研磨層は、半導体基板を研磨する時、コンディショナなどによって表面が切削される。これにより、前記研磨層において、前記半導体基板と主に接触する領域は、前記研磨面から前記研磨層の厚さの約1/2の深さまでであってもよい。これにより、前記研磨面から前記研磨層の厚さの約1/2の深さまでの金属濃度が前記の範囲を有する時、実施形態に係る研磨パッドは、向上した性能を有することができる。
前記研磨層は、前記金属を適切な濃度で含むため、実施形態に係る研磨パッドは、向上した研磨性能を有することができる。より具体的には、前記研磨層は、前記鉄(Fe)、前記アルミニウム(Al)、前記亜鉛(Zn)それぞれを適切な濃度で含むため、適切な硬度および伸び率などの物性を有することができる。また、前記金属は、実施形態に係る研磨パッドの電気的な特性を調節して、化学的機械的研磨に用いられるスラリーと前記研磨面との間の吸着度を向上させることができる。その結果、実施形態に係る研磨パッドは、目的とする水準の研磨率(RR)および低い欠陥(defect)などの研磨性能を実現することができる。
より具体的には、一実施形態に係る前記研磨層が前記亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、および前記アルミニウム(Al)それぞれ、またはこれらの組み合わせを前述した濃度で含み、これと同時に、前記研磨層の構造および化学的組成などが前述した特徴を満足する場合、これを半導体素子の製造工程に適用する時、最適な研磨性能を実現することができる。すなわち、前記研磨層の化学的組成に起因した元素、分子成分と適正濃度の亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、およびアルミニウム(Al)が相互作用することにより、前記研磨層の研磨面がシリコン(Si)、銅(Cu)、またはタングステン(W)を含む半導体基板の研磨に適した物理的特性および電気的特性を示すのに有利であり得る。
例えば、前記研磨層内の前記亜鉛(Zn)の濃度が前記範囲を有し、前記研磨層内に前記金属の総濃度が前記範囲を満足する場合、前記研磨層は、適切な硬度および伸び率を有することができる。また、前記研磨層は、適切な濃度で前記金属を含むため、前記研磨面および前記スラリーに含まれる研磨粒子の吸着特性が適切に向上できる。その結果、実施形態に係る前記研磨パッドは、目的とする研磨率および欠陥低減効果を実現することができる。
前記研磨層内の亜鉛(Zn)の濃度が前述した範囲を満足すると同時に、鉄(Fe)とアルミニウム(Al)の濃度がこの範囲を満足する場合、前記研磨層は、適切な金属濃度によって適切な硬度および伸び率を有することができる。また、前記研磨層は、適切な金属濃度を有するため、適切な電気的な特性およびスラリーとの適切な吸着および脱着特性を有することができる。結果的に、実施形態に係る研磨パッドは、目的とする研磨率および欠陥低減効果を実現することができる。
先に説明したように、前記研磨層は、その研磨面から全体厚さの1/2の深さまでの、前記鉄(Fe)、前記亜鉛(Zn)、および前記アルミニウム(Al)の濃度の和が前記範囲を有することができる。
前記鉄(Fe)、前記亜鉛(Zn)、および前記アルミニウム(Al)の濃度の総和が前記の範囲を外れて過度に低くなる場合、前記研磨層の硬度が必要以上に低くなって、目的とする研磨率の実現に不利でありうる。これとは逆に、前記鉄(Fe)、前記亜鉛(Zn)、および前記アルミニウム(Al)の濃度の総和が前記範囲を外れて過度に高くなる場合、前記研磨層の硬度が必要以上に高くなって、研磨対象である半導体基板などの表面にスクラッチのような欠陥の発生を増加させる恐れがある。
一方、研磨工程時、前記研磨層内の金属と前記研磨面に印加されるスラリーは、物理的または化学的結合が可能である。一実施形態に係る前記研磨パッドは、前記研磨層内の前記鉄(Fe)、前記亜鉛(Zn)、および前記アルミニウム(Al)の濃度の総和が適正範囲を満足することにより、前記スラリー成分との物理的または化学的結合に関連する面から、向上した研磨率、研磨平坦度および欠陥低減効果を有することができる。この時、物理的または化学的結合は、電気的結合、共有結合、イオン結合、配位結合、ファンデルワールス(van der Waals force)力、静電気的反発力および水素結合、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができるが、これに限定するものではない。すなわち、前記研磨層内の前記鉄(Fe)、前記亜鉛(Zn)、および前記アルミニウム(Al)の濃度の総和が前述した範囲を外れて過度に高いか、低くなる場合、前記スラリー中の成分と物理的または化学的結合力が過度に高いか、低くなるため、相互適正水準の付着力および脱着力が確保できない恐れがある。前記スラリー中の成分の付着力が過度に強くて脱着が難しい場合、研磨対象である半導体基板の表面にスクラッチを発生させる恐れがあり、前記スラリー中の成分の付着力が過度に弱い場合、目的とする水準の研磨率の実現が難しいことがある。
一実施形態において、前記研磨層は、下記の式2または式3で表される総酸化力指数を有することができる。前記研磨層の総酸化力指数は、約1.5~約10であってもよい。
前記総酸化力指数を計算するために、下記の式1でイオン化指数(Oxi.x)が定義される。
[式1]
ここで、前記xは、前記研磨層に含まれた金属である。前記xは、前記研磨層に有意な含有量で含まれた金属であってもよい。
前記xは、前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、または前記アルミニウム(Al)であってもよい。
前記Exは、前記x金属の1次イオン化エネルギーである。
前記Σ(1/Ex)は、前記研磨層に含まれた金属それぞれの1次イオン化エネルギーの逆数の総和である。
前記イオン化指数は、前記研磨層に含まれた金属と、前記スラリーに含まれた研磨粒子との物理的または化学的結合、例えば、イオン結合または電気的結合が起こる可能性を示す指標として機能することができる。また、前記研磨層内に含まれた金属のイオン化指数は、前記研磨パッドとスラリーとの物理的および化学的な結合に強い影響を及ぼすことができる。
具体的には、前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、および前記アルミニウム(Al)は、イオン化エネルギーを有する金属であって、スラリーの成分と有機・無機結合を行うことができる。イオン化エネルギーとは、原子や分子から電子を引き離す時に必要なエネルギーで、イオン化エネルギーが大きいほど、電子を引き離しにくくなり、イオン化エネルギーが小さいほど、陽イオンになろうとする傾向が強いので、反応性が大きいといえる。
これを利用して、前記研磨パッド内の前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、および前記アルミニウム(Al)のイオン化程度を相対的な比率で計算するために指数で示した前記イオン化指数は、前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、前記アルミニウム(Al)それぞれの1次イオン化エネルギーを逆数化して、前記アルミニウム(Al)の1次イオン化エネルギーの逆数、前記亜鉛(Zn)の1次イオン化エネルギーの逆数、および前記鉄(Fe)の1次イオン化エネルギーの逆数の総和で割ったものである。すなわち、前記研磨層内に含まれた各金属の場合、そのイオン化指数が大きいほど、スラリー成分との反応性が大きくなり、逆に、そのイオン化指数が小さいほど、スラリー成分との反応性が小さくなる傾向性を有する。このように、前記各金属のイオン化指数は、これらの反応性に関連して前記スラリー中の成分との物理的または化学的結合力を示す指標として機能することができ、後述により、所定の数値範囲が前記研磨パッドの研磨性能に関連して最適な性能の実現を代弁する技術的意義を有する酸化力指数を構成する1つの要素(factor)として機能することができる。前記総酸化力指数は、下記の式2で表されてもよい。
例えば、前記総酸化力指数は、前記x金属のイオン化指数に前記x金属の濃度(ppm)値を乗じ、それぞれのイオン化指数と濃度(ppm)の値を乗じた数値を合計した値であってもよい。前記総酸化力指数を構成する因子に関連して、前記x金属の濃度は、前述のように、ICP-OESを活用して導出されたppm単位を有する値や、前記酸化力指数を構成する因子としてその数値だけを用いる。また、前記x金属のイオン化指数は、それ自体で単位がない値である。したがって、前記x金属の濃度と前記x金属のイオン化指数の値の総和で定義される前記酸化力指数は、単位がない指標として示される。
[式2]
ここで、Con.xは、前記研磨層の全体重量を基準とする前記x金属重量のppm濃度値である。
例えば、前記金属は、前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、および前記アルミニウム(Al)であってもよい。
例えば、前記総酸化力指数は、下記の式3で表されてもよい。
[式3]
ここで、前記Con.Alは、前記研磨層の全体重量を基準とする前記アルミニウム(Al)重量のppm濃度値であり、前記Con.Znは、前記研磨層の全体重量を基準とする前記亜鉛(Zn)重量のppm濃度値であり、前記Con.Feは、前記研磨層の全体重量を基準とする前記鉄(Fe)重量のppm濃度値であり、
前記Oxi.Alは、前記アルミニウム(Al)のイオン化指数であって、前記アルミニウム(Al)の1次イオン化エネルギーの逆数を、前記アルミニウムの1次イオン化エネルギーの逆数、前記亜鉛(Zn)の1次イオン化エネルギーの逆数、および前記鉄(Fe)の1次イオン化エネルギーの逆数の総和で割った値であり、
前記Oxi.Znは、前記亜鉛(Zn)のイオン化指数であって、前記亜鉛(Zn)の1次イオン化エネルギーの逆数を、前記アルミニウムの1次イオン化エネルギーの逆数、前記亜鉛(Zn)の1次イオン化エネルギーの逆数、および前記鉄(Fe)の1次イオン化エネルギーの逆数の総和で割った値であり、
前記Oxi.Feは、前記鉄(Fe)のイオン化指数であって、前記鉄(Fe)の1次イオン化エネルギーの逆数を、前記アルミニウムの1次イオン化エネルギーの逆数、前記亜鉛(Zn)の1次イオン化エネルギーの逆数、および前記鉄(Fe)の1次イオン化エネルギーの逆数の総和で割った値である。
前記総酸化力指数は、約2~約9、例えば、約2~約8、例えば、約3~約7、例えば、約2~約7であってもよい。
前記総酸化力指数は、前記研磨層に含まれた金属によって誘発される前記研磨層と、前記スラリーに含まれた研磨粒子との結合程度であってもよい。例えば、前記総酸化力指数は、前記亜鉛(Zn)、前記鉄(Fe)、および前記アルミニウム(Al)によって、前記研磨層およびスラリーに含まれた研磨粒子との結合力の程度を示すことができる。
例えば、前記総酸化力指数は、前記研磨層が有する電気的な特性を指数化したものであってもよい。すなわち、前記研磨層が適切な総酸化力指数を有する研磨パッドは、被研磨面に前記スラリーに含まれる研磨粒子を容易に物理的または化学的に結合させることができる。前記総酸化力指数が一定の範囲内にある時、前記研磨層の極性が適正水準に確保され、これにより、前記被研磨面は、適切なチャージ(charge)を有することができる。これにより、前記被研磨面および前記スラリーに含まれた研磨粒子間の静電気的斥力による反発力が減少できる。その結果、実施形態に係る前記研磨パッドは、前記スラリーに含まれた研磨粒子の研磨参加を実質的に高めることができ、向上した研磨率を有することができる。
また、前記総酸化力指数が適切であるため、研磨工程時、前記研磨層と前記スラリーに含まれた研磨粒子との相互作用が適切であり得る。これにより、前記スラリーに含まれた研磨粒子は、前記研磨パッドと吸着が容易で、研磨率が増加すると同時に、前記スラリーに含まれた研磨粒子と前記被研磨面との間の脱着が容易で、研磨されるウエハの欠陥(defect)が減少できる。これにより、前記総酸化力指数が前記の範囲の場合、前記研磨層が目的水準の研磨性能を実現するのにより有利であり得る。
実施形態に係る前記研磨パッドにおいて、被研磨面とスラリーとが直接または間接的に当接し、研磨工程が行われる。これにより、前記研磨層に含まれた金属成分は、被研磨面の摩擦誘発水準とスラリーとの吸脱着および分散能力を向上させ、これにより、実施形態に係る研磨パッドの研磨性能を向上させる重要因子になる。
一実施形態に係る前記研磨パッドを構成する前記研磨層の電気的な特性がスラリー粒子表面と研磨パッドとの間の吸脱着に変化を与える程度および研磨性能に影響を及ぼす。具体的には、前記研磨層内の金属濃度は、前記研磨層内の電気的な特性を変化させることができる重要な因子の一つであって、前記研磨層とスラリーの吸着度を客観化するために、本発明では、総酸化力指数という概念を導入して、研磨層に対する研磨性能を客観的に評価しようとする。したがって、前記総酸化力指数は、前記研磨層とスラリーとの吸着程度を示すもので、研磨工程時、前記研磨層とスラリーの吸着程度を通して、前記研磨パッドの研磨率および平坦化性能程度を確認できる指標になり得る。
前記金属は、前記研磨層内に添加される。前記金属は、金属塩、金属粒子、金属バインダー、およびこれらの組み合わせからなる群より少なくとも1つ選択されて添加される。例えば、前記金属塩、金属粒子、または金属バインダーは、独立した添加物として前記研磨層内に添加されてもよく、前記研磨層を組成するためのその他の成分に混合された状態で添加されてもよい。
前記金属は、前記研磨層に金属塩の形態で添加される。例えば、前記金属または金属塩は、塩化鉄(iron chloride)、臭化鉄(iron bromide)、塩化第二鉄(iron chloride anhydrous)、酸化鉄(iron oxide)、鉄アセテート(iron acetate)、無水塩化アルミニウム(aluminum chloride anhydrous)、臭化アルミニウム(aluminum bromide)、酸化アルミニウム(aluminum oxide)、アルミニウム酢酸(aluminium triacetate)、塩化亜鉛(zinc chloride)、亜鉛臭化物(zinc bromide)、酸化亜鉛(zinc oxide)、酢酸亜鉛(zinc acetate)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができるが、これに限定するものではない。
また、前記金属の含有量は、添加によって前記の範囲を有するように調節可能である。また、前記金属は、反応器、原料供給ライン、原料または周辺環境によって前記研磨層に添加される。この時、本実施形態では、前記金属の含有量が前記の範囲を有するように適切に金属塩添加などのような多様な方法で調節可能である。
一実施形態において、前記研磨層をpH3以下の硝酸および塩酸に溶かした後、前記溶解物は、約200℃で、約16時間前処理後、ICP-OESを測定して検出された金属濃度は、前記研磨層の硬度および電気的な特性およびスラリーとの吸着および脱着度に関連性がある。
ただし、一実施形態に係る前記研磨パッドの技術的目的は、前記加工組成物をICP-OESで測定して表される研磨層内の金属濃度が前述した条件を満足する場合、前記研磨パッドの結果的な研磨性能が目的とする水準を実現できるというのである。すなわち、このような技術的目的を満足する範囲内では、やや異なるモノマーの種類および含有量、やや異なる工程条件などを適用した場合でも、本発明において目的とする権利範囲を逸脱すると見なされない。
前記硬化剤は、前記ウレタン系プレポリマーと化学的に反応して前記研磨層内の最終硬化構造体を形成するための化合物であって、例えば、アミン化合物またはアルコール化合物を含むことができる。具体的には、前記硬化剤は、芳香族アミン、脂肪族アミン、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
例えば、前記硬化剤は、4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)(4,4'-methylenebis(2-chloroaniline);MOCA)、ジエチルトルエンジアミン(diethyltoluenediamine;DETDA)、ジアミノジフェニルメタン(diaminodiphenylmethane)、ジメチルチオトルエンジアミン(dimethyl thio-toluene diamine;DMTDA)、プロパンジオールビスp-アミノベンゾエート(propanediol bis p-aminobenzoate)、Methylene bis-methylanthranilate、ジアミノジフェニルスルホン(diaminodiphenylsulfone)、m-キシリレンジアミン(m-xylylenediamine)、イソホロンジアミン(isophoronediamine)、エチレンジアミン(ethylenediamine)、ジエチレントリアミン(diethylenetriamine)、トリエチレンテトラミン(triethylenetetramine)、ポリプロピレンジアミン(polypropylenediamine)、ポリプロピレントリアミン(polypropylenetriamine)、ビス(4-アミノ-3-クロロフェニル)メタン(bis(4-amino-3-chlorophenyl)methane)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記硬化剤の含有量は、前記予備組成物100重量部を基準として約18重量部~約28重量部、例えば、約19重量部~約27重量部、例えば、約20重量部~約26重量部であってもよい。前記硬化剤の含有量が前記範囲を満足する場合、目的とする研磨パッドの性能を実現するのにさらに有利であり得る。
前記硬化剤がアミン化合物を含む場合、前記予備組成物中のイソシアネート(NCO)基に対する前記硬化剤中のアミン(NH2)基のモル比が約1:0.60~約1:0.99であってもよく、例えば、約1:0.60~約1:0.95であってもよく、例えば、約1:0.60以上、約1:0.90未満であってもよい。
前記発泡剤は、前記研磨層内の気孔構造を形成するための成分であって、固相発泡剤、気相発泡剤、液相発泡剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。一実施形態において、前記発泡剤は、固相発泡剤、気相発泡剤、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
前記固相発泡剤の平均粒径は、約5μm~約200μm、例えば、約20μm~約50μm、例えば、約21μm~約50μm、例えば、約21μm~約40μmであってもよい。前記固相発泡剤の平均粒径は、前記固相発泡剤が後述による熱膨張(expanded)粒子の場合、熱膨張粒子自体の平均粒径を意味し、前記固相発泡剤が後述による未膨張(unexpanded)粒子の場合、熱または圧力によって膨張した後の粒子の平均粒径を意味することができる。
前記固相発泡剤は、膨張性粒子を含むことができる。前記膨張性粒子は、熱または圧力などによって膨張可能な特性を有する粒子であって、前記研磨層を製造する過程で加えられる熱または圧力などによって最終研磨層内での大きさが決定可能である。前記膨張性粒子は、熱膨張(expanded)粒子、未膨張(unexpanded)粒子、またはこれらの組み合わせを含むことができる。前記熱膨張粒子は、熱によって事前膨張した粒子であって、前記研磨層の製造過程で加えられる熱または圧力による大きさの変化が小さいかほぼない粒子を意味する。前記未膨張粒子は、事前膨張しない粒子であって、前記研磨層の製造過程で加えられる熱または圧力によって膨張して最終的な大きさが決定される粒子を意味する。
前記膨張性粒子は、樹脂材質の外皮;および前記外皮に封入された内部に存在する膨張誘発成分を含むことができる。
例えば、前記外皮は、熱可塑性樹脂を含むことができ、前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル系共重合体、メタクリロニトリル系共重合体、およびアクリル系共重合体からなる群より選択された1種以上であってもよい。
前記膨張誘発成分は、炭化水素化合物、クロロフルオロ化合物、テトラアルキルシラン化合物、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
具体的には、前記炭化水素化合物は、エタン(ethane)、エチレン(ethylene)、プロパン(propane)、プロペン(propene)、n-ブタン(n-butane)、イソブタン(isobutane)、n-ブテン(butene)、イソブテン(isobutene)、n-ペンタン(n-pentane)、イソペンタン(isopentane)、ネオペンタン(neopentane)、n-ヘキサン(n-hexane)、ヘプタン(heptane)、石油エーテル(petroleum ether)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記クロロフルオロ化合物は、トリクロロフルオロメタン(trichlorofluoromethane、CCl3F)、ジクロロジフルオロメタン(dichlorodifluoromethane、CCl2F2)、クロロトリフルオロメタン(chlorotrifluoromethane、CClF3)、テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene、CClF2-CClF2)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記テトラアルキルシラン化合物は、テトラメチルシラン(tetramethylsilane)、トリメチルエチルシラン(trimethylethylsilane)、トリメチルイソプロピルシラン(trimethylisopropylsilane)、トリメチル-n-プロピルシラン(trimethyl-n-propylsilane)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記固相発泡剤は、選択的に無機成分処理粒子を含むことができる。例えば、前記固相発泡剤は、無機成分処理された膨張性粒子を含むことができる。一実施形態において、前記固相発泡剤は、シリカ(SiO2)粒子処理された膨張性粒子を含むことができる。前記固相発泡剤の無機成分処理は、複数の粒子間凝集を防止することができる。前記無機成分処理された固相発泡剤は、無機成分処理されない固相発泡剤と発泡剤表面の化学的、電気的および/または物理的特性が異なる。
前記固相発泡剤の含有量は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として約0.5重量部~約10重量部、例えば、約1重量部~約3重量部、例えば、約1.3重量部~約2.7重量部、例えば、約1.3重量部~約2.6重量部であってもよい。
前記研磨層の目的とする気孔構造および物性によって前記固相発泡剤の種類および含有量を設計することができる。
前記気相発泡剤は、不活性ガスを含むことができる。前記気相発泡剤は、前記ウレタン系プレポリマーと前記硬化剤とが反応する過程で投入されて気孔形成要素として使用できる。
前記不活性ガスは、前記ウレタン系プレポリマーと前記硬化剤との間の反応に参加しないガスであれば、種類が特に限定されない。例えば、前記不活性ガスは、窒素ガス(N2)、アルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。具体的には、前記不活性ガスは、窒素ガス(N2)またはアルゴンガス(Ar)を含むことができる。
前記研磨層の目的とする気孔構造および物性によって前記気相発泡剤の種類および含有量を設計することができる。
一実施形態において、前記発泡剤は、固相発泡剤を含むことができる。例えば、前記発泡剤は、固相発泡剤のみからなってもよい。
前記固相発泡剤は、膨張性粒子を含み、前記膨張性粒子は、熱膨張粒子を含むことができる。例えば、前記固相発泡剤は、熱膨張粒子のみからなってもよい。前記未膨張粒子を含まずに熱膨張粒子のみからなる場合、気孔構造の可変性は低下するが、事前予測可能性が高くなり、前記研磨層の全領域にわたって均質な気孔特性を実現するのに有利であり得る。
一実施形態において、前記熱膨張粒子は、約5μm~約200μmの平均粒径を有する粒子であってもよい。前記熱膨張粒子の平均粒径は、約5μm~約100μm、例えば、約10μm~約80μm、例えば、約20μm~約70μm、例えば、約20μm~約50μm、例えば、約30μm~約70μm、例えば、約25μm~45μm、例えば、約40μm~約70μm、例えば、約40μm~約60μmであってもよい。前記平均粒径は、前記熱膨張粒子のD50で定義される。
一実施形態において、前記熱膨張粒子の密度は、約30kg/m3~約80kg/m3、例えば、約35kg/m3~約80kg/m3、例えば、約35kg/m3~約75kg/m3、例えば、約38kg/m3~約72kg/m3、例えば、約40kg/m3~約75kg/m3、例えば、約40kg/m3~約72kg/m3であってもよい。
一実施形態において、前記発泡剤は、気相発泡剤を含むことができる。例えば、前記発泡剤は、固相発泡剤および気相発泡剤を含むことができる。前記固相発泡剤に関する事項は前述した通りである。
前記気相発泡剤は、窒素ガスを含むことができる。
前記気相発泡剤は、前記ウレタン系プレポリマー、前記固相発泡剤、および前記硬化剤が混合される過程中に所定の注入ラインを通して注入できる。前記気相発泡剤の注入速度は、約0.8L/min~約2.0L/min、例えば、約0.8L/min~約1.8L/min、例えば、約0.8L/min~約1.7L/min、例えば、約1.0L/min~約2.0L/min、例えば、約1.0L/min~約1.8L/min、例えば、約1.0L/min~約1.7L/minであってもよい。
前記研磨層を製造するための組成物は、界面活性剤、反応速度調節剤などのその他の添加剤をさらに含むことができる。前記「界面活性剤」、「反応速度調節剤」などの名称は、当該物質の主な役割を基準として任意に称する名称であり、それぞれの当該物質が必ずしも当該名称の役割に限られた機能だけを行うわけではない。
前記界面活性剤は、気孔の凝集または重畳などの現象を防止する役割を果たす物質であれば特に限定されない。例えば、前記界面活性剤は、シリコーン系界面活性剤を含むことができる。
前記界面活性剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として約0.2重量部~約2重量部の含有量で使用できる。具体的には、前記界面活性剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として約0.2重量部~約1.9重量部、例えば、約0.2重量部~約1.8重量部、例えば、約0.2重量部~約1.7重量部、例えば、約0.2重量部~約1.6重量部、例えば、約0.2重量部~約1.5重量部、例えば、約0.5重量部~1.5重量部の含有量で含まれる。前記範囲内の含有量で界面活性剤を含む場合、気相発泡剤由来の気孔がモールド内で安定して形成および維持できる。
前記反応速度調節剤は、反応促進または反応遅延の役割を果たすものでって、目的によって、反応促進剤、反応遅延剤、またはこれらすべてを使用することができる。前記反応速度調節剤は、反応促進剤を含むことができる。例えば、前記反応促進剤は、3級アミン系化合物および有機金属系化合物からなる群より選択された1種以上の反応促進剤であってもよい。
具体的には、前記反応速度調節剤は、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルブタンジアミン、2-メチル-トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、1,4-ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、ビス(2-メチルアミノエチル)エーテル、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N,N,N''-ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ベンジルジメチルアミン、N-エチルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエチルモルホリン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、2-メチル-2-アザノルボルナン、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジオクチルチンジアセテート、ジブチルチンマレエート、ジブチルチンジ-2-エチルヘキサノエート、およびジブチルチンジメルカプチドからなる群より選択された1種以上を含むことができる。具体的には、前記反応速度調節剤は、ベンジルジメチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、およびトリエチルアミンからなる群より選択された1種以上を含むことができる。
前記反応速度調節剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として約0.05重量部~約2重量部の量で使用できる。具体的には、前記反応速度調節剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として約0.05重量部~約1.8重量部、例えば、約0.05重量部~約1.7重量部、例えば、約0.05重量部~約1.6重量部、例えば、約0.1重量部~約1.5重量部、例えば、約0.1重量部~約0.3重量部、例えば、約0.2重量部~約1.8重量部、例えば、約0.2重量部~約1.7重量部、例えば、約0.2重量部~約1.6重量部、例えば、約0.2重量部~約1.5重量部、例えば、約0.5重量部~約1重量部の量で使用できる。前記反応速度調節剤が前述した含有量範囲で使用される場合、予備組成物の硬化反応速度を適宜調節して、所望する大きさの気孔および硬度を有する研磨層を形成することができる。
前記研磨パッドがクッション層を含む場合、前記クッション層は、前記研磨層を支持しながら前記研磨層に加えられる外部衝撃を吸収し分散させる役割を果たすことにより、前記研磨パッドを適用した研磨工程中の研磨対象に対する損傷および欠陥の発生を最小化させることができる。
前記クッション層は、不織布またはスエードを含むことができるが、これに限定されるものではない。
一実施形態において、前記クッション層は、樹脂含浸不織布であってもよい。前記不織布は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含む繊維不織布であってもよい。
前記不織布に含浸された樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリアミド系エラストマー樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
一実施形態に係る前記研磨パッドにおいて、前記研磨層の研磨面の硬度(Shore D)は、約50未満であってもよく、例えば、30Shore D~80Shore Dであってもよい。具体的には、前記研磨層の硬度は、40Shore D~80Shore D、50Shore D~80Shore D、40Shore D~70Shore D、50Shore D~70Shore D、または55Shore D~65Shore Dであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記研磨層の引張強度は、約25N/mm2未満であってもよく、例えば、約10N/mm2以上、約25N/mm2未満であってもよく、例えば、約15N/mm2~約25N/mm2であってもよい。前記研磨層の伸び率は、約100%以上であってもよく、例えば、約100%~約200%であってもよい。前記研磨層の切削率は、約10μm/hr以上であってもよく、例えば、約10μm/hr~約80μm/hrであってもよく、例えば、約15μm/hr~約50μm/hrであってもよい。例えば、前記研磨面の硬度;前記研磨層の引張強度と伸び率;および前記研磨層の切削率が同時に前述した範囲を示す場合、前記加工組成物のピーク特性に相応する物理的、機械的特性を示すと評価される。この場合、前記研磨層を含む研磨パッドは、半導体素子工程に適用されて優れた研磨性能を実現することができる。
以下、前記研磨パッドを製造する方法を説明する。
本発明に係る他の実施形態において、プレポリマーを含む予備組成物を製造するステップと、前記予備組成物に亜鉛(Zn)を混合するステップと、前記予備組成物、発泡剤、および硬化剤を含む研磨層製造用組成物を製造するステップと、前記研磨層製造用組成物を硬化して、全体重量を基準として亜鉛(Zn)の濃度が約0.5ppm~約40ppm重量部である研磨層を製造するステップと、を含む研磨パッドの製造方法を提供することができる。
前記予備組成物を製造するステップは、ジイソシアネート化合物およびポリオール化合物を反応させてウレタン系プレポリマーを製造する工程であってもよい。前記ジイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物に関する事項は、前記研磨パッドに関して前述した通りである。
前記予備組成物のイソシアネート基の含有量(NCO%)は、約5重量%~約11重量%、例えば、約5重量%~約10重量%、例えば、約6重量%~約9.5重量%であってもよい。この場合、前述した化学的結合構造を有する研磨層を得るのにより有利であり得る。前記予備組成物のイソシアネート基の含有量は、前記ウレタン系プレポリマーの末端イソシアネート基、前記ジイソシアネート化合物中の反応しない未反応イソシアネート基などに由来できる。
前記予備組成物の粘度は、約80℃で約100cps~約1,000cpsであってもよく、例えば、約200cps~約800cpsであってもよく、例えば、約200cps~約600cpsであってもよく、例えば、約200cps~約600cpsであってもよく、例えば、約300cps~約600cpsであってもよい。
前記発泡剤が固相発泡剤または気相発泡剤を含むことができる。前記発泡剤の種類などに関する事項は、前記研磨パッドに関して前述した通りである。
前記発泡剤が固相発泡剤を含む場合、前記研磨層製造用組成物を製造するステップは、前記予備組成物および前記固相発泡剤を混合して第1予備組成物を製造するステップと、前記第1予備組成物と硬化剤とを混合して第2予備組成物を製造するステップとを含むことができる。
前記第1予備組成物の粘度は、約80℃で約1,000cps~約2,000cpsであってもよく、例えば、約1,000cps~約1,800cpsであってもよく、例えば、約1,000cps~約1,600cpsであってもよく、例えば、約1,500cps~約2,000cpsであってもよい。
前記発泡剤が気相発泡剤を含む場合、前記研磨層製造用組成物を製造するステップは、前記予備組成物および前記硬化剤を含む第3予備組成物を製造するステップと、前記第3予備組成物に前記気相発泡剤を注入して第4予備組成物を製造するステップとを含むことができる。
一実施形態において、前記第3予備組成物は、固相発泡剤をさらに含むことができる。
実施形態に係る研磨パッドの金属濃度は、次の方法によって前記のような範囲に調節可能である。
前記予備組成物に先立って説明した亜鉛(Zn)成分が適切な含有量で添加されて、前記研磨層の亜鉛(Zn)含有量が調節可能である。すなわち、前記研磨層に含まれる亜鉛(Zn)含有量が前記範囲を有するように、前記予備組成物に前記亜鉛(Zn)成分が適宜添加可能である。前記予備組成物に添加される亜鉛(Zn)は、金属粒子、金属イオン、または金属塩の形態で添加される。
一実施形態において、前記予備組成物に亜鉛(Zn)とともに、アルミニウム(Al)および鉄(Fe)をさらに混合するステップを含むことができる。このような金属成分の添加形態は、金属粒子、金属イオン、または金属塩であってもよい。また、これらそれぞれの前記研磨層内の濃度範囲は、前記研磨パッドに関して上述した内容がすべて同様に統合適用される。
前記製造方法で製造された研磨パッドにおいて、前記研磨層は、前述のように、前記式3で表される総酸化力指数が約1.5~約10、例えば、約2~約9、例えば、約2~約8、例えば、約3~約7、例えば、約2~約7であってもよい。
一実施形態において、前記研磨層を製造する工程は、第1温度に予熱されたモールドを用意するステップと、前記予熱されたモールドに前記研磨層製造用組成物を注入して硬化させるステップと、硬化した前記研磨層製造用組成物を前記予熱温度より高い第2温度条件下で後硬化するステップとを含むことができる。
一実施形態において、前記第1温度と前記第2温度との温度差は、約10℃~約40℃であってもよく、例えば、約10℃~約35℃であってもよく、例えば、約15℃~約35℃であってもよい。
一実施形態において、前記第1温度は、約60℃~約100℃、例えば、約65℃~約95℃、例えば、約70℃~約90℃であってもよい。
一実施形態において、前記第2温度は、約100℃~約130℃であってもよく、例えば、約100℃~125℃であってもよく、例えば、約100℃~約120℃であってもよい。
前記研磨層製造用組成物を前記第1温度下で硬化させるステップは、約5分~約60分、例えば、約5分~約40分、例えば、約5分~約30分、例えば、約5分~約25分間行われる。
前記第1温度下で硬化した研磨層製造用組成物を前記第2温度下で後硬化するステップは、約5時間~約30時間、例えば、約5時間~約25時間、例えば、約10時間~約30時間、例えば、約10時間~約25時間、例えば、約12時間~約24時間、例えば、約15時間~約24時間行われる。
前記研磨パッドの製造方法は、前記研磨層の少なくとも一面を加工するステップを含むことができる。
前記研磨層の少なくとも一面を加工するステップは、前記研磨層の少なくとも一面上にグルーブ(groove)を形成するステップ(1);前記研磨層の少なくとも一面を旋削(line turning)するステップ(2);および前記研磨層の少なくとも一面を粗面化するステップ(3)、の少なくとも1つのステップを含むことができる。
前記ステップ(1)において、前記グルーブ(groove)は、前記研磨層の中心から所定の間隔で離隔形成される同心円状グルーブ;および前記研磨層の中心から前記研磨層のエッジ(edge)まで連続連結される放射状グルーブ、の少なくとも1つを含むことができる。
前記ステップ(2)において、前記旋削(line turning)は、切削工具を用いて前記研磨層を所定の厚さだけ削り出す方法で行われる。
前記ステップ(3)において、前記粗面化は、前記研磨層の表面をサンディングローラ(Sanding roller)で加工する方法で行われる。
前記研磨パッドの製造方法は、前記研磨層の研磨面の裏面上にクッション層を積層するステップをさらに含むことができる。前記クッション層に関する事項は、前記研磨パッドに関して前述したものと同じである。
前記研磨層と前記クッション層は、熱融着接着剤を介在して積層できる。
前記研磨層の研磨面の裏面上に前記熱融着接着剤を塗布し、前記クッション層の前記研磨層と当接する表面上に前記熱融着接着剤を塗布し、それぞれの熱融着接着剤が塗布された面が当接するように前記研磨層と前記クッション層とを積層した後、加圧ローラを用いて両層を融着させることができる。
本発明に係るさらに他の実施形態において、研磨層を含む研磨パッドを提供するステップと、前記研磨層の研磨面に研磨対象の被研磨面が当接するように配置した後、互いに相対回転させながら前記研磨対象を研磨するステップと、を含み、前記研磨対象は、半導体基板を含み、前記研磨層が亜鉛(Zn)を含み、前記亜鉛(Zn)の濃度は、前記研磨層の全体重量を基準として約0.5ppm~約40ppm重量部である、半導体素子の製造方法を提供する。
前記研磨層の構造および組成、前記研磨層の加工組成物と、前記研磨層内の亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、および鉄(Fe)の濃度などに関する事項は、前記研磨パッドに関して前述した事項がすべて同一に統合適用可能である。前記半導体素子の製造方法において前述した特性を有する研磨層が備えられた研磨パッドを適用することで、これによって製造された前記半導体素子は、半導体基板の優れた研磨結果に由来する優れた機能を実現することができる。
前記半導体素子の製造方法において、前記研磨層は、前述のように、前記式3で表される総酸化力指数が約1.5~約10、例えば、約2~約9、例えば、約2~約8、例えば、約3~約7、例えば、約2~約7であってもよい。前記半導体素子の製造方法に前記範囲の総酸化力指数を有する研磨層が適用されることにより、前記半導体基板を被研磨面が優れた研磨効率で研磨され、研磨平坦度および欠陥防止の面で優れた研磨性能を実現することができる。
図2は、一実施形態に係る半導体素子の製造方法を概略的に示す模式図である。図2を参照する時、前記研磨層を含む研磨パッドを提供するステップにおいて、前記研磨パッド110は、定盤120上に配置されて提供される。
前記研磨対象は、半導体基板を含み、前記半導体基板130は、その被研磨面が前記研磨パッド110の研磨層の研磨面に当接するように配置される。この時、前記半導体基板130の被研磨面と前記研磨層の研磨面とは直接当接してもよく、流動性のあるスラリーなどを介在して間接的に当接してもよい。
一実施形態において、前記半導体素子の製造方法は、前記研磨パッド110の研磨層の研磨面上に研磨スラリー150を供給するステップをさらに含むことができる。例えば、前記研磨スラリー150は、供給ノズル140を介して前記研磨面上に供給される。
前記供給ノズル140を介して噴射される研磨スラリー150の流量は、約10ml/分~約1,000ml/分であってもよく、例えば、約10ml/分~約800ml/分であってもよく、例えば、約50ml/分~約500ml/分であってもよいが、これに限定されるものではない。
前記研磨スラリー150は、シリカスラリーまたはセリアスラリーを含むことができる。前記研磨スラリーが研磨粒子としてシリカ粒子またはセリア粒子を含み、前記研磨層の亜鉛(Zn)の濃度が前記範囲を満足する場合、前記研磨スラリーと前記研磨層の研磨面との間の適切な電気的相互作用によって前記研磨粒子が前記研磨面に適切な結合力で脱着および付着することができ、その結果、研磨効率上、最適な研磨率を確保すると同時に、欠陥防止効果を極大化するのに有利であり得る。
具体的には、前記研磨スラリーが研磨粒子としてシリカ粒子またはセリア粒子を含み、前記研磨層が前記式3による総酸化力指数を前記範囲で満足する場合、前記研磨スラリーと前記研磨層の研磨面との間の電気的、化学的相互作用が目的水準の研磨率の確保および欠陥防止効果の確保の面からより向上するという利点を得ることができる。
前記半導体基板130は、研磨ヘッド160に装着された状態で所定の荷重で加圧されて前記研磨面に当接することができる。前記研磨ヘッド160によって前記半導体基板130の被研磨面が前記研磨面上に加圧される荷重は、例えば、約0.01psi~約20psiの範囲で目的によって選択可能であり、例えば、約0.1psi~約15psiであってもよいが、これに限定されるものではない。前記研磨層の研磨面と前記半導体基板の被研磨面とが前述した荷重で互いに当接する場合、前記研磨層が前述したピーク特性に代表される硬度および伸び率を示し、これに相応する弾性と接触面積が前記半導体基板の被研磨面に提供され、これにより、前記半導体基板の研磨率および欠陥防止効果が目的水準で実現されるのに有利であり得る。
前記半導体基板130と前記研磨パッド110は、それぞれの被研磨面と研磨面とが互いに当接したまま相対回転することができる。この時、前記半導体基板130の回転方向と前記研磨パッド110の回転方向は、同一の方向であってもよく、反対方向であってもよい。前記半導体基板130と前記研磨パッド110の回転速度は、それぞれ約10rpm~約500rpmの範囲で目的によって選択可能であり、例えば、約30rpm~約200rpmであってもよいが、これに限定されるものではない。前記半導体基板と前記研磨パッドの回転速度がそれぞれ前記範囲を満足する場合、前記研磨層が前述したピーク特性に代表される硬度および伸び率を示し、これに相応する弾性と接触面積が前記半導体基板の被研磨面に提供され、これにより、前記半導体基板の研磨率および欠陥防止効果が目的水準で実現されるのに有利であり得る。
一実施形態において、前記半導体素子の製造方法は、前記研磨パッド110の研磨面を研磨に適した状態に維持させるために、前記半導体基板130の研磨と同時に、コンディショナ170を介して前記研磨パッド110の研磨面を加工するステップをさらに含むことができる。
一実施形態において、前記半導体素子の製造方法は、前記半導体基板が酸化ケイ素(SiO2)膜を含み、前記被研磨面が前記酸化ケイ素(SiO2)膜の表面であり、前記被研磨面上の研磨完了後の表面欠陥(defect)が5個未満であり、前記酸化ケイ素(SiO2)膜の平均研磨率が1,500Å/min~2,500Å/minであってもよく、例えば、約1,500Å/min以上、約2,500Å/min未満であってもよい。
前記半導体素子の製造方法は、前述した特徴を有する研磨層が備えられた研磨パッドを適用することにより、酸化ケイ素(SiO2)膜を有する半導体基板を研磨対象として、前述した研磨率および欠陥防止性能を実現することができる。
前記研磨パッドは、これを所定の条件下で処理した加工組成物が示す金属濃度に相応する研磨層を含むため、前記研磨層の研磨面が適切な硬度および電気的特性を示すことができる。
これにより、前記研磨パッドは、研磨対象の研磨において目的範囲の研磨率および研磨平坦度を示すことができる。また、前記研磨パッドは、前記金属を適正量で含むため、前記研磨パッドは、研磨工程中にスラリーとの吸着度が増加し、前記研磨パッドは、向上した研磨率および向上した研磨性能を有することができる。
前記研磨パッドを用いた半導体素子の製造方法は、研磨対象である半導体基板の研磨に高い工程効率を有する。また、一実施形態に係る半導体素子の製造方法は、前記半導体基板の被研磨面が高い研磨平坦度および最低水準の欠陥を有するようにする。
また、実施形態に係る研磨パッドは、金属成分を含むため、研磨面の電気的特性が適宜調節可能である。例えば、前記研磨層が前記金属成分を含むため、表面改質された研磨粒子が前記研磨面に静電気的引力によって結合されるのに容易であり得る。
特に、前記表面改質された研磨粒子が前記研磨面に適当な引力で結合できるように、前記金属成分によって、前記研磨面の表面電位が調節可能である。
前記金属成分が前記のような総酸化力指数を有するため、前記表面改質された研磨粒子が前記研磨面に適切な静電気的引力で結合できる。
これにより、前記研磨面近傍に適量の研磨粒子が適当な結合力で残留できる。したがって、半導体ウエハなどのような半導体基板は、前記研磨面および前記研磨粒子によって効果的に研磨できる。
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載の実施例は本発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これによって本発明が制限されてはならない。
<実施例および比較例>
実施例1
ジイソシアネート成分の総重量100重量部対比、TDIおよびH12MDIをそれぞれ下記表1に記載されたような相対重量比で混合した。ポリオール成分の総重量100重量部対比、PTMGおよびDEGをそれぞれ下記表1に記載されたような相対重量比で混合した。前記ジイソシアネートの総量100重量部対比、前記ポリオールの総量を220重量部で相互混合して混合原料を用意した。4口フラスコに投入後、80℃で反応させて、ウレタン系プレポリマーを含む予備組成物を製造した。前記予備組成物中のイソシアネート基(NCO基)の含有量は9重量%に調節された。
前記予備組成物に膨張性粒子である固相発泡剤(Nouryon社)1.0重量部を混合した。また、前記予備組成物の総重量100重量部対比、zinc(II)acetate(Zn(CH3CO2)2)、iron(II)acetate(Fe(C2H3O2)2)、およびAluminium(III)triacetate(Al(CH3CO2)3)を表1に記載されたような重量部で添加した。この時、前記zinc(II)acetate(Zn(CH3CO2)2)、iron(II)acetate(Fe(C2H3O2)2)、およびaluminium(III)triacetate(Al(CH3CO2)3)は、acetoneで希釈して予備組成物に添加する方法で進行させた。
前記予備組成物に、硬化剤として4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)を混合しかつ、前記予備組成物中のNCO基に対する前記MOCAのNH2基のモル比が0.95となるように混合した。
前記予備組成物を横1,000mm、縦1,000mm、高さ3mmであり、90℃に予熱されたモールドに注入しかつ、10kg/minの吐出速度で注入した。次に、前記予備組成物を110℃の温度条件下で後硬化反応して研磨層を製造した。
実施例2および実施例3
前記zinc(II)acetate(Zn(CH3CO2)2)、iron(II)acetate(Fe(C2H3O2)2)、およびAluminium(III)triacetate(Al(CH3CO2)3)の投入量を下記表2のように変更したことを除き、前記実施例1と同様の方法で研磨層を製造した。
比較例1
ジイソシアネート成分の総重量100重量部対比、TDIおよびH12MDIをそれぞれ下記表1に記載されたような相対重量比で混合した。ポリオール成分の総重量100重量部対比、PTMGおよびDEGをそれぞれ下記表1に記載されたような相対重量比で混合した。前記ジイソシアネートの総量100重量部対比、前記ポリオールの総量を220重量部で相互混合して混合原料を用意した。4口フラスコに投入後、80℃で反応させて、ウレタン系プレポリマーを含む予備組成物を製造した。前記予備組成物中のイソシアネート基(NCO基)の含有量は9重量%に調節された。
前記予備組成物に膨張性粒子である固相発泡剤(Nouryon社)1.0重量部を混合した。また、前記予備組成物の総重量100重量部対比、zinc(II)acetate(Zn(CH3CO2)2)、iron(II)acetate(Fe(C2H3O2)2)、およびAluminium(III)triacetate(Al(CH3CO2)3)を表1に記載されたような重量部で添加した。この時、前記zinc(II)acetate(Zn(CH3CO2)2)、iron(II)acetate(Fe(C2H3O2)2)、およびaluminium(III)triacetate(Al(CH3CO2)3)はアセトン(acetone)で希釈して予備組成物に添加する方法で進行させた。
前記予備組成物に、硬化剤として4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)を混合しかつ、前記予備組成物中のNCO基に対する前記MOCAのNH2基のモル比が0.95となるように混合した。
前記予備組成物を横1,000mm、縦1,000mm、高さ3mmであり、90℃に予熱されたモールドに注入しかつ、10kg/minの吐出速度で注入した。同時に、気相発泡剤は窒素(N2)気体を使用し、注入速度は1.0L/minで予備組成物の注入が完了するまで注入した。次に、前記予備組成物を110℃の温度条件下で後硬化反応して研磨層を製造した。
比較例2
前記zinc(II)acetate(Zn(CH3CO2)2)、iron(II)acetate(Fe(C2H3O2)2)、およびAluminium(III)triacetate(Al(CH3CO2)3)の投入量を下記表1のように変更したことを除き、前記比較例1と同様の方法で研磨層を製造した。
前記実施例1~3および前記比較例1~2の研磨層それぞれを2mmの厚さに加工し、研磨面上に同心円形状の溝加工工程を経た。次に、ポリエステル樹脂不織布にウレタン系樹脂が含浸された構造の厚さ1.1mmのクッション層を用意し、前記研磨面の裏面と前記クッション層との付着面に熱融着接着剤を塗布し、加圧ローラを用いて相互貼り合わせた。これにより、最終研磨パッドを製造した。
<評価>
実験例1:加工組成物の誘導結合プラズマ発光光度計(Inductively coupled plasma optical emission spectroscopy、ICP-OES)測定
前記実施例1~3および前記比較例1~2のそれぞれの研磨層に対して、前記研磨層の研磨面から全体厚さの1/2の深さ内のランダムな部分中のxgを(この時、1g未満でサンプリングする。)サンプリング後、硝酸1mlと塩酸3mlを添加して、黒鉛ブロックで200℃、16hの間前処理後、ICP-OESを測定する。この時、ICP-OESはAgilent5100を用い、測定条件は下記の通りである。
<測定条件>
RF power:1.2KW
Nebulizer flow:0.7L/min
Plasma flow:12L/min
Aux fllow:1L/min
Read time:5s
このように測定された前記実施例1~3および前記比較例1~2のそれぞれの研磨層内の亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、および鉄(Fe)の各濃度は5回測定の平均値であって、前記研磨層の全体重量を基準とする重量部として下記表2に記載された通りである。
また、前記実施例1~3および前記比較例1~2のそれぞれの研磨層の総酸化力指数として前記式3の値が導出され、これは下記表2に記載した通りである。
実験例2:研磨層または研磨パッドの物性評価
(1)硬度
前記実施例1~3および前記比較例1~2の研磨層それぞれを2mmの厚さに加工した後、横および縦をそれぞれ5cm×5cmサイズに裁断してサンプルを用意した。前記サンプルを温度25℃で12時間保管後、硬度計を用いてShore D硬度を測定した。
(2)引張強度
前記実施例1~3および前記比較例1~2の研磨層を2mmの厚さに加工した後、横および縦を4cm×1cmサイズに裁断してサンプルを用意した。前記サンプルを万能試験機(UTM)を用いて500mm/分の速度で破断直前の最高強度値を測定した。
(3)伸び率
前記実施例1~3および前記比較例1~2の研磨層を2mmの厚さに加工した後、横および縦を4cm×1cmサイズに裁断してサンプルを用意した。前記サンプルを万能試験機(UTM)を用いて500mm/分の速度で破断直前の最大変形長さを測定した後、最初長さに対する最大変形長さの比率を百分率(%)で表した。
(4)切削率
前記実施例1~3および前記比較例1~2の研磨層を用いて前述したところにより製造されたそれぞれの研磨パッドに対して、前記研磨パッドを10分間脱イオン水(deionized water)でプレコンディショニング(pre-conditioning)した後、1時間脱イオン水を噴射しながらコンディショニングした。前記コンディショニング過程で変化した厚さを測定して厚さ変化量(μm/hr)を研磨パッドの切削率として算出した。コンディショニングに用いた装置はCTS社のAP-300HMであり、コンディショニング圧力は6lbf、回転速度は100~110rpmであり、コンディショニングに用いられたディスクはSAESOL社のCI-45であった。
実験例3:研磨性能評価
前記実施例1~3および比較例1~2の研磨層を適用したそれぞれの研磨パッドを製造した後、下記のように研磨性能を評価した。
直径300mmのシリコンウエハ上に酸化ケイ素(SiO2)を化学気相蒸着(CVD)工程によって蒸着した。CMP装置に前記研磨パッドを付着させ、シリコンウエハの酸化ケイ素層の表面が研磨パッドの研磨面を向くように設けた。前記研磨パッド上にか焼セリアスラリーを250mL/分の速度で供給しながら、4.0psiの荷重で前記シリコンウエハを前記研磨面上に加圧し、前記研磨パッドおよび前記シリコンウエハの回転速度をそれぞれ150rpmとして、60秒間前記酸化ケイ素膜を研磨した。研磨後、シリコンウエハをキャリアから引き離して、スピンドライヤ(spin dryer)に装着し、蒸留水で洗浄した後、窒素で15秒間乾燥した。
(1)平均研磨率
乾燥したシリコンウエハに対して光干渉式厚さ測定装置(SI-F80R、Kyence社)を用いて研磨前後の膜厚変化を測定した。以後、下記式を用いて研磨率を計算した。このように、計5回研磨率を測定し、数平均値を求めて平均研磨率とした。
研磨率(Å/min)=シリコンウエハの研磨厚さ(Å)/研磨時間(min)
(2)欠陥
前記研磨率の測定方法と同一に研磨を進行させ、研磨対象の研磨された表面を肉眼観察してスクラッチ(scratch)などの欠陥(Defect)の個数を導出した。具体的には、研磨後、シリコンウエハをクリーナ(Cleaner)に移動させて、1%フッ化水素(HF)と精製水(DIW);1%硝酸(H2NO3)と精製水(DIW)をそれぞれ用いて10秒ずつ洗浄した。以後、スピンドライヤ(spin dryer)に移動させて精製水(DIW)で洗浄した後、窒素(N2)で15秒間乾燥した。乾燥したシリコンウエハをディフェクト(Defect)測定装置(Tenkor社、XP+)を用いて研磨前後の欠陥の変化を肉眼観察した。
前記実験例1~3の結果は下記表2に記載された通りである。
前記表2を参照する時、前記実施例1~3の研磨層は、所定の条件下で処理した加工組成物中に亜鉛(Zn)の濃度が、前記研磨層の全体重量を基準として0.5ppm~40ppmを含み、前記鉄(Fe)の濃度が、前記研磨層の全体重量を基準として1ppm~50ppmを含み、前記アルミニウム(Al)の濃度は、前記研磨層の全体重量を基準として2ppm~50ppmを含む研磨層が適用されたパッドであって、これに相応する硬度、引張強度、伸び率および切削率などの特性に基づいて半導体基板の研磨結果が非常に優れていることを確認することができる。
これとは異なり、前記比較例1および2の研磨層は、前記研磨層の全体重量を基準として前記鉄、前記アルミニウム、前記亜鉛(Zn)の濃度の和が2ppm~40ppmを外れ、総酸化力指数が1.5~10の範囲を外れることにより、前記実施例1~3の研磨層に比べて硬度が低いか、高いことを確認することができる。
より具体的には、前記比較例1の場合、総酸化力指数は1.5より小さいため、極性程度が低く、被研磨面およびスラリーとの静電気的反発力が減少するため、研磨率が低くなることを確認することができる。これに対し、前記比較例2の場合、研磨率は高いが、研磨パッドと被研磨面との静電気的引力が強くて被研磨面の欠陥が増加することを確認することができる。したがって、比較例1および2の研磨パッドは、目的とする水準の研磨性能を付与できず、平均研磨率および欠陥の面から劣ることを確認することができる。